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さあ、自らの姿を鏡に映してみよう。
そこに映るのはただの村人か、それとも血に飢えた人狼か。
例え人狼でも、多人数で立ち向かえば怖くはない。
問題は、だれが人狼なのかという事だ。
占い師の能力を持つ人間ならば、それを見破れるだろう。
どうやらこの中には、村人が6名、人狼が2名、占い師が1名、霊能者が1名、狩人が1名、C国狂人が1名いるようだ。
楽天家 ゲルトが「時間を進める」を選択しました。
―朝 教会―
[昨日に引き続き、教会内に借りている部屋で目を覚ます。
昨日は結局あのあとどうしたのだったか。
リゼットの言う金色の花の話。金色と言って最初に思いついたのはヒマワリだったが。
その頃外を見れば、素人目にも大雪の気配を悟った。
リゼットには雪が酷くなる前に帰れと言ったんだったか、雪が酷くなるから泊まっていけと言ったんだったか……どちらだったか。寝起きで頭がハッキリしない。
窓から外を見渡せば、目を覆うほどの大雪。
この雪では教会の外に出ることすら注意を要する。
村から外に出るための道は極めて細い。あの道から出ようなどもってのほかだ。
ニコラスが一昨日戻ってきてくれたのは、彼にとっては僥倖だったのだろうか。あるいは旅人の経験が、今戻らなければ危険だと告げたのか、それはわからないが。
とにかく外にでるのは危険だ。今日は恐らく誰も来るまい。
……とは言え、広間の掃除はしなくては。これは、仕事であると同時に、一日を始める合図なのだから。それが終わったら朝食の支度だ。
フリーデルはそう考え。いつものように、朝の支度を始める。]
― 回想、教会の聖堂→ ―
[…はリゼットから目を離すと窓に視線を向けた。いつの間にか窓の外は暗くなり始めていた。]
ああ、もう。そんな時間でしたか。パメラも心配するでしょう。
リゼット、完全に暗くなってしまう前にお帰りなさい。
[そのままパメラの家に送ると申し出る。
リゼットが遠慮しても半ば無理やり一緒に教会を出た。]
[一歩外に出ると、ちらちらと白いものが視界を掠めた。
頬にふれた冷たい感触に…は頭上を仰ぐ。重くのしかかるような灰色の雲から雪が降り始めていた。雪はまるで細かな泡のようで。或いは、たくさんの白い魚達が、灰色の空に放流されたかのようだった。
はらはら、ひらひら、と、舞い降りる雪。]
[…は目を細める。シモンが言っていた様に今夜は荒れるのだろうか。
他愛無い会話のつもりで、隣を歩いているだろうリゼットに話しかけて、]
ああ、雪が降り始めた。もう、今年もそんな時期なんですね。
…貴方がこの村に来て2年経つんですよね。この村の雪には、慣れましたか、?
[ふっ、と。白い息を吐いては…は微笑んだ。
けれども、この聡い少女は、その目元は笑っていても瞳の奥は笑っていないことに気が付いていたかもしれない。…に少女の瞳の奥が覗き込めた様に少女からも良く見える距離に居た>>0:277。それに、少女もまた作り笑いが上手だったから。]
[リーザを送って教会に戻るとリゼットにシモンからの伝言>>0:152を伝える。ヤコブが野菜を持って来たことも話しをした。新鮮な野菜を片手に「今夜は私がスープを作りますから召し上がって下さいね。」と言う。
ニコラスが教会へ帰って来たら彼とも一緒に夕飯を取ろうとしただろう。
夜が更けても雪は止もうとする気配は全く感じられなかった。このまま降り続ければ明日の朝には村は雪に覆われてしまうのだろう。
少しずつ、白く、白く。染まってゆく白銀の村。
このまま何もかも白く染まってしまえばいいのに――。
…の願いに応えるように、雪は勢いを増した。**]
[ペーターは、僕よりも外面がいいから。
そういうのには向いている。
親戚達から小遣いをせびってきたりするのも得意だ。
でも、具合を悪くしやすいのも、ペーターなんだ。
サボるのも、行くのも、ペーターの方が都合がいい。
それなら、簡単な話じゃないか。]
[そう。
それは二人のずる賢い子供達の、些細な計画。
それっきり元に戻れなくなるとも知らずに、
“双子”は、大人達を騙していた。]
[片割れを亡くして以来、
“ハンス”はずっと“ペーター”として生きてきた。
本物のペーターは、自分の身代わりとなって死んだ。
大人達に嘘をついて、一緒に行くことを拒んだ。
そのことが重石となり、少年の心を責め続けていたのだろう。
いつしか“ハンス”と“ペーター”の境界は曖昧となり、
幼い少年の内に、二つの心が宿ることとなる。]
[懐かしの本を開いた時。
過去の記憶と共に、再び自らの罪と、
それを咎める心が芽生え始める。
どれだけ耳を塞いでも、聞こえてくるのだ。
懐かしの声が。]
“ねぇ、ハンス。
どうして君だけ生きているの?
まさかハンスだけこのまま幸せになれるなんて――…
そんなこと、許されるわけがないよね……”
[それが夢とも知らず、
少年の心は一晩中“声”に苛まれる。
――…わかってる。わかってるよ、ペーター。
僕は、幸せになんてなれない。
なっては、いけないんだ。
君にばかり、辛い思いはさせないから。
だからもう、]
[自らの発した声に驚いたように、目を開ける。
いつの間に眠っていたのだろう。
窓の外を見れば、既に村は白銀に覆われていた。]
…………今のは、夢?
[青ざめているのは、寒さのせいばかりではない。
再び寝直す気にもなれず、布団の中で深くため息をついた。**]
[罪悪感に捕らわれ続けた少年の心は、
いつしか希望を失っていた。
大人達は彼をいい子と言うけれど。
実際は“ペーター”らしくあるために、
体裁を繕うのに必死である。]
[そして、心に巣喰う“
人の身ながら、いつしか滅びを願うようになっていた――。**]
/*
はっ!! これはもしや、初めて襲撃がもらえるフラグ!?
狼で処刑されたのと、ランダムで処刑されたの以外、全部最終日生存なん・・・。
/*
結局入れ替わりを採用したけど、ややこしいかなこれ……。
赤の皆さん、連投すみません。
2狼だよな。ご主人様誰だろう。(わくわく)
村内での時間軸は村システムに連動とします。(※全日、前日会話の補完対応は可。)(ただし、回想が多くなって表が全く進展しないという事はならない様に付けて下さい。多少強引にでも皆で時間を進めちゃって下さいめ!)
(遅くなりましたが、プロローグは騒動前日の1日分扱いとします。)
目安としては、前半の24時間で朝から昼まで、それ以降の夕方〜を後半の24時間という流れでお願いします。
勿論、多少ずれ込んでも大丈夫です。
―昨日・仕立て屋―
[シモンから声をかけられ>>0:289、一度驚いたように目を開いた後、穏やかな笑みを浮かべて頷いて見せた]
シモンさんも、聖地巡礼に興味が?
[彼に興味を抱かせたのは、他の物かもしれないが、それでも、話を聞きたいという申し出は嬉しかった。
聖職者ではないから、説法を説くつもりもない。ただ、見て感じた事を話して聞かせるだけである]
僕の話でよければ、喜んで。
自宅の冬支度が整うまでは、今年も教会のお世話になろうと思っていますし。
[男の実家はほかに住むものもなく、春から冬までの間は空き家になっているから、当然の如く荒れ果てている。
人の入らない家は直ぐに傷む。ひととおりの掃除や修繕を済ませ、人が住めるようになるまでは、毎年教会の一室を貸してもらっているのだった]
[そうして補修箇所の確認をしているエルナに視線を戻し>>0:294、1日2日と聞いて安心する。
完全に雪に閉ざされる前には、どうにかなりそうだ]
喜んでもらえたようで良かった。
[土産にと持ってきた服飾材料に歓喜の声があがる>>0:295と、顔も綻ぶ。
淡い珊瑚の色をしたボタンに目を留め、そしてチロリアンテープを手にとって]
うん、さすがに、それは……
補強なんだから、余っている生地があればそれで充分だよ。
[出された提案に>>0:296、苦笑が浮かぶ。
そう、刺繍の施された飾り用のテープなのだから、補強に使うよりは、たとえば]
それを使うなら、リゼットやパメラの服とか、シスターの小物とか、あとは――
……エルナの作業エプロンを、少し飾ってみるのもいいんじゃないかな。
[彼女がこの村に来た時には、既に巡礼の旅に出ていたから、冬以外の彼女の事は知らない。それでも、会う時はいつもあまり飾り気のない格好をしているようだから、つい、そんな事を口にしてみた]
……白い。
[ぽつ、と白い息と共に言葉を漏らし、視線を上げ、足元に落とし――…
首を振る。
――この世界には、色がない。
まるで自分の体と同じだ、と自嘲気味に唇をゆがめる。
色が分らぬ訳ではないが、そのどれもが白や黒や灰色がかったくすんだものに見える。
おぼろげに残る、否、半ば無意識に蓋をしている幼い頃の記憶だけが赤く、それから先は、世界の全てが灰色だ]
[ひらひらと、冷たい雪が頬に触れる。
体温に解けて雫になるそれは、とうに枯れ果てた涙のようにも見えて]
……さむ。
[無造作に雫を拭い、教会へと戻る。
そしてまた部屋を借りて、朝を待つのだ**]
―いつか―
[聴き慣れた××××の声。
鈍く光る白色の棘
ぽた、ぽたとリズムを刻んで――喰い千切る。
――…ねえ。
殺して。
ひゅうと空気を吐く咽喉が鳴る。
苦しいはずなのに、何故?
痛いはずなのに、何故?
――…どうしてそんなにも幸せそうに微笑むの?
母さん。]
[カチッ。]
[音がしたようにも感じられれば、周りの風景はぐしゃりと歪んで。
――…何時か何処かも覚えていない。
母の膝に乗せられた幼子は、母の話を黙って聞いていた。]
『人狼は居るのよ。美しくも恐ろしい人の姿をした狼は。
本当はね…貴方がそうなの。
……ねえ、ヨア。』
『――…何時か。
貴方が牙の使い方を覚えたら、母さんを殺しておくれね。
そうして、跡形もなく、食べて…』
『貴方の中に永遠の命を頂戴。』
[歌うように言った母は、何処か赤味を帯びた眼差しで笑っていたような。]
[カチッ]
[――…切り替わる。
獣は、赤い泉へと顔を浸していた。
幾ら果実を啄もうとも、水を通そうとも、決して満たされることのなかった「渇いた」身体が初めて満たされた感覚に、洩れるのは…愉悦を孕んだ低い聲。
本能のままに、目の前の「エサ」を貪っていた。]
[――ぴちゃん。
やがて…最後のひと欠片――飲んだ液体が胃の腑へ落ちる音。
……暫くの間――そして、もう一度。
――ぴちゃん。
――……
獣は自覚のないまま、不自然なほどに固く動きを止め、じぃ…と"エサ"を凝視した。
生命の泉が枯れ、所々欠けたそれは青白く人形のように横たわっていて、それでも、見間違え様のない…××××――
一秒。 …二秒。 ……三秒。
――…沈黙。]
……ぁ。あ…――――――――!!!!!!!!!!!!
["それ"はやがて、獣と人の混ざり物となった聲で、叫ぶ。叫ぶ。叫ぶ。
ヒトには認識されぬ『聲』を発する喉を潰れてしまえとばかりに掻き毟りながら、その息の切れるまで、唯。
音の掠れて消えるまで、獣は――咆吼した。]
[――…それから。どれだけの時が立ったのか。
幼子の孕む赤はやがて白へと掻き消されて。
積もる白さはやがて広がる赤の中へ塗り潰されて。
滲んで歪になった視界。
幼子は緩く開いた双眸に虚ろな光を映したまま、
空の灰色を見上げていた。]*
――……朝か。
[肌を刺す空気の冷たさに目を覚ました。
寝覚めは最悪で、何か夢を見ていたような気がしたものの、内容は全く思い出せなかった。
昨晩、シモンからレジーナの不在を告げられて>>0:316…ああ、そうだ。
ニコラスが帰ってきていると耳にもしたのだったか。
夕飯の前にオットーから受け取ったパンやらパイやらたらふく詰め込んでいたものだから、それほどの食欲は無かったけれど、それでも、通常と変わらない量を食べたのは、きっと作り手の手腕だろう。]
何なら一年中世話になりたいもんだねえ。
[さすがに本人へは言わないけれど。
大きく欠伸をすれば、扉を開いて階下へと降りる。
通りがかりの眠そうなゲルト>>0の背を気付けにと強めに叩けば驚いたようだった。
そのまま足を向けるのは厨房に。
目に付いた茶色い歪な芋で手早くスープを作れば、シモンは起きてきたか、どうだったか。
どちらにしろ、二人分を注いで、そう広くもないテーブルの上へと載せた。必要ならば、もう一度持って来ればいいだけの話。]**
『逃げ…て…』
[涙ながらに訴える、恋人の顔。]
――馬鹿言うな!
そんなこと、できるわけないだろう!!
[喉が裂けんばかりの大声で叫ぶ。]
!?
[躊躇っているうちに、一匹の獣が自分の首筋を目がけてとびかかった。
不思議と痛みは感じなかった。
覚えているのは強い衝撃と焼けるような熱さ。
死を覚悟して閉じた目を開くことは二度とないと思っていた。]
…はっ!はっ…はあ…はあ…
[飛び起きる。
乱れた呼吸と激しい鼓動がやけにうるさく聞こえる。
窓の外は一面の雪景色。
節約のため、暖炉の薪は最低限しかくべていない。
にも関わらず、寝間着は背中まで汗でぐっしょりと濡れていた。]
……フローラ…
…っ…
[亡き恋人の名を呼ぶと、軋む右肩を左手で覆って、顔を隠すように、ベッドの上で蹲った。]
[しばらくして落ち着いたところで、ため息をひとつつくと、ベッドから降りて身支度を始めた。
“あの日”のことは、誰にも話していない。
自分の中に封印した。
否、封印しようとしていた。
しかし、無意識は容赦なく時折あの日の光景を見せつける。
それは今日のように夢であったり、農作業の合間に一息ついているときだったり。
身体を動かしている間だけは忘れていられたので、リハビリを終えてからは一層仕事に打ち込んだ。]
―仕立て屋―
こんにちは。エルナさん、いますか?
[昨日配達しそびれた野菜を抱え、仕立て屋の戸を開けた。
籠の中身はお詫びとしていつもより多めに入れてある。]
遅くなってすみません、野菜の配達です。
それと、以前注文した作業着を引き取りに。**
― 朝、村の入り口 ―
[予想通り翌朝には辺り一面白く変わっていた。外はまだ雪が止んでいなかったが…は確認の為に朝一で村の入り口に赴いた。
山を降りるには、壁のような崖の中ほどにある道らしからぬ道を通らなければならなかった。
冬になると村全体が深い雪に覆われる。冬の間は訪れる者は少なく出て行く者もない。
…はもう一度村の入り口に目をやった。昨日降った大雪のせいで閉ざされてしまっていた。
これでは、もう山から降りられまい。春になって雪が解けるまで。]
[村人達は、村の中に閉じ込められてしまった。
けれども交通が遮断してしまっても、冬に備えて物資を蓄えているから問題が起きない限りは平気だろう。それにしたって不便だとは感じるが。
都会から来た…は随分と淋しい場所に来てしまったものだと思ったものだ。上から言い渡されるままにこの村には来た。
積極的に村人の交流は取ろうとしないが、それらしく神父の仕事をこなしているつもりだった。日曜の朝にはミサを開き、依頼があれば冠婚葬祭も務め、平日は村人の相談を受けたり説法を説いたり。多くの村人に普通の真面目な神父に思われているだろう。
…は、自分のことを余り話したがらなかった。嗜好や習慣はともかく、誰にも過去のことは明かしていない。友人として親しくしている、シモンにでさえも。
大切な人をなくしんたんですよ。
たったそれだけ、自分の過去について話しただけだった。]
―回想・深夜―
[月明かりが、冷気を漂うかの如く頬を撫でる。其の日の月は、何故か鋼色に見えた。冷気をその身に纏わせる、抜き身の刃だった。雲を切り分け、夜の闇まで切り進み、侵すように染み渡る。その様相は、或いはその月明かりから生み出されているかのようにすら見えるのだった。]
……。
[身体の中にいる獣が月明かりに共鳴して、浮上するように目を覚ます。聴覚を満たす静寂は真っ逆様に地へ堕ちて、視界を駆ける暗闇は瞬く間に虚を描く。
自身を構成する全ては、他人からの借り物だ。 初めから枯渇しきっていた砂漠のような心には、理想を追い求めるような気概もなく、だからこそ他人の理想や期待、或いは望みを借りる必要があり、自分の理想がないからこそ、期待以上のものを作ることはできないのだった。]
あの日――。
[――自分が真に枯渇しきった日。あの日から、乾いた心は期待や願いだけでなく悪意まで吸い込むようになっていた。その成れの果てに、“彼女”と同じ存在になっていた。今はもういない、自身に「生き続けて欲しい」と呪いをかけた、あの人と。
自身にすら己の意思が介在しない。その行動は全て他人の意思で構成され、大凡人とは程遠い。
…は数刻の間目を瞑り、意識を自身へ埋没させる。次に目を開けた時、彼から生気が完全に失われ、その瞳はただひたすらに死を体現したかのような暗闇を指しているのだった。]
/*
何か暗い過去を持ってる奴が多そうな雰囲気。
あと…彼女持ち…多くない?なあ…。
母さんという名の彼女…はさすがに無理しか無いな。うん。
/*
オットーがどう動くかにもよるけれど、襲撃の主軸がこっちに来そうな予感がしていてぶるぶるしてる青年が俺…。
ゲ、ゲルトのキリングどうなるんだろうか…
任せて貰えるなら適当に考えておかないと、と思いつつも、村に閉じ込められたって状況を知らなければ特にゲルトを喰う理由がないから、ジムのとこに行きたいなあなんてぼんやり考えてる。
―朝・教会―
[昨日、オットーのところからもらってきたミッシュブロートに炙ったベーコンを添えて、簡単な朝食を済ませる。
土産にと渡したアップルパイは、2人には喜んでもらえただろうか……などと考えながら。
そして案の定――
窓から見える外の景色は真っ白に染まっており、建物の中だというのに、きんと冷える。
ジムゾンは、村の入り口を確かめに朝早くから外に出ている>>21。
戻ってきたら温まれるように、薪を持ってきておこうか。それともお茶の支度をしておこうか]
…………。
[――かぁん、かぁん。
悪天候を知らせる、なにかの警告のような頭痛は未だ治まらない。
身体を動かして気を紛らわせていなければ、気が滅入ってしまいそうだった**]
― 朝 宿屋 ―
[雪が降っているから、放射冷却がない分気温は高めだが、それでも自分には十分過ぎるほどの寒さの中で目覚める。
着替えて冷たい水で顔を洗うと、真っ先に談話室へ足を運び、暖炉に薪を入れて部屋を暖めた。続いて玄関へ向かい、外に出られるように、あるいは誰かが来ても大丈夫なように雪かきをする。]
さて、次は朝食の準備を、と。
[ひとりごちながら厨房に顔を出せば、既にヨアヒムがスープを作っていた>>14。]
おはよう、ヨアヒム。
悪いね、レジーナさんが出かけているから手が足りなくて。助かるよ。
[スープを差し出されたら、ありがたく頂く。外で体を動かしたあとなので、温かい食べ物が心地よく胃袋へ染み渡った。]
昨夜の夕飯、ゲルトにも手伝ってもらったけど、俺がメインで作るのは初めてだからさ。ちと心配だったのに、普通に食べて貰えて良かった。
[ヨアヒムが夕食の前にオットーが作ったものを口にしていたとは全く知らなかったが、食欲にさして変わりがないように見えたので、心から安堵している。]
昨日はゲルトの希望を通したから、今度はヨアヒムに聞くよ。一通りレシピを教えて貰っているし、食べたいものがあったら頑張って作る。
[毎年宿へくるヨアヒムとは単に顔を合わせるだけでなく、夕飯やティータイムのときに会話を交わす間柄だ。
この宿屋は村で唯一の宿泊施設なので三階立て。一階に温泉を引いた広い浴室と談話室があり、客室は二階以上に振り分けられている。
ヨアヒムは上の部屋に泊まっているが、自分は仕事の都合やら何やらで、現在一階にある従業員部屋を使っていた。]
もし何かあったら、いつものように従業員部屋に声をかけてくれ。
[そう告げたあと、目を擦りながらふにふにしているゲルトに視線を向けなおし、”顔を洗ってきたらどうだ?”と言った。先ほどヨアヒムに気付け変わりに背中を叩かれたのに、再び眠気に襲われているようだ。**]
― 昨日・仕立て屋 ―
[エルナが示したテープの使い道の案に、
シモンの視線はどこか忙しなく動くし、ニコラスの顔には苦笑が浮かぶ。>>0:312>>9
強度を確かめ終えれば眉根の寄った表情が戻ることもなく]
そう、ですよね……強度もいまいちだし、
余り布のほうがまだその目的に使えるってところですね。
……可愛いと思ったんだけどなあ。まあいいか。
[実用性の方が大事。
どうにか切り替え終えれば、ニコラスが提示した案を聞き瞳を瞬かせる]
そりゃあもちろん村の女の子達の品はパーッと飾り付けたいですけど、
あたしの……作業着……?
[しばらく考え込むように俯き、やがて]
[エルナには4年前、彼女が移住してきた当初から普段着や作業着を仕立ててもらっていたが、恋人を亡くしてからは以前にもまして世話になっていた。
畑仕事で鍛えられたごつごつした手は、細かい針仕事には不向きなようで、外れたボタンをつけてもすぐに取れてしまったり、裾のほつれを直しても見事なほど不格好だったり。
そういうのを見ると、彼女はいつも気安く直してくれた。
いつだったかは、編んだマフラーを半ば強引に押し付けられたこともあった。>>0:179
その楽観的で気前の良い性格は、自分とは違って前向きで明るかった恋人を思い出させて、彼女に会うときはいつも心安らぐとともに、辛くもあるのだった。]
―パン屋にて―
[結局そのまま起床時間となり、のそのそとベッドから出る。
屋内でも寒さは際立ち、吐く息も白い。
オットーの手伝いをしたり、朝食の仕度をしながらも、
外の様子をちらちらと気にしていた。]
……外、かなり積もってそうですね。
僕、宿に用事があったんですけど……
その前に、ちょっと牧場の様子を見てきます。
[羊飼いの一家もまた村を留守にしている為、
時々餌の補充をして欲しいと頼まれていた。
さらに天候が荒れそうならば、早いうちに行ってしまおうと。]
―パン屋→牧場―
[朝食を終えれば、村外れの牧場へと向かう。
防寒の為、首にはエルナから貰ったマフラーをしっかりと巻き、
手にはヤコブから預かっている籠を持ち、図書館で借りた絵本は
大事に懐に抱えている。
牧場に着けば慣れた様子で動物達の餌を補充し、
少しだけ小屋の掃除も行う。]
……にしても……。
[村外れの様子は、一面の銀世界だ。
一晩ですっかり様変わりしてしまった村の様子に、
昔を思い出して、僅かに悲しげな表情を浮かべた。]
―牧場→宿屋―
[牧場にストックされていたチーズとミルクを籠に入れ、
雪の中をさくさくと足音をながら、宿屋へと向かう。
雪国で生まれ育ったとはいえ、いまだ幼い少年にとって、
積もる雪は難敵であった。]
――…わぁっ!?
[風が吹いたと思えば、木の上からどさりと雪が落ちてきて、
少年の全身に降り注ぐ。
宿に着いた頃には、雪まみれになった全身を
せっせと払っていた。**]
/*
ヨアヒムさんとオットーさんがご主人様でした……!
オットーさん人狼なら、ペーターもC狂として覚醒?しやすいな。
わーい。
せっせと狂おう……!
― →宿屋 ―
[ああ、
白い。
一晩ですっかり雪に覆われてしまった。世界が色を失ったみたいだった。
山を降りる為の道が封鎖されてしまった事を残った村人達にも知らさなければならない。まず宿屋に居る人間に伝えようと…は踵を返して来た道を引き返した。
ああ、白い。そう、一晩ですっかり様変わりしてしまった村の様子を見て感想を零す。]
[宿や店に顔を出している少年の姿をよく見かけるから。
今日もきっとそうなのだろと当たりをつけて、籠に入ったチーズとミルクを宿に届けるつもりなのかと聞いて、]
私も宿屋に用事があるんですよ。村唯一の道が雪に閉鎖されてしまってそれを皆に伝えたいんです。一緒に行きましょう。
[そう言って、ペーターと一緒に宿屋に向おうとした。
到着した頃には、ペーターは全身雪まみれになってしまっていた。くすくす笑いながら、宿先で服についた雪を払うのを手伝っただろう。]
/*
雪で閉じ込められるのは珍しいことじゃないって認識だったから普通に出てきてしまったわ。
神父さんに聞いても「まあこの雪ならそうでしょうね〜」って答えそう。
大変ですね……。
出かけた皆さんも、早く戻ってこれるように
なるといいんですけど……。
[宿に着けば、真っ白になった全身に苦笑いを零しながら
ジムゾンの手を借りて雪を払うのだった。]
― 宿屋 ―
[ペーターが風邪を引いてしまう前に宿屋の中へ入った。
屋内は暖かくてほっと胸を撫で下ろす。]
誰かいますか?シモン、居るのでしょう?
山を降りる道が雪で塞がってしまったのを報せに参りました。
[宿にいるだろうシモンの名前を呼ぶ。]
[掃除を始める前に、今後の予定を立てようとしたとき。昨日ニコラスと交わした会話が頭に浮かんだ。]
聖地巡礼、というよりは。ニコラスは俺が知らない風景を見てきた訳だろ?どんなものか気になってな。俺は本当に狭い世界しか知らないから。
[興味を持ったきっかけを正直に話した。快く受けて貰えるとありがとうと嬉しそうにお礼を口にする。]
その代わり、自宅の冬支度で手助けできることがあったら遠慮なく言ってくれよ。修繕は勿論、掃除も一人では大変そうだからな。
[この村に来て宿屋の世話になり始めてから、料理や掃除などの家の中の仕事を教えて貰ったので、一通り身についている。人生は何処にどう転ぶか分からないものだと考えれば、実に感慨深い。
自分には直接関係ないが、テープの使い道も無事決まったので>>9>>26、気付かれないようほっと胸を撫で下ろしていた。]
[窓の外は一面白に染まっている。まるで此処には最初から他の色など存在しなかったかのように。
たまたま通りかかった際に温泉の評判を耳にして、怪我に効くなら療養しようと立ち寄ることを決めた。自分にとって白銀の村を知ったきっかけは、ほんの偶然に過ぎなかった。
あのとき、戦線離脱せざるを得ないような怪我をしなかったら。そして、白銀の村に住む樵から村の話を聞かなかったら。おそらくその名を知ることすらなく一生を終えただろう。
そのときの経緯や、幼い頃過ごした村については、包み隠さず友人のジムゾンには話をしてある。けれどもその反面、戦場に関することは全く喋ったことがなかった。
だから、ジムゾンの過去にも言及してない。誰しも沈黙を守りたいことはあると思っている。
そして、”大切な人をなくした。”>>22との言葉には。]
俺は戦場に出ると決めたときから、大切な人を作ることを止めたけれど。少なくとも、ジムゾンの気持ちを全く想像できない訳じゃない。
[とだけ答えた。]
[ぶっちゃけた話をすれば。どんなに言葉を取り繕ろうとも、結局のところ人を殺す術を覚えた自分が、大切な人を持つことに違和感があった。だが、それがどんな思いに起因するのか、上手く言語化する術は未だに得られていない。罪悪感なのか、あるいは別の何かなのかすらも。
だからもし”何故作らないのか?”と言及されたら、自分でも良く分からないと正直に答えるだろう。]
……。
[淡い青の目を窓の外に向ける。
雪は世界の全てを覆い尽くす―鮮やかに散る赤も、目を覆いたくなる醜い感情も―ような気がして、大きなため息をついた。]
いまは、"まだ"緊急事態と慌てる程ではないですが、
念のために宿屋に人を集めた方が良いですかね。
そうだ、教会にも戻ってフリーデルさんやニコラスさんにもこの事を伝えなくては……。
[これから先の事を考えてぼやく。
宿屋に泊まっていたヨアヒムの姿を見かければ小さく会釈をしただろう。**]
[集会場としての役割も兼ねている広間の掃除を終えれば、少しずつ頭もハッキリしてくる。
そうだった、昨日はリゼットさんを神父様が送ると言ってくれたのだ >>2。確かに、何も言わずに泊まらせてはパメラさんを心配させてしまうことになる。判断は正しいと思ったから、自分は何も言わなかった。
そのあと暫くしてニコラスさんが戻ってきた。
神父様とニコラスさんと一緒に夕飯を食べたのも覚えている。オットーさんの作るパンは、温かいスープとも相性が良いのは嬉しい。
ようやく、思い出した。そう、そうだった。
朝食の準備をしていると、ジムゾンから声がかかった。ジムゾンは村の入り口を確認しに行くという。了解の返事を返し、「お気をつけて」と言って見送った。
生まれも育ちもこの村のフリーデルにとってみれば、見るまでもないのだが……雪によって閉ざされた道は、ありありと目に浮かんでいた。
さて。
この教会の主が居ない今、留守番程度はせねばなるまいと。
冬支度の点検などをしつつ、神父が戻るまで、しばし時間を潰している。]
/*
ほええ赤ログが実質ソログ状態に!
や、何かこう話しかけたほうがいいのかもだけど…おうおう…
ログざっと見てきたけどどうしよ、んんん…流れ…
お前にも一応、な。
[ジムゾンに向き直ると、改めて伝言は任せてくれと返事をしてから、ペーターに渡したものとは別のタオルを差し出した。]
ヨアヒムとゲルトは昨日から宿屋に泊まっている。だからこの二人は呼ぶ必要はない。
今村に残っている人達は……結構少ないよな。呼ぶのに手間はかからないと思うけれど、教会にいるフリーデルとニコラスについては、ジムゾンに任せる。
[今後の予定について自分の考えを述べながら、他に必要なことはあるか?と尋ねた。]
[暇つぶしの作業をしていると色々心配事も浮かんでくる。
エルナは無事に冬支度を終えられただろうか。シモンさんには強く言っておいたから、とりあえず薪は足りたと信じたいが。
他の皆も大丈夫だろうか。
年の近い同性としてみれば、パメラも心配だし。
色々な所で働いているペーターは怪我などしていないだろうか。
宿屋の食糧や薪が不足しているなどないだろうか。
不穏な想像を振り払うように首を振り、春が来るまでの生活の細かく想定する。とは言え、こういった冬の生活にはもうとっくに慣れている。今更、蓄えが足りなくなるなどということはありえないと、彼女自身よく解っているのだから。
そうしていると、不意に昔の事を少し思い出す。思い出すのは……エルナが来て間もない頃のこと。もう4年くらいになるだろうか。]
―回想:4年前―
[それ >>0:212 は、丁度フリーデルもシスターになりたての頃で。
外からの居住者である色々と慣れないことも多いのだろうと。彼女自身少し過剰とも思えるほど世話を焼いてしまったのを思い出す。
その頃のエルナの態度は、今よりもちょっと固かったように思う。
――そうやって人の心配ばっかりしてさあ。
――そういうリデルはどうなの。自分の心配、してる?
その時は……多分、目を丸くして、変な顔を見せてしまったんだろうなあ、と彼女自身思う。
ああ、自分も心配してもらってたのか、と。
――ごめんなさい。
――今この瞬間から、することに決めました。
確かにそう、決意の表情で、言ったのだと。
自分の心配もちゃんと出来ない者に、心配などしてほしくはないだろうから、と。そんなことを、言ったことを。何故だか今、思い出した。
……今彼女がその言葉を実現できているかどうか。それは、彼女自身にすらよくわからない]
―回想終了―
[エルナが作業着を取りに行っている間、ふと窓の外を見た。
雪は一晩で予想以上に積もっていたので、今日は荷車の代わりにソリを使った。
この分ではもう村と街とをつなぐ道はふさがってしまっているかもしれない。
例年より少し早いが、珍しいことではない。
そう頭では分かっているはずなのに、今年は何かが違う。
何かよくないことの前触れのように思えてならなかった。]*
―宿屋・談話室―
俺ぁ冬の間は、ここを借りる代わりに宿屋のお手伝い、と決めてんだ。
[シモンの挨拶>>24にはカラカラと笑ってそう答えた。…彼の金糸に溶けかけの雪が混じっていたならお疲れ、と加えるのも忘れずに。]
――…全然。料理の才能あるんじゃねえ?
[器用とはとても言い難いゲルトの手伝いはあまり期待できたものでは無かったろうし、シモンの手際が良かったんだろう…とは推測だけれど。
リクエストを請われた>>25なら、ゆっくりと瞬きを…二回。]
――ぁー…、そう…だな……あ。
[ぐるりと見渡せば…まだ数を残している果実と幾つかの穀物と。一通り顔を巡らせれば、思いつく。]
…シモンさ、ポテトと林檎でグラタンは作れる?
[口を開けば、出てくるのは母の得意料理だったもので。
きっと、そんな感傷は伝わらないのだろうけれど、もし作れると返事が返るのだったら頼み込むつもりだった。]*
―パン屋―
オットー、いるか?
[エルナとの会話が一区切りつけば、次の配達先であるパン屋へと向かった。
オットーはパンに野菜を使ってくれるため、ここへは毎日のように配達に来ている。
それでなくとも彼は幼馴染で比較的気安く話せる存在だ。
無表情で何を考えているのかわからないと思うことはあったが、他人から見れば自分もそう思われているかもしれないのでお互い様。]
今日の配達だ。
昨日の分はたまたまペーターに会ったからここまで運ぶよう頼んだんだが、無事届いたかな?
[子供といっても仕事はきちんとこなすペーターのことだ。
信頼してはいるのだが、やはり自分の育てた野菜なので、確認しておきたかった。]
――…村の中は文字通り『生き止まり』になっちまったって、ね。
[低く呟く聲も――また、唯の独り言。
ぺらり。
ぺらり。
それでも…捲る本へと乗せる男の手は、何処か固い。]
[髪を拭き終えたペーター>>60に、洗濯するからと告げてタオルを回収する。
そこで図書館の話を耳にした。]
嗚、そういえば昨日ゲルトが見慣れない古い本を持ち歩いていたな。あれはペーターが借りてきたものだったのか。
えっと、ゲルトはさっき厨房にいたっけ?
[何処に行ったのかときょろきょろしていると、話声を聞きつけたらしくゲルトがあくびをしながら登場した。]
なあ。ペーターが図書館から借りた本、どうした?
[今は何も手にしていなかったので尋ねると、”談話室に置いてあるよ。昨夜遅くまで読んでいたから眠くてさー。”との返事があった。
ペーターとほぼ同時に談話室へ顔を向ければ、ヨアヒム>>62が目に入る。しかしめくっている本がペーターの言うものかどうかは、題名すら覚えていなかったので断言できなかった。]
[シモンの他にもヨアヒムが泊まっているらしい。部屋の奥に青年の姿を見つけて遠目に挨拶だけした>>62。
宿屋を立ち去る間際、ペーターをちらりと横目で伺った。ペーターの頭を…が撫でた時、ぼんやりしていた様子だったのが気に掛かっていた。くしゃみをしていたので風邪を引いたのだろう。それにしては、何だか様子が変だったけれども。
此処にはヨアヒムが居る。それにシモンが、とペーターからシモンへとちらりと視線を移した。シモンが面倒見が良いことは良く知っている。実際に…は何度も世話になってきた。シモンも居るし大丈夫だろうと、シモンが視線に気が付く前に自分から逸らしてしまう。
助けて欲しいと声に出さなくとも無意識の内に甘えてしまっていた。…にその自覚はない。踵を返して雪の中へと。]
― →教会 ―
シスター。
少し、薪を持ってきますね。
[留守を守るフリーデルに声をかけ、予備の上着を羽織り、エルナに渡された赤紫がかった色のマフラーを首に巻く。首だけでなく口元を覆うにも充分なボリュームがあり、初めて編んだ時のそれに比べて、随分とうまくなったものだと思う。
初めのころは、それはそれは編み目も不ぞろいで、所々引き攣っていたりもしたものだけれど。
……このマフラーも、村のみんなの服も、補修やボタン付けも、彼女が針を取るのはいつも、『誰かの為』だ。
だからたまには自分の服を飾り付けてみるのもいいのではないかと、遠まわしの提案に対する問いかけには>>27快く了承した]
―朝・パン屋―
[朝目覚めると、そこは雪国だった。降った雪は瞬く間に、この村を外界から分断してしまったのだろうと悟る。肌寒さも覚えてはいたものの、改めて実感したのはペーターの吐く息の白いこと>>30を視界に捕らえてからのことだった。]
そうだね。雪はかなり積もっていると思う。
外出するなら気をつけて。降雪が酷くなった場合の判断は任せるけれども、危険を感じたら無理に戻ってこなくて構わないから。
[本当にペーターを心配するのであれば、引き止めるべきなのだろうか。そんなことを考えつつも決して口には出さず、彼が朝食を終えて出発するときにも、ただ見送るのだった。]
―その前日、教会にて―
[どんなに記憶の糸を手繰っても、金色の花の名は思い出せなかった]
……ごめんなさい。
でも、きっと思い出しますから。
[リゼットの思いつきのような言葉に付き合い、花の名を挙げながら一緒に考えてくれた二人に詫びる。
それでも未練がましく花の名を思い出そうとしていると、神父からもう日も暮れるから、帰るようにと窘められてしまった。
神父に倣ってリゼットも窓に視線を向けると、眼に映るのは暗く陰鬱な鈍色の空]
ヤコブは野菜の配達に来てくれたときに伝えればいいだろう。
オットーへの伝言はペーターにお願いするとして、あとは一緒に暮らしているパメラにリーザ、エルナに言えばいいだろうか。
[ジムゾン>>69からも渡したタオルを回収する。村に残っている人の顔を思い浮かべながら、伝言について考えをめぐらせた。
今は特に必要ないと返事をしたジムゾンに、分かったとだけ答えたものの。心の中を探るようにじっと見つめる。]
そっか。だったら今後何かあったときには、すぐに言えよ。俺も気をつけているから。
[ジムゾンが自発的に助けて欲しいとは言わない性格だと理解しているから、積極的にサインを読み取る努力をしようとの意思が言葉になった。自分では完全に無意識だったけれど。
しかしジムゾンから視線を向けられたとき、たまたま談話室のヨアヒムを見ていたので気付かなかった。
それでも宿屋から外に向かう背中に呼びかける。]
フリーデルとニコラスによろしくな。こちらのことは大丈夫、俺に任せてくれ。
―その前日、帰り道―
[シスターは教会に泊まるよう勧めてくれたが、無断の外泊はパメラを心配させるから。神父の提案を受け、冬の夕暮れを並んで歩いた>>2
交わす言葉のないままに暫く歩いていると、やがて雪のひとひらが、二人の上にはらり舞い降りてくる]
――あ、雪。
[呟いて空を見上げると、神父に『この村の雪には慣れたか』と問いかけられた>>4]
……この村の、雪ですか?
そう、ですね。皆さんのおかげで、慣れたと……思います。
[答えるリゼットに、いつの間にか神父の双眸が向けられていた。
思わず見つめ返してしまい、小さく息を呑む。
何故なら――笑みを湛える神父の、その瞳の奥は決して笑んでなどいなかったから。
自分と同じ偽りのそれを映して、リゼットの眸が瞬いた*]
[こういう、女の子が喜びそうなものを見せるだけでも、
ヤコブに、いなくなった恋人を思い出させてしまうかもしれない。
今更そんなことに思い至れば、テープを持った手が若干引っ込みはする。
村に移り住んだ頃のヤコブと、恋人がいなくなってからのヤコブとでは、
ずいぶん変わってしまったのは、よーく知っている。
エルナに出来ることといったら、衣食住の衣の面がおろそかになりがちな彼に対し、>>28
仕立て屋目線で世話を焼くくらい。
――ああ、あとは、取り立てて以前と態度を変えないよう心がけてもいる。
恋人と村の外に出かけたあの時に何があったのか、訊かないでいるのもその一環。
いずれ話せる時が来るだなんて楽観的な思考が、混じっていないわけではないけれど]
/*
やはり1000ptでは足りない人が多くいるっ
あたしはいいけどねー……朝更新村の24時間で1000pt以上使うような時間の使い方できなくなってるし
そうだな。宿屋に寝泊りした方>>82が、今後何かあったときに連絡しやすいだろう。決して無理強いはしないが、俺はお勧めだな。
一緒に暮らしているパメラとリゼット、エルナには俺がこれから知らせに行く。ペーターが宿屋に泊まるなら、一旦パン屋に戻って用意をすればいいと思う。
[手早く今後の予定を言いながら、外出する準備を整える。
そこで視線をさまよわせるペーターに気付いて、安心させるように表情を緩めた。]
大丈夫だ。今のところ頼みたい仕事はない。
だがペーターに助けてもらいたいときは、ちゃんと言うから心配することはないぞ。
[ヨアヒムとゲルトに”ジムゾンの伝言を伝えに行くから、突然で申し訳ないが留守を頼む。”と告げて、宿屋をあとにした。]
― 宿屋→
[ニコラスの提案 >>73 に対しては、今日は有難く受け取ることにして。]
ありがとうございます、では、お願いしますね。
薪置き場の場所は……って、言うまでもありませんでしたね。
[教会近くに備えられた倉庫には、冬を越すには十分な薪を備えてある。とはいえ、自分の細腕で薪を持ってくるのは、どうしたって重労働になってしまう。
外が大雪ともなれば尚更だ。日が高くなってきているとはいえ、外は今なお凍えるほどの寒さ。野外に慣れているニコラスに頼んだほうが、自分よりもよほど、頼りになると言えた。
軽く礼をした視線を上げれば、その視線はマフラーで止まる。]
……ああ、そのマフラー。
[と。奇遇というべきか必然というべきか。
フリーデルもまた、まだマフラーが不格好だった頃を思い出す。
それが今はどうか。見た目もよく、物も暖かそうなものに仕上がっている。]
本当に上手くなりましたよね、エルナさん。
[そのこと自体は本当に凄いことだと思うし、感激に値するものだと。
改めて思いつつ。
薪を取りに行くニコラスを見送り、食糧や衣類の点検に戻った]
――…
これは……
[薪を取りに裏口の扉を開ければ、目の前に広がる白銀の世界に絶句する。
酷い降りになるとは思っていたが、これはもう既に村の入り口は封鎖されてしまったかもしれない。
空は、変わらずの曇天。
このまま晴れる事がなければ、二、三日の間に山道は凍土になるだろう。
雪に足をとられ、目の前の薪小屋がやけに遠く感じる。
ぶわりと風が吹き、舞い上げられた粉雪に視界が奪われると、どこか知らない場所に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚えたが、それも一瞬。
足元から吹き上げられた吹雪が止めば、足元の雪を踏み固めながら、小屋への道を作っていく]
―その前日・パメラの家―
ただいま。……雪が降ってきましたよ。
しばらく、外に出られないかも、ですね。
[帰宅して、そんなことを口にしながら外套とマフラーを外す]
教会の庭に、花を植えるとしたら
パメラさんなら、どんな花を、植えますか?
[夕食時、教会での神父やシスターとの会話をパメラに話した。金色の花のことも口にして、「――すごく、綺麗だったんですよ」と懐かしそうに眼を細めて見せて。
いつになく口数が多くなっていたことにリゼットは気付かない。
――こうして、穏やかな時間は終わりを告げることになる*]
――…
これは……
[フリーデルの言葉>>85を受けて薪を取りに裏口の扉を開ければ、目の前に広がる白銀の世界に絶句する。
酷い降りになるとは思っていたが、これはもう既に村の入り口は封鎖されてしまったかもしれない。
空は、変わらずの曇天。
このまま晴れる事がなければ、二、三日の間に山道は凍土になるだろう。
雪に足をとられ、教会近くにあるはずの倉庫がやけに遠く感じる。
ぶわりと風が吹き、舞い上げられた粉雪に視界が奪われると、どこか知らない場所に迷い込んでしまったかのような錯覚を覚えたが……それも一瞬。
足元から吹き上げられた吹雪が止めば、足元の雪を踏み固めながら、倉庫への道を作っていく]
そ。置いてあったから、少しだけな。読んでみた。
[ペーターへ>>71手に持った古びた表紙を振って見せ――…]
――…は。え?俺?
[伸びをすれば、突然話が振られて>>81びくりと肩を揺らした。
説明…は男も苦手なところなのだけど、さてはて。]
――…昔、とある村が人の皮を被った狼に滅ぼされたって記録さ。
どうしてこの村にあるのかは知らねえけどな。
[――…詳細は多く語らずにおいて。
後ろの方の空白のページはまだ使えそうだった、なんて別のことを話題に出してみた。
"伝言">>84を聞けば、任せろ、と見送ることにする。
視線の彷徨する様子のペーターへは]
オットーのところへ戻るなら…早めに行ったほうがいいと思うぜ。
[そう伝えて、伝言を聞く前から既にうつらうつらとする様子のゲルトの横へともう一度腰を下ろした。]
― パメラの自宅 ―
おはよう。朝早くから悪いが、伝えたいことがある。
[まずパメラの自宅を訪問し、パメラとリゼットへジムゾンの言葉を伝える。]
昨夜降った大雪で、山を降りる道が塞がってしまったそうだ>>43。今朝ジムゾンが確認してきたらしい>>52。
まだ緊急事態と慌てる必要はないが、念のため宿屋に集まった方がいいとの話>>53も出ているので、宿泊するなら必要なものも持ってきてくれ。よろしく頼む。
[二人とも体調は大丈夫か?風邪とかひいてないか?
宿屋に来るときは、雪に気をつけてと思いついた注意を口にしたあと、その場を後にした。]
―朝・パメラの家、自室―
[寒さにふるり震えて、眼を覚ます。
ベッドから降りてショールを羽織り、窓際に歩み寄って防寒用の木戸を開ける。
鉛色の空から降り続ける雪は、未だ止む気配を見せない。
夜のうちに雪は堆く積り、村は完全に雪の中に沈んでいた]
ご飯食べたら、雪かき、しないと……。
[誰も見ていないから重労働を厭い、小さく溜息を吐く。
村が外界から孤立してしまっていることを、リゼットは知らない。
だから、暖炉に火を起こして、朝食の支度を始めた。
――いつも通りの今日が続くと疑わぬままに]
―パン屋―
ただいま戻りましたー。
[戻ってきた時には、誰か他にも居ただろうか。
まずはオットーに報告とばかりに、彼の元へ。]
ジムゾンさんから聞いたのですが、
村から出る道が、雪で封鎖されてしまったみたいです。
シモンさんは、宿に人を集めた方がいいと言ってましたが……
[自分のことならば朝に聞きはしたが、
果たしてオットーはどうするだろうかと、彼の顔を見上げた。]
― 仕立て屋 ―
[エルナにおはようと挨拶をしたあと、パメラ達に伝えた伝言と同じこと>>90を繰り返した。ただし昨日会ったばかりなので、風邪を引いたかどうかは尋ねなかった。]
嗚、そういえば。
[以前エルナからマフラーを渡されたこと>>0:179を思い出した。
どうやら他の村人にも作っているらしいとは分かったが、手編みの品なので本当に自分が受け取っていいのだろうか?との迷いは未だにある。薪運びなど手伝いもしているが、十分にお返しできているとは思えなかった。]
もし宿屋に来るなら、デザートとかを用意しておくよ。食べたいものがあったら、言ってくれ。
[若い女性に甘いものとは、我ながら発想が貧困だなと思ったけれど、現時点ではそれしか思いつかない。
そんな言葉で話を締めくくって、仕立て屋を後にした。**]
―パメラの家―
[朝食の支度をしていると、ノッカーを叩く音が聞こえた。
こんな早朝に誰だろうと、怪訝に思いながら訪問者を迎える]
シモンさん? ……おはよう、ございます。
[挨拶もそこそこに告げられる村の状況に、リゼットの貌に緊張の色が浮かぶ。
念の為、宿屋に集まるよう告げられれば了解したと頷いてから]
あ、そうだ。
少し、……待っていて下さいね。
[一度居間に戻り、温めてあったミルクをシモンに振舞い]
雪の中を、ありがとう、ございます。
シモンさんも、風邪をひかないで下さいね。
[他の村人のところを回るだろうシモンを見送ってから、パメラと善後策を相談するだろう]
ニコラスには僕も昨日会ったよ。
春になったらまた旅に出るってさ。
相変わらず熱心だな。
[ニコラスも、オットーも、昔から変わらない。
少なくともヤコブにはそう見えた。
変わってしまったのは自分だけなのだろうか。
少し寂しげに、目を伏せる。
以前と同じようにふるまおうとしたことはあるものの、いくら努力しても、全く同じというわけにはいかなかった。]
[そんなとき、パン屋に身を寄せるペーターが帰ってきた。]
ああ、ペーターお帰り。
昨日は配達ありがとう。
[雪で道がふさがれているとペーターがオットーに報告するのを、ああ、やっぱり、と頷きながら聞き。
シモンが宿屋に人を集めようとしていることを知れば。]
ちょうど宿屋にも配達があったところだ。
僕は行ってみようかな。
[オットーやペーターがどうするかに関わらず、宿屋に向かっただろう。]*
―宿屋―
[宿屋へと着いた頃には、
小さな身体はすっかりと冷え切っていて。
ゲルトが出してきてくれた毛布にくるまり、
談話室のソファで丸くなった。**]
−朝・自室−
さむっ…。
[毛布で包んで身を起こす。
窓際へ向かい、寒さで曇っている窓ガラスを手で拭えば、景色は銀世界。
白い、白い。雪の白さ。]
あぁ――、…。
[もう来たのねと、言葉にすることなく息を吐く。]
今年の雪かきは大変そうね。
[まさか、孤立してしまっているとはいざしらず、いつも通り部屋を出る。
リゼットはもう起きてしまっているのだろうか?]
―出て行く前・パン屋―
熱心……。ん、そうだね。
[…はヤコブが寂しげに目を伏せたことに気が付きつつも、やはり変わらずに接する。願いも理想も何もない自分には、どうすることもできない。自身のことですら、自分の意思で変えることなどできないのだから。]
たとえ何が変わったとしても、君がヤコブであることは変わらない。変わりようがない。それさえ変わっていなければ、十分だよ。
[そんな言葉を、特に何を意図するでもなくヤコブへ向ける。聞こえたかどうかは定かではないが、敢えて確認することもなく、宿へ向かうその背中>>101を見送った]
[――パメラは、如何判断するだろう。
一時避難であれ、相談の為だけであれ、相応の準備をする。
そうして、もしパメラに他に済ませるべき用事があるならリゼット一人で。そうでないのなら、共に雪降る道を皆の居る宿屋へと向かうだろう]
―或る人の墓前―
[降り続ける雪は世界の色を塗りつぶすかのように。熱まで奪って他の季節を殺しつくす。静かで強大な、死神のような、冷徹。
この時期になると――正確にはこの村と外界が断たれた最初の日には――必ずある場所へと足が向かう。言うなれば、願いという名の、呪いに導かれて。]
……ん、久しぶり。この季節に出歩くのも楽なことじゃないっていうのに、我儘なお姫様が随分と厄介な呪いをかけてくれたものだよ。
[呟く言葉は目前の石に跳ね返り、行先もなく虚空に還る。もう、この言葉を向ける相手はいないのだと、現実が耳元で囁いている。]
毎年来て欲しいとは言われたけれど、来た後でどうしろとは言われてないから。
[…はしかし、感慨など一切ないと言わんばかりに言葉を紡いでは虚空へと還していく。]
呪いの効果は目論見通り、効果覿面だったというわけだ。この命は君に生かされている。
[…は最後に、「来年もまた来るよ」とだけ告げて、お供えの一つすらせずにその場を立ち去るのだった]
/*
ペーター、オットー、ヤコブ、ジムゾン、リーザを避ければいいかなあ・・・
シモンも若干気になりつつ
エルナ、ヨアヒム、パメラ、フリーデルが安牌か・・・。
/*
人狼BBSのキャラ名はドイツ風なので、リーザは余所者っぽくフランス風の名前にしてみました。
なので、白銀の村はエルザス(アルザス)地方のドイツ側、リゼットの故郷はフランス側にあると妄想しています。
シュヴァルツバルトにも近いので、人狼くらい出そうですしね。
――以上、閑話でした。
/*
みんな、重い過去を持っているようで、この先の展開がどうなるのか楽しみです。
……でも、あざとさならリゼットが一番に違いないはずだw
[シモンを見送った後――彼女はどうするべきかと考える。
何かあってからでは遅い。ならば安全の為でも宿屋に集まるのが良いだろう。
ただ――、それならば、少し、やりたいことが。
けれども]
(…心配なのよね。)
[じっとリゼットを見てそう思う。
大丈夫だろうかと。
彼女は視線に気づいてしまうのだろうか?]
リゼットはこのまま宿屋へ行く?
私は少し、やりたい事があるのだけれど。
…心配なのよね。
[心配していることも言葉にして、彼女へ問うた。*]
―少し前・仕立て屋―
ニコさん…?ああ、ニコラス。
へえ、珍しい柄ですね。
[そういえば以前は自分にもよく土産をくれていたななどと思い出しながら、エルナの差し出したテープ>>78をまじまじと見て、彼女の上機嫌の理由を知り納得する。
もっとも、彼女が喜んでいるのは土産をもらったからというよりも、ニコラスにもらったからという方が大きいように感じたが。
確かに女性の喜びそうな柄だ。
きっとフローラも、と一瞬恋人のことを思ったのを悟られたのか、エルナがテープを持った手を若干引っ込めたので、あわてて意識をエルナに戻した。
エルナもゲルトと同じように、以前と変わらぬ態度で接してくれている。
生来の楽天家であるゲルトと違って、エルナの方は多少意識してそうしているようだった。
若干の申し訳なさを感じながらも、その気遣いはありがたかった。]
何に、使うんですか?
[彼女のニコラスに対する想いを感じとっていたものの、それを茶化すような性格ではなく。
口にしたのは単純な疑問だった。]**
/*
PC的にはエルナかヨアヒムかなあ
修正案で、
母親は天候の変化だけでなく、邪悪な気配を察する能力を持っていた。
その事で魔女として弾圧された。
その血を引くニコラスにもその能力が備わっているが、近づくだけで察せるような母ほどの力はない。
あぁ、そうだ、恋人フラグ立ててないです。
全員エンカウントを早くしないと、墓下にいくんだぜ!
というかパメラの設定自体がまだあやふやで(たーん)
旅人 ニコラスは、仕立て屋 エルナ を能力(占う)の対象に選びました。
[教会の中へ入ろうと扉にそっと触れて。
分厚い扉に手を添えたまま、後ろのニコラスを振り返った。]
…ニコラスさんは村で流れている噂をご存知ですか。
[既にフリーデルがニコラスに話していたとは知らずに…は話しを続ける。]
人間のふりをして人を襲う恐ろしい化け物がいるだとか。
村の中に入り込んでいたら私達逃げられませんね?
[冗談めいて言ってはみるものの、全く笑えない冗句だった。人狼の存在を信じる人間はそういない筈だ。…だって人狼が村に紛れているとは思っていない。
だけども、孤立した村に人狼が出たという噂。
既視感を覚える。
ニコラスもまた予感めいたものを感じているだなんて思ってもいない。心中を吐露する事は無いけれども、ただの噂話だと笑って欲しくて期待した目で見た。]
―回想・自宅―
[手伝ってくれたペーターへお礼を言い、挨拶を交して別れる。
暖炉に火を灯し、部屋を暖かくして、夕食の準備をしていくだろう。
>>86「ただいま」と、の声。]
おかえり。
花?
教会の庭に、かぁ…。
白い、小さな花かしら。
[そう答えて、思い浮かべるのは可愛らしい小さな花。
なんといってたか。雪の名前があったような気がする。
夕食時、リゼットの話を聞く。神父、シスターの会話や金色の花のことを。
懐かしそうに眼を細めて「綺麗だったんですよ」と彼女の表情に]
私も、その金色の花をいつか、見たいわね。
[そう言ったが、その言葉を聞いた彼女はどうしただろう?
―――そうして、穏やかな時間を過ごした、とても穏やかな時間**]
―回想・終―
[拭い切れない不安が心に影を落とす。
ニコラスの返事がどうであれ、振り切る様に扉を押して教会の中に入った。
不安?それも良く分からない。予感めいたそれが本当だったとしても自分は困るのだろうか。困る?それとも悩む?悲しむ?
ただの思い過ごしだと言い聞かせる。それに、ほら。
だって、耳をすましても、
こんなにも静かだ。**]
連想しているのはスノードロップ
花言葉:希望、慰め、逆境のなかの希望、恋の最初のまなざし
ちなみに、イギリスの一部では死の象徴する花の扱いになるんだとか。
自宅でやること。
手紙
内容。
手紙が来る頃には、既にいないだろう的な手紙。
ちなみに人狼側→両親自らの手でころころ、もしゃー
村側→両親、行方不明
である。
墓はないのはそのため_(:3」∠)_
壮絶だな、文字に表わすと
―宿へ向かう道中―
[宿へと向かう途中、煩わしいほどに刺してくる寒さによって、引きずり出されるかのように、らしくもなく、己の過去を回想した。
それは昔のこと――などと言ってしまえば、まるでこれから悲劇的な過去でも語られるかのような振り出しかたではあるのだが、自身の過去に悲劇らしい悲劇など一切ないことは自覚している。だからこれは、ありふれた話。よくある与太話のようなものだ。
それは両親がまだ存命で、感情の無さを気味悪がられていた頃のこと。別に気味悪がられていたことについては自身にとってどうでも良いことで、そのことにすら何の感情も抱いてはいなかったのであるが、或る冬に「できるだけ食事を我慢してほしい」と願われたことがある。
それは両親からしたらなんてことのない頼みごとだったのだろう。しかし、自身は“餓えて倒れるまで何も口にしなかった”のだ。それはともすれば親のために頑張り過ぎた子供のように捉えられる行為かもしれない。
だが、そんな人間らしい“それ”とは明らかに性質が異なっている。自身はあくまで“餓死する寸前ですら何かを食べたいと思わなかった”だけなのだ。
自身の中からは願いや望みを含め、徹底的にあらゆるものが排除されていた。自分が自身のことを空っぽだと表現するのは自嘲などではなく、揺るぎない事実なのである。どんな期待にも応えると言えば聞こえは良いが、なんてことはない。自身に意思がないからこそ、他人の理想を借りなければなにもできないのだ。
そんな自分が今に至るまで生きていることは、或いは奇跡に近いのかもしれない。今、自分が生きているのは、“彼女”にかけられた願いという名の呪いによるものだというのは明らかで、そのことに対して何か思うような感情も持ち合わせてなどいないが、少なくともその呪いは己の中で全ての事象に優先される。]
―回想・約十年前の冬@―
[それはまだ、自分の中に感情が在った頃――などと、これが小説であればそう語り出すべきなのかもしれないが、生憎と感情が無いのは生まれつきである。
言うなれば、元から殆ど枯渇しきっていた心が、完全に砂漠に帰したときの話である。勿論、悲劇的な昔話が語られるわけでもない。
これは、元から感情のない自分の、未だかつて誰にも話したことのない、何てことのない過去の話。]
[その年の冬は、例年よりも早く訪れたなんてことはなく、おおよそ例年通りに訪れた。
村と外界をつなぐ道が封鎖された最初の日、その日は吹き荒ぶ風が悲鳴を上げるかのように跳ね回り、木々へと襲いかかっているかのようだった。空間そのものが、酷く暴力的なもののように感じたのを、今でも脳裏に焼き付いているかのように、鮮明に覚えている。]
ん、やっぱり完全に塞がってる。
[それは誰に頼まれてか封鎖された道を確認しに行ったときのこと。その時にはすでに両親を亡くしており、村の人に助けられつつ、周りから自身に向けられる望みも上手く絡み合いながら、奇跡的にも生き延びていた。
異変に気が付いたのは確認事項を確認し終えて店へ戻ろうとした、まさにその時だった。]
……人?
[自分と同じくらいの年齢だろうか。女性が一人倒れていたのだ。]
これ、血……。
[よく見るまでもなく、その女性は血に塗れていた。空気に触れてからどれだけの時間が経っているのか、血は既に固まっており、まるでその女性の身体の一部であるかのようだった。
血がこの上なく似合っていた。血を流しているのではなく、まるで血から女性を求めて張り付いているかのようにすら思えたのだった。雪に染み込んだ血の赤は、女性を中心に根を伸ばし、雪からすら生命力を奪っているかのような、どこか禁忌めいた神聖さを主張する。]
生きてる?
[近づいて、空気の温度と同じような声質で問いかける。最初、助けるという考えはなかった。誰からも望まれていなかったから。
しかし、女性は生きてるかという問いかけに「死にそう。助けて。」と“淀みなく”返してきたため、店へと連れ帰って介抱することにしたのだった。今度は、そう望まれたから。]
[ひとしきり話をした後、店を出るヤコブを見送る。
机の上にある、野菜のたっぷり入った籠をちらり、と振り返って]
野菜、ありがとうございます。今年もいい出来ですよ。
この前商人さんから買ったパテを、切ったバゲットにのせて食べてみてるんですけど、
一緒に野菜ものせてみます!
[エルナもパン屋の常連の部類に入るのだけれど、
買っていくのはバゲットのような味がついていないものばかり。
それらにジャムを塗ったり野菜や肉を挟んだりと、独自の味付けをして、
お腹を満たすのに役立てている]
[――今考えても、この出会いが偶然だったのか、或いは必然だったのかは分からない。ただ、この出会いは定言的な、当為的な出会いであったことは間違いないと、今なら言える。気取った言い方をするのなら、紛れもない運命だった。
とはいっても、この後に恋愛感情のようなものを抱くことはただの一度もなかったし、それは恐らく相手も同じだっただろう。一つだけ言えるのは、この出会いの時点で既に呪いは始まっていたのだろうということ。ただそれだけだ。]
―回想・約十年前の冬@ 終了―
[店主のおすすめを聞きながらゆっくり買い物を楽しむのも趣味であるエルナにとっては、
パン屋での買い物の時間は味気ないものであることの方が多い。
最初のうちはオットーにおすすめを訊いていたのだけれど、
今となっては居合わせたペーターにそれを訊くくらいで、その頻度も多くはない。
そういう時を過ごしているうちに、求める品もいつの間に、
味気なさを反映してしまったとでもいうのか。
まあ、パンがおいしいのには変わりないから、さほどこの点について深く考えてはいないのだけれど。
たまに買い求める、果物がたっぷり入った甘いパンだって―――]
おはようございます、…いらっしゃい?
[などと考えつつ針に糸を通していると、今度はシモンがやってきた。>>95
追加注文をしにきたというわけではなく、大雪がもたらしたものと対策について伝えに来た模様]
―宿―
[回想に浸った余韻も無く、ただただ冬の冷気を纏わせて、目的地の宿へと辿り着いた]
ん、着いたか。
[…は付いた雪を冷気ごと払うかのように叩くと、宿へ入っていくのだった。中に入る人が出迎えてきたら軽く挨拶をするだろう。**]
/*回想ってこんな感じで良いのだろうか。
うむ。分からん。
そしてこの先の展開考えてねーのですよ。どうしましょ。
ありがとうございます、助かります……。
皆宿屋に向かうようならあたしも行こうかなあ。
[とはいえその間は店じまいしなければならないし、
新たに服を仕立てるという大がかりな仕事はこの店でないとできない。
考え込んでいるエルナの前で、そういえば、と言葉が続く]
…デザート!?
シモンさんが、作る……ん、じゃないですよね。
[失礼かもしれないがとてもそう見えない。
それはさておき]
誰の手を借りるか知りませんがうわあ太っ腹! ……女将さんってまだいたっけ
じゃあ、
アップルパイが食べたいです!
[すんなり食べたいものを告げるエルナはエルナで、実に現金なものであった**]
/*
こうしてみるとずっとエプロンのターンだにゃー……オットーとエルナで
そして明日来られなさげな人はオフか!? 東京村なのか!?(錯乱
(こっちは普通に仕事である)
[滅びた村があるという。
古い書物の中だけではない。
実際に、花盛りの村の話も聞いた。
その真偽はいまだ定かではないが、
具体的に村の名まで出されると、
冗談と笑い飛ばすことも出来なくて。]
……けど、もし
[口にすべきではないと思いながら、それを口にする]
現れたら、どうします?
誰かを人狼と吊し上げて殺しますか。――魔女狩りのように。異端審問にかけて。
[それはまるで、別のなにかに向けられた、怒りと虚無の混じり合った感情を押し殺しているように見えたかもしれない。
ふう、と息を吐き、すみません、と口中で謝る。
不安を振り切るようにして教会に入るジムゾンの背を目で追いながら、腹の中で小さく呟いた]
[――不安を拭う。そのためだけに誰かを断罪し、弾劾し、そんな犠牲の上でしか平穏が成り立たないというのなら
……みんな等しく死ねばいい。
死こそが神から等しく与えられる救済であり、苦しみからの解放なのだから──**]
― パメラの自宅 ―
[故郷にいた頃は妹の世話もしたことがあるが、それも遠い昔の話。年齢の割にしっかりしている印象はあるものの、13歳のリゼットには基本的にどうやって接したらいいか良く分からなくて、いつも戸惑ってしまう。
尤も、その感情を表に出すことはなかったけれど。]
?
[少し待っていてくださいと言われて、首を傾げた。一体どんな用件があるのだろうかと考えながらその場で待機する。]
あ、ありがとう。
[やがて出てきた温かいミルクに思わず顔をほころばせた。予想してなかった歓待、その分リゼットの気持ちが嬉しかった。
ありがたく受け取るとミルクに口をつける。温かい飲み物は、体だけでなく心も温めてくれた。]
助かったよ、これで元気を取り戻して仕立て屋に行ける。
[まだ時間が早いためか、リゼットに続いてパメラも顔を出した。パメラが昨日薪を持っていったとの伝言をペーターから貰っているので、その質問は省いた。]
もし二人で宿屋に泊まるなら、部屋が近い方がいいだろうか?今はほとんどの部屋が空いているから、好きなところを使ってくれて構わない。
[幼いリゼットを引き取って一緒に生活しているのだから、こういう点は気になるだろうなと一言付け加えた。但し二人揃って宿屋に来るとは限らないので、相談してみたら?とまで口にするのは控える。
パメラの両親が数年前に他界していることは知っている。結婚前の若い女性が頼りになる人を亡くして不安だろうとは思うものの、女性への接し方を知らない自分は差し出がましいことは言えない。せいぜい薪が足りているかとか力仕事はあるかと尋ねるくらいが関の山だ。
それでも、注意に大丈夫と答えたパメラにそれなら良かったと安心する表情を向けて、また後ほどと手を振りながらその場を辞した。]
― 仕立て屋 ―
[針に糸を通しているエルナ>>126を見て、朝早くから仕事熱心だなと感心する。
ちょうどヤコブと行き違いになっていたとは知らず。これでジムゾンの伝言を伝える相手はヤコブ一人か、と胸の内で考えた。]
どういたしまして。
[何やら考え込む様子のエルナに返事をする。
仕事が宿屋ではできないと分かったなら、俺の分は急がなくていいよと声をかけたかもしれないが、神ならぬ身、そこまでは見抜けない。
だがデザート作りに関して、自分が作ると思ってないエルナ>>128に、だろうなと内心同意の頷きを返した。
軍に所属していた頃に身の回りのことは全て自力で片付ける術を身につけていたけれど、デザート作りは白銀の村に来て覚えた。それでも尚、元軍人の肩書きや隻眼の引き締まった体から”とてもそんなことするようには思えない。”と言われても仕方がないと思っている。]
アップルパイね。
ヨアヒムがりんごを持ってきてくれているし、ちょうどいい。
[レジーナの不在を敢えて口にせず。
オットーの手が空いているときに、作り方のコツを教わろうかなと考えてはいるが、自分が頑張って挑戦してみるつもりとの考えを黙ったまま、エルナに了解したと返事をした。
太っ腹と言われて気分が良くなったせいなのか、はたまた自分が作る予定だと隠すことを面白く感じているのか。自然と口元に笑みが浮かんだ。
それからすぐに仕立て屋を辞して宿屋に戻る。]
― 宿屋厨房 ―
[宿屋へ戻るとすぐに、これから来る人に振舞うべく、厨房でお茶の準備を整え始めた。
厨房で使っているエプロンは、レジーナが譲ってくれたひよこ柄。宿屋の女主人曰く、金色の短髪がひよこそっくりだから、らしいが。かつては同世代よりも小柄だったせいか、散々ひよこ呼びされた身としては、あだ名は何処へ行っても同じものがつけられるのかと大変複雑な気持ちを抱いている。
そこへヤコブが野菜の配達に来た。]
おはよう。今日も美味しい野菜をありがとさん。
[薔薇柄のティーカップを手に、挨拶をする。
ヤコブにエプロン姿を見られるのは初めてではないので、どんな反応をされても特に気にする様子は見せない。]
これから談話室にお茶を運ぶところなんだ。一緒に飲まないか?
あと、ジムゾンが山を降りる道が塞がったと言っているが、それについて知っているか?
[ヤコブに問いかけながらも、手を止めずに準備を整えて、お茶道具一式を乗せたサービスワゴンを談話室に運んだ。]
― 宿屋談話室 ―
お茶とお菓子をどうぞ。温まりますよ。
[談話室にいる人へ、接客モードで丁寧に呼びかけながらお茶を配る。
シュピッツブーベンというジャムを挟んだクッキーの匂いを早速嗅ぎつけたのか、うつらうつらしていたゲルトは半分閉じた目で手を伸ばしてきた。
だが暖炉のそばで毛布に包まっているペーターが寝ているようなら、無理に起こすことはしない。**]
/*
今日はちゃんと昼寝する……うぐぐぐ
襲撃死の色が見えない理屈ってどうなってるのかな……エルナが処刑執行者になれればその辺考えなくてすむんだけれd
死んだら終わりじゃない、はポジティブな方向に
/*
ナカノヒト的には別の意味合いもあるんだけれど
死んでも村は終わりじゃない。
死んでもロルは終わりじゃない
気持ちは分かるんだけどさ、なんつーか、
地上で必死に生きてる人がいて、終わるまで気になる村に入れなくてぐぬぬしている人もいて(つまりナカノヒト)
それで死んだら終わりというのはなんか……なんか……安定の言語化不足 ワガママですまぬ
[かつて、他の誰かを守る為にそうした自分を責められた気がしたんだった。]
分からない、です。
[薄ら開いた唇から本音が漏れる。
とても、か細い声だった。ニコラスの耳には届かなかったかもしれない。]
いえ、そうですね、大切な人を守る為ならば……。罪のない村の皆さんにまで被害が及ぶのならば、疑わしい者は罰する必要が出て来るのかもしれません。……、異端者は許されない存在ですから。
[再度、慌てて言い直す。一介の神父として当然の意見だっただろう。
村の平穏の為に罪のない人間を犠牲にする可能性までには触れない。人狼が現れたと決まった訳ではないのだから。それに人狼が現れたら自分はどうしたいのか答えが見つからなかった。
ニコラスの謝罪には首を横に振って、重苦しい空気を誤摩化す様に「身体、冷えちゃいましたね。早く中に入って暖まりましょう?」そんな他愛無い会話を口にしながらニコラスと共に教会の中へと入っていった。**]
[割れている窓などはないか。壁の補強が必要な部分などはないか。
念には念を入れて、隅々までチェックしていると。
裏手の方から、扉の開く音がした。 >>138 >>139 >>149
ジムゾンが帰ってきたか、あるいはニコラスが薪を運んでくれたか。
出迎えるためそちらへ足を向ければ、そこには想像していた両方の人物が揃っていた。]
おかえりなさい、外寒かったですよね。
[そうして二人の表情を眺めれば。どちらも、微妙に沈んだものに見える。]
ああ、やっぱり道は封鎖されてしまいましたか。
そう思って、建物と食べ物の点検をしておきました。
全く問題はありませんね。今年も平和に冬を越せそうです。
[と、心配症な彼女にしては珍しく、断言する。もっとも、それだけの準備をしてきたということでもあるのだが。
さて、さらりとそうは言ったものの、それだけとは思えないほど二人の表情は沈んでいるように見えた。]
…………表情が優れませんが。何か、ありましたか…………?
[教会へと戻れば、フリーデルが出迎えてくれた>>50。
ただいま、と笑い返す。けれど笑みに元気がなかったらしく、表情が優れないことを指摘される。気まず気に道が封鎖されてしまった事を伝えたんだった。ふたりの間に流れる微妙な空気の原因はそれではなかったのだが。
広間の暖炉が赤々と燃えている。ニコラスが薪を運んで来てくれたのだろう。]
ええ、道は封鎖されてしまいました。
そう、教会の方は問題ありませんでしたか。一応、宿屋に集まった方が良いかとシモンと話して来たのですが。
[心配性のフリーデルが問題がないと言う。その必要はないのかもしれない。
窓から外の様子を伺った。裏庭も雪に覆われてしまったに違いない。折角の相談も無駄になってしまったと残念そうに言う。]
裏庭も雪だらけでしょうね。これでは何か植える事も難しそうです。
春まで待たないといけないのでしょうね。
[道が封鎖された、と言うジムゾンに対しては事も無げに。]
まあ、そうでしょうね。今年はそうなりそうな気がしていました。
[と、軽く肩を落としはするものの深刻そうな様子は全くなく。
もともと村の外に出るなど殆ど考えたことのない身。道が封鎖されていようがいまいが、そう変わらない、というのもある。
話が裏庭のことに移れば、かるく苦笑して]
いえいえ。雪が解けてから何を植えるか、今から話すのもいいでしょう。
……春に植えて夏と秋に咲くもの。何を植えましょうか……少し、楽しみです。
[淡い微笑を浮かべてそう言って。
宿屋に集まるという、予想していなかった話を受ければ少し驚きの表情を浮かべ。
真剣を僅かに真剣なものにして、何度か頷き。]
……宿屋に、ですか。
確かに誰が村にいるのか、見ておいたほうがいいかもしれませんね。
ニコラスさんが帰ってきていることを知らない方もまだいらっしゃるかもしれませんし。
[二人に視線を向け、二人の意見を待つ]
/* 役職推測メモー。
狼:ヤコブは恐らく確定、あとはリゼット?
狂:ニコラスかな……。
占:誰だろ……ジムゾンとかかな
霊:オットーと思われる
[蓋をした幼い記憶、母の病、そして巡礼の旅で、その想いは確信に至る。
自ら命を絶つことは大罪であるから、世を儚んだ者たちを旅の中で『救って』きた。
狂っていると言われるかもしれないが、男は至ってまともだ。
生きようと――生という贖罪を続けようとする者の命を奪ったことはないし、奪うつもりもない。
生きる望みを無くし、絶望の中でもがき苦しむ者に、死という救済を与えていただけのこと]
[少女はヨアヒムが少しだけ苦手だった。
何故なら彼の青年らしい少し乱暴な喋り方が、どうしても伯父と呼んでいた男と仲間を思い出させるからだ。
けれど、そんなちっぽけな苦手意識と古い本への興味がせめぎ合った結果]
あの、……この本、なんて題名なんですか。
……何だか、気になるんです。
[おずおずと、ヨアヒムに本の題名を問いかける。
好奇心は猫を殺す――昔、何処かで聞いた警句を思い出しながら]
/*
ノオオオ進みすぎてもう!
んんん、これは襲撃俺がやる感じでいいんかね?オットーは。全然相談できてねえよ…ぐふう。
あかん、とりあえずこの溜まったログを…
―回想・宿へと至る道すがら―
[鉛色の空に押し潰されそうになりながら雪道を歩く。
雪は未だ降り続け、世界を覆い尽くさんばかりだ。
そんな白い世界の中で、少女の纏う蜂蜜色のマフラーだけが唯一色彩を持っていた。
蜂蜜色はエルナがリゼットに似合うと選んでくれた色。
陽光を受け、鮮やかに輝くあの花を思い出させる色。
――そう言えば、あの金色の花の名前は何だっけ?
不意に、昨日の教会でのことを思い出した]
『コルザだよ』
[突然、吹き抜ける風に身を竦め、足を止める。
冬の息吹の中に、リゼットは囁く声を聞いた]
そうだ、……コルザだ。
どうして、思い出せなかったんだろう。
[思い出した金色の花の名をもう一度呟き。
記憶を甦らせた声の主を探して、くるり首をめぐらせる。
けれど、視界に映るものは一面の白と鉛色だけで、人の姿など見当たらない。
少女は口元に手を当て、しばし俯くようにして。
再び宿へと向けて歩き出した]
―宿屋・少し前の談話室―
[幾らかゲルトとたわいのない話でもしていただろうか。
時折欠伸をする彼の男につられて、青年も一度二度と瞼が閉じそうになるのを読み終えた本を捲る事で堪えていた。
ねえ、何が書いてあるの?なんて聞かれたなら適当に狼の話でもしてやっただろう。
眠たげなゲルトの頭には何処まで入ったことやら。]
――…な、ゲルト。
[それは気紛れだったけれど、確信犯めいた笑みを口の端に昇らせれば、彼の人へと顔を近づけて、耳打ち。
誰かが見ていたとすれば、青年がゲルトの方へと寄りかかったようにも見えたかもしれない。
伝える言葉はたった一言で、終われば身を離してまた本をぺらりぺらりと捲っていただろう。
談話室へ誰かの姿が見えたにしても、本を読んでいる素振りで挨拶はせずに。]
―宿屋―
[――…フリをしていても、それでも。
男は自分へと声がかかるなら>>157返事を返す。]
ん…、これはな。『滅びた村の記録』…ってモンさ。
誰ぞ物好きなやつが掘り出してきたらしい。
中身は――とある村に狼がやって来て人間たちを食い殺してしまいましたなんて話だったっけなあ。
[子供相手ではあるけれど、ずけずけと内容を伝える。
何か――この、小さな少女が、自分へと向ける眼差しは何処か影を帯びているようで、遠慮呵責を嫌う男はそれが好ましくなかったものだから。常よりもややぶっきらぼうであるのはリゼットへ伝わったかもしれない。]
[ニコラスにしても、ジムゾンにしても。やはり何か様子がおかしいようには見えたが。
ニコラスが久しぶりに帰ってきたこともあって、積もる話も何かあったのだろうか、と。
フリーデルはそれ以上詮索することもなく。]
ああ……確かに今年はちょっと早いですね。
ですが、このくらいの時期に封鎖されてしまうことも、これまで何度かはありましたよ。
[と。やはり事も無げに。
ニコラスの説明が腑に落ちたというわけでもないが、表面上は納得した振りをしておき。
今日は宿に泊まることになるのかもしれない。
年によっては、役割分担の話や備蓄量の認識共有などを行って、足りないところに融通するような話もされたし。]
では、少し準備して。行きましょうか。
皆様に顔も見せなくては。
[というわけで。
神父やニコラスと共に宿屋まで向かう準備を済ませ、3人で宿へ向かった]
― →宿屋 ―
― →宿屋 ―
[さて、ここまでは誰にも会わずにすんなりと宿屋に到着した。
何か話でもしながらと行きたかったが、先ほどの二人の表情が気にかかってしまい、うまく言葉を切り出せない。
エルナさんかパメラさんでもいてくれれば、少しは軽いトークも出来たのだろうに、と少し無い物ねだりをしてしまう。
生憎この二人とはそういう軽い話はし辛い。
宿屋の前へ着けば、宿屋の扉を二度叩く。]
失礼しまーす!
[店内に声を掛けて、丁寧に戸を開け。
厳しい外の空気とはうってかわった暖かさに、羽織っていたコートを脱いで畳み。
誰かが来るならば、来た人物に礼を返し、こう言うだろう]
こんにちは。
外への道が封鎖された為に、一旦全員集まるようにと言われましたので、教会より参りました。……もう、皆様集まられているのでしょうか?
― 宿屋玄関 ―
ごきげんよう。ようこそ、いらっしゃいませ……って!
ふ、ふ、フリーデルか。よく来たな。
[談話室で接客モードに入っていたので、失礼します>>163との声を聞いた途端、いつも客が来るときの挨拶を反射的に返してしまっていた。しかもひよこのエプロン着用のまま。照れくさくて頬が染まる。]
い、いや。まだ顔を見せていない人もいる。
此処に来るまでに体が冷えただろう。談話室にお茶とお菓子>>146が用意してあるから、良かったらどうぞ。
[フリーデルの問いかけに極力冷静な口調で答えると、一緒にいたジムゾンとニコラスにもあいまいな笑みを向けながら中に招いた。]
―宿屋玄関―
[出迎えてくれたのはシモンであった。>>164
昔兵士をしていただけあって筋肉質な身体に、ひよこのエプロン。流石にこの組み合わせは想像していなかったか、目を丸くし、何度か瞬きしてしまう。
とはいえ。]
……そういう格好もされるんですね、シモンさん。
[正直言って宿屋に訪れることはあまりなかったから、そんな服装をするとは思っていなかったのか。
「興味深い」と、態度は語る。その組み合わせを上から下まで、数秒眺めて。
エプロンとシモンの組み合わせは合っているとは言いにくかったが、しかしながら十分に馴染んでいるように見えた。]
……恥ずかしがらずとも。お似合いですよ、そのエプロン。
可愛い格好もされるんですね。
[口調は完全に素である。からかっている様子は全くない。]
談話室の方ですか?
ありがとうございます、寒い外を歩いてきた身には助かります。
[軽く笑んでお辞儀をして、談話室へ向かう。ジムゾンやニコラスも共に向かうかもしれない]
―談話室へ→―
[少女の僅かな身の動き>>165を目にすれば、肩を竦めるのは続く言葉へと。
身じろいだ彼女の心の機微など青年にはわからなかったから。]
――…さあ?
この村の人間に化けた狼が――持ってきた、とか。
[なぜ、滅んだ村のことを克明に記した書物が残っているのか。それがここにあるのか。
青年は知らない。だから、冗談めかして答えた。]
――…世の中には、人に化けられる狼ってえのもいるらしくてな。
曰く、村の中へ紛れ込んだ狼に気付くことができなかった村人たちは全員狼の腹の中…ってさ。
[本の一節を読み上げたなら、少女の困惑したような表情は少し違ったものになったろうか。
あまり怯えているようでなければ、挿絵を見せようともしただろうけれど。]**
ま、まあ。宿屋の仕事に必要なときは、な。
[そういう格好もするのかと問うフリーデルに、しどろもどろな態度を隠せずに告げた。
嗚呼見られている。じっと見られている。フリーデルが宿屋に来ることはあまりないせいか、気恥ずかしくて仕方がない。
しかも”可愛い格好”と言われて、完全に撃沈した。]
あ、ありがとう。
えーっと、その。何だ、レジーナさんに是非にと言われて、だな。料理中に服を汚す訳にもいかないし、愛用させてもらっているんだ。
[何か答えれば答えるほど余計な情報を晒している気しかしない。だからフリーデルが談話室に向かうのを目にすると、ほっとため息をつきながら額の汗を拭った。
談話室に戻りながら、エプロンをさりげなく外した。**]
― →談話室 ―
[シモンから言われたとおり談話室へ向かうと。
そこには何人かの姿。
毛布にくるまっているのはペーターだろう。>>103
ヨアヒムとリゼットが本について話しているようだが。>>165 >>167
――世の中には、人に化けられる狼ってえのもいるらしくてな。
――曰く、村の中へ紛れ込んだ狼に気付くことができなかった村人たちは全員狼の腹の中…ってさ。
……何やらヨアヒムが物騒なことを言っているのが聞こえた。>>167
変な噂でも流そうとしているのだろうか。
とりあえずそちらに注意を払ってみる。
あんまり変なことを言ってリゼットを怖がらせるようであれば、止めなければと決意して。]
うッ……。
[男が人狼へと変化する様子。人狼の容貌に息を呑み、
そして、喰われる被害者の絵を青年の指が繰ったとき。
少女は思わず口元を押さえた。
――そう、確かに人を殺す狼は恐ろしい。
だげ、狼が人を殺す理由は自分が生きるためで。
それは狼ならぬリゼットにも理解できる明確な理由だ。
けれど、挿絵の人を襲う"人狼"の、牙が生え大きく裂けた口元は嗤っているように見えたから。
そこにリゼットは、明確な悪意を見つけてしまったからだ**]
[目は閉じているはずなのに、
ゆらゆらと蠢く炎は目蓋ごしに響いていて。
それだけではない。
耳も、凄く研ぎ澄まされたようで。
話し声や、暖炉の火の爆ぜる音。
廊下を歩く音。
そして、しんしんと雪の降る音まで聞こえてきそうな気がする。]
[ヨアヒムがゲルトに何か耳打ちした直後、
微かに口元が歪む。
今までのペーターでは見せなかったような、
軽薄な笑顔が浮かんだのは、ほんの一瞬のこと。]
[人が増えてきたら、毛布の塊がもそりと動いた。
やがて、頬に毛布の痕をつけて、少年が顔をあげる。]
ふぁ……?
あ、皆さんお疲れ様です……。
[寝ぼけ眼のまま、そこに居るものに、
気の抜けた挨拶を。]
[さて、ヨアヒムとリーザのやりとりを注意深く見ていれば。
ヨアヒムの差し出した絵にリーザが恐れおののいているのが見えた。>>171
たまらず立ち上がり、ヨアヒムの見せている絵を無理やり閉じる。]
まったく……リーザさんが怯えているじゃありませんか、ヨアヒムさん。
ただでさえ大雪で外に行こうにも行けない状態なんです。
居もしない化け物にこの子たちが怯えたらどうするんですか。
[と、ちょっと怒った様子で言い。
閉じた本はヨアヒムに一旦返す……が、タイトルは見えた。
“滅びた村の記録”。そのタイトルを目に入れると、若干繭をしかめた。]
[それからリーザに向き直って、一転して柔らかい口調で。]
大丈夫ですよリーザちゃん。
怖がらなくてもいいんですよ、こんなのただのお伽話なんですから。
[それでもなお怯えているようであれば、暫く頭を撫でてやるだろう。
そうこうしているとペーターが目覚めるのが見えた。 >>174
淡い笑みを浮かべて、ペーターに挨拶を。]
おはようございますペーターくん。
雪の中お仕事していたのですか?そうなら、お疲れ様です。
よく働くのは、良いことですよ。主もお喜びでしょう。
お伽噺……だと、いいんですけど……。
[そうだ。お伽噺だったならいい。
もし、そうでなければ――――…?
首をもたげそうになる想像を振り払うように、
小さく息を吐いた。]
/*
〜ボツ設定メモ〜
元々はこんな設定でした。
・既に世の中には絶望しきっている。表情は全て演技
・両親は間違いなく事故で亡くなっている。その時以来心は死んだまま
・人狼騒動が開始したら、村人にもかかわらず「……神はこの状況を楽しめと言っているんです」とか半笑いで言って戦慄させるキャラになるつもりだった。
のですが。
狩人とかいう献身的な役割が偶然もらえたので方向転換。
っていうより狩人誰も希望してなかったんですね。
[ペーターの控えめな主張 >>177 に、やや満足気に頷いて]
ペーターくん、いいですか。
こんな雪の中で、あなたほど若い人がちゃんと働くなど、誰にでも出来ることではありません。
ペーターくんはちゃんと皆の役に立っているのですよ。これは誇れることです。
[と、素直にペーターの働きっぷりを評価して。もっとも、似たようなことは何度も言っているが。
話が本に移れば、目を閉じ、何度か頷いて。]
大丈夫ですよペーターくん。そんなことはただのお伽話です。
神の加護の中、そんなことが起きるはずがありません。
[きっぱりと断言する。
合間合間でお茶で喉を潤し身体を暖めつつ。
オットーやヤコブもこちらに来ている >>181 と聞けば、安心したように軽く息を吐いて。]
[挿絵を目にした少女の顔は何処か青ざめているようにも見えて。>>171
考えたのは、大人びた口調をする割に年相応なところもあるんだなあ、なんて場違いなこと。]
おい…リ――…
[しかし、声をかけるよりも速く手元へ開いていた古書が荒く閉じられれば、そちらへ目を向ける。>>175]
…はぁ?俺が無理矢理見せたわけじゃねえよ。
それに。――居もしない化物に怯えられるのは、子供の時だけの特権、だろ?
[大人になれば、不気味に思うことはあれど、
お伽噺に出てくる化物に怯えることなんて無くなるから。]
リゼットが見たいと言うなら見せてやるさ。
[窘められていたにしろ、青年は全く悪いとはおもっていないのだった。本が返ってくれば、そのままテーブルの上へと置いて。]
[ふとヨアヒムへと視線を向ける。
朝宿屋を出る前に食べたいものがあるか尋ねたとき、ポテトと林檎のグラタンと答えたヨアヒムが呟いた言葉、”母さんが得意だったんだ”>>66。それはしっかり耳に届いていた。
礼を言われる直前に微かに沈黙したことも、しっかり記憶に残っている。ヨアヒムは母親のことを考えていたのだろうか?と解釈した。]
……。
[自分は母親の記憶は随分あいまいだ。母はいつも仕事に終われて忙しかったから、実質姉に育てられたようなものだった。おまけに戦場に出たあとは一度も故郷に戻っていない。
そんなことを考えていたら、ヨアヒムを不躾に見つめていることに気付いてしまい、誤魔化すためにとってつけたような言葉を口にした。]
その本、俺もあとでいいから読ませて貰えるか?
――…
[何処か、近くとも遠くとも取れる場所で"聲"の聞こえたような気がして、ぴくりと肩を揺らした。
僅かな間の出来事。相対する幾人かは意味を読み取れなかっただろう挙動だけれど――…さて。]
/*
他の皆さんは、ページのスタイルは何を使っているのでしょうか。
私はルナティックにしています。お気に入りです。
何にせよ、今の薔薇の下のデフォルトスタイルは言い換えなし村には合わないよなあ、と。
[無理やり見せたわけじゃない、と主張するヨアヒム >>184 に対しては、]
それにしたって、こんなものを見せてしまっては……
[と何か言いたげにしつつも。「子供の時だけの特権」、と言われると]
……それもそうかもしれませんが。
[不服そうにしつつ。
確かに一理あるかもしれないと考えなおして、続いてリゼットから「私が強請った」と言われれば、軽くため息。]
……なるほど。本当にそうみたいですが……
リゼットさん、あまり……?
[「あまり怖いものを見たいと思うのも考えものですよ?」と言いかけて
……リゼットの先ほどの態度に、微妙な違和感。この子は単に、絵の怪物を怖がったのだろうか。
それにしては、怖がり方が、深いような、気がした。
リゼットの前にしゃがんで、精一杯やんわりと、ゆっくりと。]
……リゼットさん。
……あなたは何が、怖いですか?
[そう、問うてみた]
………………ふん。
怖いどころか、滅ぼしてくれるというなら、
むしろ神より人狼の方がありがたい存在じゃないか。
[意識の奥底で響くのは、“もう一人のペーター”の声。
罪の意識に苛む少年が作り上げた、もう一つの人格。
自分を責め、世界を憎み、滅びを願う“
/*
ヨアヒムさんが狼でペーター君が狂人かな。
もう一人の狼はオットーさんだと思うのですが、私の役職予想はほぼアテにはならないので、埋め。
[でも、それでは駄目なのだ。
決して変わらないと、姉の墓前で口にしたではないか。
もし癒されて変わってしまったら、幸せになってしまうかも知れない。
そもそもリゼットの中にも、人の持つ悪意は宿っているのだから]
ごめん、なさい。……言えないです。
[頑なな唇が、僅かに震えた]
[正直に言うと、子供の頃から勉強はあまり得意ではない。頭を使うよりも体を動かす方が好きだ。だが書物に書かれた人狼と接するのは初めてなので、目に興味の色を浮かべてページをめくる。]
さて、このあたりだったか?
[まずは先ほどリゼットが見たらしい挿絵を探す。大した苦労もせず発見できたそれは、人を襲う人狼の表情がリアルに再現されていた>>171。一体誰が何の目的で残したのかと疑問に思うほどに。
例え絵本の人狼を怖がっていたことが過去の話>>188であっても、ペーターにはあまり見せられないなと思いつつ、最初のページに戻る。
いきなりびっしり詰まった文字にくじけそうになった気持ちを奮い立たせた。]
[エルナは宿屋に行くことを決めた。
もし今残っている村人が揃うなら、宿屋に顔を出すことは互いの把握に繋がるし、
まだ緊急事態ではないとはいえ、今後についての話も行われるとも考えられる。情報は多い方がいい。
決して、アップルパイにつられたわけではない。ないのだ。
そうと決めればせめてニコラスの外套の補修はちゃんと達成しようと、
静かになった店内で作業に集中する。
ひとりなのをいいことに頬は緩みっぱなしだが、
そんな、ある意味集中している状態を遮ってくるように、
色んな人の顔が浮かんでは消えていく。
同じ時間を過ごすなら、泣いて過ごすより笑って過ごす方がよほどいい。自分も、他の人達も。
けれど浮かぶ顔の中にはあまり笑っていないものや泣きそうなものもあって、
ままならない。なかなかに]
[「それは、」と言って止めるリゼット>>195に対して、柔らかい視線を向けたままで。
黙してその続きを待ってはみたが、返ってきた言葉は、黙秘権の行使>>196だった。
軽く目を閉じて、その行為を許すように二度頷く。]
リゼットさん。大丈夫ですよ、リゼットさん。
……人は誰にだって秘密がある。それでいいのです。
ですけれどね、リゼットさん。どうか、2つほど覚えておいて下さい。
1つ目。
あなたが何を怖がろうと、決して恥じる必要はありません。
怖いと思う気持ちは、誰にでも等しく宿っているのですから。
……そしてもう1つ。
[そう言って、右手で自分を指して]
必要でしたら、私ならばいつでも、相談に乗ります。
シスターとして、年上の女として。いつでもです。なんでも、話してくれて、いいんですよ。
……いいですね?
[やんわりと諭す口調で、答えを待つ]
[……しかし本当は知っているのだ。
リゼットは、この歳にして、賢く優しい嘘つきでもあるのだということ。
この後に返る言葉が同意であったとしても感謝であったとしても、きっと、それは心には届いていないのだろうと。
お節介焼きも度を過ぎれば悪癖となるのは自分自身よく分かっている。
力になりたいという思いすら傲慢であることも。
知っていて、声を掛ける。
何度でも。]
[疲れのせいだろうか。
天候のせいだろうか。
それとも――人狼の噂を、異端者の話を聞いたせいだろうか。
手すりに寄りかかるようにして、一段一段、踏みしめるようにして階段を上る。
きいきいと軋む床板が、まるでなにかの嗤い声のように聞こえた]
[ふと思うのは、自分の内から聞こえる
怖いという感情を知らない。
歯止めが効かない。
それは、あの声みたいなものだろうか――?
シモンの声は淡々としていて、その心は読み取れないが。
彼には思い当たることがあるのだろうか、と
本をめくるシモンを、しばし見つめるのだった。]
[部屋に入り、上着を床に脱ぎ捨てるなりそのまま寝台へと倒れこむ。
かんかんと、警鐘のように響く頭痛は酷くなる一方で、外の音も廊下の音も談話室の音も碌に聞こえない。
やがて平衡感覚も狂い始め、脈にあわせて床が波打ち――
意識はどろり、闇に落ちていった]
― 宿屋玄関・回想 ―
「それなら僕がローズマリーのお茶を持っていくよ。
確か在庫があったよね?」
[鎮痛剤を所望するニコラスへ、ひょっこり顔を出したゲルトが声をかける。
具合が悪そうに見えるニコラスから視線を外し、ゲルトに軽く頭を下げた。]
よろしく頼む。お茶はいつもの場所にあるから。
[”了解。任せてー。”と頼もしく請け負って厨房に消えたゲルトを見送った直後、ニコラスへ心配する視線を向けた。]
無理はしない方がいい。お大事に。夕飯の時間になったら一応呼びに行くけど、食欲がなければ遠慮せずに言ってくれ。
[少しの間を置いて、ニコラスが選んだ部屋のドアをお盆に注文のお茶を乗せたゲルトがノックする。]
[首を傾げるペーターの内心>>204が読み取れたならば、自分もペーターと同じ年くらいの頃は、恐怖を克服すれば強い人になれると同じように信じていたと同意するだろう。
だがそれを実行してみた結果は。ペーターに告げた通り、”ある意味始末に負えない”ものだった。それは今まで誰にも―当然友人であるジムゾンにすら―告白していない過去。]
……。
[ペーターの視線を感じて、本から顔を上げる。
ここで自分が考えていることを全て正直に告げる気にはなれないが、ヒントとなる言葉を提示する。]
例えば、近所に凄く頑固で厳しい大人の知り合いがいるとして。その人に怒られたら怖いから悪いことができない、って思えば、自然と行動を控えるようになるだろう?
俺が言いたいのは、つまりそういうことだ。
[言い終えると、口元にかすかな笑みを浮かべた。]
[リーザの感謝の言葉には、]
はい。覚えておいてくださいね。
[と淡い微笑で言った………「また届かなかった」とため息をつくのは独りになってからだ、と自分に言い聞かせて。
そう言えば。
一緒に来たニコラスの姿が見当たらないが、彼は既に部屋に行っているのだろうかと訝しみ。周りの何人かに聞いてみたら、ゲルトから答えがあった。
――彼なら調子が悪いって三階に行った。もう寝てると思うよ?]
……え?
[昨日までは調子は良さそうだったし、今朝も特に問題はなさそうだったのに。一体何があったのだろうか、と。
自分が行っても何も出来ないだろうが、それでも心配にはなる。
近くにいるシモンに声を掛け、一つ依頼をする。]
すみません、私も部屋を一つお借りできますか?出来れば、ニコラスさんの向かいの部屋を。
[承諾が得られたならば、自分もまた三階へ。]
―宿屋 三階―
[教わったニコラスの部屋の前を訪れ、軽くノック数回。
――既に寝ているのか >>206、返事はなかった。
仕方がない、と。
ドアの下から、1枚の紙を部屋に差し込む。
「正面の部屋におります 鍵は開けてあるので、何かあったら遠慮なく頼って下さい フリーデル」
そうして、自分も正面の部屋へ。
冬支度は何の落ち度もなかったためにそちらは全く心配していなかったが、まさか旅慣れしたニコラスが不調になるとは。
何もなければよいのだが。
急速に、不安が心を満たす。
嫌な予感が止まらない。まさか。まさか。―――杞憂であってほしい。
――そうして、しばし眠れぬ夜を過ごした。それでもなお、夜が更ける頃には睡魔に身を任せていたが**]
勿論構わない。どうぞ。
[フリーデルに声をかけられて、すぐに了承の返事をする。具合が悪そうだったニコラスの近くの部屋を迷わず取るのは、何かと周囲を心配して世話を焼くフリーデルらしいなとの感想を抱いた。
かつて自分も村に来たばかりの頃、左足の痛みを誰にも言わずに我慢していたときに、フリーデルから声をかけられた覚えがある。当時は無理をしていた自覚はなく、自力で何とかしなくてはと思っていただけだったが、とても驚いた。
ゲルトにニコラスが今滞在している部屋を尋ねて、その向かいの鍵をフリーデルに差し出しながら、三階の何処に行けばいいのかを伝える。]
今はまだ、色々と怖いものもありますが……。
これだけ皆いたら、きっと
大丈夫……ですよね。
[言い聞かせるかのように、小さく呟き。]
僕も、お部屋をお借りします。
一番狭いところでいいので……。
[ふと部屋のことを思えば、少し小さりながら申し出るのだった。**]
―自宅―
[カサリ、カサリ――
便箋が擦れる音が自室に響く
手紙としては古びており、便箋は何度も読んでたのか、カサカサで黄ばんでいた。
10枚の便箋
ふと、吐く息が微かに白くなっていることに気付いて部屋が冷えていたのをようやく知った。
読んでいる間に暖炉の火消えてしまっていたようだ。
便箋から目を離して窓を見る。外の景色は白い。
それに]
薄暗い…
[結構時間経っていたようだ]
大丈夫かしらね
[リゼットは宿屋に無事ついているのだろうか?
宿屋に他の人もいる頃かもしれない。
ならば、自分もそろそろいかないと、いそいそと出かける準備をしていく]
ランプあったかな…。
[明るい中に出て行くべきではあったが、仕方ない。
マフラーを巻いて、手提げかばんには必要な物をと、あちこちパタパタと慌ただしく足音を響かせる。]
―とある魔女の話―
[とある町の外れに、白い肌と白い髪の女の人が住んでいました。
彼女が頭痛を訴えると決まって雨や雪が降ることから、農業を生業とする者たちからは、恵みの雨を呼ぶ聖女と呼ばれ、慕われていました。
しかしある男の告発によって、聖女は悪魔と契約した魔女として幼い子供と共に異端審問官に捕らえられてしまったのです。
異端審問官は、『魔女』と『悪魔の子』に異端者の烙印を押し、悪魔と契約したとされる刻印を探します。
ですが、彼女らの白い肌には染みひとつ痣ひとつありませんでした]
[――肩に押された烙印は、異端者の証。
赤く焼けた鉄で捺されたその刻印は爛れ、化膿し、幼い『悪魔の子』は生死の境を彷徨い続けました。
『魔女』には、雨の気配を知る他にもうひとつ、誰にも教えていない特別な力を持っていました。
それは、悪しき者を見る『眼』でした。
『魔女』は、異端審問官のひとりに黒い影を視ました。
子供の命を救う為、隠し続けていた能力を明かして告発しますが、
――逆に「魔女のまやかしである」と断じられ、裁判という名前の恐ろしい拷問にかけられることになったのです]
[水攻め、指締め、釘うち、そして最後は火あぶりに。
裁判にかけられた魔女で生き残った者はいません。
わずかな隙をついて、『魔女』は熱に魘された『悪魔の子』を抱いたまま川に身を投げました。
命からがら町から逃げ出し、いくつもの森を抜け、いくつもの山を越え、ようやくたどり着いた安寧の地は、冬になれば雪に閉ざされる小さな村でした*]
―宿の部屋―
[男は、薄く目を開ける。
一眠りしたせいか、頭痛は幾分収まっていた。
辺りを見れば、誰かが運んでくれたらしいハーブティがテーブルに乗り>>207、ドアの下には紙が挟まっている>>211。
ぼんやりとする頭を振り、お茶を啜った。
随分と冷めていたが、その香りが体中に染み入るようで、手紙を拾ってその文面を読めば、ありがとう、と小さく呟く]
……今日はもう寝よう。
[荷物から寝巻きを取り、身に着けた衣服を脱いでいく。
その白い肌は、薄明かりの中ぼんやりと浮かぶようで
――左肩に残る、爛れて引き攣った火傷跡だけが、異質なモノのように醜く浮いて見えた**]
[あらかた用意して
放置してた便箋を丁寧に折り目に沿って折りたたむと封筒に入れる。
宛名には
愛しいパメラへ――
そう書かれている。裏をみれば送り主の名のない己に宛てた手紙。]
[淡い微笑を浮かべるシスターの心の裡は分からない>>210
ニコラスを案じて彼女が三階に上がって行ったことにも、すぐに気付けなかったほど心の余裕もなかった。
落ちつかない心地でいると、耳に落ちるペーターとシモンの会話。
無言のまま聞いていたが]
……怖いもののない人は、確かに恐ろしいかも知れないけれど。
それに押し潰されてしまった人だって……同じくらいに……恐ろしいですよ。
[シモンの言葉は正しいと思うけれど>>221
同時に誰もが恐怖を克服して、他人の力になれるほど強くはないとも、リゼットは思う。
その瞳には――忘れることなど出来ない、過去が映る]
[数年前、両親が病気でなくなり、その後日に掃除したら出てきたものだ。
何年前とはっきりと覚えていない、あまりにも記憶もあやふやなのだ。
頑張ったのに、それでも亡くなったのは、ショックだったのを覚えている。
内容に何かあれば誰かを頼ること。
家の事こととか、嫌いな食べ物のアレンジ料理等、内容が羅列されている。何かしら感じとって、両親は手紙として残したのだろう。
―――カサリと捲る
最後に記述された文章に目を細める。
こう書かれている。
人狼には気をつけなさい
と]
−宿屋−
[トントン、と2回ノックの音をしてから宿屋のドアを開ける]
こんばんは、遅くなったわ。
[誰が今いるのだろうか。
戸を閉めて、被った雪をその場で払い落とす*]
―宿屋厨房―
[勝手口から宿屋の厨房に入ると、エプロン姿のシモンが茶の用意をしているところだった。>>145
鍛え上げられた身体にひよこ柄のエプロンという不釣り合いな組み合わせには、初めて見た時こそ面食らったが、今ではすっかり慣れてしまったので特に言うことはない。]
おはようございます。
今日の配達です。
…ええ、さっき仕立屋でペーターから聞きました。>>94
今年は早かったですね。
[定型文を口にすれば、帰ってくるお礼の言葉。
茶に誘いながら道がふさがったことについて尋ねられたので、「ではお言葉に甘えて」と談話室まで同行しながら、そう答えた。]
―宿屋談話室―
[談話室につくと、シモンが手際よく茶を配り始めた。>>146
用意を一人に任せるのは少し悪い気もしたが、お茶くみなど慣れていないし、今は客の立場である自分は、下手に手伝わない方がよいだろうと判断。
船を漕いでいたゲルトがクッキーに手を伸ばすところや、毛布にくるまって寝ているペーター>>137を横目に、自分もソファに座った。
やがて玄関から聞こえてきたフリーデルの声>>163にシモンが出て行き>>164しばらくすると、ジムゾンも携えて戻ってきただろうか。>>166
ニコラスの声も聞こえた気がしたが、談話室には来ていないようだ。>>202]
[黙ってペーターとの会話を聞いていたらしいリゼット>>223から、突然思いがけない言葉を聞いて、目を何度か瞬かせた。
だがすぐにその瞳をじっと見つめて、そうだなと短く返事を返す。]
リゼットの意見には一理ある。恐怖に対する耐性は人それぞれ。それに潰されることで追い詰められる人もいるだろう。
[それと同時に、自分の半分にも満たない年齢で少女は何を体験したのだろうかとの思いが胸に浮かんだ。
だがフリーデルにすら沈黙した>>196のに、異性の自分には尚更喋るはずはないと思ったので、詳細を聞き出す気はなかった。ただ、俺は自分の意見だけが正しいとは考えてないし、他の人の話も無下に扱うつもりはないと意思表示するように穏やかな表情を浮かべる。]
[適当なところで読書を止め、大きく伸びをしながら体をほぐした。
そろそろ夕飯の準備をしなければと考えながら、宿屋に顔を出したオットー>>127に声をかける。]
デザートにアップルパイを作りたいと思っているんだ。
前にオットーの店で食べたものが美味しかったから、作り方のコツとか教えてくれないか?
[あくまでオットーに作って欲しいではなく、教えて欲しいと依頼する。エルナに貰ったマフラーの恩に報いるには、自分の手で完成させたいと思っているから。
了承してくれたオットーに”ありがとう。”と礼を言って、厨房に移動する。
その晩はヨアヒムのリクエストしたポテトと林檎のグラタンとアップルパイがテーブルに並んだ。**]
[それからしばらく、シモンから受け取ったカップを口にしながら、一冊の本を間においてリゼットとヨアヒムが話している>>156>>157>>161のを何気なく聞いていたが、その内容が“人狼”に関することであると知ると、明らかな不快感を顔に出した。
怯えるリゼット>>165>>170>>171に対し、ヨアヒムは容赦なく話を続けている。>>167
「いい加減にしろ!」と、思わず声を上げそうになったところ、フリーデルが窘めた>>175ので思いとどまった。
当のヨアヒムは悪びれた様子もなく>>184リゼットも自分が悪いのだとヨアヒムを弁護している。>>191]
…人狼なんて、おとぎ話だよ。
[ため息をひとつき、ぽつりとそう呟いた。
それは怯えている子供たちのためというより、他でもない自分に言い聞かせるように。]
そうか……よく考えたらリゼットがこの村に来てからもう2年になるんだ。
[唯一と言っていい、エルナの後にこの村に来た少女。
さて、彼女に似合いそうな色のテープはあったか。
彼女が既に持ってる品に使うか、
パメラとお揃いの小物を新規で作ってそこに貼るのが良いか――
考えつつ窓の外を見れば、雪はまだ降り続いている]
…………いっけない!
もたもたしてると歩けなくなっちゃうかも。
[集中集中、と自分に言い聞かせながら補修の残り手順を済ませ、
外套といくつかの荷物とともに店を出てからも追想に歯止めはきかない。
―――そういえば、エルナが師匠を“そう”呼ぶようになったのも、
こんな冬の日だった、と]
―昔のこと―
[少年が青年になり、何時か"××××"の顔も忘れ始めた頃のこと。
青年は、一定の時期を重ねるごとに、身体を蝕む「渇き」に襲われるようになっていた。
何を食べようと飲もうと、収まることを知らないそれは青年の身体に確実な衰弱を齎し、立ち上がることさえ困難になるほどに追い詰めていった。
――…死ぬ前に、喰らえ。
頭の中で響くその聲は、果たして青年のものだったのか、別の誰かのものだったのか。
それに対する、青年の答えは決まって、僕は食べないという一言だけだった。]
[それでも身体の限界も精神の限界も何時かは訪れるもので。
やがて、水すら受け付けなくなった青年の身体は、元の体と見た目のみで言うならそう変わらないながらも、落ち窪んだ眼窩と黒玉のように精彩を欠いた瞳で日々を生きていた。
頭の奥、脈動のように鳴る音は、段々と強くなり。
――…幾らの時が経ったか。
その音が止まった頃に、青年は自分を俺と呼称するようになっていた。
そうして、"食事"をすることにただの一つも抵抗を覚えなくなったのは、それから間もないこと。]*
[エルナが師匠と呼ぶ人物は、
かつて下働きをしていた街の仕立て屋の、一介の客に過ぎなかった。
まだ16かそこらだったエルナは、その客の異国の様相に惹かれてよく話しかけていた。
好奇心のなせるわざである。
ある時、きっかけは忘れてしまったが、
エルナは彼に、長らく自分の中でだけ閉じ込めていた秘密を話した。
――明け方の空に、蒼白い月が二つ見えることが時折ある。
とまあこんな具合である。
初めて二つの月を見たのは、
仲良くしていた従姉が病で死んでしまった日だからよく覚えていた。
信じてくれる人はこれまでいなかったが。
この秘密の話を信じてくれた人に出会い、
さらにその人から、月が二つ見える現象の本質と使い途について教えてもらえることになった時から、
その人の呼び名は師匠に決まったのだった*]
[噂一つが人々の心を乱す。被った面は悉くはぎ取られ、やがては真の姿を曝け出す。]
なるほど。これが彼女の見ていた景色の、一端か。
[宿に足を踏み入れた瞬間に、多くの感情が流れ込んできたのだった。其れに対して、多少の感慨めいたものはあるものの、基本は何も感じない。己の生き方は変わらない]
僕に何かが望まれるのであれば、応える。ただ、それだけ。
生きるために何かを為す必要があるのであれば、躊躇はしない。空っぽの自分には躊躇することすらできない。
―宿―
[宿へ来てから多かれ少なかれ、時間が経過した。
宿に足を踏み入れた途端には、多様な感情、願いが自身へと流れ込んでくるのを感じるのだった。しかしそれは只のきっかけに過ぎず、宿内に限らない、村そのものが、どこか騒がしいと俄かに感じていた。
…は宿に来てからというもの、特別己から話しかけるようなことはせず、ただ望まれたことや願いにのみ応えていたのだった。
逆を言えば、望まれたことなどシモンからパイ作りのコツを問われた>>230程度で、それ以外は特に何もしなかった。何故なら特に望まれなかったから。
シモンからの要望には、極力望まれるままに応えられただろうか。]
/*
きいてくれ
じんろうのじのじも出してないよエルナさんだいじょうぶですか
まあ知識は仕入れ済みってことにはしてみたけどさ
とりあえずおちつ こう ふとんをかぶって ね うん
― 回想/教会 ―
[少し、楽しみです。その言葉に嘘はないようでフリーデルの口元には淡い微笑み>>152。
まだ花を植えると決めた訳ではないのだが水を差すのも忍びなかった。]
そうですね、春になったら植えましょうか…。
[まず思い浮かんだのは、リゼットが言っていた金色の花。だが、肝心の種類が分からなければ植える事も出来ない。
そういえばフリーデル自身の意見を聞きそびれていた事を思い出した。]
今度、ヤコブさんのところへ種を貰いに行こうと思うんです。
良ければ、一緒に来て下さいませんか?
[その際、フリーデルはどの花を植えたいのか訊ねよう。
ついでに昔の裏庭はどんな様子だったのか話しを聞いてみようか。]
― 回想/→宿屋 ―
[それから、ニコラスとフリーデルと共に宿屋へ移動した。
シモンが出迎えてくれた>>164。接客モードに真面目腐って深々とお辞儀をする。]
お世話になります、シモン。
……ええと、まあ。
[顔を上げるとシモンが着用したひよこエプロンが目に入る。視線を上げれば、赤く染まった頬。ついエプロン姿のまま出てしまったのだろう。こちらまで照れくさくなってしまって、何と声を掛ければ分からず言葉が詰まった。
だが、フリーデルの「可愛い」という言葉に軽く吹き出してしまう。慌てて口元を抑えるが、シモンがそれに狼狽する姿がそれのまた可笑しいったらなくて、先程までの重たい空気にも関わらずつい頬が緩んでしまう。]
ふふっ、フリーデルさんの言う通りです。とっても可愛いですよ?
愛用しているということはシモンも気に入ってるんですね。似合ってますよ。
[口元が笑っているのは隠し切れていない。フリーデルの後に続きシモンを横切って談話室へと向った。]
[ジムゾンから何か返答はあっただろうか。
ふと外を見ると、雪がいっそう激しく降っていた。
農場までは少し距離がある。
これでは帰れないと判断し、泊まっていくことに決めた。
今の季節、畑には何も植えていない。
温室の野菜は気になるが、明日の朝、早くに帰ればいいだろう。]
シモンさん、部屋をひとつお借りしてもいいですか?
[女主人から宿屋の留守を預かっている負傷兵に声をかけ、同意を得られたなら鍵を受け取って、与えられた部屋へ向かっただろう。]*
―回想・二年前―
[リゼットの故郷は、白銀の村から山を幾つも越えた地にある僻村だった。
貧しかったけれど幸せな時は、あっという間に過ぎて。
数年にわたり続いた凶作と戦に少女の村は疲弊し、貧困に喘ぐ両親はリゼットたち姉妹を人買いに売りとばしてしまう。
両親に裏切られ棄てられた絶望と、
人買いに奴隷のように扱われる過酷な旅に、
もともと身体が丈夫ではなかった姉は、日毎に心身を病んでいった。
毎日のように酷使され、打たれ、罵倒されて。
心を病んだ姉に運命を呪う言葉を聴かされ続けても。
それでもリゼットが耐えられたのは、大好きな姉を――家族を助けたいと願ったからだ]
[けれど、過酷な旅に少女の心は擦り切れていき。
――やがて、転機が訪れる。
新たに少女を買い入れる為、物資の補給が必要となった人買いが、
リゼットに暫くの間、自分を『伯父』と呼ぶよう命令したのだ。
人買いであることを隠すため、彼は人前では姉妹と血縁の振りをする。
つまり、彼の言葉はもうすぐ人里に出るということを意味していた。
久方振りの休息に、人買いたちの気も緩んだのだろう。
夜には商品が逃げ出さないよう立てられていた見張りが、居眠りをしていたことに気付く]
[今すぐに逃げ出して、人買いたちよりも早く村に着くことが出来れば、自由になれるかも知れない。
突如降って湧いた希望に、リゼットは熱に浮かされたように。ふらり立ち上がる]
『――リゼット?』
[眠っていた筈の姉の声が聞こえた。
けれど、少女は振り返らない。
振り返ってしまえば、もし、姉の絶望の眸を見てしまったら
もう走り出すことなど出来なくなるから。
――こうしてリゼットは姉を見棄てて、独り逃げ出したのだ*]
[己の中には願いや理想が存在しない。そんなことを何度も主張すれば、現実味が薄れていくような言葉だが、紛れもない事実である。
だからこそ、己におすすめというものを聞いてくるお客は手に余ることが多い。この村で言えば、エルナは特に、店主のおすすめを聞きながらゆっくり買い物を楽しむのも趣味である>>126らしく、別段苦手に思っているわけではないのだが、期待にそえていないと感じることが多かったりする。
もちろん、お勧めを聞きたいという望みは理解しているため、その要望には応えようとするのであるが、如何せんお勧めできるものが何もない。パン屋に置かれているパンは、全て自身の望みで創り出したのではなく、他人の理想を借りて生み出したものだから。その価値は自分では計れないのだ。]
中々に、難儀なものだね。
[特に誰に聞かせるでもなく、呟く。
とはいえ、彼女がパンの味に満足してくれているらしいことは分かる。だからこそ、ここに自身のパン屋としての欠点が浮き彫りになる。他人の理想を借りることしかできない自分には“期待通り”には為せるものの、決して“期待以上”の提供はできないのだ。味に満足されている以上は、それ以上のおすすめなど自分には導けないのかもしれない。
と考えつつも、それが癖になりつつあるのか、相手のおすすめを聞きたいという期待を自分のものにする術を模索するのだった。]
―談話室―
[談話室に入ってきた神父に気付き、小さく頭を下げた。
そして、何かを思い出したように瞬いて]
……そうだ、神父様。
昨日お話した、花の名前、思い出しました。
多分、コルザです。
[宿への道すがら、思い出した金色の花の名を神父に告げる。
けれど、その名はリゼットの故郷の村での呼び名だったから。
山を幾つも越えた白銀の村の住人に正しく伝わるだろうか]
[そっけない答え>>243にくすり。短い返答だったが、今ではそうではない事は伺えた。
…も似たようなものだ。ペーターが抱えている絵本の表紙によく似たものを読んだ事があった。その絵本に描かれた人狼を見て不思議と恐怖よりも憧れを覚えたんだったか。
多くの子供が物語の狼や悪人に恐怖や憧れを抱くものだ。だが、命が危険に晒されれば話しは別だ。人は恐怖の対象を必死に排除にかかる、それだけだ。]
でも、そういう時期もあったんでしょう。
まだまだ彼等は子供ですから。ね。
[でも、リゼットやペーターは違う。
絵本でも読んで怖がっているだけだ、と。人狼に怯えている子供達に聞こえない程の声で言う。]
[思い出した、という事はリーザは記憶からその花の名を引っ張って来たという事だ。
何処からコルザの名を見つけ出したのだろう。]
思い出の花なのですか?
[控えめな声でそう訊ねる。]
[思い出した、という事はリゼットは記憶からその花の名を引っ張って来たという事だ。
何処からコルザの名を見つけ出したのだろう。]
思い出の花なのですか?
[控えめな声でそう訊ねる。]
/*
占:ニコラス(確定)
霊:エルナ
C狂:オットー
狼:ヨアヒム、?
うーん、狼は誰だろう。
ヨアは間違いないと思うのだけどな。狩人は分からない。ニコは占い師か狩人だとは思っていた。
リーザではないぽい。
そっか。……こっちでは菜の花って言うんですね。
[向けられる神父の笑顔に、少女もまた微笑を向ける。
それは鏡合わせの、偽りの笑顔だったかも知れない。
そして、思い出の花なのかと問われれば、微かな逡巡の後]
……はい。
とても、大切だった人との思い出です。
[懐かしむように答えた。
姉と並んで、陽光照り映える黄金の花をいつまでも眺めていた幼い日の記憶。
花の名を思い出せなかったのは、姉を見棄てたことへの罰の一つか]
―深夜・白い森―
[宿屋の灯りもすっかり消え、人々の寝静まる宵のこと。
建物の裏手へと広がる、樹氷の中へと男は歩を進める。
待ち合わせはそう宿屋から離れない、少しだけ開けた場所。
人の足跡の極端に少ないそこに、既に、特徴的な金髪を備えた男――ゲルトは佇んでいた。
待ち合わせは、そこで。と、伝えた通りの場所に、月を見上げている彼の人の姿を見れば、渇いた喉を湿らせるように、一度鳴らして。]
――…よお。
[片手を上げれば、振り向いたゲルトの後ろに、深く抉られた無残な樹氷が聳え立っているのが見えた。]
――…あァ、それさ。ひでえもんだろう?
[ゲルトを森の中へと呼び出すときに囁いた口実はこれであったのだ。……たった一つ、聞きたいことを聞くためだけに。]
……どう、思う?
[問いかけは、だから、ただの戯れにほかならない。
口調も常と同じく。ただ、何時の間にか男がゲルトを見る目が、人が家畜を見るもののそれに似たものに変化していたというだけ。]
『人狼は…いると思う。』
[暫く後に、返事が返ったなら口の端を吊り上げて、嗤う。
暗い闇の中、ゲルトにこちらの表情は届いたか、どうか。]
[間を置かず、振るった爪にゲルトは気付いたか、どうか。
男が噴出した温かい飛沫を全身へと浴びる頃には、その身体は何の意識も持ち得ぬ物体に変わって地面へと転がっていたから、知るすべもなかった。
死の間際、ゲルトが何を思っていたか。
そんな事はもうどうでもよくて、爪へと付いた赤い液体を舐め取れば、後は、唯。
――…喰いたい。
繰り返し繰り返し、脳髄を這う欲求に身を任せ。]
[派手な音を立てて咀嚼する。――啜る。――噛み砕く。
吐く息はやがて荒く、獣のものに。
捲れ上がる口元には白く鋭い刺が覗いていた。
ゲルトを森の中へと呼び出したのは正解だった。
宿の中で襲ったりしようものなら、きっと、久しぶりの狩りに昂ぶる気持ちを抑えていられなかっただろうから。
無心に貪っていれば、我に戻る頃には"ゲルト"は元の形を止めなくなっていただろう。
噎せ返るほどに口の中に充満する血肉の味に多幸感を感じながら、獣は、赤く濡れた腕をぺろりと舐めたのだった。]*
[誰でも良かった。
己の渇きを満たしてくれる存在ならば。誰でも。
ゲルトを選んだのは――きっと。
勝手知ったる相手、だったから…こそ。]
[それから、どれだけ過ぎた頃だろうか。
一方的にそれじゃな、と手を振るとゲルトとは別れたのだった。
裏口から静かに宿へと戻れば、もう一度寝にかかるつもり。]**
[その後も暫く村人たちと言葉を交わし。
シモンの手による夕食を遠慮がちに食べると、この日はパメラの家に戻ることなく、宛がわれた部屋のベッドに潜り込む。
――今日は何もしなかったから、明日こそは雪かきをしないと。
為すべきことを考えるうちに、リゼット意識は眠りの園に落ちていった**]
そうですか。…思い出せて良かったですね。
[どうにか声を掛ける事がそれしか出来なくて、
暫く間を置いてから。]
春になったら、植えてみますか?
きっと夏頃にはたくさんの菜の花を見る事が出来ますよ。
[それだけ提案してみせた。]
[パチパチと炎が爆ぜる音だけが響く中、暖炉の側に置かれた椅子に座る…とリゼット。
雪に閉じ込められて不安がっているのか、談話室の空気は緊張していたが。顔と顔を突き合わせて昔の思い出をしのぶふたりの間には淋しくも、それでいて穏やかで満たされているような空気を感じた。
耳を澄ませても、薪が割れる音や幾人かの人々の会話が聞こえてくるだけ。
とても、静かだった。**]
― 宿屋談話室・回想 ―
俺がリゼットを?
[自分としては唐突に投げかけられたように感じる問いかけ>>236に目が丸くなる。
だがすぐに少女の真意を探るように鋭さを増した視線で、鷹揚に頷いた。]
分かった。そのときが来たら、俺が全力で助ける。
[己が年上であると上から目線で答えることなく。かといって年下であるリゼットを軽く扱うこともなく。同じ村に住む仲間として対等に返答する。
リゼットの”だから”の前には、”恐怖に潰されてしまった人間も恐ろしい。”があると解釈している。
どんな理由で、何を望んでこんなことを言い出したのか、リゼットとの会話からは読み取れないものの。自分に託された思いは応じる。
その気持ちを、真剣な言葉と仕草と表情に込めた。]
― 宿屋玄関・回想 ―
[ふと気がつくと、自分のエプロン姿に友人のジムゾンまで言葉を詰まらせている。
おい、何でお前が絶句しているんだよとの言葉を口に出す前に、フリーデルが放った”可愛い。”に噴出す声が聞こえた。]
あ、あのな。
男が……ど、同性に可愛いって言われても嬉しくねーんだよ!
[更に頬の赤みを増して、唸るような口調で文句を言う。
途中で少し返答が途切れたのは、単に”男が可愛いと言われても”と言うと、フリーデルがショックを受けるかもしれないと思いつき、急遽”同性に”と付け加えたからだった。]
愛用しているのは――まあ、そうなんだけど。
[口元に笑みを向けるジムゾンをじと目で見つつ―意味は”お前、あとで覚えておけよ?”―その言葉の一部は肯定したあと、最後に談話室に移動した。]
…っ
[天候のせいか、酷使したせいか、不意にきしりと痛む右肩。
夜を迎えるのはいつも憂鬱だった。
眠ればまた夢を見るかもしれない。
けれど、休息を求める身体に抗うことはできない。
観念したようにベッドにもぐりこむと、そのまま眠りについた。]**
― 宿屋厨房 ―
[オットーから受けたアップルパイ作りの指導>>240は、実に的確なものだった。プロならではのコツを付きっ切りで教えて貰えたのは、僥倖だったと思っている。
黄金色に輝くパイが焼きあがったとき、大げさな言動をするつもりなどなかったのに、思わずおおーっと歓声を上げてしまった。]
凄い!これは思っていた以上の出来だ。
オットー、教えてくれてありがとう。
[お菓子作りは経験あっても、素人の自分の予想よりも上手く仕上がったので嬉しく思っている。それを素直にオットーへの感謝に込めた。
厨房に向かっている間にエルナが宿屋に到着したようだ>>239。
林檎とシナモンの香りに気付いたとき、彼女がどんな表情をするか、実に楽しみである。]
[夕飯を皆に振舞ったあとは、ゲルトに手伝ってもらいながら片づけを行う。
礼を言って談話室を辞するヨアヒムに、”どういたしまして。”と返事をした。
急に宿屋に来る人が増えたので、むしろ献立を決めて貰えて助かったと思っている。人が多いところは苦手というヨアヒムを引き止めることなく、背中を見送った。
そのあとはいつものように温泉で温まって、軽く雑用を片付けてから眠りについた。]
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