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歴史のうねりが奔流となり、時代が戦乱へ押し流される。
避けえぬ戦火が人々を呑み込み始める。
大きな時の流れに巻きこまれ、翻弄されるものたち。
その中にあって、なお歴史を作る力と意思を持つもの。
激流の世に生きる人間達の物語が、始まる。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
これまで吸血鬼の狩りを看過していたタルボシュ地方の領主が、教会勢力に唆されて魔物狩人を雇い、若い吸血鬼を捕らえた。
捕われた吸血鬼の血親たる吸血鬼公は怒り、城を襲って仔を奪還するとともに、街を封鎖した。
そうして吸血鬼公は、血族や知己の吸血鬼を招いて、この一夜、報復の狂宴を開催することとしたのだ──
村の設定が変更されました。
2人目、吸血鬼公 アレクシス が参加しました。
吸血鬼公 アレクシスは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 宴の前 ―
[その日、タルボシュの街を闇が覆った。
何万、何億、それ以上のコウモリが飛来し、空を埋め尽くしたのだ。
昼は夜へと変わり、街は陽光から隔てられた。
巨大な生き物が触手を伸ばすようにコウモリの群れの一部が城へ到達し、城門前の広場から若い吸血鬼を攫っていく。
直後、雷鳴のような音と共に吸血鬼公とその眷属が城に現れ、瞬く間に城内を制圧した。
城を落とし、街を封鎖した闇の眷属たちは、嬉々として宴の準備に取りかかる。
街ひとつをテーブルに載せた宴は、さぞかし盛大なものになるだろう。]
― 宴の始まり ―
良い頃合いですね。
日は沈み、月は昇り、残照は血のごとくに赤い。
我々が宴を始めるのに、最高の時間でしょう。
[城のテラスに立った絢爛公ことアレクシス・ルマニフィークは、マントを翻し高らかに宣言する。]
今宵一晩、この街を血の饗宴に捧げましょう。
友よ、血で結ばれし朋輩らよ、存分に狩りの興奮と血の甘露を楽しんでいただきたい。
人間たちよ、我らが愛しき獲物らよ、力と知恵の限りに逃げるといい。
儚き抵抗は宴に花を添えるでしょう。
ではこれより、宴の始まりです。
[宣言と共に城から火球が上がり、薄暮の空に鮮やかな炎の花を咲かせた。**]
3人目、詩人吸血鬼 ウェルシュ が参加しました。
詩人吸血鬼 ウェルシュは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 宴の始まり / 書斎 ―
[ 若い吸血鬼は、書架の陰にひそむように立っていた。]
さて、ぼくはどんな顔をして、何処にいればいいのだろう…
[ 当惑を口に出してみる。]
[ 宴の主催者、絢爛公アレクシス・ルマニフィークは、血親である。
そして、魔物狩人に捕縛され、公開処刑の現場から、公に救出された仔というのが、他ならぬ、このウェルシュ・カシェだ。
嬉々として表立つのは憚られ、かといって恥じて雲隠れするわけにもいかず。]
公を褒め称える詩のひとつでも披露できればいいのか──
[ 人間ごときに翻弄された、この一日のことは思い出すだけで鳥肌がたつ。
嘆息がひとつ、書庫の静謐に溢れた。*]
4人目、旅人 シルキー が参加しました。
旅人 シルキーは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
/*
数年ぶりの村です。
吸血鬼やろうと思ってたんだけどもバランス的にこっちの方が良さげなので人間側にしたよ。
シルキーにしたのは半目の表情が良かったからです。
/*
男キャラやろうかと思ったけど多分8日も持たないんだよね…男だと多分戦闘に振り切れるしかないので。 女キャラでも戦いもせずに何して時間過ごすか浮かばなかった…もう発想力が貧相!!!
5人目、吸血鬼狩人 レト が参加しました。
吸血鬼狩人 レトは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 城下町 ―
参ったな。
[街道に抜けようと歩いてきたけれど、途中で道が途切れていた。
立ち塞がるのは城壁でも門でもなく、うごうござわつく黒い何かだ。
たぶんコウモリ?だと思うけれど、近づく気にはなれない。]
どうにか抜け出す道を見つけなきゃ、か。
にしても、もう取り戻しに来るとか、早すぎるだろ。
[こんなことなら、仕事終わりの一杯なんてやってないで、さっさと街を出ておけば良かった。
なんて思っても後悔先に立たず。
ひとまずどこかに身を隠さないと。**]
6人目、近衛騎士隊長 シェットラント が参加しました。
近衛騎士隊長 シェットラントは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
[ 領主の娘ローレルは当年12歳。
彼女がその半分の年齢だった時分から、シェットラントは城に住み込みで仕えてきた。
父親の再婚相手とシェットラントがうまくいかないのを見越して、姫の乳母であったシェットラントの叔母が根回しをしてくれたのである。
以来6年。他の護衛役が1-2年で交代する中、勤続し続けたシェットラントは姫の近衛騎士隊長となっていた。
もう2-3年もすれば姫は結婚し、シェットラントも城の外に家庭をもつだろう。
何事もなければ、そうなるはずだった──]
― 宴の前 ―
[ その日、ローレル姫は捕まったという吸血鬼の話題に興味津々だった。
もっとも、城中いや街中がその話でもちきりだったはずだ。
美青年であるとか、魔法を使うとか、情報源も定かではない噂が飛び交う。
吸血鬼を捕らえた狩人についても同じくらいまことしやかに流言が囁かれていた。
いわく、天使の化身であるとか、血が毒なのだとか。
「自分の目で見てみたい」と姫は言った。]
噂を鵜呑みにせず、ご自身で確かめようという考えはご立派です。
けれど、魔物が晒されている広場には群衆が詰めかけており、熱狂した群衆は何をするかわかりません。
記録官が詳細に事実を書きつけているでしょうから、その報告をお待ちいただけませんか。
[ シェットラントが説けば、姫はうなずいてくれはしたが、「せめてバルコニーから眺めたい」というので、つきしたがうことにする。
そのせいで、天変地異の様相を特等席から見ることになった。>>1]
[ 日を陰らせたコウモリの群れが城に到達するより早く、姫を部屋の中へ引き込んで鎧戸を閉ざす。
バチバチと激しい音をたててぶち当たってくるコウモリは、雹のようだ。
いずれ、鎧戸を壊すかと思われた。]
魔性の悪あがきか。
聖職者たちが鎮めてくれましょうが、念のため、一時避難いたしましょう。
[ 即断すれば、姫は「礼拝堂がいいわ」と言う。
シェットラントはうなずき、他の護衛を露払いに走らせ、自分は姫のすぐ側についていく。
侍女たちが後ろに従った。*]
[ そんなに目立つ悪さはしなかったつもりだ。
それに、タルボシュの街は結構"緩い"と聞いていた。
だから、声のいいのを活計にして、詩を朗読したり歌ったり、
それで女とちょっと懇ろになってしけこんで、
おっぱいにカプリと噛み付いてチュウチュウ吸う。
(首筋より断然、柔らかくて好き)
それで満足していたっていうのに、掌返すなんてひどい。
ましてや男の狩人を寄越すなんて。*]
7人目、白磁の吸血鬼 ミリアム が参加しました。
白磁の吸血鬼 ミリアムは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[西の空に太陽が沈み、塒に帰る鴉が甘やかな呼び声を響かせる。
夜に奪われゆく残照を切る翼は、濡れたような漆黒なのだという]
──私の眸には、青に見えるのだけれどね
[西の空に陽が沈み、塒に帰る鴉が甘やかな声を響かせる。
夜に奪われゆく残照を切る翼は、闇に濡れたような漆黒なのだという]
──私の眸には、青に見えるのだけれどね
― 宴の前 ―
[タルボシュ地方の北方隣、フェルクドラク。
点在する巨大な岩山の間を深い濃緑の針葉樹が埋める森に吸血鬼の住処があった。
そこは希少な陶石の産地であり、芸術の揺籃であり、魔女が統べる錬金術師の工房]
あら…あら
[褥に半身を起こしたミリアムの膝へ、窓をすり抜けて来た鴉がついと羽を休める。
読みかけの招待状から視線を揺らし、彼女は指先で鴉の頬を撫でた]
ご覧、アズリウ。絢爛公が宴を催すそうだよ
お隣さんだもの、また顔を見せなければね
[口元に手をやってふるりと微笑う。
澄んだ蒼の羽毛を震わせて、鴉が首を傾けた]
ええ、子をいじめられて、おかんむりということかしら
──教会の子たちも困ったもの
手土産は何れにしよう
新しく調合したあの赤金の顔料をお見せする?
ルマニ公のお気に召すかしら…
[いつも少し煙と薬の残滓が漂うような住処も、吸血鬼が身動げば嫣然とした香油の薫りに塗り変わる。
褥から滑り出て、薄布を肩から落とした。
フェルクドラクの工房以外では未だ産み出されていない、硬質で透けるごとき白磁製品。
同じ重さの金よりも高値がつく真の乳白は、人ならざる者たちの肌のいろに似る]
“狩り”など久方ぶりのこと
そう、何を着て行くのが良いと思って?アズリウ
[暗闇しか映していない鏡の前に立って、ふわりとターンした*]
― 回想・宴の発端 ―
[タルボシュの街に出没する吸血鬼を狩ってもらいたい。
依頼が来たときは意外に思った。
あの街は吸血鬼に甘かったはずだけど、教会が横槍を入れてきたらしい。
理由はともかく、依頼があれば狩るのが狩人だ。
街に入って痕跡を探し、出没の情報を集め、獲物を見定める。
今回は見せしめ用に捕獲して欲しいとの依頼だったから、そのための準備もする。
あとは相手が現れるのを待つだけだ。]
[酒場や街角の女たちに金を握らせて、「こういう風体の男が来たら知らせて欲しい。引き留めておいてくれればボーナスも弾む」と協力を頼む。
自分は酒場でミルクを舐めながら、目当てが来るのをひたすら待っていた。*]
8人目、聖女 ナネッテ が参加しました。
聖女 ナネッテは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 教会:大聖堂 ―
市民の避難を急がせて! 怪我人は奥へ!
身体が動くものは数名で組んで哨戒に回りなさい!
[てきぱきと部下に指示をしていく。押し寄せた市民、詰め掛けた怪我人、城から這々の体で逃げ帰ってきた司祭達――それらが織り交ざって、教会の大聖堂は普段の静謐さがまるで感じられないような喧騒に包まれている]
恐れることはありません。
神はいつでも私達を見守ってくださっています。
今与えられている試練も、全ては私達のために。力を合わせて乗り越えましょう!
[パニックになりかけている市民達に向けては、毅然とした聖女として振舞う。それがもっとも彼らを落ち着けるものであることを知っているから。だから、内心の動揺は一切表に出さない]
― 回想:はじまりの教会 ―
[元から、何かおかしいものは感じていたのだ。
枢機卿自ら、任地へ向かうことを任命するなんてことはまずない。勿論猊下の指示だ、逆らうことなんか出来るはずもない。逆にそんな凶悪な吸血鬼の征伐へと加えていただける名誉に感涙したのだが――不自然な点はその頃からあった]
(変ね……異教徒に対する
[今度の征伐のメンバーを見れば、自分以外に教会の人員はほとんどおらず、対吸血鬼の戦力は魔物狩人だけ。教会から全権を託された、とはいうものの狩人達は独自の判断で動くため、ほとんど自分は居るだけの状態だった]
……吸血鬼の"捕獲"を完了した?
しかも、搬送も終わったですって?
[そして自分が与り知らぬまま目的の吸血鬼は捕縛され、そして征伐――息の根を止める――をすることなく解散した、と聞かされる。
聞いていた話と違いすぎる。わきわきと身体に手を伸ばしてくるその狩人に平手打ちをして、急いで城に向かったのだ]
― 回想:城にて ―
[捕らえたという吸血鬼もその目で見たが、牢でしょんぼりと佇むその姿は叱られた子犬のようで、わざわざ白木の杭を撃ち込むほどの邪悪な雰囲気を感じなかった。
――胸元に注がれる下卑た目線には邪なものを感じたが、それは吸血鬼に限った話でもない。こうして疑問は膨れ上がる]
(こんなもの、邪魔なだけなのに……)
[胸元のロザリオをきゅっと握る。このロザリオだって変に浮いてしまっているし、説法に赴いても男達はぼうっとして話を聞いているのか分からない。この若さで上り詰めたこともあって、口さがない者達から
(どうして見せしめに? 危険ならばその場で殺害するべきなのに。
何かそうしなければならない事情があった……? そんなもの、思いつかないけど)
[彼と言葉を交わしていたかもしれないが、救出の嘆願は無視していた。それに心揺らぐようでは、
― 宴の前 ―
[そして、事実を確認しようと城を辞して教会に足を運んだその時。それは始まった。空を埋め尽くすコウモリの群れ。光の届かなくなった街に、人々の混乱する声が耳に届く。そして――司祭達が突然帰ってきたのだ。自分を追ってきたのかと思えばそうではなく]
――陥落した? 城が?
[瀕死の司祭達の途切れ途切れの話を繋ぎ合わせれば、こういう事だと分かる。見せしめの処刑をしようとしていた所にコウモリによって奪還されてしまった。直後、吸血鬼達が襲撃してきて、瞬く間に城内は制圧された。他の人々の安否は不明――
不安そうにこちらを見つめる侍者達と教会に詰め掛けてきた市民達を見て、事は喫緊の課題と知った。自ら大聖堂で指揮を取ることに決めたのは、このときである*]
― 回想・宴の発端 ―
[ その日はちょっとアテが外れたのだ。
お約束していた商家の未亡人が火傷したとかで逢瀬を延期することになった。
(火傷程度でヘタれるなんて、やっばり人間って弱いなぁ)
飢えは感じていたけど、無理強いするほど美味しい相手でもなかったので、またの機会にすることにして、繁華街に出てみた。
そうしたら、田舎から出てきたばかりと思しき花売りの女の子を見つけたんだ。
「一口つきあってくれたら、客層のいい店を教えてあげる」と誘う。
辻立ちの商売女が睨んでたけど、気にしない。
お尋ね者になっているなんてこと、知りもしなかった。>>17 *]
― 書斎 ―
[ 魔の気配がどんどん強くなってゆくのが、書斎にいても感じられる。
公はいったいどこまで招待状を送ったのだろう。
とても盛大な宴になるようだ。
今朝方まで、ウェルシュが閉じ込められていた牢獄には、今は城の人間が押し込まれているに違いない。]
あの聖女も捕まったかな?
[ ウェルシュが狩人から城へ引き渡されて以降、物見高い連中が幾人も牢を訪れたものだ。
疲れ果てていたのと、日中で眠かったのもあって、言葉を交わすことはしなかったけれど、
聖衣を押し上げる胸の丸みををこれみよがしに張った聖女の姿には、少しだけ牢の憂さを忘れた。>>23
滋養をたたえた豊満なる果実よ。]
シースルーの踊り子服とか着せたら似合うと思うんだ。
[ そんな妄想をしてみても害はなかろう。*]
― 回想・宴の発端 ―
[酒場でちびちびやっていると、奥のテーブルから大騒ぎか聞こえてくる。
声に聞き覚えがあったから、そちらを見もせずに席を立った。
一応は依頼主ということになるのか?
教会から派遣されてきたとかいう触れ込みの狩人連中だ。
装備はよさげなものを持っている(ので少々拝借した)けれど、やる気に欠けていて、なにより下品だ。
魔物狩人がみんなあんなだと思われたくない。
教会から受けた吸血鬼狩りの仕事をこちらに二束三文で下請けに出して、自分たちは遊んでいる連中だ。目の前に現れたら伸してやるだなんて威勢だけは良いけれど、実際はどうだか。
城主からも別口で依頼を受けていたから、依頼料二重取りだけれども、別に連中に明かす必要はない。
せいぜい教会の金で飲んでいればいいさ。]
[酒場の入り口で風に当たっていると、女の子が走ってきた。
興奮して頬を上気させて、あいつが来たよと教えてくれる。
―― ビンゴだ。
女の子に小金を握らせ、案内を頼んで走っていく。
途中から、ぽつりぽつりと道に花が落ちていた。
目印のつもりだろうか。
あれも買い取りになるのかなとか、いらない思考が過ぎっていく。
仕方ない。必要経費だ。
案内してくれた女の子を帰し、小さなボウガンを手にしてさらに駆ける。
角を曲がったところで、それを見つけた。]
[花売りの女の子と一緒にいるやつは、間違いない。今回の獲物だ。
女の子たちには、合図が聞こえたら全力で離れて、と伝えてある。
ちゃんと覚えてるといいけど。
合図の口笛を高く吹き鳴らし、ボウガンを放つ。
矢弾はもちろん、聖別してもらった特別製だ。*]
― 回想・宴の発端 ―
近道だから、こっち通ろう。
[ そう言って、細い路地に誘う。
花売りの娘はちょっと警戒したようだから、先に立って、危ないことなんてないんだよという素振りをしてみせる。
こういうとき、身嗜みの良さと甘いルックスは効果的だ。
粗野な振る舞いなんて、しなそうに見えるでしょう。
実際、手荒にすることはないのだし。
暗くて狭いところでちょっとドキドキしてもらって、親密さを高めて、
女の子の方から「ちょっとだけならいいかな」って思わせるのが僕の手管。]
[ だけど、この時は邪魔が入った。
犬を呼ぶような鋭い口笛が聞こえたかと思うと、花売り娘は身を翻して逃げた。
建物の陰から突き出されたボウガンのシルエットを認める。>>33
もう男がついてた? にしても物騒すぎだ。]
[ 打つ気だ、と察した瞬間に路地の奥へ高く跳躍する。
我ながら良い反応だったと思うけど、飛来したボルトがマントの端を積まれていた木箱に縫いとめた。
その煌きの感じからして、何か施されている。
相手はプロだ。]
なんのつもり、君。
[ こんなの初めてだよ。タルボシュでは狩りをしても安全なはずなのに。
わけがかわらない。*]
9人目、市民 ダルメシアン が参加しました。
市民 ダルメシアンは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
― 教会:大聖堂 ―
いやあ、冗談でしょう
哨戒なんて、あんなのと出くわしたってどうしろって話
[ふうふぅ、と息を吐いて、背負ったお兄さんをゆすり上げる。
あたりは随分な騒ぎだった。礼拝の時とは大違い。
人々の間に立ち、凛々しく指示を飛ばす聖職者らしき人>>18の檄には、大したタマだと感心はする]
やあ、生きてるかい
教会についた。誰かに手当てしてもらおうなぁ
[背負った怪我人は、知り合いでもないがお互いこの町の人間だ、顔と名前くらいは知っている奴。
コウモリだか化け物だか知らないが足の肉を食いちぎられて動けなくなってたもんで、とりあえず一緒に逃げてきた]
まさかこんな、なあ。驚いたもんだ
魔物ってのはおっかないなぁ
吸血鬼?なんて俺には関係ないもんだと思ってたんだが
[ダルメシアンはもう45を越えた。
腹は出てないけど丸顔で丸眼鏡で、背だけは随分高いけど酒場でもどこでもモテた覚えもない。
政治も女神様もわからんし、笛を吹いたり農具を直したり暢気に暮らしてきた。人一倍邪悪に敏感──なんてこともなく]
どれ、哨戒は嫌だけど、避難の手伝いくらいはしような
町から出られないってのは本当の話かね
[怪我人を奥に置いてきて。
誰かが杖にでも使ったのか、太めの棒切れがあったのでそれを拾い上げた]
なあ
試練もいいけど、ここはもう定員オーバーになりそうだし、一ヶ所にみんな集めるのも逆に危なくねぇかい
[気の毒にも死にそうなほど怯えてる人らには聞こえないように、声を抑えてその場の指揮官めいたシスターに聞いてみた。
城はもうダメだって話、だし**]
― 宴の前 ―
[ ローレル姫を護衛しながら廊下を移動する最中、後ろで侍女らの悲鳴が上がった。
コウモリが追ってきたらしい。
暖炉の煙突あたりから入り込んだものだろう。
ほぼ同時に、前を走る近衛兵からも警戒の声が発せられる。
「薔薇が進路を塞いで…」
禍々しい真紅の花の前に、屈強な兵らが膝を折るのを見て、シェットラントはとっさにハンカチで姫の口を覆う。
毒花の可能性が高かった。]
失礼いたします。
[ そのまま、姫を抱えて手近な部屋へ飛び込んだ。
まだ動ける近衛兵が扉を封じて、守ってくれる。
あっという間に、姫と二人きりになってしまった。]
城の裏手へ周り、馬を見つけて、突破しましょう。
[ 簡潔に計画を伝えれば、姫は不安げながらも頷いて、自分の足で歩いてくれる。
シェットラントは常に背中に負っている小型のヒーターシールドを左手に装備して、姫を囲い込むようにして進んだ。
いくつかある隠し扉から外へ出て、詰所へ向かう。
そこも混乱を極めたとみえる。
乗り捨てられていた騎手のいない馬を捕まえ、姫を前鞍に乗せた。]
参ります。
しばしのご辛抱を。
[ そうして二人、めくるめく宵闇へと馬腹を蹴った。*]
― 回想・宴の発端 ―
[太矢は獲物を捉え損ね、マントを射貫く。
花売りの女の子はちゃんと逃げてくれて助かった。
うっかり誤射すると後が怖い。]
吸血鬼狩り。
[文句ありげな獲物の疑問にちゃんと答えてあげたんだから、おれ優しい。
文句言いたくなる気持ちもわかるけどね。
獲物の文句は聞いても仕方ないし。]
[ボウガンを片手で変形させる。
二本の矢を同時に放てる特別製。
装填した矢も特製だ。
二本の矢を銀の鎖で繋いだもの。
捕縛する時には便利な代物だ。
相手が逃げないうちにと、ボウガンを再び構える。*]
― タルボシュ城陥落後 ―
[山をふたつ、飛び越えるのには翼を使った。
けれど残りの道程は、ゆるりと地を駆る馬車によって]
もう近いかしら
広い街道を使うべきだったかな?アズリウ
[タルボシュ領も山岳地帯。その道を進むには些か華奢な造りの二頭立ての馬車からミリアムは顔を覗かせた。
うなじまでの長さの金髪は結い上げもせず自然に遊ぶまま。薄化粧の唇に指をあてがい、車窓を眺める。
ドレスばかりは、腰まで細やかなレース意匠の背面や袖の金刺繍が美しい。
そのドレスの布地も、車を引く馬の毛色も、宵闇にほどける漆黒だった]
[鴉羽色が、この眸には艶やかに深い青藍に映るのだと言ったとして、人間達の誰が共感するだろう]
― 回想・宴の発端 ― >>43
き、吸血鬼?
そんなのいるわけないじゃん!
[ 無害な人間を装って言ってみる。]
ちょっと! 君は、ぼくが袖にした女の子の弟かなんかかい。
どうしてぼくが吸血鬼だなんて決めつけるんだよ。
見て! この目!
[ 話しかけながら術へ誘導する。
吸血鬼の眼差しには、相手の体を操る力だってあるのだ。
ひとまず、物騒なボウガンを撮り落とせと念じてみる。*]
10人目、騎士 メルヒオル が参加しました。
騎士 メルヒオルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 教会:大聖堂 ―
そうですね、今はここに人が集まっているからこうしていますが……
このままではいけないことは、私にも分かります。
[市民の声>>40に頷く。この教会のキャパシティだって無限ではない。このまま市民が押し寄せ続ければいつか限界を迎えるのは明白だった]
(とはいえ、どうすべきか)
[市民達の声を聞くと、街の外へ出るための道はコウモリに封鎖されていたらしい。となると街の中で安全な場所を確保しなければならないが――これだけの市民を一度に収容できる施設に心当たりは無い。侍者達に聞いてみたが、ここより大きな建物は城しかないようだ。その城は、既に陥落している]
……他に避難所に出来る建物がないか、確認する必要がありそうですね。
[現状、こちらから打って出ることはできない。聖別された武器もほとんど狩人が持っていってしまったし、聖水も形だけでない聖別がなされているものは数が限られている。今ここに吸血鬼がやってきたら、自分が矢面に立たねばならない状況で、自分がここを離れるわけにはいかないからだ。さらに、侍者達も哨戒が精一杯で、捜索に出る余裕は無い。ならば――]
(狩人達の到着を待つことにしましょう。流石にこの状況なら、サボるわけにはいかないはず)
[先ほど侍者に数少ない聖水を持たせ、彼らを迎えに行かせた。彼らを呼び戻せば取りうる手も増えるはず。そう思っていたが――]
[二十年前、逗留先で貴族の妻が吸血鬼に襲われた。
召使達に発見された時、彼女の着衣は血と泥に汚れ、ろくに言葉も話せない状態だったという。
彼の夫は彼女を溺愛するが故に離縁する事はなかったが、その後に身籠った子を産む事を拒んだ。
何が遭ったのかは彼女も覚えていないが、怖れたのだろう。
腹の子が不義の証なのではないのか、と。
青年が無事に生を享ける事が出来たのは、神より授かった命を安易に捨ててはいけないと教会の人々に説得されたからだった。
その後も彼女は息子に幾度も尋ねた。
お前は本当に人間か、と。
教会で正式に洗礼も受けた。
銀や日光で肌が焼かれる事もない。
その事実があっても尚。]
……なんですって? 狩人達がいない?
[解散はした、というがその後酒場で騒いでいたらしい、という話は聞いていた。だが現状、彼らの姿は見えないらしい。市民達には見えないよう話を進める]
(自ら遊撃に出るほどやる気に溢れているようには思えない――ならば)
[考えられる可能性は二つだ。自らの責務を放り出して逃げたか、あるいは吸血鬼の恨みを買って先に狩られたか――]
……大丈夫です。私達は、私達で出来ることをしましょう。
[自分達が不安がっていては市民に不安が伝わってしまう。侍者達を落ち着けて――どうにか騎士達が追いつくまで、もたせなくてはならなかった*]
……えぇ、母上。
貴女の息子は人間ですとも。
決してダンピールなどではありません。
私の存在が貴女の潔白を証明しましょう。
[青年はその度に応えた。
母親は息子に求める。
吸血鬼の苦手とする銀の装飾品を身に付けるよう。
首筋を見せぬよう。]
…吸血鬼どもの好きにさせるものか。
[黒で覆われた空を見上げ、青年は歯噛みする。
城内は制圧されたらしい。
仲間達がどうなっているかは分からないが、>>7姫君には優秀な近衛騎士隊長が付いている筈だ。
青年の主は吸血鬼の狩りに関して寛容であった。
それについては不満だったが、騎士が物申したところでその方針が変わる筈もない。
故に、魔物狩人を雇い、若い吸血鬼を捕縛したと聞いた時には喜びを隠せなかった。
彼等がいる所為で、母親は病んでしまったのだ。
当然、処刑すべきだと思ったし、それを一目見てやろうと広場の警備をしていた。
──結局、処刑は叶わず。
その身柄も吸血鬼公に奪い返されてしまったわけだが。]
民が集まっている大聖堂の方は大丈夫なのか?
城が落とされていなければ…。
おい、そこの商人。
血の臭いをさせたまま動くのは危険だ。
こちらへ。
[怪我をした民を見咎めると、人が右往左往する大通りを避けて脇道に連れていき、部下に持たせていた布で覆った。
血止めも兼ねてきつく結ばせると大聖堂まで誘導させる。*]
― 回想・宴の発端 ― >>46
[白々しいなあ、と吸血鬼の言葉を聞きながら、ボウガンの留め金を立てて矢の装填を完了する。
吸血鬼狩りで一番やっちゃあいけないのは、相手の言葉に耳を貸すことだ。
彼らは頭が良い。誘惑の術にも長けている。
人間にはない能力もあって、身体能力も高い。
気を抜けば、狩られるのはこちらなのだ。]
白々しいな。
婦女子への吸血行為が、わかっているだけで8件。
本当はもっとだろ。
やり過ぎたんだよ。多分。
[誘いを無視して狙いをつけ、矢を放つ。
気をつけていたけれど、若干術の効果に掠ったらしい。
放つ瞬間に、ボウガンの狙いが微妙にずれた。*]
怪我人なんかはここに来てもらうしかないが
そうだねぇ、街には足腰弱い爺さまがたもいるし、自分ちに籠もって戸締りする方がまだしも安全かね
[皆殺しだとか街を丸ごと焼く、なんて話にならなければ、だけど。
吸血鬼だっておっさんや婆さんには用がないのじゃないか。たぶん]
/*
文官とかか弱い方が良かったかな?
あわよくばバトル、とは思ってるけど吸血鬼さん次第だなぁ。ちゅーちゅーしていいのよ。
他の方が動きにくくならない程度に頑張ろう。
(教会を守ったら、聖女様動きにくくなるだろうなぁとは思ってる)
教会だけじゃ足りないですよねぇ。
城はもう駄目として、公共施設みたいなのってどれくらいのものならあるんだろう。
11人目、檳榔卿 ギィ が参加しました。
檳榔卿 ギィは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
― 宴の前 ―
[絢爛公の名に違わぬ豪華な屋敷が、俄に慌ただしくなる。
公が出陣なさる。御仔を取り戻しに征かれる。
さざめきだけで事態を察した客分は、使いが来る前に立ち上がっていた。]
私も行こう。
歓待の恩を返すときのようだ。
[動きに伴う衣擦れの音も涼やかに、窓辺に歩み寄る。
音だけで上質さを感じさせる衣服は、細やかな銀の縁取りを除いては、どこまでも深く濃い黒。ただし、灯火を受ければ細やかな織りの文様が浮かび上がる。
漆黒の衣に、艶やかな髪の赤がよく映えた。]
/*
メルヒオルの変顔まじまじと見たの初めてだ。かわいい。
おうちで扉を固く閉ざさせたら入って来られない?
惑わせて開けさせる、とかもいけると思う。
― 回想・宴の発端 ― >>56
[ 投げかけた言葉に律儀に応えながらも、相手は次矢を装填する手を止めない。
対吸血鬼の訓練も受けているとみえ、視線を深く合わせてくることもない。
気配から狙いをつけて放ったのだろうボウガンの矢は、ウェルシュの腕と木箱とに命中した。]
ギャッ!
[ これ回復の魔力が効かないやつだ。
とても痛かったので、精一杯の悲鳴をあげた。]
追い剥ぎだーーーっ!
助けて、殺されるー!
[ これで男に連携している仲間がいるかわかるはず。*]
[窓より飛び立ち、コウモリたちが造る影の下を行く。
これほど大規模で、苛烈で、華麗な襲撃もなかなか無い。
高揚のままに空を滑り、宙返りし、大気の中を駆け下り駆け上がった。
檳榔卿、とは自身で名乗っている称号である。
さらに問われればギィと名乗りもしたが、それも真名かは怪しいものだ。
どこからともなくふらりと現れた吸血鬼を客として受け入れた絢爛公は、ある意味豪胆と言っていい。
称号の由来は奇矯な振る舞いにあるとも、胡乱な出自にあるとも噂されるが、まことしやかに囁かれているのが、その血を口に含めば檳榔のように酩酊と高揚を得られるから、という説だった。]
[上空を飛んで馬を追い、外套の端を伸ばして極小の闇の帳を降ろす。
突然視界を塞がれて馬は驚くだろう。
それを、あの騎士は御してみせるだろうか。
嬉々として、己と彼らを周囲から切り取った。*]
/*
シェットさんが攫われるー。
私以外、皆2IDだったりします?
CO欄が埋まってないのかなぁ。
(正直、タイミング的に自分=メルなのばればれだったので後からキャラ欄記入が増えてほっとしたなど)
よーし、戦うのは無理でもまだ動けるぞって奴はいるかね
俺と一緒に怪我人が取り残されてないか、いい隠れ場所がないかちょっとみて来ようかい
[パン屋の倅と、仕立て屋のおじさんと目があった。
お互い、ヤバいのに出くわしたら全速力で逃げような、と。
だってそういうのは騎士やらの仕事だって話]
[教会の聖堂を出れば、外はやっぱり暗かった。
蝙蝠がわんさと飛んできたのはまだ昼だったはずだけど、空を覆われたあれから、どれだけ経ったもんだかもよくわからない]
いやあ、虫でもなんでも、いっぱいいるとそれだけでおっかないもんだ
しかも襲ってくるなんてな
……はぁぁ怖い
[棒切れを握って、大通りの一本脇道を選んで歩き出した*]
危ないから下がっていて。
[女の子たちに釘を刺しておく。
ここで邪魔をされたらかなわない。]
大人しくしていないと、次は心臓を撃ち抜くよ。
[次の矢を装填して、狙いをつけながら慎重に近づいていく。*]
― 城のテラス ―
[城内の掌握も一段落したようだ。
地平線の彼方からは、折しも血のように赤い満月が顔を出している。
眷属のものらは、街へと向かって宴の飾り付けに励んでいるだろう。]
領主よ。
あなた方がなぜ急に私の仔を傷つけたのか、
―――とは問いませんが。
どうなるか、は考えるべきでしたね。
[黄金の鳥籠の中で、領主夫妻は抱き合って震えている。
ソファも一緒に入れて差し上げたのだから、感謝していただきたいものだ。]
[それ以上は領主に注意を向けず、街の様子を眺めている。
遙か遠くまでを見透かす目が、そのときひとつの馬車を見いだした。>>45]
あれは白磁の淑女が乗る馬車ですね。
門を開けなさい。
盛大にお迎えしなくては。
[公の意ひとつで、コウモリでできた城門が大きく開く。
人間たちは通さないままに馬車を迎え入れれば、同じコウモリたちが公の姿をかたどって、中空で一礼してみせるだろう。*]
― 宴の前 ―
[ コウモリの群れが真っ先に城へ突入したせいか、城の周辺に住民の姿はなかった。
家に帰るか、教会に縋るか、街を捨てたかしたのだろう。
路上には慌てふためいて逃げた痕跡がそこかしこに残っている。
その中を、巧みに馬を操って障害物を躱しながら駆ける。
一度、振り返ってみた城は、高みに翻っていた旗の色を違えていた。
魔の手に落ちたのだと思う。
シェットラントは唇を噛んだだけで、姫には見たもの告げずに先を急いだ。
城主の命令を待たずして、独断で動いてはいたが、躊躇いはない。
姫をこの災厄から無事に逃すこと、それが近衛騎士の使命だ。]
[ と、不意に周囲の闇が濃くなる。>>63]
──ッ!
[ 驚いた馬が竿立ちになる。
片手に姫を、片手で手綱を掴んで堪えた。]
[ 人間を外に出すまいと、結界めいたものが張られているのだろうか。
それにしても、こんな中途半端な路上でか。
と、思い巡らしたところで、上空を飛ぶ人影を認める。]
── 魔物、
[ 簡単には抜けさせてくれそうにないが、押し通る他ない。
いつでも剣を抜けるように、身構える。*]
騒々しいな。
[吐き捨てながら裏路地を抜けてゆく。
薄く引き伸ばされた記憶の中で僅かに覚えのある風景。古くからある城下町は長い年月を経ても姿を残したまま。]
、
[意識は僅かに向こう、逃げ惑う人々の声へと向けられている。
薄い色の瞳が黒い影として姿を変えつつある城の尖塔を捉えた。]
― タルボシュの街:封 ―
まあ…着いたのだね
大きな街だこと
[馬車はやがて、雲霞のように立つ夥しい魔種の壁の前。
羽音と高い鳴き声が音色を変え>>70黒馬が嘶いた。
蝙蝠の城門が描く優美なアーチをくぐったならばそこは、街ひとつをテーブルに飾り付けた宴の膳の中]
ご機嫌麗しゅう、絢爛公
[中空に象られた公の似姿>>70に、馬車の中からふわりと手を振った]
12人目、双子 アデル が参加しました。
双子 アデルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 宴の始まり・城塔のひとつにて ―
[死にゆく太陽の血に照り映えて、東の月は仄赤く輝く。
夜の女神が裳裾引いて中天に進み、街も宵闇に沈んでいく――時ならぬ喧騒に包まれながら。
悲鳴、怒声、母を探す子の泣き声に、救いを求める祈りの声。
それら一切合切を見下ろす城塔の一つに、月を背に立つ人影が二つ。
そっくり同じ二つの顔、同じ意匠の美々しい戦装束。異なるのは片方は
鳴き交わす蝙蝠たちをまとわりつかせ、冴え冴えとした眼で人間どもの営みを睥睨してはばからない。]
――エディ。
[馬車は中央通りを、迷わず城へ向かい進む。
蹄が石畳を叩く音は軽やかで、街を覆う異様な空気など、流し目一つほども意に介さず]
折角のご招待故、フルコースで楽しみたいけれど
良い子はいるかしら
私、前菜にはうんと若い雛が好い
[そう口にはしながらも、窓から晩餐を物色はせず、招待主のある城へ真っ直ぐに視線を向け*]
― 回想・宴の発端 ― >>66
[ 狩人に助勢しようという者は出てこなかった。
こいつは単独行動の特攻野郎だ。
が、叫び声を聞きつけて間に入ってくれる者もまたなかった。
薄情な街だ。
心臓を射抜くとか物騒なことを言っている狩人に首を振る。]
やだ、そんな風に脅してくるやつは信用ならない。
何があっても、ぼくを殺す気なんだ。
あー、痛いっ…
[ 一生懸命、人間のふりを続けてみる。
罪悪感とか感じないのか、こいつ。
あと一歩、踏み込んできたら限界だ。
箱に繋がれている左腕を切り捨てて、煙幕を張り、後ろの闇に飛んで逃げようと思う。*]
/*
現在、こんな感じ?
アレクシス 血 宴の主催者。吸血鬼公
ウェルシュ 血 捕まった若い吸血鬼
ギィ 血 吸血鬼(ペア)
シェットラント 人 騎士(ペア)
アデル 血 双子の吸血鬼
エディ 血 双子の吸血鬼
シルキー 人? 人間側。ダンピールか人間で迷い中。
ナネッテ 人 教会の聖女
メルヒオル 人 騎士
レト 人 吸血鬼狩人
ミリアム 血 ご近所の吸血鬼
ダルメシアン 人 市民
フリー枠で考えると吸血鬼さんの方がやっぱり足りない感じかな。これから吸血鬼化するとか考えるとそうでもないか。
何をってそりゃ。
お前さん怪我はないかい
この街も今日は随分と治安が悪いじゃないか…
[はぁ、とため息ついて、握った棒切れを見下ろした]
どっかにまだ怪我した人やら、逃げたいのに動けない人はいねぇかって話
俺たち、逃げ脚には自信あるもんでなぁ?
落ちたか。
[呟きながら方々へと視線を向ける。
知らぬ間にむずりと動く歯を噛みしめて鳴らした。]
集まってるな。
[まだ用事も済ませていない、と不機嫌そうに呟きながら暗闇へと消える。]
[距離が詰まるにつれて緊張感も高まる。
相手は吸血鬼だ。何を仕掛けてきてもおかしくない。
だから遠くから問答無用で射まくって仕留める方が楽なんだけれど、今回の依頼が捕獲なんだから仕方ない。
十分に距離を詰めたところで、袖口に仕込んでおいたダーツを手の中に滑らせ、投げた。
刺さればたっぷりと麻痺毒を注入する、これも特別製だ。*]
13人目、双子 エディ が参加しました。
双子 エディは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[絢爛公の招集に応じ、馳せ参じた吸血鬼の公達。
直属の血族ではないものの、縁は近く、大貴族へ保護と引き換えに代々奉仕を行ってきた。
公が血子を取り戻すと聞き及び、此度も率先して城攻めに加わったのだ。
不意に風切り音がし、蝙蝠たちが三々五々に散る。
気概がある者がまだ残っていたのか、もう大勢は決したのに、二人目がけ矢を射かけてきた者がいたのだ。
到底当たるものではないが……身じろぎもせず見下ろしたは、流石に人ごとき恐るるに足らずと看做しているから。
矢筒もないのに弓を構えれば、指の間より滲みでるように血色の矢が生じ、弓弦につがえられた。
ギリギリと満月のごとく弓引き絞り――びょうと風切って放てば、眼下に鮮血の花が咲いた。
何も言い交すことなく、そっくり同じ顔の片割れに一つ頷き、]
そうだな、公にご報告せねば。
― 御前 ―
──アレクシス!
[綻ぶように笑みを咲かせ、吸血鬼公の前でドレスの裾を持ち上げた。
しなやかに膝を折り、その次にはくるりと踵で円を描く]
良い夜だね
今宵も貴公の美しくあること
[ふふ、と口元に指を添えてささめくように笑う。
城のテラスからは街の様子も赤い満月もよく望めるようだった]
― 宴の前 ―
[ 上空にいた魔物がおりてくる。>>81
漆黒の衣に真紅の髪の美丈夫だ。
その所作も王侯貴族さながら。
おもわず視線が吸い寄せられる。]
──…、
[ 名を問われ、シェットラントは姫を軽く引き寄せて警戒を示した。
できることなら可憐な姫の有様を魔物に触れさせたくない。]
[ようやく市民達も落ち着きを取り戻してきたのか、家族が身を寄せ合って大人しく座るようになった。
侍者達が彼らに一言ずつ声をかけていき、自分の姿を確かめて落ち着く。その流れで、市民の混乱は収まりつつあった]
(これで、騎士達が来るまでどうにかなるかしら)
[騎士も全て倒され、たどり着けないかもしれない。しかし今そんな恐ろしい想像はしたくなかった。長杖を持って虚勢を張るにも限度がある。しかもこの長杖自体は聖別もなされていないただの杖だ。いざとなれば隠された銀の短剣が頼みの綱なのだ]
(どうか、襲撃が来ません様に――)
[そんな風に祈る。その祈りは通じるか*]
わたしは
[ 魔物に名を教えるのは危険であろう。
ただ、先に示された礼を無視することはしなかった。
相手同様に肩書きを告げる。]
そこを退き、我々を通していただきたい。
[ 硬い口調で意志を伝える。*]
お土産に今回は、水瓶を持って来たのだけれど
気に入っていただけるかしら
[掌を上向けると、バサリ、羽音と共に空間を鴉翼が叩き、
白磁の瓶──水鏡を覗き込む水仙のように白く、極めて薄く焼かれてなお硬質な磁器を差し出した。
ころころと喉を鳴らす]
無地だから、華やかな貴公には退屈やも知れぬけれどね
口までを血の甘露で満たせば、薄紅に透けて模様が浮きでるように細工したの
ちょうど──
[ふわりと振り返り、黄金の鳥籠を見つめた]
満たすに良い血はあろうか
[己の城館に逗留している赤い髪の吸血鬼については、よく知らなかった。
けれども、そんな流れ者も館には多い。
行きずりのものも大いにもてなすのが、流儀だ。
彼にまつわる魅惑的な噂は耳にしていたけれども、試そうとは思わない。
霊妙なる恍惚は火の神髄に触れたとき、自ずから沸き上がるもの。薬やそれに類するものを介して得るものではないと考える。
だが彼自身を一個の美術品として考えるならば、それに陶酔するのもまた正しいことだろうか。]
ふふ
[やんわりと優しい笑みを浮かべた]
ねえ、それで
──此度の貴公の仔はどちらにおられるのかしら?
おいたをした狩人はもう裂いてしまったの?
お会いしてみたいこと
[狩人達の一人でも、まだ城下に野放しにあろうと知れば、耀くように双眸を瞬かせるだろう*]
──朝まで。
朝まで持たせる事が出来れば、奴らは去るだろう。
吸血鬼は陽の光に弱いそうだからな。
[かつて、母親が見つかったのも陽の光の下だった。
とまでは言わないが。*]
― 回想・宴の発端 ― >>85
[ 人間のふりが全然効果ない。
吸血鬼を見分ける嗅覚でも持っているのかこいつ。
だが、生け捕り目的というのは聞き出せた。
生け捕りにされるのが嬉しいわけではないが、きっとつけいる隙はある。]
ぼくは(吸血鬼の)道に外れたことしてないのに。
こんなことして後悔するよ。
[ 捨てセリフを吐いて、自分の腕を切り落とす。
後で再生させれば元どおりになるから惜くはない。
滴る血を操って、狩人に仕掛け、逃げる時間を稼ぐ──つもりでいたが、同時に暗器で攻撃された。]
チッ…!
[ その時は、毒が仕込んであるなんて気づかなかったんだ。
自らの血から生成したロープを路地の奥の高いところへ引っ掛けて、巻き上げる。
そうして一気に距離を稼ぐはずだったんだけど。
なんか、気持ちが悪くなって──落ちた。**]
― 教会前 ―
[人の流れを追い、出た先でゆっくりと足を止める。
いつの日にか見た教会は、長い年月をかけ背が伸びてもなお荘厳に映る。]
父さん、
[懐に抱くそれの存在を感じながら、広場から街を見渡した。]
あなたの護りたかった街だ。
― テラスにて ―
[優美な馬車を翼ある眷属に先導させ、道を開かせる。
訪れた麗しき貴婦人に、こちらも腰を折って応えた。>>88]
ご機嫌麗しゅう、ミリアム嬢。
あなたの美しさに、この無骨な城も華やぐようです。
[彼女が作り出す陶磁器ほどに白い繊手を求め、許されれば指の背に唇のひとつも落とそう。
宙から取り出された白磁>>92は、赤い満月の光を受けて、ほんのりと淡く染まっている。]
貴方のお好みは、あのようなものではないでしょう。
佳いものを取ってありますよ。
是非。
[震え上がった鳥籠の住人には目もくれず、手を二度打つ。
眷属に連れられてきたのは、まだ声変わり前の侍童だった。]
あの仔は今は書斎でしょう。
まだ気が乱れているようなので、好きにさせています。
……狩人の方は、どこでどうしているやら。
見かけたら、可愛がってあげたいものです。
[笑み浮かべ、侍童を呼び寄せて魔女の前に立たせる。]
貴方の案内は彼にさせましょう。
必要なければ、お望みのままに。
[よくお仕えしなさい、と少年に囁いてその背を押しやった。*]
いやあ、ピンピンしてる
[でもパン屋の倅はだいぶしんどそうだ。単純に、度を超えた緊張と恐怖ってやつに]
勿論、何かあったら全力で自分達だけ逃げるさ
俺らのことは心配ない。戦う力のあるお前さんの方が、かえって危ないってもんさ
ありがとうなぁ
[青年の頭をぽすぽすと撫でた。
だいたい息子と同じくらいの歳だったはずだ]
うーん、朝まで
ずいぶん長い、けど……そいつぁ希望だなあ
[はあ、と暗い空を見上げた]
なあ、吸血鬼が太陽さんに弱いって話が本当なら、あれもじゃないかね
あいつら招かれてない家には入れない、とか
[それが事実なら、それこそ自宅で閂かけとけばいいって話。
とはいえ、ダルメシアンもあの火球は見た。
火事も怖い]
そう。そういや騎士様や
教会がなあ、避難所になってるけど戦える奴が少なくてさ
関係者が頑張ってるけど、あすこが襲われたらまずそうな感じだったがね
[メルヒオル以外の騎士はここまで見ていない。
大方、城にいただろうしどうなったやら]
[母の記憶は無い。
自分を出産する直前に吸血鬼に噛まれ、そのまま死んだ。
騎士だった父は、自分を人間から護るためにこの街を出た。]
―――…
[剣の柄に腕を凭れながら、女は教会を見上げている。**]
悪いけど教会の方にもし行くんなら、こいつを護ってってくれないかね、メルヒオルさん
[今にも吐きそうなくらい顔色が悪いパン屋の倅をつついた。
連れ出して悪かった、みたいだ。今蝙蝠か幽霊の一匹にも出くわしたら、そのまま腰を抜かしそうなのに踏ん張ってる。
仕立て屋のおっさんはまだ大丈夫そうだけど。俺たちはなんの訓練も受けてない一般市民で、蛮勇なんて褒められたもんじゃない]
…明日、うまい朝食を奢るからなあ
[パン屋の焼くパンよりうまいパンがあるだろうか、いやないけども**]
― 回想・宴の発端 ― >>99
[獲物を嗅ぎ分ける嗅覚は無いわけじゃあないけれど、基本は地道な調査なんだよ、とテレパシーでも使えたら応えていただろう。
普通の狩人と同じで、狩りの成功は準備が9割だ。
吸血鬼になった時点で道を踏み外してんだよと心の中で答えながら投げたダーツは、的を違えることなく相手に刺さる。
自分で左腕を切り落とすなんて大胆さに焦ってボウガンを構え直したけれど、逃げようとする相手の動きがたちまち鈍り、落ちてきた。]
動けないよね。
そのまま大人しくしててよ。
[血を操る技まで使える相手だ。
なお用心して、落ちた相手の両脇を狙って鎖付きの矢を放つ。
そこまでしたらようやく最終段階だ。
聖典をびっしり書き綴った布の袋に詰め込んでしまえば、霧になったって逃げられない…との売り文句だった、**]
― 宴の前 ― >>106
[ 名乗りを受けた魔物が妙に嬉しそうなのを見て、さらに隔意を覚える。
魔物が導き出した指示の唐突さは論外だ。]
すでに主人を持つ身だ。
[ この話題はこれで打ち切りだと声に込める。
空を飛ぶような魔物相手にどう切り抜けるか、それだけを考えている。**]
まあ、可哀想な雛
[かわいそう、とかわいらしい、の区別は曖昧。
連れられて来た侍童>>102に目を細めた]
お仔は?そう、繊細でいらっしゃるのだね。可愛らしいこと
[煌と眸を瞬かせ。
自らに侍るべく歩み寄る侍童に手を差し伸べた。
今しがた、絢爛公と指を交わしたように接吻を許し]
あらあら、雛が案内してくださるの?
[手を繋ぎ、くるると喉を鳴らした]
アレクシス、
貴公の興にも添えばと希っているけれど
およそ楽しんだなら、貴方自身とも遊びたいわ
逢わない時がながければ、想いは降り積むばかりだもの
雛ちゃん
まずは そうだね
この晩餐で人間が一番たくさん集まっているところへ
連れて行っておくれでないかしら?
[愛らしい侍童に微笑んだ。
すんなりと細く若木のように瑞々しい子。
手を繋ぎあって、ドレスの裳裾を引いた**]
― 回想・宴の発端 ― >>110
[ 毒を使うなんて卑怯な!
こんな薄汚れた路地裏に、高貴なる夜の魔が倒れ伏すなんて!
とりとめなく焦る。
用心深い足音が近づいてきて、やっぱりどこか律儀な声が降ってきた。
動けないよねと確認されて、逆に、動けるかも、と期待する。
用心深い狩人はウェルシュを拘束するように鎖付きの矢を射ってきた。
触れるだけで灼けるような聖金属。]
──ううぅ
[ 弱々しく呻いて、彼が手を伸ばしてくるのを待った。
せめて一噛みしてやりたい。
その血の一滴でも欲しい。決して忘れないから。**]
― 回想・宴の発端 ―
[落ちた吸血鬼は弱々しく呻くだけで、もう動けないようだ。
上手くいった、と、心のどこかに油断があったのかもしれない。
この瞬間が一番危ないのに。]
――― ッ、
[頭から袋を被せる時、不意に吸血鬼が牙を剥いた。
右手の小指の下あたりが、牙の先端に掛かって裂ける。
深くはない。だが血が滴るほどの傷だ。]
[舌打ちして傷を押さえ、手早く止血する。
相手を蹴り転がして銀の鎖で縛り直し、改めて袋の中に詰め込んだ。
袋の口を縛ってその辺に転がしておく。
預かっていた鳩に仕事完了の知らせと引き取りの要請を持たせて飛ばせば、鳩は城へと去って行った。
花売り娘に約束の報酬を渡し、物見高い他の連中を愛想良く追い散らし、物々しくやってきた城の兵士たちに袋詰め吸血鬼を引き渡せば、今回の仕事はおしまい。
もらった報奨金を懐に入れ、酒場で軽く引っかけるかと歩き出す。
仕事の疲れはアルコールでないと流せない。]
入り口から入ってくる律儀な吸血鬼である事を祈ろう。
[一通り聖堂内に視線を巡らせ怠そうな声を吐く。
窓など予想外の場所から侵入があればこの人数の住民達がどうなるか、想像に難くない。]
この教会、地下墓地は無いのか?
[聖女が外部の人間だとも知らず問いかけた。*]
― テラスにて ―
[城で働く幸運な侍童は、不幸にも吸血鬼の手の中へ。
だが、なぜそれが不幸だと言えるだろう?
それ自体が繊細な美術品たる魔女の手に、唇にて触れる栄誉に浴したのだ。望外のことと悦ぶがいい。
手を繋ぐ彼女らの、一幅の絵のごとき美しさよ。>>112
少年らの中から取り置いた己の審美眼に満足して頷く。]
では存分に宴を楽しまれますよう。
―――ああ…
貴方の振る舞いは常に私に霊感をもたらすものです。
麗しき
お待ちしておりますとも。
私にも、積もる話も募る想いもありますから。
[遊びへの誘いに是を返し、裳裾の奏でる涼やかな音に耳を傾けた。*]
― 双子のはなし ―
[面白い双子がいると囁いたのは誰だっただろう。
あるいは、双子が自ら売り込みにきたのだったか。
並び立つ双つの顔を目の当たりにしたとき、これぞと膝を打ったのだ。
分かちがたき一対。
渾然としてひとつでありながら、個々にも完成された美を持つもの。
以来暫く、館には一対で完成品となる美術品が増え続けた。]
[此度の騒動で、彼らには招待状ではなく召集状を送っている。
街ひとつ占拠するため、あらゆる戦力を結集した―――とは半ば口実で、こんなときこそ彼らの麗々しい戦装束を鑑賞したいという思惑もあった。*]
― 城下 ―
[あの角柱の彫像は誰方かしら、街の守護聖人?
おや…誰か花売りが路傍に籠を捨て置いてしまったようだよ
ご覧、食器の店だ。素朴な木彫りだけど──ああ、閉まっているのだね]
可哀想な雛
お前の名はなんと言うのかしら?
[鎧戸を固く閉ざして息潜める気配の大通り。
侍童と指を繋いで、街散策の歩調はアダジェット程度。
紗の幕がかかった双眸を覗き込めば、まだ幼年期の音色を保つ声がその名を囀る]
では、朽葉のペテルと呼ぼう
[柔らかな髪を指で撓め、産毛の光る頬を撫でた*]
― 教会前広場 ―
[大聖堂前。
くすんだ石畳の広場には人口の泉、整えられた花壇。外で食事をしたい客のためのテーブル席。
それでもまだ十分に広いスペースに、今は影が二つ。
夜の帳に封鎖された街にあって、吸血鬼の姿はそれ自体が鬼火のように明瞭な輪郭で在った]
…着いたね
人間がたくさん、ふふ、怯えているの?可愛らしい
[聖堂の扉は、締め切っていない。
神の宮は人を拒まないのだから。
広場に立つ影──金髪黒衣のミリアムと、寄り添うように侍る少年の姿は、望めば彼らの目にも窺い知れるもの。そして]
──耳のある者は聴け
[聖堂の中。
羽撃音と共に、声が降った。
窓からの侵入ではなく。
その宙の吊り照明の腕木に直接、大鴉が現れて留まる。
蝋燭の灯が揺れた]
[より集まる民を睥睨し、鴉の嘴が鳴る]
聴け、儚い者達
お前達の中から一人、選び出して私の前に捧げよ
神の宮から放逐するひとつの犠牲を以て
他の者達については今この時、見逃そう
最も弱い者、最も老いた者
最も醜い者、最も愚かな者
最も罪あるべき者──
誰を第一に殺すのか、お前達自身で選ぶ自由を与える
[話し終えた鴉はゆったりと黒羽を広げ、羽繕いの仕草**]
そうか。
主人というのがその子のことなら、
その子がいなくなれば私のものになるかな?
[良い考えだ、の顔で騎士の腕に収まる少女に目を向け、微笑んだ。*]
― 書斎 ―
[ 窓の外を炎が彩る。
闇を薄めるものだけれども、それは美しい。]
ああ…、
いかに彼等はその驚愕を絶叫するであろう。
余り恐れて声もなく
調子外れに
わめく計り。
騒々しく火事の慈悲を乞い、
聾してあれ狂う火事を諫めることも狂おしく。
[ 古詩を口ずさめば、夜の力がひたひたと包み込むのを感じる。]
[ 狩人から逃げようと、自ら切り捨てた腕も形は戻っている。
今少し頼りない心地はするけれど、それほど無茶をするつもりもないし。]
今夜は、好き放題、なんだよね。
[ 酷い目にあわされて人間が嫌になりかけているけど、それじゃあこの先、楽しくないのもわかっている。]
[ チロと唇を舐めて血の探査をすれば、昨日の狩人がまだ街にいるのはわかった。
忘れもしない。スパイシーな記憶。]
今度は、あいつが酷い目を見る番。
[ 追い詰めて報復するのだ。
だけど、ひとりはちょっと心許ない…。]
誰か、一緒に行ってくれないかな。
[ まずは大広間に行って、誰が来ているのか教えてもらおうと、ウェルシュは書斎を後にした。*]
14人目、少女 ゾフィヤ が参加しました。
少女 ゾフィヤは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[『それ』が起こったとき、私が居たのは図書館だった。
といっても何が起こったのか、完全には理解していなかったのだけど。
自分の住む街で吸血鬼が捕らえられたことは噂程度に知っていた。
街中の話題になっていたから聞こえたけど、興味がなかった。
今になって思えばもっとちゃんと聞いておくんだったと思う。]
[そんなわけで些細な非日常な街中の関心をさらっていたその日、私は何の変哲もない日常に身を置いていたわけだ。
だから些細な非日常が大いなる異常に転じたことにすぐには気付かなかった。
だって図書館だもの。
こそばゆく形容するなら外界から隔絶された無音の空間。
即座に察知できる人が居るなら狩人にでもなりなよ。
まあ、それでも少し騒がしかった時点で窓を見ろよと言われれば反論出来ないんだけど。]
[そして現状。
私と違って全うな危機管理能力を持っていた人達は、空が闇に覆われた時点で図書館を去っていった。
「吸血鬼だ」とか聞こえたし、教会にでも逃げたのかな。
うん、明らかにそれが賢明。
どうせ見つかった時点で終わりと、横着に走った愚か者は私だけで十分だ。
そういうわけで私は今、出口からも窓からも一番遠い棚の傍に座り込んで、たまたま陳列されていた吸血鬼の御伽話を読みながら現実逃避しているのだった。]
― 宴の前 ― >>129
[ 滑るがごとき動きにつられるように剣を抜いて擬した。
魔性の接近を拒みたかったのは事実だが、シェットラントとしては、剣を"抜かされた"という印象が強い。
抜き打ちが通用する相手かは別として、少しずつ肉薄してくる気味の悪さを感じている。
目の前の魔物が、捕まった吸血鬼の親なのだろうか。
それにしては、こちらに矛先が向く理由がわからなかったが、関心を持たれてしまった以上、簡単には立ち去ってくれそうにない。
けれど、紅髪の魔物の視線が姫に向いて物騒な言葉を口にすれば、シェットラントは静かに威圧を強めた。]
…この方が死ぬようなことがあれば、わたしも生きてはいない。
[ 一蓮托生というのとは違う、近衛としての覚悟だ。]
が、──この方を無事に逃しおおせた暁には、貴君と一勝負、付き合っても構わない。
[ 囁くように声を向けた。*]
ねえ、朽葉のペテル、
彼らはどうするかしら
[金髪──私の眸には燻んだ褐色に見える──を撫でると、侍童は短く囀った]
そう?ふふ、お前は賢いのだね
誰も聖堂から出て来ないのなら
あれの中に鍛冶の精霊を投げ込んで、大きな石窯にしてしまおう
ちょうど鐘楼が煙突になってくれそうだよ
[だって、この宴は街ひとつが舞台。
落城篇は観ていないけれど
……コロスが斯様に群れ隠れていては、姫役も騎士役も褪せてしまうもの]
ただ待つのも無聊だこと
ペテル、お前は円舞は踊れて?
[男童の薄い腰を抱き寄せ、片手だけを重ね合わせる。
いとけない曲線を描いた背を支え、踵を石畳に滑らせた]
[深く、クローズドチェンジ。
ナチュラルターン、クローズドチェンジ。
導かれてステップを奏でる少年の頬に淡い血色が宿る。
無音の三拍子
リバースターン、ホイスク。シャッセ、ナチュラルターン。
くるり、ゆるりと花畑を踏むように]
……ええ、残念ですが……騎士は未だ、こちらに辿り着いていません。
[旅人から声>>119をかけられれば、市民に聞こえないよう小声で話す。教会の騎士がもとよりいなかったことは敢えて口にしなかったが]
ええ、入り口以外の場所は今、侍者達が哨戒を行っています。侵入を察知すれば動きがあるはずです。
……全員が、一網打尽にされることがなければですが。
[複数人がまとめて倒されるようでは終わるが、正規の聖別がなされた聖水を一つは持たせている。たとえ叶わなくとも、連絡をする暇もなく倒されることはない――そう思って複数人で組ませていた]
地下墓地……私が見た感じでは地下施設があるような構造には見えませんでしたが。どうでしょう?
[地下があるか、と聞かれれば側に居る侍者に訊ねてみる。返答はやはり同じで、この教会に地下は無いとのこと]
すみません、この街のことは詳しくなくて。来たばかりですから……
[少し申し訳なさそうに返した、その時]
[羽音と共に蝋燭の明かりが揺れる。光を飲み込む漆黒の鴉が、灯りの熱をものともせず佇んでいた。そして、まるで人の言葉のようにそれ>>126>>127は紡がれた]
……皆さん、静粛に!
どうか落ち着いてください!
[落ち着き始めていた聖堂はその脅迫に天地を返したような喧騒に包まれた。悲鳴、怒号、絶叫――まさに阿鼻叫喚であった。その中に]
『うわぁぁぁっ!! もうダメだあ!! おしまいだあ!!』
!
いけません!
[パニックになり逃げ出しそうになった市民が居て。慌てて侍者と共に引き止める。だが滅茶苦茶に暴れ、目は泳ぎ、鼻息も荒く、とても落ち着いてはいなかった]
[舞の中。
いつの間に魂を啄み荒らされたのだか、彼は気づかないままかも知れない。
あるいは、弱く甘く、細く鳴いたから、恍惚の在処を識ったのか]
ああ……愛いこと
[幼い繭から醒めて、慄きながら翅を展げる蝶のよう。
首筋を血紅に染めた瑞々しい少年は、腕の中で廃頽へと羽化していく。
覚束なげにもつれる下肢を捌き、ふわりステップ。
優しく背を支えてひとつ、ふたつ。
雛がターンするごとに、血の雫が石畳に散って彩りを遺す。
くるり、ゆらゆら*]
/*
ちなみに前学んだけど2IDの人が入っている村、
「あいつとあいつをぶつけよう」みたいな動きかたすると、中身が同一人物で申し訳ない感じになったりするので気をつけなければならない
『離せよ!! 終わりなんだよお!! もう俺達助からないんだあ!!』
誘いに乗ってはいけません!
今飛び出したら――その瞬間に狙われます!
[叫ぶように怒鳴る青年を落ち着かせようとする。そう――今逃げ出せば、間違いなく吸血鬼は彼の背から襲い掛かるだろう。それが分かっていて行かせはしない]
『じゃあどうすればいいんだよお!! アンタらが行ってくれるのか!!
どうせ行かないだろう!! だが俺達は』
――わかりました。
[青年は呆気に取られた顔で叫んでいた言葉を止め。侍者達は絶句してこちらを振り向く。教会の長椅子に長杖を立てかけると、彼らを振り向くことなく入り口へと歩いていき]
――聞け、吸血鬼よ!
汝の求めに応じ、今この度我が身を捧ぐ!
なれば汝らは盟約を以て、彼らを見逃すと誓え!
[聖女様、と制止する声は後ろから聞こえてきた。だが今は振り返らない。それよりも――彼らを護る事の方が重要だったからだ*]
……
[無音の管楽が途切れる。
ふ、と脚を止めて手を離せば、体を重ねて踊っていた少年の躰がドレスの足下へ崩れ落ちた。
晒された白い喉は深く広く裂けて、溢れ出るものももう、枯れるところ。
既にほとんど息が残っていないと知れる。
聖堂から飛び来た鴉が愛らしい侍童の上を翼で覆い、そのまま影へ溶けるように消え去れば、残るのは広場一面に散った夥しい流血の残滓]
あらあら、まあ
自ら身を擲ってしまうの? うつくしいひと
[ミリアムは指をそっと口元に宛てがって、くるくると微笑った>>147]
他の子たちは、是としたかしら?
だめだよ、一夜の間を自分が生き延びるために他人を差し出すのだ、と
そう、きちんと理解させてあげなければ躾にならぬのだから
[胸の前で両手を合わせ、]
ええ……誓うとも
今この時、お前ひとつの犠牲によって
この教会の建物と人間には手を出さないと──
街から出ることは叶わないよ。
少なくとも明日、日が昇るまでは。
[漏れ聞いた計画の一端を明かす。
楽しいことを思いついたという顔で。]
街も城も、絢爛公と公の一族の狩り場となるだろうね。
人間が逃げる場所は、どこにもなくなる。
けれども、私なら匿えるとも。
おまえが私に従う限り、その子は守られる。
――― どうする?月桂樹の君。
[謳うように告げ、誘いの手を伸ばした。*]
……ならば良かった。
[>>104応じるダルメシアンはまだ余裕はありそうだが、若者の表情は強張っているように見えた。
夜の街──それも魔物が来襲している最中なのだからそれも仕方のない事か。]
そうして欲しい
……遅れを取った分、務めは果たす心算だ。
[いとし子を奪い返すどころか、他の吸血鬼らまで招待するとは青年も予想もしていなかった。
尋常ならざる力を持つ吸血鬼達を相手に、聖騎士でもない己達が何処まで出来るかは分からないが
朝まで少しでも多くの民を護ってみせようと。
また無意識に左手の拳に力を入れていたが、ダルメシアンに頭を撫でられて青年は薄花色の目を瞬いた。
──そのように触れられた記憶は滅多になかった故に。]
……長いが、終わりは来る。
[>>105希望、というのには頷きを返し。
まだ陽が昇っている空を眷属によって闇に染め上げられた。
まるで空が侵されていくかのような光景を思い出す。
あの闇は明けて朝が来る。そうすれば──
それは因縁はあるものの、本職程の知識を持っているわけではない男の願望でもあった。]
それも聞く話だな。
愛しい者に化けて扉を開けるように唆すかもしれないが。
それに家では火球は避けられまい。
[閂では侵入は阻めても、火球は拒めない。
頑丈な地下施設でもあればよいのだが、本来、一番頑丈である筈の城が敵の手に落ちてしまった。]
分かった。
[>>109彼の申し出に頷くと、つつかれた若者に視線を向ける。
ぎりぎりで精神が持っているように見える彼を一人で教会には行かせられない。
もう一人の仕立て屋の主人にも、無理はしないように、と告げて。]
……楽しみにしている。
とっておきの葡萄酒を土産に持って行こう。
[夜が明けた後の約束には口の端を上げてみせ、言葉を重ねる。
騎士達の住居も何処まで無事かは分からないが、彼等に明日に希望を持たさなければと思った。
ワインの瓶が割れてしまっていたとしても、朝が来れば次の約束も出来ると信じて。
その後はパン屋の跡取り息子を連れて、教会の方角へと足を進めようか。*]
/*
と、フラグを立てつつ。
おじさま、強く生きて。
教会は辿り着くタイミングを計ってしまう。
ので、足を向けた描写に。
だって、今、いいところになってるから…。
え、突入?聖女様の尊いムーブを見たところに割り込むの??
教会:ミリアム、ナネッテ、シルキー
図書館:ゾフィヤ
ウェルシュ→レト探し?
双子→城?
ペアはこれから何処かに行く感じだよね。
/*
んんん…。
私が代わりになろうパターン。
不意打ちを狙い、切りつけて怒りを誘うパターン。
間に合わなくて聖者様は感謝されるけどメルヒオルは辿り着けなかった事を後悔するパターン。
(ミリアムさんは誓ったけど他の吸血鬼はそんなの知らないっていう事も考えられる?多分、ミリアムさんは誓いを破るタイプじゃない。)
真ん中だときっと、教会が血の海になってしまう地獄。
/*
条件が、命を捧げる、だからなぁ。
邪魔はありなのだろうか。
それとも加減して適度なところでやめるのか。(PCさんだし)
ほおっ、いいなあ
葡萄酒
朝から酔っぱらうほど呑みたいもんだ
[パン屋の倅の背を掌で叩いて、騎士様にはとびきりのいい酒をな、と念押しの別れ*]
おや、聖女様と言った?
[莞爾と笑み、手をやわく広げたまま>>159]
人間は、群れてこそ更に弱いもの
聖女なればお前は精神的な支柱、目の前で無惨に喪っても、今宵正気を保てようかしら
いいの?彼らの心は、護らなくても?
[ふと、開いたままの入り口の方へ視線を流した。
僅かに左の眉を上げる]
……おい、
[>>161窘めるような響きを伴った短い言葉を紡ぎ。
そういえば、彼の家族を見た事がない事を思い出す。
亡くしてしまったのか、或いは遠い地で暮らしているのかは分からないが、逢いたがっている事は感じられて。]
そうだな。石造りの建物ならば。
図書館、は思い浮かばなかったが、多少の人数なら避難できるだろうか。
[倉庫も住むには厳しいが、一夜を明かすくらいならば問題ないだろうと。]
たまには朝から飲んでも許されるだろう。
[>>162葡萄酒は士気を上げる事が出来たようだ。
念押しには頷いてみせ、明日への約束を胸にダルメシアンと別れる。*]
― 図書館 ―
[周囲になにもいないことを確認して、その扉を押す。
重い扉を開けて滑り込んだそこは、外の喧騒と切り離された静寂の世界。
扉が閉まったあともしばらく耳を澄ませ、だれも追ってくるものがいないのを確認したのち、壁際で一息つく。]
はぁぁ。ひどいことになったなぁ。
[やれやれとついたため息が、静かな空間に思いのほか響いてしまい、慌てて口をつぐんだ。]
ここは……図書館ってやつか?
[とりあえず壁の厚そうなところ、と逃げ込んでみたけれど、こういうところで吸血鬼とやり合う羽目になったら、少々気が引けるなあと、居並ぶ本の群れを見回しながら物見高く歩いていく。*]
村の設定が変更されました。
失礼、レディ。
素敵なドレスが血で汚れては大変です。
そこからは離れた方が良いのでは?
……それとも、それは貴女が?
[淑女への礼節を最低限守りながら、声をかける。
青年に人間と吸血鬼とを見分ける術などない。
間違いであってくれ、と願いつつも、鎧の下の銀のペンダントと腰の長剣に意識を向けた。*]
[ 騎士たる者の有り様について、紅の魔性はそれなりの知識は持っているようだった。>>152
だが、その口調にはどこか他人事めいた響きを感じる。
「日が昇るまで」「狩り場」── 魔性はタルボシュを襲った天変地異の実情を明かした。
瓏たけた魔性の紡ぐ言葉に、シェットラントの腕の中で姫が震えた。
街ぐるみで被害にあっていると聞かされ、声も出せないほど心を痛めているのだろう。
シェットラントは姫を抱える腕にそっと力を込めた。]
[ 脅すようなことを告げておきながら、紅の魔性は狂乱とは一線を画すかの態度だった。
檳榔卿と名乗るこの魔は、災厄を引き起こした絢爛公とやらに比する力を持っているらしい。]
…そんな勝手な真似をしてよいのか?
[ 絢爛公はおそらく、街中の人間を報復対象としているはずだ。
匿うなど、裏切りではないのか。]
ともあれ、貴君にそれが可能として、
「わたしが」貴君に従うのではない。
「貴君が」我々を日が昇るまで護衛してくれるというのなら、先ほどの約束をしよう。
[ シェットラントが言い返すと、姫が、「魔物と取引をしてはダメ」と目で訴えてしがみついてくる。
それはもっともな見解なのだけれど、シェットランドにとっては、どうあっても姫を無事に逃すことが最優先事項なのだった。*]
― 城のテラス ―
オトヴァルトの子、アデルムンド、御前に。
[仕え奉じる公の御前に罷り越したは、かの貴婦人の訪問より前であったか後であったか。
ともあれ、二人寸分のずれもなく深々と一礼し、つつがなく制圧が終わった旨を報告する。
実のところ、配下の眷属を通じ、つぶさに状況を把握しているであろうから、これは形式に過ぎない。]
……優しいこと。ありがとう聖女
けれど交渉事は苦手なのかしら
[魔物との取引は忌むように躾けられているの?と囁いて。
指し示す形の指を再び開いて、掌を差し伸べた]
盟約
契るならばこの手を──
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