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歴史のうねりが奔流となり、時代が戦乱へ押し流される。
避けえぬ戦火が人々を呑み込み始める。
大きな時の流れに巻きこまれ、翻弄されるものたち。
その中にあって、なお歴史を作る力と意思を持つもの。
激流の世に生きる人間達の物語が、始まる。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
村の設定が変更されました。
2人目、船長 ローゼンハイム が参加しました。
船長 ローゼンハイムは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
ようこそ、豪華客船《シャングリラ号》へ
出航までの間も、プールや食堂をご利用いただけます。
もちろん、お部屋に料理をお運びして、使用人に給仕してもらうことも可能です。
最高の時間を、最高の空間で。
《シャングリラ号》が、まさしく
3人目、執事 シグルド が参加しました。
執事 シグルドは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[
主と従者は一対のもの。
ただ一人を主と定め、
生まれた時より命尽きるまで、お仕えする。
それがこの家に生まれた者の定め。
お仕えするべき方が家を出ていかれた時には、胸が苦しかった。
兄君と兄の不幸が原因である手前、公に口にはできないが、
今私は、胸が高鳴るような喜びを覚えている。
主にお仕えする事こそ私の喜び。私の生きる意味。
それは例えば、恋似ているかもしれない。
]
― 大学 ―
[門の前に、黒塗りの車が停まった。
運転席から降りてきたのは、まだ若い男である。
車の隣に立ち、誰かを待つ顔で人の流れを眺めている。
調査の通りならば、この時間にここを通るはずだった。
調査が間違いである可能性は、限りなく低い。
果たして。到着してからほどなくして、目的の人物が姿を現した。
周囲には一切目をくれず、彼の前へと歩いていく。
そして彼の前で、きっちり90度に腰を折った。]
4人目、 ユーリエ が参加しました。
ユーリエは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ 白髪を 指が通っている。
"なんのため"かは今でも知らない、
"買われて"からの日常だった。
豪奢な椅子に座って、
準備が出来るまで大人しくしていること。
其れだけなら、"前"とおんなじようなものだけれど。
服を選ぶのだって、髪を結うのだって、
以前までにあったことではなかったと、思う。 ]
[ 口数の少なさは何時も通りだから、
そのぶん、何時も、考え事が多かった。
─── 否、どちらかと言えば、
想起、に近いのかもしれない。 ]
[ 脚が揺れる。
座りながらも抱えているのは 多分、
せめてもの"お仕事"。主の旅行鞄。
すこぅし身が揺れたものだから、
きっとつられて、
白髪が"主"の手からこぼれ落ちる。 ]
[ ─── 此処で漸く 表情が動いた。
すみません、一言だけ落として、
緩く視線を後方へ向ける。
…抑も、此は。
主と呼ぶべき相手がするべきことじゃあないのに。
其れでも断らない方が拗ねられないことは、
学習済み 故。 ]
…"理想郷"です。合っていますか?
[ 学の足りなかったこどもに、知識を与えた主へ。
何時か聞いた、海を渡るものの名前を問う** ]
執事とかメイドとかそういうあれじゃなさそうだな…って
打ち合わせで思ったので
ただのユーリエになってしまった
薔薇下久しぶりです。よろしくお願いいたします。
5人目、次男坊 カーク が参加しました。
次男坊 カークは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ 夢枕に、兄が立って、「すまない」と言った。
兄ほどの能力のない自分にも、異変が起きたのだということは察知できた。 ]
──…
6人目、好事家 ソマリ が参加しました。
好事家 ソマリは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
いつか "君"に出会える気がするんだ。
[ 薄暗い部屋、
指先がざらりとした紙面を撫でる。
─────いくら 時が歪もうと、此は、]
[ 上機嫌だった。…いや、何時ものはなしである。
そんなに機嫌が悪いことなんてないんだ。そう、"そんなに"。
少なくとも"好きにやらせておいてくれるなら"
拗ねるなんてことはしないさ。
白い、細い髪に傷ひとつない指を通しふたつにまとめる。
───この子には"これ"が良い。
幼く見える。 ]
[ ひとつ、を上手くまとめて、ふたつめ。
すこしの身動ぎに、ふわ と白糸が逃げた。
肩口に落ちる其れを 見詰めてしまう。
─── 否、 "機嫌を損ねた"わけじゃあない。
白い髪はうつくしい。"あのとき"からずっと、
…… 、]
そうとも、 君と 僕の"理想郷"。
…君が船酔いしなければね?
荷物は準備できてるかい?
[ 言葉を紡ぎながら、ふたつめを整えて"ツインテール"の完成!
身支度は此で良い。頭の先から足の先を滑る様に眺め、改めて問うた。]
[彼女の抱えた荷物は "荷物の一部"で
もうひとつ、ふたつ 大きな鞄があった。
彼女の服から、自分のものも、
それにお気に入りの"インテリア"とか…
── どうにも物が減らせない。
片付けも下手なので、鞄のなかはどうなってしまっているやら。
ただ、 まあ いちおう"準備"はできていた。
彼女の服は 此方が用意している とはいえ
荷物がないわけじゃあないだろ? と
麗しの紅瞳を覗き込んで**]
7人目、占い師 シメオン が参加しました。
占い師 シメオンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
占いに助言を求める
悩める子羊は居りませんか?
お兄さんが
その弱さに付け込んで
甘い汁を啜って…
解決もしてあげますよ?
── 街角 ──
嘘付きは地獄に落ちやがれッ、
って ‥‥ああ、フフ。 占って行かれませんか?
[先の言葉を聞き咎められたのか
訝しげに振り返る通行人へ
手をすり合わせながら、にこやかな笑みを。]
[今の自分は、アイツと
似たような表情を浮かべているに違いない。
人の良さそうな笑顔。
穏やかな口調。
洗練された身のこなしに、上質な召し物。
詐欺師が、詐欺師に騙されるなんざ
これっぽっちも思わずに
“これで、幸せを掴んだんだよ。
本当は惜しいのだけど
君は才能がありそうだから格安に譲ってあげるよ。”
家賃3ヶ月分のなけなしの貯金と引き換えに
手に入れた占い道具一式を
黒いベルベットの上に並べ立てて早2週間。
甘い汁の1滴も舐めること叶わず
本日も閑古鳥の声が響き渡っております。]
社長っ!
ああ、そこの社長さん!!
そうそう、貴方です。
‥‥え? 社長じゃない?
ならば、これから
そう成られる運命をお持ちなのですよ。
その機会を逃さないためにも
占いに表れる運命の声を聞いて行かれませんか?
[音信不通な先駆者に教わった方法、
憐れな子羊ちゃんを
ひたすらに待ち続けるのにも飽き飽きして、
風俗の呼び込みか?と思うような声を
掛け始めた占い師もどきに
待ちゆく人の胡乱な眼差しが刺さる。]
[水晶の横に、竹の棒の入った筒
その横にタロット
さらにその横に手相の看板と拡大鏡を掲げ
東洋西洋織り交ぜた
インチキ臭いテーブルの上と相まって
醸し出される胡散臭さに
寄り付く人は居ないのだが]
社長っ!!
そうです。貴方です。
お若いですが、社長さんですよね?
[当たるも八卦、当たらぬも八卦。
諦めること無く
アタックし続けて何度目だったろう。
職業柄、人を見る目には長けている…つもり。
よい面構えの青年を
雑踏に見つけて、また声を張った。*]
8人目、 ギィ が参加しました。
ギィは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[華やかでいかがわしい街の一角にあるラウンジで取引の相手と会い、奥の部屋に通されたあたりから記憶は曖昧になっている。妙に甘い匂いだけが印象に残っていた。
それからどこをどう運ばれたのか、今は洋上に浮かぶ豪奢な部屋の中にいる。
同室には男がふたり。
自分の分の乗船券は、おそらく無い。]
[恐怖は感じなかった。
期待すら抱いていた。
待つこともまた、胸疼かせる喜び。]
きて――…
[とろり囁いた声を聞きとがめて、男たちの片割れが近づいてくる。
それを見上げ、柔らかく微笑んだ。**]
[ 例えば もし、───
視線の先のように、表情が豊かであったとして、
もう、ほんのすこぅしだけでも、
年齢相応の反応が出来ていたならば。
"理想郷"の前に置かれたふたつの言葉に、
おんなじように、笑っていたのかもしれない。 ]
……酔ったら ご迷惑が。
[ 只、どうしたって"こう"だから。
ぽつ、と返してそれきり。
ゆびさきが離れたので、もう動いても問題ない、と。
身体ごと向き直り、紅色が主を確りと捉えた。
はじめて会った時と 変わらない。 ]
[ ……視界の端で揺れるふたつの髪先は、
きっとどんな風であれ何も言わないのだろう。
"大人しくして""言うことを聞く"のは、
自分の得意なことと言えるだろうし、
そうで無ければ"買って"もらえないことは、
ずぅっと昔の、何時か、
こどもの頃から、識っていた。 ]
[ "荷物の一部"を抱えたまま、椅子から立った。
結われた白髪を揺らして、細い肩から別の鞄をさげる。
…大きくはあれど、あまり物は、入っていない。
此です、と 主を見上げる。 ]
わたしの物は、これで大丈夫です。
あまり 多いと、…ソマリ様の分が持てませんし。
[ もうひとつ、…流石に抱えるのは難しいけれど、
片腕に抱えた鞄の他に、持つことにした。
主の荷物に埋もれるのも
"こう"し始めてからの何時ものこと。
バランスを取って、部屋の時計を見上げた。
─── 多分、"インテリア"のひとつだ。
出航時間から逆算しつつ、扉までちぃさな足音。 ]
…… あの、やっぱり
わたしは お見送りだけで、
良いのではないでしょうか。
[ 自分と、主の、理想郷 とは言われても。
同列に置かれることに、
彼の船の話を聞いてから首を傾げ続けていて。
主伝いの知人も見たことがある故、
……相手が居ないと言う訳でも、無い様な。
今でも主の"ひとり旅"という感覚が抜けないまま、
一旦荷物を置いて扉を開き、
先に通るのを 待った** ]
9人目、御曹司 ルートヴィヒ が参加しました。
御曹司 ルートヴィヒは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―二週間ほど前―
[カサンドラを貸してほしい、と願ったら、父に顔をしかめられた。
カサンドラは現在、父であるストラ家当主に仕えている。
嫌がるだろうことは元より承知の上。父の顔を見つめていたら、ため息をつかれた。
数多くの側仕えのメイドやボディーガード、執事がいるというのに、よりによってなぜカサンドラなのか、との問いはもっともだっただろう]
カサンドラが適任なのですよ。
私がストラ家の者であるのを隠して、今度の万博に参加するのは父上もご存じでしょう?
船で移動するしかないのに、チケットは二枚しか手配できなかった。
私の護衛もできて、身の回りの世話も頼める。そして今度の企画の被験者も頼める。
彼女しかいないじゃないですか。
[ストラ家の力を使えば、いかな豪華客船だろうと無理に割り込んで、召使たちが十二分に乗れるくらいの席を確保できるだろう。
しかし身分を隠して一般社会でも顔を出している自分の身分では、そんなことはできない。
父は被験者?と眉をひそめてじろっと見つめてくる。
息子の趣味に等しい仕事の詳しい内容を知らない父は、その細かい仕事の内容は知らないし、説明してもきっとわからない。
もし詳しく知ろうとしても、ダミー会社に幾重にも守られているので、その本質にはたどり着けなかっただろうけれど。
ストラの家の者……それも直系の跡継ぎだったら、本当なら働かなくても暮らしていけるだけの資本も財力もあるのだ。
息子が財力を守るために労力を割かず、違う形に苦労をする道を選んだことを、父は渋い顔をしても文句をいうことはなかった。
渋る父をなだめすかし、説き伏せること数時間。
無理やりでもOKをもぎ取れたのは、結局は息子が引かないことを知っているからだろう。
ただ、過去から何度も繰り返された教えは絶対に守れと釘を刺されたが]
[いいか?
【カサンドラには近づくな】【触れてもいけない】
これを破れば、一族が凋落するだけでなく、彼女によって殺されるだろう。
お前だけでなく一人残らず、皆殺しの目に合う。
それを決して忘れず、絶対に警戒を怠るな。]
[そして、彼女の特別な「食事」方法についてアドバイスをくれる。
普通なら親子とはいえ憚れるような内容……いや、親子だからこそ憚れるような内容なのだが顔色一つ変えないのは、それが日常であり当たり前だったからだろうか。
そんな自分の一族にとって爆弾のような存在の彼女。
それを手元に置いて監視しなくてはいけない理由は当然あるし、成人した自分はその咎をも受け継いでいた]
わかっていますよ。
カサンドラを次の世代にまで受け継ぐのが私の役目だと心得ています。
[頭を下げて、ちらり、と父の胸にある不可思議な色のペンダントを見た。
数代前にとあるものを手に入れて、それを利用してのし上がった成金一族。それがストラ家だ。
この世ならざるものと対峙する力を持っていたという先祖が、ある魔物と戦い、手に入れた「他人の過去を覗き見る力」。
その力を自分は使ったことはない。
しかし、祖父、父、と知る限りの当主を引き継いだ男たちは、過去にその力を使っていたようだ]
[父にカサンドラを呼んでもらい、遠出の付き添いをしてもらうことを本人に告げる]
カサンドラ、それでは頼んだよ。
[彼女は唐突な命令に驚いただろうか。
初めて出会った時から変わらないその姿。その表情からはよくわからない。
外に出ていることが多い自分だから、あまり彼女と話すことはなかったのだ。
幼い頃は、本宅……当時は祖父と父が暮らすその家に足を踏み入れるのは年に数回のみで、普段は別宅、別邸、外国などで母と過ごしていた。
父たちに会った時も、本宅への滞在時間はせいぜい数時間。
他所で開かれるパーティーなどで会う時の方がよほど長く会えていたかもしれない。
露骨なまでに家に来させない行動だったから、父たちに嫌われて遠ざけられていたのかと思っていたが、成長して真実を知らされた身からすれば、それはただ、自分たち、特に跡継ぎである自分を守るための行動だったと知れた。
成長し、本宅に招き入れられた自分が最初に教わったのは、カサンドラの正体と「カサンドラには近づくな」とのこと。
最初はなんのことかと思ってはいたが、彼女と出会ってから何年か経った時に、父の言葉が正しいことはおのずから分かった**]
ふふ、 迷惑?
酔った君もかわいいはずさ。
─── 船よりは僕に、とは思うけれどね。
[ つれない、 ってわけじゃない。
この子は"はじめて会ったとき"からずっと"こう"だ。
軽薄な舌は何時もどおりだし、
この子だって 何時もどおりなんだ。
─── 安堵さえ ある。
できればずぅっと こんな感じで適当に遊んでいたいのだけど、 ]
[ Somari家の当主たる父越しに渡された
ちぃさな箱は ─── たぶん何処かの荷物に紛れている。
置いていきでもしたら後々が面倒だ。
中身も見ていないが… 想像は、出来ている。
───薬指サイズの緊箍児だ
今日これからの"ひとりたび"だって
本当は相手が居たのだけれど、]
" 従者だってひとりぶんなのだよ、 わかるね? "
[ ───どうこう言って誤魔化したのだ。
チケットは二枚、そう押し切って。 ]
[ ……それだから、]
駄目だよ、ユーリエ。
君にはこれから 大役が待っているのだからね。
…僕のひとりたびなんて、部屋がとんでもないことになるんだから
片付けてくれる人がいないと!
─── だから、 "ふたりたび"なのさ。
[ ちぃさな鞄に、何を詰めているのか、
"主"のわりに 聞くことさえせず、
小柄な身体に大きな荷物を2つも下げたそれには、
─── すこぅしばかり、 美しくないなあ、って顔も、すれど、 主であるからには、仕方がない。
もうひとつの鞄を下げて、大仰に一礼、扉を 先に通り過ぎた。]
[ Somari家には 他にも、 クラシックなメイド服を着用した、所謂"使用人"が数名いるが、
基本的に長男たる男の部屋に出入りするのは只、ひとりである。
──── それだからきっと、 この男の部屋が
常日頃からとんでもない有り様だなんて
そう、 知り得ることではなかったろう。]
[ ──── 何せ、"外面"で言えば、
・・
(多少の女遊びにさえ目を瞑れば、)
"片付けのできない男" では 無かったものだから**]
10人目、 フィオン が参加しました。
フィオンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 海上 ―
[ 豪華客船の脇に、黒いゴムボートが接舷していた。
船があまりに大きいので、流れ寄った木の葉のように目立たない。
はるか上、船のどこかからボートへと垂れているロープもまた、よくよく気をつけなければ視認できないだろう。 ]
行ってまいります。
[ ゴムボートの最後尾で静音エンジンを操る男に告げたのは、枯葉色の地味なマントに身を包んだ若者だ。
フードを引き下ろしてロープを掴むと、船底を蹴る。 ]
[ タラップを使わずに乗船を試みたのは、むろん、外壁修理が目的なわけではなかった。
チケットも持っていない。
状況的には密航者なのであったが、その毅然とした眼差しには狡猾さは微塵もなかった。
ロープを掴み、手繰って登ってゆく腕の筋肉は、日々の鍛錬を物語る。]
[ ほどなく潜入を果たし、ロープを投げ落とすと、両腕に金属製の籠手を装着し、剣の位置を直す。
ちきんと伸びた背筋は威風堂々としていた。
あからさまに耳目を集めそうな出で立ちなのだが、今は他の人間とすれ違っても振り返らせることはない──そこは、施された術のなせるわざであった。
よほど鋭敏な知覚力を持つ者なら気がつくかもしれないが、当人は拘泥することなく、ただ、目的に向かって脇目もふらずに進んでゆく。
1秒でも早く、己が使命を全うせんと。 ]
/*
all鳩奴なのでこの こう 発言ボタンが消えてしまう奴のために
発言先をさわると言うことをしたっぽいんだけど
表で宛先指定できるのはガチだと楽な感じがするね…
お屋敷に戻っていただきます。
[向けられたのは、歓迎とは程遠い視線だった。
動じぬ笑みを浮かべて、端的に告げる。
願う口調でないのは、主家現当主の決定だからだ。]
後継ぎとして正式な承認を受けるようにとの仰せです。
[誰からのとは言わずとも伝わるだろう。]
[そして、変わらぬ笑みのまま、問いに先回りして告げた。]
先日、アルトリート様がご逝去なさいました。
葬儀はしきたりに則り、新たな後継者が定まった後に執り行われます。カークライル様にはすぐにも継承の地に向かい、証を得ていただきます。
[彼の兄が亡くなったことと、この後のことを伝え、当然のこととして車のドアを開ける。]
全て準備整っております。
参りましょう。
[つまり退学の手続きも下宿を引き払うことも私物の処理も交友関係のフォローもすべて終わっているか、終える準備ができているかだった。]
[生まれた時より主を定められ、常に側近くで仕えるよう育てられてきた。
彼の意図を汲み、必要なものを用意するなど造作もない。
彼が屋敷を出て大学に行くと決めた時、共に行かなかったのは、それこそが彼の利になると判断したため、そして彼がいつか戻ってきた時、必要となる全てを差しだせるようにするためだった。
その「いつか」が思ったより早く来たことに、内心喜んでいたのだった。**]
11人目、メイド カサンドラ が参加しました。
メイド カサンドラは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 二週間ほど前 ―
[それは突然だった。
一応メイドと言う肩書で、普通の人として、このお屋敷で働いている。
メイドと言うからには、それなりに仕事はある。
と言っても、1日働きづめではなく、休憩時間もある。
今は、そんな時間。
他の人たちとの交流する、貴重な時間。
それは…呼び出しと言う形で遮られたのであった。
当主の部屋に向かい、扉をノックすれば、入れと声をかけられる。
中に入れば、そこにいたのは、一人だけではなかった。
親子が揃ってい居る事は、稀である。
揃っているのに、呼び出す理由が思い浮かばないが、頭を下げて]
― 二週間ほど前 ―
[それは突然だった。
一応メイドと言う肩書で、普通の人として、このお屋敷で働いている。
メイドと言うからには、それなりに仕事はある。
と言っても、1日働きづめではなく、休憩時間もある。
今は、そんな時間。
他の人たちとの交流する、貴重な時間。
それは…呼び出しと言う形で遮られたのであった。
当主の部屋に向かい、扉をノックすれば、入れと声をかけられる。
中に入れば、そこにいたのは、一人だけではなかった。
親子が揃ってい居る事は、稀である。
揃っているのに、呼び出す理由が思い浮かばないが、頭を下げて]
お呼びのようですが、何かございましたか?
[頭をあげ、告げられる>>38事。
なぜだ。この一族は、自分を近づけたくないはずである。
それなのにわざわざ、危険な行動をとろうと言う意味が解らない]
――本当に、私でよろしいのですか?
[淡々と確認をしてしまう。
真意が見えないために、下手な動きをするのは危険だと判断して。
すると、坊ちゃま事、ルートヴィヒの願いと言う事を教えられる。
思わず、ルートヴィヒに視線を向ける。
この人は、解っているのか…。いや、遠ざけていた分、実際のところ解っているようで解っていないのかもしれない。
それならば好都合。
口元が弧を描きそうになるの必死に抑えていれば、当主が胸元のペンダントを弄るのが目に入る。
ちぃっ…内心舌打ちをしてしまうのは、それだけの行動なのに、自分には脅しだからである]
解りました。誠心誠意、お仕えさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いします。お坊ちゃま。
[頭を下げてから、にっこりと笑いかける。
が、それ以上の接触をさせたくないのか、もういい下がれと告げられるので、部屋を後にするのであった。]
[休息室に戻る途中、足が止まる。笑い出したいのを抑える為である。
ここから離れて、坊ちゃまと二人。
なんていいシチュエーションなんだろう。
話しは聞かされていても、実際を知らない。それがどこまでできるのか。
いたぶるのも良いが、自分のものにしてしまったらどうだろうか?
慌てふためくだろう姿が浮かぶからこそ、楽しくなってしまうのだ]
あー、楽しみ。
[ふふっと笑うと、気持ちを切り替える。
離れている間に、仕事を抜ける事を詫びないといけない。
それだけではない。きっとお土産などなどを要求されるだろう。
そういうのは、少し面倒だと思ったが、大事の前の小事だと。気を引き締めるのであった**]
/*
薔薇下が久しぶりだから、いろいろ解らない。
そして船に乗り込むのをあれこれ調べているが、解らない。
ふわっとアバウトで良いかな?
― 出港の日 ―
[港までは、屋敷の車で移動であった。
初めは坊ちゃまが自分の車で行くと言っていたが、早々に自分と二人っきりになると言う事を快く思わない当主に却下されたのである。
車が港につき、車を降りるさい、日傘をさす。
太陽の光が苦手なので、こればかりは致し方ない。
坊ちゃまの方の扉は、運転手が開けているのを確認し、一応辺りを確認する。
何かある方が問題なので、何もないとは解っていても、形ばかりの仕事をするのであった。
それから、彼に近づき]
お坊ちゃま、乗船はできるようです。
手続きをしてまいりますが、お坊ちゃまはいかがいたしますか?
[手続きも、そんなに時間かかからないだろうが、一応確認の支持を仰ぐのであった**]
[ 夢の知らせで予期していたとはいえ、兄の死は堪えた。
それなのに、シグルドときたら、こちらの気持ちを逆なでするようなことばかりだ。 ]
どうして笑っていられる?
[ 襟首を掴んで引き寄せようと手を伸ばす。
少なからず喧嘩の場数は踏んでいた。動きは鋭い。]
おまえのことだ、
すでに大学への休学届けを提出して、アルバイト先へも、借家の管理人へも連絡済みで、公共料金の手続きだって終わってるんだろう?
それだけ周到なおまえがいながら、なぜ、兄上を助けられなかった?
[ 嫌味というよりは、行き場のない苛立ちをぶつけるようにして叩きつける。
こいつにだけは来てほしくなかったという思いと、こいつ以外が来たのでは帰還を承知する気にならなかったろうという自覚の狭間で揺れる。]
/*
明日の23時開始っと。
相方様は、時間が限られているので、プロから襲わないといけないな。がんばる。
ほのぼのはないな。プラトニックもないな。
殺伐だろうけど…私がいつまで耐えれるかが問題だ。
ふぇぇぇん、相方好きーってならないようにしないと。
あと、ながれさんがいるんだよな。どこだ。
エピったら、どんな反応するかな?楽しみ。
あ…村建てペア様方はお久しぶりです。
[ ─── 何時かの、はなし、
頭の上からおんなのひとの声が聞こえ、 ]
「 坊ちゃん"の"従者だって聞いたけれど、── 」
「 未だこの歳の子を連れてくるなんて思わなかったわ 」
「 ご主人に怒られたりしないかしら? 」
[ 広すぎるバスルームの、
…世間も知らない売り物風情にだってわかる、
高そうで 湯の張られたバスタブに突っ込まれて、
( あたたかい、より先に、
痛い!が出てきたのだ。
湯の熱さが肌を刺すなんて思ってもいなかった! ) ]
[ 多分、その頃は、未だ、
髪だって今ほど伸びてはいなかっただろうし、
長さだって不揃いで、
美しいなんて形容詞とも遠かった。
その時、こどもの髪を洗っていたのは、
数人居る"使用人"のうちの、ひとり。
きっと、"一番偉いひと"。 ]
[ その時は、一瞬、
"引っ張られる"と思ったから、
バスルームの中でちぃさく "鳴いた"。
しまった、と 当時のこどもは思ったけれど、
……それ以上に使用人の方が驚いた様で、
謝られた 記憶はある。
謝られた理由は、わからない、 ]
「 ── ひとりで何でも出来るんですよ、あの子は。 」
「 私たちが要らないぐらいに、 」
[ …そう言った"先輩"の声を疑ったのは、
揃いのメイド服を着て部屋に招かれた瞬間。
初めてのお仕事、同時に今でも続くお仕事は、
多分、主のお部屋の片付け。
更に言うならば、家のことを知った後でも、
他に仕える相手も居ない以上、
こどもにとっての"ソマリ様"は、
当時から 彼 だけ。 ]
[ あの時から何度"片付け"をしたのか!
ちら、と部屋を一瞥した後、 ]
─── ですけれど、そもそも、
こんなに荷物を 持って行かなくても
良いのでは…?
[ きっと背に投げるだけで終わりそうなお返事。
主を通したあと、また 荷物を抱いて、
スカートを翻らせ、その背を追う。
今メイド服で無いのは、
…無論、お出かけなのだから、という理由だ。
今日の脳内議題は"人に酔う方法"。
運転できない車に乗る最中、
考え事は、尽きることはない 筈。 ]
[ ………只、どうあっても
何時かのこどもにも、自分にも、
外の知識は足りないものだったから、
幾ら、道中も変わらず口数が無いに等しいとはいえど、 ]
─── 港 ───
──── あの大きな船が、
ソマリ様の言っていたものですか?
[ 港に到着し、車から出る前、
表情は変わらないとはいえ、
窓の向こうを凝視してしまったのは、
仕方の無いこと、だと 思う。 ]
[伸びてきた手を避けるそぶりは微塵も見せない。
たとえ拳が飛んできても、そのまま受けただろう。
引き寄せられ、間近で目を合わせてなお笑う。]
私は、あなたにお仕えする者です。
[あらゆる問いへの答えを一言に込める。]
アルトリート様の最期は御立派であったと聞き及んでおります。
殉じた私の父も満足だったことでしょう。
私はといえば、
あなたに再びお会いできたのが嬉しいのです。
ええ。どうも誤魔化すのが下手なようで、困ったものです。
[ポーカーでは相手をいくらでも煙に巻く男が、そう嘯いた。]
[ 手首を返して襟を締め上げても、シグルドの笑みは消えなかった。
再会できて嬉しいのだと言う。
兄が死んだからだという事情を鑑みれば不謹慎この上ないし、
こういうときはお悔やみのひとつでも言って同情してみせるのが側仕えの心得だろうに。
おれの気持ちがわからぬヤツ、とイラついたところに、
シグルドの言葉で、彼の父が兄に殉じて落命したと気付かされた。
兄が死に、シグルドが生きていたとしても、彼の"一族"が犠牲を惜しんだわけではないのだ。 ]
それは──、 大儀。
[ 厳しかったが、不在がちの父に代わって兄弟を養育してくれた人の死に動揺して、うまい言葉が見つからなかった。
指の力が抜けて、シグルドを解放する。]
[ シグルドが父の死に直面しても笑って見せているというのならば、自分も大人になるべきなのだろう。
兄の死は、立派であったというのなら、なおさら。]
行くぞ。
[ 言いながら、一番上のボタンを外した。
シグルドが
どこかで着替える手配をしていることも確信している。
車に乗り込む前のわずかな時間、学舎を見上げて、日常に別れを告げた。]
―出航の日―
[最初は自分の車で行こうかとも思っていた。
しかし思った以上に荷物が多く、船に乗るまでは家の手を借りることにした。
船に荷物を積み込む人間の素性など、探りを入れるような者もいないだろうとの判断だ。
現地についてからはカサンドラの手を借りることになるだろうけれど、そうならないだろうという目論見もあった。
車の中、豪華な設えのソファに身を沈めながら、今後の予定を考える。
それは船内での物事を飛び越え、船が到着してから起きるだろうイベントでの行動のことだった。
傍目からは胡乱な目で中空を睥睨しているかのようにしか見えなかっただろうが、日傘をさしたカサンドラが話しかけてきたことで我に返った]
荷物は全部船室の方に運んでくれ。
預ける荷物はない。
[トランクスーツ4個分の荷物は全部、船内で使用する予定があるものだ。
もちろん、検査をされても大丈夫で危険物などもなく、金属部品に類するパーツがメインで、密輸品などではないし、使用目的に関しては船の運行会社にも許可を得ている。
カサンドラに伝えながらも、ストラ家から連れてきていたフットマンに命じた]
君が乗船手続きをするというのなら、俺も行こう。
元々、俺がしなくてはいけないことだしな。この船旅は会社持ちだからね。
それと、外では俺のことはルートヴィヒと呼ぶように。
主人と使用人と知れると面倒なことになるからね。
[外だと自分のことを俺と呼んで砕けた言葉遣いになる自分。
それと同じように、彼女にも自分への呼び方を変えるように命じる。
彼女が自分のことをお坊ちゃまと呼んでいたことを忘れていたくらい、自分と彼女は交流がなかった]
カサンドラの荷物はどこだい?
女性なのだから荷物が多いんじゃないか。一緒に運ばせよう。
[後ろを振り返り、ついてきている使用人に命じる。
彼女の正体を知ってなお、ちゃんと女性扱いをする。
彼女はメイドでありボディーガードではあり、その上でやはり一人の女性であるのは違いない。
彼女と出会い、その後に彼女の本来の姿を知っても、そう思い扱おうとする気持ちはやはり変わらなかった**]
[声をかけた時の様子は、何かを警戒しているようにも見えた>>69
もしかしたら、この船旅で何かされるのだろうと言う、自分への警戒かもしれない。
そんなに警戒しなくてもと、笑い出しそうになるが、口もを引き締めて耐える。
指示を出す様子をじっと見つめていた]
解りました。では――
[あちらにの方にと言おうとするが、突然の命に動きが止まる。
人からしたら、良い年なのだろう。
見た目的に、年をとったご婦人からお坊ちゃんと呼ばれるのは抵抗がないとしても、見た目的には年がそう離れていないので、抵抗があのかもしれない。
面倒になるからと言って、一応今はまだ、他の使用人もいるので呼び捨てが出来るわけはない]
解りました。ルートヴィヒ様…。
今は、その呼び方でお許しください。
[今できる妥協点を口にするが、こちらにと傍による]
――私のですか?
大した荷物ではありませんが、お願いします。
[驚き、目が丸くなる。
女性扱いをされるなどとは思っていなかったから。
この一族は、自分の事を駒としか見ていない。彼の親も、そのまた親も…。
だからこそ、ただの女性扱いが、不思議にも思えてしまう。
普通の女性と扱うからこそ、荷物も多いのだと思われたのだろう。
だが、荷物は手にするもの以外は、大きなトランク一つだけ。
元々、たいして物を持ってはいないのもある。
服装だって、同じ黒いワンピースが数着。
着飾るのが、嫌いと言うわけではなく、それ以外手元にないからである。
その事に、何か言われるなら、護衛は身軽な方が良いのですと誤魔化して、荷物を同僚に渡すと、手続きの場所へと案内するのであった]
[手続きに関して――。
元々屋敷から出る事は少ない。その為に事前に調べてはあるが、実際は違う。
従者の仕事とかって出たものの、対応にあわてて、結局ルートヴィヒがする事になったのは反省点である。
ここき素直に謝るしかなった*]
[解放されれば指を伸ばして襟を正す。
父への言葉を受けて、軽く頭を下げた。
満足だっただろうという言葉に嘘偽りはない。
むしろ、守り切れずに死に損ねた時の苦悩は計り知れなかっただろうと思う。]
はい。
[行くぞ、と掛けられた声は昔の通りだった。
微笑んで車のドアを閉め、ハンドルを握る。
黒い車は静かに走り出した。]
― 港 ―
こちらです。
[港に滑り込んだ車から降り、ドアを開けて主を誘う。
眼前には、シャングリラ号の優美かつ堂々たる船体が浮かんでいた。
手にした荷物はごく小さなトランク一つだ。
必要なものは既に船室に運び込まれているだろう。
迷うことなく桟橋に伸びた乗船口へと歩き始める。*]
12人目、三下 ツェーザル が参加しました。
三下 ツェーザルは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
お嬢のことはぁぁ!俺のタマにかけてぜってぇ守りますんで!ッッッス!!!
[そう、力いっぱい宣言した時、若頭がもの凄くニガイ顔をした事には気づかなかった。
お嬢の身に実際、万一にでも何かあったら指10本どころか全身刻まれてサメちゃんのエサにされるまである。
しかしツェーザルはこの大役にめっちゃくちゃ張り切っていたのだ。お嬢のことは俺が!俺が守りますんで!!
この俺が!]
― 港 ―
[そしてその後]
うわーお嬢ーーー!
[背に巨大な風呂敷。片手にはいかにもヤクとか札束とか入ってそうなことで有名なジェラルミンケース。
本人はいたってごく普通の一張羅であるドラゴン刺繍のスカジャンとアロハシャツ姿であった]
で、で、デカっ、デカい!なんスかこれー!船デカくないっスかー!?
13人目、おじきの娘 ミーネ が参加しました。
おじきの娘 ミーネは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[ミーネは心を躍らせた。豪華絢爛船の旅。
頬を緩ませる食事に、優雅な景色、心地良さすら感じる船の揺れ。
想像するだけでも、心は弾む。無論、若頭の物凄い苦い顔など気付かぬほどに、弾む、弾む。
しかも――]
私、女の子の友達が欲しかったのよね……
[楽しい楽しい船を降りたら「大役」が同性になってるかもしれないというオマケ付き。]
ん……まぁいいか。
船内まではともかく、現地では頼むよ。
[呼び方を最大限に譲歩した形の彼女の言葉に諦めて肩をすくめる。
仕事で来ているのだ。
本当だったら同行するのは会社の人間の方がよかったのだが、適任な者がいなかったし、逆に身近に連れ歩くのに適任すぎる人間がいたのがいけない。
彼女の囁きには眉を潜める前に首を傾げた]
どちらでも君が呼びやすい方で構わないが……それはどこから出てきたんだい?
[彼女の悪戯心がわからない無骨な男である]
そうだったのか。
じゃあ、それを――。
[カサンドラの荷物は大したものではなかったが、それも運ばせ、彼女を連れて手続きを済ませる。
箱入り息子ではあったけれど、自ら外の世界に進んだルートヴィヒは、一通りのことは自分でできる。
妹たちはきっと一人では電車にも乗れないのではないだろうか。
どことなくたどたどしいカサンドラを見かねて、つい口を出してしまったのは主人として失格だっただろう。
しかし、日差しがある中、日に弱い彼女を早く日の当たらない場所に連れて行ってあげたくて仕事を奪ってしまった。
船室に荷物を積み終えたら家の者は帰っていたので、この失態を見せなくて済んでよかった。
そうでなかったら、カサンドラも自分も、使用人たちのご注進を受けて、後で父の叱責を受けていたに違いない。]
―船内―
こちらのようだよ。
カサンドラ、行こう。
[船内案内人の導きに従い、カサンドラを促して乗船口を通っていく。
船旅は久しぶりだな、とフカフカした絨毯地の上を歩いていった。
急ぎならば飛行機の時代、船を使うのは時間をたっぷり使い、豊かさを楽しむ人々だけなのだ。
自分はまだ幼い頃、船を乗ることを主な目的に母親にねだり、船旅を楽しんだ記憶がある。それがとても楽しかったおかげか、船は大好きだ。
特に広い客室の片隅に置かれたトランクスーツ。
自分の日用品より多い仕事の道具に目を細める]
〜港〜
だっさ。
[彼の纏う竜のそれに吐き捨てて。まあ、いつも言ってやってることであるが。
これから行く空間の格式を思案すれば、ドレスコードのことなど考えもするのだが、
「タマ」を失えばこんな服装ができるのも最後かもしれないし、無理に着替えさせるのも殺生かと思う。何か言われてもどうにかなるだろう]
あんまりはしたないことばっか言わないでよね、恥ずかしいじゃん。
[白いワンピースをはためかせながら。もちろん自分もこんな船を見るのは初めてで、視線はずっと上ずっているのだけど。]
カサンドラ、さっそくだが頼めるかな。
君の力なら運べるだろう?
その赤いテープが貼ってあるトランクスーツは全て隣の部屋に移してほしい。
[かなりの重量がある荷物を彼女にまかせて、自分は仕事用の携帯PCを開きだす。
ベッドがある主な部屋の隣は、控えの間でもある小さな部屋がある。
本来だったらカサンドラはそちらに泊まるべきなのだが、そちらは作業部屋にしたいと思っていた]
自分がどこに泊まるか心配かい?
君はメインルームのベッドを使えばいい。エキストラベッドやソファもあるが、もし俺と一緒の部屋が気になるなら、俺の方があっちに泊まるよ。
[そういえば、彼女の近くに行ってはいけないとも言われていたが。
しかし、それはもってのほかの問題である。
年頃になったあたりから、見目いいメイドをそれとなく父からあてがわれても、なんの問題も起こさず、どうやら男色家であるらしいと内外に噂を立てられたのがルートヴィヒという男である。
一応性的志向は女性であるものの、生来の生真面目さとお堅さと好みの特異さのせいか、信じてもらえていない。
今回も、世間一般の良識に照らし合わせて、主としてではなく、普通に彼女にベッドを譲っていた**]
[ 高級車は滑るように走り出す。
シグルドは運転席だ。運転中、どこかへ連絡する素振りもなかった。
彼の想定通りに進んでいるということだろう。
何もかもひとりでやっているわけはないと思うが、彼がジタバタしているのを見たことがない。
自分が同行を拒んで遁走したとしても、動じなかったろうなと思う。
どこまで予測して、手を打ってあるかは未知数だが。
そんな益体もないことを考えたのは、一種の現実逃避なのだろう。]
― 港 ―
[ 気がつけば車は湾岸エリアへと到着していた。
目の前に鎮座ましましているのは、ビルにも匹敵する豪華客船である。]
これは…、
[ 急いでいるなら飛行機をチャーターしてもいいところ、どうみても足の遅い豪華客船に乗せる了見がわから──わかった。]
[ この中に、"ある"のか。
兄の後釜におさまるというのは、家に戻って、受領書にサインして済むような話ではないのは元より承知。
しかし、いきなり現場なのか、そうなのか。]
──…、
[ はいはい、わかったよ、という感じではあったが、
自分が状況を察知したことを伝えなかったら、シグルドはどう反応するだろうかと、ふと気持ちが動いた。
困りはしないだろうが、手間をかけさせてやるのも悪くないんじゃないか?
以前は、そんなことは考えもしなかったが、家を出る際に彼に"捨てられた"という感覚は案外と根深いらしい。
今さら、何もなかったように元の鞘に収まろうというのは虫がよすぎないか。
これは報復ではないし、子供じみた試し行動でもない──はずだ。]
なんで、船なんだ。 説明しろ。
[ 腕組みし、桟橋へと向かっているシグルドの背に言葉を投げかける。]
[この三下、タマってそういう意味で言ったつもりじゃないよ――
そう教えてくれるような親切な家庭教師は不在である。なにしろふたりっきりである。
それにもしもお嬢がそう望めば、なんかそういう決定の末に同性のお友達になるという処刑方法だってリアルガチに現実になり得るわけであり……]
すいやせん!任せてください!
[荷物を揺らして、巨大な箱のごとき船の入り口を探す。
なんでこんなデカいカタマリが水に浮くんスかね、などとしきりに感嘆の声を上げながら。
もちろん、お嬢に恥をかかせるつもりなんてさらさらない]
お嬢その白い服めちゃくちゃ可愛いっス!
[心の声を大きな声で漏らしながら、桟橋の方を(ジェラルミンケース握った手で)指し示した]
あそこから入れるかもッスね!
行ってみましょう
[けしてお嬢のおそばを離れません。
ゆえに、乗船口であるかどうかひとっ走りして確かめてくるつもりもなさそうな口調で**]
― 客室 ―
[たぷたぷと、重い水音がしていた。
バスタブの中で、ふたつの人影が重なっている。
圧し掛かるようにして腰を振っているのは金髪の大柄な男だった。
その下で嫋やかな白い体が揺さぶられている。
金髪の男が動くたにび短い声が上がり、赤い髪が乱れて跳ねた。
室内とバスタブを隔てるのは透明な壁だった。
区切られた空間の中で、濡れた声がくぐもり反響する。]
「おい。高い商品なんだぞ。ほどほどにしておけ」
[部屋の中から声を掛けたのは、黒髪の痩せた男だ。
油断ならない目つきは鋭いが、今は同僚に呆れた色をしている。]
「いいじゃねえか。どうせ痕も残らねえんだ。」
[答えた金髪男が組み敷いた体にナイフの刃を滑らせる。
その瞬間はうめき声が上がったが、血はさほど流れず、すぐに止まった。]
「そういう問題じゃねえよ。ったく、飽きもせずによくやるよ」
「こんだけの上玉、手ぇださねえほうがおかしいだろ?」
[背中で交わされる言葉を意識から遠ざけて、囚われの"商品"は小さな息を吐く。
体が重い。あの甘い香りがどこからか漂っている。
足に絡みつく粘ついた"水"も、手錠も、銀の首輪も、全てが厭わしい。
けれども微かに心の琴線に触れるものがあった。
予感だ。魂響き合わせる者が近づいているという。
その瞬間を思えばこそ、苦痛も屈辱も甘美へと変わる。
背筋の震えを勘違いした男が、嬉々としてまた腰を振り始めた。*]
[ 彼女とはじめて出逢ったとき、
─── どのくらい前だったか。
もう少し、若かった。
…若かったから、だったのか
衝動的な"お買い上げ"だった。
──── 理由は、あったとも。
もっと 幼い頃の記憶のために。]
[ 父親は、 怒ることはなく、
只少しばかり 怪訝な顔で、聞いたのだ。
……あのひとは、 良く似ているから、
「女の趣味が変わったのか?」なんて そう尋ねてくる
否、 腹をたてた記憶はない。
柔く笑い、ぽつり と、]
" 従者、というつもりも、 女 というつもりもないのです。 "
" …なん、だろうね。
─── 僕にもわからない。 "
[ ─── ただきっと、 " " に 近いのです。
何と言ったのだったか、 …もう、忘れてしまった。]
ん?
可愛いのは服じゃなくて、私自身でしょ?
[とか言いつつ、指は髪をくるくる。]
[船から目線を外して、一旦辺りを見渡す。少なくとも見知った顔はない。誰か他に人はいただろうか。
こいつめちゃくちゃ力強いな、とか思いながら、示された桟橋の方を見止める。]
ん、じゃあ、行ってみましょうか。
[すたすたすた。重い荷物を持つ彼に手を差し伸べ――ることはもちろんせず、いつもより早い足取りでその入り口へ向かってみる。]
[ 結局、何かしらの仕事をさせなければ、と
……そういう経緯で、部屋に招くことになる。
コレクションに触れるには、知識だって必要だったし、
それなりの身なりだって、必要だったから
彼女がどんな生活を送っていたのか、そんなことは全く、こちらから聞くことさえなく
学問と マナーとを 教えるのは、自然と
──── 只ひとりの"ソマリ様"だ。*]
[ ─── 自然と"想起"していた。
車のなかが、静かだったから。…きっと、そうだ。
基本的に口から生まれたような男、
静かな空間であれど適当な話題を紡ぎ続けることが 出来たけれど
窓に写る 無口な少女の横顔を眺めつつ
…珍しくもそぅっと、 口を噤んだ。 ]
──── 港 ─────
[ 港につくまで、 静かだった。
窓の向こうを 紅といっしょに眺め見て、]
─── "
暫しの 新しい世界さ。
ほら、海に慣れておかないとね。
[ 運転手が扉を開けるから、とん、 と
ちぃさな背中を押した。
"先に降りる"のが従者 とか そういうのではなくて
海に近づくには、 それが一番手っ取り早いだろ?**]
[主が車の傍に留まったまま動かないのを察して振り返る。
視線が合えば、説明を要求された。]
ご不満ですか?
[返したのは答えではない。
疑問形だが、実のところ問いでもない。
ごく軽い揶揄だ。]
継承の儀に必要な時間を取ってあります。
儀式のこと、役目のこと、その他、覚えていただくことがいくつもあります。
準備に必要なものは全てここに揃えておきました。
[自分の胸に手を置き、一礼する。
その手を、差し伸べる形で主に向けた。]
それに、あなたと二人で旅する機会を逃したくはないと思いまして。
空白の時間を埋めるだけのものは、用意いたしましたよ。*
[ 不可知の術に守られて、客室の並ぶ階層へ進む。
通路は車椅子でも充分に通れる幅に作られていたが、長剣を振り回すことを想定されてはいない。
長居は無用だった。
ドアに記された番号を確認し、立ち止まる。
"兄弟"の調査によれば、そこが目的地だ。
そっと魂に触れてくる響めきも、そうと告げている。
律儀な潜入者は、ドアをノックした。
不意打ちや騙し討ちは信念に反するゆえ。 ]
[ それは、中の者の注意をひくのに充分な合図だろう。
拉致された当人にとっても、また。 ]
入ります。
[ 宣言とともに、ドアを開く。
ロックを解除するカードは、潜入作戦をお膳立てした"兄弟"が手配してくれた。
長身をわずかにかがめて室内に踏み込む。
この先は、臨機応変だ。 ]
「 ねえ、" "
あのこ、ご主人に逆らったから
"うみ"に落とされちゃったんですって。」
「 また来たの、
今度は誰が買われていくのかしら? 」
「 それにしたってひどい話よね!
だって、誰かが買われたとしても、
きっと あのこの"かわり"なのよ! 」
[ 適当に飾られた
"少女"同士の、"売り物"同士の、内緒話。
身元も知らない、どうして買われるのかもわからない、
おんなじようなこどもたちの、* ]
[ ─── 想像していた"海"は。
もっとずぅっと暗い空の元で、
"理想郷"等とは結び付いてもいなかった。
きっと聞いたこともあっただろう。
そう、家に招かれて未だ直ぐの時、
片付けの後、スペースの空いたテーブル越し、
辞書を開いて、紅を 向け、
( ……… 当時、文字が読めないぐらいの話はした。
必要じゃあなかったのだ。"送っていた生活"では。 ) ]
[ ─── と、
窓の向こう、扉の向こうへ、向かわせるよう
背を、押されたから。
仕事をしないと、と 買われたものは思う。
…とはいえ扉は運転手の仕事だった故、
すこぅし 迷いを見せ、
荷物を抱えて、港に出る。
ふたつの、白髪が揺れ、 ]
うみ……。
[ "しおかぜ"とか、其れだけじゃあなくて、
名前だけ知っている世界のものを紅に映し、
─── それでも感動らしい感動を見せないのは、
あまり見ていて楽しいものでも無い気がするので。
遠くに見える蒼を眺めた後、
( もしかしたら、昨日食べた魚も居るかもしれない。
…言わずともその程度は思った、きっと。 ) ]
─── でも、荷物を 置かないと
船は あちらですので、…ですよね?
[ 怖い、とか、きれい、とか、
例えば時折、主の隣に立つ彼女のように、
おんならしいことを言うべきなのだろうか。
…言わない"従者"なのは、もうしょうがない、けれど。
然しそれでも "するべきこと"は、どうしたって其れだから。
ぽつ と、乗船を促した。
別に、そう、
自分の世界を広めるための"ふたりたび"では無い。 ]
[ "うみ"に名残惜しさも見せないまま、船の方を示す。
チケットを持っていたのは主の方だったし、
荷物を抱えている自分じゃあ
手間取るのが目に見えていた ので、
…手続きは お願いすることになりそうだった** ]
[ 相も変わらず深刻さを払底した微笑みで、シグルドは応じる。
呆れられている感じはしない。バカにされているわけでもない。
ただ、彼は予測のうちという余裕さを隠しもしないのだ。
それが悔しい。
彼は、義務を並べ立てつつ、こちらのひっかかっている部分をくすぐるようなことを言う。
「空白の時間を埋めるだけのものを用意した」などと言われれば、悪い気はしない。
懐柔するにあたり、どんな手を用意しているのか。
仕掛けと知りつつ乗ってやってもいい。
差し出された手に、掌を打ち付けて、車を降りた。 *]
14人目、経営者 ディーク が参加しました。
経営者 ディークは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ぱしりと小気味良い音がして主が動き出す。
彼を先導して歩きながら、安堵の色を唇の端に乗せた。
船に乗ってしまえば、懸念の半分はクリアしたと言っていい。
洋上から逃げ出すことなどできないのだから。
但し、残りの半分こそが正念場だとも理解している。
互いにとって一つの、そして最初の試練になるだろう。
乗船手続きを終え、タラップを登る。
待ち受ける船は巨大で、揺るぎなく鎮座していた。]
― 部屋 ―
[用意された部屋に向かうのに、迷うことは無かった。
部屋の中は整えられ、衣類などは既にクローゼットに掛けられている。
テーブルなどには、見慣れた小物が置かれているのにも気づくだろう。]
夕食までは寛いでいてください。
出航は間もなくですが、甲板に見に行きますか?
[服を脱がせるよう手を伸ばしながら、今後の予定を告げる。
僅かに親密さを増した口調は、余人のいない部屋ならではだった。**]
[そして船内。
一流の乗務員達は勿論、乗客をあからさまにジロジロ見たりといった不躾なことはしないのだが、
少しでも視線を感じたらメンチきり返す心構えと警戒心を保ちつつ]
すげー
めっちゃキラキラッスね、シャンデリア号とかいうだけあるっつうか
あっ、船ン中なのにエレベーター!あそこアレエレベーターじゃないスかお嬢ー!デカっ!
畏まりました。
[手荷物は端に置き、それから言われたトランクスーツを確認する。
手にして運ぼうとすると、声をかけられる。
そのような心配など、全くしていないどころかそんな風に気を使われることが、逆に不思議に思う。
そもそも、逆に一緒に居たくないと言う方ではないかと…。
やはり、この男は何もわかっていないのかもしれない。
それは自分に好都合である。
荷物を運ぶのはいったん後回し、男の背にゆっくり近づき]
そのような心配など、しておりません。
それに、言いましたよ? 誠心誠意お仕えしますと……。
離れていれば、それも叶いませんわ。
ルートヴィヒ様……いえ、ルートヴィヒ
[男に後ろから抱き着くと、耳元で囁きかける。
お仕えの中には、別の意味をわざと含ませて……。
今は、これ以上はしない。まだまだ始まったばかりなのだから。]
[男に話しかけた後、改めて荷物を移す。
女の細腕では、動かすのも一苦労のそれを楽々と。
運び終わり、戻ってこれば仕事を進めているようである]
ルートヴィヒ様、お茶でもお入れしましょうか?
それとも、珈琲の方がよろしいでしょうか?
[どちらにしろ道具がないので、頼まないといけないが、まずは飲み物だけどもあった方が良いと確認をする。
そのさい、摘まめる物も同時に頼めばいいだろう*]
[案内される道中、お嬢に恥ずかしい思いをさせるつもりは勿論なかったので船中に響き渡るような大声を出したりは、していない**]
……、……
[運転手に開けられたドアから
潮の香りが ふわり…… と 差し込んだ。
この匂い。何年ぶりに嗅いだのだろう。
父の会社を飛び出して単身起業をして
殆ど休みなしに事業が軌道に乗るよう
走り続けていたから
学生の時以来だとはわかるが
年数を数えるのは
加齢を自覚してしまいそうなので
やめておくことにした。]
[車から降り、運転手から旅の荷物を受け取る。
余分なものを好まないゆえに
トランクひとつに全て納められていた。]
……すまない。少し寝ていたな
[先まで後部座席の隣に並んで
座っていただろう男に非礼を詫びながら
タラップを目指す背は真っ直ぐに伸びている。
旅立ちの前夜も深夜に及ぶほどの
避けられない社交の席はあった。
音の静かな黒塗りの箱に揺られながら
つい意識を手放してしまったのは
近くにいる男への信頼の表れでもあっただろう。]
今回の旅は
日頃の感謝を込めて誘ってもいる
仕事以外のときは
羽を伸ばして自由に楽しんでくれ
[そんな声を掛けて、船へ乗り込んだだろうか。*]
[ 運転手のいなくなった車を振り返ることはしなかった。
自分は、ものに執着しないタチだと思う。
ごくわずかな例外を除いて。
その例外が前を歩いてゆく。
ちゃんとついてきているか、いちいち確認されるようなことはなかったが、随所随所にエスコートの所作は感じられた。
いっそ慇懃なほどに。
彼の忠誠心はどこに向いているのかと問い詰めたくもなったが、どんな答えが返ってきても安堵できない気がして止めておいた。 ]
[ 通された部屋は、必要充分な程度に快適さを保証されたスイートである。
すでにシグルドの手が入っているのは一瞥してわかった。
いろんな意味でクリーンになっているだろう。
一方で、見慣れた品がちらほらと見受けられるのには、わずかに眉をあげた。
確かに、それらが手元にあればすぐ使えて助かるし、リラックスできる気はする。
しかし、家を出るときに残したものばかりではなく、寄宿先や大学のロッカーに置いておいたはずのものまであるんだが、どういうことか。
しれっと、寛ぐよう勧める侍者に問いただすのは諦めた。 ]
[ 服を脱がせようとする手を止めることはない。
クローゼットに視線をやりながら、己の希望を告げる。 ]
これだけの船なら、トレーニングルームもあるだろう。
今日の分のトレーニングをしたい。
[ トレーニングウェアが出てくれば、手早く着替えた。
ここでも、シグルドの手を借りることを拒みはしない。
彼が着付けてくれると、なんであれ身体にフィットする気がして心地よい。
一人暮らしを始めてしばらくは、自分で袖を通した服に違和感を覚えたものだ。
喪章代わりに、黒いスウェットバンドを腕にはめる。 ]
[ 昔、 船に乗っていた。
─── "豪華客船"なんてものじゃあなくて
もっと……薄暗いもの。
ある 晴れた日。
澄んだ空のもとだった。
まだ10代の"青年"は 甲板に立ち、海を見下ろしていた。
足元には畳まれた服と、靴とが象徴のように置かれている。
──── だれか の いきた"象徴"だ。
彼の"だれか"は発見されることもなく、行方不明として家族に知らされる。
きっと そう、 つめたいうみのそこ*]
[ ……軍役時代を思えば、男にも "うみ"に良い思い出は少なかったが、
いつか、 珍しくも物の少ない机の上で
辞書を広げて Sの欄。
Somariと言えば猫の品種が出てくる、 とか そう言う話をしようとして、
偶々、 "うみ"に 目が止まったのだろう。
( 当事、 質問を聞いたとき、
すこぅしだけ、 "どうして?"と
彼女の生活を 聞き起こしてみようか、
……そうも、思ったけれど、 )
指先で"うみ"の文字をなぞり、ちぃさく首肯して、]
…そして、 跡形もなく消えてしまうんだ。
──── 死に姿は、 あんまり見られたくないよね。
[ まるで、 だれかのあかしを 肯定するように、*]
[ ちぃさな従者のとなりに、並び立ち
"うみ"を 眺めている。
──そんなに、眺めて面白いものじゃあない。
近くに"目の保養"でもあれば 楽しくはあるが、
…此処は、 港なので。
白砂のビーチじゃあ なく。
だからといって彼女にも、同じ様を求めたわけではなかったが、
感想ひとつない少女に すこぅしばかり笑ってしまって、
( らしいな、 と思ったのだ。
きっと昨日食べた魚を思うくらいの
"知識"は 浮かぼうけれど、 )]
──── よし、 海への挨拶は済んだみたいだね。
これから飽きるほど見るよ。
[ 荷物ひとつ、片手に下げ、
タラップを昇る足取りは 軽い。]
──── 部屋 ─────
[ ちゃんと"豪華客船"の室内だった。
よく知っている艦内の部屋は、大体四人部屋であるので…… ]
[ 荷物を適当に置いてしまうと、
( これだから部屋が荒れるのである。 )
先ずは くるくる 調度品を見回して、
ベッドとか、 バスタブとかを眺め、]
─── うん、 スイートっぽい。
[ …等と、本当に"わかっている"のか怪しい感想を述べて、
まずは、 と 鞄のひとつから ちぃさな写真たてと
あんまり趣味のよくない犬の置物をベッド脇に 立てた。 ]
[ …その際、鞄のどこに何があるのか、
探りながらだったもので、
引き出された荷物が床に散らばっていくのは、
──── もう、いつもの景色**]
/*
現代()って感じだよな。
軍人さんに人外もいるし…。
はい。相方が許すなら人外もいいとあったので人外にした人。
元はね…逆だったのよ。
なのにこうなった。
そして私は襲う事が出来るのだろうか。
実はかなりびくびくしています
そうか?
期待しているよ、ありがとう……!?
[彼女の言葉を額面どおりに受け取ったが、後ろから抱き着かれるとしたらそれは話しが変わってくる。
ばっと彼女に向き直り、警戒露わな目でカサンドラを見据える。
彼女のその言葉が自分への挑戦……ないしは年若い跡継ぎをからかうものだと判断したのだ。
そして、彼女からしてみたら自分の存在というものは、ただの人間で、彼女からしたら食材でしかないという現実を目の当たりにした気がする。
メイドという立場であることが当たり前すぎて、自分がそのような目で見られていることを忘れていた。
自分は彼女を少し、違う目で見ていたから、気づきたくなかったのかもしれない]
……ああ、そうか。ボディガードとしての役割もあったね。
私から離れていれば役目が果たせなかったか。済まない。
[とっさのことに、常日頃使っていた言葉遣いの方が漏れてしまう。
そこに動揺が現れたことに自分でも気づかずにパソコンの蓋を閉じた]
終わったか、ありがとう。
そうだな、コーヒーを頼むよ。
キリマンジャロで……いや、なんでもいい。
[家にいるつもりで当たり前のように銘柄を指定してしまったが、ここでは準備はどうだろうか。
会社にいる時は、泥水のようなアメリカンコーヒーをがぶ飲みしているのだから、人間は環境に順応する生き物でもある]
じゃあ、俺はあっちで作業してくる。
茶の支度が済んだらノックをしてくれ。
[先ほどのことがあって、幾分か警戒してしまう。
彼女に後ろを見せないようにして隣の部屋に入ろうか。
彼女が本気になれば自分の後ろを取ることなど簡単で、自分を殺すことなどできるのだろうけれど。
……それを彼女がしてしまえば最後、彼女は永遠に後悔することになることを自分は知っている]
さて、と。
[船で目的地に向かうのは、時間稼ぎができるからだ。
自分はこの船の中で作業を済ませなければならない。
スーツケースを次々とあけて、中から色々と物を取り出すと床に順序よく番号順に並べていく。
時間があるとはいえ、多すぎるわけではない。不具合が生じた時のことも考えて対処しなければならない。
さっそく作業に取り掛かろうと没頭し始めた*]
─── 部屋 ───
……猫じゃ 無いん、ですね。
[ 豪華客船どころか、船の中すら知らなかった。
"スイート"らしい室内を見回して、
主の鞄を端に揃えて……置いたのだけれど、
嗚呼、何時ものこと!
主が持ってきた諸々を出す光景は直ぐ見ることになる。
……散らばった物を拾い上げながら。
果たしてこれらのうちすべて使うことはあるのだろうか。
最低限の荷物だけ持ってきた自分と つい比較する。
犬の置物と、誰が居るのか、写真をちらと見遣り、
"感想"をひとつ投げ、何時も通りのお仕事。 ]
[ ひとつ、ふたつ、拾って。
置物の類はテーブルの上に並べて、
衣類はハンガーにかけて、
…此れだって数年経てば慣れたものだった。
……自分が仕事をもらう時までどうやっていたのか、
すこぅし不思議ではある。
"従者"であることは勿論、
抑も、"自分"である故、
昔を問うことなど、きっと 無いけれど。 ]
[ 只、柔らかな絨毯に、
まるでどうでも良いものみたいに転がったちぃさな箱。
何気なく中身を見てしまった 時は。
流石の"従者"も、─── すこぅし驚いた、と、思う。 ]
─── ソマリ様 これは、
ちゃんと 持っておかないと いけないのでは…?
[ ぱたん!と勢いよく閉じて、
"ゆびわ"の入ったちぃさな箱を、差し出した。
( …多分主は未だ部屋を飾っている途中だった。 )
見てよかったのか、程度には弁えていた。
自分には、
─── 何時かの "自分たち"には
縁のないものではあった、だからこそ。 ]
[警戒心はあると……。
腐っても、あの一族の子か……それとも女に対しての警戒か。
どちらにしろ、あるのだけは解ったからよしとし、その視線を微笑みで受け流す]
ええ、そうです。
解っていただいたようで、ほっとしました。
[にっこりと笑いかける。
相手があからさまに動揺しているのが見て取れたからである。
ボディーガードと言っても、四六時中張り付いているものではない。
ましてや同じ部屋でなくても、とっさに対応をすればいいのだから。
その対応も、自分には出来るものである。
が、今はそうではない事にしておいたのであった]
畏まりました。
[頭を下げて受ける。
何でもいいと言うが、これくらいの船だ。豆くらいはそろえているだろう。
頼めば答えてくれるはずだが…道具を貸していただけるかどうか。
それは聞いてみないと解らないだろう]
畏まりました
……が、お坊ちゃま。何をそんなに警戒しているのですか?
とって食べようなんて、思っていませんよ…。
[まだと…にっこりと笑う。
本当の意味で、食べられると警戒しているように見えたからつげる。
でも、食べるの意味はそうではない。
視線を落とし、一か所をじっと見た後、視線をあげてもう一度笑いかけながら見おくるのであった]
[もう一つの部屋に見送った後、備え付けの備品を確認していく。
それから電話を手にして、ルームサービスを頼む。
珈琲とサンドイッチを…。
珈琲は、こちらで淹れたいので出来るかと、確認をとれば出来るとのこと。
その一式を頼む。
しばらくすれば、サンドイッチと、珈琲を入れる一式が届けられるので、テーブルの上に置き、手順通りに珈琲を入れると、部屋には珈琲の匂いが充満していく。
出来上がると、隣の扉をノックし]
珈琲が入りました。
何かお腹に入れておいた方が良いと思い、サンドイッチも用意させていただきました。
[声をかけるとテーブルまで戻り、砂糖にミルク。
お手拭きなどを用意し、主が座る椅子の横で待っているのであった**]
[トレーニングをするという主のために、ウェアを用意する。
靴下に至るまで着替えを手伝った後、自分もまた運動できる衣服に変えた。
喪章のみ、揃いで身に着ける。]
では参りましょう。
[待たせることなくタオルやドリンク等を用意して、部屋の扉を開けた。]
― トレーニングルーム ―
[シャングリラ号は、トレーニング施設も充実していた。
トレーニングマシーンの並ぶジムやフィットネススタジオ、併設のプールやサウナは勿論、マット敷きの柔道場なんてものまである。
荷物を手に前を歩きトレーニング施設の前まで案内した後は一歩身を引き、どれにしますかとばかりに主を窺った。**]
── 半年前:邂逅 ──
[半ば勢いで興したITベンチャー企業は黒字。
VR配信技術を利用した初の試行で
悪くはない走り出しを決めていた。
目下の悩みは、次なる試みである。
社内に具体的なアイディアを提示していた。
間違いなく「流行る」と思うのだが――、
数を増してきた社員たちの間では
消極的、乃至批判的な意見が目立った。]
[社員を全員退社させたあとの
小さなレンタルオフィスの一部屋で
ひとりごちる。]
……この案は、諦めるべきか?
[己の直感には、自信があった。
反対を押し切ってでも、形にしたい。
――けれど、万が一。
事業を傾かせてしまったら?
最近数を増してきた社員たち……、
彼らを路頭に迷わせる訳には、いかない。]
……む。済まない、直ぐ出る
[答えは出ないまま利用時間が過ぎ
回ってきた警備員に促されオフィスを出た。
考えついた案を成功させたい欲と
会社を大きくしたい欲。
その二つを燻らせながらの帰宅の途。]
[話し掛けてきた目的を察した。
オレを占い、対価を得たいのだろう。
然すれば。
躊躇いなく手を伸ばし、顎を掴み持ち上げた。
ベールが僅かに捲れ、その顔が良く伺える。
ワインにも血液にも見える、緋い宝石も。
……此奴は、衣装と道具で損をしている。]
ふ……良い瞳だ
お前の眼には何が映っている?
オレに何を魅せてくれる?
[堂々たる男は微笑い、問い掛けた。
ひとひらの欺きも見逃す心算はないとばかりに
真っ直ぐに射抜きながら。*]
[しばらくするとカサンドラに呼ばれる。
どうやら、珈琲はわざわざ彼女が手ずから豆から挽いて淹れてくれたようだ。
インスタントでは嗅げない、かぐわしい匂いが客室の中に広がっていた]
ありがとう。
気が利くね。
[サンドイッチまで用意されていると思わず、先ほどのことも忘れてほほ笑む。
かといって、完全に気を許すわけではないのだけれど。
用意された椅子に座るが、あえて彼女には前の椅子に座るように指示をする。
控えるように椅子の後ろに立たせるのが、使用人の務めなのだが、それだと彼女の姿が見えず自分が安心できない]
座りなさい、カサンドラ。
この旅では君は俺のパートナーとして同伴してもらうから、その練習も兼ねておこう。
君は、あまりそういう扱いを受けるのに慣れてないのではないか?
[自ら椅子を引くではなく、前の座席を指して彼女に着席を促す。
邸宅の中に閉じ込められて、彼女もそれをよしとしていたようだった。
そのせいか、カサンドラは人らしい容姿はしていても、どこか行動がちぐはぐで、あまり人らしさがなく映るのだ。
当たり前といえば当たり前なのだけれど]
ところで、ここにはカジノやプールもあるようだけれど、君はその準備をしてきているのかな?
[父がカサンドラをどのように扱っているのか、扱ってきたのか知らない。
メイドとして働いているのだから給金は出ているのだろうけれど、それがいくらなのか、雇用条件すら自分は知らない。
自分がなんの説明もしていなかったのだから、それらの設備があることすら彼女は知らずにいて、その準備をしてきていないはずだ。
知っていたとしても、自分には必要ないと思っていたかもしれない。
こう言い出したのはもちろん訳がある]
カジノに行くなら正装が必要だ。
そのためのドレスと、プールのための自分用の水着を買ってきなさい。
客室につけておいてくれれば、後で俺が支払う。
……大丈夫だよ。俺は船室から出ないから、君のボディガードは必要ないさ。
[自分の方は荷造りを執事に頼んでいたのでフォーマルも水着も入っているはずだ。使用する使用しないに関わらず準備されるからこその大荷物なわけで。
あからさまに彼女を遠ざける命令だが、彼女にしても文句は言えないだろう。
とって食べようと思っていないと言われても、その言葉を額面通りに受け止めるようなお人よしはここにいない。
サンドイッチを口に運びながら、どことなく彼女から視線をそらしている]
水着だけでなくそれに伴う日傘とかパレオとか、必要そうなものも全部、店の者にきいてそろえておいで。
ドレスもそれに合うアクセサリーも買うように。
君がたとえ散財したとしても、この船にある程度ではたかが知れているしな。
ただ、あまり悪目立ちするようなことは控えてくれよ。
[そう念を押すのは忘れなかった*]
お嬢、たぶん平気だと思うッスけど、中みてくるんでちょっとだけ待っててもらっていースかすいません
[用意されてた部屋はスイーツルームらしい。
廊下にお嬢を立たせるという怒られムーブを起こしながら先に入り。
出航前の港が一望できるバルコニーや窓のカーテンを閉めてまわり、室内の各ドアを開けてから、お嬢を部屋に呼び入れる。
おじきの娘がこの船に乗るっていうのは極秘で、誰にも嗅ぎつけられてはいないはずだったけど。なので当然リラックスした楽しい旅行をお嬢には過ごしてもらえるはずだけど。
お嬢が一人で過ごすだろう客室のチェックくらいは至極真面目にこなす]
[廊下との間の鍵をしっかりかけてから、今度は改めてクローゼットやベッドの下まで安全確認して回る、のだけど]
部屋の中にまた部屋があるとか、もう家じゃねーか!
あっお嬢ーー荷物ここでいースか?うわぁデカっ、ベッドデカっ!ソープかよ
お嬢ーお嬢なんか夢みたいッスねーえっへへへへ
[すごい勢いで、備え付けの大型クローゼットを開けたり閉めたり開けたり閉めたり*]
うん、 これは "おくりもの"だからね。
[ アメリカ国旗を背負った不細工な犬は、
おくりもの、であり "オマージュ"。
─── "仕事"の内容は 大分違うのだけどね。
それでもいつも連れ歩いてしまうのだ。
きっと "猫"だから。
──── 写真たてを一瞥した後、
犬のとなりにそっと 倒した。]
[ ─── 部屋に招く人が居なかった頃、
足の踏み場なんて "部屋の主"にしかわからない
…そんな、部屋をしていた。
服は、使用人が綺麗にしてくれているので
クローゼットは別にあったから、身なりがぐしゃぐしゃになることは無かったけれど
増えていく"自分のもの"に 埋もれる様、
─── いつか 自分さえ立つ場所が無くなるような
何れ"好事家"等と呼ばれるようにも成れど、
実際はきっと、 そう 興味はなかったのだろう。
きっと "あかし"だけを 集めていたのだ。]
[ いつか、跡形もなく消えてしまった、
名も知らぬ誰かの"あかし"は
結局甲板に揃えられていた其等しか無くて
─── 私物の持ち込みなんて殆ど許されなかったのだ。
仕方がない。
柩の中に納められたものだっておんなじ。
死に顔を覗かれるよりは、良いのかもしれない。
"空"の箱を 見下ろして、
R.I.P 漸く名前を知った、"誰か"]
[ それぞれの置物に場所を与えつつ、
"従者"の服だけは皺を伸ばしてハンガーにかけたりして
( 己のものは彼女に任せてしまって!)
……そのうちに、とりあえず連れてきたあの、ちぃさな箱を
全く頓着せずに投げ捨ててしまっていたことなんて
言われるまで気がついちゃあいなかった。]
どれ……?
[ もう、 持ってきていたことさえ忘れているから
返事はぼんやりとした其れで、
手渡された箱だってぼんやりと眺め、
──── あっ、 みたいな
そんな調子。
そのうち 苦い顔をして、中を確かめることさえせず、
ナイトテーブルの引き出し、聖書の上に ぽんと 放ってしまって
無かったかのように仕舞い込んだ。
よし、 と口にまで出して、]
――いえ、これくらいは当たり前のことです。
[頭を下げて、そのままそこに居ようとするが間に座るよう指示される>>152>>153
なぜと思っても、命令は絶対なので、男の目の前の椅子に座る事にする]
解りました。
……慣れると思いですか?
[パートナー代わり…それをさせると言うのは、昔…彼の祖父がまだ当主をしていたころ、奥方が居ない時にお気に入りのメイドを着飾り連れて行ったことがある。
一人では寂しいし、社会勉強をさせてとかもっともな理由を付けていたのは覚えている。
そしてそれがいかに良かったかと、自慢話も聞いていた。
それに近いのだろうと思うが、やはりなぜ自分をと不思議に思う。
そういうのに適任は他にもいると思うから。
扱いについては、そもそも家畜的なものである。
わざわざ聞いてくれと言う事は、知らないのだとうかがえるから、視線は冷たいものになってしまう]
いいえ。しておりません。
そもそも、出来るものがありませんよ。
[与えられているものなど、持ち込んだもの以外ほとんどない。
必要最低限のものしか与えられず、また給料と言うのもないのである。
物以外で与えられているのは、目をつぶると言う…それだけである。
そもそもドレスは良いとして、プールに関しては嫌そうな顔になってしまう。
水着になりたくないと言うのではなく、外なら日差しの心配をするからである。
が、彼が行くと言えばついていくしかない。
用意するしかないのだろう。それどころか、もしかしたら追い出したいのかもしれない]
ありがとうございます。
ですが…ルートヴィヒ様、お忘れですか?
私は、そういうのものに疎いのですよ。どんなものが良いのか解りませんわ。
貴方様が私をパートナーと仰るのでしたら、貴方様のパートナーとして相応しいものを選んでいただけませんか?
[前かがみになり、覗きこむように見つめて微笑む。
自分的な趣味で選ぶのもいいだろうが、わざわざパートナーの代わりに指名するのだ。
それに見合うものではないといけないだろうが、相手がどんなものがいいなど知る由もない。
なので、初めから選んでもらうのが早いと思ったのと、心配なら見張ったらどうですと暗に告げるのであった*]
デール カシュクール バーテン服 青いツナギ
怪獣の着ぐるみ ナイトガウン ░▓▒▓ 浴衣
どんなのが出るか。
もぉ、大げさ。
[わざわざ確認などしなくても、あのセキュリティである。そうは言ってもこれが彼の仕事なのだから、仕方ないけど。
片足をとんとんとしながら(それこそ足首をぐねらない程度に)、扉の向こうからの声を待つ]
ねーもう入るよー?
[目立ったリアクションがなければそれが安全の合図と思って、そこそこに入ってしまうのだけど]
ソープと夢を並列にするな。
[チョップ。あながち間違いじゃなさそうなのは、はまりこむ客の情報から何となくわかるけども。]
荷物は適当に、わかるところに置いてくれればいいわ。
で、ツェーザルはどうするの?
[どの部屋で過ごすの?という意味合いを込めて。行き先がないならば、別にこの部屋でも不都合はない。もっともミーネ側の都合だが]
ッあ、すぃやーせん
[失言してたことに気づくのはチョップされてから]
じゃあこのへん置いときますね
……で、
[安全確認を終えた部屋を見回して、]
えーと、お嬢早速船の探検でも行きます?
それか休んだり着替えたりすンなら、俺ドアの外いるんで
[お嬢と同じ空間で寝るなんてとんでもない!
なのだが、何泊もの間、廊下でドアを塞ぎシーサーのごときヤンキー坐りしたまま過ごす方がよほど不都合ということに気づいてない]
探検!
良い響きね……
[わざわざこんないいところに来て休むなんてとんでもない!]
[不都合はない、と思っていたが、着替えだけは確かに不都合だなあ、と言われて気付く。こやつ意外と気が周りよる、なんて。]
カッコはこのままでいいや。
別に汚れてもいいような服だし。
むしろ……
[と思案の表情を浮かべたが、とりあえずこの場では飲み込んで。どうせ今解決できることでもない。]
いいや、いこ!
何があるんだろうね?
っしゃあ!
[一先ず部屋の様子を確認すれば、気合いを入れて飛び出す。
探検、(それはいくら家柄にケチがつこうと)箱入りの女には実に耽美なもので。まして今日は小うるさいのもいない、当たり前である、お供の選定基準のひとつなのだから。]
[さて、どんな冒険をしてやろうか*]
慣れているかどうかなんて知らない。
俺は君のことをほとんど知らないから。
同じように君も俺のことを知らないだろう?
[>>163自分はどうやらどうやら彼女の地雷を踏んだようだ。
しかし、そんなことは知ったことではない。
カサンドラと我が一族の因縁を聞いてはいるが、それの真相など誰からもきいたことないし、彼女とまともに口をきいたのもこれが最初だ。
大体、最初にからかおうとしてきた者の機嫌を取るつもりも必要もない。
それが使用人であろうと、自分より目上の者だとしても、同じである]
出来るものがない……?
それではどのように暮らしているのだ。
[その言葉から、彼女が最低限のものしか与えられていないだろうということがわかる。
それならば、彼女が持ち込んでいたトランクスーツの中には何が入っているのだろうか。
現物支給であるというなら、彼女自身の楽しみはなんだというのだろうか。
いや、人間くさい俗物の物事に興味がないのかもしれないが]
どんなものでも構わないさ。
俺のパートナーのセンスが良かろうが悪かろうが、俺は考慮しない。
店の者に見繕ってくれ、と言って体を委ねれば、サイズに合うものを出してくれるよ。
こういうところに入っているブティックだ。
何を選んだとしても、大して変わりはないだろうよ。
[うんざりした顔を隠しもせず、手を振って雑にそう答える。
そこにはオシャレにうるさい妹がいる兄の顔が見えていた。
服の見立てにつきあわされて、あれがいいこれがいいとなる拷問を思い出して頭が痛くなる。
もっとも普通の店に足を運ぶのではなく、外商を家に呼びそこで持ってこさせた物の中から気に入ったものを購入するというスタイルなのだが。
それでも、「お兄様、どれがわたくしにお似合いだと思って?」と延々とファッションショーを見させられるのは男には苦痛でしかない]
大丈夫。カサンドラは綺麗だからね。
何を着ても似合うよ。
それに、こんなところで騒ぎを起こすほど、バカじゃないだろう?
[カサンドラが血の衝動に囚われて騒ぎを犯さないことを暗に仄めかし、一人でいさせても不安ではないことをアピールする。
実際、カサンドラの傍に一番いてはいけないのは、一族……特に当主である父を除けば直系男子で秘匿に近い跡継ぎである自分の方である。
自分たち一族がカサンドラを生かしている理由。
カサンドラが自分一族を死なせない理由。
それは過去の奪った力を失いたくないという同じ理由に起因していて、危うい均衡を保ってきている]
君がどうしても一人で行きたくないというのなら、仕方ないから諦めるだけだけどね。
[カサンドラと二人で行くというのなら、ドレスや水着を買わせないと言外に匂わせて。
そういえば、と気になった]
カサンドラは欲しいものはないのかい?
うちの父には言いにくいだろうし、もし必要なものがあったら言いなさい。
人に危害を与えるものはダメだけどな。
[もっとも金を渡した方がいいのだろうけれど、彼女と行動できるのはきっとこの旅の間だけ。
彼女に金を渡したとしても、きっと本邸に戻れば彼女が物を買うチャンスは失われるだろう。
彼女がわがまま言えるとしたら、今しかないだろう*]
/*
ああああああああ、好き。
もう好き。
別に要らないしなぁ……。つか自分で選ぶとしたら、露出度の高いものになるがいいのか、坊ちゃん
ごるぁ!
[お供します!>>167
室内なのにスカジャンも脱いでないまま。ただ荷物がなくなったので身軽さは100倍で]
いっこの船にレストランたくさん作るとか、金持ちのやるこたわかんねぇーー
どこ行きたいッスかお嬢?
[バー、甲板、ジム、プールにショップにミニカジノや映画館まであるらしい。
もう街じゃねーかという豪華客船だ、ただみて回るだけでも楽しいに違いない。
小うるさいまっとうなボディーガードしゃないかわり、エスコートのエの字も知らない三下従者。
ぱたぱた尻尾振る勢いで、まずはテッペン目指しますか?などと馬鹿か大物が言いそうな台詞*]
[言う事は、もっともだが>>168、同時におかしいとも思ってしまう]
もちろん。何も知りません。
ですが、貴方様と私では立場が違います。
あいつらが貴方様の事を私には何も言わないでしょう。
何か一つでも知られることを恐ろしく思っていそうですから。
ですが、貴方様が私の事を知らないのは不思議。
あいつらから、あれこれ教えられていると思っていましたよ。
[どういう扱いをして、如何すればいいのか…そういうのはしっかりと教え込んでいると思っていたから。
だからこそ、知らないと言うのが不思議なものに思う。
それを伏せていると言うのもがあるが、伏せる意味もない。
ではなぜと思っても、答えなど浮かばないのである]
どのようなって聞かれましても、お屋敷にいるだけです。
毎日、仕事をこなしているだけですよ。
[普通なら休みがある。休みの時は出かけたりする人もいるが、自分にはそんなものはない。
外に出られるのも恐いのだろう。
外に出るとしても、何かを命令された時だけ。しかも決められた時刻までに戻らなければいけない。
だから、物など必要最低限しか必要ないのである]
そう言うものですか?
[こういう場所だから、関係ないのかもしれない。
どんなものが解らぬ手前、言われるとそういうものなのかもとも思ってしまう。
それよりもずいぶんとうんざりしているのは、どういうことか>>169
買い物とは、そんなにも大変なものなのか…。
自由だったか頃は、好きなものを買ったり、買わせたりはしていた。
ざっと見て、欲しいものがあれば買う。なければ買わない。
そんなシンプルなものだったために、うんざりする理由が思い浮かばなかったのである]
………。
[驚いて今うのは、あの一族のものから、そんな言葉が出てくるとは思わなかったから。
何を言っているのだとみてしまうのは、仕方のない事である]
騒ぎは起こしませんが、つまみ食いはするかもしれませんよ。
[信頼を感じるからこそむず痒い。
だからこそ、するつもりもない事を口にする。
どれが良くて、どれがダメか解らなぬのなら、初めから手出しをしないのが無難。
それこそ、ダメなものに手を出して、騒ぎになれば、もしかしたらルートヴィヒから彼の父親に連絡がいくかもしれない。
そうすれば身の破滅も待っているからである]
かまいませんよ。
手にしたところで、貴方様がそのような場所に赴かなければ宝の持ち腐れ。
買ったところで、一生出番などありません。
[無くても困らないから、買い与えないと言われても別に構わないのであった]
…おかしな事を聞く方ですね。お坊ちゃまは。
私が欲しいものなど、ただの一つだけ。
ですが、貴方達はそれを渡す気がないのも解っています。
でもそうですね……もし、それを口にすればルートヴィヒ様は叶えてくれるのですか?
叶えてくれると言うのでしたら、口にしますが、叶える気がないのならであれば口にしません。
[何を言い出すのかと、苦笑いを浮かべる。
聞かなくても、欲しいものなど一つだけなのに。
だが言っての通り、それは手にする事は出来ない。
が…代案的なものは浮かぶ。浮かぶが、先にそれを口にすれば断られるのは解っている。
だからこそ、先に叶える気があるかどうか、確認をするのであった*]
[選択肢が多すぎると選べないのが人間というもので。カジノもレストランも魅力的である。
しかし何よりも素敵なワードが耳へと届けば]
いいね、テッペン。
やっぱヤクザの娘たるものテッペンから目指さないとね。
[お供にとって誤算だったかどうかはともかく、ミーネもまた馬鹿である。]
[初めての感覚に
(これは一体…?!)
と頭は疑問だらけのままなのに
身体が勝手に動いて
顎に掛けられた手を取って、目の前に開く。
すらりと長い指、
その下の掌に皺として刻まれた
星々がキラキラと飛び出して
ここだよ!ここに居るよ!と主張してくる。
正直、煩い程に。]
[もっと立ち入った解を求められるなら
ケルト十字をタロットで切ったり
機を見るために易を用いようとするだろう。
ただ、カードや64掛の意味はうろ覚えだから
マニュアルを隠し読みするハメに。
その時も、たくさんある意味の中から
文字が濃く浮かび上がって
紐解く助けになってくれはしただろう。
(最近、ろくなモン食ってないから
目眩とかって可能性もあるよなぁ…?)
と、自分でも半信半疑な能力が
“確信”に変わる報告は
私の記憶が間違っていなければ
若いのに威厳すら感じられる
この青年実業家から齎されることになった筈だ。*]
俺が君について知っていることは、君の能力のこと、君を警戒すること。
どういうものを食べ、どのように過ごさせるか、くらいなものだ。
そんなの、知った内に入らないだろう?
いうなれば、猫の種族名と飼い方を知っていても、飼おうとしているその猫の性格や好みや癖を知らないのと一緒。
俺と君はそのような関係ということ。
それと、俺が君のことを知っているとしてもそれは全て伝聞。
本当の君とは限らない。
教えられていることを全て信じ込むほど、俺は素直じゃないんだよ。
[言ってることがわかるかい?とほほ笑む。
最低限の扱いは知っていても、最高の扱いは知らない。経験がないから。>>173
カサンドラと相対していないから、最低しかカサンドラが経験がないということの理解が薄かったのかもしれない]
……つまらなくないか?それ。
確かにあまり君を外に出させるのも危ないと思うのかもしれないが……。
[>>174屋敷にいて毎日仕事をこなす。というカサンドラに思わず沈黙してしまう。
君の力なら、別にそんな命令をきかなくても大丈夫じゃないのか?と眉根を寄せて彼女を見つめる。
人に擬態して生きること自体が、彼女には無理のある生活。
ただ息を潜めている方が楽なのかもしれないが……]
つまみ食い、だけで済むならいいんだがそうならないだろうから、それを許可できないな。
俺が行かない?
さぁ、どうだろうな。船を降りた先でパーティーがあるかもしれないぞ。
船の中でしか買うチャンスがないだけだ。
[そうなったらそうなった時だが。
ちらっとカサンドラを見る。彼女はやはり気づいていないようだ。
父が自分にカサンドラを預けた理由を。預けられた理由を。
自分の中で一番危険な存在であるカサンドラだが、彼女の目的のためならば全力でこの自分を守らなければならない矛盾。
それ自体を彼女は知らない]
君が欲しいものは知ってる。そしてそれを与えられないことを君は知っている。
だからそれ以外であるのはわかっているだろう?
叶えるとはどういうものだ?
買うことができるもので、この船の中で手に入るものならという条件でなら、君の希望をかなえたいと思う。
無理なものは無理だ。
[なぜか言い渋るカサンドラに、言わなければわからない、と先を促す。
珈琲をすすり、旨いと呟く。
これだけのものを作れる仕事をしている相手に報いることをしない歴代カサンドラの主人に少し腹が立っているのかもしれない。
間接的に自分の一族に幸をもたらしている相手。
命を狙われているのは当然であるけれど、それを恨みで塗りつぶすのはわからない。
そう思うのは自分が生まれながらにして恵まれて育っていたせいだろうか*]
つまらないと言ったところで、どうにかできるものではありません。
それに貴方様が、そんな顔をする事もないでしょうに。
…でしたら、貴方様が当主になった暁には、外に出る許可をください。
それだけで十分です。
[儚げに微笑み、ささやかな望みを口にする。
これだけでいつか、外に出れるのなら安いものである。
外に出したくない理由…それには気づいてないようであるから。
もしもの怯えである。
私は抑えていても、私ではないものを抑える事は出来ないから]
[許可を貰えるなんて初めから思っていなかったので、やはりの答えに肩をすくめる。
降りた先の事を言われれば、引き下がるしかない]
解りました。では、何か見てきます。
そうですね。せめて色の指定だけはください。
話のネタの一つを提供してくれるぐらいは、良いですよね?
[指定されなくとも、誰かに話すときには、盛るつもりでいるので構わないが真実味を持たせるなら、指定された方が楽である。
それよりも、何かを探る視線は何だろうか。
――警戒。それ以外が浮かばないので、警戒を解くから始めるかはてさてと考えをめぐらすのであった]
もちろん、解っています。
買う事は出来ませんが、この船の中で手に入るものではあります。
ただ、無理と言われると、悲しいものなので叶えてくれると言う保証が欲しかったのですが…。
無理と言われると思いますので、願いは諦める事にします。
諦めますが、貴方様の慈悲の心は嬉しく思いますので、それで十分です。
[瞳を伏せて、ゆっくりと首を振る。
叶う事など無理だと解っていると言わんばかりに…。
気持ちを受け取るのは本当の事だが、どうにも打算が含むようなものになるのは仕方がないだろう]
それでは、買い物に出ますが…何か買ってきた方が良いものはありますか?
ついでに買ってきます。
[服を買うなんてすぐに終わるだろうし、出るつもりがないと言うのならついでに買ってきた方が早い。
何かないかと、確認するのであった*]
/*
うにゃうにゃうにゃ
攻めに慣れてないせいで、いまいち攻め切れないorz
どうすればいいんだ。
やっぱりえっちぃ下着でも買ってくるか()
[ 両手に乗せた箱が取られたのは、
想像していたより、ほんのすこぅし、
ずれたタイミングだった。
反応を紅は終始見ていて、だから、
……あんまり重要そうな物じゃあないんだな、
程度は 察した。
空いた両手を 一瞬 見下ろし、 ]
………きんこじ じゃあ、ありませんよ?
小さすぎます。
[ 主に聞いた"縛る輪"は、頭のサイズだった筈。
指を立てるジェスチャーは
見たまま、真似をしてみるけれど、
比喩を飲み込むまでには時間がかかるのだ。
テーブルに仕舞われた其れを、
確かに"ある"って、顔で、紅で、見詰め。 ]
─── "けっこん"、は。
幸せなことだと、聞いたので。
…帰ったらお返事しないと。
[ 口数の少ないこども だけれど、
経験からの言葉は、ちぃさな舌に よく、乗る。 ]
「 お金持ちに見染められたいの! 」
[ "おんなじ"こどもたちのうち、ひとり。
"幸せ"を語ったあのこ。
いまどうしているのか、知らない。 ]
「 ねえ、" " あなたは? 」
[ ……確か 首を振ったきり、何も答えなかった。 ]
わたしのものは 良いので、
……お休みになられるか、気晴らし、でも
して頂いて問題ありません。
[ 数着残った"従者"の服へと紅は移り、
提案だけして片付けの続き。
付き人ではあれど 付いていったところで
護衛ができる訳でもなく、
…抑も、護衛を求められている訳でもないので
折角の豪華客船、何処かへ行かれては? と。
─── このお金を"きんこじ"の彼女に
使わないのでしょうか。とも。
すべて買い与えられた服に対して思うけれど、
自分が言うことでもないのかもしれない。 ]
外?
それならこれからすぐでも出ればいいだろうに。
俺が当主になるのを待つまでもない。
[>>190儚げな笑顔で呟く彼女に、理解不能と首を振る。
帰ったら父に進言してみようかと意気込むのは若さゆえだろうか。
もしダメだとすれば、カサンドラが外出したい時に自分がカサンドラに付き添えばいいだけの話。
彼女の能力を知っていても、カサンドラを縛る理由が思いつかなくて。
それに思いつかないのは、彼の父を始めとするルードヴィヒに対する誤った思い込みが理由だったのかもしれない]
外?
それならこれからすぐでも出ればいいだろうに。
俺が当主になるのを待つまでもない。
[>>190儚げな笑顔で呟く彼女に、理解不能と首を振る。
帰ったら父に進言してみようかと意気込むのは若さゆえだろうか。
もしダメだとすれば、カサンドラが外出したい時に自分がカサンドラに付き添えばいいだけの話。
彼女の能力を知っていても、カサンドラを縛る理由が思いつかなくて。
それに思いつかないのは、彼の父を始めとするルードヴィヒに対する誤った思い込みが理由だったのかもしれない]
色?
君の亜麻色がかった鳶色の髪と瞳に似合うものならいいんじゃないか?
強いてあげれば……そうだな……深い闇に似合う黒から紫の色合いのもので。
指輪は左の薬指に合うものを準備できたらしてきてほしい。
ブティックに行って俺に言われたことを話せば、下着から宝飾品から、全部紹介してもらえるだろうから、言われたままに買ってこい。
他に買い物?
その体力が君に残っていればだが……。
必要なものはないが、そうだな、君のドレスと合うようなネクタイとチーフがあったら準備しておいてくれ。
[彼女が諦めたような態度をとれば、ここぞとばかりに畳み込む。
彼女が部屋を出れば先回りして電話をして、ブティックにカサンドラのことをよろしくと頼むつもりだ。
これで数時間は時間を稼げるだろう。
カサンドラが想定している買い物>>192と、ルートヴィヒが想定している買い物に差があることにお互い気づいていない]
……?
そんな無理な願いを俺にするつもりだったのかい?君は。
願いを叶えてないのに、慈悲の心をなんていうなよ。
嫌味を言われているようだよ。
[困ったように首を竦めて。
まあ、自分と彼女の関係では、できることとできないことがあるのは当然であるのだから]
じゃあ、行ってきてくれ。
[彼女を追い立てるように部屋から出すと、内線電話を取り上げる。
船内リストを見てブティックの番号を探し電話をかけ、事情を話す。
不慣れな娘が一人いくのでよろしく、と。物慣れていないので何かがあったらよろしく、とも伝えて。
足早に部屋に入ると、コーヒーブレイクの前に続けていたことを始めようと集中して作業に入っていった*]
[ シグルドがお揃いのスエットバンドをつけたのを見ていたが、弔意ゆえにしたことではないと感じた。
そのつもりならば、最初から喪装できているばずである。
身内の死よりも自分との再会が嬉しくて、と言った彼の心境はやはり理解しかねるものだった。
仕事が大事と思いつめすぎているのではないか。
一度、医者に診せた方がいいかもしれない、が、できる類の家業でないのがネックだ。
むしろ、こちらの正気を疑われるのがオチである。
どこか釈然としないものを抱えつつ、先導するシグルドについてトレーニングルームへ移動した。 ]
― トレーニングルーム ―
補助を頼みたい時は呼ぶ。
[ シグルドにそう伝えて、ストレッチ体操にかかる。
身体が温まったところで始めるのは、拳法の型だ。
今では師範の模範組手の相手を務めるほどの腕前である。
汗を流しているうちに、気持ちもほぐれてきて、ようやくいつものように口元に笑みが戻った。 ]
[聞こえた。
愛しい子の声が胸の奥に触れていく。
それだけで世界の色が変わった。]
ああ───ここだよ。
[溢れる情感のままに声が艶めく。
早く、来て―――…]
[意識に伝わる声が部屋の狼藉者たちに届くことはない。
"商品"を相手に獣欲を発散していた男は体を離し、シャワーを浴びていた。
蹂躙されていた方はといえば、両手を手錠で繋がれシャワーフックに鎖を引っかけて吊られている。
体は弄ばれたそのままだったから、そのシャワーの湯をこちらにも掛けて欲しい、と思う。だがそう頼むのも癪だったので黙っていた。
腰から下はバスタブの中で、浅くぬるい水に浸かっている。
粘つき蠢く"生きた水"だ。
軽い麻痺の作用でもあるのか、力が抜けて立てなかった。]
[金髪がシャワールームから出た頃、部屋のドアがノックされた。
「誰だ」とか「ルームサービスは頼んでないぞ」などと男たちは騒いだが、自分にはドアの向こうに誰がいるのかわかっていた。
微笑んで身じろぎ、その瞬間を待ち受ける。]
[己とて――、この目で見て
確かめたものにしか
興味が無い。
今まさに本物かを
見極めようとしている
相手の方からも
己のことは同じ条件で
視て貰おうじゃないか。]
だが、お前の言葉を信じ
オレ自身を今一度信じよう
……これは今回の代金だ
[往来での占いの相場は知らないが
三千ドルも台に置けば十分であったのではないか。
足らないと言われるなら、更に足して。
その日はそれで去った。]
[──── 後日。
サイバー・アディントン社が提供する
新しいタイプのSNSが話題となる。
それは純粋に母性を求める男性が
バブみ溢れる女性にオギャる為のSNS。
如何わしい目的の利用は一切禁止。
女性側はVR映像などをアップロードし
男性側は癒しを得る。サービス名はBabtter。
利用者数は予想を上回り
サーバーが高稼働に耐えられず止まるなど
嬉しいトラブルは起きたものの――、
それこそが成功の証。
……男は幾つになっても母性には勝てないのだ。]
[業績の上昇を確と確認した。
社内でも己を見直す声ばかり。
前途洋々と告げてくれた
占い師の顔は名前は
その間もずぅっと忘れてはいない。]
お前もお前を信じたオレも間違ってなかった
シメオン。オレの専属になって貰うぞ
[雑踏の占い師を迎えに現れそう告げたのは
占われてから二ヶ月後ほどのことだ。
拒否権は与えるはずもなく。
報酬は相手が望むだけ出すとして契約を結んだ。]
[衣服が以前と変わっていない事に気付けば。]
……む
まだそんな衣装を纏っているのか
オレの傍に偽物は要らない
これから新調しに行くぞ
[愛用の店に連れて行き
特注の衣装を仕立てさせ贈った。
上質な召物を纏う占い師は
それからというもの
幾度となく己を導いてくれている。
――今後も手放す気は、ない。*]
/*
書いている途中でのぞいたら…、ディークさんプロデュースのSNSに盛大に噴いたwwwwww
くそ、くそ、面白い。
お嬢とお付きの二人もいいコンビだし、他の人たちも気になる。
ギィさんは助かった後どうなるんだろ。
カークさんところは、何があるんだろ。気になるwww
[一人でトレーニングを始めた主をしばらく眺めていたが、やがて自分もまた体を動かし始めた。
主の意識散らさないよう身を彼の視界の外に置き、要求には即応できるよう自分の視界には常に彼を入れながら、一つずつ丁寧に筋肉をほぐしていく。
単なる準備運動であったが、見る者が見れば、何らかの武術を嗜んでいると知れるだろう。
無駄のない柔らかな体は、単なるスポーツやウエイトトレーニングで作られたものではない。]
お相手いたしましょうか?
[主が一通りの型を終えたところで声を掛ける。
ふたりで行う型でも、実戦形式の組手でも、求められれば応じるつもりだった。*]
[ 彼の人を背後に庇う位置へと滑らかに移動し、誘拐犯たちに向き直る。 ]
悔い改めの刻を与えます。
[ 男たちが、投げかけられた言葉の意味を理解するのに一瞬の間があった。
が、返事は言葉ではなく、武器でなされた。
黒髪の男の手元から刃物が飛び出す。圧縮空気の音はかすかだ。
おそらくブレードには特殊加工が施されている。だが、躊躇なく籠手で受けた。
衝撃はあるが、貫通するには至らない。射出ナイフが床に落ちる。 ]
[ 同時に、金髪の方の男も攻撃を繰り出す。
息のあった連携だ。
こちらはワイヤーだった。とっさに剣を抜き、受ける。
先端にフックのついたワイヤーは剣に絡みつき、次の瞬間、青白い電光が弾けた。 ]
──っ!
[ 剣を手離したのは悪くない判断だったと思う。
だが、痺れは残り、蹌踉めかされた。* ]
[ シグルドの方から、誘いがあった。
彼の方も準備はできているようだと見て、指でさしまねく。
以前は彼も兄も一緒に、父の手ほどきを受けていたものだ。
この先は継嗣にのみしか教えられない、と父が指導を拒否したところまでは。
ならば自力で兄と肩を並べるくらいになってやる、と自分は家を飛び出した。
離れていた間、シグルドの方は何を身につけただろう。
それを知るいい機会だと思った。 ]
プロテクターはいらないな?
[ その確認をもって手合わせの開始とした。
道場ではないこともあって、礼を省いて、いきなり足元を刈りにゆく。* ]
黒から、紫……って、左の薬指ですか?
……それはっ
[色の事は一瞬嫌味かと言いかけてしまうが、そうではないのは解るし、それどころではない。
左の薬指とは…さすがにその意味くらいは知っている。知っているからこそ、なぜと。
どういう意味なのか、聞こうにも、有無を言わさず畳みかけられる。
なので、解りましたと言うしかなかったのである。
本当に訳が分からない。
買い物に出すだけで、なぜそんなに嬉しそうなのか――]
貴方様が無理と言うかは、定かではありません。
ただ、貴方様の親でしたら、確実に無理と答えるようなものだけです。
ですので、貴方様も無理と答える確率が高いと思ったまです。
[だからこそ、ただ肯定の言葉が欲しかったとつぶやく。
警戒している相手からしたら、無理な相談なのは解るので、ただただ悲しげに…。
そしてどこか諦めて風をよそいながらも、気丈に]
では、行ってまいります。
[立ち上がると、一度頭を下げて、部屋を出て行くのであった。]
― ブディック ―
[船の案内を頼りにたどり着く。
店は広く、品揃えも多岐にわたっていた。
適当に一つ選ぼうと、見て回っていると、店員に声をかけられる]
ドレスを探しているのですが…。
[すると店員は、何かピンと来たのか、主の名前を出すので、そうですと答えると、伺っております。こちらへと奥へと案内される。
そこには、いくつかのドレスに装飾品に靴まで一式、いくつか用意されている。
なぜと思いながら、まずはこちらをと一つのドレスを渡され、フィッティングルームへと追いやられる。
…そこからが大変だった。
一度試着した後、出来るだけシンプルな方がと希望を告げる。
そうすれば、こちらなどと差し出されたものを試着し、これにすると言うより早く、次はこちらなどと…。
と言う事でドレスを選ぶだけで1時間はかかる始末。
そこから、装飾品だ、靴だと…ドレスを綺麗に着るには下着も大事と、勧められて30分。
さらにそこから、水着だなんだと…買い物に2時間ぐらいかかる始末であった。]
[さすがにこんなにもかかるとは思っていなかったし、こんなにも体力のいるものだと思っていなかったので、ぐったりとなる。
その為に最終的には全ておまかせになっていたのであった。
そのおまかせの中には、もちろん主のネクタイとチーフも入っていたのである。
買ったものは、あとで部屋に届けてくれると言う。
なのでやっと店を後にし、部屋へ戻る道を歩きながら、こうして一人で自由に歩くのは久しぶり。
どこか適当なところに寄って来たとしても、きっと咎められる事はないだろう。
だからと言ってどこに寄るかと言う発想はない。
どこに寄っても、場違いに感じてしまうからである。
またあれから2時間以上。
主が仕事をしているのならば、そろそろ休憩を入れさせるべきである。
その事もあり、部屋へと急ぐのであった]
― →部屋 ―
[部屋に戻ってくれば、如何も奥で仕事を続けているようである。
その間にと、電話で、先ほどと同じ珈琲を注文する。
届くまでの間に、自分の荷物から白いエプロンを取り出す。
黒いワンピースの上からつければ、ぱっと見、メイドの姿に見える。
なぜそうするかと言うと、疲れた体に鞭を打つためであった。
しばらくして届けられると同時に、先に使用したものを下げてもらう。
先ほどと同じように珈琲を入れる。
珈琲の用意が出来てから、隣の部屋の扉をノックし]
戻りました。
ルートヴィヒ様、そろそろ休憩をしたらいかがでしょうか?
[と声をかけるのであった*]
/*
いっきにやってしまった。
他の人とエンカしてもいいと思ったが、相方さんは夜中にはいない人なので、少しでも相方さんとのと思ったら、こうなりました。
うん。うちらのペア、どんどこまわしているね。
でも今日だけだと思っている。
[困惑がもたらした室内の静寂は、争いの激しさに書き換わる。
混乱の間に打ち倒せば制圧も容易だっただろう。
だが救出に来た彼がそれを良しとしないことは熟知していた。
未だに、三度攻撃を受けるまで、を守っている男だ。
金属音が幾度か交錯し、青白い火花が爆ぜた。
長剣が落ち、守る背が揺らぐ。
眉を上げたが、不安は無かった。]
窓際の灰皿が見えるかい?
あれを壊しておくれ。
[彼の背が触れたシャワーブースの壁越し、彼だけに聞こえる声で囁く。
捕えられている間、無為に過ごしてはいなかった。
己を縛る術の要はそこだと推測している。
香を使った呪術でも、一角を崩せば破れるだろう。*]
[普段は真顔、あっても浮かべるのは微笑程度。
街角に座っていた時のように
開けっぴろげな笑顔を外で見せることは少なくなった。
目の前の、この人の名が
世間に広く知れ渡るようになるにつれ
見合うように、と
与し易い相手だと思わせないように、と
己を必死に変えてきた。
その努力が最も顕著に表れているのが“手荷物”だ。
重たいマニュアル本の束から開放され
身軽になった今の私なら]
そのトランクもお持ちしますよ?
[疲れの残る主君のために
空いた片手を差し出すことだって出来る。]
[この船旅に誘っていただく
ほんの少し前から
その異常は起こり始めていた。
他の追随を許さず
光の速度で情報が飛び交うこの業界を
共に駆け抜けることができた
己にとっての唯一の武器、能力への陰り。
結果を示そうとすると
░▓▒▓█▓░░▓▒がチラついて
ハッキリとした像が結べないのだ。
(まだ、必要とされていたい)
そう思う気持ちが
少しでも役立ちたいという
言葉になって、表出していた。]
[乗り込む前に見上げた
豪奢な船体は、あの日見えたものにも似て
酷く胸がソワソワと落ち着かない。
中を探索したい気持ちもあるが
昨晩も夜も更けるまで
人脈を厚くすることに尽力していた主人に
まずは休息を、と思う。]
とても優美な船ですね。
船室の方も美しいのでしょうか?
[ゆっくりと全身を伸ばせる場所に
1番興味があると示しつつ
その背に続いて、タラップに足を掛けた。*]
―2時間後―
[カチャカチャと金属が触れ合う無機質な音のみが船室に響く。
カサンドラが出て行って、休憩することなく作業を続ける。
集中力と持続力。常人以上のそれが彼の才能の基盤だった。
もちろん豊かな発想力や成したいものを成し得る達成力なども才能の片鱗ではあったけれど。
きっと彼のそんなところを家族は誰も知らないだろう。知る必要がないからだ。
ルートヴィヒがどんなに社会に必要とされていても、カサンドラから奪った能力を持つ一族にとっては、そんなものに頼る必要がなかったからだ。
あらかたの作業を終え、後は細かい調整などだけだ、とようやく手にしていた工具を置く。
こんな短時間でこの作業が終えられたのは入念なシミュレーションと下準備もあったが、何より彼だったからである]
[集中しすぎて目の奥が痛む。
首の後ろを揉みながらも、先に作業をしていたブツにカバーをかけて隠し、カサンドラの目に触れないようにした。
たとえ目にしたとしてもカサンドラはなんの関心も持たないだろうけれど。
それでもその形状を見れば、眉をひそめるかもしれないから。
散らばった細かい物を片付けて、空いたトランクスーツの中に詰めていれば、ノックの音がした。
どうやらカサンドラが戻ってきたタイミングだったらしい]
ああ、ありがとう。
こちらもちょうど一息つこうかとしていたところだよ。
[ドアを開けると、見慣れたメイド姿のカサンドラがいた。
いつも屋敷で見かける時は、制服であるその格好をしているから、少しばかり家の雰囲気を感じ落ち着く気がする。
それと同時に、疑問もわいた]
そういえば、普段の服は買わなかったのか?
[ドレスと水着は買っただろうけれど、カサンドラはその他の私服はどうしているのだろう。
地味な黒のワンピースを見て、もしかしたらこれしかないのでは、と思い至る。
今までの口ぶりからして>>220、きっと祖父や父はカサンドラに余剰と思われるような服は与えていないに違いない。
カサンドラが何を自分に求めていたかはわからない>>220。
しかし求めることもせずに諦めるようなカサンドラに、本当はしてはいけないのだろうけれど、少しばかり同情心がわいていたのも事実だ]
疲れただろう?
君も休みたまえ。
もし元気になったら、後で買いに行くとするか。
[メイド服姿で給仕をしてくれる彼女を、先ほどのように前に座らせて。
自分のお代わり分の珈琲を譲って飲ませるが、果たして彼女は口にするのだろうか。
温かい湯気に珈琲のかぐわしい香り。躰の緊張がほぐされていく。
ソファに体を沈め、ゆったりとしていたらチャイムが鳴った。
どうやら荷物が届いたらしい>>224]
君が買ったものか。
広げて見せてくれ。
[カサンドラはどのようなものを買ったのだろうか。
女性の服など、全部同じに見えるような自分だ。
先ほどもせめて色をと言われたが、彼女を見て思いついた色を言っただけだった。
具体的に言われた方が選びやすいだろうと思い口にしたが、特別な知識があるわけでもなく、なんとなくである。
しかし、買い物など、まともにしたこともなかったようなカサンドラが選んだもの……最後はおまかせになっていたのは知らないから……にはなぜか興味がわいていた*]
村の設定が変更されました。
― 展望デッキ ―
[テッペンからの眺めは一面の大海原。
ではなかった]
たけぇぇぇ、えっ、こえぇ
[両手で手すりにしがみついた。
周囲には港の風景。
少し下、甲板上のプールやジャグジーも見下ろせるが出航直前の今は使っている人はほとんどいない]
あー、船が動くとこ、こっから見えそうッスねぇ
……
[高い。海面が遙か下、船というよりビルの屋上のよう]
……こ、わくないッスかお嬢ぅぅ
[主が屋敷を出てから数年。
たった数年で、彼の動きも体つきも見違えるようになったと思う。
勿論、離れている間も彼の動向を逐次把握していたけれども、直接目の当たりにすれば違いはより明白に映った。
共に学んでいたあの時と、離れていた時間を挟んだ今。
進んだ道の違いは、どれほどの差異となっているだろう。
あの時の選択が正しかったかどうか、それもすぐにわかるはずだ。]
つけたことがありましたか?
[確認に、軽口で返す。
直後、伸びてきた足に打たれて体の軸が傾いた。]
[否、これはわざと体を倒したのだ。
傾いた姿勢から相手の胸元を掴み、巻き込むように投げの体勢に持っていく。
昔から、正面からの打ち合いよりも搦め手や寝技に秀でていた。
今はさらにそれを磨いている。
投げが決まったなら、押さえこみに行くイメージは幾通りも頭の中に浮かんでいた。*]
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