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人里に身を潜めながら、夜毎人を喰らうという恐ろしい人狼。
幾つもの村を滅ぼしてきた狡猾な化け物の噂が、遂にこの地にも訪れた。
震え上がる者、馬鹿馬鹿しいと一笑に付す者、そして…。
様々な思惑を余所に、人々は話し合いのため集うのだった。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
2人目、天より降りし者 が参加しました。
天より降りし者 は、銀狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[高いたかいばしょから、それはその場所を見ていた]
「……不快」
[鈴を鳴らすような声が、不機嫌な口調で短い言葉を紡ぐ]
「……『混沌』の蔓延る、このような世界、存続に値するとは思えぬ」
「……回帰、させねば」
[紡ぐ声音に応じるように、白い光と黒い闇、紫の影が揺らぐ。
金の光に包まれたそれは、揺らいだそれらを一瞥すると、改めて先ほどまで見ていた場所を、見た]
村の設定が変更されました。
3人目、聖魔剣の勇者 クロート が参加しました。
聖魔剣の勇者 クロートは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
[なんで、自分がー、とか]
[最初に考えてたのは、そんな事ばっかりだった]
[とはいえ、そこが変わっているかっていうと……]
……ま、考えてたって、始まんねぇ、ってな。
[横道にそれかけた思考を、強引に目の前に戻す。
よそ見していい場面じゃない、そのくらいはわかっている]
さて、と。
行くぜ、みんな。
[息を整え、剣を握り直して。
ここまで一緒に来た仲間たちに短く呼びかけてから、前へ。
目指す『魔王』の前へと、進んだ。**]
― 回想・勇者の旅立ち ―
[切欠は、村の裏山の洞窟に、薬草を採りに行った事だった。
入り口近くにあるはずのそれがなくて、それじゃあ、と奥まで進んだ。
洞窟の奥は『神域』とやらになっていて、無暗に入るな、と言われてはいたけれど。
少しくらいなら大丈夫だろう、なんて軽い気持ちで進んだら、足が滑って下層に落ちて。
──そこで、錆びついた剣を見つけたのが始まりだった]
……は? なにそれどゆこと?
[好奇心でつついた途端、剣は突き刺さってた台座から抜けて勝手に手に収まり。
更に、『世界を救ってくれ』なんて声まで聞こえて。
訳が分からないままでいたら、光に包まれて洞窟の外に出されていた]
……いや、説明してほしいんだけど。
[ぼやいた所で答えはなく、仕方ないから村に戻って長老に相談したら、剣の逸話を聞かされた。
曰く、この錆びついた剣は伝説の勇者が持っていたもので、この村はずっとその守り人を務めていたとか。
自分が伝説の勇者の末裔で、剣の力が必要とされているから呼ばれたんだとか。
剣の目覚めは王都でも察知しているだろうから、遠くなく使いがくるだろうとか。
いろいろ言われて──当時、出した結論は]
……そんなのいきなり言われても困るし。
[確かに、このまま田舎暮らし続けていくのも、と思ってはいたけれど。
さすがに、勇者の末裔だとかそんな話を急にされても実感はない。
まして生まれ故郷は辺境地帯、騒乱とは無縁のド田舎で。
勇者の力が必要とされてる、なんて言われても実感はわかなかったから]
……やってらんない。
[そも、末裔だから勇者ってなんだよ! というのが先に立っていた事もあり。
王都の使いとやらが来る前に、村を出た。
本当は、剣も置いて来たかったけれど、置いて行こうとすると物凄い唸りを上げるので、仕方なく持ち出して。
……それからいろいろ、紆余曲折を経る事になる。**]
/*
と、いうわけで。
やっちまったよノリと勢い大事だね……! な企画村、起動であります。
さりげなーく、『勇者』ポジってびみょーなとらうまも残ってんだけどね!
そこを超えたい何かなんかも含めつつ、頑張って参ります。
/*
ちなみに、アルフレッドでないのは。
あっちだと愛称が『アル』になりそうで、そうすると某昔勇者な骨氏が被りそうだったので避けた結果です。
……いや、あそこまで格好よくはならんだろうが。
4人目、魔王 ヴァートル が参加しました。
魔王 ヴァートルは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 魔王城最深部 ―
[それは石造りの禍々しき城であった]
[魔の力で満たされた城は、強大な魔物や魔王直属の部下たち、或いは城の各所に仕掛けられた数々のトラップによって護られていた]
[しかしそれらの強固な護りも、ついに破られることとなる]
――来た、か。
[魔王城最深部。
広い空間の奥の玉座に座して、魔王は辿り着いた者たちへ一瞥をくれた**]
/*
何度も誤変換した挙句誤字ったまま投下するとか、初っ端から情けないのう…。
しかしこの魔王…随分と可愛くないか?(表情差分見た)
5人目、巫 カヤ が参加しました。
巫 カヤは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
私はもう何も知らないまま
貴方達のために戦った私じゃあない。
……、決着を付けましょう。
[ 私にとって魔族は初めて会う相手では無かった。
…否、忘れることなど出来ない相手であった。
女は生まれたその日に魔族に拐われ
長い間自分を魔族と信じて生きてきたのだから。
女は協力な『 癒し ・ 強化 』を操る一族の末裔であり
その一族の中でも特に強い力を持って生まれた
魔族として過ごす間は主に方々の戦場を巡り
無邪気にその力を発揮してきたから
顔を知っている者も多かったかもしれない。
だからもしも…
友だと思っていた魔族を目にしてしまったなら。
――…声が微か震えるのは仕方の無いことであった]
― 回想 ・ 勇者たちとの出会い ―
[ それは少女が12回目の寒空に
白い息を吐いていた頃であった。
周りより格段に寒さに弱い躰は
毛皮の上着に守られていたけれど。
" 私は周りの魔族とは違う "
隙間風は着実に私を人間の世界へと誘っていた
隙間風に浚われて訪れたある村で
残酷な真実を知ってしまった
―― 私は人間だ
―― 故郷は魔族に襲われ今は――… ]
[ …逃げ出した
冷たい月が照らす夜の森を彷徨いつつも
追っ手の牙が喉元に迫るのも早く。
冷たい骸を曝すか、或いは連れ戻されるか。
覚悟して、せめて強化の術を施した木の枝を握り締めたけれど。
しかしどちらの未来も訪れなかった。
代わりに訪れたのは
彼らと共に歩む未来であった** ]
/*
Wikiで誤字った時には大変埋まりたくなりましたねぇ…
ありませんございますって何だよぉぉ!
(気づいたのが翌日だったから何とも出来ず)
/*
癒しを能力に選んだのは、ヒーラー役が居れば皆遠慮なく怪我してくれ(ry …精一杯戦ってくれそう、なんてクズな考えがありまして。
縁故作りが苦手だから、出来る限り接点作りやすいPCにした…つもり。
とにかく、楽しみです!
/*
あっ2発言まるっと抜けてた…
…けど全く問題ないね
うっかり陣営CO。
どんな人たちが来るか、楽しみだなぁ
(自分で発言止まると恥ずかしい、みたいなアレ。
6人目、魔獣 タイガ が参加しました。
魔獣 タイガは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
魔獣 タイガ が村を出ました。
6人目、魔獣 タイガ が参加しました。
魔獣 タイガは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
7人目、神樹の巫女 フラン が参加しました。
神樹の巫女 フランは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
このままでは世界が壊れる、とな?
心配することはないぞ、神樹よ。
吾がその勇者とやらを見つけ出して、世界を救わせてこよう。
どーんと、任せるがよいぞ。
[森の奥で、そんな秘密の会話があったとか。]
― 魔王城最深部 ―
ふむ。ついにここまで来たのじゃ。
いろいろあったが、これが最後じゃの。
[勇者と、仲間たちと共に進み出る。
足取りは風のように軽やかだ。]
心配はいらぬ。吾がついておるのじゃ。
勝利間違いなしじゃ。
[軽く張った胸の上で、ヤドリギの実を象った聖印が揺れる。
馴染みの木精が笑って、梢のさざめく音が広がった。]
― 回想・ある街道で ―
見つけたのじゃ!
[いきなり大声を掛けられた方は、さぞ迷惑だっただろう。
森を抜ける街道の真ん中のこと、指差し確認付きだった。]
おぬしが勇者じゃな!
吾がついて行くからには、この旅、成功間違いなしじゃぞ。
さあ、張り切って世界を救いに参ろうぞ!
[風と霊感の導くままに勇者を見つけ出し、以後どこまでも離れずについて回り、今に至る。**]
8人目、道化師 ローゼライト が参加しました。
道化師 ローゼライトは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 魔王城最深部 ―
あのひよっこ達がここまで来るとはねぇ。
[魔王が座する玉座の陰。
王に侍る魔獣の後ろから滲み出るようにして現れた道化師は楽しげにせせら笑う]
その成長は目を瞠るものがありますが……
我らが王の敵ではありませんね。
[パチン、と指を鳴らすと、道化師の姿は消え。
玉座の下、勇者らが進み出る>>3傍へと現れる]
ようこそ、魔王の御前へ。
命乞いならば頭を垂れることをオススメしますよ。
[大仰に手を広げて勇者らを迎え入れ、自身の胸に左手を添えて軽く腰を曲げる。
にこりとした笑みは勇者らが魔王城へと至る道中で何度も見たもの。
向けた言葉は、勇者らの意志を理解した上でのものだった*]
9人目、ダークエルフ イース が参加しました。
ダークエルフ イースは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
─ 魔王城最深部 ─
……それだけ、この戦いを早く終わらせたいんだろう。
[>>12漆黒の偉丈夫の呟きめいた声に、応えとも独り言とも取れる程度の音を零す。
魔王の傍らに控えるその胸の内、少なからず侵入者達への怒りがあるだろうとは声を聞かずとも察せるもの。
もっとも、彼程の忠誠心を持ち合わせていない自分には察するくらいしか出来ない。
>>16玉座の陰に現れた道化師のようにせせら笑うことも出来ず、一度目を伏せ]
早く終わらせたいのは、こちらも同じことだ。
[勇者達が魔王を狙う限り、やっと手に入れた安住の地が脅かされ続けるのは確かだから。
自己的な理由であるが故にこそ揺らがぬ意志を乗せた視線を、今しがたまで此処にいた>>17道化師の傍に在る一行へと向けた]
<b>─ 回想・魔王の領地に流れ着くまで ─<b>
[私の故郷は、森深く豊かな水を湛えた湖畔にある。
エルフのみが住む集落は、生まれる子もエルフのみのはず─だったのだが。
両親の第一子である私は、何故か黒い肌に銀の髪の、いわゆるダークエルフの姿で生まれた。
困惑しながらも古い記録を片っ端から探った末に、どうやら何代か前に魔族と子を成した先祖の血が隔世で現れたらしい、と判明して一時の平穏は得られたけれど。
後に生まれた兄弟達は全員が金の髪に白い肌で、段々と私にだけ何故魔族の血が出たのかと忌避されるようになった。
その上、両親や兄弟達に心無い言葉を投げつける者が増えてきたのを見て、私はもうこの一族の中には受け入れられないのだと悟り、出奔した]
皆、今までありがとう。
父様と母様を大事に、元気でいるんだよ。
[見送りをしてくれた兄弟達には、今生の別れになるかもしれないと覚悟しつつも簡素な言葉のみを残し旅立って。
外の広い世界であれば、受け入れてくれる地もあるだろうと、そんな希望を抱いて始めた放浪は、まさか20年も続くとは思いもしていなかった]
[エルフの郷以上に、人間の世界は魔族に対して厳しい態度だった。
中には受け入れてくれる人も、共に暮らそうと言ってくれる集落もあったけれど。
内か外か、もしくはその両方か、どこからか拒絶の声が上がって、結局生活を根付かせる事はできなかった。
見た目はダークエルフでも、自分はエルフだと言い聞かせて、安住の地を求め続けたけれど。
長命であるエルフであっても、独りで流離うには20年は長すぎて。
半ば自棄で魔王の領地へと転がり込んだのは、このまま流離い続ける気力が無かったから。
ダークエルフとして生きていこうと思ったものの、寄り合う精霊から純血のエルフであることはすぐにばれた。
けれど、それで周囲の魔族が態度を変えることは無かった。
エルフの身では魔の気に中てられはしないかと心配までしてくれる者も居たが、隔世遺伝の恩恵か、魔に対する耐性が強い私は此処で暮らすにも支障は無く]
[こうして、魔族の血の為に故郷を追われた私は、皮肉にも魔族の血の御陰で安住の地を得られたのだ]
─ 魔王城最深部 ─
[あれからもう10年。
さすがにもう追いだされることも無いだろうと思った所で此度の戦いが始まった。
やっと手に入れた安住の地、領主を奪われる訳には行かないと、前線後衛どちらであっても戦ってきたから、勇者たち一行に見知らぬ顔は無い。
かつての放浪の中、もしくは成り行きから魔に属する中で交流を持った事があった者も居たかはさて置き]
──楽しそうですね、御領主。
[それはわざわざ勇者達を出迎えに向かった道化師にもいえることだけれど。
彼ら一人一人へと視線と言葉を巡らせる魔王に抱いた単純な感想を声に落とすだけで、この場まで辿り着いた彼らへと向ける言葉は紡がないでおいた**]
[そして玉座の傍にはもう一つ、魔の者とは異なる気配があった>>25。
黒い肌を持ち魔の血を引くが、操る精霊の力は真なるエルフのもの。
とはいえ彼の者が魔王領を安住の地として選んだなら、魔王は領民として快く受け入れた]
当然であるな。
[発せられた呟き>>28に、魔王は悠然とした声で答えた]
此度の勇者を名乗る者らは、如何なる力を持つものか――自らの手により量る機が訪れたのだ。
楽しまずしてなんとする。
[その口調から、敗北を、どころか苦戦すらも予測していないことは伝わろうか]
案ずるな。長くはかかるまいて。
[早く全てを終わらせ安寧を得たいというイースの意を汲むように、そう付け加えた*]
/*
ふぅ、やっとこ落ち着きましてこんばんは。
龍猫ことろこあです。
魔王側やれるのか不安になりつつ、やってみようと思い立ってこのキャラ組んだけどホント大丈夫か俺。
とりあえずカヤの設定を拾っておこうと思っている今日この頃、性格ブレないと良い(不安しかない
/*
>>17「にこりとした笑みは勇者らが魔王城へと至る道中で何度も見たもの。」
ここは「にこりとした笑みは勇者らが魔王城へと至る道中に何度も見せたもの」だったな。失敗。
[我が身は夜の翳りより生まれ、魔の王に侍る宿命を持つ。
仮初に人の形をとるが本質は獣であり、魔族と評されるよりは魔物と呼ばれる種に近い。無論、同胞の中でも野生動物に近い下位種とは格が違うが、一族は皆、永く魔の王の目覚めを待ちわびてきた。
王の再臨は自身の悲願であり、本能への回帰であった。
その御方が歩む覇道、微に入り細を穿って尽くしてきた大業。
希望の光に溢るる選ばれし者らとは言え、邪魔だてされる訳にはいかなかった。]
― 魔王城最深部 ―
[呼びかけに返る声を聞きながら、歩みを進める。
一歩、踏み出すごとに感じる圧──それがどこから放たれているのかはわかる。
そして、手にした剣がそれに応じるように震えているのも感じていた]
(あの錆の塊がこんなになるなんて、思わなかったよなぁ)
[手にした時には錆びついていた剣。
今は水晶を思わせる透明な刀身を備えた美しい剣と転じている。
その変化を成し得たのは旅の中での幾つもの積み重ね故だが。
旅立って間もなく押しかけて来た存在がなければ、その方向に行けたかどうかはちょっとわからなかった]
― 回想・ある街道で ―
……はい?
[生まれ故郷を飛び出して幾日過ぎた頃か。
唐突に現れた彼女>>15に対し、最初に口を突いたのはこんな言葉だった]
えー……っと、どちらさま?
てか、人違いじゃないかなあ。
[なんて誤魔化そうとしたものの、通じなかった。
何とか撒こうとしたものの、相手の方が上手だった。
最終的には諦めて着いてくるに任せて。
けれど、後ろ向きなこちらを『勇者』と呼んで鼓舞する様子に。
少しだけ前向きになれたのもまた事実で。
そんな経緯もあるから、この巫女には頭が上がらない、というのは、ちょっと余談としておこう。*]
― 魔王城最深部 ―
……っと。
[進む先に不意に現れた影。>>17
向けられた言葉には、とひとつ息を吐く]
生憎と。
そんな事するくらいなら、最初っからここまで来る気なんてないんでね。
……あと、必要もねぇのに下げる頭は持ってないんだよ。
わかってんだろ?
[道化師の向ける笑みは見慣れたもの。
旅立ちの当初は惑わされて痛い目にあった事も少なからずあった。
だからこそ、ここに至ってはその笑みに揺らぐ事はない]
てわけだから、そこ、通してもらうぜ。
……俺が用事があるのは、あんたじゃない。
[言葉と共に視線を向けた先。
玉座に悠然と座る姿と、控える者たち。
黒衣の偉丈夫は、ここに来るまで幾度となくぶつかった者。
今は隠された爪に裂かれて、うっかり涅槃に行きかけた記憶はそう遠くない。>>12
逝かずに済んだのは、その後の仲間たちの奮戦と、共に歩く癒し手に救われたが故の事]
……あっちも大概分厚い壁だけど。
[それ以上に、越えねばならないものがある。
故に、視線は自然とそちらへ──魔王へと向いた。*]
/*
剣のデザインどーしよっかなー、と思って。
……結局、エクセレクターにしてしまった……。
いや、ムーンライトソードは一回やってるから……!
しかし、うん。
皆様ノリをわかってらっしゃってたのしい、たのしい。
[自由気ままな道化師に、野性をも抑える忠誠を持った魔獣。
傍を任せている二者すら真逆な性質であるのも、魔王の懐の深さの表れか。
見目しか魔にそぐわぬ私のことも排する事無く、好きにさせてもらえているのも。
それは魔王自身が絶対的存在であることを違わず知っているからこそだろうか]
…御領主を案じる程、不心得者ではありませんよ。
ですが、そうですね。
少なくとも、此処まで誰も欠くこと無く辿り着いたのですから。
御領主を楽しませるに足る者達ではあるのでしょう。
[>>30主から向けられた声に、柔らかな笑みを返し]
最も、御領主が直接楽しむのは難しそうですが。
[ついで視線を向けたのは、彼の王の傍ら控える漆黒。
>>32先の呟きに、出し惜しみするなと言を投げてきた彼が、己が主に手間を取らせることを許せるはずもない。
初めてこの地に足を踏み入れて、この先どこへ行ったら良いか分からずに居た私に向けられた>>33あの言葉も、主の為のものだ。
彼の一途とも言える真摯さは私には無いものだが、だからこそ尊くもあり]
私だって、やるべきことはやる為に此処にいるんですしね。
[忠誠があるとはいえずとも、浮かべた笑みでこの場にいる覚悟はもう据えてあると伝えられただろうか*]
/*
久し振りの村参加のせいか、いつも以上にタグの間違えとか気付かないまま投下しててあふんって感じ。
もうちょっと注意力高めないとなぁ。
…しかし、このキャラグラって男の子なんかね。
実はボーイッシュな女の子のつもりなんだけども、彼って呼ばれてるから男ってことにしようかな。
訂正入れないでこのまま流れに任せるでいいか。
[タイガ>>24の言葉には、くすり、と笑みを浮かべるに留める。
道化師の言動に触発され変容させた爪を魔王の言葉で収める様を、視線を流して見遣った。
相変わらずの忠実っぷりだ、と言う言葉は音にはしない]
[片や10年程前に魔王の領地へとやってきたダークエルフ>>28へと視線を流す。
エルフでありながらヒトの地では安住を得られず、魔王の領地にて安住を得た者。
定住当初、興味本位で声をかけに行ったのが最初の出逢いだったか。
役目柄、ヒトの街に潜り込むことは多々あったから、必要なものがあれば調達すると告げたのも、今となっては懐かしいもの]
― 回想 ―
[道化師がいつからそこに在ったかは知れない。
本人もどれ程の年を経たかなど忘れてしまっていた。
奔放なる存在は過去にも囚われない]
ワタクシは貴方の目であり耳。
お好きなようにお使いください。
[しかし、奔放なる存在は使われるを望んだ。
古の眠りから目覚めた偉大なる魔王。
全てを統べるその存在に]
[タイガ程の無垢なる忠誠を持っているわけではなく、イースのように安住の地を護りたいと強く願っているわけでもないけれど]
[己を上手く使ってくれるのは魔王しかいない、と感じ取ったから]
[道化師は魔王の傍に在り、それを今の存在意義としている*]
― 魔王城最深部 ―
フフフ、相変わらずのようで何よりです。
[クロートの言葉>>37に返すのは楽しげな声]
見違える成長ですね。
あの頃は勇者であることすら否定していたのに。
[その変化も具に見てきた。
会う度に顔つきや内に秘める意志が研鑽されていく。
今となっては『勇者』と名乗るに相応しい面持ち]
どうぞ。
……と言いたいところですが、ワタクシの許可など無意味でしかありませんでしょう。
我が同朋達も黙ってはおりませんしね。
[通してもらう、と言われて先を譲りはするものの。
道化師の後ろにいる者達が黙っていないことはクロートにも分かることだろう。
それ以上は口を挟まず、魔王が口を開く様子>>44に静かに控えた*]
[例え天の加護が在る勇者と云えども、彼は人の子。
魔性の獣として生を受けた我が身が後れをとる道理はない。
しかし、玉座まで進行を赦したのは紛れもない事実。
数段高い位置にある玉座の傍に控える身は、自然と勇者を見下ろし。あの時冥府へ送っておけば。と、唇だけが動いて惜しむ。>>38
勇者に明確に劣るものがある訳ではない。
だが、いつも今一歩のところで仕留め損なう。
彼らの仲間が庇うこともある、彼自身が機転を利かせることもある。
そうして先送りにし続けた決着は、王の御前まで辿り着いた。]
―――…忌々しいな、勇者よ。
[彼を生かしておいて、王の統治、己の悲願は叶うまい。
そう確信させるほどの光が彼にはあり、背に隠した爪が緩慢に開く。
障害の切除に急かされるように、瞳は煌々と燃えていた。*]
― 回想:12年前 ―
[それは単なる気紛れだった]
──── おや?
[領土拡大のために侵攻したとある村。
道化師が訪れたのは既に侵攻が終わった後だったが、そこで珍しい拾いものをした]
ふむ……人間の赤子、ですか。
運良く生き残ったか、護られたのか……おやこれは。
[生まれたばかりの子だというのに、強い力を発している]
使いようによっては、ですかねぇ。
[小さな獣を掴み上げるように赤子を包んだ布を掴み上げ。
持ち上げられた赤子の顔をじーっと覗きこんだ後、道化師は指を鳴らしその場から消える。
その日から周囲を巻き込んだ子育てが始まったのだった*]
― 魔王城最深部 ―
……おかげさんでな。
[『勇者』たる自覚を得る切欠のいくつかは、この道化師から得られたもの。
故に、楽し気な声>>45に短くこう返し]
……それもわかってるさ。
[先を譲りながらの言葉>>46、それも承知の上での事。
だから躊躇う事無く一歩、歩みを進めて]
……魔王。
俺は、あんたに聞きたい事がある。
[向けられる言葉。>>44
呼吸を整え、抱えてきた問いを向けた。
刃を交えるのを避けられるとは思っていない。
けれど、その前にどうしても知っておきたい]
あんたは……なんのために、戦いを始めたんだ?
[魔王軍の所業については色々と聞いているし、目の当たりにもしてきたけれど。
それが何に基づいたものかは、知り様がなかった。
勿論、知った所でここまで来た意を違える心算がない事は、引かぬ姿勢が物語るか。
それでも、蒼の双眸は真摯な彩を宿して、答えを求める。*]
10人目、王子 アルフレッド が参加しました。
王子 アルフレッドは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
― 出会いの時 ―
俺は認めない。
[ 認めてたまるか、と、睨みつける瞳に込めた怒りは、目前の『勇者』に届いたか ]
お前のような奴が、聖魔剣の主、勇者だなどとは、絶対に認めないぞ!
[ 血筋だから、と、自らの意志も問われず勝手に聖魔剣に選ばれ、勇者として生きろと定められた相手にすれば、それこそ、身勝手にしか聞こえぬ糾弾だったろう。けれど ]
俺が、お前だったなら...
[ 望まぬ力を与えられる者もいれば、どんなに望んでもその力を手にできぬ者もいる。それは、抗うことの出来ない運命なのだとしても、何故?と、思わずにはいられなかった ]
何故、俺ではなく、お前が勇者なんだ!?
[ 本当に理不尽極まりない言葉を投げつけたものだ、と、思いはしても、それを悔いる気だけは、今でも無い* ]
― 回想 ―
[彼の者とは長き付き合いであった。
永き眠りより目覚めた魔王はその魔力を存分に蓄えていたが、一方で権勢は地に落ちていた。
名ばかりの魔王が君臨することを良しとしない魔族も居たであろう]
[しかし道化師は、魔王に使われることを望み現れた>>42。
魔王は笑みを深くする。
何故なら目と耳こそ、目覚めたばかりの魔王の望んでいたものだったのだから]
各地の魔族の勢力図を調べよ。
諍いにより行き場をなくした者あらば、城下へ呼び寄せよ。
そして人間と魔族に争いの火種が生まれたならば、必ず我が耳へ入れるがよい。
[かくして魔を統べ、人間の領土へと侵攻する下地を、魔王は作り始めた]
[自らと配下の持つ魔の力、道化師が各地で収集した情報、居所を求め集まった領民。
それらは古の伝説として風化しつつあった魔の王国を、再びこの世へ築き上げる基礎となった――]
――まあ、単純なことよ。
かつて、この世は全て、我輩のものであったのだ。
[それは勇者たちの、そしてほとんどの魔族にとっても与り知らぬ、遠い遠い時代の話だ。
しかし、魔王の心においてそれは真実であり、己を突き動かす理由と成り得た*]
取り戻して何が悪い?
魔王様こそ、あまねく世を統べる御方。
その覇道を阻むものあれば、ことごとくを屠るが我が宿命。
……期待を掛けるぞ、イース。
[静かな声色と確かな意志。
黄金の瞳には、一片の曇りもなかった。**]
/*
本日母が入院しやがりまして、いろいろ遅くなってすみません、の、ふかふかしたなまものです。
わーん!ログが厚いよ!
― 魔王城最深部 ―
[勇者であるクロートに随行する3人の内の1人。
道化師自身が拾い育てた人間の娘>>9。
戦地へと遣わせていた頃の無邪気さはなく、かつての仲間を敵と見なしこちらを見据えている]
……強くなりましたねぇ。
[カヤが真実を知り、魔王軍から逃げ出したあの日。
連れ戻せと命じた追っ手は戻って来なかった。
勇者一行に加わったと知ったのは、その後に勇者らにちょっかいをかけに行った時のこと。
戻らぬのなら、と何度か配下を嗾けたりもしたが、それも徒労に終わった]
かつての仲間を踏み越えてここに至りましたか。
[賛辞に皮肉を込め、笑みを向ける*]
― 魔王城最深部 ―
望みがあるなら言え、って言ったろ。
……だから、ずっと知りたかった事を知りたい、って望みを言っただけだよ。
[面白がる素振り>>56に返した言葉は完全に素のもの。
そういう妙な所、素直だった]
………………。
[返される言葉>>57、その真偽はわからない。
ただ、きっぱり言い切るその様子は、ずっと引っかかっていた事を落とすには十分すぎた]
自分の持ち物を取り戻して何が悪い、か。
ま、悪いとは言えねぇな。
[やや間を置いて、零れたのはそんな呟き]
けど。
だからって、はいわかりました、って従う事はできない。
[言うまでもないだろーけど、とは口にはせず]
……俺たちにも、譲れないものがある。
あんたが『取り戻す』過程で失われるものを、手放したくない、って想いがある。
[綴られる言葉に応じるように、手にした剣が光を灯す]
……だから。
止めさせてもらうぜ。
……祈りと願い、託された者として、な!
[迷いのない宣。
それと共に、剣に灯った光が輝きと転じた。*]
[>>41道化師から向けられた視線。
今でこそ慣れたそれも、一番最初に向けられた時には何か探られている様で怖く感じたものだ。
エルフでありながら何故この地にと、興味を隠しもしない態度。
必要なものがあれば調達すると、親切な言葉を受けても簡単にお願いとは、言えなかったけれど]
…お願いしたいことが、あるんです。
[何度か顔を合わせて、話せるようになった道化師に。
ぽつりと願ったのは、調達というには少しばかり毛色が違う品]
[道化師に差し出した地図、ある一角を指さして]
この国に行くことがあれば、花を、一株。
自生しているものを、採ってきて頂けませんか。
[魔王の領地で手に入らない花を、と。
道化師に願ったのは、そのたった一度だけ。
あの時の花はもう枯れてしまったけれど、残った種が新たな花を咲かせて今に至っている。
望郷の想いもあったそれは、今ではこの地に根付いた証となっていて]
私の出る幕も無いかもしれませんけれどね。
[>>53魔王から向けられた声と笑み、その双方を揺らがぬ微笑で受け止める。
タイガの士気が高まっているのは傍目からも分かるものだし、彼自身隠しもしていない。
もっとも>>58彼が前面で戦う場合、精霊術での補佐に付く事も多いから出る幕自体は有りそうだが]
期待を裏切らないようには、努めますよ。
[>>59魔獣たる彼の言葉、全てに同意は出来ないけれど、向けられた信に応じたいと願う思いは揺らがない。
故に、魔王と交わす勇者の言葉、彼に随する者達を見る瞳も凪いだまま**]
― 回想:カヤを拾った頃 ―
「おま、どっから拾ってきた」
この間滅ぼした村に落ちてましたもので。
「いやいやいや、戦利品にしては、だろうよ」
「どーすんだそれ、食うのか?」
いえ、育てます。
我々の助けになる力を秘めているようですし。
「育てるって…お前が? 出来んの?」
「ぶわっはっはっ! 無理だろ子育て!」
ええ、なのでお願いしますね(にっこり
「え?」
「え?」
必要なものは用意します。
では(消える
「おいこらまて!!」
「丸投げかよ!!」
「待ちやがれ!!」
/*
てなことがあったかもしれないってか多分周りにやらせてる感(
― 回想 ―
[イースが魔王領に現れた時に声をかけた時、探られていると感じた>>64のは強ち間違ってはいないだろう。
万一、魔王に仇為すものであったなら、排除しなければいけなかったからだ。
尤も、道化師が手を出さずとも、魔王の傍にはタイガがいるため、案ずることなど何一つないのだが]
お願いですか? なんでしょう?
[いくらか話せるようになったある日、イースから地図と共に願いを告げられた>>65。
自生する花を一株、思っていた願いとはやや異なるそれに道化師は瞳を瞬く]
その国ならば今度行く予定ですので、構いませんが…。
フフ、まさか花を願われるとは思っていませんでした。
思い入れのある花なので?
[問いに答えはあったかどうか。
どんな答えであれ、「そうですか」と相槌を打つように返事をして、願う通りに花を調達した。
イースから願われたのはその一度だけ]
― 出会いの時 ―
[第一印象は、一言で言うなら『最低最悪』だった]
……はあ?
[ぶつけられた言葉>>52は、相手の事情を知らぬこちらにとっては理不尽の極み。
未だ、『勇者』としての立ち位置を許容しきれない頃だったから、それは尚更苛立ちを掻き立てた]
好き勝手言ってくれやがって……。
別に、あんたに認めてもらえなくても俺、困らねーから!
[それでも、その場は堪えた。
自分の内に抱えたものを、衆目ある場所で曝け出すには抵抗があったから。
とはいえ、そんな状態で同行していれば、いずれは起爆するもので]
俺だってなぁ、好きでこんなもん持ってる訳じゃねぇんだよ!
[行動を共にするようになって数日後。
森の中での休息時に、高まった苛立ちが思いっきり爆発した]
しょーじき、勇者の血筋とか、ぜんっぜん、聞いた事もなかったのにいきなり言われて、勇者だからって理由で死にそうになって!
でも、仕方ねぇだろ!
どんなに投げだしたくても、他にゃできない、って言われちまったら、逃げられねぇだろ!
[一息に捲し立てた後、は、とひとつ、息を吐いて]
……大した力もないのに。
『勇者だから』って、いろいろ、良くしてくれる人たち、さ。
…………裏切れるかよ。
[ぽつり、と零れたのはいつからか芽生えていたもの。
掠れた声は、その期待に折れそうな脆さを伝えたか、否か]
と……とにかく、だな!
あんたが俺を認めようが認めまいが、納得しようがしまいが、これが俺から離れようとしねぇ以上は、進むしかねぇんだよ!
[ほろり、零してしまった内心を押し隠すようにまた早口で捲し立てる。
なんか余計な事言ったー、とか、そういう照れ隠しなのは、ほとんど通じてはいないだろうが]
どーにも気が済まないってんなら、俺からこれ、引き剥がしてみやがれ!
[自分以外が振るう事を是とせぬ剣は、その頃はまだ錆びついていた。
鞘に収まったままのそれが低く唸るのも構わずぶつけた言葉は、さて、どう響いたやら。*]
/*
アルフレッドに「力が欲しいか?」をやりたかったが、無い方が良いよねこれは、ってなったのでお蔵入り。
タイガにねこじゃらしを振りたい衝動に駆られている(
[ 次々に語られる伝説の魔王の偉業を耳にしたならば
彼の実力は疑いようもなく。
黒き魔獣程では無いにせよ
幼い頃の少女が魔王を信奉し
力になりたいと心から願ったことだけは確かだった* ]
―回想 黒き魔獣 ―
[ 少女は魔王の力になりたいと願っていたが
癒しの術と強化の術以外に扱えるものはなく
こと戦闘においてはからっきしであった
それは少女が魔族として過ごす間、
戦闘で漆黒の兇器を持つ大きな黒い獣が
目を瞠るような活躍を遂げた後の事だろうか ]
私に、闘いを教えてくれませんか
魔王様の力になりたいんです。
[ 本当は、怪我をしてないか確かめ
もし怪我をしていたら治療する目的で傍へ駆け寄った
…はずなのに気付いたら
ポロリと言葉が漏れ出していた
一瞬の後に先ほどまでの強烈な野性を脳裏に浮かべ
"ごめんなさい"と去ろうとした
その姿がどう映ったかは分からないけれど。*]
― 回想 ・勇者と魔獣の対決 ―
[ それは幾度となく繰り広げられた闘いの中の一つだったろう。
強靭な肉体を持つ黒き魔獣との対決で
目の前で パッ と朱が弾けた時の事を
まざまざと思い出す
いつもより白く見えた勇者の顔色を黒き魔獣から隠すように
間に割って入ろうとした。
もし仮に彼が反対しようとしたならば ]
怪我人は下がってなさい。
私が相手よ、タイガ。
[ ぴしゃんと言いのけた。
魔王様に誰よりも忠実な魔獣の事はよく知っていた
その美しい毛並みに覆われた強靭な
躯に秘められた恐ろしさの事も。
接近戦での戦力差は歴然だっただろうが
魔力で編み強化の術を施した破魔矢で牽制すれば
すぐに戦闘不能になることも無かったはずだ
私が癒しの術を施したのは
多少なりとも危機が去った後だろうが。
鋭い爪に裂かれた傷跡にそっと手を当てて祈れば
二人を柔らかい光が包み、やがて傷は綺麗に癒えた事だろう
気をつけなさい、と怒りたいところだけど
元気な顔を見せてくれたなら許してあげようかな?* ]
― 回想 魔族となった日 ―
[ 悲鳴。 ――命が消えてゆく
騒音。 ――営みが壊れゆく
……静寂。 ――死が訪れた
母親だったのだろう肉体が守る木箱の中
赤子はむずかるよう泣いていた
己の周りで何が起こったかは知らずとも
良くないことが起こったことだけは察していたから。]
[ その時抱き上げてくれる誰かの腕があった>>48
パチリと金糸雀色の瞳を開き、覗き込む顔を
不思議そうにじーっと見上げた。
その指をぎゅっと掴んだのは本能的なもの。
その日からローゼライトを始め
魔族たちと共に暮らす生活が始まった
育ててくれた道化師に少女はよく懐いていた
彼の操る奇術を目をキラキラと輝かせながら見つめ
彼がこちらを見てくれたなら、いつだって
笑顔の大輪を咲かせていたのだろう
初めて自分の脚で歩けた時も。
初めて自分の意思で術を操った時にも。
喜びを伝えようとぱっと振り返る
視線の先に居たのはいつだって彼だった ]
一度。二度。
差し向けられる度に心は冷たく閉ざされていった
そういった" 敵 "を撃退する際には
ボロボロに傷付きながらも
意地でも一人で立ち向かった
命は奪わず
道化師に" 私は貴方にだけは負けない "と伝えなさい
そう伝言を託し。
立ち向かう度に強くなれた
立ち向かう度に魔族への憎しみが増した
…投げ出した皮肉も本音の一部だった** ]
[ かつての魔王国を人間の版図とした聖王家の現国王には四人の御子が在る。
知に優れた第一王子、武に優れた第二王子、魔力に優れ聖乙女とも呼ばれる王女。
しかし、第三王子は、知においては一の兄に及ばず、武においてはニの兄に及ばず、魔力も姉王女の力に足りぬ......それでも平時であれば、良かった。優秀な王子王女が三人もいれば、四人目が凡庸であろうと、王家の威信にも民の生活にも害は無い ]
[ けれど、魔王の侵攻に曝された王国の民は、より強い庇護を、魔を祓う確かな力を願い求めた。
自身に、その願いに応える力の足りぬ事を誰よりも知る第三王子が、王城から出奔したのは、丁度、聖魔剣の勇者が見出されたと、王に知らせが届いた頃 ]
[ 王都からの迎えを待たず行方をくらました『勇者』と、王都から出奔した城出王子が、偶然に同じ場所で魔族との争いに巻き込まれ、最初は互いの素性すら知らず、共に戦うことになったのは、あるいは運命の神の気まぐれ故か]
[ 共闘した勇者...とは、当時は知らなかった...クロートとは、そのまま行動を共にすることになり...直後に相手が『勇者』の役目から逃げた『勇者』であると知って怒りをぶつけることになったわけだが ]
[ 最初に投げつけた言葉には反論らしい反論もしなかったクロートに>>71自身の劣等感込みで抱いた怒りは冷めず、しかし、聖魔剣の勇者と知った相手から離れるという選択もアルフレッドには出来なかった ]
勇者たる自覚もない奴が、何故、単独で旅を続けようとする?王国軍に合流して指揮に従い、魔王を倒す手伝いくらいはしようとは思わないのか?
[ 第二王子率いる王国軍は、勇者の行方を追いながら魔王城を目指している。未だ聖魔剣の錆を落とすことも叶わない勇者がこのまま単独行動を続ける事は命知らず以外の何物でもないと思われた ]
...この間現れた道化師のような魔族、あれは恐らく魔王の側近だ。噂に聞いたことがある。
[ 揶揄うように、気まぐれに姿を現し、こちらを翻弄するだけして去っていった相手>>17 ]
奴が何故、最後まで戦わず、去って行ったと思う?奴は、お前を脅威と見なさなかった、勇者としての覚悟も自覚も持たぬ、ただの聖魔剣の所持者に過ぎないお前を、止める必要も殺す必要もないと思ったからだろう。
情けないとは思わないのか?
[ 脅威と見なされなかったのはアルフレッドも同じだ。さすがに、この頃になると、自分自身でも気付きかけていた。
これはもう、正当な怒りではない... ]
[ ぷつんと正に堪忍袋の緒が切れたようにクロートから吐き出された言葉に>>72はっと我に返り、そして思い出す。これまで意識して見ようとしてこなかった事実。
クロートは勇者と名乗る事を躊躇いながら、魔族に襲われる人々を見れば助けようとし、勇者としての力を頼まれれば、無碍にはしない。けれど、いや、だからこそ]
ああ、気が済まないな。いいだろう、聖魔剣にお前が選ばれた理由が、たかが血筋だけの事に過ぎないなら......この俺が、その剣の意志を変えさせてやる!!
[ 挑発されるままに殴りかかり、互いに息が切れるまで、殴り合い... ]
何が、大した力もない、だ!?お前の、お前の剣、は...
[ やがて、あと一歩でも動こうとすれば倒れると、自覚したうえで互いの襟首を掴み、ぜえぜえと息を荒げながら、初めて本音を吐き出した ]
お前の剣は、本物、だ!
国一番、の、英雄の.........弟で、ある俺、が、保証してやる。
俺が、どんなに望んでも手に入らない、本当の力を......お前は持ってる......
[ 血筋でもない、聖魔剣そのものでもない、クロートという青年の内に秘められた剣の才と魔に染まる事など決してないだろう強い魂の光...聖王家に生まれた王子だからこそ感じ取る事が出来るその真の力を、アルフレッドは羨み、焦がれ、妬みもした。 ]
聖魔剣は...だからこそ、お前、を...
[ けれど、いつしか、どこかで願っていた。クロートが、自らの力に気付き、聖魔剣を真に輝かせる時がくることを ]
/*
そうだ、ローゼは拾ってくれて(物理)ありがとう!
魔族が好きだったから大嫌い
…って設定の子だから、育ててくれて、敵も嗾けてくれて、とっても嬉しかったです(SUKI♡
/*
読み返しつつ。
勇者sは人情味に溢れた脆さがあって
魔王sがその対比で強敵感がすごい
by勇者sの平均戦力を爆下げしてる某巫女
/*
うんうん、ワタクシの使い方を良く分かってらっしゃいますねw>>90
やっぱり「力が欲しいか」やりに行こうかなぁww
/*
いやぁ、何度見てもクロートとアルフレッドの殴り愛(敢えてこの字)は熱くて良いね。
今回この手のは出来ない仕様なので羨ましい。
― 回想・黒剣虎と ―
[ここまでの長い長い道のりで、魔王軍の中核メンバーとは嫌でも顔見知りになっていた。
中でも黒い魔獣には幾度も遭遇して、そのたびに危うい目を見てきた。
あれはまだ、聖剣が光取り戻していない頃だったか。
黒い魔獣の爪と牙の前に皆傷つき倒れそうになっていた時だ。]
吾の勇者に手を出す奴には、こうなのじゃ!
[豊かに下草の生える場所だったのが幸いした。
神樹の巫女の呼びかけに、周囲の植物が絡まりあって壁となり、魔獣に雪崩れ落ちそうなほどに伸び上がる。
その間に、勇者一行は行方をくらませたのだった。*]
― 回想・道化師と ―
あやつは嫌いじゃ。
[両頬をぷくーと膨らませて怒っているのは、昼間出会った道化師についてだった。]
いつもいつもこそこそと出たり消えたり、
なんでもかんでも覗くのは悪趣味なのじゃ!
[お怒りの理由は、そうたいしたことではない。
物陰でこっそりおまんじゅうを食べていたのを見られた、程度のこと。*]
― 回想・黒エルフと ―
[そのエルフの噂は、森の奥の奥の神樹にまで届いていた。
"ダークエルフが生まれた"
最初の一報から、その後の顛末まで、森の木々や小鳥が囁いていたのだ。
そんな噂話とは別に、一つの思い出がある。
それは勇者がこの世に誕生するより前のこと。
神樹の傍らに迷い込んだか道が繋がったか、変わった毛色の幼子が現れた。
物珍しい客と言葉を交わし、少しだけ遊んだ別れ際]
みなには内緒なのじゃ。
[そう言って、神樹に宿るヤドリギの実をひと粒渡した。
神樹のヤドリギは赤い宝石の実をつける。それは持ち主の身を守る力を持っていた。]
[そんな出会いがあったから、魔王の配下としての彼に出会った時の第一声は]
おお!
あのちまこいのが、よう大きくなったのう!
[だった。*]
― 回想・カヤとの秘密の日々 ―
[夜の森は危険だ。
危険だけれども、森の獣なら怖くはない。
でも、その夜の森は違った。
魔の色濃いものが森に入り込んでいる。
そのせいで、森の木々も落ち着かなげにざわめいている。
自分たちの森でなくても、求められれば助けてやりたい。
そう思って入った森の中、見つけたのは魔物ではなく人だった。]
― 魔王城最深部 ―
[意識を魔王に向けつつ、けれど、向けられる視線>>42は感じていた]
…………。
[漆黒の魔獣。
その鋭い爪に裂かれた回数は一度や二度では済まない。
未だ剣目覚めぬ頃には、未熟さも相まってフランのおかげでどうにか難を逃れ。>>96
その後に相対した時も、カヤに救われなければどうなっていたかわからない。
純粋に、強い、と。
余計な飾りなく認められる存在]
……だからって、下がる後ろはねーんだよな。
それに……。
[ふと思い返すのは、いつかの出来事]
― 回想・対峙の後 ―
[それは、剣の光が少しずつ目覚め始めた頃。
黒の魔獣と相対し。
ほんの僅かな慢心が呼びこんだ隙、それを突いた一閃がは鮮やかな朱を散らして]
ちっ……。
まだ、だ……!
[辛うじて急所は外れていたが、流れる血が手を滑らせる。
立っているのも精いっぱい、という状況で、けれど、後ろに下がる事は選べなかった。
理由は単純な──それこそ、男の意地とかそう言ったものだったから]
って、おまっ……!
なに、前、出てんだよっ!
[自分と魔獣の間に割って入ろうとする姿に、とっさに口を突いたのはこんな一言。>>83
けれどその言葉は跳ね除けられ、実際の所、動くには血を失しすぎている、というのは自分でもわかっていて。
情けなさに歯噛みしながら、対決の行方を見守った]
っきしょ……。
[下手に動けば、返って邪魔になる。
それが何を導くかぐらいは、理解できていたけれど。
言葉にできない悔しさが積み上がったのは已む無しか]
……ぁー……えー、と。
[一先ずの危機が去り、一息ついて。
癒しの力が向けられると、どうにもこうにも決まり悪くて言葉にならない呻きが落ちた]
……悪い……無理させた。
[あの魔獣を相手取るのがどれほどの事かは身に染みているから、最初に口にを突いたのは短い謝罪。
それから、少し間を空けて]
― 魔王城最深部 ―
[ふる、と首を軽く振って、意識を目の前に向ける。
相対すれば常に接戦、醜態を晒した回数も少なくはない。
それ故に]
……負けられねぇ。
[黒の魔獣に抱く思いは、単純明快。
『勇者』としての務めを阻む障害という以上に。
個として負けたくない、という思いがそこにあった。**]
軍を率いるでも、聖具を手にするでもなく。
そなたは何者として、我が前に立つのであろうな?
[その呟きに、答えはあっただろうか。
楽しげに王子を見る魔王の目は、この戦いの先――ゆくゆくは訪れるであろう、聖王国軍との全面衝突を見据えるようでもあった]
─ 回想 ─
[>>70道化師に頼んだ花は、道端でも咲いているありふれたもの。
人の暮らしにも通じている道化師なら、雑草と大差ないとも受け取られるだろうか。
けれど、私にとっては小さな秘密であり大切な思い出の証でもあり]
此処に来るまではよく目にしていたものですから。
見られなくなったことが、落ち着かなくて。
でも、すぐ枯れてしまうかもしれないから、一株だけ。
[人の中に居場所を探し続けた私の、望郷の投影までを込めた願い。
道化師にはどこまで見透かされていたか。
いや、もしかすれば何も見抜かれてもいなかったかもしれない。
>>73静かな微笑みはどちらとも取れるもので、だからこそ私も何も言わなかった]
[根付けずとも、押し花にしたり種を残したりできれば重畳。
それ位で期待はしていなかったけれど、ローゼライトが届けてくれた花は枯れも腐りもせず。
翌年には小さな花壇を彩る程度の株分けも出来た。
人の住む地では取るに足らぬものでも、自生していない魔王の領地では見慣れぬもの。
物珍しさに見に来る魔族も少なくはなく、私と交流を持った者なら一度はこの花を見ただろう。
ただ、私から見に来ないかと声をかけたのは、一人だけ]
少し、私に付き合ってくれませんか。
[道化師が庇護しているというその少女は、>>81幼くも魔王の力になりたいとタイガに願い出る程の思いがあった。
その気持ちは偽らざるものだと、傍目から見ていた私でも容易に分かるものだったけれど。
浮かんだ懸念のままに誘った花壇の中、良く伸びた数輪を根元から手折って]
私が貴女くらいの頃に、教えてもらったんです。
戦いに必要なものではないけれど、私はあの時嬉しかったから…
貴女にも、知ってもらいたくて。
[そういって、小さな手を取って一緒に花を編み込み、作り上げたのは小さな花冠。
>>98幼い頃迷い込んだ、森の奥の更に奥深く、樹の下で出会ったかみさまがそうしてくれた様に]
私も、タイガのように戦うことはできません。
貴女のように、癒す術もありません。
私は、御領主…魔王様の力になれていないと思いますか?
[タイガが彼女の願いになんと答えたかまでは見ていなかったけれど、彼女の切なる願いの危うさだけはずっと残っていて。
皆が同じである必要は無いのだと含んだ問いかけは、彼女には伝わったか。
もっとも、伝わっていなくてもそれ以上の言葉は重ねなかった。
異質であるが故に流離ってきた私には、彼女がいずれ自身の異質に気付いたら、という懸念がどうしても拭えなくて。
少しでも人の世界のものに触れておいた方がいいのでは、という狙いは達成できていたから**]
先ずは血に中らぬ体幹を作ることだ。
魔王様の選ばれる道は、決して易き道ではない。
それが叶えば―――…、
[乾いた爪で軽く前髪を掻き上げれば、暫し逡巡。
彼女の爪は丸く、細く、硝子のように薄い。]
魔力の編み方を教えてやろう。
他に施すのではない、一点に向け、発するのだ。
[魔法は余り得意ではないが、力の流れを追うくらいは難しくない。
彼女のように一目で知れる才があるなら尚のこと。]
[黒獣との間に、歪ながら師弟の関係が結ばれたかは彼女の忍耐と根気次第。
決してひとを導くことに長けた獣ではなかったが、自ら放り出す無責任な真似はしなかった。牙も無く、爪も無く、儚げな娘であったが―――]
その心意気、ゆくゆくは魔王様の財にも数えられよう。
よく励むのだぞ、娘よ。
[獣にとっては同じ志を持つのならば、種が違えど、躰が違えど、等しく同胞であった。*]
[王の財が欠け、仇成すものへと転じた光景は己の胸に苦いものを溜めた。
あと一歩と踏み込んだのに、精彩を欠いて勇者を仕留め損ねたのも同じ理由。去り際、支え合う二人を見やり、瞳を歪めた訳は。
人に変わった娘の裏切りを憎んだか。
それとも、人を変える勇者の聖光を疎んだか。
看過出来ぬと聖魔剣の強き輝きに、一層の険が帯びた。*]
― 回想・勇者と王子 ―
[出会い方、それそのものは決して悪くはなかったと思う。
魔族に悩まされていた村にそれぞれが偶然に立ち寄り、人々を救うために共闘した。
その時の動きや態度から、悪い奴じゃない、と直感的に感じ取っていた。
ただ、自分が聖魔剣の継承者であると知られた後のやり取りは鋭い棘になっていて]
……どーいうやり方しよーと、そんなん俺の勝手だろー。
[向けられる問い>>89にも、返す言葉は素っ気なく。
単独行を続ける真意──組織の中にいたら取りこぼしてしまうものを拾いたい、という思いを口にする事はなかった]
てかほんっと、逐一うるっせぇな!?
[道化師との遭遇の後に向けられた指摘。>>90
自覚はあった。ありすぎた。
あり過ぎたから、ふつっと何かが吹っ切れた]
そんな事、言われなくたってわかってんだよ!
でもな。
あんたに、一体、何がわかるってんだ!?
俺が……どんな思いで、ここまで……!
[一度言い出したら止められなかった。
感覚の赴くまま、抱えていたものを叩き付け、そして]
……上、等っ!
だいったい、気に入らなかったんだよ、上から目線で言いたい放題言ってくれやがって!
[売った喧嘩が買われたからには、遠慮はない。
覗き見されている>>102事など気づく余裕もなく、突きつけた剣を放り出して─その瞬間、物凄く不機嫌そうな唸りが上がったのは余談─の殴り合い。
溜め込んでいたものを吐き出すかのようなそれの果て、互いに掴み合った所でぶつけられた言葉。>>91 >>92
蒼がひとつ、瞬いた]
……っんだよ、それ。
[国一番の英雄、が、誰をさすのかくらいはわかっている。
わかるが故に、いきなり言われたそれに戸惑った。
剣が錆びついたままなのは、手にした者の内に迷いの霧が残るが故。
それを超えて輝きを放つには、まだ色々が足りていない]
て、こら!
変なとこで気ぃ失うんじゃ……!
[最後まで言い切る前に意識を落としたアルフレッドに突っ込みを入れる、ものの。
こちらも限界到来間近、相次いで意識を落とすのは避けられず]
― 対峙の刻 ―
[魔王率いる軍において、癒しの力は希少であった。
道化師が手に入れ育てた赤子。
非力ながら魔獣に教えを乞い魔王軍に献身する姿は、目を瞠るものがあった。
流れ者のエルフは、また違った視点で彼女>>78を見ていただろうか]
クク……そのしぶとさ、誰に教わったのであるかな?
[魔王軍から逃げ延びることも、その後旧知の者らと戦う道を選ぶことも、容易ではなかろう。
それを為したことへ、魔王は賞賛を向ける]
一時とは言え、そなたの胸に真の忠誠があったこと、我が記憶に留めておこう。
[しかしそれは手心を意味せぬことは、その眼光から伝わるか*]
― 回想:子育ての日々 ―
[赤子 ─── カヤを拾ったとは言え、常に留まり続けることは出来ないのが道化師の役目。
故にその子育ては周囲を大きく巻き込んでのものとなった]
流石に子連れで向かうわけにはいかないので、しばらく頼みますよ。
[被害に遭ったのは主に配下の者達。
お陰で子守りが上手くなった連中が少なからずいた]
[放ったらかしにしなかったのは、カヤは己が拾ったモノであると認識していたから。
赤子から少女に成長したカヤは刷り込みを受けた雛のように道化師に懐いた。
彼女が見せる無邪気な笑顔は周囲を明るくする。
それもあってか、カヤは配下の者達を始め、他の魔族達にも受け入れられていった]
よく出来ましたねぇ。
[初めて術を繰った時>>85や、新たな術を覚えた時はそんな風に褒めたこともある。
けれど道化師は、所詮はヒトの真似事、と割り切っていた。
カヤを育てたのは魔王のために力を揮わせるため]
[だから8年前、カヤが逃げ出したのにも大きなショックは受けなかった。
いずれ起きることだったろうと推測もしていた]
連れ戻しなさい。
[それでも始末を命じなかったのは、少なからず情がそこにあったから。
尤も、連れ戻して抵抗されたなら、洗脳する心積もりもあったけれど]
[少女は終ぞ戻っては来なかった*]
― 魔王城最深部 ―
それはそれは。
[魔族を”敵”と思うことが出来た。>>86
そう紡ぐカヤの瞳に温かさはない]
………『私は貴方だけには負けない』
でしたか。
[かつて刺客を差し向けた時、追い返された配下が伝えてきた言葉>>87。
聞いた時はつい、笑い声を上げてしまったものだ。
一人で立ち向かい続けたことも、誰に似たのだか、と喉奥で笑った]
ワタクシにだけは負けたくないと言うのなら、好きになさい。
それが可能ならば、の話ですけれどね。
[くつ、と道化師は冷えた笑みを浮かべる]
命を奪う覚悟のない貴女に負ける気は、ワタクシもありませんよ。
[言伝のためだったかもしれないけれど、見知った相手を殺さず追い返しただけに留めたことは、カヤの弱点と見ていた*]
[言葉が飛び交う、力が揺らぐ]
「………………」
[金の光が微かに震える]
『……御主』
[白の光が震えてコエを発した]
「…………今しばし、待て」
[返されるのは短い言の葉。
白と黒と紫は、それに微かな揺らめきと沈黙を持って返した。**]
―― 魔王城最深部 ――
[勇者一行にこれほど深くへの進攻を赦したのは何ゆえか。
今更考えようと意味のないことであるが、彼らには成し得ぬことを成し得る特異な力があった。
互いを助け合い、結び合うことで生まれる力。
人々が託した希望に小さく口腔で舌打ちを漏らすも、退く心算は一切なく。]
― 回想:
[偶然といえば偶然、必然といえば必然の出来事。
道化師の仕事は世界情勢の収集、そして勇者らの動向把握が主なもの。
故にその現場>>97に居合わせたのは、意図的であり偶発的なものであった]
おやおや。
神樹の巫女ともあろう方が、他の方々に隠れておまんじゅうですか。
[ひょい、と物陰の上に現れて零したのは微かな笑い声。
面白いものを見た、と言うのは態度にありありと表れていた]
いけないヒトですねぇ。
勇者達にも教えて差し上げましょう。
[クスクスと可笑しげに笑い、ふわりと宙に浮いた道化師に対し抗議の声は上がっただろうか。
勇者らにこのことが伝わったかは、フランの頑張り次第かも知れない*]
― 魔王城最深部 ―
[魔王と対する間は、後ろを振り返る事はしない。
改めて振り返らずとも、思う所は同じ、とわかっているから]
…………。
[こちらの宣に返されたのは、短い言葉。>>69
そのたった一言で、空気が、変わる]
……は。
[魔王の背後に立ち上るもの。
はきと形を見る事はできないが、それが放つ圧は感じ取れる]
さすがは魔王……ってか?
覇気も魔力も桁違い、ってとこらしいけどっ!
[言いつつ、手にした剣を上げて、横に薙ぐ。煌めきが弾け、銀色の光が散った。
剣を鍛えし存在──古き時代の聖霊と伝えられしものの祝福の光が、護るように勇者と仲間たちの周囲を舞う]
[黒の跳躍>>137と、銀煌の舞はどちらが先か。
身構えるこちらを飛び越し、神樹の巫女へと向かう黒。
迷いは数瞬。
蒼は上を──玉座に座す魔王を見やる]
そっち、任せた!
[真っ向勝負で相対したい思いはある、が。
己が成すべきが何かを思えば、振り返る事はしない──できない。
何より、己が先達とも言うべき巫女への信は、表にはあまり出ないが厚い。
だから、勇者が選ぶのは、玉座へ向けて、駆け出す事。*]
/*
引っ張り過ぎても共闘に至るまでのあれこれが追っつかなくなるので、そろそろぶち当たって労働する秩序さんを降臨させねば。
― 魔王城最深部 ―
[魔王と勇者の対話の後、道化師の背後で気配が変わる>>69。
紡がれた宣は短く、けれども確かな意志と力を以ていた]
お任せを。
[宣を受け、真っ先に動いたのは魔王の傍に侍る漆黒の剣歯虎>>137。
遅れて道化師が右手を勇者一行へと掌を向けた]
さぁ、避けられますかね?
[掌に凝集する魔力はいくつもの球形を作り出し、不意にその形を消す。
次の瞬間、勇者一行の頭上や背後からランダムに魔力弾が襲い掛かった。
瞬間移動として使用するディメンションゲートを介した攻撃。
奇襲や不意打ちを目的としたものだ]
[道化師の攻撃と前後して、人類の希望を一身に背負う勇者が魔王目掛け駆け出す>>141。
道化師の視界から外れた勇者への追撃はない。
魔王は護るべき王であるが、護られるだけの存在ではない。
誰よりも気高く誇らしい、全ての頂点に立つ者への懸念など、欠片も抱くはずがなかった*]
[見えぬ魔力が凝縮され、物理的な破壊力と共に具現化される。
それは縦に握られた、勇者の身の倍はあろうかという巨大な拳]
砕けよ!
[そして躊躇いなくそれは振り下ろされる*]
― 魔王城最深部 ―
[手にした剣、その輝きが思わせるものには気づく事無く。>>143
光さながら、真っ向駆けた先に見えたのは、笑み。>>146]
おうよ……見せてやろうじゃ、ねぇかっ!
[応ずるように叫ぶのと、魔力の拳が振り下ろされる>>147のはどちらが先か]
……っち!
[不安定な足場でそれを避けるのは難しい。
ならばどうするか。
答えは、明瞭]
この程度、で。
[呼吸整え、剣に力を込める]
俺たちの意志、託された願い!
潰せると思うんじゃねぇっ!
[宣と共に振り上げた剣と、振り下ろされた剣がぶつかり合う。
力が弾け、銀色の光が舞い散る中、僅かに膝が沈んだ、けれど]
……っせぇぃ!
[気合と共に、剣を振り切り、拳を跳ね除け。
屈んだ身体を伸ばす勢いに任せ、一気に残りの距離を詰めるべく、跳んだ。*]
/*
うん。
うん。
やっぱりこういう、直進系あほの子はたのしい。
とてもたのしい。
てか、やり易い……!
動き全然悩まねぇ……!
「…………」
[金の光がふるり、と震えた]
「…………愚昧」
「ヒトとは何故にこうも、争いという名の『混沌』を求めるか」
[紡がれる言葉に、白と黒が同意するように揺れる。
紫だけは、何やら妙な間が開いたが]
「……浄化を、しなくては」
「そして、『回帰』を」
[謡うようなコエの後、金の光はふるり、揺れて。
直後に、その輝きを一点に集約させる。
生み出されたのは、黄金に輝く、巨大な槍。
それは真っ直ぐに、相対する者たちのただ中へと投げ落とされた。**]
─ 回想 ─
[抱いていた懸念から、カヤが道化師の下から逃げたと聞いても驚きはしなかった。
私がこの地に辿り着いたように、彼女もまた、自分の居場所を求めに向かったのだろうから。
それでも、少しだけ後悔を抱いたのは]
…もしも出ていくのなら。
これを、渡そうと思っていたのだけれど。
[胸元から引き出した細い鎖の先、艶やかな赤珠を手で包む。
少なからず私は彼女に自分の境遇を重ね見てしまっていた故の餞別を渡したかった]
[これは、幼い私が迷い込んだ先で出会ったあのひとから貰ったものだ]
──わたしのこと、こわくないの?
[見た目を除けば私なんてただの子供なんだから、怖くなくて当然だったかもしれないけれど。
それまで会ってきた、両親以外の者は皆私を遠巻きに見てきたから。
物怖じもせず、一緒に遊ぼうとまで言ってきたその人は、私にとって未知の存在だった。
花冠を一緒に作ったり、茎で作った風車を回して遊んだり。
今まで一人でしかできなかった事を初めて一緒に遊んでくれたその人は、かみさまに見えたのだ]
[その”かみさま”から別れ際に内緒だ、と渡されたものだから誰にも話さず、見せぬまま。
どういったものなのかも、分からないまま持っていたけれど。
私にとっては、思い出も含めて心の支えだったから]
………かみさま?
[初めて遭遇した勇者の一行の中。
カヤだけでなく、>>99彼女までが居る事で動揺したのは、否定もできない事実**]
― 魔王城最深部 ―
[ただ、力を見せつけ圧倒させるかのように現れ、振り下ろされた拳。
勇者はそれを避けることなどせず、高らかな宣と共に剣を振り上げて>>148>>149]
――……ほう。
[魔力の塊である拳を聖魔剣は受け、やや間はあったものの、気合いと共に跳ね除けられる。
真っ向から受け止められるは、予想の中では下位であったが故に、僅かに感心の面持ちを見せた]
ま、小手調べではあるが、な……!
[膝を曲げた反動を活かし、勇者が跳ぶ。
それを受けて新たに生み出された魔力の手は、横合いから勇者を吹き飛ばさんと力を溜める。
だが――]
ふにゃっ。
[黒い魔獣の初撃を躱してまだ空中にある時に、道化師の作り出した魔力弾が襲い来る。
これは避けられないと見て、守りを固めることを選んだ。
詠唱無しの簡易魔法で、どれだけ耐えられるかわからないけれど。
思念の呼びかけに応えて、木精宿る神樹の枝から蔦が伸びて傘を作った。
そこへ魔力弾が着弾する、と思われた瞬間、天より落ちてきた巨大なものが何もかも吹き飛ばす。]
[地面を二、三度転がるころには、魔力弾も木精の守りも消えていた。
体を起こし、はっとして玉座の方を見る。
あちらの方が、衝撃の中心に近くはなかったか?]
クロート!
[叫んでみても、視界は土煙で少し霞んでいた。**]
─ 魔王城最深部 ─
[そんな当初の困惑も、幾度と戦いを重ねた今はもう残っていない。
お互い、掌を返せるならもっと早くにやっている。
故に、こちらも躊躇う理由は無いから]
タイガ!
[>>69領主の号を受けてその爪を揮う魔獣に、より高く早く跳ぶ為の風を添える。
かみさまと呼んだ彼の人の方がその扱いには長けているのは、もう知っているけれど。
その差を捻じ伏せるだけの力が魔獣にあると、これまでの戦いが教えてくれているから]
[奇襲を主とするローゼライトには補佐はし辛く、領主たる魔王はそも補佐など不要だろう。
となると、必然的にタイガの補佐が私の主な役割となり。
風と並行して、生み出したのは水の帯。
タイガの背を追って、彼の背後を波打つリボンが護衛する。
余裕があるなら、攻勢にも転じさせようかと思考を巡らせたその時]
な──?!
[魔王でも勇者でもない、大きな力。
黄金の輝きを認識したのと、>>155魔王の警告はほぼ同時。
即座、水と風の保護を私とタイガ双方に展開させたのは間に合ったか**]
― 魔王城最深部 ―
[高く、高く跳ぶ。
叶うなら、相手の上を取れるくらいに。
そんな事を思いながら、踏み切った、が]
……ちっ!
[すぐ近くに、先ほど跳ねのけたものと同じ気配を感じる。>>154
さすがにこれは、と思うのと、何か、異質な力を感じるのとは、どちらが早かったか]
な、なん、だっ!?
[魔王の叫びが聞こえる。>>155
思わず上げた疑問に答える声はなかったろうが、このままではまずい、と。
思った直後に、金色の何かが落ちて来て]
…………っ!?
[手にした剣が警告するようにりぃぃぃぃん、と澄んだ音を立てる]
聖魔剣が、警告して……って、ちょ、わっ!
[上げかけた声を遮るように、衝撃が走る。
未だ中空にある身では凌ぐのも難しく、そのまま吹き飛ばされ]
……ってぇ……。
[どうにか受け身はとれたが、落下地点は階段の途中。
下まで転がり落ちずに済んだが、かなり痛い]
……けほっ……っんぱい、すんな!
[名を呼ぶ声>>157に、土埃に咳き込みながら怒鳴り返して。
歌うように鳴る剣を握り締めつつ、視界が晴れるのを待った。**]
[投げ落とされた黄金の槍が纏うのは、勇者のそれとも魔王のそれとも違う力。
どこか冷たく無機質なものを感じさせるもの。
衝撃が巻き起こした土煙が鎮まった頃、唐突に声が、響く]
「……争いを持ってのみ、全てを決するは愚昧」
「……斯様な事を繰り返し、ただ、『混沌』に沈むような世界は不用」
「故を持ちて浄化する」
「……全ての存在に、無への回帰を」
[歌うように吟ずる声が響いた後、再び黄金の槍が生み出される。
それが落ちるのは、魔王城──ではなく。
世界各地の、争いの起きている場所へ向けて、次々と降り注ぐ。
それは、世界そのものを滅ぼそうとでもいうかの如き、無慈悲なる攻撃だった。**]
/*
しかし、自分でやっといてなんですが。
過激だよね(
…………妥協ないからなあ、労働する秩序さん。
てか、妥協しちゃうと本質が揺らぐっつーか、うん。
うん。(何
― 魔王城最深部 ―
[魔力弾を受け、フランが守りへと転じる>>156。
一時的にでも攻撃を封じたなら、後はタイガが隙を突くだろう、と。
追撃は任せ、次手へと移ろうとした時だった]
なっ ───
[魔王からの警告>>155、そして聖魔剣の異変>>161。
未知なる黄金の輝きに魔力壁を展開したものの、耐えることは出来なくて]
───……ったた……
[玉座の間全体を揺らした衝撃により、道化師は玉座の間の壁まで吹き飛ばされていた。
強かに背を打ち、壁に凭れるような形で座り込む]
…なんです、今のは。
[視界は土埃に覆われてしまいはきとしない]
ヴァートル様、タイガ、イース。
ご無事ですか?
[声をかけながら、ディメンションゲートを開き玉座の傍まで移動する。
魔王が玉座から離れてしまっているなら、”目”を以て特定し、その場所へ]
[やがて土埃が収まった頃、姿なき声>>163が響いた]
…無への回帰、ですって?
何を傲慢な。
[それが何者なのかは分からない。
分かるのは、黄金の輝きは声が放ったらしいこと、それが無慈悲な力であることだけだった]
どこの愚物ですか、我らが王に手を上げたのは。
[ふと、天を仰ぐように見上げる。
あの輝きは上から落ちてきていたはず。
見上げた先に天井はなく、大空が広がっていた]
[その大空に走る、一筋の光>>163。
否、いくつもの光がある一点から放射状に放たれていた]
これは……!
[道化師は魔王城の上へと転移し、走る光の先を目で追う。
世界各地へと降り注ぐ黄金の槍。
破壊を齎す光は、広い大地を覆い尽くさんばかりの勢いで降り注いでいた]
ヴァートル様、一大事です。
先程の光が、各地に降り注いでおります。
このままでは……。
[あの声の通りになると。
全て言葉にせずとも、それは誰しもに伝わることだろう**]
" 人間として "は初めて見る月だ
冷たくも暖かくも見えるそれは
決意の正しさを教えてはくれなかったけれど。
この満月まで導いてくれた彼女の手の
暖かさを忘れることは無いんだろうな。
それだけは分かった ]
[ 時は移ろいクロートとアルフレッドが大げんかをした日
フランと肩寄せあい、二人の様子をくすくすと
微笑ましそうに見ていた ]
そうね
男の意地ってものかしら
…ちょっと羨ましい
[ 互いを傷つけるためでなく
互いを認めるために。
くすりと笑ってフランに続いて立ち上がった
ゴツン!倒れている二人にげんこつを振らせたのは
すぐの事だった ]
[ 因みに命に関わる怪我では無いので
癒しの術は掛けなかった
忘れちゃダメよ?
意地悪な巫女は殴り合いの跡をしばらく
微笑ましそうに見守っていたのだとか *]
…同じ戦いは無理だわ。
[ある意味分かりきっていた筈の事柄だった
何もしないまま諦めたくない。
それだけの理由で彼の戦いを真似ようと
試みてきたけれど。
その後魔力の編み方を教えてもらえたなら
その上達は早かっただろう
彼が放り出すことなく教えてくれた事もあるし
無駄に思えた訓練の中でも
研ぎ澄まされてきた感覚はあって。
訓練の中ではイースのように彼の補佐をする
レベルには到ることは無かったけれども
少しばかり目つきの鋭さの増した巫女が
懸命に励む姿がそこにいあっただろう *]
ううん、イースはとても
役に立ってると思うわ
色々な種族を見てきたけれど
得意も苦手も様々で、どれもが大切だもの。
[ ポキリ。
乾いて堅くなった小枝を容易く手折った。
自分が魔族であるか人であるか
疑念を拭えなくなってきた頃合であった
否、薄々魔族ではない、と勘付いてはいたのだ
ただ自分が今まで暮らしてきた世界以外のものを
知らぬが故に蓋をしてきただけの事。
蓋をするために訓練に打ち込んできたが
余計に違いを思い知らされたのみで。]
[ 穏やかな空気なのに。
哀しいことなんて無いのに。
外の世界を思わせる花を見て、泣きたいような
心地になる感情に、説明はつかなかった **]
― 旅の途中 ―
った!!
[ 男同士の殴り合いの果て「おなごの権利」>>102を振りかざしたフランとカヤの拳骨をクロートと一緒に喰らい、いろんな意味で目を覚まされた ]
くっそ......なんだ、その目は、バカだと言いたいのか?言いたいんだな?それくらいもう知ってる!
[ 呆れたようなフランの視線から目を逸らすと、今度は隣のクロートと目が合って、むう、と口をへの字に曲げた ]
言っておくが...お前が勇者に相応しいと「まだ」認めたわけじゃないからな。
[ 口をついて出るのは、あまり変化のない憎まれ口。
カヤに羨ましいなどと言われれば>>172余計に表情は苦虫を噛み潰したようになった ]
[ その後も、勇者に対するアルフレッドの辛辣な態度は相変わらずだったが、「お前はバカか?」と文句をつけながらも、クロートの行動を邪魔する事ももなく、王国軍との合流を再び勧めることもなくなって...やがて、聖魔剣が徐々に輝きを増していると感じられるようになった頃、アルフレッドは一人、一行から離れて姿を消した。
なんの説明もしないままの単独行動だったから、愛想尽かしと思われても仕方なかったが ]
『護身用に持っていけ。無茶はほどほどにしろ』
[ 短い書き置きと共に、カヤの枕元に残された、聖なる護りの術をかけられた聖王家伝来の短剣が、絆は切れてはいない事を伝えはしたか ]
兄上、お願いがあります。
[ アルフレッドが向かったのは、第二王子が率いる王国軍の元。行方知れずだった弟が勇者と行動を共にしていた事を知った兄は、さすがに驚いた顔をしていたが、末弟に対して甘いのは兄弟共通で、その表情には怒りよりも心配の色が濃かった ]
聖魔剣の勇者は、未だ力を鍛える途中にあります。魔王に対峙するには、今しばらくの時が必要...ですが、彼は...クロートは必ず、それを成し遂げる。
兄上、俺は兄上達や姉上の強さと才を...そしてその力を心を磨く苦心と努力を、誰よりも間近で見てきた。だから、分かります。
クロートは近い将来、必ず兄上と肩を並べ、兄上を抜く日も遠くはない男です。
[ 未だ見知らぬ勇者が、いずれ自分を抜くと弟に告げられた当代の英雄は、目を瞠ってから、面白そうに破顔した ]
『それほどの男か。ぜひ一度手合わせしたいが...お前が連れて来なかったということは、まだお預けなのだな』
はい、兄上。幸い魔王は未だ勇者の真の力を見切ってはいません、だからこそ、魔王軍の隙を縫い、王国軍の手の届かぬ民を救いながら進むこともできている。
けれど、この先、クロートの力が増せば、魔王軍の妨害も本気のものとなるでしょう。
だから、兄上......兄上の力で、魔王軍に対する壁となっていただきたいのです。
『ふむ、勇者との合流をこれまで目指してきたが、敢えて別の道を進み、魔王軍の力を分けよというわけか。それは、王国軍に勇者のための囮となれという意味になるとは、解っているな?』
[ 視線を鋭くして問い返した兄の目をアルフレッドはまっすぐに見つめ返したまま、頷いた ]
それが、魔王を倒すための一番の早道...兄上と王国の猛者の力であれば叶うはずです。
『......よかろう』
[ 弟の目に些かの迷いもない事を知った第二王子はにやりと笑って頷きを返した ]
『勇者が、先々で人々を救い、希望を抱かせているという噂は届いている。お前がそれを本物と感じたならば、彼の力は間違いないものなのだろう。
我ら聖王国の守護騎士一同、喜んで勇者殿の盾となる』
...ありがとう、ございますっ!兄上!
[ 説得にどれほどの時間がかかるか、説得しきれるかどうかの確かな自信はアルフレッドにもなかった。そもそも王国軍にたどり着く前に一人で魔族に囲まれれば、命の有る保証も無かったのだ。
だから何も告げずに、仲間の元を離れ、兄王子に対して無茶振り同然の願いをかけた。
一歩も引かぬ気概は持っていたものの、あっさりと叶えられた願いに、喜びよりも驚きが顔には出てしまっていたのだろう。兄は苦笑して、深く頭を下げた弟の頭に、ぽんと手を乗せた ]
『お前は気づいていないようだったがな、お前の目は、誰よりも確かだと、兄上も姉上も俺も、知っている。
お前が信ずる相手は信に足り、お前が疑う相手は必ず異心を抱くか悪事を働く根を持っていた。
だから、お前がそうと信じるなら、勇者殿は確かに、真の勇者なのだろう。
アルフレッド...我らはお前と勇者殿を信じ、力を尽くす。
お前も、お前の信じる道を征け』
・
・
・
・
本当、に、お前は馬鹿か?!
[ 王国軍と話をつけて、仲間と再び合流したのは、丁度、漆黒の魔獣の襲来によって、クロートが重傷を負い、カヤに救われた直後のこと ]
お前の身は自分だけのものじゃないんだぞ、いい加減にそれを自覚しろ!!
[ 口にするのは、悪態だが、青ざめた顔と固く握りしめた拳が表すのは、その場に間に合わなかった己への怒りと後悔の念、だとは、フラン辺りには明白だったか ]
カヤ、お前もだ。だから無茶をするなと...いや、お前が居なければクロートが生きてはいなかったことはわかる。...よくやったと、思う...思うが...お前も、もう少し自分を大事にしろ。
[ 色々とごまかし切れなくなって、最後は早口のうえ視線も泳いでいる辺りは、こちらも相変わらずの残念さだったとか* ]
― 魔王城最深部 ―
[ 勇者一行の一番後ろ、魔王と正面から対峙するクロートの陰に隠れるように立つ聖王家の名もなき王子の姿は、魔王からは意志も力も見えぬ存在と映ったか。
投げられた声>>110に、アルフレッドは静かな笑みを返す ]
今の俺は、王子としてここに居るのではない。
[ 『お前の信じる道を征け』そう送り出してくれた兄の言葉を胸に、聖具も兵士も持たぬのは、旅の中で得た別の力を、そして仲間を、何よりもクロートを信じるが故 ]
だが、我が祖先がお前の領を奪ったと言うなら、これだけは言おう。
魔の王よ。人にも魔にも、お前の眠りの間にも続けてきた営みがある。お前にとってはひとときの眠りでも、生きる者にとっては長き営み、それをすべて、お前の睡夢と断じて消そうとするは、傲慢に過ぎない。傲慢によって民を犠牲にする者を、俺は真の王とは認めない。
[ 交わる事のない人と魔の主張は、結局のところ、ただ互いの差を際立たせただけかもしれなかったが、何も言わずに済ませることもできなかったのはやはり、王子としての自覚ゆえだった ]
我が抱きしは嵐の種、竜の心臓、大地の唸り...
[ やがて魔王へと意識を集中したクロートの手にした聖魔剣の輝きに、重ねるように唱え始めた詠唱は、アルフレッドの持つ剣に、数種の属性を持つ魔法の光を同時に纏わせる、その光が聖魔剣と共鳴するように明滅するのは、アルフレッドが正確に聖魔剣の力の流れを読み取り、魔力に反映させているからだ ]
[ 巡る力はクロートの影に重なり、彼が魔王に向けて駆け出すと同時>>141 ]
我が命を楔と為して、我が友を守護せよ!
[ 目の前の空間を切り裂くように一閃した剣から放たれた輝きは、勇者の影に吸い込まれていく。
魔力の足りぬを補うために、自身の命を魔力に変換し、あらゆる属性への守護の力として影に溶け込ませる魔法。
それは聖魔剣の輝きが取り戻され、その力の共鳴を得てから編み出した術で、もちろん、使うのも初めてのものだったが、どうやら成功したようだった ]
[ そしてほぼ同時に、クロートの声に応じてフランの放った風精が漆黒の魔獣を迎え討ち、縁ある相手でもあると知る道化師に向けて、カヤが声を返す。その声の中に、悲痛の色を感じて>>184 アルフレッドの足は自然に彼女の元へと向いた ]
カヤ!!
[ 天からの黄金の柱が地を貫かんと降ったのは、その瞬間。自らも爆風に晒されながら、同じように吹き飛ばされたカヤの身体へと、手を伸ばしたが、その身を引き寄せることは叶わず、それでも僅かにぶつかった腕が、飛ばされる勢いを幾らかは削いだだろうか ]
くそ...!
[ 自らも床に背中から叩きつけられたが、なんとか受け身を取るには成功して、土煙の中、クロートを呼ぶフランの声と、応じるクロートの声を聞き取ると、倒れたカヤの元へと駆け寄った ]
カヤ!
[ 名を呼んだと前後して、天から響く声に舌打ちし>>163起き上がろうとして果たさず、倒れたカヤに眉を下げる>>185 ]
世界より、お前の方が大変だろう...まったく、どこまで無茶だ。
[ すぐに天からの矢が、再び降り注ぐ。気を失ったカヤを抱き上げると、アルフレッドは、崩れた瓦礫の影で矢をやり過ごし、避けながら、クロートが居ると思しき方へと声を張る ]
俺も無事だ。カヤも...とりあえず生きてる。
[ とても魔王との戦いを続けられる状況ではない、とは、思っていた。しかし途中で魔族と鉢合わせれば、剣を構えぬわけにはいかないだろう** ]
/*
人によって態度の差が激しいけど
クロート→好き(心配)
アルフレッド→好き(このバカ!)
フラン→大好き(お姉様!)
タイガ→尊敬(罪悪感)
ローゼ→大好きだった(罪悪感)
イース→好き(好き)
魔王様→尊敬してた(打倒すべき)
基本的に皆の事好きなのですよ…
[ 聖王家の短剣は確かに彼との絆が途絶えてはいない
ことを伝えてくれていた。…が ]
何で、こんな…
これでお別れみたいな事書き残すのよ…
[ 残された書置きには戻るとも戻らぬとも。
戻るつもりなのか?戻れるのか?
彼の実力には全幅の信頼を寄せており
旅の途中で幾度となく助けられたこともあっただろう。
それでも多数に囲まれれば戻れる保証など無いのに。
不安か苛立ちか。
それから暫くは普段通りに振舞いつつも
浮かべる笑みにはどこか陰りがあったのが
目敏いものであれば見て取れたかもしれない。]
―現在―
…よかった
…アルフ、が、いる…
[ 夢と現実が混同していたのだろうか
額から溢れる血に少し顔を顰めた後
アルフレッドの顔を見て安心したように
ふっと微笑んで再び目を閉じた
気絶すると、躯の裡を絶え間なく流れる
癒しの力が消えてしまうのが難点だが
吹き飛ばされる勢いはアルフレッドが
多少なりとも削いでくれたから
顔色は悪くない。
目覚める時も近いだろう **]
/*
今日はちょっと、早く帰れた!が...誰もいないなていうか、俺とカヤだけで画面が埋まってるな!(語弊
更新前にフランと魔軍の誰かとも絡みたいこころもあるんだが、うーん。
[しかし同時に、多くの意志を束ね強大なる者に立ち向かうのも人の強さと、魔王は知っていた。
この戦いの蔭では聖王国軍の抗戦により、魔族の軍勢の手を割かざるを得ない状況が続いていた。
勇者の一撃をこの身へ届かせるためだけに、多くの人間が動いた――動かす意志があったのだ]
全てを無に帰す、とな。
まったく、――
誰の許しを得て我が世界に手を出すか、不届き者め!
[幾ら変貌を遂げようと、人間が領地を広げ抗おうと、魔王にとってこの世は我が物に違いなかった。
故に、それを滅すると言う者を、捨て置くことは出来なかった]
勇者よ、残念だが決着はお預けである。
――我輩は、あの不届き者を討ちに征く。
[勇者一行は言葉を聞ける状況にあったか。
いずれにせよ魔王は一方的に宣言し、玉座より立ち上がる。
その視線は既に勇者らにはなく、遥か上空――光の源を睨んでいた]
タイガ、イース、ローゼライト。
[魔王が配下を名指しで呼ぶことは、そう多くはない。
そうである時は大抵、明白なる意志と共に命令を下す時]
そなたらも共に来い。
全力を持ってあれを阻止する。
[魔王の背に凝縮された魔力が、一対の蝙蝠型の羽を生み出さんとしていた。
見据える視線の先には、いつのまにかぽっかりと、城の如き構造物が浮かんでいた*]
これは……、
[最初の光槍を耐えれば、空は明るく輝いていた。>>163
仰げば幾筋の光が四方へと降り注いで、空は輝きで満ちていた。
―――― 自然の力ではない、意思と意図が伺える。]
……ローゼ! 何が見える。
[振り返るように道化師を探す獣が声を挙げる。
空間同士を切除し、接着する彼は、己以上に“眼”が良い。
その同胞の口から、淀む言葉が漏れれば眉間に皺を刻み。>>169
勇者らを目前にして退くは屈辱なれど、今は頭を切り換えた。
己の目的は主の大望を果たすことであって、勇者らの斬滅ではないと言い聞かせ。
先ずはイースの隣へと長躯を着地させて視線を配る。]
[勇者らを目前にして退くは屈辱なれど、今は頭を切り換えた。
己の目的は主の大望を果たすことであって、勇者らの斬滅ではないと言い聞かせ。
先ずはイースの隣へと長躯を着地させて視線を配り。]
見たことのない力だ。
聖なるものでも、邪なるものでもない……。
[己の主君を視線で追い、気配を手繰る。
先の攻撃で一瞬見失ったが、あの程度で主が創を作るなど考えもせず。]
[天を目指すのであれば、宙を駆ける脚が必要になる。
だが、魔力の消費を抑えるための二本脚に空を渡る術はない。]
――――……、
[小さく息整え、緩く瞼を下すと意識を身体の中心に集中させた。
足元に紫紺の光が浮かび上がり、己を核として魔法陣が走る。
人の理性と獣の本能を入れ替えれば、鎖から解き放たれたように人体の輪郭が一度闇に帰して、時を置かず再び再構築される。
―――― 二本脚の姿ではない、
/*
縦槍wwwww
確かに、縦だなwwwww
そしてなんだ、よいによが見えるじゃないかwww
よーし、桟敷から全力で見物してやるぞー♪
[太い脚に、刃如く雄々しい凶爪。
鋭い牙は毛並みと同じ黒に染まり、黄金の瞳だけが輝いている。
王の命令に従い、大気を踏みつけ、空に踊りかけたが―――…。
ふと、傍らのダークエルフたる同胞に視線を向けた。
口ほどに物を言う黄金色が揺れ。
―――― 彼は果たして、飛行出来ただろうか?*]
[ 腕に抱えたカヤが、僅かに身動いだ気配に視線を落とす。その顔に浮かんだ微笑みと、こぼれた言葉を拾うと>>201 アルフレッドは、一瞬目を見開いてから苦笑した ]
もう、お前たちを置いては行かないって、約束しただろう?
[ それは、単独行から戻ってすぐ、心配したという言葉と胸を叩きながら頬を濡らすカヤの様子に>>199すっかり狼狽えて、半ば、その涙を止める為だけに結ばされた約束だ。
あの時は、おなごを泣かせるとは何事、とばかりに、フランからの圧も相当強かった覚えがある ]
お前らは、ほっとくと、どこまで無茶するか判らないからな。
[ 聞こえてはいないだろうぼやきを口にしながら、カヤの額の傷を手巾で押さえようとして、自分の右腕にも裂けた傷があることに気づいた。
どうやら、黄金の柱が降る直前、ローゼライトの放った魔力弾が>>144知らぬ間に、掠めていたらしい。傷を負ったのを気付かぬほど、他に気を取られていた、という証拠だったが、とりあえずそれは意識の外に追いやった。
傷の手当はカヤが目覚めてから頼めばいい。それよりも、今の問題は頭上にある ]
(魔王軍に備えた結界は、すぐには破れないだろうが)
[ 聖乙女の力に守られた王都と、ある程度の規模の都市は、まだ持ち堪えているだろう、けれど、守りの術を持たない村や小さな町は、どうなっているか...想像に難くない ]
まさか、魔王より傲慢な輩がいようとは、な。
[ ぎり、と、奥歯を噛み締めて吐き出した声は低く苦い。
見上げた空の向こう、黄金の槍を降らせる一点を、視線で貫かんとばかりに、アルフレッドは睨みつけた ]
[ 程なく、辺りを覆った土煙が、強大な魔の手によって吹き払われ>>205今の今まで、互いの命を奪おうと対峙していた魔と人の姿が、曝される ]
クロート!フラン!
[ 声は聞こえていたが、目でも仲間の無事を確かめると、確かな安堵が胸に広がる。その安堵に浸る暇もなく、魔王の声が決戦の一時休戦を告げた>>208 ]
クロート...どうする?
[ カヤはもう目を覚ましていたろうか?まだならば抱えたまま、目覚めて歩くと言うなら、その身を支えて、クロートの方へと歩み寄る。
どうやら、魔族達は、魔王に従い天からの介入者を排除にかかるつもりらしい ]
......魔王と、あの声の主が互いに潰しあってくれるなら、好都合と言えなくもないが。
[ だが、と、アルフレッドは黒曜の瞳を再び天に向ける ]
あの黄金の槍ひとつに籠っていた力すら、魔王がクロートを撃とうとした魔力に拮抗していた。
[ そのどちらもを間近に受けたからこそ、測ることが出来た事実。
魔の王の一撃と同格の力を大量に降らせる程の相手......魔王の本気が未だ発揮されていなかったとしても、易々と倒せるものではないだろうとの予測は容易い ]
それに...一刻も早く、あれを止めなければ、犠牲は増えるばかりだろう。
[ 言葉にしてから、小さく肩を竦める。どうするか、など、問う前から決まっているようなものだ ]
…ひどい。
"無への回帰"何て
させるわけにはいかない。
[キ ッ と宙に浮かぶ黄金の槍を見詰めた
人を救いたい、
そんな崇高な意思を持って勇者に加わった
わけでは無かった
ただ魔族を倒したい、という捩れた願いから
始まった私の戦いは。
しかし世界の危機を前に
それを優先するという選択肢は存在し得なかった
それは私個人の力で不可能な事は明らかだ。
おそらく、それは各々が素晴らしい可能性を持つ
勇者たちの力を持ってしても――…
...そんな気弱が嫌になる。 ]
受け取って。
[ 何とかしてみせるんだ
まずは体調を万全にしなければ
進む思考も進まない
躯がポウと淡い光を放ち
結んだ黒髪が魔力に揺れパチパチと音を立てる
柔らかい風の音と共に
勇者たちの居る方へ向けて力を放った
広範囲に放ったので体力の消耗も大きいが
より確実に受け取れる方法を。
上手く受け取れたならば傷は癒え
また、魔力が漲るのが感じられるはずだ ]
ふふ、よろしくね?
[己が力の源は大地駆ける" 風 "
ようやく主の役に立てそうだと
耳元で活気に満ちた風が嬉しげに
鈴鳴くのが聞こえた
己の身を取り巻く柔らかな風に身を任せれば
自由自在というわけにはいかなかったが
上空へ舞い立つことに支障は無かった
また、風の力を信じ受けれたなら
誰であっても空へ舞い上げるだろう *]
― 魔王城最深部 ―
[駆けだすのと同時に感じた力>>194に、微か、口の端を上げる。
影に溶け込み己が身を支える力は、魔王の一撃の放つ圧を退け、それに対するだけの加護を与えてくれていた]
おうよ!
俺の、みんなの……そして、俺たちに
それが、この剣の力だぜ!
[魔王>>204に返すのみ合わせるように、光が零れる。
想いを蓄え力と変える。
それは、当代との共鳴の果てに新たに剣が得た力。
透き通る刀身は、その純粋をさを映すもの──とか、そんな説明をする余裕はまあ、なかったわけだが。]
(にしてもまあ、よくここまでシンクロあがったよなぁ)
[同時に、ふとこんな事を考えたりもするのだが。
その先に続く思考は、あらゆる意味で、途中でぶった切られた]
……ったく……なんだってんだ、よ!
[唐突に響いた声>>163に、零れたのは悪態。
合わせるように、聖魔剣が高く、鳴く]
浄化とか無への回帰とか……好き勝手言ってんじゃねぇっての!
[憤りを込めて吐き捨てつつ、見上げるのは、上。
穿たれた穴の先、散っていく黄金の槍にぎり、と歯噛みした所に聞こえたのは、魔王の宣言。>>208]
ああ……あんなのほっといたら、決着どころじゃねぇからな。
一時休戦、問題ねぇよ。
[歌い続ける剣を一先ず収めてこう返し。歩みを向けるのは、仲間たちの方]
どうするもなんも。
……アレ、ほっとくわけにゃいかねぇだろ。
[アルフレッドから向けられた問い>>220に、返すのは端的な答え。
もっとも、それ以外のものなど最初から考えられないのだが]
あと、潰し合い期待するとかさすがにそれ、勇者としてどーよ。
[冗談めかした口調でそんな事を言って、それから、聖魔剣を見る]
こいつも、いけ、ってさっきからうるせぇし、な。
……どーやって、か。
ま、俺だけなら、こいつの力でどーにか。
[聖魔剣の力を解放すれば、一時的に『天翼』と呼ばれる力──翼を得る事ができる。
この辺り、先祖の血も関連しているらしいが、取りあえず短時間なら飛ぶ事はできなくはない]
風の精霊が支えてくれれば、何とか持つんじゃねぇかな、あそこまで。
[言いながら、見上げるのは遥か高みの目的地。*]
村の設定が変更されました。
[土煙晴れた向こうで、仲間たちが無事であるのを確認する。
魔王の手勢がひとつも欠けていないのも見えた。
遙かな高みから響く声と、数多降り落ちる金の流星を見上げ、その先にある一点を睨む。]
未来視はこれであったか。
世界が滅ぶ、とは。
[少なくとも世界を支配しようとしている魔王より、さらに厄介な相手だ。]
では、みなで行けばよいのじゃ。
[カヤの癒しの力を心地よく受け取って、つやぴかになった顔で天を指さす。]
アルフレッドの竜翼とクロートの天翼を、カヤの風が支えたら、きっとみなで乗って行けるのじゃ。
[ふわりと幻視を見せるのは、二対の翼持つ巨大な竜が、風の力受けて空高く舞い上がる姿。
もちろん、みんなと一緒に乗っていくつもりで満々だ。*]
[魔王が発する一時休戦の宣>>208。
異を唱える理由などあるはずもなく、道化師もまた標的を天空へと定めていた]
心得ております。
[名指しと共に紡がれた命>>210に頭を垂れ、道化師の身がふわりと浮く]
光の落ちた先を一度見て参ります。
覚えのある位置でありましたので…。
[魔王らにそう伝え、道化師は姿を消した。
天空の城へと向かう辺りには戻って来る心算だ*]
はは、違いない。
[ 己の言い草に勇者として突っ込みを入れるクロートの言葉に>>230アルフレッドは笑う。笑い事ではない事態であっても、否、そうであるからこそ。
クロートが聖魔剣の輝きにシンクロし、その力を真に目覚めさせるようになってから、アルフレッドは、王国軍が自分たちの囮となってくれて居ることを彼に告げた。これまで彼の重荷とならぬように黙っていたことが、この先は彼の支えとなると信じて。
クロートはその信に見事に応え、それを見届けたアルフレッドは、彼を真の勇者と認めると告げたのだ ]
『勇者クロート、俺はこの国の王子として、いや...お前の友として、最後まで共に戦うと誓う』
[ それは時にすれば、ほんの少しだけ前、けれど、今は遥か昔にも思える日の宣誓だ ]
[りぃぃぃん、と耳鳴りのような音が響いた刹那、金色の光に視界を奪われた。
主からの警告を受けて咄嗟に転じた防護は、衝撃自体を受け止める事は出来たけれど。
受けたそれに耐えきるだけの力が、私には無かった]
っ───!!!
[風と水で編んだ防護ごと弾き飛ばされ、中腹に立つ柱にぶつかった衝撃に息が詰まる。
防護がクッションとなったおかげで骨などは無事のようだが、背にはきっと大きな痣ができるだろう。
舞い上がる土埃も相まって咳込むのを堪えられずも、今の光の正体を知ろうと目を凝らして]
、ごほ、っ
─はっ、
無事、ですっ
ローゼライトも、大事無い、ですか?
[>>166聞こえてきた声の主がどこにいるかもわからぬまま、声を返す。
道化師が後れを取るとは思いはしないが、今の光は全くの想定外。
視界を遮る土煙が晴れるまで、動くは愚策と思いとどまっていたが。
鎮まった場、>>163認識した空のあまりの変化に、今度は動くことが出来なかった]
これ、は…
[けっして自然のものではない、けれどその力は絶対的なもの。
魔王でも勇者でも、ここまでは到達し得ないのではないか。
>>169道化師が言い淀んだその言葉も、聞かずとも分かる程度に圧倒されて]
タイ、ガ
[>>214聞こえてきた声で、ようやく隣にまで近付いていたのに気付いたと顔を向けるまで。
幾筋と空を染める黄金に目を奪われたままだった]
あの魔王に地上の平穏を託すなぞ、どう見ても無理だしな。
[ うん、と頷いた直後、カヤの放った術が>>225腕の傷を癒し、身に力を漲らせる ]
ありがとう、カヤ。
[ 礼を告げた目の前でふわりと風に乗るように、カヤの体が浮き上がる>>226 ]
すごいな、風の術だけで飛行を?
[ 目を丸くして呟く。前から思っていたが、彼女の魔力の容量は、つくづく人並み外れている。それはフランも同じことだったが ]
ああ、こっちも楽に上昇できそうだ。
[ しかし、仲間と魔力を比べて落ち込むようなことは、今のアルフレッドには無縁だ。彼らを支え、先へと道を開く、それこそが己の存在の意味と胸に刻んだ決意は固い ]
───いえ、
急ごしらえで、止め切れず…
[>>215タイガからの感謝を受けても、浮かぶのは申し訳なさだけ。
咄嗟だったとはいえ、もっと強い防護が張れなければならなかった。
もっとも、そんな後悔は>>207領主の呼掛けに一旦途切れて]
分かりました。
微力ながら、同行させて頂きます。
[彼の王から名を呼ばれ、共にと言われたならばそれは決定事項。
空に浮かぶ城へと視線を向け、飛ぶ為に術を──と考えた所でずくん、と痛む背に微か歪んだ。
貴重な回復薬は出来る限り使いたくないし、この痛みが収まるまでは堪えるしか無いか。
そんな考えで改めて術を編もうとしたのだが、ふとこちらを見つめる黄金の瞳に気が付いて]
…………あつかましいとは思うのですが。
連れていって、いただけませんか?
[飛べるのか?と言外に問う魔獣に、見抜かれてしまったかと苦い笑みを返した**]
[仲間たちの方へと向かった時点で、魔王たちの方へ視線を向ける事はなかった。
あちらはあちらの流儀で動くんだろう、というのがあったし、何より仲間たちの無事をちゃんと確かめたかったから。
だから、浮かんだ笑み>>232に気づく事はないまま、これからどうするかの相談を始めて]
[カヤが放った癒しの力のお陰で調子は整っている。
今の状態なら、結構高くいけるかな……なんて思っていた所に出された提案。>>234]
あー……全部乗せの発想はなかった。
[惚けた声を上げていた所に向けられた、問いかけ。>>242]
やってやれねぇ事はないと思う。
多分、だけど。
『天翼』は、俺に向けて力を向けて発動するから……そいつに力向ければ。
シンクロの方は、問題ないだろーしな。
[先に受けた援護の術を思えば、こちらとあちらの波長がズレる事はないだろう、と。
その部分だけは、確信に近いものがあった。*]
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