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歴史のうねりが奔流となり、時代が戦乱へ押し流される。
避けえぬ戦火が人々を呑み込み始める。
大きな時の流れに巻きこまれ、翻弄されるものたち。
その中にあって、なお歴史を作る力と意思を持つもの。
激流の世に生きる人間達の物語が、始まる。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
Our remedies oft in ourselves do lie,Which we ascribe to heaven.
天の力でなくてはと思うことを、人がやってのけることもある
─── William Shakespeare 『All's Well That Ends Well』
2人目、埋もれし一葉 が参加しました。
埋もれし一葉 は、銀狼 を希望しました(他の人には見えません)。
大地の表 波間の底
風吹く処 地穿つ穴
地という地に 魔が満ちる時
人という人が 怯え暮らす時
苦難を負い 力と為し
絶望を経て なお折れぬ者あり
人それを英雄と呼び
未来照らす灯と呼んだ
─── 忘れられた詩人の忘れられた
村の設定が変更されました。
3人目、魔王 カナン が参加しました。
魔王 カナンは、天魔 を希望しました(他の人には見えません)。
ゆけ。我がしもべどもよ。
行って、人間どもの小砦を踏み潰してこい。
[偉大なる魔王カナン・ディ=ラーグは大仰に手を振り上げた。
傍らには黒竜ナールを置き、眼前には魔界の軍勢が居並ぶ。
恐るべき混沌の兵たちへ、命令と餌を投げ入れる。]
殺せ。奪え。破壊しろ。
砦の長の首を持ってきた奴には好きなだけ褒美をやるぞ。
[雑多などよめきはクレレットの大橋を揺らし、セミヨン川の川面をさざめかせた。]
[欲望の薪をくべられた邪悪なる群れは、野火の勢いで南へ下る。
その先にはレオヴィル王国の要衝、モーザック砦が、
そして王都アルテスがあった。]**
4人目、皇子 ロー・シェン が参加しました。
皇子 ロー・シェンは、誘惑者 を希望しました(他の人には見えません)。
[ 風が運ぶのは、血に飢えた獣にも似た匂い。
地には今や、魔の傀儡が溢れ、人は、漸く片隅に身を寄せ合う儚い存在だ。 だが――― ]
モンテリーは既に、魔王の手の内、か。
[ 馬上、軽装のまま、男は北の方角を見晴るかす ]
ついに追い詰められた、というわけだ。
[ 細めた瞳が、徐々に白み始めた空を見つめ、金の輝きを帯びる ]
いいだろう――― 窮鼠の意地ってやつを見せてやろうか。
[ 浮かべる笑みは、不思議に明るい** ]
/*
意外とメモにあずった...
遂に無謀も極まってロード役です、よろしく御願いします。
にーちゃんの名前がまだ決まってないよWW
そして、割と、戦術がノープランのままだよW
が、がんばります><**
5人目、亡国の将軍 ヨセフ が参加しました。
亡国の将軍 ヨセフは、誘惑者 を希望しました(他の人には見えません)。
[深淵にも似た闇の中、黒を纏い、黒に跨る男は金の背を眺む。
北方を見遣るその背越しに、男も滅びし故郷に想いを馳せた]
────………
[王である兄やその家族、王族とされる者達は皆命を落としたと聞いている。
将軍として前線に在った男を除いて。
男の家族も例外ではなく、未だその安否の確認は取れていない]
[背水の陣───港を背に持つこのレオヴィル国は正にこの陣容だ。
峡谷の前に建てられたモーザック砦の周辺は激戦区となろう]
我らに先陣を切らせてはもらえないか。
[モーザック砦で陣を敷く際、男は最前線を願い出た。
男が率いるのはこれまでマルサンヌ砦で防衛を続けていた兵達。
砦を落とされはしたが、魔物との戦いは熟知している者達ばかりだ。
ただ、落とされたが故に残存する兵力は然程多くは無い。
王都シラーの守護部隊は民を護るために残った兵達も多く、そのまま囚われの身となっている]
……あの攻城兵器は、早々に手を打たねばならない。
[苦々しい表情で紡ぐのは、マルサンヌ砦にて均衡を崩したものについて。
様々な意味で苦い想いをしたことは、まだ記憶に新しい**]
/*
ねてました。
いやちょっと仕事場がトラブル続きでね…。
自分のトラブルじゃないんだけど、しわ寄せががが。
でも頑張るよ、熱血るよ。
こいつちょっと人を見る目無さすぎじゃねーの、って思う部分もあるけど頑張るよ(
まぁディークに関しては証拠塗りがあるので仕方ないんだけども。
6人目、銀月牙 アイリ が参加しました。
銀月牙 アイリは、胡蝶 を希望しました(他の人には見えません)。
……んー。
[騒々しい、と思う。
けれど、同時に楽しそうだ、とも思う。
そう、思わせるのは継いだ血故か、それとも気質か]
……マスター、あたしも前に出ていいんだろ?
[いずれにしても、こう問いかけるのは自身の意思で。
それに返るが如何様でも、彼女が為すのは手にした月牙を振るう事──ただ、それのみに変わりはないのだけれど。**]
7人目、魔将 シメオン が参加しました。
魔将 シメオンは、洗礼者 を希望しました(他の人には見えません)。
いいよ。行って好きに刈り取っておいで。
良さそうな材料が出来たら持ってくるんだよ。
運ぶのに必要なら、いつも通り……
─── マーティン。
[こちらは視線も向けずに呼ぶのは、ヒトの盗賊。
何を思ったか奇矯なことに、魔軍に加わってきた人間どもだ。
最初見た時は殺して「材料」にしてやろうか、はたまたオーガの食料にでもしてやろうかと思ったものだが、金などという下らないものの為に契約するさまが面白くて、結果こうして配下にある。]
頼んだよ。
ゴーレムどもじゃ力加減が出来ないし、アンデッドどもじゃ時間がかかって仕方ない。……やはり人間はいいものだねえ。
[心にもない誉め言葉を笑顔で一つ。
「材料」───すなわち、魔が雑兵として用いるアンデッドのための材料、ヒトの死体だ。それらを運んでこいと、魔は事も無げに人間へ向け言い放つ。無論、彼らが死ねば彼らもまた「再利用」されるだけのこととは言わず知れるか。]
8人目、破光装置 クレステッド が参加しました。
破光装置 クレステッドは、恋天使 を希望しました(他の人には見えません)。
─ セミヨン北岸 ─
[低く深い唸りの風は、渡河を進める魔界の軍勢を鼓舞するように。
あるいは偉大なる魔王の命に呼応するように。
咆哮と形容するかどうかは、その魔法兵器に顔があると推定するかどうかによる]
─ セミヨン北岸 ─
[低く深い唸りの風は、渡河を進める魔界の軍勢を鼓舞するように。
あるいは偉大なる魔王の命に呼応するように。
咆哮と形容するかどうかは、その魔法兵器に顔があると推定するかどうかによる]
[クレレット北方、街道を半ば塞ぐようにして、巨大なそれは邪悪の群れを睥睨するごとくあった。
幻獣を知るものならば、睡るドラゴンに最も近いと言っただろう。
けれど竜種と見比べたならば、これらは全く似ていないと知る。
──翼の代わりに城砦を負った地這竜のよう。
有機的で渾沌とした曲線の重なりは、人間の智にはあたらない外なる造形]
[槍のように突き出した塔のひとつに、翼を畳んで控える黒竜。
ナールの主であり大陸の覇者たらん魔王。
彼らを縁取るように、周囲には兵器から滲み出る青白い魔法の光が揺らめいていた。
爆裂と熱線によって砦ひとつをこの世から消滅させ、モンテリー王国北方山地の地形すら変化させた死と炎の兵器は、
我が王カナン・ディ=ラーグの座を、冠と戴き。
やがて咆哮を止めて不穏な沈黙へと沈んだ]**
9人目、流離の勝負師 ディーク が参加しました。
流離の勝負師 ディークは、落胤 を希望しました(他の人には見えません)。
Misce stultitiam consiliis brevem, dulce est desipere in loco.
(僅かの愚かさを思慮に混ぜよ、時に理性を失うことも好ましい)
― セミヨン川北岸 ―
[橋の南はディークが後にしたレオヴィル王国だ。
もっとも、その情勢は、ディークがユーリエ姫を連れて出た時とは大きく違っている。]
──風前の灯火。
[そう評するのがふさわしいだろう。
大地を覆うような魔物の群れが、今にも侵略を開始しようとしている。]
だが、消えかかっていても、火は火だ。
[ぽつり、ひとりごつ。
人間たちの最後の拠り所たる王国軍の指揮を執るのは皇太子のロー・シェン。
かつての学友である。]
…そっちは消えかかってるどころじゃないかもだが。
[と、そこに作戦内容が伝えられた。>>14>>15]
死体回収?
[弔うためなんかじゃないことは鴉が黒いよりも明らかだった。
極めて偏った知識欲を示す魔将シメオンの顔が脳裏を過る。
その卓越した能力に対する感銘と比例する嫌悪を呼び覚ます相手だ。
そして、彼の傍らに侍るアイリにも、また別の意味で不気味さを感じていた。
歪んでなまくらな刃物ともいうべきか。扱い注意なシロモノ。]
[なんで親分さんは、あんな男にひっかかったかなあ、とボヤきたくなる瞬間もあるが、マーティンが人間に喧嘩を売りたい気持ちはわかる。というか、その経緯の一部は一緒に経験した。
モンテリー王国の地下牢で。
もっとも、マーティンはディークと違って無実の罪というわけではないようだったが。]
承りましたよ、っと。
[そんな任務では暴れ足りなそうなマーティンを宥めて受諾の旨を伝える。
意気がってみせて突撃隊でも任されたら、生きて帰れる確率は0に近い。
魔物にしてみれば、どちらを向いていようと人間を殴殺することにたいした違いは感じないのだ。
誇りなどカケラもない役目だが、今のディークの心の温度は冬の朝の灰に等しい。]
ああ、面倒くさいな。
[すっかり口癖になったそれを呟いて、”搬送用”の名目で、長い丸材を傭兵チームの各員に配るのだった。**]
/*
ただいま、おなか壊してます、にゃーにゃー
ヨセフ将軍のロシェ呼びにごろごろしつつ、こっちは将軍呼びかなあ...モンテリー公とかでもいいんだけど、国名と姓が一緒だから、若干混乱しそうなんだよね。
他の将軍とか、NPCくらいだろうし。
アイリは、ちょっとどっちかなと思ってたけどおにゃのこだったか。じゃあ妹扱いだな、呼び名はどっちでも「リー」の予定だったので、そのままで。
― セミヨン川北岸 ―
じっとしているのはつまらない。
[主より返る声>>13に、僕たる娘は臆する様子もなく言い切った]
ん、わかった。
良さそうなのはできるだけ、斬り飛ばさないようにする。
[前へ出る事への許しといつもと変わらぬ言いつけ>>14に、頷きと共に返すのはやや物騒な物言い。
『荷運び』の命が下される様子には、軽く視線をそちらに向けるに止める。
主に雇われているという人間たちへの興味は薄い。
一度、見た目で舐めてかかって来た数人を再起不能寸前にしてからは、向こうからも距離を置いているようだが。
娘としては自分の邪魔をされず、かつ、言いつけを果たす上で必要な力が得られれば十分だからその辺りは気にする事もない]
― セミヨン川北岸 ―
[うねる波のように動き出す軍勢を眼下に見下ろしながら、玉座に身を落ち着ける。魔王自身の髪とも似て金色に輝く椅子の曲線を、指先で愛でた。]
おまえも行くか?
[己が城塞にして玉座たる魔性の技術の結晶へ、機嫌のいい声を掛ける。
魔神が造り出し、捨て置き、己が拾い上げたもの。
地形さえ変える力持つそれを、
餌が足りないだろう。
好きに獲ってきていいぞ。
[モンテリー王国とやらを手中に収めて、捕えた人間どものいくらかはこの魔道兵器にくれてやった。
しかし、全てを喰わせてやるわけにもいかないのだ。
殺しつくせば家畜にも奴隷にもならない。]
モンテリーの王族どもはなかなかに美味かっただろう?
レオヴィルの王族も見つけたら食っていいぞ。
さっさと力を溜めておけ。
アルテスの湾はもう少し広げてやりたい。
[レオヴィル王国の王都アルテスもまた、あの砦と同じ運命を辿るはずだ。
王都がまるごと港に変えてやろう。]
─ セミヨン南岸 ─
[蠢く魔物の群れは地響きと共に。
それを後押しするかのように北岸の巨躯から唸り声が上がり、やがて沈黙する。
それに対し男は睨めつけるように目を細めた]
…あれが動く前に片をつけたいところだ。
[あれだけの威力を発揮する兵器をそう何度も使われては堪ったもんではない。
ただ、マルサンヌ砦での攻防で長らく出てこなかったことを考えるに、頻回に出てくるものでもないのかもしれない]
先ずは押し寄せる軍勢を蹴散らす。
我ら騎士団は剣にして盾。
未来への
続け!!
[男が率いる騎士団──元マルサンヌ砦防衛部隊。
騎乗する男に続き、軽重混合の歩兵部隊が魔の群集へと立ち向かった*]
[異形の塔が金色の光に透ける。
魔王の座す椅子へ、つたう意志の発露。
ツィーア、と響いた音はひとつの「呪文」となされた。
魔神がつくり我が王にみがかれた巨大な呪具が不穏な脈動を刻み、複雑な魔導の機構がめぐり始めれば]
……、
[やがて死の香り濃い煙が、夜空へ細くたなびいた。
機嫌よく喉を鳴らすかのように低く振動する駆動音]
[ チリン]
[ごく当たり前に扉を開くように、兵器の下方を押し開いて、人間がひとり外へ出てくる。
滑らかで、威厳さえある歩容で男が歩き始めれば、場違いなほど澄んだ金属質の音色と、禍々しい死の香りが周囲に漂った]
…ではいこう、俺の兵達。
魔王カナン・ディ=ラーグは、「全滅させてもいい」と
[兵器の直下、待機していたコボルトの群れの喚声。
低級な亜人たちを見渡す男の眼差しはごく自然で人間らしい色に煌めいた]
出陣する!
続け、地を這う者ども
[ チリン
うねる波のような軍勢。
地は、魔のものと──人間の命に満ちている。
レオヴィルの軍服を纏った男のカタチの人形は、馬魔に騎乗しその鼻先を南へ向けた]*
酒を持て。
[命じれば、影のような夢魔の女どもがどこからともなく現れて酌をする。
水晶の盃に満ちるのは、濃い赤の液体。
葡萄の香りも芳醇な十二年物の赤だ。]
やはり人間は滅ぼせぬなあ。
[低級な妖魔どもに作れと言っても無理だろう。
人間は器用かつ従順で、実にいい。]
魔将軍殿は、死体をご所望だ。
死人が身につけている宝飾品には関心がない。
だから、それは俺たちのものってことだ。
取り残しのないよういただくとしよう。
[余録の存在を教えて、傭兵たちの士気を底上げしておく。
ついでに作業効率の低下も起きるだろうが、それは知ったことではない。]
…レオヴィルの王族か
[王族の証である紋章を、紛い物の指が撫でる]
ロシェは前線に来るかな
いや、それよりも──ヨシュ、お前とまみえるか
[兵器"Z"の魔性は、あらゆる死を餌にして次の死を生み出す連環の破滅。
魔王の告げた通り>>28モンテリーの王族の死は、触媒の一部として蓄えられていた。
死そのものを経た後の骸が、物理的な肉餌となろうかあるいは有用な再利用を受けるかは兵器の捕食機構の埒外のこと。
認知しているのは、ヨセフ・トネール・ド・モンテリーの命は、あのマルサンヌとシラーの殺戮では消費されなかったということ]
[赤紅の戦装束の裾を翻して前線へかけてゆくアイリを憐れむように見送る。>>26
シメオンに従順な戦乙女。
ちょっかいをかけようとした傭兵を容易く薙ぎ倒したという。
ディーク自身は手は出さずに幾度か言葉を交わしてみたが、どこか食い違うような違和感を感じたのだった。
少しばかり、額が疼く。]
[それから、ディークは傭兵たちの陣地にある幌馬車に向かった。
シメオンが気前よく前払いを提示したとき、ディークは金や宝飾品ではなく、この馬車一式と奴隷にされた子供たちをもらったのだ。
子供たちは働き手としてはまだ非力であるから余っていた。引き取り手がいなければどうなるかは想像に難くなかったから後先考えずに手に入れた。]
……、
[奴隷小屋代わりの馬車につながれた子供たちは縄をなったり布を繕ったりする軽作業をしていたが、どういうわけか朝よりも人数が増えていた。
逃げ出して減るならまだしも、逆とは。
何人かは繋がれてるふりだけしている子供がいそうだ。
どのみち、解く気があれば解ける枷である。]
[馬を撫でながら、あえて何も言わずに観察する。
この馬は戦場で拾った。主は死んだのだろう。
近くで魔法が爆発したか、片耳が聞こえていないようで、鬣も焼けていたが、聞き分けのいい軍馬であった。
馬車をひかせても苛立ったりはしない。
名前は、まだ決めかねている。]
[程なくディークは、3人の子供を選んだ。
羊皮紙とインクを出して、字の書ける子供に代書させる。
内容は極めて簡潔だ。
「無条件降伏せよ」
それを王国軍に届けるよう言いつけて、子供に堅焼きパンと水筒を渡す。]
この先は自分たちの力で切り抜けるしかないぞ。
[激励をして、主戦場から外れた、王国軍の斥候が来ているだろうあたりへと子供たちを向わせた。
これまでにも幾度となく”降伏勧告の使者”を出し、王国側から色よい返事があったためしはないが、そこは期待していなかったから、懲りずに続ける気だ。*]
― 少し前/セミヨン川南岸 ―
はい。
[ 「ロシェ」と呼んだ隣国の将の声に>>9男は素直に頷いた。
今、彼をそう呼ぶのは、この人しか居ない。その愛称を最初につけた姉姫も、兄...本来の皇太子であった、クレステッド・アジェンタ・ド・レオヴィルも、もうこの世の人ではないのだ ]
将軍。
[ 馬首を返しながら、金茶の瞳を、兄の親友でもあった相手に向ける ]
先陣は確かに御任せします。ですが、決して無理はなさらぬように。
モンテリーから落ち延びて来た民は、子供や怪我人を除き、殆どが志願兵として砦の守りについてくれています。
彼等にとって、貴方は、唯一の拠り所なんですから。
[ モンテリー王国最後の将にして、恐らくは唯一人の王族の生き残り。その存在は、レオヴィルの皇太子としての自分と同等...或いはそれ以上に、大切なものなのだと ]
[まるで懐かしい友の顔を思い出すように、人形は唇へ笑みを羽撃かせる。
魔軍に混じる人間の傭兵達の陣地が見えると、"クレステッド"は灰色の双眸を細めた。
── チリン]
…奇妙なものだな
[渡河を望むも、人形を先頭にしたコボルトの群の足はそう早くもない。
「全滅させてもいい」闇の亜人達。多寡はあれど、死は平等に全ての生者から刈り取れる。
ゆえに、この愚者の隊は策も戦術もなく人間へと向かい、ただ少しでも多くの死を新たに広げていくだけを目的に進軍していた]
[ モンテリー王国の王都シラーが陥落したとの報せが、魔法を駆使して「跳んで」きた伝令から伝えられた時、真っ先に男が思い浮かべたのは、ヨセフの事だった。
王都の防衛の要であったマルサンヌ砦を護っていたはずの彼の安否を確かめるために、男は一族に伝わる魔石の一つを砕いて言霊を伝える精霊の道を開いたのだ ]
ヨセフ!
[ 必死で名を呼んだ最初のコエに、返事があった時には、心底安堵したのを、はっきりと覚えている ]
[ 故国を魔軍に踏みにじられたヨセフが、命懸けで戦おうとしている事はわかっていた。けれど、命を捨てさせるわけにはいかない ]
これをお渡ししておきます。
[ 砦へと戻る前に手渡したのは、魔石の一つ、ヨセフに対して使ったのと同じ精霊の道を開く術の込められた翠玉だ ]
貴方が信頼出来ると思った者を前にしてこの石を砕けば、その者との間にも言霊を伝える道が開けます。役立てて下さい。
[ 戦となれば、そうそうコエを交わすというわけにもいかない。そんな時のために、従者か誰かとコエを繋げておけば安心だろうと、そう伝え、もう一度笑みを見せる ]
どうか御武運を。//
[向けられた視線>>38に気付く事もなく、駆ける足取りは軽やかに。
動き易さを重視して長いスリットを入れた赤紅のスカートの裾が舞うように翻る]
さて。
最初に前に来るのはなんだ?
[楽し気に紡ぎつつ、すい、と翳す手に集うのは紅と銀の煌めき。
それは鮮やかな銀の刃の大鎌へと形を変え、娘の手に収まる]
……ま。
何であろうと、刈り払うだけだが。
[己に求められているのは、ただ、それだけ。
それが今の──7年前からの、『当たり前』。
だから、それに従う事を是とする。
それ以前の事は断片的なものしか見えず、追おうとすると調子が悪くなるから。
いつからか、追いかけるのは止めていた]
[
そんな、狂犬じみた一面を持つ娘を恐れるものは少なくはない。
それでも時折、言葉を向けてくる者もいる。
もっとも、大抵はどこか噛み合わないやり取りで終わってしまうが]
あたしに構う時間に、やる事あるんじゃないのか。
[最終的に、こんな物言いで突き放してしまうのが常。
そしてそんな時は大抵、癖のように左手首に着けた飾りを弄っている。
決して他者が触れる事を許さないそれが何なのか、は。
当の本人の記憶も曖昧なのだが。*]
― セミヨン川南岸 ―
[橋より大挙する魔の群集の数は計り知れない。
それでも怯まぬのは対魔物戦の経験による自負と、この大戦にかけた誓い故]
決して一人で突出したりはするな!
必ず組を作り敵に当たれ!
[組を作っての対処は梃子摺る相手が出てきた時に有効だ。
一人で対処可能な相手でも、近くに仲間が居ることで有利に働くこともある。
故に二・三人で組ませ、突出することだけを禁じた]
[やがて、王国軍の先陣である男が率いる騎士団は魔の群集と接敵する]
かかれ!!
[こちらを見つけるや、不協和音のような気勢をあげ向かって来る魔の群集に対し、こちらも突撃を仕掛けた。
左腕で乗騎を繰り、右腕のみで支えたクレイモアを振り下ろすと、魔物が悲鳴を上げて弾き飛ぶ。
仕掛けられる攻撃には長年の相棒が危機を察知し自ら飛び退くこともあた。
率いる騎士達も個々で仕掛けたり、息を合わせ連撃を繰り出したりと奮闘している。
しばし後に戦場は混戦の様相を示し始めた*]
/*
(タスクメモ)
・クレステッドの死に際(アイリを目撃すること)
・ディークの降伏勧告を受け取る(過去分も?)
・姉姫死亡時の動き...は、開始してからでもいいのかな?
・アイリとの思い出とかディークとの思い出とか、にーちゃんねーちゃんとの思い出とか...etc
プロにして、このタスク...あう。
クレステッドへの反応を後回しにしたくて、砦に帰ったなんて、そんな...
……脆い。
いきなり当たりが引けるとは思わないが。
……もう少し、楽しませろ!
[勝手といえば勝手な言い分と共に、次の標的を見定める。
戦場に立てば戦いのみを追求するのは、異界より召されし魔戦士の血と本能の為せる業。
花弁の如く翻った赤紅が落ち着くより先、地を蹴り一気に駆けだした。*]
ヒトというのはつくづくと面白い。
同族であろうと屍となった途端に嫌悪するとはね。
お前たちを…さて、いつ使おうか。
せっかくだ、肉親とやらに再会をしたいのだろう?
[にこりと声を投げた先から返答はない。
当たり前だ、相手は死人だ。
そこにあるのは、変わり果てた、かつてモンテリー王と呼ばれたモノとその一族だ。些か肉が崩れて見苦しいが、衣服と冠を見れば,
分かるものにはそれと知れよう。
魔将は以前モンテリー王国が陥落した折に、魔王が
めぼしいものに最近お気に入りの細工を施し、起き上がらせたのが彼らである。]
これは──…
[く。と、唇の端が持ち上がった。
笑みを浮かべて足を踏み出す、その刹那に僅かな光を散らして魔将の姿はその場より消え失せる。程なく現れるのは魔王の御前、恭しく垂れた頭の上のフードは取り払われてある。]
美酒には添え物が必要でしょう。
いかがか?
[差し伸べた指の先、芳香放つ果実が魔王のグラスの傍に現れた。
宝石のようなそれらは、口に含めば甘やかに美酒を引き立てる。]
10人目、長耳双子 ローレル が参加しました。
長耳双子 ローレルは、天魔 を希望しました(他の人には見えません)。
[呑気に観察している翠髪の少年の隣に立っているのは、
似た顔つきの桃色の髪の少女だ。
夜明けの冷えた風を吸い込んでから、
少女は流した視線に映ったものに眉を顰める]
『金の髪がきらきらしているわ、ローレル』
ほんとだ。毟って飾ったら綺麗かな。
『でも金色は先生だけでいいのに』
大丈夫だよ。もうすぐ“そう”なるよ、ローズマリー。
『―――そうね。そうだったわ』
[ぱ。っと晴れやかに笑った少女に添うように、少年もまた笑う]
/*
えーっと、戦場は、俺が決める、べき?
なんとなく橋を挟んでぶつかり合ってる印象だったけど...て、これ出すといいのか。
[くるくると甘く喉を鳴らすようだった兵器の鳴動は、
魔将がその冠上に現れた>>57と認知すると重く低く変じてやがて止まる]
──
[目も口も、顔もない兵器は、どうやらわずかばかり機嫌を損ねたらしい。
異議を申し立てることもない代わり、しゅう、と毒混じりの煙をひとつかみ天へ昇らせて、
その後は核を以って遠隔で自律行動中のヒトガタに集中することにしたかのよう*]
― セミヨン川付近 ―
[アイリの後を追うように、マーティンらの後を慕うように魔の軍勢が動き出す。死の匂いそのもののような軍勢だ。
うぞり。と知性なき歩みを進めるのはアンデッド、身に纏うものは様々だ。腐敗の具合も様々だが、一見して兵らしき姿のアンデッドには、モンテリー王国の軍装を纏うものがやや多い。
鈍い動きの彼らを越すように、数体のゴーレムが重く地面を鳴らして歩む。人より二回りほど大きなそれらが持つ武器はなく、だが卓越した膂力で小さなものを殴り殺す。
泥人形たる彼らは渡河には向かず、ゆえに橋を渡って南を目指す。
その軍の頭上を、巡るように青い光が行き来した。死霊だ。
死臭が北より人の軍勢へと向け吹き抜ける。]
[もとより知性なき軍勢だ。
将が指揮するわけでもなし、ゆえに個々はさほど硬くない。
死者は火にでも焼き払われてしまえば、恐らく容易に崩れるだろう。
硬くはない。練度も低いが厄介なのは、その数と人の生理に反する不気味さだろう。うぞり、うぞり。死が地を這うように蠢いている*]
─ 少し前/セミヨン川南岸 ─
[陣へ戻ろうと声をかけた折、こちらへと馬首を返したロー・シェンに呼びかけられる>>42]
なんだ?
[それに応じれば、先に願い出た先陣の話に加え、民の想いを代弁するかのような言葉を向けられた]
あぁ、分かっている。
…王たる素質の無い私ではあるが、民達の支えにはなれると言うのは理解している心算だ。
[以前王である兄に、お前は王には向かぬ、と呆れられたことがある。
兄に跡継ぎが生まれるまでは心配されたものだが、騎士としての才能を見出されてからはそのぼやきも無くなった。
男自身、王になることに興味はなく、民や地を護ることが己が使命と考えている]
─ 少し前/セミヨン川南岸 ─
[レオヴィル王国へと落ち延び、傷を癒してもらった後に男はレオヴィル王国の将として加えてもらえるよう願い出た。
モンテリー王国が陥落した今、次の標的がレオヴィル王国に定められるというのは分かり切ったこと。
そんなやり取りを経て、男は今この地に立っている]
これは?
[モーザック砦へと戻る前、ロー・シェンから小石を一つ渡された>>46。
それが魔石であることは説明を受けて後に知る]
なるほど、先日私に声を届かせたものか。
感謝する。
[稀少であろうに、それを託してくれたロー・シェンに懐の深さを見、感謝を告げながら無駄にすまいと誓う]
あぁ、任せておけ。
[笑みに柔らかな笑みを返し、ロー・シェンに頷いてみせた*]
― モーザック砦 ―
[ 砦の中は戦場に負けず劣らずの喧噪に包まれている ]
「志願兵は武装が済んだ者から、砦の壁上に向かえ!武装の出来ない者は、油壷を運ぶんだ、急げ!」
「魔法が使える者は他に居ないか?!」
「投石機を運び出せ!」
『皇子!』
[ あらゆる手段を使い、魔軍と対峙しようとする人間達の間から、金の髪を見つけて駆け寄って来たのは、斥候として敵陣ぎりぎりまで近付き、様子を探ってきた兵の一人だ ]
戻ったか、敵の様子は?
[ 自らも斥候の1人として出かけ、戻ったばかりの男は、今度は兵力の1人となるべく、従者の手も借りずに鎖帷子に胸当てと手甲、という、指揮官としては、やはり軽装にすぎる武具を纏いながら、駆け寄ってきた兵士に問いかける。
男の率いた兵は、全員が、指揮官であり王族でもある男に、直接声をかける事を許されていた。
通常であれば有り得ない事だが、長く王族として扱われず、近衛兵の一人として軍務についていた期間もある男だったから、それは自然に受け入れられていた ]
『敵軍は、亜人、アンデッド、死霊が主で、人間らしい姿も少数。以前に報告のあった、脱走した囚人達かもしれません。手配書にあった顔が居たように思います』
......そうか。
[ 脱獄した囚人という言葉に、僅かに眉が寄る。一年前、略奪した(と、いうことになっている)姉姫ユーリエを殺害した罪により、捕らえられていた筈の、元聖騎士...軍学校では悪友であったディーク・オラクルの顔が、その脳裏には浮かんでいた ]
『それと、また降伏勧告が...』
[ ひととおりの報告をした後、おどおどとした様子の少年の手を引いて、兵士は苦笑じみた顔を見せる ]
また、か、これで何度目だ?
『多分、七度目かと。一度に、2〜3人ずつですから...』
数でいけば、20人か...坊主、教えてくれ、お前にその手紙を渡したのは、長い髪の男か?
[ こくりと頷いた少年の頭を、男はぽふと撫で ]
判った、向こうで飯を食って来い。お前、ついでに、この砦に家族が居ないか探してやれ。
『もう探させてます。皇子...手紙の方は?』
/*
ほんとこういう村の人間側ってか光側って忙しいんだよね。
お疲れさまです…
しかも本気で序盤人手不足よなww
早く色々寝返るといい。
捨てていい。どうせ、あいつも、そっちは本気じゃない。
『あいつ...?』
[ 不思議そうに問い返した兵士には答えず、男は仄かな微笑だけを浮かべた ]
……こいつ。
[一連の動きに無駄はなかった。
引くか否かの判断を見誤れば、避けきれたかも危うかっただろう。
それが意味するのは──強い、という単純なもので]
……マスターが、喜びそうだな。
[単純な思考は、単純な所に直結する。
良さそうならば持ち帰らなくてはならない。
そして持ち帰るためにどうするかは、やっぱり単純な事で]
……獲って、帰らないと。
[牙を向けるべきと見なした銀の月は、呼吸整え、大鎌を横に向けて構えた。**]
後方に伝達!
アンデッド、ゴーレム、死霊の部隊が接近中!
…モンテリーの死者が混ざっているが、躊躇うな、とも。
[押し殺したような最後の言葉に、伝令は表情を歪ませながらも頷き、後方へと走る]
ゴーレムへは複数で当たれ!
アンデッドに対しても躊躇うな!
倒すことこそが解放と心得よ!!
[動揺走る兵達に声を張り、持ち直させようとするがやはりアンデッドに対しての躊躇いは残るよう。
その中に知人が居たなら尚のことだろう。
それでも男は躊躇うなと説いた]
死して尚、骸を利用された彼らを救えるのは我らしかいないのだぞ!
[吼えるような声は漣のように兵達へと伝わり行く]
[大鎌を構える赤紅に対し、男は愛馬を降りる]
お相手しよう。
[標的が男であるならば、戦いは避けられない。
全力で相手をするため、男は両手でクレイモアを握り締めた**]
[己が転移した瞬間、魔兵器が放った不満げな毒煙は、その原因に黙殺された。静かになった魔兵器上で、魔将が関心を向けるは魔王のみ。
紅き双眸に闇戴く金を映して、笑みを刻む。]
ふ。レオヴィルの首を肴にご所望か?
我が君の望みとあらば、喜んでお譲りしましょう。
我の楽しみなど、我が君の喜びに比べればささやかなこと。
[悪びれず笑みを見せ、夢魔の差し出すグラスを優美に受け取る。
そのまま酒杯は、主と同じく軽く眼前に掲げられた。
水晶の器に満たされた珠玉の紅、それより美しき魔の王へ向け]
/*
敵軍所属の人間勢への反応どうするか悩んだんだけど、ちょっと保留にしとこう。
マーティン捕まえたのを私にしておくのも手ではあるんだけども、どうしようかな。
― 回想/旅立ちの朝 ―
[ ローグの民...或いは単にローグ...そう彼等は自称する。ローグとは「人」という意味の古語である。
彼等は幾つかの集団に別れて、各地の祭りを巡り、神と精霊に歌舞や演武を捧げ、祝福を得る。人の世の続く限り... ]
ローグは、何の為に生きるか知ってる?
[ 父の元へと旅立つ日の朝、謎かけのように言って、少年は少女の亜麻色の瞳を覗き込んだ ]
それはね、笑うためなんだって。
[ ローグは...「人」は、笑う為に生きる。それは、少し前に亡くなった母の受け売りの言葉ではあったけれど ]
だから、リー、またいつか、笑って会おう。
俺はずっと、忘れないから、リーが、俺の大事な妹だってこと。
[ 約束だよ、と、互いに自分の手で編んで交換したミサンガのカーネリアンとタイガーアイを合わせ、涙を零さないうちにと、笑って手を振った ]
またね!リー!**
/*
改めて読むとト書き無いの脱字が酷いな…(:3_ヽ)_
書き直し繰り返しての結果なものもあれば、なんでそこが、ってのもあって顔を覆いたくなる( ノノ)
[命じられた任務を果たすべく、戦場に身をおく。
革の胸当てをつけ、革張り木製の安価な丸盾を背負っただけの軽装だ。
その盾に描かれる紋章などない。
死体を漁る仲間に混じって、身許のわかりそうな品だけいただいておく。]
…疾く還れ。
[昔とった杵柄とやらで、短く祈祷文を唱えて死者の目を閉じさせた。]
[ディークは赤児の頃にレオヴィルの教会の門前に捨てられて12歳になるまでそこで育った。
額に青い目の形をした痣が浮かび上がるに及んで修道士には不向きと俗世間に出された身だから、祈祷にどれだけの力があるかはわからないが、死者にとって害になるものでもあるまい。
身ぐるみ剥がれた死体は、傭兵が二人一組で担ぐ丸材に刈り取られた小麦よろしくかけられて、後方集積場へ向うことになる。
傭兵隊の後ろから、死者の軍勢が、うぞりうぞりとやってきていた。>>63
その光景と匂いとに怯む傭兵も少なくない。
敵味方を問わず、生理的な嫌悪と恐怖を呼び覚ます群れなのだった。]
「魔将軍様の御用だ!」と威張っていけよ。
命令どおりの荷を運んでいるんだ、 戦線離脱とは言わせないぜ。
[死体運びに早くも飽きたらしく、マーティン親分が斬り込みにいってしまうのを見て、ディークも後を追った。]
西側から王国軍を挟撃させてくれと、親分さんを通じて、上に”献策”するか。
[より一層、王国側を追い詰めることになるかもしれないが、消耗戦で増え続ける死体運びに甘んじているのはこれきりにしたい。]
ま、それをするにも、今日を生き延びる必要があるんだけども。
[戦場のただ中に身をおいていると、とるべき道は直感的に”見える”。
あの軍は押してくるだろう、ここらは危険だ、相手の弱点はあのあたりだな、そういった状況判断は軍学校にいた頃から抜群だった。]
親分さん、それ以上、橋には近づくな。
[マーティンに声をかけ、そのまま傍らに留まって助言という名の指揮をとる。]
……獲りに行くぞ、アヴァーンガルデ。
[短い宣を半身ともいうべき大鎌へと向け、一歩、踏み込む。
振るわれる横薙ぎの閃は、無造作なもの。
鋼の鎧を相手取るに、銀月の牙はその鋭さを損なう。
故に、まずは態勢を崩さねば獲る事はできない。
初手の一閃は牽制──と、理論的に判じているわけではなく。
速度を持った一撃で出足を挫く、という本能的な判断からのもの。*]
/*
ゆうべから思ってたんですけど、めっちゃ楽しそうですよね、黒い人と赤い人。
そこは邪魔せんとディークに会いにいくべきかな?
おでかけ中に考えとこう**
[だが男もそれで怯みはしなかった]
はあっ!!
[あちらの動きに関わらず男は踏み込み、相手の左上方から叩き下ろすようにクレイモアを振るう。
大振りのそれは避けられてしまえば隙にもなり得るもの*]
─ セミヨン川 ─
疾く越えよ!南岸へ押し込め!
[幅の広いセミヨンの瀬、クレレットの橋は天然の隘路となる。
圧倒的な数で勝る魔軍の野火はここで堰き止められ、レオヴィル側南岸で争うのは足の速いもの、体躯の中程度以下のもの、橋を使わず川を渡れるものが先となる。
その傾向は、重低のゴーレムが橋を渡ろうとするにあたって強くなり、
そして主戦場から屍体を担いで北へ戻ろうとする傭兵達の逆流によって更に重くなる]
往け、往け、踏み越えよ、打ち払え!
[アンデッドの軍勢のうち、橋への道に乗れないモノはそのまま川へグズグズなだれ込んでゆく。
知性なき歩みは水に攫われ、折り重なり合うように沈み流れて、またその死骸の土手の上をスケルトンや別のアンデッドが踏み越えて。
南へ、南へ。
川付近の争いは緩慢に、しかしたしかに激烈なものへと変じていく]
…
[馬上、ヒトガタは一度天を振り仰いだ。
青い光。頭上から人間達を襲う死霊の炎。
川を越え、水滴と腐臭を撒き散らしながらかつての味方と武器を交わらせんとする、動く屍体達。
死者はそれ以上死なない。実入りがそれだけ目減りした戦場になるだろう]
……お前達、存分に暴れるがいい
ゆけ!
[ごく滑らかに凛と響いた声に従い、曲がりなりにも指揮の下にあったコボルトの隊は喚声をあげて各個突撃を始める。
この混戦、単体であっても強者ではない卑小な亜人達は、魔物戦に慣れた王国軍に次々と討ち取られながらも、勢いだけで小隊の統制を崩し、敵軍の前線を侵食しようと進んで行く]
― 回想/沈んだ記憶 ―
[物心ついた頃には、母と二人で隠れるように暮らしていた。
小さな村に住む人々は皆、母娘に良くしてくれたけれど、娘が村の外に出る事だけは良しとしなかった。
何故と問うても、『それがお前のためだから』としか教えてもらえず、それへの疑問はずっと抱えていた。
平穏だけれど変化のない日々、それに初めて見る彩りを添えた流浪の民。
彼らと共に旅に出たい、と言い出した娘に周囲は皆、困惑していた。
けれど、最終的にその願いは聞き届けられて。
一つ所に隠れ住んでいた母娘は、留まらぬという形で隠れ生きる道を選んだ]
[青肌の魔物の手綱を引いて、馬首を返す。
次々と人魔の死が花開く戦場、ゆるり廻って橋の方へ。
途中、斬り飛ばされたなにかの塊が飛んでくるのは、駈歩をステップさせて躱し。
見境を失ったかレオヴィルの軍服に反応したかのアンデッドの襲撃には、剣を抜いて肩を突き、2撃目で首を刎ねた。
魔将の玩具だがひとつやふたつくらいは壊して構うまい、どうせ殆ど腐り果てていたし]
……うん。
約束、だよ、シェンおにぃ。
[二色の石が重なる。
笑って手を振るのに、同じ表情を返すのは多分できていなかった。
ただ、これ以上駄々をこねて困らせるな、と母に言いつけられていたから、それだけは我慢して、きんいろを見送った]
お前達、傭兵だな
隊の長はまだ無事か
[魔軍に混じる少数の人間を見つけ、声の届く近さへ馬を寄せる。
ヒトガタから漂うのは死の香り。
腐臭のような甘さのある退廃ではなく、ひとつの命が途切れる瞬間に発される鮮烈なそれ、死を眼前に看たものならば肌で感じたことのあるものと同種の匂い]
指揮官は何方だ?
[眉を寄せ、顎を引いて周囲を見回す仕草はごく自然なもの。
背筋を伸ばした所作は戦場にあっても均整の損なわれない、魔王が目を留めた>>47かつてのまま]*
[右足を大きく横に滑らせ、剣の落ちる位置から身を逸らす。
鋼が真横すれすれを断ち切り、乱れる大気の流れが齎すのは極限の緊張感。
緊張感は高揚感へと直結し、それを示すかの如き笑みが浮かぶ]
これなら、どうだっ!
[素早く持ち手の位置を変え、刃ではなく、石突の側を相手に向ける。
そのまま、相手の左の脇腹付近を狙って突きの一撃を繰り出した。*]
『俺は凡庸だろう』
[かつて
隣国の親友と過ごした星降る夜、杯を重ねながら、クレステッド・アジェンタ・ド・レオヴィルは笑った。
快活で、目端が利くこまやかな皇太子だった。
その一方で切れ味の苛烈な決断よりも、あまねく耳をかたむけて最善の道を求める指導者で、
激流たる戦乱の時代よりも、平和な世でこそ偉大な賢王として国を統治したことだろう。
彼には足りなかったものがある。
第一の世継ぎである自らの命がどれほど大事なものだったか、それを守りきるという"才覚"が]
『だが、王自身など優秀でなくとも良い。
俺には優秀な友も弟妹もある。
苦難に立ち向かう時……自然と人が集まり、民が力となってくれるならば。
王は彼らに未来を示す、希望の灯でなければ。
この時代、少しでも多くの笑顔を守る王に俺はなろう──』
[その願いを彼が叶えることはない。
魔王が戯れに拾い上げた死者の記憶は、人形を成立させる素体の一部として保存され参照され、永遠に止まった時のなかにある]**
[だがそれよりも格段に早く、大鎌の石突による突きが男に襲い掛かる]
っ───!
[斬撃には強い鎧だが、打撃は衝撃がそのまま伝わってきた。
衝撃に歯を食い縛り、上体が揺れるのを堪える]
おぉっ!!
[体勢は万全ではない。
けれど仕掛けられた今が好機と、跳ね上げさせていたクレイモアをそのまま相手に叩きつけようと腰を捻り横に薙いだ。
握りの関係で刃ではなく剣の腹で叩くような一撃*]
/*
.........皆さんかっこ良過ぎて、大変色々自信を失いかけてるロードです、こんにちは。
がんばれ、俺、ちょーがんばれ!
― 回想/星降りの夜 ―
『俺は凡庸だろう』
[星見酒の最中、
『だが、王自身など優秀でなくとも良い』
[
彼は単に己を卑下しているわけではない。
己を知り、己が為せることを理解した上で紡いでいる]
私は君が凡庸だとは思っていないよ。
[男は敢えてそう言って笑い返した]
君の周りには人が集まる。
それとて才能の一つだ。
[彼の立ち振る舞い、相手への態度、抱く思想には好感が持てる。
故に男は隣国の徒でありながら彼を
君ならば理想の王になれる。
私が保証しよう。
[そんな夢を語った夜。
夢が潰えるとは露ほども思っていなかった頃の話**]
― 回想/5年前 ―
[突然の訃報は男に大きな衝撃を与えた]
───テディが……死ん だ ?
[国境視察中に魔軍の襲撃を受けてのことだったと言う。
亡骸も戻らなかったらしい]
……大馬鹿者め……!
人々の笑顔を護る王になるのではなかったのか。
皆を悲しませてどうする───!
[零れるものを押し留めることは出来ず、男は机に肘を突き項垂れたままに右手で目元を覆う。
共に見た夢は潰え、想いだけが残された]
…ロシェも、君を支えて行こうとしていた矢先だったと言うのに──
[以前より交流のあった
男と同じように、兄を支えるために護衛官になった青年。
彼もまた
目の当たりにしたのであれば、その衝撃は男の比ではないだろう]
……こ、の。
[とばされた先で転がる事数度、最後は跳ね上がるように起き上がる。
片膝突いた姿勢で睨み上げる亜麻色にあるのは、不安定な状態から当ててきた事への賛辞と、食らった事への憤り。
身一つの所に喰らった一撃、その衝撃は大きいが。
それで怯む様子などは微塵もなく──]
……っは。
たのしいな。
こんなに楽しいのは久しぶり……5年前に、あれを……ぎんいろを獲った時以来か。
[立ち上がる表情を彩るのは、笑み]
お前を獲って帰れば、マスターもお喜びになるだろうな。
[主が良いものを望んだのだから、そのために力を尽くす。
それが『当たり前』の僕はそう言って、艶やかに笑う]
……とはいえ。
良いもの、だけに、容易くは獲れないな。
[そうでなくては、と思う反面、面倒だ、とも思う。
ともあれ、娘は距離を開けたまま、大鎌を横に構えて息を整える。
高揚感が痛みを忘れさせてくれるとはいえ、今の一撃が与えた衝撃は、すぐには消えない。*]
……おい。
5年前、お前は何をした?
[呼吸を整えなければならないのはこちらも同じ。
相手に猶予を与えるわけでもないが、どうしても先程の言葉が気になり、低い声を投げた*]
主殿に歯向かう国の王族とやらを獲った。
[緩く首を傾いでさらりと返す]
あたしにとっては、いつもの事だが。
相手もただ、崩されるばかりではなかったからな。
単なる狩りとして以上に楽しめた。
ただ、それだけの事だが。
それが、どうかしたか、黒いの。
[獲った相手と、対する者。
その間にある絆などは知らぬから。
返す口調は、それがどうした、と言わんばかりのものだった。*]
/*
ここに至るまで。
魔王様をどう呼ぶか悩んでいたいきものはこちらです。
マスターの上のひとなんだけど、自分の主じゃないよね、っていう何かがこう……うん。
しかし、予想はしてたけどこの時間のログの伸び方がおかしい。
ついでに消費もおかしい(
あちらの方がやる事多いし、そろそろきりあげないとなぁ。
───私にとって、その事実は軽いものではないのでな。
[狩りと言われてまた一つふつりと奥底で湧き上がる]
その首、このヨセフ・トネール・ド・モンテリーが頂く。
[黒の瞳に仇の赤紅を映し、男はクレイモアを右肩に担ぐような構えを取った。
大振りを減らすための構えで赤紅へ迫るべく歩を進めた後、剣の射程に入る辺りで担ぐ構えからそのまま相手を袈裟懸けに斬りつけるのを目論む**]
/*
超絶今更なんだが、死体使役系ってNGいそうだねえ!?ってなってしまったので、一応メモで聞いてみるマン。超絶今更。
あ、あんまりグロくしないつもりなんだけども!!!!w
自分で書いてると全く怖くないので、こう…一応心配になっちゃうよね…。人様が書くと何故だか怖いということもある。あれは不思議だ。
/*
そう言えばロシェからアイリのこと聞いてるか確認取り損ねてる!
聞いてた場合は同一人物とは知らない状態だな今は。
やっちまったぜ。
/*
あとそうだった、聞かなきゃなんねえことがあるんだったわ。
PC6 ≪魔軍側→王国側≫[洗礼者]
≪魔軍側→王国側≫≪魔軍側→王国側≫
\王国側/
wwwwwwwひえーーーwww
な、ないよな…!?ないと思いたい。カナンさまバンザイだよぉ!!!!人間になんてつきたくねえよぉwww
つく未来が浮かばない!!
― 回想/過去 ―
[ 母がレオヴィル王と出会ったのは、民の暮らしを見たいと願った王を、側近の1人が王都に近い村の収穫祭にお忍びで連れ出した時の事だった。
「全然忍んでいなかったけれど」と、その時の話をする母は、いつも可笑しくてたまらないと言いたげに笑っていた。
姿形は旅人のように装っていても、育ちの良さと王者然とした立ち居振る舞いは、明らかに「浮いて」いて、それでも、なんとかばれずにいようとする様子が、妙に可愛く見えたのだと ]
[戦場の”声”に新たな不協和音が加わる。
コボルトらが前線に達していた。>>100
それを率いるヒトガタの魔将が、戦場を散策でもするかのように血路を切り拓いてやってくる。>>103>>106
ほのかに漂う死の香り。それはどこか冷たい風にも似て膚を撫でた。
そして、その顔は──]
……、
[確かに血の繋がりを感じさせるものだった。
王国軍の総大将であるロー・シェン皇子、そして、ディークがレオヴィル王国を去ることになった理由であるユーリエ姫と。
それもそのはず、この姿は、彼らの兄だった亡きクレステッド皇子から作られたという噂だ。]
[ だから、ローグきっての舞姫の姿に目を奪われ...有り体に言えば一目惚れした王の口説きに応じて、子を為す仲になった。けれど、愛妾として城へと招く言葉には、母は頑として応じなかった ]
『王城は、ローグの暮らす場所じゃない。でも、お前は王の子でもある。だから、父上を助けて、国や民を護りたいと思う時が来たら、その心に従いなさい』
[ 魔に襲われた村で、子供達を護り傷を受けた母は、その傷が元で命を落とした。
魔が地を覆い尽くし、人の国が滅びされば、ローグもまた滅びる...旅するうちに、その思いを強くしていた少年は、母のその死をきっかけに、王の子として新たな旅路に就く決意をしたのだ ]
[ 突然現れた王の庶子は、当初、貴族や側近の間に紛糾を招いた。流浪の民ローグの血を母から色濃く受け継いだ容貌も、その一因ではあったろう。けれど、正妃が既に他界していた事もあって、皇太子と姉姫は、意外な程すんなりと弟の存在を受け入れた。
特に生来病がちだった姫は、弟が旅してきた様々な土地の様子や、祭りの話を聞くことを楽しみ、ローグの民の1人として、彼が身につけた舞や演武を披露してみせると、殊の外喜んだ。
すでに慈悲深く賢明な王の資質を備えた青年となっていた皇太子も、少年を弟と呼ぶ事を躊躇いもしなかった ]
[ 政争の道具となることを避けるには自ら家臣として軍に志願し、王族の権を欲しないと示すのが一番と、王の苦悩を見かねた側近の1人に勧められ、その道を選んだのは、純粋に、兄の扶けとなりたいと、願ったからでもある ]
俺は、貴方のようになりたいんです、ヨセフ。
[ その願いを体現するような存在が皇太子の友として目前に在った事も、男の決意を支えていた ]
兄上が王となった時、兄上の盾となり、剣となって民を護り、国を護る...貴方のような将になって、それを果たすのが俺の夢です。
[ その夢が潰えるとは、やはり知らぬまま ]
[軍学校の催しに幾度か来賓として来たことがあるから、生前のクレステッド皇子とは面識がある。
かつての凛々しい挙止すらそのまま残すトヒガタから投げかけられた質問に、ディークは上官を探す素振りで視線を反らしたが、周りの幾人かは素直に禿頭を指差して教えた。]
──…、
[魔王の側近たるヒトガタが何をしに来たかと警戒して、ディークはすぐにマーティンを護れるよう身構える。]
……何より。
そう簡単に、刈られてなどやる気は、ないっ!
[肩に剣担いで迫る動き。
そこからの振り下ろしは後ろへと飛びずさる事で避けるものの、完全には往なしきれない]
……長いのは、これだからっ!
[左の肩を掠めた衝撃に毒づきつつ、着地後の低い構えから真横に振るう。
そのまま振り切りはせず、自身の真正面に刃の三日月を据えた所で、持ち手の上下を入れ替えた]
……っせい!
[その状態から大鎌を前へと突きだす。
弧描く刃、その背に当たる部分を黒へと向けて叩きつけようと。**]
― 前線への途上 ―
[ 戦場へと近付くにつれ、死臭が濃く風に混じる、その匂いが蘇らせるのは、5年前、この同じ地で、兄が命を落とした時のこと...そして、銀の月の如く煌めく大鎌の刃と、亜麻色の髪と瞳の少女の姿... ]
リー...
[ 叫んでも届かなかった声は、宙に浮いたまま、今もきっと、彼女を捜して風に運ばれているだろう ]
[ ぎゅ、と一度ミサンガを巻いた手首を握る。あの日の後も、このミサンガを外そうとは思わなかった。それが、きっと本当の自分の心だ ]
[ 男の命に従い、連なっていた荷馬車の幌が、次々と外され、その中に身を潜めていた「鳥使い」と呼ばれる者達が、一斉に各々が使う鳥達を空に放つ。
鷹を始めとして、鷲や隼といった猛禽達は、その全てが足に長い腸詰め肉に似た姿のものを掴んで飛んでいく。
だが、腸詰めの中に詰まっているのは肉ではなく液体の油だ。
橋の向こう、押し寄せるアンデッドやコボルトの群れ目指して空を駆ける100羽を越える数の鳥達。
人間の将であれば、それが異様であると気付くだろう。けれど、同じ空に在っても、人を狙う死霊は、獲物を運ぶだけの鳥に恐らく興味は示すまい ]
アンデッドの弱点は、やっぱり火だろう?
燃やし尽くせば、復活も出来ないし。
[ かつて、軍学校で、魔軍との戦いを論じた事が在る ]
でも、火矢を使って各個撃破は効率が悪い。広範囲に殲滅するなら油を使った火計が一番だけど、問題はどうやって、敵だけを火に巻き込むか。
[ 戦闘になれば前線は、敵味方が入り乱れ、安易に油を撒いて火をつければ、味方にも被害が出る ]
前線よりも...後ろ......そこに火を届かせるには...罠か、魔法か...でも魔法はタイミングが難しいよな、敵の後方なんて、見えないし。
飛竜が沢山居ればいいけど、そうそうはなあ...
[ うーん、と考え込んだ後、あ!と声を上げる ]
鳥!鷹匠の使う鷹とか、どうだろう?
[ けれど、魔法の助けを借りても、戦に怯まず命を聞いて油を運ぶ鳥を訓練するには、相当時間と手間がかかるだろうな、と...真剣に悩みながら、金髪を掻きむしっていた姿を、ディークは覚えているだろうか? ]
声を!
[ 二つ目の命に、魔法を使う従者が、手持ちの小袋から金色の髪の一房を取り出し、それを触媒として魔法を発動させる。触媒となった髪の主の声を遠くまで届くよう響かせる...ただそれだけの魔法だが、戦場では有効に使えるときもある ]
魔に与する者達よ、命惜しむなら、今すぐ退け!
[ 朗々と響く声。それは、魔軍に混じる人間達に対する警告であると同時に、前線で戦う王国の騎士達に力を与えるためのもの** ]
[荒くれ者のマーティンとは、シラーの檻の中で知り合った。
ディークを罪に問うているのはレオヴィル王国だったから、モンテリー王国では尋問されないはずだったが、被害者に王族がかかわっているとあって無関心というわけにもいかなかったようだ。
注目は集める一方で、縁故も余罪もないディークの牢内序列は低いものとなる。
早世した弟に似てると言って、マーティンが世話をやいてくれなかったら、ディーンの牢での生活はもっと辛いものになっていただろう。
シラーの陥落の際に、ディークはその才覚を遺憾なく発揮してマーティンを扶け、脱獄した。
その先どこに行くという当てもないディークに、マーティンはオレを家族と思えと肩を叩いてくれた。
乱暴で短慮だが、懐の広い親分だった。
彼の罪状には同情しかねる部分も多かったが、”家族”であれば常に彼の側に立つべきと決めてここにいる。]
― 魔軍・セミヨン川渡河作戦中 ―
[魔王の命に従って南を目指す魔軍の流れは、さながら大地に新たな川が現出したようだった。
闇の亜人たちはいくつかの部族や部隊に分かれて、一応はそれぞれの長に従って進んでいる。だが、部隊同士の連携は取れておらず、どの部隊も功を求めて、あるいは殺戮を欲して前へ出ようとするので、さらに入り乱れていく。]
[橋の上では力の強いものが小物を突き落として前に進み、川では溺れた仲間の身体を踏みしだいて我先に渡ろうとする。相当数が流されていったが、徐々に徐々に対岸へ到達するものが増えていく。
南の戦場へたどり着き、人間との戦闘に加わるものはまだいい。
中には魔軍同士の小競り合いで武器を振るうものもいた。
混沌たる有様ながら全体としては南へ向かおうとし、途中に現れた人間を殺戮すべく動いている。
そして、魔王はその戦況に、さしたる興味を向けていなかった。]
ああ、其方か
名を聞いても構わないか、傭兵の長
[馬上から降りることのない代わり、物腰は穏やかで禿頭の男を撫でゆくように声を滑らせる。
それすら得体の知れない威圧かもしれないが]
…請けた「仕事」は、戦利品を持ち帰ることだけだろうか
[血の気の多そうな親分だ。
この真っ先に斬り込みに出そうな男が指揮官であるわりに、傭兵隊の動きは中途半端。
後発である不死者の軍勢に追い抜かれるように後方に留まり、戦闘行為は少なく抑えられているよう]
[ヒトガタの視線は、マーティンという男から、その前の別の男>>137へと流れる。
そうと知れぬよう、わずかに緊張していつでも行動に移れる油断ない姿勢。
ヒトガタの主であるもならばそれを理解しないが、クレステッドの経験と記憶はバンダナの男に注意を向けて、ごく自然に微笑んだ]
いまやシメオン=カザエル・ユートエニアムの死者の軍勢が前線に届いた
こうも戦況が荒れては、屍体を集めるという任にも困難ではないか?
お前達には別の仕事を頼みたい
一度さがり、下流へ南下して王国軍の西側面に接触したいのだ
人間であるお前達に撹乱を頼みたいことだ、功績あらば魔将シメオンには私から報告しよう、如何か
[魔軍の戦は単純だ。
こと、人間を狩る程度のことに策など弄しない。
数と力で踏み潰すのを良しとした。
モンテリー王国を滅ぼした際も、さして変わりはない。
守りの要たるマルサンヌ砦を、
降伏勧告などしたこともない。必要もない。
ただ、モンテリーの王都に対しては、戯れに彼らの運命を宣告してやった。
哀れな生き物が怯え泣き叫ぶさまを見るのも、案外と面白い。]
― 回想/王都シラー陥落の時 ―
[残骸と化したマルサンヌ砦を踏み越えて進んだ魔軍が、王都シラーへ到達したのは翌日の夜のことだった。
来い。ナール。
[声に応じて漆黒の竜が翼を広げ、空を滑るように玉座の前へと飛翔する。
次の瞬間には、魔王の姿はナールの背にあった。]
[かつて見知った男の怜悧な、だがそれだけではない視線が向けられる。>>150
認識されたことを意識して、首筋がチリリと灼けるようだ。
戦場に似つかわしくないほどの穏やかな声は、得体のしれない圧をもって人間の上に注がれる。]
…っ
[献策しようとしていたことを向こうから言われて、一瞬、息を詰めた。]
[光をも吸い込むような魔竜の背にあって、魔王の姿はいっそう輝かしい。
軍勢を飛び越え、シラーの門の上にナールを旋回させ、魔王は己の魔力を燃え立たせた。
魔界に立ち込める硫酸の雲さえ払う苛烈な光が、シラーの夜空に魔王の姿を浮かび上がらせる。]
人間どもよ。聞け。
この国は、今この時より我、魔王カナン・ディ=ラーグのものとする。
門を開き、歓呼の声をもって王を迎えよ。
[町全体に朗々と響き渡った声が消えるまでの一瞬、町は静まり返った。]
[次に起きたのは混乱だった。
戦おうとするもの、逃げようとするもの、怯えて隠れるもの。
歴戦の国に相応しくない混乱は、おそらく先に街に入っていた者が良く働いたためでもあろう。
混乱の最中に門が内側から開け放たれ、魔軍が街へとなだれ込んでいった。あとは実にあっけなかった。]
[戦いの趨勢も決し、見物にも飽きて玉座に戻ろうとする魔王を、魔力介した声で呼び止めるものがあった。
モンテリー王国の王その人であった。
モンテリー王国は降伏する。
自分の命を差し出すから民はこれ以上殺すな。
そういった主旨の嘆願を寛大にも聞き入れて、魔軍の戦闘行為を止めさせた。
こちらとしてもこれ以上家畜が減っては増やすのに多少苦労する]
[望み通り王と王の一族は
家族の命はどうとか言っていた気もするが、些細なことだ。
かくしてシラーは魔王のものとなり、ほどなくクレレットの街も門を開いた。
マルサンヌ砦のあった場所からクレレットまでの街道は、魔軍が闊歩する道となった。
多少頭の回る連中が他を出し抜いて功と財を得るべくミュスカの森林へ別れて行ったが、魔王はさほど気にしていない。
ゆえに、彼らがどうなっているのかは今のところ関心の外である。]**
[暴れ甲斐のありそうな任務に、マーティンは「おうよ」と張りのある声で応える。
「マーティン・ドットが引き受けたぜ」
彼が乗り気なら、問題はない。
デュークは黙って同意の肯首をした。]
隊の者に伝えます。
[と、そこへ魔法によるロー・シェンの声が響き渡った。>>145*]
其方達の奮戦に期待している
[マーティンに頷いて、傭兵達が陣を纏めるを待とう、
と、そこに魔法で拡散された声が響いた>>145]
この声…
[ふ、と唇がやわく撓む。
目を細めて朗々と続く音声を聞き、青い馬の手綱を引いた]
ドット殿、俺もついていくが良いな
渡河していない亜人を集める。あの子が面白いことをしてくれているうちに移動を済ませよう
[振りの隙を抑えたことでクレイモアを引き戻す時間は短縮出来る。
しかし相手が大鎌を振る方が早く。
クレイモアを正面に立てた状態で後方へとずり下がった。
相手が振り抜いた直後に仕掛ける心算でいたが、大鎌が振り切られることはなく]
────ぐっ!
[突き出された大鎌の背をクレイモアで受ける形になりながら、更に地面をずり下がった。
身軽な身体から繰り出される予想以上の膂力。
クレイモアを握る両腕に痺れが走る]
[戦場で咲き散る死は、種の別なくすべてが北岸で沈黙する魔法兵器の触媒として、その糧よと喰らわれていく。
死せる者がそれを知ることはなく、
まして生ける者の目にも映らず、
ただ、ヒトガタの中で核がチリンと鳴き]
──…、
[魔王の座す玉座の傍、魔導の波も満足げに鳴いた。
まだ言葉にならない
[足りぬ
なれど
"レオヴィルの王族を見つけたら喰ろうていい"のだな]
― セミヨン川南岸 ―
[ 戦場に、男の声が響き渡ったのと相前後して、先行していた騎馬部隊が、奮戦するモンテリーの騎士達の元へと到達する ]
「怪我人は後ろへ!」
「馬を失った者は砦へ戻れ!」
[ 疲弊した友軍を励まし、前線を支える役を交代せんと魔の群れに襲いかかる。
橋を渡ろうとする者は川へと落とし、川を渡って来た者は、岸への上がり際を狙って斬り伏せた ]
/*
あといまみたらロー・シェンがめっちゃすぐそばにいた件
軍隊と軍隊が南側の陸でぶつかってると思ってたよね…?んん…?
[ 新手が現れた事で、戦闘の激しさを増したその上空を猛禽達の群れが飛び過ぎる。
群れが橋の北側...エルルットの町が見えるあたりまで到達すると、ピィーーーッ!と、甲高い笛の音がやはり魔法で増幅されて響き渡り、その笛を合図に、鳥達は、運んで来た油の腸詰めを次々と放して地上へと落としていく ]
[ 上空から落下した薄い腸詰めの皮は、地上にひしめくコボルトやゴーレム、アンデッドの群れに当たると容易く破れて、周囲に油を撒き散らす ]
『将軍!』
『御無事ですか!?』
[ 油の匂いが死者の臭いを凌駕しようとする頃、後詰めで駆けつけた騎士達が、赤紅の敵手と対峙しているヨセフの元へと駆けつけんとする。
彼を決して失えぬ要の将と、そう認識しているのは、皇太子一人ではなかった ]
『火を使います!風上へ!』
[ 風向きは、南東から北西へ。この季節には海から内陸への強い風が吹くと、この国に生きる者なら知る事だ ]
[空を猛禽の群れが飛んでくる。
それを見た瞬間、ロー・シェンの策だとわかった。
軍学校にいた時分に、魔軍に有効な戦術は何かというのが議題になった際に、ロー・シェンが火計に鷹を使うのはどうかと提案したのだ。>>143>>144
もう8年以上も昔の話だ。
真面目に鷹を訓練して準備していたとは、実に彼らしい、と感嘆した後で、さて、自分はあの時、なんて言ったのだったかと思い出す。]
「その日の戦場次第でやること決める」だったか。
──うん、まあ、それで。
[かつて、為すべきことを論じていた立場とは所属する陣営が逆な現状は驚きだが、
天候や敵によって臨機応変に作戦を変える、というのがモットーなのは今も変わらず。]
親分さん、急ぎ、撹乱作戦に取りかかりましょう。
[つまりこの場を離れろと急き立てる。]
[語られる夢は男にも覚えがあるもの。
目標とされていることにくすぐったい想いもあったが、志を同じくすることは嬉しくもあった]
…テディが民の希望となり、ロシェがそれを護る。
レオヴィル王国はますます良き国になるだろうな。
[その国を見てみたいと心から思う]
私もその夢が叶うよう、力を貸そう。
[これからも稽古をつけるという約束。
腕を磨き、己と同じ位置に並び立てという声援でもあった。
その
[その背に、ヒトガタの声が届いた。>>161
マーティンに敬意をはらうかのような「殿」づけの語り掛けと、こちらに選択の余地があるかのような言い方には、危険な予感がひしひしするが、それにも増して、死んだはずの者が、その顔で、その声で、ロー・シェンのことを「あの子」と呼ぶのを聞いて、無性に苛立ちを覚える。]
──…、
[挑発されている気分だ。
クレステッド皇子とさして親しくなかった自分でさえこうなのだから、彼の異母弟であるロー・シェンには、より強い揺さぶりになるに違いないと思う。]
面倒くさいな…
[きっぱりと憎めたらいいのに。
それができないせいで、こんな場所にいるんだろうけど。
マーティンが野太い声で呼びかけると、傭兵たちは、特に事情も聞かずについてくる。
瞬時の判断で、子供たちは置いてゆくことにした。
引かれる後ろ髪などない素振りで、マーティンの背中を追う。*]
[ やがて、然程の時を置かず、長弓を備えた弓隊が、戦場へと到達する。
将軍の激を受け止め>>164奮戦する騎士達の壁に護られ、川を矢が越えられる位置まで来ると、弓兵達は、一斉に火矢を番えた ]
放て!
[ 馬上に在る男もまた、自らかけた号令と同時に、弓を引き、燃える矢を放つ。
通常は馬上では使えぬはずの長弓だが、弓の下方を握り、放つ構造故に騎射も可能な弓だ。
今も、一の矢を放つと同時に、馬を走らせ、風の力に後押しされるように北西方向へと駆けながら、二の矢、三の矢と、続けざまに魔軍の中に火矢を撃ち込む。
アンデッドが多く固まる場所を見定めながら男の放つ矢は、誰よりも遠くまで飛び、油にまみれた死者の群れを、忽ちのうちに、炎に包んだ ]
/*
ディークがねーちゃん殺したのじゃないことは認識してることにしたいのだけど、シャドウの動きが判らないので、ちょっとそこに踏み込めないんだよね。
んー、でもまあ、いいか。そんな細かくせず、ざっくりいけば。(
[レオヴィルの皇子ローは砦から出ているだろうとは思考していた。
もし最前線にいると知っていれば>>166
その行動をどう認識するにせよ、挟撃など提案はしなかっただろう]
……
耳のある者は俺に集え!移動する!
[戦場への渡河にとりかかれていない闇の亜人達は、愚鈍かあるいは後方で互いに殴り合って過ごしていたようなモノ達。
ヒトガタは頓着しない。
凛と響く声は彼らに欠片ほどの統制を取り戻させ、ノソノソと貧弱な武器を手に集まってくる。
先行する傭兵達から距離を置いて、小部隊も川沿いに南西へ。
一度天を振り仰げば、猛禽の群れが川の北へと飛び来たっていた]*
― セミヨン川南岸 ―
[戦い方を戦線の維持に切り替えた直後、後方から友軍が到着する>>166。
それにより意気を上げる者、指示に従い入れ替わる者、人が目まぐるしく動く中、男の下へと駆け寄る騎士達の姿もあった>>167]
問題無い。
[打撃の衝撃等は残っていたが、動けないほどではない。
掛けられる声に短く返しながらも、意識は赤紅へと向いていた。
その上空を猛禽類達が飛翔し、橋向こう、セミヨン川北岸へと何かを落としている]
……なるほどな。
承知した。
[火と聞いて対アンデッドの策であることは知れた。
それに己が、ひいては味方を巻き込むわけにはいかない]
……邪魔が多い。
[万全の状態であれば、全て斬り払ってもいい。
が、左の動きが鈍いのは自覚している。
その状況で、あの黒を獲るのは無理だ、と。
そう、判断したのは本能的な物。
ならばどうするか、との思案は短い。
獲れないものに手間をかけて、獲れるものを獲らないのは良くない、と。
思考経路は単純なもの]
……はっ!
[一つ息を吐いて駆けだす。
狙うのは正面の黒──ではなく、そこから敢えて逸れた位置。
後詰としてやって来た騎士に向け、無作為に振るった後、くるりと向きを変えて後ろに飛びずさる。
赤紅の花弁がふわり、と翻った]
そこの黒いの。
……お前は、あたしと……アイリ・ファタリテートとアヴァーンガルデが必ず獲る。
……忘れるな!
[一方的な宣の後、赤紅が再び翻る。
生じた苛立ちを叩きつける先を求めての行動──とは。
さすがに、気取られはしないだろうが。*]
/*
ところで、ディーク達は川を渡る気なのか西の橋まで行く気なのか?西には山か森があるんじゃね?と、思ってるんだけど地図の読み方があってるかどうかわからない。
[黒いの、と呼びかけ宣する声は鋭い]
─── アイリ・ファタリテート、
[身を翻す女性の名を繰り返す。
聞き覚えがあったかと思案する時間は短い。
火矢が空を彩っていた]
案ずるな、あの鎌に首を刈られる心算は無い。
彼の方を頼む。
下がるぞ。
[男を案ずる騎士の声に返し、大鎌を振るわれたもう一人の騎士を下がらせるよう指示を出して、男自身も風上である北西へと一時移動する*]
[ 手持ちの火矢を全て放ち、火勢が広がって行くのを見定めると、男は弓を鞍に戻し、槍持ちとして付き従って来た従者から長槍を受け取る 。
先行していた騎兵の内、そうと見て取った数騎が護衛の為に男の周りへと集まってきた。
最前線の様子はまだ目に入らず、アイリの姿>>183も当然に目にしては居なかったのは幸いか]
行くぞ!一気に薙ぎ払う!
[ 西へと向かった一団は>>177まだ斥候の目にも止まっていない。西の橋付近には、当然ながら見張りの兵が配置されていたから、そちらへ近付けば伝令が飛ぶ事もあるだろうが、中途からの渡河を狙っているなら、見つかるのは早くとも、川を渡り始めてからになるだろう ]
せいっ!
[ 槍を得物に変えた男は、縦横にその槍を揮い、寄せ来る魔の傀儡を、言葉通りに薙ぎ払う 。頭上に死霊が迫れば、従者の魔法が皇子を護らんと、放たれた。
重装ではない男は、護りにつく騎士達から突出しようとはしない。
自らの短慮がより多くの者を殺す......そうならないためには、護られることも必要だと、それは、兄が死をもって彼に教えた事だった]
― セミヨン川南岸 ―
[無作為の一撃がどれほどの効果を上げたかは知る由もなく。
ある程度の距離を取った、と判じた所で一度足を止める]
……ん。
[居場所を把握するため、周囲を見回した亜麻色はやがて、後にして来た北岸に上がる火の手>>176を捉えた]
屍を焼きにいったのか?
……また、集めないとならないな。
[主の従えるものが減るならば、その材料を集めなければならないだろう]
良いものは獲れなかったけど。
……このままじゃ、帰る事もできないからな。
[幸いにというか、単身突出している娘の周囲は敵ばかり──というか、敵しかいない。
先に生じた苛立ちを発散させる、という意味合いでも。
向かってくるものに容赦するつもりは欠片もなかった。*]
/*
ところでだね、ディークの人の父親位置にまたマーティンが居る事に噴いてるわけだが。
これ、マーティンごと口説かないと来てくれないんじゃね?
[ いきなりハードルたっかい、です! ]
[また幾つかの些細な命が死へと転化した。
河岸の景色が煙と火の斑に染まるのを、顔のない魔法兵器が視ることはないが]
──
[低く唸る駆動音と共に、地這竜がじりと身を起こす。
核が離れている今、その動きは鈍いが。塔に滲む魔法の光は明滅を繰り返した。
風の運ぶ黒煙によって、光り輝く魔王の御姿が覆い隠されるのが不愉快だとばかり]
/*
ちなみに、この戦闘は殲滅戦のつもりでやってます。
雑魚くらい全滅させないと魔王様も魔将殿も動いてくれなさそうなんですものーものーものー
/*
最終日をすでに考えてるんだけど、攻城兵器発動→だが死なん!てのと、発動前に核=ヒトガタさん粉砕、のパターンしか考えつかないんだけど、どうするのかしらね?
[ ひとごとのように言ってみる...いや、多分ここはがーディアンのお仕事なんじゃないかなー?って ]
― セミヨン川南岸 ―
[愛馬を呼び寄せ、騎士の誘導に従い一時最前線から少し下がる。
対岸では炎が煌々と燃え上がるのが見えた]
────………
[瞳を閉じ、盟友達が安らかに眠れるよう祈る。
長くは無いそれを行った後、男は再び馬上の人となった]
/*
アイリに触りに行かないのは、可愛がりすぎてる予感しかしないので、顔見たらいきなり色々吹っ飛びそうだからです。まだ早いからっ!
[ 死ぬのは二日目 ]
アンデッドの大半は食い止められるが、魔軍はそれだけではない。
安心するのはまだ早いぞ。
[アンデッドには効果的な火も、ゴーレム等には効果も薄い。
オークも現れるとなれば兵士のみならず、騎士も苦戦することになろう。
それらの手に余るものを相手取るべく、男は再び騎士達を率いて前へ出ようとして]
― クレレット大橋 ―
[南より飛び来たった猛禽の群れ>>142 に注意を払うものは、知性持たぬアンデッドやゴーレムたちはもとより、他の亜人にもいなかった。
頭上から腸詰が降ってくるに至ってようやく空を見上げ、降りかかった油の臭いに顔をしかめる。>>167
中には落ちて破れた腸詰の皮を食べるのに勤しむ連中までいた。
事態が大きく動いたのは、赤い火の雨が降り注いだ時。>>176
炎は橋に大地に魔物に突き立ち、風に煽られてたちまちに燃え上がった。
あちらでは筋引くように地面を走った炎が屍兵を飲みこんだかと思うと、こちらでは松明のように全身火に包まれたゴブリンが別のゴブリンにしがみ付いて炎をより大きくする。
橋の北側の各所で、炎による混乱と惨状が繰り広げられていた。]
[マーティンのもとに再集結した傭兵隊の後ろからは、ヒトガタの率いる亜人の一団がついてきていた。
今はこちらに攻撃してくるようなことはないが、場合によってはすぐさま督戦隊に成り代わることは明らかだ。
「川か? 山か?」
マーティンが進路を聞いてきたので、ディークは川を示した。
今から山越えをしていたら夜になる。
川は死者と死者だったものを巻き込んで渦巻いていた。
橋から落されたゴーレムが頭だけ出して立っているのも見受けられる。
それらを橋桁代わりに、先程まで死体搬送に利用していた丸材を随所に架け渡して即席の丸木橋を作り、渡るよう伝える。
川の北岸で上がった炎と煙に両軍の目が惹きつけられている隙を狙うのだ。]
…私は君の剣となり、盾となろう。
[男にも護るべき民がいる。
国を亡くした今、彼らの拠り所となっている自覚もある]
[それでも]
[男が在るべきは戦場。
この身は剣であり盾。
戦うことで民を、地を護る方法しか、男は知らないのだ]
[橋を使わぬ渡河を試みていたものたちは、ある意味ではより大きな災難を被ることとなる。
炎に巻かれた一部の者達がなりふり構わず水を求めて川へ駆け下り、渡河に手間取って固まっていた他のものたちをも巻き込んで水の中に折り重なり流されていく。
水に入った油は燃えながら流れ下り、岸辺へ炎を広げていった。
一方、背後で上がった火の手と、それによる惨状を目にした南岸の亜人たちにも混乱は波及した。
戦意を失くしたゴブリンやコボルドたちの一部が逃げ出そうとするのを、オークが斧で叩き切り、死骸を投石代わりに騎士たちへ投げつける。
一部のオークたちは炎と油の臭いで狂乱状態に陥り、理性の箍を吹き飛ばして吶喊を開始する。
もともとの膂力から箍の外れた勢いで振るわれる斧や棍棒は、人や馬さえ容易く吹き飛ばすだろう。
魔に属する亜人たちは、全体として戦いの狂気の度合いを増した。]*
/*
>>194>>197
ようやく自分の位置を確定したと思ったら、渡ろうとしている川が大惨事になったことに気づくww
ならいっそいきなりドンブラコッコしてみたい誘惑にかられたんですがどうでしょう (←
― 移動魔城"Z" ―
あっはっはっは。
これはいい。
人間ども。なかなか楽しいものを見せてくれるではないか。
[
鳥に油を運ばせるなど、賢しらにも良く考えたものだ。
次は兵でも吊り下げて送ってくるかな。
[いくつも燃え上がる炎は、鏡越しではなくとも遠望できた。
立ち昇る黒煙もまた、風に乗って流れてくる。
血と炎の臭いは魔王を機嫌良くさせた。]
[雑兵どもがいくら散ろうとも、魔王は些かの痛手とも思わない。
魔王の御座たる"Z"は、クレレットの街を南北に横切る街道の中ほどに位置していたから、ここまで炎が届くこともないだろう。
小さな駆動音と共に城塞が身じろぎ巨体を持ち上げれば、戦場の方向がより見えるようになった。
玉座の傍らにある装飾を、掌で軽く撫でる。]
なかなか良い趣向だったが、このままでは街に燃え広がるかもしれないな。
この程度の街、灰になろうと一向に構わないが──
この状況、おまえならどう収める?
[酒の肴の続き、とばかりにシメオンへ問いかけた。]
― クレレット大橋 ―
[群れた死者たちは、頭上を舞う鳥>>142のことなど頓着もしなかった。
或いは、餌かと少し気にして頭上を見上げた魔のあったやも知れぬ。
しかしそれとて、来るべき脅威への警告となることもなく、よって人間どもの放った炎は実に見事な成果を上げた。]
…………………
[既に一度死した者らが、苦悶の声をあげることはない。
ただ人の形の物体が炎に包まれ、黒い影となってそのまま二歩三歩と歩を進めた。そうしてばたりばたりと倒れる者らが地を覆いゆく。
青く漂う幽鬼どもは、さして炎を苦とする風はなかった。とはいえ、彼らだけでどうとなるものでもない。赤い炎が屍を黒く焼く中に、嘆く如くに不気味な青が地上をゆらと漂う。]
が、ああ…… ッ
[叫びを上げたのは、巻き込まれたコボルトら魔の者たちだ。
彼らは死に物狂いで炎の海を前進した。
そうして橋に辿り着けば、まさしく悪鬼の様相で武器を見境なしに振りおろす。だがそれも、統制取れた動きではない。
既に南岸に辿り着いていた魔の群れは、北から押し寄せる友軍と南から押し寄せる人間どもに押し挟まれる形となった。それに苛立ち、味方に武器振り下ろすものすらある。
唯一善戦したのは、炎をものともしないゴーレムらか。
橋を渡り切った泥人形は、その膂力で勇敢なる戦士らを容赦なく死に追いやった。だが、魔の進撃もそれまでだ。
統制取れた反撃>>166に合ってしまえば、崩れゆくのは時間の問題とも見える。
戦場に理性を失った亜人らの咆哮が響く>>197
狂気の度を増した戦場は、混沌の色を深めていた*]
/*
ところでツィーア君の内部にキッチン2か所あるのを発見してしまった。
ひとつは魔王様専用キッチンだな?そうだな?
(嬉々としてエプロンを付けだす魔王
(そうじゃない
/*
今回上では頑張って悪い魔王様やってるので、おちゃめな部分は灰に隠しております。
にしてもごきげんな魔王になったことよ。
/*
...て、ぽちぽちしてると、がーっとログが増えるーーー><
がんばれおれ、ちょーがんばれ!
あ、でももう開始するかな?
火攻か
[僅かに眉を寄せて、クレステッド皇子の姿したヒトガタは後ろを振り返った。
其処彼処で燃え上がる肉の炎柱から、風下に佇むクレレットの街へ視線を廻らし]
…
お前たち、傭兵隊が道を作ったならばすぐに続け
上流から流れ火が来る
[配下の亜人の群が興奮して騒ぎ出そうとするを低く窘めて、丸太で即席の橋を架ける人間たちへ馬を寄せる]
あの場を離れた故に、命拾いをしたようだ、ドット殿
だが急いで渡らねばどうやら挟撃どころではないな
[手伝わせよう、と笑みを浮かべた。
器用とは呼べない愚鈍の衆だが、闇に染まる前はドワーフやエルフだったともされる亜人、ギィギィと小競り合いをしながらも丸太を掴んで川へと運ぶ程度の作業をこなしてみせる]
/*
あ、やべ。明日明後日には死ぬ勢いだったわ。
なんかそんな雰囲気でいきかけてたわ。
ちがうわ、もうちょっと生きるわ。まだプロローグ!!!
[油を注がれた火勢と魔物たちの狂乱を甘く見ていたようだ。
程なく水面に災厄が雪崩れ込む。>>197
折しも、ディークは橋桁代わりのゴーレムの肩の上にいた。]
止まるな、渡れ!
[その方がまだ活路があると、傭兵たちに指示を飛ばす。
戻れば亜人たちと衝突するのだから。
実際には、亜人たちがヒトガタの指揮下で協力的なのを目撃して、ちょっと驚いた。]
[と、何か大きな塊がぶつかってきてゴーレムが傾ぎ、ズル…、と足が滑る。 視界が空を映す。]
あ 、
[落ちるのか、ヤバいな、と他人事のように思った。**]
[油と炎が流れに沿って迫り来る。
それよりも早く、迅速で確かな指示で道橋は生み出されたようだった。
ヒトガタは橋ではなく馬魔の脚で川と炎を渡ろうと、南東の岸を望む]
/*
魔王さん、ひとかけらも良い人にならないようにって頑張ってるけど、やっぱり難しいねえぇ。
ツィーアとか愛でたくて仕方ないからねぇぇ。
配下のみんなって、なんかものすごく可愛く見えるんだよね。
みんな可愛いしみんな愛でまくりたい。
あいつら裏切っちゃうとか死んじゃうとか、ちょう悲しい。
/*
選択肢>>206
・見送られる→どんぶらこ、たぶん王国軍に回収される
・助けられる→親密度UP、まだ魔軍に留まる
とか丸投げして、寝るぞ
村の設定が変更されました。
……、
[紛い物の指が手綱を引く。漂流物を避けて跳ぼうとしていた馬が嘶いて後肢で立ち上がった。
川の中程、橋桁となっていたなにかが崩れ、人間の影が幾つか、そして遅れて渡ろうとしていた亜人の大半が雪崩を打つように川へ滑り落ちていく>>206]
チ、 来い!
[ チリン
場違いなほど澄んだ音色、
馬を叱咤する声だけはごく滑らかに烈しく響く。
そして、上流から駆け下るごとき災厄>>197が瞬く間にセミヨンの瀬を死色に染め上げた]*
屍で効果がないならば、生き人形ならさてどうか。
試してみたい研究があるのですよ。
………出来ればこれまでに、
もっと出来のいい人形を作りたかったものですがねえ………
[ 炎と死の気配、亜人の咆哮のごとき声、混沌とする戦場で、男は視線を北へと向ける ]
クレレットの町に、人間はどのくらい残ってる?
「判りませんが、魔軍が侵攻してくる前に国境を越えて避難して来た者も多いですから、そう多くはないかと」
そうか...うまく炎に巻かれずに逃げてくれればいいが...
[ 奴隷として捕らえられているならそれも難しいかもしれない。そうと判っていながら、町を焼く危険は承知のうえで男は火計を使った。
兵の犠牲を最も少なくするためには、その策しか無かったからだ ]
「皇子、避難民は出来るだけ救うように、兵にも伝令は徹底していますから...逆にこの混乱に乗じて逃げ出せる者もあるかもしれませんし」
ああ、判ってる。
[ 男の元々の気性を知る従者が、気遣う様子で言葉を重ねるのを笑み浮かべて制し ]
もう少しだ、手を緩めず終わらせるぞ!
[ 橋の南の戦場は、暴れ回るゴーレムと、狂騒する亜人だけが目立つ状況となりつつある、堅いゴーレムには、重装の騎士達が複数で当たり、暴れる亜人は、火矢を普通の矢に変えた弓隊の兵士が狙い撃った。
どの敵に、どんな武器が、どう効くか、先頭に在るヨセフと、その旗下の騎士や兵士達>>196が手本となって、全軍が、魔の軍勢との戦い方を覚え始めていた]
[しみじみと嘆息してみせるのは、あながち嘘ではない。
そも、召喚や魔器の研究を得意としていた魔将が屍術にのめりこんだのは、ごく最近になってからの話である。
5年前、魔王は一人の青年を獲って人形とした。
その出来の良さ、生きてるとはまるで違うはずなのに、生前の記憶を用いることであたかも生人形の如くにヒトを再現してみせた魔王の手腕に、感嘆したものである。
それまでシメオンは、操るといえばアイリに施す如き精神支配、実のところそれすら稀で、主には召喚もしくは自ら作り出した使役の使い魔。
そうしたものを操るばかりで、ヒトを───死したヒトを再生し「利用する」などということは、発想の外だったのだ。だからシメオンは、魔王が作り出した木偶の素晴らしさに感嘆し、そしてやや…嫉妬した。魔将が屍術に熱心になるのは、その後のこと。
以来あれこれ試している研究は、未だ完成の目を見てはいない。
その意味で、戦場に投入されているアンデッドなど失敗作の集まりだ。]
……出来なかったものは仕方がない。
ならば、かのレオヴィルの王族で研究の続きを試してみたいものです。
ただの精神支配あけでなく、木偶でもなく。
屍に魂を定着させることがかなうなら───
それを配下に置くことが叶うなら、面白いとは思いませんか?
[にこりと微笑むさまは無邪気なもの。
だが続く言葉はその表情を大きく裏切る。]
思いの強さ、そうしたものがあれば上手くいくかとも思ってはみたのですがね。しかしモンテリー王では上手くいきませんでしたので。
鮮度か…もしくは、両方が必要か。
ある程度の目途はついておりますのでね、出来れば木偶に喰らわす前の、状態のいい素体が欲しいと思っていたのです。
頭を失えば、所詮は人間ども。
大陸全土をカナン様に献上することも容易いこととなりましょう。
……いかがか?
[そうして、瞳を弧に細めて魔は主と仰ぐ王へと首を傾げた*]
─ セミヨン川中流域 ─
[北方の山脈で育まれた水は、フェール湿地の地下水を受けながら南西へ進み、そして南へ進路を変える。
緩く左へ曲がる川の河原、浅く砂利の堆積して拓けた場所に、幾つかの影が落ちていた]
……
[ヒトガタは首を振り、濡れた銀色の髪をかきあげる。
炎に焦げ、焼け崩れた左腕が蠢いた]
汚してしまったな…
[悄然と呟く声にチリン、と音が重なる。
壊れたヒトガタの輪郭はやがて元どおりに埋められていく、生命体とはあきらかに素体の異なる魔性の質も、焦げて油染みついた衣装は再生しない]
……
[河原には焦げた亜人とアンデッドの残骸、そして水に浸からない位置に転がる人間が幾つか。
新たに得た死の数を数え上げる。
塵芥のような死を数多喰らっても、まだ兵器の器を満たす触媒には足りない。もっと、──]
[ 1人で戦う術なら、子供の頃から身につけてきた。小隊や、軍勢を指揮することも学んでは来た。
だが、まだ足りない。
時折、男の中に胸を灼くような焦燥が過る。
かつて、軍学校で、策はその時になったら考えると、嘯いた男の声と顔が、時折脳裏に浮かんだ ]
(ディーク...お前なら)
[ 浮かびかける思考を押し込める。
男は、ディーク・オラクルが姉姫を殺害したとは信じていなかった。
だから彼が捕らえられていると知った時には、自らその身柄を引き取りに行きたいと、父王に願い出もしたのだが......それが許される前に、魔王の侵攻によって、彼への手がかりは失われた ]
[ この戦場のどこかに居るかもしれないかつての学友に、再会することは叶わないか?
胸の奥底に秘めた望みは、まだ表には見せぬまま......その相手が川の中に居る事にも、まだ気付かぬまま、男は道を切り開くように敵を倒し、徐々に北へと戦線を押し上げていく。セミヨン川の岸は、もう目の前だ** ]
[かの魔将が何を見、何を思ったかは思考の外にある。
だが、提示された策は、実に好いものだった。]
人間の魂そのままに不死の者として支配するか。
面白いな。
絶望するか、豹変するか。それともあがいて見せるか。
興味をそそられるところだ。
そいつを見た他の人間どもの反応も、楽しみだ。
[想像を巡らせ、幾度か頷く。]
戦場へ戻る
少し、目先の餌を追って遠ざかりすぎた
[乗っていた馬は流されたか、渡りきって逃げたか、いずれにせよ惜しいことには、まだ死んではいない。
河原へ我が手で引き揚げた人間たちの方へ一度視線を巡らせる。
腰に穿いた剣に手をかけることはせず、]
いいだろう。好きにするといい。
ただし、こいつにはもう喰っていいと許してある。
だから先取りすれば、だな。
[許可の言葉を告げたあと、こいつと言って足先でこつこつと床を軽く叩く。
ツィーアとシメオンと、どちらが先に王族を手にするか。
それもまた面白い。]//
回復してやろう
[魔将シメオンの配下たる傭兵団は「全滅させていい」の範疇外。
かつて皇子クレステッドの修めた論理治癒魔法を再現する呪文と印は、呪者の属性が大きく変質してもそのままに、あるいは桁の違う効果を齎しただろう。
軍服の泥を片手で払いながら足を上流へと向けた]
[ チリン
満ち足りない、
もっと質の良い死をと体内で核が囁く。
レオヴィルの王族を先んじて欲する競争者の出現>>211>>226を兵器は理解し、疼くようにヒトガタを苛んでいた]
……そうだな
傭兵団の「参謀殿」…其方の命絶える折には、その死を貰い受けよう
/*
一度は言ってみたい悪役セリフ
かいふくしてやろう!
がリテイナーの打診受けた瞬間に思いついたやつだったので…
死してなおおそろしい俺!
[もっとも、これ以上人間が近づいてくるようなら小癪とも感じよう。
先の余興の礼も、してやってもいい。
尖塔の上で、ナールが片翼を広げて軽く伸びをする。
ふぁ、と欠伸をした牙の間から、黒い霧のようなものがちらちらと舞った。]**
― セミヨン川南岸 ―
[対岸が炎に舐められた後の最前線は阿鼻叫喚の様相と言えた。
狂乱状態となったオークが大暴れしていたのもそうだが、戦意喪失した小型の闇亜人達を殺した上で投げてきているのだ。
それらに沈黙する兵達も少なくない]
必ず組を作り敵に当たれ!
決して一人で相手取るな!!
[後詰の兵達にも戦い方を指示し、男もまた近付いて来たオークを率いる騎士達と共に沈めていく。
左脇腹を負傷したせいで乗騎の操作が甘くなっていたが、愛馬自身がそれをカバーしてくれた]
おおおおっ!!
[
― 魔道城塞"Z" ―
[提案を受けた魔王の反応は、まさにこの魔将の意の通じるものだった。怜悧にして冷酷なる覇気。
それを纏って笑みを浮かべる魔王に、紅の瞳の魔は深く頭を垂れる。]
──── 御意。
[そう短く応えて顔を上げた魔の顔もまた、笑んでいる。
木偶との競争など、やはり意にも介さぬ。
木偶を作り上げたのは魔王、その力に驚嘆と尊敬こそ抱けども、木偶そのものへの敬意などというものは存在しない。
魔にとっては、力こそが絶対のもの。ゆえにこの魔将の敬意は魔王その人にのみ払われるのだ。]
我が最高の屍人形とレオヴィルの国土。
程なく盆の上に揃えて、御前に仕りましょう。
それまでゆるりと、お待ちあれ。
[にこりと微笑んで再び頭を下げれば、さらさらと額に髪落ちかかると同じほどの緩やかさで魔将の姿は再び要塞の上から消え失せる。
やがて、影のような闇色の翼が空を舞った。
人間の飼い慣らした猛禽類にも地上の戦いも知らぬげに、翼はゆるりと上空に*舞う*]
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