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人里に身を潜めながら、夜毎人を喰らうという恐ろしい人狼。
幾つもの村を滅ぼしてきた狡猾な化け物の噂が、遂にこの地にも訪れた。
震え上がる者、馬鹿馬鹿しいと一笑に付す者、そして…。
様々な思惑を余所に、人々は話し合いのため集うのだった。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
村の設定が変更されました。
2人目、世界軸の神子 シェットラント が参加しました。
世界軸の神子 シェットラントは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 『世界軸』中層・儀式の間 ―
……百に一度の刻廻り。
……先の巡りを護りしきみたちに、心よりの感謝を。
[静かな声が紡ぐのは、祈りの声。
『世界軸の神子』と呼ばれる彼の前には、八つの光の珠が浮かんでいる]
……新たなる『護り手』となるべき者は選び出された。
無事、継承がなされれば、きみたちは晴れて自由の身だ。
[一転、揶揄うような物言いに、光の珠の幾つかが明滅したり、あるいは揺らめく。それはどことなく、抗議しているようにも見えた。
それに、彼は楽しげな態を崩すことなく笑って見せる]
あはは、勿論冗談だよ。
……けれど、ぼくらの都合で、きみたちを拘束していたのは事実だからね。
任が解かれたなら、残る時間は、きみたち自身のために。
……ぼくに叶えられる事があるならば、可能な限りやらせてもらう。
[そこまでは、軽い口調で告げた後。
神子は小さく小さく息を吐く]
……これまで、共に立ってくれた事に。
……心より、感謝する。
[それに続けて紡がれたのは、静かな声の、感謝がひとつ]
……さて。
[それから、僅かに時を隔てて。
八つの光の珠は消え失せ、代わりに、神子の足元には小さな竜が二頭控えていた]
それではそろそろ、呼ぶとしようか……新たな『柱』、護り手となるものを。
[呟きながら、神子は手にした杖を頭上に翳す。
その周囲にふわり、風が渦を巻いた]
……風乙女、運んでくれるな?
ぼくの言葉を、彼らの所へ。
[静かな言葉に応えるように風はまた、くるりと渦を巻く。
それと確かめると、神子はす、と目を閉じた]
……新たなる『柱』となるべき者たちよ。
『世界軸』へ集ってください。
『柱』を維持し、新たな『刻』を迎えるために……。
[静かにしずかに、紡がれるのは祈りを込めた呼びかけ。
風が幾度目か渦を巻き、その言葉を浚って各所に飛び去ってゆく。
新たな『柱』となるべき者へ、神子の言葉を届けるために──。**]
3人目、蛍石の技師 クラリッサ が参加しました。
蛍石の技師 クラリッサは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 何処かの森の中 ―
やぁれやれ……せっかく警告してあげたのに、きかないからだよー?
[じゃき、という金属音と共に手にした銃のシリンダーを振り出す。
軽い口調と共に空の薬莢を落とし、手早く次弾を装填する手つきは慣れたもの。
再装填のなされた弾倉は重たい音と共に銃身へと戻され、目の前に群れるもの──二つ首の巨鳥の群れへと再度、銃口が向いた。
巨鳥たちは仲間が落とされた事への怒りと、見慣れぬ武器への警戒でギャアギャアと甲高い鳴き声を上げていた]
まだまだやる気なのかい?
ったく、ボクは先を急ぎたいんだけど……。
[言葉を遮るように、巨鳥が突っ込んでくる。
空色の瞳が細められ、武骨な銃を扱うにはいささか華奢にも見える指が躊躇いなく引き金を引いた]
― どこかの街道 ―
あー……まったく。
思ってたほど面白いものはなかったし、無駄弾は撃つハメになるし。
……ロクな事がなかったなぁ。
[それから、一時間ほどして。
ぶつぶつと呟きつつ、街道を進む姿がそこにあった]
ま、近道できたのが唯一の収穫、って思っとくしかないかな。
なんにもなかった、じゃ、哀し過ぎるし。
[それもそれでどうなのか、と突っ込まれそうな呟きを落とす。
無駄に思考が前向きなのは昔から、そこに突っ込みを入れられた回数は、さて何回あったやら。
14の時から約5年、生まれ故郷の独自技術の象徴のひとつ、とも言うべき愛銃片手に放浪を続ける身、さほど多くはなかろうが]
さて、いつまでもうだうだしてても仕方ない。
……近道に成功した利点を生かして、次の宿場まで急がないとだ。
弾の補充もしないとならないし……落ちつける所に行かないとだなあ。
[気持ちを切り替え、歩みを早める。
髪と同じ青藍色の猫の尻尾がゆらりと揺れた。**]
4人目、紫黄水晶の占師 メレディス が参加しました。
紫黄水晶の占師 メレディスは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[その日、最後に目にしたのは]
……あれ、こんなの持ってたっけ?
[いつの間にか手にしていた、乳白色の小さな球体*]
― 1年前 ―
『本当に何も覚えていないのかい?』
[部屋を貸してくれた宿屋の女将に問われ、青年は頷く。
宿帳に名前の記載があったため、辛うじて名前だけは分かったが、それ以外のことは綺麗さっぱり覚えていなかった]
自分が何者なのかもさっぱり。
荷物見る限りは、占いとかやってたみたいなんだけど。
『ギャンブルもやってたぜ。
昨日滅茶苦茶勝ちまくってたのも覚えてねーのか』
へぇ、そうなんだ。
強いんだね僕。
[同じく宿屋に泊まっていたらしい男性から言われて返す言葉は他人事めいている。
実感が沸かないのだ、仕方の無いことだろう。
ただ、さっき自前のトランプを見た限りでは、単に強いというわけではなさそうだった。
トランプに分かり辛い印があることは内緒にしておく]
『特に外傷もないし…原因は何なんだろうね』
『そういやなんかでかい音してたな。
パンッ、みたいな』
『あぁ、聞こえたねぇ』
[宿屋の女将と宿泊客の会話を聞いても全く覚えが無い。
ただ、身体の中で何かがぐるぐるし始めて、気分が悪くなってきた]
『あら、顔色が悪いよ。まだ寝ておいで』
うん……そうするよ。
また後で話を聞かせてくれるかい?
『おぅ、先ずは体調戻すんだな』
[そう答える女将達に見送られ、青年は借り受けた部屋へと戻って行く。
真っ直ぐにベッドへと向かい、一度腰掛けて小さく息を吐いた。
ぐるぐるとした感覚はまだ消えていない。
身体を横たえるベッドの隣、サイドチェストの上には、それまでは持っていなかったはずの乳白色の小さな球体が置かれていた*]
― 現在:かつて訪れた街 ―
やぁ初めましてお嬢さん。
……え? 3年前にも会った?
あぁそれは失礼した。
僕、1年前以前の記憶が無くてね。
君みたいな美人なら普段は絶対に覚えているのになぁ…。
3年前なら可憐と言う言葉が似合っていただろうね。
…そう言われたって?
ふふ、過去の僕も捨てたもんじゃないね。
あぁ、占いなら今もやってるよ。
視てあげようか?
[記憶を失くしてから1年。
取り戻すために過去の軌道を追いあちらこちらへと旅をした。
以前訪れたことがある場所では、女性には占い師として、男性にはギャンブラーとして覚えられていることが多く、どんな話をしたかなどを聞くことが出来た。
どうやら過去のメレディスは今のメレディスと然して変わらない性格らしい。
ただ、自分の事はあまり話さなかったようで、年齢等、不明な部分も多く残っていた]
恋占い?
好きな人でもいるのかい?
…ははは、それを聞くのは野暮だったね。
それじゃあ君の恋の行方をカードに聞いてみよう。
[憩い場の一角を借り、テーブルの上でタロットカードを操る。
手際よく並べられていくそれは熟練のもの。
記憶は無くとも技術は身体に染み込んでいるようだった]
……うん?
あぁ、これかい?
気付いたら持ってたんだ。
そうか、ここに来た時には持ってなかったんだね、僕。
[女性の一人が首にかかる乳白色の球体──パールを指差し問いかけてくる。
その問いからこの街に来た時には持っていなかったと言う情報を得ることが出来た]
いや、天命石じゃないみたいなんだ。
僕の天命石はここにあるからね。
[そう言って服の上から左鎖骨の辺りを指し示す]
絆石らしいよ。
良く分かんないけど。
[パールの話題に、占いのために集まった女性達が俄かに沸いた。
その様子にメレディスは、大層なものなんだなぁ、と心の中で呟く。
絆石が何を示すのか、話には聞いているが、実感はあまり沸いてはいなかった]
さて、君の恋の行方は────
[目の前のテーブルにタロットカードが規則正しく並ぶ。
期待の眼差しを向けてくる女性に一度視線を向けてから、メレディスはゆっくりとカードを捲っていった**]
/*
ねむねむしながら肩書きに悩んでおりました。
どうも、龍猫です。
また妙な設定でやっております(
ちょっとね、今回の戦い方には元ネタあるんだけど、まるっと被らないようにはしたいな。
元ネタ知ってる人いるか知らんけど!w
/*
種族は一応決めてて、精霊の眷属なんだけども。
種族名をまだ決めてないのだよねぇ。
いっそ、無い、でも良いんだけど(
それから記憶喪失の原因は、絆石取得時の属性バランスが悪かったせい、ってことに。
この村では明確に属性の対立とかやらなくて良いのかもだけど、うっかり『対ならざる対』の組み合わせで取っちゃったんだよね。
要は未熟が故の暴発だぁね。
互いを抑えられるはずが出来なくて、パンッ、と。
そんな感じ。
と、つらつら書いてそろそろ寝よう。
3時になるで…(滅
5人目、電気石の赤鬼 キアラ が参加しました。
電気石の赤鬼 キアラは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 中央海域・キガン島 通称"鬼ヶ島" ―
[切り立った岸壁を、潮風と海鳥が通り抜けていく。
左右で異なる石の下がるピアスが、ちゃり、と音を立てた]
旅立ち……か。
[呟く娘の額からは、二本の生成り色の角が伸びていた]
[――遠い昔。魔界人を名乗る異貌の男が、不可侵領域に程近いキガン島を訪れた。
男は力が強く、闘争と色を好んだ。
その長い寿命の間に多くの子を儲けたが、男の血を引く子は、例外なく額に一本ないし二本の角が生えていたという]
[時が流れ、額に角を持つ魔界人の子孫は、一族と呼べる程の数に増えていた。
鬼族と呼ばれるようになった彼らは、闘争本能の赴くまま周囲の島へ攻め込み、やがて侵略戦争と言われるほどの規模まで戦火を拡大した。
魔界人の特徴を色濃く残す彼らが、不可侵領域近くで争乱を起こすことの意味など考えもせず]
[結果として、彼らは敗北した。
略奪によって得た土地を追われ、祖先の降り立った地であるキガン島のみを領土とすることを許された。
そして余程の例外を除いては、周辺国へ立ち入ることさえ禁じられたのである]
[それから数百年。忌むべき魔界の血族と目されてきた彼らに、転機が訪れる。
二つ目の石――つまり絆石を持つ赤子が生まれたのである。
それは鬼の一族にとって、またとない好機であった]
[彼らが世界の
[生まれ育ったその国は、とてもとても、魔法と縁遠かった。
とはいえ、全くない、わけではない。
ただ、土地柄なのか何なのか、魔法の使い手が生まれ難くて、国土に複数のレアメタルの産出地があった。
その状況に惹かれた『機』の精霊の加護を受けた者たちが自然に集い、やがて、一番の技術オタ……もとい、技術者が『公主』という立場に立ってその者たちをまとめ上げた。
魔法とは違う危険性を持つ技術を、緩やかな秩序の下で発展させるために。
そうして建国されたのが技術公国コンセルト。
小国と侮り、飲み込まんとした周辺の強国を、独自の技術で悉く退けたその国では今日もどこかで爆発やら何やらを引き起こしつつ、技術の高みを目指し続けている……のだろう。
旅に出てからは一度も帰郷していないのではっきりとは言えないが、きっと間違ってはいない。
だって、そういう国だから]
― どこかの街道 ―
んー……。
[唸るような声と共に、尻尾がぴょこり、と動く。
それと共に、口にくわえた飴の棒がぴょこぴょこ動いた]
本格的にオーバーホールしたいけど、なあ……設備たんない。
[視線が向くのは、腰のホルスターに収まった愛銃と、自身の右脚]
これのブーストで誤魔化し誤魔化し行くのも限度あるしなぁ。
[ぼやくような呟きと共に、視線が向くのは右手首の腕輪。
複雑な紋様をあしらった銀細工の中央には、淡い緑の蛍石──自身の天命石がはめ込まれている]
[コンセルト出身の者の多くは、生まれつき魔法の素養を持たない。
そんな彼らに対し天命石が与えるのは、技術によって作り出されたものの一時強化や補修を助けるためのもの。
余談だが、天命石が引き出した強化に至る道を研究して更に先へ、というのは公国の日常茶飯事である。
それはさておき、故郷を離れて5年、天命石の力で色々誤魔化しながら旅をして来たのだが、そろそろちょっと辛いなあ、なんて。
そんな風に思わなくもない]
……やーっぱ、行ってみるべきかなあ、中枢。
あそこになら、技術者のための設備とかあっても不思議ないもんねぇ。
[公国以外で『機』の加護を受ける者がいる場所──『世界軸』。
それは、いつか行かなくてはならないと言われていた場所でもある]
その時がくれば、呼ばれる、とは言うけどねぇ……。
[言いながら、首につけたチョーカーに手を触れる。
中央に密やかに煌くのは、澄んだ紫色の水晶。
幼い頃に手にしたもう一つの石──絆石。*]
/*
さて。
ようやく独り言する余裕が取れましたよ……!
てわけで、企画村建て、くろねこたすくでございます。
一時期開催辛いか、とか、開催しても死んだかこれ!? とかいろいろひやひやしておりましたが、無事にフルメン開催に至れた事にほっとしております。
しかし、ここ一番バランス難しいよなー、と思いつつぶっこんだ機属性。
これをやるのは何気に初めてだけど、さて、どこまでいけるかな……!
― 回想/3年前・キガン島岸壁 ―
…………つっ……
しくじった……。
[3年前。
16歳の少女は、右手首を左手で強く握り、岸壁半ばの岩の上にうずくまっていた]
[絆石を持って生まれた少女は、物心ついた頃から、心身と魔力の鍛錬に明け暮れていた。
ここはそうした修行によく使う場のひとつで、住人が好んで寄り付かない険しい岩場であった]
[この日少女が試みたのは、魔法の出力を限界まで高めること。
天命石の持つ雷という激しき力を、激しきままに操ろうとした少女は、限界を見誤りしっぺ返しを喰らった。
強力な雷撃が、掲げていた右手を打ったのである]
[影響が体の中心に及ぶことこそどうにか防いだものの、外傷である火傷自体が深刻なものだった。
指を動かせなくなるほど深くまで達したそれは、癒しの魔法が不得手な鬼族では、完治することが難しい。
かと言って、島外、特に周辺国の人間が、快く治療に応じてくれるとも思えなかった]
何やってんだアタシは……召集まであと何年もないってぇのに……。
[傷の痛みもさることながら、不甲斐なさに涙が滲む。
助けを呼ぶことも出来ないまま、少女は岸壁にもたれ掛かった*]
6人目、日長石の鍛冶師 シルキー が参加しました。
日長石の鍛冶師 シルキーは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
― 工房 ―
♪〜〜〜
[御機嫌に菫色の目をした少女は、依頼された物を仕上げていく。]
よぉし、これで完成!
……ああ、やっぱりこうして完成した物って、いいなぁ。
[うっとりとした発言が、一人きりの工房に響く。
少女は腕も良く評判もいいのだが、刃物に情熱を捧げすぎる事がある。
翼人族きっての変人、と揶揄されることもあるが、少女は気にしない。]
好きな物を愛でて何が悪い!
[今日もきっと、どこかでこう叫ぶのである。**]
― 工房 ―
♪〜〜〜
[御機嫌に菫色の目をした少女は、依頼された物を仕上げていく。]
よぉし、これで完成!
……ああ、やっぱりこうして完成した物って、いいなぁ。
[うっとりとした発言が、一人きりの工房に響く。
少女は腕も良く評判もいいのだが、刃物に情熱を捧げすぎる事がある。
翼人族きっての変人、と揶揄されることもあるが、少女は気にしない。]
/*
しかし。
異種族やりたーいと軽い気持ちで鬼族設定にしたんだけど、今見るとそれぞれの種族代表が集う某漫画みたいな展開になりつつあるね。
─ かつて訪れた街 ─
[占いを求める女性達が立ち去った後、メレディスはカードの手入れをしながら得られた情報の整理をしていた]
3年前、ここに来た時には絆石は持っていなかった。
ここに来る前は北の方に居たらしい、と。
次はそっちに行ってみるかぁ。
[いつしか旅はこれまで通ってきた場所を遡るものとなっていた。
このまま戻っていけば、いつかは故郷となる場所に辿り着いたりするのだろうか。
そんな推測を頭に巡らせた時、風が声>>5を運んできた]
───── ありゃあ、
[ぽつりと声を零してメレディスは後頭部を掻いた]
大きな遠回りになりそうだ。
[仕方が無い、と小さく息を吐く。
『世界軸』の場所は、いずれ行くのだからと親切なおばさんが懇切丁寧に教えてくれた。
迷わず辿り着くことは出来るだろう]
何で僕なのかは分からないけど、行くしかないよね。
[失われた記憶の中にその理由はあるだろうか。
そう思うこともあるが、記憶が無い今、考えても詮無いこと。
召集に応じるため、メレディスは荷を纏め早々に街を出た]
[目指すは世界の中心に立つ巨大な柱*]
ふふー♪
さてさて、さっそく持っていくとしますか♪
[小躍りしそうな勢いで完成品を鞘と布に包めば、
工房の外に出て、依頼人――普段お世話になっている所へと向かおう。
手首には、最近手に入れた光を反射する無色の金剛石があしらわれたブレスレットが輝いていた。**]
7人目、月長石亭の店長 トーマス が参加しました。
月長石亭の店長 トーマスは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― どこかの街の食堂 ―
[猥雑な空気、それなりに美化や衛星を意識された水路のある街に数年前より一軒の店『月長石』ができた。
昼は大衆食堂。夜は酒場として、農民、大工、鍛冶屋、露天商など主なターゲットとされ、彼らに合わせた時間帯に経営していた。]
毎度あり!また夜にな!
[威勢のいい低く太い声で、がたいのいい益荒男は最後の客を見送る。
皆、仕事という戦いに赴くのだ。その前の腹ごしらえを終え、夜には仕事の疲れを癒しにやってくる。そんな人たちを出迎え見送るのを店主は好んでいた]
[よそからきて店をたてたが、それなりに順調であった。というのも店を立てる前に店主は様々なところに旅に出て珍味を手に入れていたからである。
夏の暑い日は、雪原地域に生息する氷結胡桃をつかった飲み物は体を冷やし、冬の寒い日は火山地域でとれる焔草を香辛料としてつかった料理が体を熱くする。など珍しい食べ物を食べられることが功を奏したのだ
さて、ぱぱっと片しちまうか!
[雇用人とたちとともにテーブルに乗った空っぽの皿を炊事場へと運んでいく。
昼のラッシュが過ぎ去れば、後にくるのは、仕事から手が離せなかった職人や、珍しい客ぐらいだろう。これからは比較的暇な時間の到来であった*]
― 現在/中央海域・キガン島 ―
[風に乗って、呼び掛けの声>>5が届く]
ああ、行くよ。
鬼族の『柱』として立つために。
[刻の訪れを族長に報告すると、その晩は細やかな宴が開かれた。
島の住人が口々に祝いと激励の言葉を掛け、両親は涙ながらに抱き締めてくれた。
豊かとは言えない閉ざされた島だけれど、その分一族の結束は固い]
[そして翌日。住人たちの見送りを受けながら、船は島を離れていく。
鬼族にとって数百年ぶりの、誰に憚ることのない旅路だった*]
― どこかの街道 ―
さて、ここでぼーっとしてても仕方ないし。
とりあえず、移動しますかっと。
[口にくわえていた飴を食べ切った所で、両腕を上げて身体を伸ばす。
どう見てもオーバーサイズのジャケットと緩いシャツ、下はショートパンツにロングブーツ、という出で立ちは少年的でも少女的でもあり。
その言動や行動もあり、見た目からどちら、と明言するのは難しい。
取りあえず、四捨五入しても160にならない、むしろ減る、という身長もあって年齢相応に見えず、そこから子供扱いされるのは日常茶飯事なのだが]
とりあえず、どーおしよっか……な……?
[当初目的地としていた、レアメタルの産地を目指すかそれとも、と。
思考を巡らせていたところに、その声>>5が届いた]
……ふにぇぃ?
[知らないはずの声。
けれど、それを聞き飛ばす事など許されない──そんな気分にさせる声]
今の…………が。
『呼ばれた』って事なのか……な?
[首を傾げて呟いてみても、答えがあるはずもなく]
ま、どーせ行くかどーか迷ってたとこだし。
呼ばれたんなら、行かないとねー。
[ごくごく軽い口調で言って、歩き出す。
ゆらり、揺れる青藍色の尻尾はどことなく楽し気だった。*]
8人目、曹灰長石の治癒士 ミリアム が参加しました。
曹灰長石の治癒士 ミリアムは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―― とある海辺の村 ――
[海岸沿いの、岬へと続く道を歩く女性の姿がある。
彼女の家は岬の先端に位置している。
こんな辺境の村のそのまた端っこに誰が好きこのんで住むのかと言いたいところだが、
己の両親がまさに“そう”である。
彼女が生まれるずっとずっと前に、星を観測するためだけにこの場所に住み着いた。
自宅の立地の不便さには今もたいそう辟易している。
何せ、怪我人や病人が来にくいからこちらから出向かなければならない。
けれど、綺麗な星空を独り占めしているかのような気分を味わえるのは実際、悪くない。
夜中に家から一歩外に出て、遠くを見られる筒型の装置を用いて、
星を眺めるのは子供の頃から好きだった]
[――その石は、そんな夜のうちでもいっとう特別なひとつ、
空に流星が大量に振り注いだ夜に、
空から降ってきたかのように手元に舞い降りた]
9人目、黄玉の皇龍 オズワルド が参加しました。
黄玉の皇龍 オズワルドは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
『わか〜〜〜、いいかげんになさってください!』
いいかげんにすんのは、お前等の方だ。
[ふう、と、溜め息をついて、男は黄褐色の瞳を追って来た同族に向けた]
お前等の望み通りに長の座は継いだ。だが、俺は、里で寝て暮らす気は無い。最初からそう言っている。
― 回想・17年前 ―
[中年にだって若い頃はあった。
それは17年前のこと。...の家は特別何かあるわけでもなく、父は守衛。母は主婦をやっている。上には二人の兄と姉がおり、弟が一人いる。そんな家であった。
生来のものか、両親の育て方がよかったのか。体格もよく、このまま父と同じように門を守る仕事をしていけばよいかもしれない。漠然とそう考えていた。
変わったのは天命石とは違う力のある石・・・絆石が自分のところにやってきたことだ。目覚めたら握っていた金剛石の出現には疑問は抱かないが、なぜ自分が。という思いはある。世界を支える者の素養をもつという証であった。
100年もの間世界のために働く。そういうイメージが柱という役割にはあった。
この世界に生きるものとしてそれを放棄するという考えはなかったが、同時に自分を殺してまでずっと働き続けるという公僕根性もいまだ若い頃の...には持っておらず]
それまでやりたいことをするか。
[そうして絆石のことはだれにもいわずに旅に出たのであった。その中で天命石の影響なのか、何かを作ったり、育てたりするのが性にあっていたというのは旅路で知ったことであった*]
『しかし若は、我ら一族の要たる皇龍ですぞ、地脈を守護する役目を放って、ふらふらと出歩くなぞ…』
地脈は世界中に繋がってる。里に籠もらなければ護れないわけじゃない。そもそも親父の龍脈はまだ尽きてない。俺が里に留まらなきゃならん理由はないだろう。
『ですがっ!』
親父の許しは貰った。この話はこれで終わりだ、お前等は里に帰れ。
『若っ!』
[追いすがるような声に背を向けて、男はもう一度、深い溜め息をついた]
皇龍のなんのと持ち上げるなら、まずその「若」呼びを止めろと言うんだ。
お前等に言われずとも、俺の未熟は俺自身が一番知ってる。だからこそ…
[黄褐色を伏せて、男は呟くように言葉を落とす]
俺は、探しに行くんだ.........*
─ 回想/5年前 ─
[その当時は目的の無い、当て所ない旅路だった。
気の赴くままに渡り歩き、占いやトランプで路銀を稼ぐ生活。
時には怖いお兄さん達に追われる時もあったが、それはそれで楽しんでいた。
雪原地帯を訪れたのもそんな旅の最中のこと]
うひー、さっむいねぇ。
この先に集落があるって言ってたけど、ホントかな。
[その場所を目指したのは一つ前の町で聞いた話に興味を持ったからだ。
曰く、雪原地帯には氷人族と言う一族が住まう郷がある、と。
旅をするからには色々な人と出会うべし、と定めているメレディスがそこに向かわない道理が無かった]
どこまでも白すぎて方角に自信がなくなってきたぞ…。
一旦戻るのも手 ─── ぶわっ、
[足跡が残る後方を振り向きかけた時、メレディスを雪混じりの突風が襲う。
時間にして数秒続いたそれが止んだ時、メレディスは見事に雪まみれとなっていた]
……なんか、ついてない予感。
[後方を振り返ると、それまでついていた足跡が綺麗さっぱりと消えている。
身体についた雪を払い落としながら、メレディスは小さく溜息をついた]
ひとまず言われた方向に進むとするか。
[そうしてひたすら進んだ結果、若干遭難しかけながらも目的地には辿り着けたのだった]
[辿り着いた郷に住まう人々は、透き通るような色味をしている者達が多かった。
メレディスも色素は薄い方だが、それ以上に透明感がある。
どこか神秘的な雰囲気さえ漂う者達が集うその郷で、メレディスは先ず泊まることが出来る場所を探した]
しばらく滞在したいんだけど…。
[自己紹介と訪れた目的を説明した後、郷の者達にそう声をかけていく*]
10人目、紅玉髄の氷女 ユーリエ が参加しました。
紅玉髄の氷女 ユーリエは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[少女が紡ぐ詩は、一族の中で長く継がれる言い伝え。
雪と氷に覆われた地に住むその一族の天命石は、その身を反映してか白や透明のものが主だ。
石に色を持つ者は珍しく、その殆どが男性で総じて能力の高い者が多い。
中でも赤色系の天命石はその代に1、2人存在するかどうか。
もう起源すら辿ることも出来ない程に古いこの言い伝えは、裏を返せばそれ程に当該する者が産まれなかったという事だ。
だが、幸か不幸か今代において当事者が産まれ。
詩紡ぐこの少女こそ、その当事者に他ならなかった]
…あぁ、もう。
やっぱり慣れないなぁ、コレ。
[ごぅ、と強い風が雪を舞い上げ、少女の髪を乱す。
視界を邪魔する髪に眉を顰めるその表情は、少女というにはどこか粗野だ。
ほんの数年前──5年前までは少年の様に短く─というか、自分自身が少年だと思い込んでいたから。
こんなひらひらした服も、長い髪もただただ煩わしい。
それもこれも、全部あの日から]
…朝起きたら、手の中に握り込んでるんだもんなぁ…
[何時の間には手の内にあった乳白色のそれを父に見せると、変化は即座に起きた。
長老の元に連れていかれ、言い伝えを聞かされて。
お前がその氷女とやらだと言われた時には、自分は男だと答えたものだ。
だが、実際は──お前はそもそも女だと告げられ。
産まれた時に手に持っていた天命石を見た両親や他の者達が、言い伝えの身を捧げるという一文を警戒して男として育てるに至ったと聞かされ。
手にしたものは恐らく絆石であり、おそらく言い伝えの身を捧げるということは次代の柱に選ばれるということだろう。
故にもう偽装は必要無いと言われたが、ずっと自身を男だと思っていたのに実は女だったと言われて即座に受け入れられる訳がない。
暫くは、この石のせいで男で居られなくなった、と絆石を疎ましく思っていた]
[最も、絆石が現れなくとも性差の違いが出始めれば何時までも男と言い張る事も出来なかっただろうと悟ってからは、まだ馴染みやすい頃合いに絆石を手に出来て良かったと思う様にはなったけれど]
どうせ何時かは女だって解んだから、最初っから女として育ててくれれば良かったのに。
[零す愚痴は、自然と両親達へ向けてのものとなった]
[幼い頃から共に過ごしてきた友人達は当然ながら男ばかり。
絆石を手にしてからは女として育てられることになった自分は、彼らの輪の中に入ることが出来なくなった。
かといって男として育てられてきた以上、改めて女の中に入ることも難しく。
受け入れられていない訳ではないが、微妙な壁を感じるのは常のこと。
そもそも、未だに自身が女だと思うことの違和が強い為にこちらが壁を作っている部分もあるだろう]
………何で男に生まれなかったんだろうなぁ、俺。
[小さな小さな呟きを誰の耳にも止める事無く風が掻き消し。
代わり、少女の耳へと>>5声を届けた**]
[あの日からなかなか好き勝手生きてきた。
時間は有限で流されるままでみる景色と選んで見える景色は似て非なるものだと気付けたのは感謝しているが]
(もうそろそろかもしれんな)
[百年に一度の交代。それは間近に迫っていることをなんとなく感じ取り、ズボンのポケットにいれた金剛石を一度触れた]
…しっかし、暑いな。
[調理場で戦っていた。今は水仕事をしているが、暑いのは変わらない。上を脱ぎ服を腰に巻いて、上半身裸になりながら、雇用人とともに、氷結胡桃をいれたジュースを飲んだ**]
/*
じつはまったくのーぷらん(どやっ!)
いつものことですが、こんばんはふかふかしたなまものです。どうぞよろしくお願いします。
さてさて、まずは相方さんとの出会いと再会を捏造しなければですよ(がさごそ)
/*
しかし安定の最年長やね。おっさん設定のトーマスより年上ですよw
でもまあ、龍族割と成長も遅かったりするんじゃないかと思うんです。仔龍時代は人型でもなかったんじゃねーかな?
― 『世界軸』中層・儀式の間 ―
……ああ。
来たね。
[絆石を持ち、次代の『柱』となるべき者たち。
その気配が『世界軸』へと近づくと、神子の口元に自然、笑みが浮かんだ]
さて、それでは彼らを出迎えなくてはね。
マリア、コスモ。
ぼくは支度をしてくるから、代わりに門での出迎えを頼むよ。
呼ばれた者が来たら、広間に通すように、守衛殿に伝えておくれ。
[楽し気な呼びかけに応じ、薄紫と薄碧の仔竜たちはきゅう、きゃう、と短く鳴いてぱたぱたと飛び立って行く。
その姿が見えなくなると、神子は柔らかな風を周囲に揺らめかせつつ、儀式の間を後にした]
―『世界軸』中層・広間 ―
[二頭の仔竜の出迎えを経て、新たな『柱』たる者が向かった先は、中層にある広間。
広間の奥に立つのは、周囲に柔らかな風を纏いつかせた細身の少年──『世界軸の神子』。
やって来た者たちを、神子は穏やかな笑みを持って出迎えた]
……ようこそ……新たなる護り手となるべき者たち。
きみたちの訪れを、待っていた。
[穏やかな口調でそう、呼びかけた後。
神子はふ、と小さく息を吐いた]
……さて。
きみたちをここに呼んだ理由は、説明せずともよいかな。
君たちの手にした絆石、それが全ての印。
百に一度の刻廻り、古き柱はその役割を終える時が近づいている。
きみたちはその跡を継ぐ者──新たなる『柱』として選ばれた。
願わくば、その資質を正しく受け入れ。
新たなる『柱』として、共にこの世界を支えてほしい。
[静かな口調でここまで綴った後。
神子は僅かに目を伏せた]
……勿論、これがぼくの……否、『世界』の身勝手であるのは、承知の上だ。
だが、ぼくひとりでは、この世界の全てを支え、『虚無』を退ける事は叶わない。
……どうしても、きみたちの援けがいるんだ。
[苦笑いと共に告げる声音は、やや自嘲めく。
世界の中枢、とされる者の見せたそれは、新たなる『柱』にどう映るか。
いずれにせよ、神子は再び息を吐き、表情を改めた]
これより、きみたちには試練と討伐の任を受けてもらう事となる。
急ぎなすべきは、『世界軸』内部に顕現せし『虚無の八竜』の撃退。
きみたちの手にした絆石と同じ属を持つ四竜を退けてほしい。
以降の事は、追って報せる。
[肝心の試練については触れる事なく、静かにそう告げて]
……ともあれ、今日はついたばかりで疲れているだろう?
まずは、十分な休息を取ってほしい。
きみたち用の部屋を用意してある……恐らく、必要となるものは全て揃っているはずだから、自由に使ってくれて構わないよ。
出発の時が来たら、皆を呼ぶから。
それまでは、ゆっくりするといい。
[一転、笑顔で告げる様子は。
外見──十代半ば相応の少年としか見えぬものだった。**]
……もう二年は経つけどいまだに音沙汰ないよねえ、コレ。
時期が来たら呼ばれるらしいけど。
[首にかけているペンダントに目を落としつつ呟く。
胸元を飾っているのは二つの石だ。
己の天命石たる、灰色の中に様々な色の輝きを宿した曹灰長石と、
夜闇をそのまま閉じこめたような色合いの黒曜石。
二年前――その夜のことはよく覚えている。
ちょうど、治癒士としての修行の旅から帰ってきた日だったのだから。
このままこの村で治癒士として細々とまったり生きていく、
そう未来を思い描いていた矢先のことで。
最初は驚き戸惑ったものの、今は―――]
ま、いずれは呼ばれるってコトはわかってるしその時はその時だけど。
いつ来るかわかんない何かを待つのって肩がこるのよねえ。
[今は肩肘張らずにできることをしながらその時を待っている状態である。
時折周囲からの期待が乗っかってきて肩がこるように感じることはあるけれど。
ともあれ、そんな期待を向けられることもある時間はとうに過ぎた。
早く家に帰ってくつろごうと歩みを速めた矢先、
風に乗ってその声が耳に届く。>>5]
来たのね。ついにこの時が。
[どうやらくつろいでいる場合ではないようだ。
しかしながら歩みは速めたまま。早く『世界軸』へと出立する用意をするために**]
/*
肩書なげえええええ(魂の叫び)
というわけで結構久しぶりにこの辺におじゃまします 国的にも村建てさん的にも
さっそく遅筆やらかしててあれですがががが
これからは眠い時には寝たい(願望)
/*
正式名称が治癒魔法士で
長ったらしいんで縮めて治癒士とかそんないめーじ
継承戦争の時とは違う水属性の活用を リスペクト元はあの村のマリエッタだ
ってやるつもりなんだが相方のナカノヒトもしや……(驚愕)ってなってる
[龍族の歴史は古く、その考え方や暮らしぶりもまた古い。険しい山奥の里に籠もって、他者との交わりを避け、地脈を守護するという古来からの役目を継ぎ伝えてきた。
しかし、長年の間一族のみで暮らして来たが故に、徐々に近親婚による血の衰えが産まれる仔の数の減少と、無事に育つ確率の低下となって現れ、数百年前の長は、一族の滅亡を避ける最後の道として、外よりの血を入れることを選ぶに至った。
以来、龍族の若者は、適齢となると、伴侶を捜すために里を出る事を許され、その若者達から産まれた混血の龍族が、今や里の9割を占めている]
[皇龍、と呼び習わされる龍族の長の直系は、それでも100年前までは純血を保っていた。だが、先代の皇龍は、伴侶として人間の娘を迎え、そこから産まれた長子がオズワルドだった]
[先代が長を退き、オズワルドがその座を継ぐにあたっては、特段の異論は起こらなかった。年経た者の中には、まだ「若すぎる」のでは、という声も有りはしたが、結局は先代の意志が優先された形だ。オズワルド自身に拒否権など、元よりありはしない]
[だが、オズワルドには、幼い頃から、別の望みがあった。外の世界を見て、知りたい。守るべき世界であるからこそ、自分の目で………その漠然とした願いは、ひとつの出会いによって、はっきりとした渇望に変わった]
[それは、一年前、長の座を継ぐ直前の事、龍族の守る地脈の要の一つ、火山と間欠泉が大地を間断なく揺らし、蒸気に包む、およそ人からは恐れられるだけの地に現れた1人の若い異邦人。
地に満ちる危険を、まるで楽しむかのような姿に呆れて声をかけたのは、最初は気紛れだった]
ここは、お前みたいな小さな生き物には危険だぞ。
[だから帰れと言外に滲ませた言葉に、さて、最初の反応はどうだったか…確かなのは、相手が結局、大人しく引き上げはせず、すったもんだの挙げ句に、火山地帯を案内する羽目になったことで]
お前は……とんでもなく自由だな。
[呆れてそう呟く頃には、その自由に、己自身が惹かれていた]
[やがて旅を続けると言った相手を見送った後は、何か大事なものを喪ったかのような空虚を感じ……長の座を継いだ直後に「世界を見るため」と、父親を説得して旅立った理由の半分は、その空虚の意味を知る為でもあった]
何処に、いるやら…
[彼方を見つめる黄褐色にはしかし、確信の色があった。自身の進む道は、必ずその相手と交わると]
[やがて、その予感は、現実となった]
クラリッサ。
[世界の中枢、世界軸へと繋がる街道の先、龍の目は、まだ遠く在るその姿を捉え>>36ほぼ同時に、風の運ぶ声をを聞く>>5]
新たなる『柱』…?
[クラリッサが絆石を持つことは聞いていたか…だがいずれにしても、それはこの瞬間まで、男には無縁の事だっった]
何……?
[遠く見えるクラリッサの姿に重なるように、ふいに眼前に煌めいた紫の輝き。無意識に伸ばした手の平に、当然のように収まったそれを、男は半ば呆然と見つめた]
これは、絆石……か?
(ああ、そうか……)
[まるでパズルのピースが揃ったかのように、その瞬間、男の中で全ての答えがひとつに重なった**]
― 一年前 ―
[気になった所には、何処へでも行く。
それは旅に出てからの基本事項。
あの時は、火山地帯特有のあれこれに興味が出て、それで踏み込む事に決めた。
直前、世話になっていた宿の人には危険だから、とか、彼の地は龍族の領域だから無暗に立ち入らぬ方が、とか色々と言われていたのだが]
だいじょーぶだいじょーぶ、深入りはしないから。
別に、近づいただけで獲って喰われるわけじゃないでしょー?
[そんな、ごくごく軽いノリでそれらを流し。
踏み込んだ先の光景に驚いたり、見慣れない地層にやたらはしゃいでいた時、その声>>65は聞こえた]
……って。
誰が坊主だ、誰がっ!
[最初に口をついたのは、大分ズレた突っ込みだった。
いや、本人的には重要事項である。
外見的に初見では少年とみられるのはいつもの事だし、ある意味では便利でもあるが、やはり思う所もある。
たまに、どえらい事にもなったりするし……というのは、余談として]
…………。
[危険を示唆する言葉を紡ぐ相手>>66をじぃぃ、と見上げる。
向こうの方が遥かに背が高い。故に首がちょっと痛いがそこは我慢して]
……おにーさん、土地のひと?
もしかして、禁忌領域とかに引っかかってた?
[立ち入っていい場所悪い場所。
種族によっては、そういうものも持ち合わせているから、まずはそこを確かめて]
そーでないなら、ちょっとこの辺り見させてほしいんだよ。
前から、火山帯の地層と産出物には興味があったんだ。
何か、新しいものがあるかも知れないし。
てゆーか、実際にあったし。
[危険と言われた事などどこかにすっ飛ばした様子でそう頼み込む、その手に握られたのは一見すると何の変哲もない岩塊。
その中に希少触媒となり得るものが含まれているのは、わかる者にはわかる事で]
あ、別にここの土地を荒らすつもりはないんだよ。
ちょっと、採取はさせてもらいたいけどさ。
まずい場所は教えてくれるなら立ち入らないから、だいじょーぶ。
[物怖じする様子一切なしで畳みかけ、その後もあれこれとやり取りをした後、近隣を歩く許可と案内を取りつけて。
好奇心の赴くままに各所を跳ね回る事で、知り合ったばかりの相手を散々振り回す事となった]
そお?
公国じゃ、みんなこんな感じだよ。
自分のみたいもの、やりたい事のために突っ走るなんて、日常茶飯事さー。
まあ、ボクん家は特に極端、って良く言われるけど。
[自由、と自身を称する言葉>>67に。
奔放なる技師の筆頭である公主の末子はさらり、とこう返していた。
一通り近隣を巡った後、義体に籠もった熱の影響で数日寝込む羽目に陥ったりもしたものの、火山地帯で得られたものは大きく。
「また来るねー」と言い置いて旅立ったのは、何気に珍しい事だった]
― どこかの街道 ―
……ふにぇぃ?
[声に引かれて歩き出した直後。
不意に、首につけた絆石が微かな煌きを放った]
お、おお?
なんだろ、これ?
[今まで見た事もない反応に戸惑い、足を止める。
今まで来た道を振り返ったのは、半ば条件反射。
まだ距離はあるから、姿>>68は見えない、けれど。
待たなきゃいけない何かがあるような、そんな気がしていた。**]
……なんだろ、この感じ。
知ってるひとの気配がするよう、な……?
[ふ、と浮かんだ疑問は、浮かべたものの影響か石を介した響きとなって零れ落ちる]
いや、でも…………あれ?
[だとしたらなんで?
そんな疑問はどうにもつきなかった。**]
─ 氷人族の郷 ─
…っし、止め止め。
ガス抜きはこれでおしまいにしとこう。
誰かに聞かれたらまた煩いこと言われるし。
[>>52胸の内から零れた呟きは、一族の皆に聞かれる訳にはいかないものだ。
次代の柱に選ばれるは誉れ高きことと沸く大人達には特にだが、同年以下の者達にも妙な憧れを抱かれていると肌で感じている。
元より赤色の天命石を持って生まれるが珍しい事で、更に女だとなれば流石にもう他と同じに扱われる訳がない。
言い伝えの氷女として、誰に見られても恥ずかしくない振る舞いを望まれて、少しでも粗野な部分を見せれば非難される様にもなった。
そして何時しか、生来の話し方すらも人前では出来なくなって。
少年だった己のみを知る人も、ほとんど居なくなってしまった]
― 氷人族の郷 ―
……そういや、あの人が来たのって今位の時期だったっけ。
俺がこうなるちょっと前だったから…もう五年前、か?
[土地柄故に、この郷まで訪れる者は少なく数え上げられる程。
物思いで連想された人との記憶を辿ると、少しだけ笑みが浮かんだ]
─ 回想/5年前 ─
[それはまだ、自分の天命を知らなかった頃の話。
俺はその日もいつものように、ガキ大将よろしく郷の少年達と遊んでいた。
隠れ鬼だったか、陣取りだったか、郷の中を駆け回っていたら>>46郷では見た事のない人を見つけて。
駆け寄って話を聞いてみたら、中々珍しい人だと分かって目を丸くした]
町で話聞いたから来たって…麓の方の郷の方のが近かったろ。
あっちなら俺達以外の種族も住んでるし此処より寒くもないらしいし宿もあるって聞いてるよ。
此処は俺達一族の血が濃いヤツばっかり住んでるからくっそ寒いし客は滅多に来ないんだ。
行商とかで来る人はいるけどさ、兄ちゃんみたいな理由で此処まで来た人初めてだぜ?
なら俺んちに来れば良いよ。
部屋は余ってるし、どの道外から来た人はまず父様のとこ案内しろって言われてるし。
それに兄ちゃん、町から来たなら結構雪ん中歩いたろ。
うちの父様に会ってる間に準備しとくから、うちの風呂入ってきなよ。
まぁ温まるだけならサウナでもいいけどさ、この郷ん中では風呂ってうちにしか無いんだぜ。
[手を差し出し、行こうと誘うこちらに青年は何と答えたか。
滞在を望んでいたのだから、否は返らなかっただろう。
共に来る意思が見えると、にっと笑って]
んじゃ案内するな。
あ、そういやまだ名前言ってなかったな。
俺はユー=リエっていうんだ。
皆からはユウって呼ばれてるからユウで良いよ。
兄ちゃんは何て呼んだら良いんだ?
[名前を聞いた後、一族の長である父の元へと連れて行って。
長との相見も滞りなく済んだ青年は、どれ程の期間滞在していっただろうか。
5年も前のことだから明確には覚えていないけれど、郷から出たことの無い自分には見知りする事の出来ない体験をしてきた青年への憧れは、忘れ様もない。
それまで彼が訪れてきた旅の話を、彼が話せる限りで良いからと聞いて自身の冒険心を満たしたりもした。
最も、こちらが彼の話を聞くばかりではなく。
この郷に来たのだから、氷人族に興味が無い訳ではないだろうと自分の知る限りを彼に話した]
でさ、俺も父様と同じ赤色の天命石を持ってるんだ。
赤色自体珍しいらしいんだけど、親子揃ってってのは本当に珍しいらしくて一族中で騒ぎにもなりかねないんだってさ。
だから、俺の天命石はあんまり一族のヤツに見せるなって言われてるんだ。
うちに風呂があるのも、その為なんだって。
[自身の天命石は肌身離さず、普段は服の下に隠れる様に首から提げてある。
誰の目にも触れぬ様、他者に肌を晒したことが無く、また自分以外の身体を見たことも無い。
それが本来の性を知らせぬ為でもあるとは、この時はまだ知らず]
今はまだ子供だから、大したこと出来ないけど。
…何時か大人になったら。
俺も、父様みたいな立派な長になるんだ。
一族の皆を、皆が住むこの郷を、…大事な人を護れる、強い男になるっていうのが、俺の夢なんだ。
………天命石のこともだけど。
夢のことも、郷の誰にも言ったこと、ないからさ。
兄ちゃん、誰にも言わないでくれな?
― 氷人族の郷 ―
[言葉にするのが恥ずかしくて胸の内にずっと秘めてきた夢を話したのは、青年に抱いた憧れから。
何時か大人になったらというこの夢が無かったら、青年の様に旅をして回ってみたい、そんな気持ちが打ち明け話の理由とは伝わったかどうか。
そういえば、この時の答えもどうだったか覚えていないな、なんて物思いに耽る耳に、>>5それは届いた]
……、この、声…
[懐かしい記憶を辿る思考は、その静かな呼びかけに現へと戻された。
絆石を手にしてからずっと、何時か来ると解っていた時は来たのだとその声に教えられ。
出立の準備の為、族長である父の元へ向かった**]
/*
ちょwwwwwwwwwww
麓の話聞いてない予定で書いてたら、メモwww
予測されてたwwwww
いや、知っててこっちの郷に来たパターンもあったのよ!
─ 回想/5年前 ─
[滞在するなら先ず長に、と。
話を聞けばそんな言葉がよく返る。
この郷に宿屋のようなものは無いらしい。
そうしていくらか話を聞いていると、1人の少年>>78がメレディスへと駆け寄ってきた]
……麓の方?
[あれ?とメレディスは首を傾ぐ。
氷人族の郷がある、と聞いただけで、それが複数あるとは思っていなかったのだ。
町で教えてくれた人も、もしかしたら麓の方のことを言っていたのかもしれない]
もう一つ郷があるとは知らなかったよ。
実は来る時に少し迷っちゃってね。
麓の方から逸れてしまったみたいだ。
[少しどころの迷い方ではないことは、住まう彼らには気付かれるかもしれない。
方向音痴と言うわけではないのだが、慣れぬ白銀の景色に惑わされていたのだった]
いやぁ、無事にここに辿り着けて良かった。
滅多に来る人が居ないなら、僕はその稀少な一人になれるわけだね。
君達に出逢うことも出来たし、これほど光栄なことはないよ。
[そう言って、にっと口端を持ち上げる]
君の父君のところに……と言うことは、父君が長殿かな?
他の人達にもそうしろと言われてるし、案内してもらえるならありがたい。
世話になるよ。
雪の中を歩いたというか遭難したと言うか…。
あぁ、お風呂に入れるのか、早く温まりたいよ。
何から何まですまないね。
……君の家にしかお風呂は無いのかい?
[うちに来れば良い>>79と言ってくれた少年にメレディスは感謝を告げ、差し出された手にそっと自分の手を重ねる。
風呂の話に疑問を返したりしながら、小さな手が自分の手を引いて行く中、向けられた自己紹介に改めて彼を見た]
僕はメレディス・ガダーニエ。
メレディスで良いよ。
よろしく、ユウ。
[ユウに案内され長の下へと向かい、事の経緯と自己紹介をした後、滞在の許可を貰った。
この郷の生活を体験したいからと、滞在したのは約1ヶ月ほど。
それなりの長さであるため、滞在中世話になる見返りとして旅先で手に入れた物をいくつか譲ったり、郷の人達の手伝いなどをした]
[子供達にはメレディスが体験して来たことを聞かせたこともある。
彼らは郷から出ることが無いらしく、男女問わず外の話に興味があるようだった。
ユウはその中で一番目を輝かせていたように思う。
郷の子供達とは別に、滞在する彼の家で更に旅の話をすることもあった]
『世界軸』は流石に知ってるかな。
僕はあの近くから旅を始めてね。
ようやく、いや、もう5年になるかなぁ。
あちこち旅した心算だったけど、地図上だとまだ1/10も回れてないみたいなんだ。
ま、1つの街に滞在する期間が長いせいなんだけどね。
世界ってホント広いよねぇ。
[しみじみと言う様子は望郷の姿にも似ていた]
[ユウは氷人族の話>>80もしてくれた。
彼ら一族が得る天命石は基本的に色を持たないらしい。
その中で力在る者はいずれかの色を持つらしいのだが]
へぇ、赤色の天命石ってそんなに珍しいんだ。
[親子二代で赤色の天命石を持つことも稀らしく、それが長である証明であるようにも見えた]
そうか、それで。
[長の家に専用の風呂がある理由も、ユウの説明でようやく理解する。
何度か一緒に風呂に入るかと誘ったこともあったのだが、悉く断られたのはこの延長なのだろう]
─── 良い夢だね。
[打ち明けられたユウの夢>>81は、長の子だからと言うだけではない決意が秘められているように思えた。
メレディスが語る旅の話を楽しげに聞く様子から、いつかは旅に出たいのではと思っていたのだがそうではないらしい。
誰にも言ったことのない夢をメレディスに語ったのは、恐らく ───]
なれるよ、ユウなら。
じゃあその頃になったらまたここに来ようかな。
夢を叶えたユウを祝福しに。
[夢を叶えると信じているから、と。
気が早いと言われそうなことを言って笑う]
うん、誰にも言わないよ。
僕とユウだけの秘密だ。
[人差し指を口へと当てて、悪戯めいた笑みを浮かべた]
……でもさー。
強い男になるならもうちょっと鍛えなきゃじゃないかー?
[直後、おどけるような口調で言いながら、ユウの腕を取ってふにふにと触ろうとする。
必ずしも身体を鍛える必要はないのだが、男児にしてはユウは細くも見えたのだ]
― 食堂 ―
[その声>>5は、食器洗いが一段落したころに届いた。
ついにきてしまったようだ。がしがしと頭を掻く。]
よし、全員集合だ。
[たいして悩むこともない。訳を説明する。
絆石を持っていること、そして新しい柱としていかなければならないこと]
ということで臨時休業だ…といいたいところだが…このままなくすのももったいない。なにせ腹をすかしたやつらの行き場がなくなる。そういうやつらのためにうちはあるからな。
[一人の雇用人に目を移す]
お前が今日から新店長だ。農地なんてもってけないから店のことも含めて好きなようにやっていけ。
[開店してすぐほどに雇った店員を指名した。前々から決めていたことで、そいつにだけは前からいっていたため、他はともかく新店長はあっさり受け止めた。同じように植物を育てられないだろうから少々やり方は変えなければならないだろうが、それも含めて託した]
村の設定が変更されました。
ま、もしかしたらむさい男はいらんといって追い出されるかもしれんから、出戻りしたときはよろしく頼むな。ハッハッハッハ!
[冗談めかした言葉と、豪快に笑うと、後のことを託し、世界軸にいくための準備を始めた]
―『世界軸』中層 ―
[『世界軸』へ向かう旅は短いものであったが、娘にとっては初めての、外の世界に触れる機会であった。
鬼族を良く思わぬ者であっても、娘が二つ目の石を手にしていると知れば、それなりの礼儀をもってもてなしてくれた。
そうした僅かばかりの穏やかな時間を過ごした後、少女は独り、『世界軸』の門の前に立つ]
世界を貫く柱……ね。
[『世界軸』の遥か上は天界へ、そして遥か下は魔界へ繋がっていると言われている。
となれば祖先はこの柱を通ってきたのかもしれないが、その話は未だ伝承の域を出ていなかった]
月長石亭の店長 トーマス が村を出ました。
10人目、月長石亭の元店長 トーマス が参加しました。
月長石亭の元店長 トーマスは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ぼう、と立ち尽くしている所に、守衛から声を掛けられる]
うん?
……そうだ、呼ばれたんだ。風に乗った声に、な。
[視線を戻し答えれば、守衛はお待ちしておりました、と深々頭を下げた。
その横には二頭の仔竜がいて、愛らしい姿につい口許が綻んだ>>54。
娘の視線を受けると、仔竜はついてこいというようにこちらへ背を向ける。
娘は居住まいを正すと、真っ直ぐ前を見据えて歩き始めた]
―『世界軸』中層・広間 ―
[二頭に導かれ向かった先は、どうやら広間のようだった。
その奥には、訪れるのではなく迎える立場と思しき者が立っていた>>55]
コイツが『神子』……?
[外見だけならば、自分よりも年若い少年のように見える。
しかしその纏う雰囲気は見た目に似合わぬ落ち着きがあり、どこか神聖な気配すらも感じられた]
…………。
[小さく息を吐く。『柱』が集い神子の話が始まるまでには、まだ少し間があるんだろうか。
手近な壁に寄り掛かると、腕を組みしばし目を閉じた*]
――――もうひとり。
アンタも、ここに居るのかい?
[心中の独り言めいた呼び掛けは、果たして届いただろうか*]
― 何処かのお店 ―
はーい、ではではお次もごひいきに!
[依頼人に、そう告げた時に聞こえた聲。>>5
自身の天命石と違う石――絆石を得てから、『柱』となる覚悟はできていた。]
― 1年前 ―
ああ、もう坊主って年じゃないのか。悪いな、どうも外の者の年齢は判りにくい。
[ 坊主、という呼び方に>>71相手が機嫌を損ねたらしいのを、単に子供扱いされた事への不満と受け取って、男はそう言ったが、悪いと言いながらもその唇には抑えきれない笑みが浮かんでいた ]
確かに俺は、この地を護る一族の者だ。「人」じゃないがな。
ここは禁域ってわけじゃないが、見た通り危険な場所だ。余所者が安易にふらつくと怪我じゃ済まないぞ。
[ 咎めだてるように聞こえたであろう男の言葉に、物怖じする様子もなく、自らの望みを主張する小さな獣人に対して、抱いてしまった興味と、不思議に心を掴む好感は、どちらも、初めて感じるもの ]
嗚呼、鉱石が欲しいのか?まあ、山ごと掘り起こすってんでもなきゃ、別にそれは構わないが...あーもう、解った、俺が案内してやるよ。
その代わり、勝手には動くなよ。俺の傍を離れるのもダメだ。
[ いいな?と念押しして火山地帯を歩き回る...というよりは駆け回り、途中、出くわした魔獣と一戦交える羽目になった時には、クラリッサの銃の威力と腕前の一端も目にすることになった。
男の方は、祖先から伝わる龍牙と呼ばれる長槍を携えていたが、殆どその槍を振るう必要すらなく、魔獣は追い散らされていったのだ ]
銃、か。初めて見たが、随分面白い武器だな。それに、お前の腕も相当なもんだ。
[ 心底感心した顔で、素直に褒めた男に、クラリッサがどう感じたかは正確には知れなかったが、短い探検の間に、互いに心の距離が縮まった事は確かに感じていて ]
……ごめん、次、砥ぎに出す時は、別の人に頼んでくれる?
世界軸に行かなきゃいけなくなっちゃった。
[ひいきにしてくれていた店主に、困ったようにそう告げて。]
じゃ、またね!
[有無を言わさぬよう、少女は自分の工房へとって帰ると、
世界軸へ向かう準備を整え、工房の扉に手紙を貼って閉める。
大家などには絆石を拾った時に話していたから、手紙を見たら解ってくれると思う。]
最低限、武器を補修出来る材料を持った、食料、水、もった。
……月長石亭のご飯、食べたかったけど、しかたないね。
[指差し確認をしつつも、愛用していた食事処に挨拶もいけない事にため息を吐いた。]
おババ様!済まん、こいつの治療を頼む!
[ だから、探検行の終わりに、クラリッサが発熱した時には、大慌てで里一番の治療師の元に駆け込んだ。
その治療に立ち会ったおかげで、クラリッサの義体のことと、その他にも知り得た事があったのだが...回復した相手にオズワルドが告げたのは、ただひとつ ]
お前の足、それだけの技術がこの世界にあると、俺は初めて知った。それはどんな魔術でも、精霊の力でも、真似できないものだろう。
[ 魔術や、精霊の力には多かれ少なかれ時間的な効果の限界がある。失った手足を恒常的に補うには、義体の性能と耐久性以上のものはないと ]
俺も、お前の国に一度出掛けてみたいもんだ。
[ クラリッサに聞いた国の様子、そしてその一族の気質、>>74それを直接見てみたい、と...また来る、と、言い残した相手に、思わず口にしたそれは、叶わぬはずの願いだった** ]
― 店の前 ―
[別れも済ませた。見送りもうけた。事情説明は店員に任せてある。名残惜しくもあるが致し方あるまい]
ガッハッハ!久しぶりの旅だな。
[よい日和であると豪快に笑う半裸の男は、背嚢を背負い、蔦が絡みついたような長方形の塊を片手に持つと]
中央か…最寄りの村まで雷走鳥に運んでもらうのがいいか。
[決まったルートを覚えさせてそこを往復させてくれる輸送用の鳥を借りるべく鳥舎を目指すことにした]
[しかし]
(あの娘…腕にあったやつ…あれは…おそらく)
[お客の一人を思い出してあごひげを撫でる]
ま、いった先でわかるか
[深く考えないことにした]
― 街道 ―
[ けれど運命...否、天命は、男の願いを別の形で現実とする ]
なーにやってんだ、クラリッサ。
[ 急く歩調ではなく、けれど、大股に足を進めて、立ち止まった相手に歩み寄る >>75]
神子からの呼び出しだろう?のんびりしてないで、行くぞ。
[ 言いながら、手にしたばかりの紫水晶を、指で弾いて宙に放り、また掌に受け止めて笑う ]
─ 『世界軸』前 ─
[かつての旅路を遡る道筋。
本来なら時間をかけて辿るはずだったそれを時間をかけずに進んで行く。
数日の時を経て辿り着いたその場所には、巨大な柱が立っていた]
これが噂に聞く『世界軸』……。
[見上げる先に果ては見えない。
その先を見るのは諦めて、メレディスは守衛の立つ入口へと足を進めた。
近付くにつれて見えてくるのは、守衛と宙に浮く二つの影]
おや、可愛らしい。
[視線は先ず二匹の仔竜へと向いた。
手を伸ばし、逃げぬならそれぞれをひと撫でしてから守衛へと向き直る]
声を ─── 『世界軸』へ集えと言う声を聞いたのだけど。
[そう告げると守衛は中を示し、広間へ進むよう告げた。
案内を受け、『世界軸』の中へと入り、あちらこちらへと視線を投げながら進んで行く]
─ 『世界軸』中層・広間 ─
[案内された広間の奥には、1人の少年が立っていた>>55。
噂に聞く『世界軸の神子』。
自分よりも若く見える少年に、メレディスは一度瞳を瞬いた。
想像以上に若かったが故のこと]
資質を正しく受け入れ、か……。
[話>>56を聞き、胸元に下がる絆石を掌へと乗せる。
それに意識を少し集中させると、身体の内で何かがぐるりと巡った。
拙いと思い、直ぐに手を離し意識を散らす。
記憶を失くしてから、絆石に意識を集中させると具合が悪くなることが多かった。
その原因は未だ知れず、メレディスはあまり絆石に意識を向けないようにしている。
自分がこの石を恐れていると言うのは分かるのだが、その理由が全く分からなかった。
故に『柱』として立つことにも不安が残るのだが]
…
[自嘲めいた神子の言葉>>57に小さく肩を竦めて是とする。
役目であると強制するのではなく、援けを求める姿に、否と言えるはずも無かった]
僕には見つけたいものがあるのだけど、それを探すためには『世界』が存在していてくれないとね。
[務めの間に失われるものもあるかもしれないが、その時はその時だろう。
刻は移ろい続けるものなのだから]
諸々了解。
それなら今日はゆっくりさせてもらうよ。
[示された試練と討伐>>58についてや、専用の部屋>>59の存在についてまとめて是を返し、年相応たる笑みを見せる神子へと頷く。
説明のあった討伐内容に対し、触れられることのなかった試練については、これも追っての報せとなるのだろうと判断し、問うことはない*]
― 鳥舎 ―
ガッハッハ!そういうわけだ。一羽借りていくぞ!
[何も説明せずにいったから困惑されたので改めて説明をする]
これが絆石だな。
[ポケットにいれていた金剛石を見せて、納得してもらう。そういうわけならと急遽だが貸してもらい、代金を支払った]
今度は、長い付き合いになりそうだな、相棒。
[ 届くのは、絆の相手が、誰であるかを微塵も疑わぬコエ ]
[ 追いつけば、大股に地を踏んでいた足は、その歩幅を縮め、肩より下にあるクラリッサの頭が、視界から外れぬ速度を保つ ]
世界軸ってのも、どんなとこだか、楽しみだな。
[ その場所に辿り着くまで、それは、変わることなく** ]
―― 回想/3年前・キガン島 ――
[それは絆石を得るより前、修行の旅として世界をめぐっていた頃の話。
中央海域に点在する島を訪れたミリアムは、そこで、
鬼族と呼ばれる者達が住む島の話を聞いた。
たまたま、次の目的地候補の島のひとつがそうだったのだ。
忌むべき一族の住まう島。行かない方がいいと止められたが、
当時のミリアムは若かった。怖いもの見たさ、とも呼べる好奇心も兼ね備えていた。
船乗りの方々に熱意を見せて、結果、船を出してもらうことになった。
航海は順調で、やがて島影が見え、
近付くにつれてごつごつした岩壁の姿がはっきりと見えてきた。
どうやらここからでは上陸できそうにもない、と、分かった矢先、
強烈な光が視界に飛び込んできた。>>24]
……! 誰かいるよ。
でも、……様子があまりよろしくない。もしかしたら怪我してる……?
[光がおさまった後。
慌てる船員の一人から双眼鏡を無理矢理借りて島の様子を眺めていたミリアムは、
岸壁半ばにうずくまる人影を発見した。
その者はどう見ても二本角を生やしたキガン島の住人。
周辺の島の者達にとっての畏怖の対象。けれど――
苦しんでいるようにも見えるその姿から怖さを感じ取ることはできず、
何より修行中の治癒士の身としても放っておけない。
見つけた人影に近付くように船員に頼みこんで。
十分に近付けば船の上から声を張り上げる]
そこの人! ああぁやっぱり怪我してる……。
あんまり動かないで、今からそっちにいって私、魔法でその手治すから。
[手だけで済んだみたいなのは僥倖だ、とそう思いつつ。
岸壁に身一つで降り立てば怪我をしている島の住人らしき少女の手をとった。
そう――少女だ。年の頃はミリアムより少しばかり下か。
手に手をかざし、傷を癒し痛みを洗い流す水の輝きで少女を包みこむようにしながら呟く]
強いね、私だったらこんなヤケドしちゃったらえんえんと泣いちゃうもの。
……よーし終わった。動かせる?
[果たして手は元通りに動くかどうか。
無事を確認すればにっこり笑っていたが、]
あっそうだ、あなたどうしてひとりでこんなところに?
[と、最初に確認した方がよかったことを、
今さらながらに聞きもしたのだった*]
―― 現在・海辺の村→『世界軸』へ ――
どうやら“呼ばれた”みたい。
私、行くわ。『世界軸』へ。
[準備、といっても持って行くものはそう多くない。
着替えと、杖と、魔法を使うまでもない軽傷の処置に使う薬やらその原材料や、移動中の食料や水があれば事足りる。
星を見るための筒型の装置――望遠鏡も持って行きたかったが、
荷物が多くなりすぎるからと断念した]
[両親や村の者達に別れを済ませ、簡素な宴で湿っぽい気分を振り払い。
『世界軸』へと向かう船が帆に風を受け進み始める中、
遠ざかる村影を、岬の先端にある我が家を、
飽きることなくずっと眺めていた]
/*
やすみだったのでもっと動きたかったのですが 午後ももうほとんど寝てばっかりでしてね……あうあう
魔法系はけっこうやってるのですが今回珍しく杖を持つムーブを
― 一年前 ―
……年齢……年齢もだけど、まあ…………いいか。
[伸びない身長が恨めしい、ひたすら恨めしい。
いや、これはもうどうにもならない事なんだけど、こういう時はほんとに恨めしい。
なんてちょっと逃避していたのは僅かな時間。
それでも、見えた笑み>>99にじと目になったのは許されろ、という所。
それでも、投げた問いと願い、それぞれに返った言葉にそこらはどっかに飛んでいた]
え、ほんと?
ほんとに案内してくれるのっ!?
おーけいおーけい、おにーさんから離れないようにするよ。
土地のひとが一緒してくれるなら色々と心強いからねー。
[にぱ、と書き文字が浮かびそうな笑顔で条件に諾を返す。
途中、魔獣に襲撃を受けた際には、いつもの如く先制の連射で追い散らしていた]
面白い、か。
そーゆー風に言ってもらえたのは、初めてかもね。
[大抵は、異端の存在と恐れられる事には触れず、返したのはそんな言葉。
公国の技術は世にはあまり知られず、異端と扱われて苦労を重ねた事もあるから。
向けられた感嘆は、自覚している以上に内に響いていた]
腕に関しては、結構自信あるんだよー。
何せ、これ一丁で4年も渡り歩いてるからねー。
[腕前を褒められた事も、響く要因となっていて。
だから、多分、相当に気が緩んでいたのだと思う。
でなければ、体調不良を素直に晒すなどと言う事はしない。
しないはずだ、とは後から延々と繰り返した自己暗示。
そうじゃないと、ちょっとやり切れないものがあった。
大した偽装しなくても性別不詳に見られるレベルとはいえ、身内以外に乙女の柔肌晒したのは後にも先にもこの時だけなのだから]
[どうにか回復した後。
義体について告げられた言葉>>104はちょっと想定外で戸惑ったのは一瞬の事]
ん、そういう風に見てもらえるのは、嬉しいな。
……公国の技術は、破壊のためのものと思われがちだから。
他の側面から認めてもらえるのは、うれしい。
[そう言って、笑って]
そうだねぇ、今の言葉、父上が直接聞いたらきっと感激でそこら跳ね回るよ。
[国に出かけてみたい、という言葉にさらりと返しはしたものの。
世話になっている間に見聞きした彼の立場からは難しいだろうな、なんて思っていた。
思っていた、から]
― 街道 ―
……いや、なに、って言われてもだね。
[やがて見えた姿は、予想外の極過ぎて。
歩み寄ってきた相手>>108から投げられた言葉に、どう返したものか、と口ごもったのは僅かな時間。
弾かれた紫水晶の煌きと、神子からの、という物言いに、口から出たのはため息だった]
あー…………そだね。
やっぱり、遅刻はまずいもんねぇ。
[次いで、零れたのはこんな言葉]
……どうやら、そうみたいだねぇ。
[思わず落としたコエに返るコエ。
間を開けて、落ちるのはどこか楽し気な響き帯びた笑う気配]
ま、悪い気はしないけどさ。
『世界軸』に行くにのは、ボクも初めてだからねぇ。
どんなとこなのかは、興味あるな……楽しみ、っていうか。
[共に歩き出しつつ、返す言葉は軽いもの。
絆石を持つ者の定めは聞いてはいるけれど。
ま、何とかなるかな、なんてそんな思いが芽生えていた。*]
― 『世界軸』前 ―
……やっぱり大きいなあ。
[とても大きな『世界軸』に、少女は感嘆の声を上げる。
さらに『世界軸』へ近づけば、守衛と守衛とは違う二つの影。]
もしかしたらもう会えなくなるかもしれないが、達者でな。
[鳥舎の店長へと別れを告げて、雷走鳥のふわふわな羽毛をなで、鐙にまたがり、首の裏をもう一度撫でて手綱を握り、後は鳥任せで近くの村まで送ってもらった。
後は遠目からでもみえる世界の中心部ともいえる柱を目指して歩いて行った]
うわぁ、可愛い……!
[目に映った二匹の仔竜に、目を輝かせるあたり可愛いモノが好きな女子らしい、と言えるかもしれない。
しばらく悶えた後、呆れた守衛に気付き]
えーっと、『世界軸』に来て、って呼ばれたのできました。
[端的な説明に苦笑しながらも守衛は中を指し示し、広間へ進むよう告げられた。]
はぁい、ありがとうございます。
[案内を受けた礼を口にし、『世界軸』の中を少女は進む。]
― 『世界軸』・前 ―
……ふわぁ。
[道を辿り、向かった先。
辺境の地ではその在り方よりも建造方法とか内部構造への興味がつきないそれを目の当たりにした時に落ちたのは、どこかとぼけた嘆息だった]
これが、『世界軸』、かぁ……。
どうやって、建てたんだろ、一体。
[次いで落ちた言葉はさて、どう響いたやら。
ともあれ、門前に見えた姿にそちらへと向かう。
きゅう、きゃう、と鳴く仔竜に意識を奪われ、突っ込みをもらいながらも門を守る者に来意を告げて。
広間へと促されて『世界軸』の内部へと足を踏み入れた]
― 『世界軸』中層・広間 ―
[仔竜に誘われて辿りついた先。
待っていたのは、風を纏う少年。>>55]
…………。
[紡がれる言葉は黙って聞いた。>>56 >>57
幼い頃、文字通り天から落ちてきた石。
それを手にした事が、外に出る事の出来なかった自分に、大きな転機を与えてくれた。
それとわかっている、から]
……確かに、身勝手かもしれない、けれど。
でも、それがボクに何よりも大きな転機をもたらしてくれた。
[言葉と共に、空色の瞳は一瞬、右の脚へと向かう]
だから、ね。
やらない理由はないんだよ。
ボクはボクの務めを果たす……そこは、違えない。
[紡ぐ声にははっきりそれとわかる決意の響き。
続く、試練については了解、と返して]
え、ほんとに?
もしかして、工房設備とかもあったりする?
[必要となるものは全て、という言葉>>59に、文字通り尻尾がしたぱた動いた。
本格的なオーバーホールができるなら、文字通りの全力を持って臨めるから、と。
巡る思考は、どこかお気楽なもの。*]
――『世界軸』――
[修行の旅から戻って来てだいぶ分別はついたとはいえ、
好奇心の強さは根っこから変わったわけではない]
わ、近くで見るとやっぱり大きいねえ。
[と、巨大な柱たる『世界軸』を見上げれば感嘆の声をあげ、]
わわ、……可愛い!
[守衛の傍にいる二匹の仔竜を見れば目を輝かせ、>>54
拒まれない限りはしばらく撫でていたり愛らしい顔つきを堪能したりしていたが、
ふいに我に返ったように彼らが立つ先を見据える]
――『世界軸』――
[修行の旅から戻って来てだいぶ分別はついたとはいえ、
好奇心の強さは根っこから変わったわけではない]
わ、近くで見るとやっぱり大きいねえ。
[と、巨大な柱たる『世界軸』を見上げれば感嘆の声をあげ、]
わわ、……可愛い!
[守衛の傍にいる二匹の仔竜を見れば目を輝かせ、>>54
拒まれない限りはしばらく撫でていたり愛らしい顔つきを堪能したりしていた。
守衛が「またか……」などと呟いて意味ありげな視線を向けてもしばらくはどこ吹く風だったが、
ふいに我に返ったように彼らが立つ先を見据える]
貴女が、私と同じ石を持つもう一人?
……来たよ、はるばるとねえ。
[どこかで聞いたことのある気がする声に返す。
どこで聞いたか、記憶から引っ張り出せるのはもう少し先の話]
― 世界軸前 ―
おお…当たってたか
[見覚えのある後姿>>130が見えた。
ちょっと遅かったのかもしれない。道中で採取をしてしまったからとかは秘密である。
雷走鳥も好物のザギーノレの白菜を渡したので買収済みである。
説明を受けてるさなかなので、呼ぼうかと思った手は引っ込めた。
気付かれなければ、進み、二匹の仔竜と守衛>>54へと対面する]
絆石の持ち主として、呼ばれたからきたぞ。
[守衛はこちらが半裸のせいでいぶかしい様子だったので、単刀直入に近づいた要件と、証拠にと金剛石を見せる。これで門をくぐってもいいようだ]
― 回想/3年前・キガン島 ―
…………?
[聞こえた声>>119に眇めた目を向ければ、船の上には見慣れぬ人影。
明らかに島の住人ではないその姿に、何故、と思う間もなく、人影は岸壁へと降り立った]
え、あ、アンタ一体……。
――アタシが、怖くないのか?
[躊躇いもなくこちらへ近付いたその人物は、少女の手を取ると、もう片方の手をかざした。
驚きで動けずにいる間に、癒しの力を持つ水の輝きが、深く火傷を負った少女の手を包む。
清涼なる力が流れ込めば、傷の痛みは見る間に和らぎ、思わずほう、と息を吐いた]
そんな、アタシは、強くなんか。
[気性の激しい鬼族は、鍛錬も苛烈だ。
その中で、しかも『柱』候補として育ってきた少女にとって、その評価は思わぬもので。
思わず戸惑いに瞳を揺らす]
ん?ああ、道中で汗をかいてしまったからな!
[ところで、とでもいうような上半身裸な理由について守衛に聞かれ、笑いながら答えると、少し困惑されたりはした]
[やがて傷の痛みは消え、火傷の痕もそれとわからないほどに回復した。
言われるがまま指を動かしてみれば、引き攣れを感じることもなく動かせる。
鬼族どころか、並の治癒士でも、短時間でこれだけ治療するのは難しいだろう]
あ、あの……ありがとう……。
[まだどこか惚けたような声で、小さく礼を言えば、相手からは満面の笑みを向けられた。
そこに、今更思い付いたように問い掛けられて>>120]
その、……修行中だったんだ。
将来のために、少しでも強くなっておきたくて。
[言いながら、少女は無意識に右耳の石――赤から黄を経て緑へ、鮮やかに色を変える電気石に触れる。
他方、左耳には対照的に、光通さぬ漆黒の石が揺れていた*]
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