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歴史のうねりが奔流となり、時代が戦乱へ押し流される。
避けえぬ戦火が人々を呑み込み始める。
大きな時の流れに巻きこまれ、翻弄されるものたち。
その中にあって、なお歴史を作る力と意思を持つもの。
激流の世に生きる人間達の物語が、始まる。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
村の設定が変更されました。
2人目、後世の歴史家 ナイジェル が参加しました。
後世の歴史家 ナイジェルは、銀狼 を希望しました(他の人には見えません)。
ウエストマール王国の南側に位置する小さな国、ラモーラル。
王国は、この地を麾下に組み込むべく使者を送る。
臣従するべきか。独立を保つべきか。
ふたつの道を前に、ラモーラルは大きく揺れた。
独立を保つべきと主張した領主は討たれ、
臣従すべきと主張した宰相が、新たな辺境伯となる。
ウエストマール王国に組み込まれたラモーラルには、
新たな技術がもたらされ、人々の暮らしは安定していった。
一方で、技術の恩恵から遠い人々は次第に不満を募らせていく。
不満は火種となって燻り、次第に強さを増していった。
ラモーラルが新たな道を選んだ日から15年。
歴史は再び大きく動き出そうとしていた。
─── Nigel Buhler 『ラモーラルの戦い』 序章
父を殺された二人の若者は、今、異なる未来を見つめて対峙する。
「 運命は、この手で引寄せる 」
─ ルー・ガルー戦記 9 開幕 ─
3人目、独立解放軍盟主 ディーク が参加しました。
独立解放軍盟主 ディークは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― ・・・ ―
[街が燃えていた。
赤々と燃えたつ夕日に染まる街は、
少年の目には炎に飲み込まれているように映った。
街を見下ろす小高い丘で振り返った少年は
食い入るように街の姿を目に焼き付ける。
その瞳もまた炎の色に染まっていた。]
…… 父上は、死んだのか?
[ただひとつの問いが、少年の口から発せられた。]
― クリーク砦 ―
[気づけば肩に毛布が掛けられていた。
いつの間にか眠ってしまったのだろう。
壁に寄りかかるような体制でいたせいか、強張った筋を伸ばして体を温める。
耳を傾けずとも、活力に満ちた仲間たちの声は聞こえてくる。
戦いに勝利した熱気が、砦を包んでいた。]
[ひとつの戦いを制し、辺境伯を討ち果たして大きな勝利を得た。
仲間たちの意気はいまや天を衝く勢いだ。
この機を逃す手はない。休んでいる暇などないのだ。]
みんな、いるな?
このまま州都を目指して打って出る。
500はここに残れ。
あとは俺についてこい。
[その場にいたものたちに声を掛け、すぐさま動き出す。
砦の中は、一段と慌ただしさを増した。]
4人目、辺境伯嗣子 オクタヴィアス が参加しました。
辺境伯嗣子 オクタヴィアスは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
― ウェストマール王都 ―
[ラモーラル国がウェストマール王国へと臣従し、ラモーラル州となって早15年。
納税や忠誠の見返りに技術提供を受け、民の生活も安定してきた。
人質として王都へと移り住んだオクタヴィアスは領地の様子を手紙や口頭で伝え聞き、ラモーラルの更なる発展を夢想する。
王都で学んだことをラモーラルで発揮する日は遠くない、と。
そんな期待さえ胸に抱いていた]
[そんな風に明るく前を見据えていたオクタヴィアスの表情に翳が落ちたのはつい先日のこと]
ッ、 父上 が ────
[離れた地から届いた報せ。
反領主を掲げた一団の蜂起、領主である父の死。
距離をものともしない友の声が、とおく、とおく、聞こえた]
[周囲の者達の声も届かない中、オクタヴィアスを打ち据えた大きな衝撃から意識を引き戻したのもまた友の声だった]
── あぁ、うん。
急いで、戻る。
…テッド、戻るまでの間、軍の取り纏めを頼むよ。
[搾り出すような声で友へと返し、頼みを一つ付け加える。
領主が討たれたとなれば、兵の動揺も大きいことだろう。
動揺は兵達の士気に大きく影響する。
それを留めて欲しいと友に願った]
[このままでは終わらない、終わらせない。
ふつりとオクタヴィアスの心に想いが沸き起こる]
─── それから、
蜂起した者達が州都へ向かうようなら、食い止めて欲しい。
彼らに州都の土を踏ませるわけには行かない。
[反領主を掲げ、領主を討ったならば次に考えられるのは州都を押さえること。
彼らの目的を達成するには州都での宣が必須のはずだ。
そう考えたオクタヴィアスは友にもう一つの願いを託す。
彼ならばやり遂げてくれるだろうと言う信がそこにはあった]
/*
ふぉおおおお ってなりながら参加しています、龍猫ですどうも。
今回は英雄、死ぬ気で頑張ります。
選挙で同数になった上、ダイスで勝ったんだから頑張らなきゃダメだ頑張れ自分。
後自軍の方々には色々投げたい、ネタ捻り出さないと。
よし、一呼吸置いたら出陣描写だ。
5人目、正規軍剣士 クレステッド が参加しました。
正規軍剣士 クレステッドは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
― マーチェス平原 ―
……っき、しょっ……!
[声が出せるようになるまで、随分かかったような気がした。
実際の時間がどうだったかは、測る術もないから、わからない。
ただ、負けた、という現実を、主君と仰いでいた人が破れた、という事実を自分の中に飲み込むまでにはそれなりに時間がかかっていたのは間違いない]
……伝え、ねぇと。
[低く呟き、意識を凝らす。
報せなければならない。
今は遠い地にいる友に、一刻も早く]
……オクティ、聞こえるか。
ゆっくり話してる暇はねぇから、用件から、言う。
伯が……アルブレヒト様が。亡くなられた。
[回りくどく話している時間は、あらゆる意味でない。
だから、単刀直入に、一番大事な事を伝えた。
最初に返る声>>8からも、衝撃の程は知れる。
長く離れていた父の、突然の訃報──それがどれほどの衝撃を与えるかは想像に難くない。
だが、彼にも、そして自分たちにも立ち止まっている時間はない事は、わかっていた]
……オクティ……オクティ、しっかりしろ。
立ち止まってる時間は、ねぇぜ。
伯は、反乱軍の鎮圧に出陣して、討たれた……この意味、わかるよな?
今、こっちは相当に浮足立ってる……だが、俺たちだけじゃまとめきれねぇ。
……すぐに、帰って来い。この地には、お前が必要だ。
[できるだけ冷静さを損なわぬように努めながら伝えた言葉に返るのは、すぐに戻る、という返事。>>9
それに続いた願い>>10に、ふ、と小さく息を吐いた]
おうよ、任せとけ。
……このまま、連中の好きにやらせるわけにゃあいかねぇからな。
必ず、止めてみせる……心配すんな。
[元より、これ以上進ませるつもりなどはない。
だからこそ、返す言葉に迷いは一欠片もなく。
届いた宣>>11に、口の端が微かに上がった]
……おう。
そうこなくちゃ、な。
[この宣を受けた以上、自分がなすべき事は、一つ。
友の往く道を、全力を持って支える──ただ、それだけだ。*]
6人目、平原の民 エディ が参加しました。
平原の民 エディは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 独立解放軍と鎮圧軍の衝突よりも前のこと ―
よしよし、どう、どう。
小休止。少しだけな。
[小高い丘の頂に到達すると、手綱を引いて馬を止める。
栗毛の馬は軽く嘶き、幾度か蹄を踏み鳴らし歩みを止めた。
従順な愛馬の姿に笑みを描き、鬣を撫でてやりながら、
前方に広がる大地を、遥か遠く広がる山々の稜線を眺め遣る。]
[西前方に近づいた建造物はベルサリス修道院跡地か。
かつては数多くの巡礼者を迎えていたであろう建造物は、
記憶と寸分違わぬ姿のまま、壮麗なる面影と炎災による痛ましい痕を残し静かに佇んでいた。
遺棄されたその修道院で『冒険』と称し夜な夜な探索を行った幼き日が思い出されるが、しかし、時経てど変わらず訪問者を待ち続けるその姿は、自身にとって微笑ましい過去を想起させる以上に、かの地の過去の栄光と威厳を強調するかのようでもあり。
近いうちに―――エドルファスは心で呟く。
この路も、軍馬駆け兵犇く戦場となろう。]
[クリーク砦陥落――すなわち、
『独立回復派起つ』との一報が齎され、
ざわめきが漣のように街中を駆け抜けた夜。
エドルファスは、深色の外套に身を隠して州都を発った。
西に東に行き交う軍靴の音を背に聞きながら、北を目指す。
独立回復派が先んじて北を制圧する方針は聞き及んでいた。マーチェス平原近郊に居を構える
近々決起を行う動きアリとの一報を受け取っていたためだ。
同胞からの文は、その場で暖炉で燃して灰にした。
そしてすぐさま参戦の意を遊牧民の間に伝わる童べ謡に隠して示し、伝書屋に返信を届けさせてはいるが、無事に「彼」の元へ到着しているだろうか。]
ディー兄ィ………
[まだ見えぬ砦の方角を見据え、懐かしい名を唇に燈す。
何年ぶりかの響きは少々気恥ずかしくすらあり、
自ら口にしておいて、ひとり頬を掻く。
思えばこの6年の間、自ら連絡を試みたことがなかった。
命の恩人が養父となった日に、一度きりの文を託したのみ。]
"これから暫く、州都に住むことになりそうです"
"でも、いつかきっとまた戻るよ"
"皆の、貴方の、役に立てるようになって 必ず"
[元居た集落の同胞達からは定期的に文が届き、彼のことは伝え聞いていた。
それらの返信には自身のことも書き記して送っていたから、
此方の近況ももしかすると届いてはいるのかもしれない。]
……さ、…行こう。
ラモーラル軍の動きは迅速だ。
直ぐにでも鎮圧のための兵を差し向けるだろう。
ぐずぐずしてはいられないぞ。
[軽く腹を蹴り、再び愛馬を駆る。
一度だけ首を捻り自身の肩越しに見るは、州都への路。
置いてきた物、別れを告げることのできなかった友、様々なものを残してきたが。
この身ひとつに剣一振り、馬一頭。
そして、新たに得たひとつの
今はそれだけを、携えて帰るのだ。]
[サクソー川にただひとつ架かる橋を駆け抜ければ、
やがてマーチェス平原に到るだろう。
同胞の幾許かは独立回復派の軍へ合流しているはずで、
戦えぬ者も避難もしくは後方支援のために移動したか、
視認可能な範囲に移動式家屋は見当たらぬようだ。]
………う、
[視界が開けたと同時、吹き抜ける一陣の風。
遮るものもなく、髪が大きく後方に流される。]
っわ……
[鼻腔を抜ける濃い草木の香りに、馬上で幾度も瞳を瞬かせた。
数年ぶりに吸い込む空気は、風は、これほどに新鮮か。
生まれ育った大地はこれほどに広大であったのか。]
ああ。
[血が呼ぶ。叫んでいる。
一面の草花が陽光を反射する様に、眩暈すら覚えそうだ。
身震いを抑え切れず、思わず両拳を天に突き上げた。]
―――帰って来た。
[クリーク砦の程近くに到着したのは
それから数時間ののちとなるか。
慎重に手綱を引き締めながら門扉に近づき、
誰何されれば馬上から叫ぶだろう。]
エドルファス・ハーウェン!
…平原に住む一族の誰かに問うてくれれば、
名は通じるはずだ。
[今はもう使われていない年代物の旧い軍服は
もしかしたら少々訝しがられるかも知れぬが。
少々の確認の間を置き、やがて参戦の意思は伝わるか、
関所の大きな門扉と、其処に立つ者を見上げていた。*]
[クリーク砦の程近くに到着したのは
それから数時間ののちとなるか。
慎重に手綱を引き締めながら門扉に近づき、
誰何されれば馬上から叫ぶだろう。]
エドルファス・ハーウェン!
…平原に住む一族の誰かに問うてくれれば、
名は通じるはずだ。
[今はもう使われていない年代物の旧い軍服は
もしかしたら少々訝しがられるかも知れぬが。
しばしの確認の間を置き、やがて参戦の意思は伝わるか、
関所の大きな門扉と、其処に立つ者を見上げていた。*]
― 現在 ―
[無事に合流を果たしてからは息つく間もほぼ無いに等しい慌しさで、辺境伯率いる一軍との一戦を越えた。
辺境伯を討果す戦果に仲間らは士気を大いに上げたらしい。
興奮冷めやらぬ様子の民の中を両手使って掻き分けながら、多忙の合間を見計らいディーンに近づく。]
ディー兄さ……じゃない、
ディーン、盟主殿。
州都への出征、僕も共に混ざる心算でおりますが。
[慣れぬ呼称は少々固いひびき。
断られても付いてゆく気でいるが、エドルファス自身の意思は兎も角、独立開放を目指す盟友として彼と在った時間はこの場の誰よりも短いゆえ、まず許可を求める態で見詰めた。**]
― ウェストマール王都・郊外 ―
[報せを受けた後は慌しく準備が進められる。
クリーク砦から逃れてきた歩兵500に加え、上屋敷の守備隊や傭兵等が王都の郊外に集められた。
オクタヴィアスは上質の皮鎧を身に纏い、緑風信子石があしらわれたショートソードを腰に提げた姿で彼らの前に立つ]
傭兵の皆は良く集まってくれた、この場を借りて感謝申し上げる。
これより我らが目指すは私の故郷、ラモーラルの地。
平穏たゆたうその地に安寧を脅かす者達が現れたと報せが入った。
彼らは独立解放軍を名乗り、州を預かる辺境伯に楯突く者達。
……辺境伯は、私の父は、彼らを鎮圧せんとして出陣し ───
私は父の遺志を継ぐ。
彼らに如何に義があろうとも、民の安寧を脅かすならば、
その所業を許すわけには行かない。
私に力を貸して欲しい。
貴方方の力があれば、反乱軍になど決して遅れを取らない。
私に
[強く張り上げる声ではなかったが、喧騒の無い場所であるためにオクタヴィアスの声は良く通る。
出陣前の決起集会と言うには静かなものとなったが、砦からの兵や上屋敷の守備隊は静の中にふつふつと熱気を抱き始めていた]
では移動を開始しよう。
先ず目指すのは王都とラモーラルを繋ぐズワンズ谷に設置された
クリーク砦だ。
今は反乱軍に占拠され、封鎖されてしまっている。
この砦を突破し、ラモーラルの地へと戻る。
道中も警戒は怠らないように。
接近に気付いてあちらから仕掛けてこないとも限らない。
皆、よろしく頼むよ。
[当面の目標を示し、忠告を付け加えた後にオクタヴィアスは居並ぶ面々を見遣り声をかけた。
威勢の良い声が多数返るのを確認した後、オクタヴィアスは馬上の人となる]
7人目、正規軍兵士 ダーフィト が参加しました。
正規軍兵士 ダーフィトは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[終わりは始まりであり 始まりは終わりでもある]
[ひとは 夕べに全てを喪い
[それが
[この名と命を捧げよう 明日を照らす太陽のために]
[願わくば…]
― マーチェス平原 ―
[ただ一人それを知っていた、恩人とも呼ぶべき人は、つい先刻、命を落としたのだ]
参ったねえ。
[だが、それを知った時、彼が口にしたのは、いかにも軽いその一言だけだった]
こうなっちまうと、反乱軍の連中勢いづいてるぜ。
州都目指して、すぐにも押し寄せてくんだろ。
逃げるか、戦うか………
[挙げる選択肢は、どちらを取っても問題山積の、正解の無いクイズのようだった]
それともいっそ、降伏して連中の仲間に加わるって手もあるなあ。
[三番目の選択肢は、ことさらに軽い調子で口にされる]
どうするよ?クレス。
[自分より一回りも若い
[クレステッドとオウタヴィウスの間に交わされた会話を知らずとも、相手がどう答えるかなど、実のところ、彼には判り切っていたのだけれど**]
/*
クロイツに対してどう動くか…傭兵だから助力を願う方向でもいけるか。
ただ、近しいが故に巻き込みたくないと言う意識も抱きそうなのでどうするか悩んでいるなぅ。
ダメだな、考えようとすると睡魔に襲われる。
クロイツには置いてけぼり感満載状態にして申し訳ないが、寝ておこう。
お休み。
― マーチェス平原 ―
……ってぇ、と。
[伝えるべきを伝えた後、周囲を見回す。
未だ混乱の鎮まらない状況、まずはこれをどうにかせねば、と。
思った矢先に、軽い口調で問い>>33が投げられた]
はあ?
おいおい、冗談だとしてもきっついだろ、その三番目。
大体、今ここで俺たちがやるべき事なんて、一つしかないぜー?
[ジト目になって突っ込んだ後、青年の瞳は再度、周囲へと向き]
……いつまでばたばたしてんだよ!
騒いでたってどうにもならんだろうが!
落ちついて点呼取れ、でもって、状況纏めろ!
そんなんじゃ、あいつが戻って来た時に格好つかねぇだろうが!
[できる限り声を張り上げ、檄を飛ばす。
その声はどこまで届いたか。
周囲が少しずつ鎮まってきた頃合いを見計らい、青年は一つ、息を吐く]
……心配いらねぇ。
あいつは……俺たちの主君たるべき者は、すぐに戻ってくる。
[言い切る声音に、迷いの翳りはなく。
銀灰の瞳にもまた、先ほどまでの憂いはない]
だから、俺たちは。
あいつが戻ってくる場所を……護らなきゃならん。
そのために、何をするべきか。
……そんなもんは、わかりきってんだろ?
[問う口調は常と同じく軽いが、声音にはやはり、迷いはない。
今は、迷いや憂いを見せてはならない。
それを鎮めるのが、託されたものの一つなのだから、と自らに言い聞かせて]
て、わけで、だ。
隊長クラスの連中に、状況報告上げるよう、伝えてくれ。
のんびりしてる時間はねぇ……あちらさん、余勢を駆って一気に突っ込んでくる可能性高いからな。
[こちらの総大将を討ち取ったのだから、その勢いに乗って動くのは大いにあり得る。
一刻も早く立て直し、迎撃態勢を整えねば、と。
近くにいた伝令兵を捕まえて指示を出しつつ、一先ず、兵力の確認を、と動き出しつつ]
……選択肢なんて、一つしかねーんだよ。
ここを、抜かせるわけにゃいかない。
……あいつを出迎えなきゃならねぇしな。
[改めてダーフィトに向ける言葉は、ごく軽いものだった。**]
/*
・宿題:ダーフィトの略称
何故か頭の中でヴィー兄様になってたおかしい。
オウタヴィウスわらったw
訛るとそんな風に聞こえるかもしれないw
よし寝る。
/*
というわけでお邪魔します。
るがる参戦は1、3、4、5、6、ときて78がお休みとなってしまったので4年半ぶりというところですが、少しでも歯車になれたら嬉しいね。
クレステッドはたすくさんかなこれ…
/*
ふんふんふん。
ひとまずは南北挟撃の形のまま行くのか。
オクタ組の南下が早ければそちらとの交戦が先で、
砦抜かせて緑軍合流、南北衝突の形かと思っていた。
けど、砦に多数が居る以上現実問題として緑英雄は抜きにくいし、それにはまだ早いね、確かに。
なるほどなあ。
緑のどなたかとご縁いただけると、
戦死もしやすい気がするけど、どうだろうかな。
8人目、老将 チャールズ が参加しました。
老将 チャールズは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― ・・・ ―
[街が燃えていた。
街は天と地上の炎に焼かれ、呑まれているように目に映る。
それは心の映した景色だったかも知れぬ。
けれど男の目には確かに、落ちる城砦と無残にも引き降ろされる旗と、その向こうに命を散らしたであろう主の姿が見えていたのだ。
傍らには主の息子、己が助け守るべき少年がいる。
静かに落とされた問い>>3に、男はきつく、きつく拳を握った。
片手には愛用の槍がある。
けれどそれとて、今は何の役にも立ちはしない。
主を助け、少年の問いを否定するための道具には成り得ない───]
………、は。
若はこれより、ラモーラルの新たなる主におなりです。
──── 若、参りましょう。
今は逃れるべき時です。
いずれは必ずや、再びこの地に。
……────クレイグ様。
[少年を促すようにして、再び視線を背後の街へ向けた。
遥かなる城砦、今は落ちゆくその姿にごく短く頭を下げる。
それは、恐らくは今はこの世には亡き主へと万感の想いを篭め、]
必ずやダンクラード様を、
… この命に代えましても。
[誓いを主と炎に染まる空へと捧げ、
そうしてこれより仕えるべき少年を守り、北へ赴く。
15年前。男の胸に、今も薄れることのない日の記憶である*]
― マーチェス平原 ―
[当時、戦場は混戦…というよりは、乱戦の様相を呈していた。
反乱軍と称される独立軍の自由自在な、正規軍からしてみれば型破りな運用に正規軍、即ち反乱を制圧に赴いた辺境伯軍は陣を乱され、些か統制を欠いた状態にあったのだ。
ゆえにその邂逅は、ある程度の幸運に助けられた偶然であり、また、狙って仕組まれた必然でもあった───少なくとも”探した”側にとっては、ただの偶然であったはずがない。]
アルブレヒト・ノイアー殿。
[少数を連れた敵の首魁に、こちらも少数を連れた反乱の将からの声が投げ掛けられると、辺りは緊張に包まれた。
殺気立って周囲の者らが双方武器を構える。弓はない。
けれど声をかけた方、それにかけられた方はどちらもすぐに武器を構えることをせず、相手を確かめるようにじっと互いを見据えていた。]
久しぶりですな。───”あれ”以来だ。
お主がクレイグ様を裏切って、その座に座って以来の。
[旧交を温めるかの言葉に、温かみはない。
軽い挨拶のような口調とは裏腹に、音は冷気を孕む。]
…………………、何故殺した。
[沈黙。そしてひとつ音が落ちる。]
何故裏切ったかなど聞かん。
お主の遣り方は、この15年間見せて貰った。
───が。何故殺した。
宰相であったお主が、何故!!!
………。お主が何を主張しようと、
何を言い張ろうと、それは裏切り者の言葉だ。
卑怯者の言葉だ。儂等には響かん。
見よ。この乱はお主が引き起こしたものよ。
お主がウエストマールの力を引き入れ、
ラモーラルをウエストマールの一地方へと貶めたことへの。
お主が裏切りで成したものへの、これが答えよ。
──── アルブレヒト!
[名を、古き日の如く名を呼びかけて馬上に槍を構える。
応じるように、彼も武器を構える姿が見えた。
馬に拍車を当て、彼を目掛けて男が駆けだす。
辺境伯を守らんとする者らを抑えるように、どけ。と声がして、その向こうから辺境伯その人の姿が現れた。
瞬時、互いに目を見交わす。
男は槍をやや低く構えて、馬の勢いを乗せ槍の穂先を突き出した。
ぎんっ!と、高い音を立て、穂先が逸れる。
剣で槍を弾いてみせた辺境伯は、返す刃で男に向け斬りつける。
再び高い音が響き、刃が流れた。
槍の柄で凌がれた攻撃に、馬が流れて互いにぐるりと円を描く。]
… 、
[互いにもはや、言葉はない。
再び馬が駆け刃と刃が合わされる。
馬と馬の身体が合わされて、どうと馬上に衝撃が走る。
ごく間近に刃し視線を合わせて、再び離れた。]
( たわけが───… )
[望んで刃を合わせながら、ちりりと感じるのは苛立ちか。
微量の苦味を飲み下し、再び振るった槍が彼の脇腹を捉えた。]
もら……っ
[彼の脇腹を切り裂いて、少し動作の重くなった槍を振るう。
動きが大きくなった男の肩が、やや後ろから、痛みを殺した熟練の剣先に切り払われる。]
… !
[どうにか槍を落とさず馬上に堪えるのと、向こうが同じく堪える態で鞍に伏せるのがほぼ同時である。
それに時を同じくして、わあと、傍ら近くに響いた声は───両軍の兵らの声は、短い邂逅の終わりを告げた。
ひゅんと矢の飛び交うに、どちらの陣も慌てて互いの将を取り囲む。
騒ぎを聞きつけた両軍の兵らが駆けつけてきたのだ。]
ディーク様、辺境伯を討ち洩らしました。
…が、向こうはいまだ手薄。手勢を回して下され。
場所は───…
[兵と兵とに挟まれて、辺境伯の姿は視界の向こうに消えた。
手当てをとの声に応じて頷きつつ、それを目線が追いかけた。
同時に痛みに揺れることは許さぬ声が、主に状況を伝達する。
今はこれ以上、かの男を追うことは出来ない。
深く、重い息が男の胸を*滑り落ちた*]
/*
うとうとしてたら目が覚めてしまったよね。
これは……このオーラは………
僕はたいへん覚えがある。
様付けて呼んでいいかな、チャールズ様。
/*
チャールズはるなうぇいさんかなー。
格好良い、とても格好良い。
ここにも過去回想投げないと。
15年前のも出さなきゃと思いつつ、父上の方のはどうしよう。
チャールズに返すのに合わせて出せると良いかな。
よし潜る。
9人目、山賊 マーティン が参加しました。
山賊 マーティンは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
―キュベルドンの森にて―
[燦々と輝く太陽、その恵みを受けようと木々は今日も貪欲に枝葉を伸ばす。
木々の合間を縫うように小川が流れ、キュベルドンの森を潤す。
そこに、橋が架かっている。
大して大きくも無い、けれどもその橋を渡らなければ先へ進めないという場所に、クマは立ちはだかっていた。]
おうおう、坊主の割には結構良い身なりしてンじゃねぇか。
[クマは、がはは、と下品な嗤いを浮かべた。
今日は良い日だ、鴨が葱を背負ってきた。
そんな風に、クマは思った。
クマは、山賊だった。
2メートルもある巨躯に物を言わせて、人々から金品を巻き上げていた。
気の弱い人なら、その風体を見ただけで身を竦めた。
気の強い人でも、喧嘩で勝てる者は居なかった。
クマは、その森の王者だった。
大振りの斧を見せつけるように何度も素振りをしながら、ゆっくりとクマは少年に近付いていった。]
さぁ、大人しく金を置いてきな?
[少年と出会って以来、この森から凶暴なクマは消えたという。
果たしてどのようにして、クマは居なくなったのか。
そのクマは何処に行ってしまったのか。
―――――群青色の空だけが知っている。*]
山賊 マーティン が村を出ました。
9人目、独立解放軍副将 マーティン が参加しました。
独立解放軍副将 マーティンは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
―マーチェス平原:交戦中―
[群青色の空に、赤い炎と血が舞う。]
う、――――……らぁッ!!!
[当時、戦場は混戦…というよりは、乱戦の様相を呈していた。
反乱軍と称される独立軍の自由自在な、正規軍からしてみれば型破りな運用に正規軍、即ち反乱を制圧に赴いた辺境伯軍は陣を乱され、些か統制を欠いた状態にあったのだ。
マーティン・グリズリーは、その大振りの斧を縦横無尽に振り回し、敵を薙ぎ払っていった。
堅牢な防御も、その巨腕のまえでは紙に等しい。
己が力を振るわせ、目を爛々と輝かせていた先、ついに捕えるべき首を見つけた。]
兄者ァ、居やしたぜ!
[マーティンが赤き囁きで呼びかけ、視線を其方に向ける。
>>43 老将は眉間に皺を寄せ、険しい顔を敵へと送っていた。
馬を走らせるその後ろ姿は、執念の炎を宿しているようにも見えた。]
っと、ここから先は儂が相手だ。
[辺境伯を護ろうと追いかける敵兵を遮り、巨躯と斧ひとつで立ち塞がる。大将の首は、きっと仲間たちが討ってくれるだろう、と。]
―マーチェス平原:現在―
おう、若。お目覚めか?
[>>5 目覚めた盟主に対し、赤ら顔のままマーティンは声を掛けた。
その手にはジョッキ一杯の発泡酒。
それを勢いよく飲むと、威勢よくジョッキをテーブルに置いた。]
がっはっは!
そんな所で寝るなんて、若、そうとう疲れてたんだなぁ。
もう少し、ゆっくりして行けば良いじゃねぇか。
[クマのような大きな手でばんばんと、若き盟主の肩を叩く。
遊んでいる暇はないのだ、と。窘められてしまっただろうか。]
[いずれにせよ、決意に満ちた盟主の双眸を見とめれば、副将は顔を引き締めた。]
……へいへい。
儂ァ、若に一生付いていくって決めたンだからなぁ。
どこまでも一緒に行きやすぜ。
―――……んじゃ、ちょっくら、
10人目、伝書屋 カーク が参加しました。
伝書屋 カークは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― ズワンズ谷 ―
[荷を積んだラバを引いて南へと向う行商人風の青年が一人。
クリーク砦が独立回復派に占拠されたことなど知らぬげに歩いている。
その正体は、ラモーラルの独立を求めて決起したディーン・ヴァンデラーの腹心マーティン・グリズリーの息子カーク。
行商人は敵情偵察のための仮の姿であった。
本来は明るい栗色の髪も黒く染めて帽子を被っている。]
[商う品は、飴や干菓子といった日保ちのする甘味。
普通に街でも売り買いされるし、軍が兵らに配給する食糧ではカバーしきれない分野でもあった。
軍と行き交えば、買い手もあらわれよう。
カークは手庇を作って彼方を見やる。]
親父、今頃、ご機嫌だろうなー
エディは到着したかね。
まあ、俺が合流するのは、ちょっと遅れるかも知れないけど、情報収集と後方撹乱はお任せあれ。
[楽しみにしててくれよ、と独りごちて、また足を進めるのだった。*]
エディの風、確かにディークに届けるぜ。
[かく言うカーク自身は州都の生まれだ。
熊のような
「あの人の顔の傷はわたしを守ってくれた勲章よ」と言ってた。惚気だ。
父はデカくて豪放磊落で直情実行で、子供のカークから見ても子供じみていると思えるときがあったが、その体を張って示す侠気は紛れもなく本物だった。
いまだ、カークの前に悠然とそびえる山である。]
― マーチェス平原/辺境伯side ―
[何と纏まりの無い]
[反乱軍の動きを見て、最初にアルブレヒトが抱いた感想はその一言に尽きた。
だがその自由な柔軟性のある動きは次第に正規軍の足並みを乱し、あちこちで小隊以下の規模での乱戦が始まる。
アルブレヒトが発する建て直しの声も届きにくくなっていた]
[身辺を護る兵のみを連れ乱戦の只中を乗騎を繰り、一度乱戦から離れんとしたその時。
懐かしい声>>43がアルブレヒトを呼んだ]
「………
チャールズ・フォスター
生きていたか」
[互いを認識する最中、周囲の兵が敵味方問わず同じ行動を取る。
その中で旧知の二人は握る武器を下げたまま視線を交わした]
[向けられる言葉>>44は久しき邂逅の挨拶としては剣呑で、その声には冷鋭さが伴っている]
「───……そうだな」
[”あれ”と示される15年前の出来事。
アルブレヒト自身が引き起こした、彼らを州都から追い出すに至った騒動。
意識は刹那、消えぬ記憶へと移り行く]
― 15年前/辺境伯side ―
[ウェストマール王国から訪れた使者は臣従を促す書状をラモーラルへと持ち込んだ。
当時宰相であったアルブレヒトは領主であるクレイグからその話を聞き、とある国の末路を思い出す]
「……私は、受け入れるべきだと思う」
[臣従を勧める言葉。
だがその言葉は独立国としての自負を抱くクレイグには受け入れられず。
民の生活を護るためだと主張しても、彼の考えは変わらなかった]
「王国の力を侮っているのか」
[アルブレヒトが恐れていたのは、臣従を断った後に取るだろう王国の動き]
「あの国のようには……」
[思案を巡らせながら、引き取って5年になる青年の生家の果てを想い憂いた。
彼のような者を、数多生み出すようなことになってはならない]
― マーチェス平原/辺境伯side ―
[赤と紅を余韻に残し、アルブレヒトは零れ落ちる音>>44を聞く]
「─── 何故、か」
[く、と口元が笑いのようにも苦いようにも見える形で歪んだ]
「平行線を画く道を一つとするには、方法など他にあるまいに」
[どちらも折れぬなら、折るしかない道。
裏切り者と罵る声>>45に口元が再び複雑に歪んだ]
「裏切り者…聞き飽いた言葉だ。
この戦が私が引き起こしたと言うのなら……私が収めるまでの話よ」
[罵られるを厭うなら、今この座に身を置いてはいない。
全てを覚悟の上で、アルブレヒトは15年前、己の手を染めたのだ]
[かつてのように呼ぶ声>>46。
チャールズが槍を構えるのに合わせ、アルブレヒトも長剣を握り直した。
刀身の根元には緑風信子石があしらわれている。
辺境伯となった折に特別に仕立てた、願いを込めた剣。
その切先を右後方へと流し、駆け出すチャールズを見据えた]
「どけ」
[護らんと周囲を取り巻く兵を声だけで引かせ、突進してくるチャールズへと馬首を向ける]
[交差する視線。
それが一つの合図となった]
[馬の勢いを乗せて繰り出される槍の穂先を、長剣の腹で滑らせるようにして弾く。
槍の穂先を過ぎ擦れ違わんとする機会を狙い、斬り上げんとした長剣は甲高い音を奏で槍の柄を打ち据えていった]
「───……」
[円を描くようにして再び向かい合った二騎が再び接近する。
チャールズの心情を測ることなど出来ない。
ぶつけられた言葉がそのまま彼の想いでもあるだろう。
彼はアルブレヒトの言葉は響かぬと言った。
ならば語る言葉は持ち得ない。
今、彼らの想いを雄弁に語るのは、互いに握る刃のみ]
[打ち合いを一つ繰り返し、再度の接近を間近にした時。
繰り出されるチャールズの槍が、急に速度を上げたように見えた]
「ッ ───!」
[弾き返すには一拍遅い動き、その隙は違わずアルブレヒトの脇腹を抉る>>47]
「─── おおぉっ!!」
[声を上げることで揺れる意識を押さえ込み、馬同士が擦れ違った直後、前方に流れていた長剣を弧を描くようにして後方へと振り下ろした]
「…ぐぅ…ッ ──!」
[だが動けたのはそこまでだった。
長剣を取り落としはしないものの、体勢を維持出来ずにアルブレヒトは鞍へと身を落とす]
[一度下がらねば、そう意識が向くのと同時、周囲から声が沸き、兵が集まり出す>>48のを見た。
引き連れていた兵がアルブレヒトの周囲を囲み、矢の飛び交う中を後退して行く。
手当ての準備を、と声高に叫ぶ兵の声を聞きながら、アルブレヒトは必死に意識が落ちるのを堪えていた**]
11人目、傭兵 クロイツ が参加しました。
傭兵 クロイツは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― ウェストマール王都・郊外 ―
[オクタヴィアスが兵力を集めはじめたという知らせは、すぐに自身の耳にも飛び込んできた。
突然といえば、突然。
だが、ラモーラル州の政情を鑑みれば、いつこのような事態になってもおかしくはなかった。
自らも知り合いの傭兵仲間に声をかけつつ、当然のように王都の郊外へと馳せ参じる。
いつかこういうことが起きた時に立場を考えずに、オクタヴィアスの助けになれるように。
ウェストマール正規兵という立場を捨ててたのも、もう7年も前のことだ]
[しんと静まり返った郊外にオクタヴィアスの声はよく通る。
あたりに立ち籠めてゆく熱意が心地よい。
信念を持って領主を弑した彼の父親はともかくも、その息子ともなれば今の地位はいわば棚ぼたで得たもの。
彼自身がその立場でぬくぬくしているだけの人間であれば、こうして彼の助けになろうとも思わなかったが――]
[短いけれど士気を奮い立たせる演説が終わるとおうと声を発して、用意された馬に騎乗する。
その馬を走らせ、オクタヴィアスの隣に寄せると]
どうする?
このまま隊列を組んでいくか?
それとも、先遣隊を走らせるか?
[この後の方針をオクタヴィアスに問う**]
/*
マーティンの>>54を読んで桃園三兄弟を思い出した。
マーティン→張飛
チャールズ→関羽
っぽくね?ぽくね?
詰まりディーク、君は劉備だ!(何
[変装のテクニックを教えてくれたのは伯父──母の兄だ。
伯父は15年前の政変までは領主に仕える徴税役人だったが、野に下って子供らに簿記などを教えている。
そして伯父はカークに、封蝋を気づかれないように開けて戻す方法や公文書や筆蹟の偽造、尾行や変装の技術を伝授してくれた。
おそらく叔父はただの徴税役人ではなかったのだろう。
それゆえに新政権にも与することができず、隠棲した。
カークは伝書屋として活計をたてる裏で、習い覚えた技を用いて、託された書状のうちこれはと思うものをこっそりと開封して読み、入手した情報をやりとりする情報屋となった。]
[一方、武の技はマーティンから習った──というより、挑んで食らいつき、体で技を盗んで、体格の違いは工夫で埋めようと努めた。
手当たり次第にあるものを使い、小石だろうが木の枝だろうが武器にする。
おかげで我流もいいところだが、相手を倒すよりも上手く逃げられれば上等と割り切っているゆえに我執はない。]
へいへい、
親父と張り合うのは10年早いってわかってるよー
[軽口をたたきつつも向上心は止まず、ディークやエディ、果てはディークの守役たる老将チャールズ・フォスターにも一手ご教授を願うのだった。*]
― クリーク砦に向けて ―
[兵を出立させて間も無く、オクタヴィアスの隣に馬が一騎並ぶ>>76]
クロイツさん。
来てくれてありがとう、心強いよ。
[慌しく簡単な挨拶程度しか出来ていなかった相手に改めて感謝を向け、問いを聞いて少しだけ思案の間を空けた]
…先遣を出そう。30人程度の小隊で良い。
私のことを知っていれば、王都から発つ可能性を
視野に入れていてもおかしくないし。
ズワンズ谷に伏兵か、何か仕掛けをしているかもしれないね。
貴方の知り合いにそう言うものの看破の心得がある者は居るかい?
[反乱軍が次に定めるだろう目標を州都と考えているため、足止めの可能性を示唆して方針を決める。
それをクロイツへと告げた後、先遣隊選出のために人選についてを彼に問うた]
道中何も無いならそれに越したことは無いけどね。
……小細工無しに砦で食い止めようとするかもしれないし。
その辺りを確かめるためにも先遣隊は必要だと思う。
クロイツさん、先遣隊の指揮をお願いしても良いかな?
[武芸の師でもある彼とは付き合いも長く、信を置いている。
先遣隊は小隊規模とは言え、重要な役目を負う隊だ。
彼に隊の判断を任せれば間違いは無いだろうと、指揮要請も付け加えた*]
/*
そうそう、装飾に使ってる宝石の話。
緑風信子石(グリーンジルコン) 宝石言葉:平和の願い
緑陣営だし、と緑色の宝石を探したら良い宝石言葉を見つけたので使ってしまった。
名称もうちょっと縮まらないかな!って思ったけどこれ以外になかったので仕方ないw
/*
ワカメもりもりタイム。
先ずはクロイツ宛を書き出すかな。
接触したタイミングであれこれ投げたいところではあるんだけど…会えない人も居そうなのだよなぁ。
その場合は追悼に組み込むとかか。
余裕あればちまちま出していこう。
― 決起の日(回想) ―
[決行は、深夜だった。
クリーク砦を垣間見る岩陰に、仲間たちと共に身を潜めている。
その数、およそ300といったところ。]
───行こう。
[掛ける言葉は短い。
言葉を尽くさずとも、心は通っている。]
ラモーラルを取り戻す。
我らの誇りを、この大地に思い出させてやる。
[手を掲げ、振り下ろす。
仲間たちが静かに、素早く動き出した。]
[夜陰と物陰に紛れて砦へと接近し、砦へと接近する。
歩哨が通り過ぎるタイミングを計り、先へと進む。
砦の索敵態勢も、内部構造も、侵入が得意な仲間が情報をもたらしていた。]
あれを。
[十分に近づいたところで、身振りで見張りのひとりを指し示した。
弓矢の届く距離としてはぎりぎりのところだろう。
だが指示した数秒後には、見張りは喉に矢を受けて声も無く崩れ落ちる。
すぐさま数人が砦を囲む壁にとりつき、壁を登って内側へ消えていった。]
[砦の内側で警戒の声が上がるのと、門扉が開かれるのと、仲間たちが物陰から飛び出して砦へ殺到するのがほぼ同時だった。
深夜にたたき起こされた砦の守備兵らは、状況を把握する間もなく打ち倒され、次々と制圧されていく。
襲撃は電撃的に行われ、最小の経路でたどり着いた兵たちによって砦の指揮官は取り押さえられた。]
抵抗を止めさせろ。
同じラモーラルの民だ。無駄に命は取りはしない。
ダンクラード・クレイグ・ディ・カルスト・ヴァン・ラモーラルが、今ここに帰還した。
おまえたちが従うべきは、この俺だ。
[説得の末に、砦の指揮官は兵の命を選択した。
砦に、戦闘の中止を促す鉦の音が鳴り響いた。]
[砦の占拠から一夜が明けた。
砦の守備兵らは武装を解除され、中庭に集められていた。
悄然とする彼らの前に、ディークは姿を現す。
ラモーラルの王国旗、大地の緑と空の青、血の赤に塗り分けられた地の上で狼が吠える旗を背にして。]
ラモーラルの勇敢なる兵諸君。
君たちは負けた。
武威にではない。
ラモーラルの魂に負けたのだ。
自主独立。不撓不屈。
なにものにも膝を折らない精神を、今のラモーラルは忘れている。
ラモーラルの民は、今や他者に従属して養われる羊の群れだ。
だから負けたのだ。
俺の名はダンクラード・クレイグ・ディ・カルスト・ヴァン・ラモーラル。
弑逆されたクレイグ・ハンスマヌエル・ディ・カルスト・ヴィア・ラモーラルが一子。
俺は、俺の国を、
誇りある高潔なラモーラルの魂を取り戻すために立った。
狼たる誇りある者は俺に従え。
[身分を明かし、志を語って麾下に加わるよう促す。
独立解放戦に加わりたいものは部隊に組み入れ、拒否するものは武装解除の上で砦から立ち去らせた。
無論、戦闘の最中に逃走した兵たちも多い。
逃走を阻止するにも捕虜を拘束しておくにも人員や物資が足りていない。それが現状だった。]
― 再会(回想) ―
[砦奪取の報はすぐさま州都へ伝わることだろう。
それを追いかけるように、ラモーラル王の名で檄文が飛んだ。
ウエストマール王国の支配から脱し、独立を勝ち取る戦いに参加するよう広く呼び掛けられる。
隠密作戦に向かなかった仲間たちや、参戦志願の者たちを砦に受け入れて戦力を再編する慌ただしいさなかに、門衛からもたらされた報せ>>24を聞いて、ディークは門へと飛び出していった。]
エディ!
[懐かしい面影に精悍さを加えた姿を見て声を上げる。
平原の民の間で、兄弟も同然に育った日々が一気に蘇った。]**
/*
今回はタスクを積まないことを目標にしているのです。
今その時にやりたいことをやるの心。
結果的にタスク解消になるだろうけど、心持ちの問題というやつでね。
― 回想・決起前/州都 ―
[義父が退役後に開設していた診療所は彼の死後閉ざされて、表門を通る人間は今やエドルファスと細々の配達人くらいのものだったが、その日は珍しいことに診療所兼自宅の奥の間に客人を招き入れていた。
“伝書屋”として“彼”が訪れるときは、決まって玄関先での遣り取りで終わる。カークのことだ、ぬかりなく恙無く任を遂行していることとは思うが、下手に知己であることを匂わせて、彼の仕事に万一支障が出ても拙いと、配達人と依頼人、それ以上でもそれ以下でもない位置を保つよう努めていたのだ。
けれどこの日ばかりは、返信は即時に行うからと引き止めた。
燃料を得て赤々と燃える暖炉のある応接室に待たせ、簡単ながら彼へ茶を淹れて、扉を開け放ったままの続き間でペンを走らせる。]
[破顔と共に届いたカークの声へは、
似た笑みと首肯を返す。>>61]
忘れ得ぬ風を、時折こうして
届けてくれる男も居ることだしな。
[カークが伝書屋として初めて己の前に現れたのは何年前になるだろうか。彼と彼の父親とディーンとの邂逅間もなく自分が平原を離れてしまったから、少年期の遊び仲間であったのはほんの1、2年のことであったが、剣の手合わせをはじめヤンチャに付き合い付き合わせた当時の印象は強く。
それゆえ、「伝書屋」名乗る彼と久方ぶりの再会を果たした時に
最初に言い放ったのは「お前…、何かあったの?」だった。
堅実な道に進んだかのように見えて驚愕したと正直に告白しつつ、
よくよく聞いて情報屋稼業であると知れば、胸を撫で下ろしたりもした。重ねて失礼をしたものである。
カークの出身はここ州都であったと何かの折に聞いていた。
適材適所なのかも知れぬと、腑に落ちる。]
風の路を作ってくれること、感謝してる。
[内容を慎重に読み返し、封を終え。
待たせていた応接間にて、文を手渡した。
確実迅速な配達へも確かな信頼を置いていたが、
この手の手紙を預けるのには気を許せる知己ほど安心な相手もいない。]
頼んだ。
……次に会う時は戦場だな。
[盟友の一人たる彼へ、己が意志を託す。*]
― 回想・再会 ―
[門上の取次ぎ役に名は伝えた。
弓射かけられることもなかろうとは思うが、
砦門を前にしての馬上待機は気が張るものだなと首を回せば
不意打ちのように降ってきた声に思わず顔を上げる。]
兄さん!
[張り詰めていた糸が一気に弛み、ぶんと両手を振って、
馬上から半ば飛び降りるように降りて、駆け寄った。]
…って あぁ、久しぶりなのに、
大人になったのだと折角格好付けておく気でいたのに、
だめだな、実際にあなたを目にすると。
この忙しい時に出迎えてくれるなんて思ってもみなかった。
[再び襲い来る緊張に、鼓動が痛い。
懐かしいひとと再び顔を合わせることの出来た喜びは
平原で風を浴びた時と同じ、否、それ以上の高揚を連れて来る。]
[ディーンの表情に、託した文は無事に届いたのだろうと知る。
すう、と息を吸い込み、その場に膝をついた。]
……ご壮健で何より。
長らく留守にしておりましたが、
ヴィダン族レイナルドが長子エドルファス―――ハーウェン、
此度の一挙参陣致したく、急ぎ州都より馳せ参じました。
[共に過ごした記憶の中に焼き付くそのひと。
数年を経て、より一層研磨された光を仰ぐ。*]
[ラモーラルで何が起きようと大人しく勉学に励んでいてくれるなら儲け物だったが、オクタヴィアスは帰国を決めた。
それも、かなり早い段階でだ。
辺境伯が戦死したことをカークが知ったのは、オクタヴィアスより遅かったらしい。
彼には優秀な情報源があるらしい、と見て取る。]
例のアレかな──魂の双子とかいうヤツ。
[もっとも、心は郷里へと急いたところで、砦から逃げてきた兵を掌握し、傭兵と契約を結ぶなどの準備には相応の時間はかかる。
オクタヴィアスが手にした兵の内情予測がついたところで、カークはキュベルドンの森へ、情報を携えた伝書鳩を飛ばす。
カークがなおも王都に留まったのは、後方撹乱の可能性を摸索するためだけでなく、オクタヴィアスの統率能力を自分の目で確認したかったからであった。
いよいよ出発という日、オクタヴィアスに従って出征する知人を見送る態で、ウェストマール王都・郊外での演説を聞く。>>26]
坊ちゃんは確か、俺と同い年だったな。
[オクタヴィアスが父親の死に言及した時には、わずかに瞑目した。]
[オクタヴィアスとの出会いは、彼がまだラモーラルにいた頃に遡る。
おおよそ10年前、互いにまだ11歳になるやならずの子供の頃だ。
当時、カークは素早さの鍛錬と度胸試しと称して、疾駆する馬車の前を横断するのを日課としていた。
その日、たまたま挑んだのがオクタヴィアスを乗せた馬車だったというわけだ。
飛び込んだ往来の真ん中で靴ひもが切れてカークは転倒した。
とっさに身を竦めたせいもあって、幸いにも馬車は子供の上を素通りし、御者の罵声を残して去るかに思われたが──凛とした少年の声がして、馬車はその先で停止したのだった。]
…相変わらず、よく響く声をしてるぜ。
[兵らを前にしたオクタヴィアスの演説に抱くのはそんな感慨。*]
― 再会(回想) ―
[お互いに大人になったものだと、向かい合う視線の高さで思う。
別れた時のエディはずっと低かったのに、今ではそれほど変わらないように思える。]
おまえが来るっていうのに、部屋でなんか待っていられるか。
よく来てくれた。
[エディが連れてきた風が両脇を吹き抜ける。
懐かしくて、新しい風だ。]
参陣ご苦労。
奮闘を期待する。
[一瞬だけ盟主の、そして王の顔を見せてエディの口上を受ける。
直後に、膝をついた彼に手を伸ばして助け起こした。]
来いよ。
みんなに引きあわせるから。
カークはもうさっさといなくなってるんだが、マーティンは向こうで新入り連中をどやしつけてる。
チャールズも相変わらずだぞ。
[親しい者たちの近況を話しながら砦の中へと誘う。
言葉通り主要なメンバーに次々と引きあわせていったから、目の回るような思いだったかもしれない。*]
12人目、元将軍 コリドラス が参加しました。
元将軍 コリドラスは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―回想:15年前 クリーク砦―
[ウェストマール王国との最前線であるクリーク砦へとラモーラルの主の訃報>>40が届くのには時間を要し、如何にするのか部隊長クラスの者達は即座に集められ会議が行われた話し合いが行われたがまとまらない。軍事力と外交。二つの手段をもって併合せんと迫ってきたウェストマール王国。
そのやり口により、二つの派閥が生まれたことがここでも多少なりとも影響がでていたのもあっただろう。
最後の決をとるように、砦の守将に任じられていた...が沈黙をやめ口を開いた]
ほっほっほっ…各々がた意見はあるでしょうが、仇討ちはいたしません。
私たちがここを発ってしまえばみすみすこの砦を王国に明け渡すことになります。仕える主は失いましたが…守るべきものまでは失っていないということを忘れてはいけません。
[一つ一つ言い含めるように部隊長たちへと伝える]
怒りを胸に沈める必要はありませんよ。ええ…怒りを両足に込めて、大義の礎としなさい。
ほっほっほっほっほっ
[飄々とした笑いの後、守りをより一層固めるように指示を下し…乱があった後、砦はウェストマール王国へと隙を見せることなく、宰相がウェストマール王国との外交を終えるまで防衛部隊はその任を果たし続けたのであった**]
/*
寝てました(
カークの縁故振りありがたや。
そしてそれ見て思い出した。
兵種……うん、考える待ってwwww
― 道中 ―
当然だろ?
他ならぬ、大事な弟子が己の信念の為に戦うんだ。
師匠としては見届けないわけにはいかないな。
[オクタヴィアスの礼には軽口で応じて]
[思案のあとに告げられた言葉に]
了解。
人数もそれくらいで構わない。
ああ、俺の心あたりの連中に得意なヤツはいるから、そいつらを借りて行く。
ズワンズ谷周辺は崖に囲まれていて決して広いところとはいえないが、それだけに罠を張るには好都合だ。
用心していくことに越したことはない。
[指示にうんと一つ頷いて]
ああ、任せとけ。
[そう告げると、一礼をしてオクタヴィアスの側から離れる。
それから後方に固まる傭兵の一団から、目端の利くもの、用心深いものといった連中を選抜すると、30人を一部隊としてまとめて目的を告げる]
俺達は、これから本隊に先行してズワンズ谷からクリーク砦あたりに伏兵やら仕掛けがないか偵察に向かう。
わかっていると思うが、大事な役目だ。
ぬかるんじゃないぞ。
[ややあって、オクタヴィアス率いる本隊を抜き去り、先遣隊は一足先へとズワンズ谷方面へと馬を走らせてゆく**]
/*
実は後1人、陣営がどっちになるか分からない人が居るので兵力を確定させ難いんだよね。
割合で書いておくのが良いかな…。
砦からの歩兵500、残りは騎馬7割、歩兵2割、弓兵1割。くらい?
あっ、クロイツからお返事。
ここに反応返してから兵種入れて、カーク分纏めるか。
クロイツ分は…出逢いがまだ確定してないけど、師事のは行けるな、よし。
/*
うむ、悪い噂多々、か。
裏切りあり系だね。
にしても、傭兵雇うの随分頑張ったね私…ww
[上屋敷の守護兵は100くらいの心算だった]
― ある日、森の中で(8年前) ―
[クマ退治に行こう。
そう言って弟分を引き連れて出かけたのは、気持ちよく晴れた日だった。
守役には何も言わず、普段のように遠駆けするようなふりをしてキュベルドンの森へ向かう。
噎せるような濃い緑の傘の下を行くこと暫し。
涼やかな流れに掛かる橋の上で、クマを見つけた。>>51
橋の手前で馬を下り、弟分に手綱を預けて橋へ向かう。
頭ふたつ分は高い巨体にも、恐ろし気な風貌にも、風を切る斧の重い音にも、少年は立ち竦むことはなかった。
がははと笑うクマを上から下まで見回して、少年は息を吸い込む。]
[言い放った少年の目は、真剣だった。]
おまえが悪人なら成敗してやるつもりだった。
けど、おまえは違う。
おまえは絶対、偉大な男になれる。
だから、こんなことをしていないで、俺についてこい。
[両方の腰に下げた山刀に手も掛けずに命じる。]
― クリーク砦に向けて ―
[当然、と返してくるクロイツ>>104にオクタヴィアスは嬉しそうに破顔する。
王都へと移り住んだことを契機に、オクタヴィアスは剣を握るのを極力控えた。
代わりに求めたのは、盾を構えながら戦える体術、蹴り技だ]
― 回想/8年前 ―
[以前より面識のあったクロイツに師事を願ったのは彼がまだウェストマールの軍に所属していた時のこと。
オクタヴィアスが王都に移り住んで1年が経過した頃だった]
クロイツさん、私に体術を教えてください。
お願いします!
[話す機会を得られた時、真剣な表情で言い、頭を下げる。
剣ではなく体術を、そう願う様子に彼の反応は如何なるものだったか。
頭を下げるオクタヴィアスは彼の最初の表情を見てはいない]
― 現在/クリーク砦に向けて ―
ありがとう、貴方に引き受けてもらえるなら安心だ。
よろしく頼むよ。
[任せとけ、と言い残して離れ行くクロイツ>>106に感謝を向けて、オクタヴィアスは視線を前へと戻す]
[オクタヴィアスが率いる軍はおおよそ三種の兵から成る。
騎兵600。上屋敷の守護兵に加え、傭兵にも馬を与えた。
歩兵500。クリーク砦から逃れてきた兵達。
弓兵150。こちらも守護兵と傭兵の混合部隊だ]
[隊列は途中に騎兵を挟みながら歩兵を先頭に細長い陣容を描く。
中央にオクタヴィアスを置き、後方に傭兵を引き連れる形だ。
志願者が居るならば、傭兵であっても前方への配置もする]
テッド…皆……頼むよ。
[敵戦力がどれ程かは未だ知れないが、砦の攻略は容易ではないと見ている。
自身の考えが合っているならば、ラモーラルに居る正規兵達は遠くない先に敵本隊とぶつかることとなるだろう。
友へと託した想いを、改めて正規兵達へと向けた*]
― 回想/10年前 ―
[その日は母と共に母の実家へと顔を出しに行くため、馬車に乗り外を眺めていた。
歩く時とは異なる速度で流れていく景色はオクタヴィアスの目にも真新しい。
まだ子供であったオクタヴィアスの円い瞳は、移り行く景色に目を輝かせていた]
………?
[そんな折だ、往来の先で変わった動きをする子供>>98を瞳に捉えたのは。
何かを狙うような表情の少年は、次の瞬間に馬車の行き交う往来へと飛び出す。
あっ、と声を出す間も無く、少年が転倒するのが見え、その上を馬車が通過した]
止めてっ!!
[罵声を上げんとしていた御者に対し、子供特有の高い声で停止を指示する。
泡を食ったように御者が馬の手綱を引き、馬車は速度を落とし往来の中に停車した]
君っ、大丈夫!?
[馬車を飛び出し、転倒した少年の下へと駆け寄る。
牽いてしまってはいないかと、少年の様子を窺った]
/*
過去投げたい人メモ
・チャールズ
・ダーフィト
・クレステッド
テッドは秘話来てからでも良いな。
ダフィ兄様のは出しておきたいかも…。
チャールズは…ダフィ兄様のを出すなら先に入れるか。
ってかここは15年前の回想に付随させるのが良いかな。
と言うことは、チャールズ→15年前の回想、をやっとくのが良いかなー。
他どうにかしたいなと思うのはコリドラスとツェーザルだね。
ここ2人にはどう言う風に接点作ると良いかがまだ見えてない…。
ちょっと考えよう。
― マーチェス平原・辺境伯との邂逅(回想) ―
[混迷を極める戦場の中で、ディークもまた刃を振るっていた。
疾走する馬の上で、鐙と膝だけで身体を支えて立ち、二振りの山刀を操る。
後に従う兵は、ごく少数。
敵も味方も、細切れの部隊がそこかしこでぶつかっている。
戦場の状況を把握することは、どちらの軍も困難だっただろう。
だがディークには心を結んだものたちがいた。
互いに声を掛け合えば、戦場の形も見えてくる。
主力から切り離された敵将の所在も、また。]
[マーティンから>>54、次いでチャールズから>>49、敵将の動きがもたらされる。
敵将。辺境伯。15年前、領主を討った男。]
わかった。
今行く。
[戦場を駆け抜けながら兵をまとめ、浮いた戦力を引き連れて現場へ向かう。
将を守りながら下がろうとする一団を発見すれば、側面から吶喊した。]
[守ろうとする兵と切り開かんとする兵。
小規模ながらも熾烈な戦いが、中央に空隙を産む。
生じた僅かな隙間を、人馬一体となった風が駆け抜けた。]
アルブレヒト・ノイアー!
[呼ばう。
その名を。]
[見出したその男の姿は、記憶にあるよりもずいぶんと老けていた。
敏腕宰相と呼ばれた眼光の鋭さは変わらぬままに、顔には深い皺が刻まれ、髪には白いものが多く混ざっている。
年月と重責とが男の命を削り取っている。
そう思えた。]
アルブレヒト。
[声の届く距離で、馬の足が緩んだ。
視線が交わり、周囲の喧騒が遠のく。]
なぜ父を殺したのかは聞かない。
なぜ国を売ったのかも聞かない。
おまえが教えてくれたことは、今も俺の胸に根付いている。
[話をしてくれと、忙しい彼の足元に纏わりついて邪魔をしていた過去が、ほんのいっとき胸を過ぎる。]
だから今は、黙ってその首を置いていけ。
[過去の情景は消え、戦場の音が戻る。
馬は再び風となり、若き盟主は辺境伯へと肉薄した。]
[ほどなくして、ダンクラード・ディ=カルストがアルブレヒト・ノイアーを討ち果たしたという報せが、戦場を駆け巡った。
盟主の勝ち名乗りに独立解放軍は鬨の声をもって応え、辺境伯の兵は戦意を失って散り散りに逃げていったのだった。]**
/*
しかしまあ、しみじみ見るだに我が軍のバランスが良すぎて涙がでる。
経験豊かな老将に、力自慢の猛将と、潜入工作員、弓の名手、そしていろいろ無茶言えそうな弟分である。
ありがたやありがたや…
なお、腹心二人は両方落ちるのを覚悟している()
[10年前のあの日、カークを轢きかけた馬車から飛び降りて安否を問うてくれた少年は上等な服を着た貴族の子だった。
相手の肩越しに馬車の後ろに掲げられている紋章を確認すれば、辺境伯たるノイアー家のものだ。
直に言葉を交わすなんて、普通はありえないこと。]
な、なんだよ、いきなり。
叱られるぞおまえ。
[動転して噛み合わない返事をしたが、大丈夫、このドキドキは恋じゃない。]
心配すんな、俺は当たり屋じゃない。
ちょっと元気が良すぎただけだ。
こんなのツバつけときゃ治る。
[半分は親父の受け売りの言葉をまくしたてて、パンパンと破れたズボンの膝を叩いた。]
[後日、オクタヴィアスと知り合いになったことを伯父に話すと、困ったような顔をされた。
辺境伯の周辺に近づきすぎて過去がバレると都合が悪かったのだろう。
心残りはあったが、カークはオクタヴィアスと会うのを止め、馬車の前に飛び出す稽古もおしまいにした。]
/*
毎度お邪魔してます、ふかふかしたなまものです。なんかこう...なかのひと予想が、すごい笑えることになってるんですがまあ、気にすまいw
外れてるかもしれないしなっ!(
でもとりあえず直近のディークさんまじえんじゅんさんにしかみえないww
今回英雄一応考えたんですけど、スケジュール的に無理がありすぎたのでした。
そんなわけで、今度こそ頑張って死ぬよ!(
[代わりに、自称”樵”の父と一緒に森へ出かけるようになり、森の民や遊牧民の子らと切磋琢磨する日々を得たのはカークにとっていい思い出だ。
乗馬を教わったことは後に伝書屋で速達をする際に役立ったし、薬草の見分け方も学んだから、医者の家に養子に入ったエディへ手紙を届けるついでの手土産はたいてい季節の生薬の原材料だった。
彼が気を使ってくれているのは承知していたから、託された荷物を装って玄関先で黙って渡すだけだったが、説明不要で済む。>>90
程なく、オクタヴィアスは高等教育を受けるためにラモーラルから出ていったと聞かされた。
それまで見向きもしなかった遠い街に、興味が芽生えたのはその時からである。]
― 回想・砦到着直後 ―
[ディーンの受容の言を受けて、漸く心底から緊張を解く。
6年という時間の隔たりなど感じさせぬ仕草に微笑み、
伸ばされた手を借りて地に付いた膝を上げた。]
ああ、もう?
流石軽妙、機敏なカークだね。
マーティンさんもチャールズさんも変わらないんだな。良かった。
ヤンチャをしてドヤされたり諭されたりした頃の印象がまだ残っていて、枯れた姿なんてこれっぽっち想像もしていなかったけど。
………と。
[チャールズとマーティンに行き遇えば、
深い礼を取り、独立解放軍加盟の運びを改めて告げる。
彼らは古株も古株、ディーク側近として解放軍に於いて重要な立場で力を揮う存在であるはずで、自然、背筋も伸びよう。]
長らく不義理を致しておりました。
エドルファス・ハーウェン、参陣します。
微力ながらこれまでの時間と距離とを埋め、
我が盟主殿の道に風を送る働きをさせて頂く所存。
[……拳骨貰わぬように。
小声で付け足して、昔のように稚気閃かせた瞳でにっと笑った。*]
― マーチェス平原/辺境伯side ―
[後退するアルブレヒトを敵兵が追う。
それに対し正規兵が立ちはだかり、アルブレヒトは更に戦線を下がる。
幾度かそれを繰り返した時、一際勢いをつけた一団が側面から正規兵を穿ってきた>>119。
若い声がアルブレヒトの名を叫ぶ>>120。
折り曲げていた身を起こせば、兵達の間を抜けて面影残る若者が馬を駆り迫ってきた]
「──… (………あぁ)」
[皺の増えた眼を眩しげに細める。
懐かしげな音は心の裡に仕舞われた]
「…大きくなったものだな」
[再び呼びかける声>>121に低い声が落ちる。
彼が、クレイグの息子が己の首を取りに来たと言うのは明白。
チャールズ同様、理由は聞かないと宣するダンクラードに口元が複雑そうに歪んだ。
二人共分かっているのだ、我らの道は交わらぬ、と]
[それが今でも尚、もどかしい]
「…首が欲しくば力尽くで来い」
[かつて己がそうしたように]
[己の力で掴み取ったように]
[その手で掴みに来い、と]
[年を経て、体力の衰えは感じていた。
それに加えて脇腹の傷、長らくは持つまい。
だが、己の信念を護るため、長剣を握り振るうことだけは諦めなかった]
[数度打ち合わぬ内に馬上の影は地へと落ちる。
それを見た近臣の兵が撤退の号を上げた。
正規兵は散り散りに逃げ、独立解放軍は鬨の声を上げる]
[アルブレヒトの手から零れた長剣だけが、敵兵の只中でその声を聞いていた**]
/*
エディとは州都に居る時期がずれてるんだよなぁ。
でも元軍医との話は小耳に挟んでおきたいかも。
ラモーラルの民は州都の人間だけじゃない、と言う認識が欲しい。
/*
ディーン兄ィのお迎えが嬉しいね。
カークも色々拾ってくれてありがとう!!
幼少時の縁というのはうれしい。
こちらの陣営はあとはサシャだけど、まだいらしてないね。
彼女との立ち位置はどうなるかな。
遊牧民と森の民、よき隣人だったのかその逆か、さて。
/*
そういや、ディーンの身分は最初から知られていたのか、それとも途中まで隠していたのか、どちらだろう?
■やること
・一族顔合わせと取り纏め
・義父絡みはサクッと出した方が良さそ
・何か小難しいこと考える
エディ、もっとざっくばらんに生きる心算が
思ったより通常進行蒼さんになってしまった感じがしていてね
ちょい真面目路線ェ… まだプロローグなのよ!
―クリーク砦:現在―
[戦争というものは、マーティンは実はあまり好きではない。
戦うことは好きだが、喧嘩のように感情の儘に拳を振るえば、それで良いという訳ではない。
例え相手を倒したとしても、それがイコール勝利ではないからだ。
その裏には情勢をうまく握るべく、駆け引きがある。]
んま、そういう小難しい戦略を練るのは、若や兄者の役割だしの。
[いつだったか、チャールズから「お前の戦いには考えが無さすぎる」と説教を喰らったとき、そんな本音を零したことがある。
チャールズはそれを聞いてどう思ったのだろう。怒ったか。呆れたか。
いずれにせよ、脳筋であるこのクマがこうして副将を務められるのは、ひとえにディークであったりチャールズのお陰であったりする。
今回も来るべき全面戦争に向けてクリーク砦は準備で大忙しだというのに、この副将はそこそこ暇を持て余していた。
先の戦いにより付いてしまった、汚れや傷を落とすべく、マーティンは自慢の斧を担いで砦を闊歩していた。]
お、エディじゃねぇか。
よぉ、お前さんもなかなか良い戦いっぷりだったなぁ。
結構結構!
[春に芽吹く若葉のような、萌黄色の髪を見かけたのはそんな時だった。
副将はよく通る声で、青年の愛称を呼んだ。彼は気が付いただろうか。もし気が付かないならば、また砦のなかをぶらぶらと闊歩するだけである。
>>131 先日、久しぶりに彼と再会したとき、妙に畏まった挨拶を受けて、逆に此方が照れ臭くなったくらいだ。
「面倒臭え!固ェこと言うなよ!」と、クマのような手でわしゃわしゃと頭を撫でたのは、ついこの前。
エドルファスと再会を喜ぶのも束の間、すぐに辺境伯戦となり、ゆっくり話す機会はあまり無かったのである。//]
13人目、熊殺しの森の民 サシャ が参加しました。
熊殺しの森の民 サシャは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 決起の日(回想) ―
[静けさだけは変わらないが、寒さを感じるのに、肌がひりつくようにも感じる不思議な夜だった。
>>83行こう、その声にまるで応えたように僅かに頷き、掲げた手が振り下ろされると同時、300人の内の一人、サシャ・カリュオンは解放軍盟主の後を静かに追う。
時折胸の上に在る物に手を当て、逸りそうになる心を抑え込むのは、ここで急いて事を仕損じる事を恐れる為。
だがその心に渦巻く物は、その大きさは様々ながら同じ所を見ているのだと、サシャもまた信じていた。
(取り戻す、否――「変えてみせる」)
奇妙ともいえる一体感は、音の無い世界に住むサシャにとっては非常に心地が良かった。]
[数年前、まだ成人を迎えるより早く「熊殺し」の号を得たサシャにとって、音もなく駆ける事は難しくない。選りすぐられた同胞と共に、砦へと肉薄し歩哨をやり過ごす。得られた情報が正確なのは、知り得ている為、サシャも緊張は抱えながらも安心もしていた。]
リィグ
[随分進んだ頃、サシャは音量に注意し、なるべく小さい声のつもりで盟主の名を呼んだ。
本当ならディーク、あるいは盟主と呼ばねばならないのだろうが、耳が聞こえないため発音に難のあるサシャには難しく短くなりそれが普通となった。
そうして、遠くの見張りを指し示す。殺すか?の意を込めて見上げると返る仕草>>84に、流れるように矢を番えそして―――放った。]
[空気を割く音は僅か。声を封じる為にと迷う事なく喉を潰すと、壁にとりついた仲間の後を追いサシャもまた壁を登る。
上方を支配出来れば、弓の優位性は俄然と高くなる。
扉を開ける先陣らを補佐するように、壁の一番高い所を抑え片膝をつくと、頭上から味方の足を止めぬよう、当てぬように注意しながら矢の雨を降らせた。]
ッ、はい ご!
[それを知ってか途中、壁を登ってか近づいてきた兵は蹴り落としながら、砦が鎮圧されるのをサシャも待つ。
それは長い様で、短い時分の出来事だった。]
[やがて敵の動きは鈍り、逆に味方の足は早まる。
走り回り告げられる声は聞こえずとも、その熱を感じる事はサシャにも出来る。
クリーク砦の占領は成功した。そう確信すると肩の力は抜け弓は背に戻し、安堵の息を落とす。]
(あぁ、これでまた少し近づいた)
[産まれて間も無く壊れた耳には届かぬ音を、肌に感じられるようフードを取り顔を晒す。赤く長い髪ごと身を翻すと、胸には森民の者には似つかわしくない、古く錆ついた十字が後追い揺れていた*]
/*
肩書決めてたら熊さんが居たわけですが(
変更考えつつももういっか!で押し通しちゃったt_nukeですこんばんは。
回想が長いのでとりあえず入村だけして残りはもうちょい練ってから落とします…
しかしさすが休日ログ伸びが早い。
平日組には大変でs
/*
指さし確認。
>あなたは村人を希望しています。ただし、希望した通りの能力者になれるとは限りません。
役職ミス超怖い。
― 回想/10年前 ―
[少年から声が返る>>124のを聞いて、オクタヴィアスはホッとした。
見たところ、怪我らしい怪我は転んだ時に擦りむいたらしい部分だけのよう]
叱られる?
[少年からの言葉にオクタヴィアスは不思議そうに瞬いた。
辺境伯嫡子となって数年経つものの、自分が辺境伯の子であるという自覚はどこか、薄い。
父が辺境伯となった直後など、辺境伯嫡子と言う扱いに戸惑っていたくらいだ]
[自身のことを、元気が良すぎただけだ、と言い切る少年>>125に少し呆けた表情をした後]
大丈夫なら良かった。
気をつけなきゃダメだよ。
[当たり屋、の意味が良く分からなかったため、彼がわざと飛び出したとは気付けず。
飛び出した時の表情も、反対側に何かあったのだと、そんな思考をして、注意を促すに留まった]
[それ以上の会話は無く、オクタヴィアスは馬車に乗りその場を去る。
同じ年頃であると感じたため、また会えると良いなと思ったが、その機会はほとんど得られずに終わった]
― 回想/9年前 ―
[彼の少年とは会えぬまま、オクタヴィアスはラモーラルを離れることとなった。
親しき者達と離れるのは寂しかったが、ウェストマール王都へと向かう意味を考えれば致し方ないとも思う。
王都へと移り住み、数ヶ月も経てば周りにも慣れたが、自身に関する噂も耳にするようになった]
…うん?
あぁ、人質に意味合いは確かにあるよ。
不自由じゃないかって?
私はそうは思わないよ。
こうして色々なことを学ばせてもらえるし……
何より、私がここに居ることでラモーラルの人達が
平穏に暮らせるんだから。
不満なんて何もない。
父も、いずれは呼び戻せるようにすると言ってくれてるしね。
だから、今は自分磨きの時なんだと、そう思ってるよ。
[風に散った独り言>>128は知らないけれど、噂についてを問われた時にそう返したことがある。
故郷の人達を想う時もあるが、時折遊びに来てくれる人もいたし、友とは心が繋がっていた。
寂しさは彼らが埋めてくれる。
自由ではなかったけれど、不自由とも思わなかった]
[己を遠くから見詰める者>>129には気付けなかった。以前も、今も。
それはそれだけ彼の変装技術や潜む能力が高いことを示す]
[ラモーラルへと戻る ───]
[父が切欠ではあるが、それは望んだ形ではなく。
待ち受けるのは恐らく、己にとって最大の壁であり]
[── 父の、仇]
[こんな日がいつか来るのではと思っていた。
来なければいいとも思っていた]
[─── その願いはもう、叶わない*]
―タンポポの話―
[マーティンがこの話をするたびに人々には驚かれるのだが、実はこのクマにもちゃんと家庭があるという事だ。
妻はシンシア・グリズリー。今でこそ旦那を尻に敷くような、クマをも恐れない勝気な妻となったが、その昔は可憐で花のような女性だったのだ。
その昔、いつものようにラモーラルの都へマーティンが飲みに出掛けた帰り道、それを見かけた。
路地裏へ連れ込もうとする複数人の男性と、その中心に居る、花のような小さな女性を。
女性は明らかに嫌がっている様子だった。
柄の悪そうな男たちをあしらおうと抵抗するが、その力及ばず、どんどんと暗い所へ連れ込まれようとしている。]
おいおい。待たねぇか、てめぇら。
よってたかって、みっともねェなぁ?
[深く考える前に、先にそう言っていた。
自慢の斧はない、手にしているのは発泡酒の空きビンだけ。
それでもマーティンに不安は無い。
気分を害した男たちがマーティンに襲いかかるが、それを瓶と拳ひとつで跳ね除けた。
それでも多勢に無勢、倒し損ねたゴロツキの一人に顔を傷つけられた。
元々から不細工な顔だ、今更傷のひとつやふたつ増えたところで気にすることはなかった。
しかし、当時シンシアはひどく気に病み、その後、何度もマーティンに会っては傷の手当てをしてくれたものだ。
それが、シンシアとマーティンとの出会いだった。]
[息子、カーク・マーティンは母によく似ている。
顔つきも母譲りの秀麗なもの、髪色も母譲りの明るい栗毛色。
体格も母によく似ていて、決して小柄という訳ではないが、マーティンに比べたら細いものである。
しかし、カークは父によく懐いていた。
幼い頃はマーティンの歩くところ歩くところ、よく付いてきて、武術などを盗み見していたものだ。
実際、マーティンが山賊していたときも、幼い一人息子はそれを見ていた。父親が決して良いことをしている訳ではないことは、幼い頭でも充分に解っていただろう。
「ママには内緒にしといてくれや」
帰り際、盗んだ金でお菓子を買ってやり、それを口止め料としていたのは父と息子だけの秘密である。]
[息子、カーク・グリズリーは母によく似ている。
顔つきも母譲りの秀麗なもの、髪色も母譲りの明るい栗毛色。
体格も母によく似ていて、決して小柄という訳ではないが、マーティンに比べたら細いものである。
しかし、カークは父によく懐いていた。
幼い頃はマーティンの歩くところ歩くところ、よく付いてきて、武術などを盗み見していたものだ。
実際、マーティンが山賊していたときも、幼い一人息子はそれを見ていた。父親が決して良いことをしている訳ではないことは、幼い頭でも充分に解っていただろう。
「ママには内緒にしといてくれや」
帰り際、盗んだ金でお菓子を買ってやり、それを口止め料としていたのは父と息子だけの秘密である。]
アイツぁ、今頃何してンのかねぇ。
[>>95 ぶらぶらと闊歩している最中、カークからの荷物を受け取った。
随分と重いその荷物を開けると、中身は大量の絵具とテレピン油だった。「どうせなら酒を送ってくれよ」と内心溜め息を付いたのはここだけの話。
カークは戦い方も、父には似なかった。
父親とは違い、頭がよく回り、力不足はその技量で補うという戦い方を好む。
>>78 義兄から教わったという、尾行や変装の技術などを駆使し、今は諜報員のような役割を務めている。]
おい、これらを倉庫に運んどいてくれや。
[息子からの荷物を下士官に運ぶよう伝え、マーティンは再び砦内を歩き始めた。(→>>137>>138へ)*]
― 回想・8年前 ―
[オクタヴィアスと面識を得たのはそれより1年前に遡る頃。
現在はウェストマール王国への恭順が認められ、上屋敷の護衛にウェストマール軍は存在していない。
だが、当時はオクタヴィアスの護衛――実質には見張りとして、王国側からも一部兵を置かれていて、自身が隊長として上屋敷へ配属となったことがきっかけだった]
『オクタヴィアス様。初めてお目にかかります。
ウェストマール王国軍隊長マルコ・クロイツともうします。
本日付けで、あなた様の護衛としてこの屋敷に兵の配備が決定いたしまして、そちらの隊の指揮をとらせていただきます。
以後お見知り置きを』
[感情を込めない儀礼的な声。
彼が望んでその立場に立ったのではないと知りつつも、見つめる視線は冷ややかだった]
[そうして任務の一環として、オクタヴィアスと接するようになって1年後。
オクタヴィアスに、思いもよらないお願いを持ちかけられた>>112]
……体術、ですか?
なぜ、私にそれを?
[頭の中は疑問でいっぱいになりながらも、真剣な表情で頭を下げるオクタヴィアスに一言で駄目だと突っぱねるのは躊躇われる。
それに一度くらい稽古をつけてやって、それから筋がないことを理由に断ればすぐに諦めもつくだろう。
そんな目論見で、一度だけのつもりで]
……まあ、いいでしょう。
ですが、厳しいですよ?
[その時もやはり、感情を込めない儀礼的な声で告げた]
/*
昔は見張りがいたという設定まずかったらすまない、と今のうちから灰に埋める。
これ以外にお知り合いになる切欠が思いつかなくて(幅がせまい)
/*
手が足りないwww
[よし全部返したチャールズの分!→お返事きたーーー]
[と言うのを何度か繰り返している]
― ズワンズ谷近く ―
[先遣隊はズワンズ谷の隘路へと馬の歩を進める]
『右前方、伏兵はない模様』
『同じく後方から斬りかかられる様子もないようだ』
同行する傭兵たちからの報告が飛び交う。
崖の上に少数の兵が潜んでいる可能性も考えたが、崖の上から小石の破片が落ちてくる様子も今のところはない。
つまり見逃しがなければ、仕掛けや伏兵の様子はないようだ]
敵側もさすがにそこまでの余裕が無いか。
……さもなくば、小細工など弄せずに堂々と迎え撃つという気概のあらわれかもな。
― 回想/8年前 ―
[出逢った当初の彼はとても軍人らしい立ち振る舞いでオクタヴィアスに対していた>>152。
彼が自分へ向ける視線は冷ややかだったけれど、蔑むような気配は無い。
壁を一つ隔てている、そんな風に感じていた]
[私情を挟まないのは軍人として優秀であると言えよう。
声は常に儀礼的なもの。
だからこそ、”彼自身”を知りたくなった。
それが師事を願った経緯の一つ]
えっと…隊を率いてる貴方ならきっと教えるのも上手だろうし。
守護隊の人達だと「そんなことせずとも良い」って止められてしまうから。
その点、貴方なら私を特別視しないでいてくれるでしょう?
[問い>>153に答えるために顔を上げ、少し緊張気味にしながら言葉を紡いだ。
私情を挟まない様子を特別視しないと言う形に結びつけ、相手の反応を窺う]
きちんと、身につけたいんです。
自分と、周りを護れるように。
[そう口にする時は、緊張よりも真剣味が上回った]
マーティンさんの戦いぶりも見ていた。
豪腕一振りで周りの兵が薙ぎ倒されるなんて、あんなの早々見られるものじゃないから、思わずそっちに気が行って手が止まったくらい。
そのうち野稽古でも付けてください。
[先日の再会で、マーティンは変らぬ笑顔でエドルファスを迎え、
大きな手は子供の頃のように髪をわやくちゃに乱した。
大人に対して何をするのかと抗議の声を上げたのは口先だけ、大きく温かなそれは心地よくて、されるに任せたのだった。
その手の感触はごく僅かに年を重ねたことを感じさせはしたが、まだまだマーティンは若く働き盛り。休ませはしないよと、戦の合間の口約束を取り付ける。
ディーンの補佐でそれどころではないのが実情だろうが、言うだけタダだ。]
[そんなやり取りの先、承諾を得られると屈託無い笑みを浮かべて]
あ、ありがとうございます!
剣は一応、扱えるのだけど、使わずに済む方法を学びたくて。
あっ、厳しいのは、当然。
頑張ります!
[体術を学びたいと請う理由の一端も口にしながら、もう一度頭を下げる。
喜びのあまり返答が色々と前後しているのは、まだ子供である表れでもあった]
― 回想・ある日森の中 ―
[過去、ディーンに伴われ森へ向かったことがある。>>107
マーチェス平原に隣接するキュベルドンの森は当然のように遊び場であったが、クマ退治をすると言われたのは後にも先にもただ一度きりで、馬上で何度も兄貴分に問うたものだ。]
「ねえ、ディー兄ィ。クマって、あの熊?」
[森の王者、森林生態系の頂点に立つ生き物を思い浮かべ、
エドルファスは表情にありありと疑問を浮かべる。
ディーンの武器は両腰の山刀だけ。自分はダガーに布の服。
こんな装備で大丈夫か? 否、子供だけで大丈夫か?
かくして、花咲く森の道もとい森の橋で出会った熊は、
堂々とした巨躯を誇り聳え立っていた。]
「クマ。クマって……人間じゃないか。
あっ、ちょっと、ディー兄!?」
[預けられた手綱を放すことも出来ず、
物怖じせず男の足元まで歩いてゆくディーンの背に声を投げる。
金品置いてゆけと笑うクマの顔と兄貴分とを交互に見る。
大振りの斧のぶんと風切る音が耳につく。
――「どちらかと言えばあの時って、喰いに言ったのは兄さんの方だったな」と笑い話に出来るようになったのは、それから少し後になる。*]
[彼らと親しく交流を持つようになってからは、
熊ことマーティンは「カークの親父さん」として認識され。
身近な大人であったチャールズもまた、「ディーンの親父さん」であった。
少なくともディーンが出自を明かすまではそのように思い込んでいたし、二人の間に血縁のないことを聞いた後も、大きく認識を改めたりはしなかった。
父無きエドルファスにとって「父親」は概念でしか知らず、
概念としての父親像は時に優しく時に厳しく庇護と愛とを与える者であり、彼らは正しくそれに合致して見えていたのだ。*]
[義父との出会いは6年も昔に遡る。
まだ草原に暮らしていたある日、酷い熱病に罹り生死の境を彷徨った。
彼方此方遊びまわっていた所為で、
草木の毒か虫の媒介する厄介な病原菌でも拾ったのだろう。
一族に伝わる薬草や民間療法ではどうにもならぬ、と、
平原を縦断し州都への帰路の途にあったラモーラル軍兵に同胞たちが助けを求め、その中に軍医が居たらしい。
らしい、というのは、熱に浮かされて記憶は途切れ途切れで、
目を覚ました時には州都の診療所で治療を受けていたからだ。
診てくれていた軍医は、人好きのする笑顔が印象的な
口髭を蓄えた初老の男性だった。]
[物心付く頃には両親は他界していた。
けれど寂しくはなかった。自身の属する民は懐広く、子は皆の子として皆、大人たちの柔らかな眼差しの中で育てられたものだ。
けれど、定年間際だというその軍医は妻を早くに亡くし子も居ないと言う。すっかり快復し見慣れぬ環境に興味を示し始めた14歳の少年に、良ければ養子にならないかと持ちかけたその人の瞳は明るさの裏に寂しさを湛えているようであったから。
共に暮らすことで恩返しの一部になるならばと、それを受けることにした。
まずは学業からと、一定の学業を修めた。友人も出来た。
軍人の道を歩むことへは首を振ったが、身体を動かすのは悪くないと、養父の伝手から武器の修練場を紹介して貰いもして。
ディーンやカークらの間で覚えた、子供同士の剣士遊び程度だった剣も、正規訓練を受けた軍人とまでは行かずともある程度渡り合えるであろうほどには身に付けることが出来ている。]
[―――そのように6年もの間、多くを与えてくれた義父も、
昨年の暮れに息を引き取ってしまったのだが。
多くの人の生命を援け敬愛を受けたその人の、
義理とはいえど『息子』として看取ることが出来たのはきっと、
大変に幸運なことであったのだと思う。]
[この身に宿る血は平原を渡る流浪の民の血。
ゆえに、心の底からは新たな地に馴染み切れなかったこと。
国の構造を学び識る度に、その在り方への思索に没頭し、
成長と共に募る違和感と焦燥を捨て去ることが出来ずにいたことを。
義父は何も言わずともそのまま見抜いていて。
「思うままに生きろ」と今際の淵で聞き取った言葉、
遺言になってしまったそれすらも、恐らくはずっと以前より、
自分への餞として用意してくれていたのだろう。]
[血を受け継いだはずの父の顔を知らぬ己にとって、
過ごした時間は短くとも、彼は確かに『父親』であり。
時に優しく時に厳しく庇護と愛とを与えてくれた者であり。
だから、せめて。
この身平原に帰れども。
伝えきれるはずもない義父への感謝と、
一時でも彼の息子で在ることが出来た誇りのために、
ハーウェンの姓を名乗り続けると決めたのだ。**]
[クロイツが投げたのは他意のなさそうな助言だった。>>155]
こりゃどうも、ご親切に。
しっかし、戦とはねえ… 商売あがったりですわ。
早く元通りになるとよござんすね。
もし隊長さん、
差しつかえなかったら、名前を教えておくんなさい。
この後、本隊が来るんですやろ。
いちいち引き留められるより、隊長さんから聞いてます、と言えば話が早い。
ご親切の御礼と言っちゃなんだが、この菓子をどうぞ。
[なんの細工もない干菓子を差し出す。
昔、親父が口止めに、強奪した金銭で菓子を購ってくれたことを懐かしく思い出しつつ。>>150 *]
― マーチェス平原(回想) ―
[かつては見上げても届かなかった壁は、
今は地に倒れて見下ろすばかりとなっていた。>>136
感慨は湧かなかった。
喜びも、哀しさも。
記憶だけが、ひとつ重みを重ねる。
近臣の兵が決死の表情で辺境伯の遺体を確保し、運んでいく。
追いかけようとする兵は止めた。
辺境伯は討った。その事実だけあればいい。
ただ───]
[馬を下りて、長剣を拾う。
濃い緑色の風信子石を柄頭に戴いた上等な剣だ。
輝度の高い宝石を透かして見れば、かつての宰相の貌と、もう一つの面影が浮かび上がる。
父親とともに城へ来ているのを時折見かけた少年。
彼とは、よく遊んだ。
剣術試合の真似事もしたし、もっと子供らしい他愛のない遊びもした。年上の銀髪の少年が一緒にいた時は、やはり一緒になって走り回った。
未来に影のひとつも無かったころの、無垢な記憶だ。]
来るか?
[面影の彼に問いかける。
来る気がした。理由はない。
ただ単に、確信した。]
― 回想・10年前 ―
[王宮を出たあとも、一度オクタヴィアスとは会ったことがある。
いつものように馬で遠出をして、少しばかり州都に近づきすぎた。
そんな折だ。
遠目で見かけた彼は、やはり彼のままで、
5年も経っているのに、変わってないなあとばかり思ったのだった。]*
― 回想/16年前・流離い人が止まった経緯 ―
[物心ついた時には、既に旅路の中にあった。
何故旅をしているのか、どこへ向かっているのか、その説明は一度もされた事がなかった。
一か所に留まる事なく、彷徨い続ける流離い人。
ラモーラルに立ち寄ったのはほんの偶然だったが。
その偶然に、不運が幾つか重なった。
旅暮らしに必要なものが不足していたとか、そもそも路銀が危うくなっていたとか。
そんな状態の時に、自分が旅の疲れから熱を出して動けなくなってしまったのだ。
そうでなくても初めて足を踏み入れた土地、頼る宛もなく。
兎にも角にも、医術の心得のある者はどこか、と尋ね歩いていた父に声をかけてくれたのが、当時宰相だったノイヤー卿だった]
[その時、父と彼の人の間にどんな言葉が交わされたのかは覚えていない。
何せこちらは、高熱で色々と遠い世界を彷徨っていたから。
いずれにせよ、この出会いによって自分は一命を取り留め、父はその恩を返すために、と宰相の元に留まる事を決めた]
「……命の恩には、命を持って返す。
それが、セイガの一族のしきたりだ」
[その『一族』は、自分たちしかいないらしいが。
それが、父・リカルド・フォラータの口癖だった。
幾度となく聞かされていた事もあり、自分もそれに従うのが自然だと思った。
だからこそ、父が死した後もこの地に留まり、受け継いだ太刀の力を持ってこの地を護るという道を選んだ]
[……もっとも、そうした理由の内には、年下の幼馴染の存在も大きかったのだが]
― 交戦中/マーチェス平原 ―
あああああ、もうっ!
ちょいとばかし、掻きまわされ過ぎだろ、これっ!
[型破りな動きに翻弄され、隊を乱す正規軍。
その様子に、苛立ちを込めた声が上がったのは赦されろ。
正規軍で型通りのあれこれは習いはしたが、青年の内には父から教えられた実戦でのあれこれが積み重なっている。
だからこそ、彼の率いる隊は比較的立ち直りが早かったのだが]
……ちっ……こんなんじゃ、一度離れて立て直し、ってのもきついか。
とりあえず、伯と合流して……。
[そこから、何とか立て直しを、と。
思い視線を巡らせた先に、見えたのは対峙する者たちの姿。>>54]
……あれは……。
[一方は、主君と仰ぐ者。
もう一方には……微かに、覚えがある。
未だ少年の時分に幾度か見かける機会もあったか。
漂う空気の厳しさは、次に起こり得る事態を容易く予想させて]
……アルブレヒト様!
[お守りしなければ、と。
そんな思いから、そちらへ向けて駆けだそうとする。
その眼前に、立ちはだかった者がいた]
……勝手言ってんじゃねぇよ。
[行かせねぇ、という宣。>>55
そこに込められるものは感じている、けれど]
こっちにゃ、行かなきゃならねぇ理由があるんだよ!
[譲れぬものがあるのはこちらも同じ、と。
腰に佩いた白鞘から、愛用の太刀を抜刀した。*]
― 現在/ベルサリス修道院跡 ―
[──結果として、壁を抜く事はできず、主と慕った人の最期にも間に合わず。
それでも、激情は抑え込み、友へと伝えるべき言葉を投げて。
怒鳴り声で混乱を鎮めつつ、一先ず、拠点と定めたベルサリス修道院跡へと帰還した]
……結構、削られたな……ま、あれだけ引っ掻き回されて、よくぞこれだけ残った……とも、いうか。
[最初の半分以下だなあ、と。
1000近くまで減ったという兵数に、は、とため息を零した]
馬が300、歩きが……大体500で、弩が200ってとこね。
さて、これでどこまでやれっかなぁ……。
[向こうの規模はまだ把握できていない。
しかし、どれだけ差があろうと、これで護らなければならないのだから、との割り切りはついている]
……任せろって言っちまったしな。
全力尽くしていくしかねーか。
[だからこそ、口にする言葉はいつもと同じく、軽い口調。*]
/*
( ゚д゚)どこから手をつけたらいいものやら……
っていう顔。うん。
そしてマーティンのログが正視できなかった、このやろう。このwwwやろうwwww覚えていろよ。
―クリーク砦:現在―
えっ、実践初めてだったのか?!
[>>156 エドルファスの告白にマーティンは目を丸くした。]
初めてにしちゃ上出来よ。
儂ァ、てっきり手練れかと思ったぜ。
[先の戦いでの彼の働きは、副将の目から見ても、見事なものだった。
ブロードソードを駆使し、敵を鮮やかに切り裂く姿は、美しかった。
視界の外からの攻撃に対しても鮮やかに身を翻し、剣を躊躇いもなく抜いたときには、その力量の確かさを思い知ったものだ。
軽鎧を外す様子を見やりながら、そんな風に賛辞を送った。]
[む、と眉根を寄せる。
行商人は急ぐともなんとも口にはしないが、引き返す気もなさそうである>>171
だが、こちらとて何がなんでも戻れと強制的に連行するほどの理由もない。
むしろこの如才のなさなら、少なくとも砦で捕まり酷い目にあうこともなさそうだ。そう判断し]
俺の名はマルコ・クロイツ。
望むのならあなたを保護もしようが……。
仕方ない。戻る気がないのなら重々気をつけて。
[さすがに砦まで保護するわけにはいかない。
今、優先すべきなのは彼の身柄の保護ではないのだから]
ああ、ありがとう。
遠慮無く受け取っておこう。
[素直に礼を述べると、行商人から干菓子を受け取った]
[>>159 続く、エドルファスの言葉にはがっはっはと豪快に笑う。]
おいおい、戦いの最中に手ェ止めちゃ不味いぜ?
[半ば冗談だろうけれども、その言葉を窘めるように肩をぽん、と叩いた。
真っ直ぐな称賛に対しての、照れ隠しのようなものでもある。
マーティンとしては軽く小突いた程度だったけれども、しかし、力加減を抑えられたかどうかは知らない。]
おう、野稽古でも何でも教えてやらァ。
何なら、カークも一緒に誘うと良い。
[稽古の約束には、勿論と頷く。
序に、エドルファスが息子と親しかったことを思い出し(>>162)、そんな事もひとつ付け足す。
>>79 多少は老いた身といえど、まだまだ息子に負ける気はしていない。その昔、ディーンやチャールズ達とともに稽古した日々を懐かしく思う。]
エディもこれから州都に向かうンか?
[>>25 盟主へと仰いだ指示はその後どうなったのか。
副将はその成り行きを知らない。
質問の形で投げかけられた言葉ではあったが、この青年も当然出征に行くのだろうと。
ある程度の確信を持って、副将は彼に尋ねた。//]
― 現在:クリーク砦 ―
[少し無理な体勢で寝たせいで残っていた眠気も、マーティンの大きな手に叩かれて>>56どこかへ吹き飛んでいた。
相変わらず痛いが、起き抜けの眠気覚ましにはちょうどいい。]
飲んでる途中だったか?
皆には悪いが、時間が惜しい。
[一生付いていく>>57と語る彼を見上げて、頼りにしていると太い腕を叩く。]
マルコ・クロイツ隊長さんでんな、おおきに。
いやいや、ご面倒はおかけしませんて。
ただ、この先に行かれへんなら、兵隊さん相手に、荷を売り捌けたら上等やなと。
[正規兵らしい実直さで名前と保護を口にするクロイツの申し出を丁重に断り、ラバの首を王都方向へ向ける。]
戦は、長引きますかね?
[商売への影響を心配する口調で尋ねてみる。
短期でケリをつける自信や策はあるのか、反応を伺うために。]
/*
おまけ!(*ノノ)
なんだよ、私だけダンとカークを認識してないじゃないかwww
[しない方がおいしいとも言う]
― クリーク砦 ―
ディー兄でいい。
くすぐったい。
[出立の準備の合間、近づいてきたエディが固い口調で呼びかけてくる。>>25
それを一蹴したあと、申し出には即座に頷いた。]
ありがたい。
州都での知識、生かしてくれ。
[止めてもついてくるだろうな、という予感はあったが、こちらにも断る理由はなかった。
危険は承知の上だろうから、言うべきことはなにもない。
"役に立てるようになって">>19戻ってきてくれたのだということを、疑いはしなかった。]
― 回想/争乱以前 ―
[オクタヴィアスは幼い頃からラモーラル外から来た者達と縁を持つことが多かった。
まだ言葉を発せぬ幼い時には遠縁の青年が。
物心ついた時には幼馴染となる異国の少年が。
それぞれが傍に在り、ラモーラル外の話もよく聞いた。
そんな経緯もあり、ラモーラルにウェストマールの技術や文化が流入するのにも抵抗は無く、留学にも否を示さず進んで移住した過去を持つ]
[ただ、近しいが故に小さなコンプレックスを抱いた時もあった。
そんな時に駆け込んだのが、父の同僚でもあったチャールズの下]
ふぉすたーさん、ぼくにぶじゅつおしえて!
[ダンクラードが父の足元に纏わりついていたのと同じように、オクタヴィアスもチャールズの下に駆け込んで、相手の服を握り込んだりしていた。
同じ武人であればコリドラスや他の将軍も居たのだが、彼らは前線に出ていることも多く、良く見かけたのはチャールズだったのである]
こっそりじょうたつして、
ダンとダフィにいさまとテッドをおどろかせてやるの!
[歳近い者達は皆自分より年上。
運動神経を比べるとどうしても勝てる要素がなかった。
それでも並び立ちたいと思い、子供ながらに真剣な表情でチャールズに訴えかける]
[結果、チャールズに時間がある時だけ、基礎的なものを教えてもらうことになった。
早く上達したいと訴えると、基礎の重要性を諭されたりもして。
父が件の争乱を引き起こすまでの間、チャールズから基礎を重点的に学ぶに至る]
[その時の教えはオクタヴィアスが武芸を学ぶ時の基礎として今でも根付いていた*]
/*
WWwwWWWWwwww
オクタヴィアスの律儀さに感銘を覚え続けているよ!!!
wwwwwwマジ律儀でいらっしゃる、すげえ。
/*
さて、回想まだまだ考えんとな。
最初の布陣なー、防衛陣なー……。
てかこっちの方が兵力少ないって、素敵に背水の陣だよね、最初から!
とかいってたら、なんかかわいいいきものがいるんだが、ぉぃ。
―マーチェス平原:交戦中―
[>>54 チャールズが敵将へと駆けていく。
その背中を見送りながら、マーティンはその巨躯を敵陣へと向ける。
草原に確りと仁王立ちし、斧を両手で構え、睨みつける姿は樋熊のようだ。]
ほう、
―――……その生意気は儂を倒してから言いな。
[マーティンの後ろ、自由を謳うラモーラルの王国旗がはためく。
大地の緑と空の青、血の赤に塗り分けられた地の上で
[他にも自身に教えを請うた理由は全く思いつきもせず]
では、早速今からでもはじめますか?
[嬉しそうな笑顔にもにこりともせずに、オクタヴィアスにそう提案した。
少年に行った訓練は言葉の通り手加減がなかった。
とにかく身体で覚えろとばかりに、容赦なく投げとばしたり蹴りあげたりと、少年の根性を試すような訓練内容だった]
[盟主や老将のように、国を奪われた訳では無い。
それでも自分を倒し、更生の機会を与えてくれたディーンに一生付いていくと決めたのだ。
その為の、盾になるとも。あの森で誓った。]
奇遇だなァ。
儂も、お前さんを行かせてはならない理由があるのさ。
[>>180 白銀に輝く鞘から、太刀が抜かれる。
よく磨かれた剣に、剣士の精悍な顔が映る。
まだ若い。しかし、強い意志をもった火を灯していた。]
――――……お前さん、名前は?
[大振りの斧を構えながら、マーティンは剣士に尋ねた。]
/*
箱ついた途端に呼び出されて、戻ってきたら、ログの海に溺れかけてるなまものはこちらです。
るがるこええ...
えーっと、クレスの位置どこだー?!
お前さんがあの世に行く前に、
この儂が覚えておいてやるよ。
[これから起こり得る戦闘に、血が湧き上がるのを抑えられなかった。*]
/*
ダン宛>>173 >>175とテッド宛>>176 >>177に返すの追加。ふえるわかめー。
えーと、現在軸はクロイツからの伝令来てからが本番、かな?
ガートルード大丈夫かなー。
必要情報はメモに書いた心算だけども(抜けてたりして
/*
過去クロイツ分も来たぞ…!
こっちが先かな、やり取りだし。
ダン・テッド分は補完的なものになるし、よし。
手が足りぬwww
/*
さて。
砦居残り組はチャールズに投げてもいいものだろうか?
(ちらっ ちらっ )
多分、そこが一番妥当なところだと思うんだ。
きっと死ぬけど。
(ちらちらちらっ)
― 現在・ズワンズ谷 ―
[隊長という風に呼ばれるのは、久々のことだ。>>188
正規兵の隊長であった頃には無論そう呼ばれるのが自然だったのだが、今はただの傭兵だ。
もっとも、今は偵察の傭兵たちを束ねているのだから、隊長でも間違いはないのだ]
安心しろ。そう、長引かせる気はない。
[商売の不安を抱えていそうな行商人には、頼もしい笑顔でそう断言する。
この時、自信や策などを考えていたわけではない。
ただ、護るとの言葉どおり、オクタヴィアスは生まれ育ったこの地を荒れ果てた姿にはしたくはないだろう。
となると、出来るだけ早期の決着に越したことはないし、彼がそう望むなら必ず実現させなければならない。
そう考えての言葉だった]
/*
はっっっ!!
いかん。日付が変わる前に、これだけは言っておかないと。
しゃるさんへ
・*・゚゚゚゚・*・゚゚゚゚・*☆・*
┏‥┓ ∧✿∧
┃誕├┓ (。・ω・。)
┗┬生├┳━〇━〇━┓
┗┬日┃おめでとう┃
┗‥.┻‥.━‥..┛
☆。。。。・*・。。。。・*・。。。。☆
/*
せっかく同村しているんだから、村で言わないとと思っていた。
だがしかし、しゃるさんにこれが届くのは2週間ばかり先のことである。
これからもまたよろしくね。
たくさん遊んでください。
楽しい一年になりますように〜☆
― 回想/友との出会い ―
[高熱からどうにか回復した後、父に連れられ向かったのは恩人の所。
「これから世話になる方だから、挨拶はしっかりな」と。
言われた言葉の意味は、すぐにはわからなかった。
いつものように、すぐに発つものと思いこんでいたから。
ともあれ、対面した宰相に名と、助けてくれた事への感謝をややたどたどしく伝えた後。
その息子だという少年と対面した]
[物心ついた時には旅の空にあった少年は、同じ年頃の子供たちよりも体格はよく、力も強かった。
身長も同世代の中では抜きん出ている方だった。
そのせいか、引き合わされた少年は自分よりもずっと小さく見えてしまい、結果]
(……ちっちぇーなー)
[無意識、浮かんだのはそんな言葉。
それが他者に届く可能性などは、その時には全く思いも寄らぬまま。*]
― マーチェス平原 ―
冗談じゃないから、当然でしょ。
[ 冗談だとしても、というクレステッドに>>35含み笑いと共に声を返す ]
反乱軍の盟主は前ラモーラル候の遺児だ。
出世の目の無い下士官あたりからは旧主に靡く兵も出ると覚悟しろよ。
砦の兵の中にも、既に向こうに取り込まれた奴らもいるだろう。
[ 昨日の友が今日の敵、そんな現実が目の前で起きている、それがこの戦場である、と、そう言って ]
ま、やる事はひとつってのは、同意だけどな。
[ 新たな主となるべき青年が、程なくこの地に戻る。
そう確信する口調で周囲を鼓舞するクレステッドの姿に目を細め、自身は、騎馬の尻に鞭をあてた ]
砦の様子を見て来る!
[ 宣一つ置いて、返事も許可も待つ事無く駆け出す馬に、20騎ばかりの騎兵が自然に着いてきた。彼が率いる小隊は、隊長の気紛れな動きには、もうすっかり慣れっこだったのだ。そう、15年前の、あの日から、それはずっと変わらぬまま ]
ああ、是非ともそうしたいものだ。
[最後の雑談のように、行商人にそう返事をする。
もっとも、残念ながらそんな女性はいない。
いるにはいたが――軍をやめて傭兵になった時点で、破談になるのは致し方がないことであった。
と、移動を開始する行商人を見送ろうとして]
ん?そっちへ行くのか?
[行商人は砦方面に行くのだと思っていたが、王都方面へ引き返すつもりなのだろうか]
そっちに行くなら護衛をつけてやるぞ。
[その護衛役に本隊への連絡も兼ねてもらおうと考えていた]
― 回想/8年前 ―
はいっ、お願いします!
[早速、と言う提案>>195に、一も二もなく頷いて、着替えの時間だけを貰って直ぐにクロイツの前に立った]
[彼の訓練は言葉通りのもので、まるで軍式の訓練をそのまま受けているかのようだった。
傍から見れば一方的に投げられたり蹴られたりしている様相。
侍女らが見れば悲鳴が上がるような光景だ]
ぐっ…!!
[投げ飛ばされて、背中を強かに打つ。
肺から空気が全て出るような感覚を覚え、何度か咳き込んだ後に立ち上がった]
まだまだっ!!
[全く呼吸が乱れていないように見えるクロイツに対し、肩で息をしながら再び立ち向かっていく。
背中どころか全身が痛い。
今は分かり辛くとも、打撲の箇所は回を増すごとに増えていった]
[クロイツの訓練方法にはやはり壁のような、突き放すようなものを感じる。
これまでは身近な者達に教えを乞うて来た。
言わば、最初から懐に入った状態で鍛錬して来たと言える。
そこに手加減と言うものは無かったにしても、それらとは異なるものを感じていた]
せぇい!
[それを感じてから、ただ向かって行くのではなく、クロイツの懐に入ることを狙うようになる。
心理的に迫る前に、物理的に。
そうしようと思ったのは相手から試すような気配を感じ始めたため。
声と共に繰り出したのは、相手の蹴りに合わせた己の蹴り。
まだまだ不完全なそれは当然のように押し負けて、不安定な軸足を滑らせその場で転んだ]
っつぅ…!
もう、一回!
[クロイツを見上げ、立ち上がりながら彼へと右手を伸ばす]
[どうすれば彼を知れる?]
[どうすれば私を知ってもらえる?]
[懐に飛び込めば良い]
[伸ばした右手はクロイツが纏う軍服の胸元を狙っていた]
/*
カークの行動整理すると、
郊外で演説を見る→ズワンズ谷へ先回りっぽいので、砦方面に向かうことに変更になったのかなと思ってたのだが、やっぱり王都方面に向かう?
(当初は王都へ向かうんだろうと思っていた)
すまない、俺がこんがらかってきたのでちょっと整理の為のロールである。
妨害の意図はないんだよー。
― 15年前 ―
俺も一緒に行きます。
[ お前はどうするか、と問われて、瞬時の躊躇いもなく、彼は答えた。
「いいのか?」と、再度の念押しに、はい、と答えて頷く ]
お気遣い感謝します。
確かに俺の父と一族は王国によって滅ぼされた。だが、もう恨みはありません。
[ 王国に与して、ラモーラル候を討つ反乱の徒となることに拘りはない、と、苦悩に満ちた恩人たるひとの瞳を真っすぐに見つめる ]
.........ノイアー伯.........いえ叔父上。
[ 本当は、叔父と呼べるほど近くはない、ほんの僅かの血の縁しかない相手。
けれど、きっと、今この時、彼の心に満ちる葛藤と苦痛を、本当に理解出来るのは自分だけではないか?
そんな風に、思えて ]
この先、誰が、貴方を誹ろうと、俺は決して忘れません。
貴方が真に民とこの地の安寧を願い、ただその為だけに、命を捧げようとしていること。
[ 命懸けで誇りを守る.........それもまた正しき道であるのかもしれない。けれど、その道を選んだ果てに、数多の民の血を流し、滅び去った父の後を、彼は追おうとは思わなかったから** ]
/*
えーと、テッド宛のは寝込んでるところのから返したいな。
纏めていこう。
ダフィ兄様にも投げたいのにくっそwww
[英雄のタスクこわい]
― 交戦中/マーチェス平原 ―
[立ちはだかる壁は、大きい。
斧を構え、仁王立ちになった巨躯の放つ覇気に中てられたか、共にいた兵たちがじり、と後ずさった]
……は。
嬉しくねぇ奇遇だな、そりゃ。
[宣に返された言葉>>196から感じるのは、強い意志。
なんとしても、それを成し遂げんとする決意。
容易く抜ける壁じゃない──改めてそう感じつつ、それでも。
意志の強さで負ける心算は──ない]
……は、そりゃご親切にどうも……とでも言っときゃいいか?
生憎、俺はまだまだ、冥府の川を渡るわけにゃあ行かねぇんでね。
[あの世に行く前に、という言葉>>197にきっぱりと返し、抜いた太刀を右手に提げる]
が、それはそれ、だ。
[だから、と。
言葉と共に一つ息を吐き]
俺は、クレステッド・フォラータ。
命の恩と、友との約がため、この地のために己が
[淀みなく告げるのは、己が名と在り方]
その在り方、違えねぇためにも。
……通らせて、もらうぜっ!
[宣と共に駆け、閃かすは異国の白刃。
──内に抱える焦りと不安が、太刀を鈍らせている事には、気付く余地もなく。*]
― クリーク砦・現在 ―
[独立解放軍。
ラモーラルの独立を勝ち取るべく旗を上げた軍には、様々な人間が加わっていた。
直接の戦闘に加わらない者たちを除けば、おおよそ2500名。
中核となるのは草原の民や森の民などの遊牧民たちで、彼らが1200名ほど。
加えて、15年前の政変の折に共に城を脱出した兵たちや、その後合流したり檄に応じたりした元ラモーラル兵らが800名ほどとなる。
残りの500名ほどは、都市で食い詰めた人間や不満分子、血気盛んな若者たちなど多岐にわたっていた。
遊牧民の多くは弓の使い手であり、投げ槍や狩猟槍の使い手であり、優秀な馬の乗り手でもある。
だが、遊牧民たちが多数の馬を飼っているといえども、軍馬に使える馬となると限られており、全体で200頭ほどがいるのみであった。]
― 回想:8年前 ―
[思えばマーティンらとこうして酒を飲み交わして、もう8年になる。
ディークがエディを連れ、キュベルドンのクマことマーティンを従えて戻ってきて以来のことだ。
そう8年前、クマ退治に男は同行していない。
しそびれた───というよりは、気づいた時には少年らはクマ退治を終えて戻ってきていたというのが正しい。
やって来た豪快なクマを眺めて、男は軽く眉を上げた。
ディークは今は森の民に紛れ暮らすとはいえ、その素性はラモーラルを統べるべき王の血筋だ。
その一党たるに相応しき器たるや否や。
あからさまにそう値踏みする視線は、クマにとって愉快なものであったとは思い難い。]
…… 貴 様、
[手を上げたのは、さてどちらが早かったか。
切欠はささいなこと、山賊の風習そのままに過ごすクマへと男が幾度めかの注意を行った直後のことだ。
面倒だとばかりに投げ捨てられたジョッキ、向かい来る拳に男もまた、拳で応じた。
巨体のクマに比べてみれば、男の身体も些か小さい。
それでも負けじとばかりに拳を交わし、互いに殴りあって如何程か。
幾分ふらついてきた拳を受けながらも返した拳が、クマの腹を捉えたように記憶している。
ぐうと声を上げて倒れた巨体、それが地面に伏したと見る間もなく、重なり合うようにして己も倒れた。
次に互いの顔を見たのは、並べられ横たえられた寝台の上である。]
… …、 …っ
[痣に膨れた顔に笑おうとして、痛みに顔を顰めた。
どうやら唇が切れているらしい。
そう知覚するに続いて、己の顔もまた、同じくらいに膨れていることを知った。
情けないような気分が半分、だが軽く面白さがこみ上げてもくる。
やたらに真っ直ぐに打ち来た拳、それに己は途中から爽快感を覚えてはいなかったか。
それはどこか子どもの頃の喧嘩にも似て、嘘のない気持ち良さを伝え来ていた。
だから自分もそのままに、体術というよりはもっと原始的な殴り合いを彼へ仕掛けた。恐らくそれは、彼にも伝わっていただろう。
殴りあいながらも途中から、どこか楽しむかのような気配が漂ったのは恐らくは気のせいではない。
……もっとも、だからと途中で止めるものでもなかったわけだが。]
…やれやれ、
[とはいえこれでは、ディークに合わせる顔がないな、と。
落とした感慨が傍らへ響くと知るに、時はさしてかからなかった。
僅かに目を見開いて、再び傍らのクマを見遣る。
似たように驚いた顔をそこに見出せば、自然頬が上がった。
すぐに傷が引き攣れて、痛みに顔を顰めて変な笑い顔になる。]
──── 仕方ないな、
[と、告げた声には嬉しげな笑みが滲む。
言葉よりは響きが雄弁に、男の心情を語っていた。
微かに顎を引いて、確かに頷く。]
改めてよろしく頼む、… マーティ。
[名に親しみを篭め響かせて、息を大きく吸い込んだ。
そして続く鈍い痛みに、また笑った───*]
/*
それが自分視点ベストだと思っていても、先方には先方の思惑があるだろうから、命令するのはどきどきするのである。
でもエディは一緒に来るし、マーティンもついてきそうだし、カークやサシャには部隊任せるというわけにもいかないし、
やっぱりチャールズだよなあ。
……ふむ。承った。
儂がその500預かろう。
ウェストマールからの援軍をここに引き止めて進ぜる。
それで構いませんかな?
[言葉の最後、確認は盟主へと向けられた。
そうして黙って目を細める。]
─── 死守はお約束致しかねるが、
[音は兵らに聞かせることなく、ただ二人へと向けてのみ紡がれる。]
―マーチェス平原:交戦中―
ほっほっほっ。
[最後の働きがしたいと直談判して鎮圧軍に加わった経緯で、元将軍は戦場にいた。
受け持つのは右翼にて騎兵80は統制され、唐突に加わり急遽用意された部隊の長は馬上より戦場を見渡し]
みなさん…狩り時ですよ
[型破りな軍の運用は動揺を与えられなければ効果は薄い。そして奇を衒ったものはだいたいにおいて本来の型を見失ってしまったものが多く、少数で動く敵部隊を、一つの生き物のように動く騎馬隊は一撃離脱を繰り返し反乱軍の兵を徐々に削いでいく]
ほっほっほっ。
[馬上より巨体が振り下ろす錘、防ごうと咄嗟に構えた剣ごと叩き壊す破壊力を見せながら、このような戦術をとった理由を探るように視線は幾度も中央へと向けられていた]
/*
チャールズもまじでぃあさんだな。今回は間違えてない、多分。
なんかこう、いろいろふくざつですww出来れば対戦したいけどねーちょっと遠いなあ。
いざという折には、キュベルドンの森へ。
無論、持ち堪える間に州都を陥れて下されば重畳。
お頼み出来ますかな?
[柔らかな笑みが、静かに二人へと向けられた*]
[今、砦から州都へ向けて進発するにあたり、考えるべきはウエストマールの王国方面から来るだろう敵への対処だった。
王国の兵が介入してくることは、まだあまり考えていない。
だが、来る、と確信する相手は、近いうちにやってくるはずだ。
州都へ到達するまでの間に背後を突かれるのは厳しい。
砦の守りに500名の戦力を割くとして、誰を将に据えるか。
思案を巡らせる前に、チャールズの言葉>>223が耳に入った。]
任せる。
[間を置かず、短く答える。
己の背を任せられる相手など、そうそういない。
部隊を預けるとなれば、なおさらだ。
彼以上の適任など、考えつかなかった。]
あたりまえだ。
砦ひとつなどよりおまえの方が惜しい。
[届けられた音にもまた即答する。
死守という響きに、微かに眉を顰めながら。]
[どうやら、こちらの勘違いで行商人は王都へと戻るらしい。
護衛の提案も受け入れてもらえてほっとしつつ。
傭兵の一人を呼び寄せると]
オクタヴィアス様には、ズワンズ谷に罠や伏兵の類はありませんと報告を。
それから、ここへは念のため5人ほど待機させておいて、俺たちはもう少し先まで様子を見てくると。
[報告内容を口頭で伝えると、待機の人員を置いて、更に先へと馬を進める]
おまえがのんびりする暇がない程度に、
さっさと州都を落として戻ってくる。
[自信と軽口のない混ざった口調を、音に響かせた。]
/*
投げたけど怖いよ(
た、たぶん砦は壊れる想定あると思っているんだけれど!!!ww
not石ですしね、そうだね木と土ね。燃えますね、崩れますよね…
あとテレピン油。
火ですね?火なんですね???となっているけど、違うのかも知んない(((
― ベルサリス修道院跡 ―
あ、おっちゃん……もとい、コリドラス卿。
[報告にやって来たコリドラス>>225に、つい気軽に呼びかけかけて訂正する。
通すべき礼は通すが、青年は基本、誰に対してもこんな態度で接している。それに対する評価は文字通りの人それぞれ、ではあるのだが]
……とりあえず、今の内、休んどいてくれな。
偵察に出たダフィの旦那が戻ったら、ちょいときつめの防衛線の始まりになる。
[そう、軽い口調で言いながら。
ふと、思い返すのは、先のやり取り。*]
/*
懸案がひとつ片付いてほっとするの段。
ところで、チャールズって、もしかしてでぃあさんかい?
そしてクロイツにしゃるさんの気配を感じている。
クレステッドはwiki時点で9割たすくさんだなぁと。
(このあたりが自分的分かりやすい人々)
― 回想/16年前 ―
[いつものようにダンクラードと遊び、日が落ちる前に屋敷へと帰る。
侍従に連れられて帰宅した時、屋敷の中がいつもと異なったように見えたのは間違いではなかったらしい。
その日は父も早めに帰宅しており、傍らには見知らぬ男性が在った。
息子だと紹介する父に合わせ一礼をし、改めてその人物を見る。
精悍な顔つきの中に見え隠れする案ずるいろ。
部屋へ向かうために迎えに来た侍女に聞けば、彼の息子が高熱で倒れたところを父が助けたのだと聞いた]
ねぇ、そのこ、どこ?
[気になって、部屋へと戻る前に侍女に熱を出した子についてを訊ねる。
今は寝ていますよ、と窘める侍女に、見るだけ、と我侭を言って連れて行ってもらった客間には銀色の髪をした少年が眠っていた]
…………
[ベッド脇から伸び上がるようにして少年の顔を覗き込む。
熱のためか、赤ら顔で少し苦しそうにも見えた]
はやく、よくなるといいね。
[氷嚢が乗せられた額の近くに、ぺたりと己の手を乗せる。
額に触れながらの願い。
自分にも出来ることをして、意識の無い相手に微笑みかけてから静かに部屋を出た]
[それから少しして、熱を出した少年はやはり医者の下で様子を見た方が良いとなり、彼が意識を戻す前に別れることになった]
…いっちゃった。
[小さな呟きを聞いた父は、「また会える」と断言して屋敷の中へと戻って行く。
幼いオクタヴィアスはその意味を測りかねていたが、父の言葉は数日後に実現した]
[その日、来訪者があるから出かけないように、と厳命されて、しばらくの間暇な時間を過ごした。
ようやく父からお呼びがかかり、訪れた応接間には件の少年の姿。
元気になったのだと破顔したのも束の間]
…………
[何かが聞こえて>>200、瞳を何度か瞬かせた]
(……きみがおおきいんだとおもうよ?)
[オクタヴィアスの体躯は大きくもなく、小さくもなく、平均と言っていいもの。
そんな認識があるため、大きく見える相手にそんな風に返していた。
返してから、あれ、と思うのは彼の口が動いていなかったことに気づいてからのこと*]
―マーチェス平原:交戦中―
[銀の剣に照らされた青年は、精悍な顔つきをしていた。
大振りの斧を構え、威圧的な物言いをしても、怯むことなく言い返してきた。]
クレステッド・フォラータ
――――確かに覚えておこう。
[凛とした声と決意に応えるべく、確りと副将は頷いた。
そして、此方もまたよく通る声で名乗りを上げる。]
儂ァ、マーティン・グリズリーだ。
一応こんなんでも、解放軍の副将を務めているんでな。
若の願いは、儂の願いってな。
儂の、この斧と力は、その為に在るのさ。
[己が名とともに、在り方を同じように告げた。]
[――――斧と剣が、覚悟とともに交錯する。]
………ほォ、なかなか
[白刃の攻撃を受けるがため、真正面から斧を構えた。
キンッ、と鋭い刃の音が平原に響く。
巨大な斧に確かな手応えを感じる。
まだ若く、身体つきもマーティンよりは細いのにも関わらず、その力に内心驚いた。
構えるのがあと少し遅ければ、確実に怪我を負っていただろう。]
しかし、―――そんなンじゃここは通れねェよ!
[>>214 内に抱える焦りと不安が、クレステッドの太刀を鈍らせていた。
その白刃を弾くようにして、斧を振り上げる。
態勢を崩したクレステッドの身体目掛けて、そのまま真っ直ぐ斧を振り下ろした。
まともに喰らえば致命傷を負うのは確実だ。
しかし、その大振りの斧は傷を与えることなく、大地を大きく抉るだけに留まった。]
若と兄者の―――……
大事なときなんだ。
儂が壁にならなくってどうする、ってなァ。
[目の前の剣士にその呟きは果たして聞こえたかどうか。
それはマーティンの覚悟が滲んだものだった。
さて、クレステッドとの会戦は何処まで続いたか。
副将を倒すことは叶わずとも、いずれは不意をついて、ここを抜けることは出来ただろう。
>>136 しかし、クレステッドが敵将を救うことは叶わなかったか。
その死に目に会うことが出来たかどうか。果たして。**]
― 帰還前/マーチェス平原 ―
……余計にタチ悪いっつー……。
[冗談じゃない、とさらり返され>>202、ため息が落ちた。
続いた言葉、その言わんとする所もわかる。
わかるからこそ、叶う限りは繋ぎ止めなければ──と。
そんな思いから、檄を飛ばし]
……って、見てくるって、旦那。
いや、そりゃ必要だけどっ……て、あー。
[それが一段落した後に聞こえた軽い言葉。
突っ込みは間に合わず、銀灰に映るのは駆けていく後姿。>>203]
…………遅かったか。
……っとに、自由人っつーか、なんつーか。
[そこら結構、お前が言うな、な所もあるのだが]
ま、旦那なら心配ねぇだろ。
俺たちは、一度、引き上げるぜ!
[大丈夫なのか、と問う兵にさらりと返し、拠点への帰還を伝える。
態勢を立て直し、州都へ至る道を守るためには、ここで唸っていても仕方ないのだから。*]
[チャールズに背後を託し、これで事の半分は成ったとばかりに思考は前へ向かう。
今、チャールズと並んでいるマーティンが自分と共に来ることは、当然のこととして確認もしない。
ごく自然に支えてくれる彼ら二人は、まったく違う種類の男たちのようでいて、実は同類なのではないだろうか。
そう思ったのは8年前の乱闘騒ぎが最初だった。
だとすれば、彼らと意思響きあわせる自分もまた同類なのだろうか。
そう考えると、おかしいような、誇らしいような思いになるのだった。]**
― 回想・8年前 ―
ほう……。思ったよりは、やりますね。
[息ひとつ乱さないで、少年の身体に痣を増やしながらも、この時点では最大限の褒め言葉を送る。
事実、言葉はまだ冷たいながらも、諦めずに何度も立ち向かってくる少年の姿には感心して、今回限りはとことん最後まで付き合ってやる気になっていた。
何ひとつああしろ、こうしろとは言わない。
その代わり、どこをどう蹴られれば、どう痛むのか。
それを避けようとすれば、どう動けばいいのか。
本人が体術を使いこなせるだけの力量があれば、必ず覚えられるはずだ。
と、ある意味妙な信頼を寄せながら、何度も倒れる少年の姿を見つめ]
[そうしているうちに、少年の動きがなにか変わっていた。
単純に相手に攻撃を加えるだけでなく、何か――自身の懐に飛び込むことを狙っているような。
気合の入った掛け声。
自身の蹴りに合わせて繰り出された少年の蹴りに、当然のごとく押し勝つ。
転ぶオクタヴィアスの姿。
なのに、その瞳に浮かぶのは気迫の色]
[どうしても倒したい、ではなく。
もっと熱い思いを込めたような。
その思いがなんなのかは、わからず。
ただ、その思いの強さに身体は動き方を忘れ。
伸びた右手は振り払えない――]
[ぐいっと強い力で胸元を掴まれると、身体がぐらりと傾く。
慌てて体勢を整えようと試みるも時すでに遅く、バランスを欠いた身体はそのまま前のめりに倒れこむ。
掴んだオクタヴィアスをも下敷きにするようにして**]
[クリーク砦は砦とはいえ、石造りの城砦ではない。
堀もなく、木と土で造られたいわば平時の関所に近い代物である。
ゆえに守るに堅い拠点ではない。
あるのは木で出来た簡易な柵に、見張り台くらいのものだ。
それでもそれでどうにかしてみせようと、虚勢ではなく、男は若き主に*請け負ったのだ*]
― 回想/16年前 ―
[熱を出して眠っている間の事は、当然の如く記憶にはない。
けれど、呼びかける声と触れる感触>>234は、夢現に捉えていた]
……???
[そして、そんな微かな覚えのある声が、無意識の呟きに返すように響いてきた>>237のだから、さすがに驚いた。
銀灰の瞳が数度瞬き、それから、目の前の少年をじぃ、と見て]
(……なんで、きこえてんの?)
[浮かんだのは、多分、相手も聞きたいであろう疑問。
不可解な事態ではあるが、それに対する忌避感のようなものは不思議となく]
(……これ、親父たちには聞こえてないのかな)
[そんな好奇心からちら、と視線を向けた父は、傍目黙り込む自分たちに不思議そうな視線を向けていて]
(……なんか。おもしろいな、これ)
[他には届いてない、と察した少年が浮かべたのは、どこか悪戯っぽい笑み。
それが、流離い人として一か所に落ちつかぬ暮らしを続けていた少年が、他者に対して興味を抱く、というある意味では珍しい現象の始まりだった。**]
―ベルサリス修道院跡―
ほっほっほっ。フォラータさんも落ち込んでないようで何より。さすがリカルドさんのご子息。
では報告いたしますね…
[激する姿をほとんどみせず飄々と笑う元将軍は合わせるようにクレステッド>>232に合わせ私事的な軽口を返し、脱落していた兵を収容しながら戻ったこと残り兵数などを報告する]
そうですな。攻めかかるだけの士気もない以上。守るしかないでしょうしここが踏ん張りどころですからな。…最後の一働きのつもりのつもりが楽に終わらぬことになってしまいましたわい。
[では遠慮なく休もう。と将軍らしい一礼をとった]
― クリーク砦へ向けて ―
[歩兵弓兵が居るために移動の速度はそこまで速くは無い。
馬もゆっくりとした足取りでズワンズ谷への街道をひた歩く。
そんな折、先遣隊の一人が商人の姿をした人物を伴って隊へと戻って来た>>230]
ズワンズ谷は問題なし、か…分かった、ご苦労様。
少し速度を速めよう。
待機している者達の下まで進んだら一時停止。
僅かになるが休息を取る。
[叶う限り早く部隊を進めたいが、急ぎすぎて兵が疲れてしまっては元も子もない。
先遣隊の一部が待機しているのはズワンズ谷の半ば辺りと聞き、そこまで進んだ後に一時の休息を入れることにした。
更に先を見に行った者達が戻る頃には着けるだろうという予測もある]
[そうして指示を行き渡らせた後、オクタヴィアスは一度、商人らしき者へと視線を投げた**]
―回想―
[それはまだ鎮圧軍が州都より進発する前のこと。
次代を担うものたちが育ったところで将軍職を惜しみなく手放した元将軍は独自の密偵からもたらされた情報へと目を通していた。]
クリーク砦が落としたのはクレイグ様のご子息ですか…ならばフォスターさんもいらっしゃるのでしょうね。
[独自の密偵からもたらされたラモーラル国内の情報。
それと並ぶようにウェストマール王国を取り巻く状況
はたして偶然なのか。狙ってなのか。どちらにしてもこの騒動は少々強い風となる予感がそこにはあった]
[忠義に生きることができた元同僚を多少羨ましい思いを馳せるのは数瞬。だが15年という月日で変わったラモーラルを鑑みてしばしの沈黙。そして]
よいですか。ウェストマール王国とその周辺国の情報を集めなさい
それを…そうですね。勝者に渡しなさい。
[密偵へと指示を出す。その情報を手に入る頃にはラモーラル内の有事が終わった後となるだろう。そのとき自分がその情報を手に入れることができる確証もない。]
良いですね…ほっほっほっ。
[密偵へとそう指示をだし、その後、辺境伯の下へと働きを申し出にいったのであった**]
―回想終了―
― マーチェス平原 ―
[ 自由に動け、と、最初に彼に告げたのはノイアー伯だった。
それは、戦略的に、という意味だけではなく、恐らく、個としての己に託された言葉だろうと思っている。
彼のひとの、往く道を見つめ、従い続けるか、或いは袂を分かつか、それすらも自由にせよ、と.........恐らくは、そんな意味もこめて ]
さすが将軍、手堅く片付けてったなあ。
[ 砦の方面へは、キュベルドンの森沿いに走った。いざとなれば身を隠せるという利点がひとつ、反乱軍の中に森の民らしき者が多く見えたために、その様子を探る目的がひとつ。
ついでに逃げ後れた兵がいれば拾う心積もりだったが、その役はコリドラスが着実にこなしてくれたようだ>>225 ]
[ 伏兵の気配が無いか、罠の類はどうか...探りながら騎馬小隊は慎重に歩を進める。
すぐに攻撃を受ける気配はない、ない、が、どこかから探る視線を感じるような気がしていた ]
森の中に軍勢を引き込まれるとやっぱり厄介だな。
[ いずれこの平原と森は、戦場となる、その確信の元に、注意すべきことがらのひとつとして心に刻む。
戻ってからクレステッドやコリドラスにも進言して正規軍全体へ周知させるつもりだが、慣れぬ実戦で、どの程度その注意が効果を発揮するかは未知数だ ]
[ やがて、砦が遠く見える位置まで来ると、騎馬の一団は足を止めた ]
すぐに出て来る様子は無い、か。
とはいえ、葬儀を終える程の暇はないだろうな。
[ 辺境伯の遺体は、近臣の兵の必死の働きによって、拠点へと既に運ばれているはずだ。>>172尤も、彼はその遺体とも未だ対面してはいない ]
― 反乱軍との交戦時 ―
[ 主が討たれたその時、彼は離れた場所で交戦中だった。
だが、チャールズ・フォスターの姿を見た、という古参の兵からの報告に、慌ててその姿を探し、見つけたのは、二人が槍と剣を交えた直後。>>48
明らかに手傷を負ったと見える主に声をかけようとした時、まだ遠いこちらの気配を感じ取ったかのように、辺境伯は振り向いた ]
.........!
[ 表情を捉えるには遠い、声が届くにもまだ足りない、だが、瞬時交わった視線が ]
[ 結局、彼は主を追わず、馬首を返して戦い続けた。
程なくして齎された辺境伯討死の報にも表情ひとつ変えず、友軍を叱咤して撤退を助けた。
その姿を見た者は、反乱軍の中にも在ったかもしれない* ]
― 現在/マーチェス平原 ―
もう少し近付いて、見張れる自信のある奴居るか?
[ 着いて来た騎兵に問いかけると、一人が名乗り出た。この辺りの出身で土地勘がある、というその男に頷いて ]
砦に動きがあったら、狼煙をあげろ。他は何もせずに、その場はすぐに離れてここまで駆け戻れよ。
[ いつ反乱軍が動き出すか、そのタイミングさえ判ればいいのだ、と、そう告げて、兵を送り出し、残った者達と共に、その場に野営を張る ]
いっそ、こっちに多く出て来てくれりゃ...タヴィが早く戻れるってもんだが、な。
[ ぼそりと、呟いた言葉を聞いた騎兵の一人が堪え切れぬように笑った ]
『隊長は、昔っからオクタヴィアス殿に甘いですよねえ』
うるせー、甘やかしたつもりはないぞ。
[ 実際、剣と盾の使い方を教えてくれと請われて、稽古をつけた時に手加減した覚えはない。だが、そもそもいくら主筋の嫡男とはいえ、10以上離れた相手に、気が済むまで何時間でも真面目に付き合っていた段階で「甘い」と言われても仕方ないのは確かだった。
そして、思い返せば浮かぶ面影は、オクタヴィアスばかりではなく.........クレステッドと、もうひとり ]
/*
あれ、そういえばこの名前って・・・使われてる名前じゃないか…
今からしれっと変えたら誰にもばれないかのう・・
/*
増えた分確認しつつもいっちょメモを置く。
>>138
今回、敢えて髪の色目の色を描写していなかったら、
マーティンさんが萌黄色って言ってくれてたね!
わあい貰ってしまおう、ありがたい!
瞳の色は何だろうな、るがるだと緑っこ使用率が高いもんでネタに苦労する。
いつぞやのアデルの色に合わせっかな。双子チップだしな。
>>176>>177
クレステッドのこれ、拾わせて頂けると美味しいかもしれないね。
いいかな?行っちゃっていいかな?と周囲見回しておこう…!
>>127
カークの手土産もーらい。
季節の生薬の原材料。これ使いましょうね。
― 現在軸・クリーク砦内 ―
調子に乗るから、あまり褒めると危険かもしれませんよ。
[マーティンの言葉は昔から、
つい丸ごと信じてしまいたくなる不思議な力がある。
それがきっと彼の魅力の一つであろうが、真っ直ぐな賞賛を自分に向けられると流石に面映い。目を瞠って驚きを表現する彼に、エドルファスは照れからか頬を掻く。>>185]
でも、マーティンさんにそう言われると、
より強く、上を目指したくもなってしまうな。
……ま、戦の中で強くなっても、屍が増えるだけなんだけれど。
守りたいものを守り、掴みたいものに繋げる力は、
どれだけ持っていても困るものじゃないよね。
[野稽古の快諾には、ありがとうと礼を告げた。
カークの手合わせも、思えば平原に居た頃以来だ。
味方を知り己を知るいい機会だ、尤も、カークがいつ帰るか分からぬ以上いつ成せるのかは分からなかったが。]
州都方面への南下行軍に組み入れて貰えるように
ディー兄ィには打診、というか、申し入れはしてきた。
許可を貰ったので、共に向かうことになると思う。
[「も」と言うからにはマーティンも加わるのだろう。
互いに確信を抱いた口ぶりで、今後の足取りについて確かめ合う。]
副将のマーティンさんが南下なら、
背後を固めるのはチャールズさんになるんだろうか。
詳しいことはこの先きっとディー兄ィ…盟主殿の号令があるだろう。
[一般兵ががやがやと脇を通り過ぎかけて、
念の為彼らの前では盟主に対しての呼称は整えておく。
ディーンには気軽な呼び名でと言われたが>>189
只でさえ民兵の多い解放軍、兵の意識を弛めぬためだ。]
それじゃ、僕は一族の皆に挨拶してくるよ。
実のところ旧交を温める間もなくて。
[また後で、とマーティンに告げて、
彼が先に移動するようならばその大きな背を見送る。*]
― 再び現在軸・クリーク砦内 ―
[訪れた仇討ちの好機、
ディーンらは決して討ち漏らしはしなかった。
辺境伯の亡骸は彼の近臣兵らが連れ帰ったと兵伝手に耳にする。
かつて名宰相として名を馳せたらしいその男が、
この地ラモーラル領の領主であったディーンの父を殺め、
国の構造改革の一翼を担うこととなったのは15年も前のこと。
当時のエドルファスの年齢を考えれば、アルブレヒト・ノイアーに対し
エドルファス自身が直接的な怨恨を抱かぬのは道理だろう。
特に今は、現在の国のありようを憂い独立回帰に希望託した身、
仇討ちの標的となったノイアーへ感傷を抱く義理もない。]
[だが―――
辺境伯嗣子、オクタヴィアス・ノイアーを思う。
彼は幾年も前に居所をウェストマールの王都に移していると聞く。
ゆえに拝顔の機会は無かったが、義父に連れられて行ったラモーラル軍施設内で肖像画を見る機会は得られた。
エドルファス自身とも年の頃は然程変わらぬ位であろうか、端整な顔立ちと真っ直ぐな瞳が印象的な青年。
オクタヴィアス・ノイアー。
州都に居た頃に幾度も耳にした名、伝え聞く人となりとその評判は総じて高く、人質にも等しいその嗣子の境遇に対してはエドルファスの知る限り、民たちから同情的な声が多く聞かれていたと記憶している。
辺境伯が討たれたとなれば、次に擁立されるのは彼であろう。
そしてその場合、ラモーラル州都周辺域に住まう民の後押しも相当に高い、筈。
そも、彼が正規軍に合流する場合というのは、独立解放軍の戦況も芳しくはなかろう。どちらにせよ喜ばしい状況ではない。]
[オクタヴィアスの南下か、ラモーラル正規軍の北上か。]
少なくとも、ウエストマール国の麾下へと立場を落としてから
ラモーラル嗣子の置かれた立場を思えば、
彼がぬくぬくと王国で国の成り行きを見守って居られる筈もない――…
と…なると、後ろも苦しいよな。
[だがウエストマーツとラモーラルを繋ぐズワンズの谷は深く、
関所を避けて他の道を模索するにも困難が伴う筈だ。
南北にラモーラルの地の縦断を狙うとすれば、独立開放軍がこのクリーク砦を抑えている以上、遅かれ早かれ衝突は免れまい。
挟撃となる前に南に討って出る、その先を想像する。
ディーンらと共に南下軍に参入する心算でおり、先刻許可も得た>>189が、自身もまた兵の運用を思考せねばなるまいと、今後の方針を粗方把握し終えた頃合を見て一度場を離れた。*]
/*
ところでディーンは本当にディーンでいいんだよね
ディーク表記の人もちらちら居るので
兄ィのお名前打つたびに挙動不審になれるww
まちがってたら言ってくださいね…wwwww
― クリーク砦・出撃準備中 ―
[慌ただしく出立の準備が進められている中で、ディークは兵たちの間に赤い髪の女性を見つけた。]
サシャ!
[遠くから声を掛け、それだけでは気づかれないだろうと兵たちをかき分けて近寄る。
彼女の視界に入るころには、周囲の者が彼女の注意を引いてくれてもいるだろう。]
サシャ。
この間の弓、見事だった。
[正面に立って、心持ちゆっくり話しかける。
彼女の耳が聞こえないことも、唇を読むことも知っていた。]
おまえでなければ、あの距離は無理だった。
次も頼む。
[暗闇の中、正確に見張りの兵を射抜いた腕を称える。>>140>>141
「熊殺し」の称号を持つ狩人の中でも、彼女の目と矢の鋭さは他と一線を画するものだと認めていた。
狩人としての力量に常々感嘆を覚えつつも、一度は超えてみたい相手である。
自分は熊殺しではないが、クマは退治したことがある。と冗談交じりに言ってみたこともあった。]
戦いが終わったら、また狩りに誘ってくれ。
次は俺が一番矢を射てみせる。
[どうせ自分は城に収まっていられる性分ではないだろうから。
他愛もない約束を、未来に投げかけておいた。]*
/*
いろいろと調べものをしつつ、補完をぐいぐい進めるの心。
テレピン油
引火点は35℃である。
油脂や樹脂をよく溶かす。
水に溶けない(非水溶性)
水より軽い。(液比重が1より小さい。)
アルコールに溶ける。
蒸気比重が第4類危険物の中で最も大きい。(4.7)
淡黄色(たんこうしょく)である。
ヨードと反応すると爆発する。
濃硫酸と反応すると発熱・発光する。
布などに染み込んだものは自然発火の危険性がある。
つまり、水に流して火をつけても燃える、と。
あと、爆発するだって??
/*
ここのまとめに、テレピン油の燃焼実験が写真付きであった。
「【実験も追加】ファンタジー・歴史ものの「ガソリン並みに引火性の高い油による火攻め」は実在したか?」
http://togetter.com/li/815114
なんか、前のるがるの時も、このまとめを眺めてた記憶があるなぁ。
― 閑話 ―
[サシャら森の民と出会ったのは、平原の民よりも少しあとになる。
それも最初は、よそ者としての扱いだった。
認められたのは、森のクマ退治に行った後からだろう。
いつしか彼らの間に入り込み、森での暮らし方を学び、狩りの技を学んだ。
森の部族のおばばに会ったのもこのころだ。
「そなたは大地の柱。この地より外に出てはならぬ」という託宣を受けてそうかと頷き、以来、ラモーラルの地を離れたことはない。
昔宰相から聞いた外の国のことや、カークが持ち帰ってくる外の文物に興味はあれども、自分はラモーラルの地に根を張る人間だという自覚があった。]
[もし自分がオクタヴィアスの立場だったらどうだろう、と考えてみたことがある。
自分には無理だな。
思ったのはそれだけだった。]
[拳が避けられればそれを収めて、くっくと笑う。
そして緩く腕をふるって、次はがしりと青年の肩を掴んだ。
かつての少年の背は記憶より伸び、
目を見交わす視線の角度は以前よりも格段に緩くある。
それに眼を細めて、少ししっかりした肩を確かめるようにぽんと叩く。]
…親父さんのこと、残念だったな。
[と告げるのは、昨年亡くした彼の養父のこと。
平原の民である父のない少年が、かつてどこか見知らぬ「父」を───「親子」を見るような視線を、自分らに向けていたことを男は知っている。
その彼が州都の軍医に養子として赴くことになり、環境の違いを案じはしたものの、以来良く過ごしているようだと風の便りに聞きながら、それは良かったとも思っていたものである。
その養父が昨年暮れに亡くなったとは、やはり風に聞いた。
風運ぶ者…即ちカークの齎してくれた情報により、男はそう聞き知っていたのだが。]
何もしてやれんで、すまなかったが。
…───いい顔になったな、エディ。
[言外に彼の養父への賞賛を篭め、ひとつ、頷きをみせ]
呆けていたら、拳骨一発じゃ済まさんぞ。
走り回らせてやるから覚悟しておけ。
[そう、笑った*]
― クリーク砦・出撃準備中 ―
[辺境伯と戦った後、兵たちの話を集めてみれば、相手の陣容もいくらか見えてくる。
相対したときは同じような規模だったようだが、手ごたえとしてはずいぶんと討ち減らした感触があった。
戦死した兵、負傷したり進退窮まって投降した兵、捕縛された兵、散り散りになった兵。すべてを考え合わせれば、当面の相手の戦力は相当減っていると思われた。
もっとも、素早く軍を取りまとめられる将がいなければの話。
兵たちの話から、幾人か気になる敵将の存在を知る。
ひとりは、マーティンと刃を交えたという銀髪の男。
風体と握っていた武器とを聞けば、思い浮かぶのは1人だった。]
そこか。
[いずれ敵として会うことはわかっていた。
そこに居たのか、という思いだけがある。]
[混戦の中を、自在に泳ぎ回るような小隊がいた。
そんな報告には暫く首を傾げたが、率いる長の風体を聞くと脳裏にある男の像が結ばれる。
思い出されるのは、いつも剣を握った姿だった。
年下の少年が、幾度も彼に稽古をせがんでいたのを覚えている。
見かければ、自分も必ず混ざった。
盾を使うのは俺ではないから。
そう言って、剣で打ちかかっては跳ね飛ばされていた。
今は果たしてどうだろう。
試してみる機会は、そう遠くはないはずだ。]
[辺境伯との戦いで、解放軍も無傷というわけにはいかなかった。
中でも、恐るべき巧妙さで一撃離脱を繰り返し、こちらに大きな出血を強いた部隊がいることを知る。
馬上より錘を操る髭の偉丈夫だとの報告に、思い当たる人物がいた。
名将として鳴らし、国の守りの要として国境線を任されていたいた人物で、その能力は父クレイグ侯も認めていた。
とはいえかつて一度だけ将軍を目にした少年が抱いた感想は、「へんなやつ」というものだった。]
ウォーレン・コリドラス、か。
[個人的な感想はともかくとして、それだけの歴戦の将が相手にいるというのは心しておくべきことだった。]
[敵戦力の分析を進める一方で、出撃の準備が行われているのも見る。
辺境伯との戦いで負傷した兵は、森へと送り出されていた。
志半ばで命を落とした者も、また。
それらの差配に、盟主が直接口を出すことはない。
必要があれば力仕事を手伝い、重傷のものを励ますだけだ。]
マーティン、
[そんな中、通りがかった巨漢に声を掛ける。]
さっき聞いたんだけど、カークから荷物が届いたって?
酒?それとも砂糖菓子か?
[からかい交じりに声を掛け、詳しい話を聞きたがった。]
/*
ディークにありがとうと拝みつつ
ログ読んでて解らなくなったけどえーと、
砦占拠→平原で伯撃破→砦に戻って休憩の後州都へ
でいいのかな流れ。あってるかな…
― クリーク砦 ―
[かつて州都より落ち延びて、主の幼き息子を抱えて平原を目指した。
すぐに宛があったわけでなければ、準備があったわけでもない。
それこそ隠れ家を転々とするような生活に、ダンクラードは良く耐えた。
それから少し、漸く落ち着いた生活を得た時分、次第にエディやカークといった友を得て駆け回るディークと少年たちを、時に怒鳴りつけ叱り飛ばしながら、ほっと安堵するような思いでいたことを覚えている。
ダンクラードが己の運命を悲観するではなしに、素直に立派に育ってくれていることに。
そして、彼にそうした環境を与えてくれている平原と森の民たちに、男は感謝の思いを抱き続けていた。その思いは今も尚、変わることがない。]
[かつてカークには、幾度か武芸の手解きをした。
手解きをした…というよりは、彼の武芸を磨くための相手をしたというのが正しいか。
チャールズの扱う武芸は、いわばどれも正統のものである。
基本とする型は全て、武術といった名のつくようなものである。
自由な森の民や平原の民らが扱う武芸とは違う。
我流で作り上げたようなものでもない。
正統な武術は極めればきわめて効率的であり、隙が少ない。
そういうものだ。
一方で使い手も多く、ゆえに対峙する機会も多いが為、相手を知れば応じやすくあるものでもある。
そういったものでもあった。
だからこそ、我流で技を磨くカークの相手には適していた。
その弱点を見抜くことも、裏をかく手を指南することも出来た。]
違うな。その手を使うなら、もっと素早くだ。
或いは一度打って相手の目を晦ませてから、こう。
お前さんの強みは力押しじゃないだろう。
だから……、そうだ。
そう来られれば、こちらは武器を出すことが出来ない。
[請われればこんな風にして、彼に教えた。
恐らく試合をすれば、それでも彼が勝てる見込みはなかったろう。
が、それを求めていないことは互いに良く分かっていた。
戦い、そして生き抜くために。
そう特化したカークの武芸は、戦場で会えば討てぬかも知れず、ひょっとしたら討たれることもあるかも知れぬ。
時にそう思わせる強かな印象を、クマの息子は男に残していた。]
[チャールズは見張りを立てながら、砦の北側、ズワンズ谷方面に工兵を出した。
彼らの役目は主に、馬の足止め用の杭を打つことである。
大急ぎで打たれる杭の数は、そう多いものではない。
よってそれを補うように、少し背の高い草がせっせと結ばれた。
ごく単純といえば単純な罠である。
元はといえば草原に、動物をしとめる為の単純なる仕掛けだ。
熟練の騎兵に効果が高いとは思えぬものの、そうした努力も行われた。
つまり、形振り構わぬ足止め工作が砦の北側で展開されている。
別段隠す努力もしてないから、動きがあるは遠目にも分かるだろう。
そうこうするうちにはいずれ、森からの伝令も砦に届こうか。
砦は徐々に、戦いの前の活気と慌しさを*増しはじめている*]
― 8年より昔の事 ―
[サシャは両親と共に森で暮らしていた。
父は産まれも育ちも森の民、母は近隣の村から嫁いできた、少し信心深い娘だった。
特筆する事もない、極一般的な家族の形の中に、普通と少し違う事がいくつかあった。
産まれた娘は赤ん坊の頃に高熱を出し、音を聞く力を失った事。
だが代わりに非常に目が良く、そして、両親とだけは会話が出来た事。
親子でだけ聞こえる、心の声。
口から出す音を聞く力は無かった為、正しい発音を使う事は難しかったが、それでもサシャは言葉を覚える事にさほど苦労する事はなかった。]
[成長するにつれ普通の子供との違いを感じ取ると、違う事が恥ずかしいと思うようになり家に篭りがちになる。そうなった娘に父母は根気よく、生きていく術や、小さいながらも世界の事を教えた。
住まうキュベルドンの森の事を、その森のあるラモーラルというこの国の事を、人が賑わう都市や、自分たちとは似て非なる草原に住む民の事を。
そしていつか来るだろう独り立ちを見据え、弓引く力を入念に。
おかげで狩りの腕は同年の子供らを遥かに飛び越えていた。]
[そんな州都からは遠い森の民、少なくともサシャの一家にとって、15年前の併合は遠い世界の出来事だった。
変わった事といえば、年に一度の税の徴収が重くなったこと、森に近いズワンズ谷を通る物や人の量が増えた事。時折大きな荷が引き入れられているのは森の民でも話題に上がり、森を訪れる商人やらから漠然とした情勢を聞いた。]
『もっと早くに体制が変わって、
ウェストマール王国の治療が受けられれば、
お前の耳も悪くならなかったかもしれないね。』
[そんな事を少し悲しそうに言われたものの、別にそんなに困っていないから良いのだと、父母には努めて明るく言っていた。]
[税が重くなる事に森に住む人間は緩やかな不満を募らせながらも、それでもまだ子供だったサシャには何ら変わりない日々だったある日。
両親を病が襲った。
森のおばばが首を振り、近隣の村医者も匙を投げた中、誰かが「王国からきた医師や医療なら治せるかもしれない」そう教えてくれ、サシャは一人ラモーラル州都へと向かう。
だが伝手も無い子供、何より伝わりにくい言葉で医者を探すのは難しく。ようやく見つけても遠い森まで来てくれるという医者は居なかった。]
おえがい おが
おぅどさを
ぁ ああ
―――――― ―― だすげで!!!
[言葉を正しく伝えられなかった事が原因なのか、あるいは人の巡りあわせが悪かったという不幸なのか。それともそれを含めて正しく天命と呼ぶべき事柄なのか。
かくして叫びに、望んだ手は差し伸べられず。]
[森へ戻り小屋とも呼べる小さな家の前、中に入りもせずサシャはずっとうずくまるように座ったままだった。入らなくても、両親がどうなったかはもう理解している。]
(お父さん、お母さん)
(お父さん、お母さん)
(お父さん、お母さん…)
[何度呼びかけても、もう返らない声がその証。家の中に入るのが恐ろしく、只管にずっと、そこに座ったままだった。]
『もっと早くに体制が変わって、
王国式の治療が受けられれば、
お前の耳も悪くならなかっただろうね。』
[そう言っていた両親の言葉を思い出して泣きながら首を振る。]
(嘘だ)
(変わっても、なんにもならなかった)
[現に両親は死んだのだから、変わった事で得た物は、この森には届いていないのだという事をサシャは知り。]
[そして強く]
(変えたい)
[そう願うようになる。
だが単なる森の民の娘には、そのために何をすればいいのかが解らない。思い願いながらも出来ないことへ、欝々としたものを抱えながら暫く過ごした。]
― 8年前 ―
[事の詳細は森の中。
だが結果、森の民の間でも懸念事項だった凶暴な熊の王を伏せた少年に、サシャは茂みの中で世界が変わるほどの衝撃を受けた。
どくどくと、音のない耳を血が叩く感覚が響く。それほど見た物に衝撃を受けたのだった。]
(変わっても変わらない)
(それを変えられるのは、―――きっとあの人だ)
っ…!
[居てもたってもいられずに、茂みからその場に顔を出す。
だが機は遅れ、静かに見送るだけだった。
ただそれが”彼ら”を初めてその目で見て、ちゃんと覚えた時だった。
彼らが去った後も暫く動けない程、手は胸の上で握りしめられていた。]
(決めた)
[そう胸中で決意を固めると、ようやくその場を離れ「熊の王が退治された」のだと、事の始終を森の民へと告げてまわる。それは森のおばばを初め、何人もの森の民を驚かせて――
そうして森の民とディークらとの交流は、ここから少し進んだのだった*]
[それから数年の月日は流れ。サシャ・カリュオンは森の民の中でも、弓の腕なら右に出る者はいないと称される程になった。
キュルベルドンの森の熊を弓の腕だけで捕え、その首を持ち帰り「熊殺し」の号を得た称賛の席で。]
れも、もっと凶悪な
ハゲ傷のあるグマがあいでだど…どぅなるが。
[この森に数年前まで凶暴な熊が出没していたのは、森の民の間で今なお残る有名な話である。
弓を使えば、いや罠を使えば、等の声が上がる中、今代の「熊殺し」の号を取ったサシャはその熊が誰だか知っていたので、少し口の端を上げて笑っていたのだった。]
― 別隊出撃前:クリーク砦 ―
[>>273森民で出来た弓と斧が中心となる部隊の中で、サシャもまた慌ただしく動いていた。
使った矢の補充、怪我をした者の治療や確認等々。
そんな中腕を引っ張られて、何だと睨むと指を差され、その先に居た盟主の姿に大体理解した。]
りぃぐ
[ひらと手を振り、気付いた事を伝え視線を前に向ける。
何かあったのかと思いじっと見上げると、唇は称賛の形をとっていた。
それを見て、にこりと笑う。
ディークの言葉が読みやすい、気づかいが見えたのも笑みの理由の一つだった。]
ん。
[ぐ、と拳を突きだすようにして、次も任せろという風な意思を向け。
狩りの話が出れば頷いた。]
森はみぃんな、りぃぐが来るのお待っでる。
えりぃと、がーぐも、一緒に来れればいい。
[年の近い、外の友人らの事も告げながら、だが最後に。]
負げないげど。
[そう付け加える。まだまだ超させない、そんな思いを乗せながら。
なお冗談交じりの話を聞いた時は、「しっでる。」とニッとした笑みを浮かべただろう*]
/*
油の件はチャールズが拾ってくれたので安心して見ていられるでござる。
そしてサシャの物語がたいそう切ない。
が、いろいろ嬉しい。
― クリーク砦 ―
わぁじは、残る。
ここの方が、づごうがいぃ。
[討って出る森民の面々が多い中、サシャは残る方を選んだ。
谷合の砦は弓を生かせる場所でもあると思った為。
また「サシャは目が良いから見張りを」そう望む声があるのも知っている。だからそれを否と言う理由はないが、一つだけ要望もあった。]
見張うのはいぃが、誰が、もひとり着けて。
わぁじは、耳がぎこえないがら。
[音に反応出来ないのだと告げながら、複雑な笑みを相手に向けたのだった*]
/*
ああ、うん。
サシャの動きもありがたいなあ。
後方はこれで本当に安心してお任せできる。
拝んでおこう。ありがたやありがたや。
/*
そうそう。伝令ね。カークからの伝令。
あれもそのうちチャールズが拾ってくれるに違いない。(丸投げた
あとはそのうちエディの病気の話にも触れようかと思うけど、そのうちね、そのうち。
今のうちに歴史家さんの話でも書いておこうか。
/*
今回はサシャでもTUEEキャラを意識しているので、書いてる文章がだいたい恥ずかしい(
まぁ強いっても遠距離戦だけなで詰められると死ぬわけですが。
/*
なんとなくの中身当ての続き。
オクタヴィアスはどうもるなうぇいさんな気がしてならない。
もう少し素敵ルビが登場すると確実なんだけど、愛する国だけでも要素としては高いよね。
サシャはひょっとしてサシャもといshuさんなんじゃないかと軽く疑うけれども、またサシャを選ぶかは何とも言えないので、やっぱりなんとも言えない。
コリドラスはS.Kさんで間違いないんじゃないかな。
マーティンからはそこはかとなくふかふかさんの気配がするけれども、どうかなー。
/*
そういえば、
自分がどうして決起したのかを考えていなかったことを思い出す。
なにかのきっかけがあった、はず……
[クロイツがまとめた報告を兵が復唱するのを聞きながら、内心で「うん、罠は用意してないよ」と同意する。>>230
ウエストマールが正規軍を繰り出すなら邪魔をするつもりだったが、カークが調べた限りにおいて、その動きはなかった。
地方の内紛には介入せず、当事者に任せて傍観を決め込むようだ。
察するに、ウエストマールは各地に手を広げ過ぎて余力がないのだろう。
元ウエストマール正規兵とはいえ、クロイツも上層部がオクタヴィアスに押しつけたお目付役ではない感触である。
増援はないと踏んでいい。なら、兵力は集中させるべきだ。
そう判断したから、ディークに後方撹乱の人手を寄越せと頼みはしなかったという話。]
[王国正規軍が来ないのは助かる。しかし、]
国土が戦火に焼かれるって時に手ぇ貸さずに、なんの宗主国かってもんだけど。
[15年前に主権をかの国に譲るかを巡って争って死んだ者たちが浮かばれない気がして、やはりウエストマールにいい感情は抱けない。
だが、勝った側はこれで、ウエストマールに対して、より強い発言力を持てるのではないか。
そう前向きに考えることにした。]
[水筒の水を呷りながら、本隊の兵の武装をチェック。
ラモーラルの兵は配給の軍服だが、そうでない連中は傭兵だ。]
あれを寝返らせるだけの金はないのよねん。
[なにしろ、独立解放軍は自給自足がモットーだ。
網でも舟でも器用に自作してしまう。]
[と、先遣隊の伝令と話していたオクタヴィアスの目がこちらへ向いた。
カークは愛嬌よく笑って会釈を返す。
髪も染めているし、オクタヴィアスにとっては成長期を挟んだ10年越しの再会だ。
気づかれはしないだろうと余裕でいた。
気づかれたところで、今の俺は行商人だし?*]
― クリーク砦へ向けて ―
[伝令から商人だと示された人物は、邪魔にならぬよう木陰へと寄り休息を取っているよう。
その様子を見て、オクタヴィアスは馬を降り、兵に馬を任せた後に商人の傍へと歩み寄った]
貴方はどこの商人だい?
[腰を下ろした商人に合わせるように膝を付き、目線を合わせる。
間近で顔つきを見て、ふと、馬車に乗っていた時の記憶が甦った。
おや、と思うも、今は表に出さないまま*]
── たァ!?
[最初はその勢いで投げる心算だったのだが、クロイツの身体が傾いだために機会を逃し。
体勢を崩したクロイツに対し、支えようとしたために逃げる機会を失う]
げほっ、 クロイツ さん、 だいじょ、ぶ …?
[明らかに自分の方が大丈夫ではないが、クロイツに怪我が無いかを問いかける。
軍服の胸元を掴んでいた手はとうに離れ、クロイツを支えようとした名残のように彼の両肩に添えられていた*]
― 回想/16年前 ―
[また一つ声>>252が返って来る。
耳に届くのとは違う感覚。
どこか心地良ささえ感じるおと]
(…なんでだろ?)
[声を返して首を傾ぐ。
傍から見れば無言のままの仕草。
互いに見詰め合い、言葉無く仕草のみがやり取りされる様子に、父達は至極不思議そうな様子でこちらを見ていた]
(きこえてないみたいだね)
(…ふふふ、おもしろい。うん)
[悪戯っぽい笑みを浮かべる少年>>253に楽しげに笑みを返す。
無言で百面相し合っているように見える息子達に、父達もまた顔を見合わせた]
[何故声が届くのかなんて分かりやしない。
けれど、彼が出逢うべくして出逢った相手だというのは胸にストンと落ちてきた*]
/*
目標残り
・ダンとの過去>>173 >>175
・ダフィ兄様との稽古風景
・15年前の争乱時
・コリドラスに何か振りたい(父絡みかなこれ)
ダフィ兄様から飛んできたし、ここを纏めようかな。
ダンのも絡めよう。
14人目、正規軍戦士 ツェーザル が参加しました。
正規軍戦士 ツェーザルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― マーチェス平原 ―
[辺境伯が討たれた折――…
あるものは友へとすぐさま連絡を送り、
あるものは平静を保っていた中で。
いちばん騒がしかったのは、おそらくこの男であっただろう]
/*
とりあえずログのおさらいをしつつ、まだ居ない人がいるので大丈夫かなーとか思ってたら一人来た。やったね!
そして位置的にチャールズさんに絡んでみたいなー、とは思うけどとりあえず我慢…。
[互いの兵が交戦しあう喧騒の最中。
あたかも運命の糸が引き合うように、二頭の馬が交錯した>>122。
堕ちたのは片方。
それは己が主と仰ぐ―――]
アルブレヒトさまぁああああああ!!!!?
[絶叫に似た悲鳴が喉を駆け上がり、意味を生まない響きを残す。
…ひと目で即死というのは分かった。
それでも、主君の亡骸を戦場に捨て置くことは出来なかった。
したくなかった。]
っ、
[我ながら馬鹿だと思う。
だが身体は損得を考える前に動いて、獲物を持たぬ方の腕が、地に伏す辺境伯へと伸びた。
必死だった。
無防備に晒してしまった背を、此処で攻撃されていたならば。
間違いなく彼はこの後紡がれる歴史を知らずに
無様に土に転がって、長くはない生涯を終えていただろう。
けれど追撃は、なかった>>172]
[辺境伯の遺体を抱えて逃げる、刹那、振り返る。
相手兵の合間に、懐かしい髪の主が…馬を下りる影が見えた。]
――――、ダンクラード… …さま
[親父に付き添って挨拶に行ったのは、もう、遠い過去の話だ。
…、今の主君を弑した相手。
胸に広がるこの感情は、憎しみと呼ぶには――苦すぎた*]
15人目、???? ガートルート が参加しました。
???? ガートルートは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
―とある王国/少し前―
[豪華な調度の置かれた一室。
不釣合いな薄暗い灯りが、二つの影を壁に写す。]
…ラモーラルに参ります。
お言葉に背きし不忠を、どうかお許し下さい。
…短い間でしたが、お側にありし日々、満ち足りておりました。
御恩は、言葉に尽くせませぬ…
[頭を垂れる。それは、どんな顔をして良いのかわからなかったから。]
[戦火の報を聞いて以来。
奥底にあった燻りは、いつしか明るい灯火となって心を焦がすようになっていた。]
どうか、いつまでもお健やかであらせられますよう…
[顔を上げ、問いかけるような瞳に目礼すると、部屋をあとにする。
振り返ることなく。]
…また、戦いなのか…戦うことでしか、護れぬ平和なのか…
多くの者がまた、欠片となってこぼれ落ちて行くのに…
[窓から吹き込む風に、壁のランプの炎が揺れる。
見上げた月は、いつかと同じ、少し、欠けていた。]*
???? ガートルート が村を出ました。
/*
ちらみ。
チェーザルは体調大丈夫かい?
インフルエンザも流行っているようだし、無理なくですよ。
無事に回復していますように。
(表で言えというなにか)
そして、ツェーザルとは相応の知り合いらしいことは把握した。
15人目、傭兵剣士 ガートルード が参加しました。
傭兵剣士 ガートルードは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
―ウエストマール王都/郊外―
[見回すと、斜め後ろ辺りにいる傭兵の一団が、警戒の眼差しで自分を見ている。]
…どこかで会ったかな?
やれやれ、面倒臭い。
[いずれにせよ、自分のような女がこんな稼業をしていれば、
知った者からは疎まれ、知らぬ者からは奇異の目で見られる。
もはや気にもせず、溜息をついた時。]
>>28
…なかなかのご高説だ。声も良い。
で、これが心と実力を伴った言葉なら最高なんだけど…
それは目には見えないんだよな。
[悪党や嘘吐きも、同じ調子で同じようなことを口にする。
そんな場面を散々見てきただけに、つい皮肉が口をついた。]
>>75
[ふと、少し前にいる男の横顔が目に入る。
どこかで見た気もしたが、同じ傭兵ならいちいち気にすることでもない。]
…あは♪すっごい真面目な顔。
傭兵どころか、まるで王に傅く騎士の顔じゃないか。
それにしても…
[あまりにイイ顔だったので、つい、クスリと笑ってしまった。]
>>30
[出発!の声に、順次歩み始める。
可能な限り隊列を乱さない正規兵に対して、傭兵の集団はかなり自由だ。]
…よしよし、ゆっくり行こう。
しかし君、ヨボヨボだね。
[いつ捨てるかわからない稼業ゆえに、愛馬は持たない。
支給された古馬をなでた時、前方に先ほど自分を見ていた傭兵どもが見えた。
耳触りな笑い声がする。]
[軽く脇腹を蹴ると、ベテランの馬は速度をあげ、下卑た笑い声を上げる男どもの脇をするすると抜けて行く。
やがて
突然手綱や馬具の紐が切れ、落馬した男たちの怒声と、周囲の嘲笑が聞こえた。]
また、つまらぬものを斬ってしまった…
まあ、やっぱり人を指差して笑うのは失礼だと思うんだ。うん。
[しれっと歩みを進める馬上で、肩をすくめた。]**
/*
あああ、とかいってる間に罠来たよ。
どうする、これ気づく?
なにかしているようだだけでも報告しとく?
罠にはかかるものという意見もあるので気づかない?
―クリーク砦:現在―
がっはっは!
おいおい、照れてンのかぁ〜?
[>>267 エドルファスの少しつんけんとした態度に、マーティンは再び豪快に笑った。
上機嫌にクマの手でばんばんと、エドルファスの肩を叩こうとしたが。
次は、もしかしたら避けられてしまったかもしれない。
じゃれ合いといえど、マーティンの拳は、やはり痛いものだから。
続く言葉には深く頷き、]
そうだな。
儂らに護れるものなんざ、限られている。
[そう言って大きく腕を広げた。
2メートルもある大男の両腕は、丸太のように太い。
しかし、その大きさにも限りがある。]
でもなァ、大切なものはひとつでも多く守れるように……
努力することは決して無駄じゃねぇよ。
[ぱん、と力強く両手を叩いた。]
[―――全てを護ることは出来ずとも]
[―――この両腕に納まる幸せは、決して零すつもりはない]
/*
おう、揃ったね。ツェーザルくん遺体回収ありがとー!ガートルードさんなにものー?!とかwktkしつつ、傭兵の二人には会えぬまま散るような気しかしない今日このごろです。
せめてクロさんには回想飛ばそうそうしよう。
そして毎度ながら見事な回収力のディーク殿(拝む
[>>268「州都に向かうのか?」という問いに、エドルファスは真っ直ぐ頷いた。]
そうか、宜しくな!
[若くとも、腕が確かなこの青年ならば、ともに戦うことは心強い。
大船に乗った気持ちで付いて来いと云わんばかりに、マーティンはにかっと微笑んだ。]
なぁに、心配すんな!
面倒臭ぇことは、皆、兄者が何とかしてくれるだろ!
[そう言って、殿を護ってくれる老将のことを想った。
自分と違って思慮深く、戦術に長けたチャールズだからこそ、ディーンも安心して任せることが出来るのだろう。
マーティンがいつも何の不安も無く前線で暴れることが出来るのは、ひとえに彼のお陰である。]
儂らはただ、若の言うことを聞いてりゃええ。
若の言うことを信じて、恐れず、戦うまでさ。
[もし不安そうな色をその双眸に映したなら、そんな風にマーティンは言った。副将の双眸には、確かな自信と信頼が映っていただろう。]
[>>269 そして幾らかの会話をしたのち、エドルファスは一族に挨拶をしてくると言う。
おう行ってこい、と頷いて、]
そう言えば、サシャは出征に行くンかねぇ。
あンときの弓は凄かったなぁ。
よくあんな暗いなかで、一発で仕留められたものよ。
[そう言って思い返すは、クリーク砦襲撃の出来事。]
遅くなって申し訳ない。
何というか、久しぶり過ぎて書き込みの仕方まで忘れてる始末。
黒字や斜体なんてのもあったなー
― 回想/幼年稽古 ―
ダフィにいさまー、けいこけいこー!
[盾と剣を自在に操る歳の離れた遠縁の青年に、オクタヴィアスはよく稽古をせがんだ。
オクタヴィアスが扱うのは軽めの木で出来た小振りの盾と剣。
最初は当然のように本格的なものではなく、剣士ごっこのようなものだったのだが、ダーフィトは根気よく付き合ってくれた]
[争乱が起きるまではそこにダンクラードも加わり、代わる代わる、時には同時にダーフィトに飛び掛っていったもので。
クレステッドが来てからは3人で稽古をつけてもらったりもした]
― 回想/若年稽古 ―
[稽古が本格的なものへと移ったのは、争乱が落ち着いてからのこと。
集まる顔触れは、一人、欠けていた]
…………
[稽古が出来るようになってからしばらくの間、オクタヴィアスは剣を持つことが出来なかった。
その間は盾だけの稽古を続けて、再び剣を持つようになったのは移住する2年前。
父から緑風信子石があしらわれたショートソードを与えられてからだった]
[基礎鍛錬だけは怠らなかったお陰か、剣を持っての稽古も程なく勘を取り戻した。
更に今までの遅れを取り戻すために、自分が納得するまでダーフィトには稽古に付き合ってもらった。
ダーフィトが周りから「オクタヴィアスに甘い」と言われているのは知っていたが、付き合ってくれるのがありがたく、何度もそれを繰り返した]
/*
全員の入村を確認しました。
ご参集ありがとうございます。
切りのいいところで22時頃、手動開始します。
なお、1dは前倒し分込みで、2/15の00:29:59までとなります。
― 回想/故郷離れし時 ―
いつ帰って来れるかは分からないけど…
その時はまた稽古に付き合ってね、ダフィ兄様。
[出発の挨拶周りをしていた時、そんな言葉を彼に送る。
移住先でも鍛錬を怠らないと言う宣にも等しい言葉を残し、オクタヴィアスは故郷を離れたのである*]
[>>84 ディーン・ヴァンデラーら率いる独立解放軍が宵闇に紛れて、砦へと近付いた。
物陰に隠れながらの移動だったので、マーティンの巨躯は大層不利であった。
ゆえに、マーティンは最後尾に付き、一連の出来事を眺めていた。
充分に近付いたとき、ディーンはとある一点を指し示した。
塀の一番高い部分、一人の兵が緊張した面持ちで立っている。見張りの兵だろう。
目視できる距離とはいえど、まだまだ遠い。
あれ程遠いところ、しかも夜に、弓矢なんて当たるのだろうか。
マーティンは疑問に感じていた。
しかし、そう思った次の瞬間。塀から見張りの兵は消えていた。
すぐ前を見やると、弓矢を構えた少女の背中が見えた。]
[サシャ・カリュオン]
[キュベルドンの森に住んでいる、森の民の一人である。
まだマーティンが山賊であった頃、彼女にも色んな意味でお世話になったものである。
何の因果か、彼女が狩人の称号である「熊殺し」を得たと聞いたとき、マーティンは妙な気持ちになったのを覚えている。
彼女は聞くところによると、幼いときに掛かった病のため、聾唖者になってしまったそうだ。しかし、まるで喪われた聴覚を補うかのように、視力は非常に良いそうだ。
サシャの宵闇でも違わぬ確かな腕のお陰で、この砦は陥落したのである。]
もしあいつが残るンなら、ちっと挨拶しておきてェな。
[そんな風にひとりごちながら。
彼女は今頃どこに居るのだろう。
もし会えるならば、一言くらい、労いの言葉を掛けてやりたいものだ。]
ンじゃ、儂はそろそろ行くぜ。
エディも短い時間だが、しっかり休めよ。
これから忙しくなるからの。
[>>269 そんな風に、エドルファスに声を掛けると、マーティンは踵を返した。*]
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