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人里に身を潜めながら、夜毎人を喰らうという恐ろしい人狼。
幾つもの村を滅ぼしてきた狡猾な化け物の噂が、遂にこの地にも訪れた。
震え上がる者、馬鹿馬鹿しいと一笑に付す者、そして…。
様々な思惑を余所に、人々は話し合いのため集うのだった。
1人目、語り手 が参加しました。
語り手 は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
2人目、闇のセフィロト が参加しました。
闇のセフィロト は、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
■魔界の各エリア概要
1 塔の街 ひとけのない街並みが広がっています。引き出しの中にアイテムがあったりするかも。
2 記憶の書庫 どこまでも本棚が続いています。
3 浮遊する群島 不安定に宙を漂う岩がたくさんあります。ジャンプで移動しよう。
4 霧の沼地 手をつないでいないとはぐれそうな濃霧の中、移動する沼地があり、水棲魔物もたくさんいるとか。
5 狂気の研究施設 実験器具や剥製などが並んでいます。電波とか聞こえてくるかも。
6 魔界温泉郷 いろんな効果をもつ温泉がたくさん湧いてます。着替えや休息に使える建物もあります。
7 灼熱の闘技場 バトルで勝つと賞金と名声が手に入ります。団体戦やPC同士の戦いもOK、観戦や賭けもOK
8 太古の樹海 深い森です。薬草だけでなく触手植物やHな気分になる花など危険なものも生えてるようです。
9 黒い太陽の平原 サングラスをかけて見ているような色調の平原です。魔王が狩りを行うこともあるようです。
10 魔王の城 巨大な城です。ダンスホールや地下牢、鏡の間などなど。
■ランダムエンカウント魔物リスト(サンプル)
1. 七人の邪悪な小人
2. 死霊魔導士
3. 電気ウナギ
4. 吸血コウモリの群れ
5. 動く石像
6. 装備品を溶かすスライム
7. 炎の精霊
8. 堕天使
9. 双頭の魔獣
10. ドッペルゲンガー
他に任意な魔物を出現させてOKです。
村の設定が変更されました。
3人目、闇の精霊 ルートヴィヒ が参加しました。
闇の精霊 ルートヴィヒは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 明かず森・黎明館 ―
[終わらない夜が停滞する深い森の奥。
明けを知らぬ黎明色に染まる館がひとつ。
緑々と繁る木々の合間より差し込む月輝に虚ろ。
夜に閉ざされたその領域は闇の庭。
影を滑り、常夜を管理する存在の住処。]
― 明かず森・黎明館 ―
[夜と影の管理者は、本質と相反し白銀色の髪と眼を持つ。
似合わぬ細い銀糸を緩やかに散らし、静かなる廊下を踏んだ。
ヒトと呼ばれるモノと似た形を取るものの、ヒトでは無い存在。
疲労や憔悴の影響を受けにくいが、反面、責や労働を恙無く遂行するためには必要不可欠なものがある。
――――己の意欲を鼓舞してくれるもの。
その唯一を探し、薄暗い館の中を外套靡かせ闊歩していた。]
[己の生み出す影がざわりと静寂を掻いて揺れ、館で一条を探す。
眼鏡越しの双眸を震わせ、顎に指を宛がい、逡巡数秒。]
――――…月明かりに身を浴しているか、星透水で給じているか。
[放射線状に足元から這う闇は自身の手足と相違ない。
周囲の影と同化し、唯一を探るのも慣れた所行。
下げた瞼の裏に思い描くは、朝露に似た輝き。
夢想するだけで自然と零れる吐息は、無意識の反応。
その溜息に突き動かされるまま、靴先で選ぶ進路は間違えることなく彼女へ―――、自身の愛妻へと向いた。*]
/*
こんばんは、eyesさんとペア村二度目のももてんと申します。
先ずは企画者さん方、村建てお疲れ様でした。
また、この度は全席埋まった後にも関わらず、
枠拡張していただきまして有難うございました。
これからはちゃんと小まめにメール確認します。
大変、お手数お掛けいたしました。
さて、此度も力いっぱい遊ばせていただきますね。
どうぞ、どうぞ。宜しくお願い致します。
4人目、神秘学者 アデル が参加しました。
神秘学者 アデルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 古代遺跡 ―
……ふむ。
この辺りは比較的、静かなようですね。
[気配らしきもののあまりない、薄暗い空間を魔力の灯で照らしながら小さく呟く]
先ほどまでの攻勢からして、この奥に何かあるのは間違いないでしょうし。
……先に、進みますよ。
[空間の奥、見えた扉を灯で照らしながらさらりと言い切る。
そのまま、返事も聞かずに歩き出すのはいつもの事]
[かつん、とつま先に触れた石が音を立てる。
刻に忘れられた遺跡には、人の気配は限られて。
今は、妖魔や守護者の類の気配も感じられない。
それでも気を抜かない──抜けないのは、冒険者としてあちこちの遺跡を巡り歩いた経験故。
勿論、一人きりで巡っているわけではないのだから、もう少し気を緩めてもいいのかも知れないけれど]
(……『彼の人たち』に関わりがあるなら、あまり、気は許せませんからね)
[そんな思いもあるから。
知り合ってからかれこれ半年、行動を共にしている彼に対しては一線を引き続けていた。
『個』として、嫌っているわけではない……のだが。
諸々の事情は、容易く気を許すには至らせなかった]
[生まれ持った強大な魔力と、『斎の民』と呼ばれる特殊な一族の生まれ。
二つの事情は常に誰か、何かに狙われる、という状況を作り出し。
それ故に、常に何者かの守護、あるいは監視を受け続けていた。
幼少の頃は、魔導の師がその立ち位置に在り。
独立し、禁呪研究者にして冒険者、となってからは、それこそ入れ代わり立ち代わりその意図を持った『誰か』が近くにいた。
勿論、そうである、と明言された事はない。
今、行動を共にしている彼もそんな素振りは見せてはいない、けれど。
積み重なって来た様々な出来事は、決して薄くはない『壁』を作る要因となっていた]
[緩く『壁』は巡らせているものの。
今のところ、最も触れてほしくない、気付かれたくない部分を察した様子が見られない事から、呼び名を好きにさせる、という自分的な譲歩は受け入れているのだが]
……ん。
魔力的な封印などは特になし、ですね。
物理的な罠もない、かな。
[閉ざされた扉の前に立ち、探知魔法で危険の有無を精査して]
扉の向こうにも、気配などは今のところなし、と。
……開けますよ?
[奥にも軽く探知を向けた後、振り返って問いかけた。*]
5人目、光の精霊 イングリッド が参加しました。
光の精霊 イングリッドは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[常夜の底に淀む森の奥。
森一体を塗り潰す闇に、ぽつりと淡く滲む暁色の、更にその奥。
闇を統べる男の歩む廊下には、幾つも窓が設えられ、夜空を塞ぐ木々の隙間から細く星灯りが差す]
………
[廊下の突き当たりには、扉を開け放った寝室。
純白の敷布に浅く腰かけた女が、熱心に見上げるは、
大きな天窓に嵌め込まれた青白い月]
[濃藍に染め上げられた部屋に降り注ぐ、窓枠の四角に切り取られた白光。その中心に佇み、月の恵みを一身に浴する背は、ふわと薄い羽を纏う]
[ひたりと這い寄る一際深い影が、肌を包む夜気に絡む。
息詰まる程濃密な気配を紡げるのは、唯一人きりと知る身が、
寝台から其の人を振り仰ぐ]
――…貴方。お帰りなさい。
[翻る淡光の羽は、夜霧の如くさらりと溶け崩れ、
代わりに、差し伸べるよう緩やかに持ち上がる掌]
6人目、魔族の花嫁 フレデリカ が参加しました。
魔族の花嫁 フレデリカは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
むかしむかし、
少々楽天家なごく普通の夫婦のもとに、
とあるきらきらな魔族が現れました。
ごく普通の夫婦は、ごく普通に日々の生活に追われていました。
そんな夫婦をなんと魔族はお金持ちにしてくれるというのです。
しかしなにせ相手は魔族です。
はたしてどんな代償が必要なのか。
夫は当然のようにそれを尋ねました。
「 おまえの末の子供を嫁にもらう 」
妻はきょとんと首を傾げました。
夫も首を傾げましたが、次の瞬間それはいいこと思いついた、な顔でぐっと親指をたてました。
かくしてあっさり契約は成立し、
夫婦は成金……もとい、大富豪となりました。
何不自由ない生活のもと、子供達も伸びやかに――、
大分自由奔放に育ちました。
7人目、異界の神 ベネディクト が参加しました。
異界の神 ベネディクトは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― とある異世界・??? ―
…………はぁ
[誰もいない空間で、男は一人ため息をつき]
一辺滅んだほうがいいんじゃないですかね、この世界…
[物騒にすぎる言葉を吐いた。
男が何者であるかを知る者がこの場に居たのなら、全身全霊を持ってツッコミに勤しんだ事は想像に難くないだろう]
……うちの三柱に思いっきり絞められればいいんですよ、あの門の神
[男は下級とはいえ、この世界に住まう神の一柱であったのだから]
やがて月日は流れ、
煙る月灯りの如く淡い金の髪、
ゆらぐ火を抱く意思強き翡翠の双眸、
しなやかに伸びた手足と裏腹にまだ少し幼さの残る笑顔、
末の子が無事に成人を迎える祝いの日。
白い礼装を身に纏い、
訪れた客人達に挨拶を終えた頃のこと――
[夜に閉ざされた世界で、ひとつだけ輝く光。>>9
己の求める唯一の在り処を悟れば、紫闇に溶ける魔手が先行。
自然と歩みは速いリズムで靴音を奏で、来訪を知らせるように響く。]
―――……イングリッド、
[開けた扉の向こう側、空気に混ぜる声は低く穏やかな音域。
彼女の一時を害してしまわぬように、忍び寄る音も控え。
されど、両腕は正直に、輝き零す羽を閉じ込めるよう差し伸べた。]
ただいま、戻りました。
私が居ない間、大事はありませんでしたか?
[光の粒子を抱くように、片膝を寝台に上げ、慣れた抱擁。>>10
動作は幾らも繰り返されたものだが、抱き寄せる度に真新しい心地で胸が透く。]
……まだ、来ないの?
[ぽつりと零す言葉とため息。
待ち侘びていたのは、もちろん大好きな幼馴染のこと。
折角の礼装を一番に見てもらいたかったのに、遅い]
何かあったのかな、心配だな。
事故にあったり、変な人に絡まれたり、
マダムに誘惑されてたり、してないかな……。
[傍らでは執事が失笑していた。
来客たちの挨拶のターンを抜け出して、
窓辺で悶々としていればあらぬ妄想が募る。
いつだって彼のことが気になって仕方がない、
特に――“あの日”からそれは顕著になった]
ちょっと迎えにいってく――……る?
[窓ガラスに映る不穏な影を見たのは、
ちょうど身を翻しかけたその瞬間――]
[手繰る左の指先が腰に回り、伸ばされた掌を掬うは右手。
恭しく瞳を伏せながら、彼女の指先に先ずは啄ばむ接吻を。
そのまま、希求に従い、掌にも唇を収めた。
細く片目を開き、彼女の顔貌を眺めつつ、リップノイズをひとつ刻み。]
―――…私は耐え難い苦痛でした。
貴方のいない世界は、本当に無聊を託つばかり。
……え?
[舞い降りる翼のような黒い影、
認識したのはそこにいたのが人外のものだということ。
それと、――父がしたという御伽噺のような“契約”の話。
いささかお調子者の父は、だが大丈夫だと笑っていた]
えっ、いや、待って……、
あの話なら無理無理無理!
っていうか、明らかにおかしいよね……!
[ひそかに体を鍛えたりはしていた、
わけあって明らかに正当防衛を越える過剰防衛な
武術を習ったりもしていたが、理解を超えた動揺に、
困惑交じりになんかそこにいるのを睨みながら後ずさる]
「 迎えに来たぞ、我が花嫁 」
[そんなことを重厚に言われても困る。ものすごく困る。
というかこの魔族はその言葉に何も疑問を感じないのだろうか]
『あんな契約をして大丈夫かしら?
妻は心配そうに言いました、
少々お調子者の夫は平気だよと笑いました。
なぜなら、ふたりの末の子供は――』
[名を呼ばう声は、耳にしとりと馴染んだ深い低音>>13
差し伸べられた両腕に、そっと掌を添わせて応え]
はい、お帰りなさいませ。ルートヴィヒ。
[躊躇いなく身を強く閉じ込める腕に、微笑を湛えた瞳が僅か揺らぐ]
……、ええ、何事もなく。
ずっと、貴方の影と一緒に、この館に居ましたもの。
[耳元で日々繰り返される、少しばかり大袈裟に響く帰宅の挨拶。
触れるか触れないかの軽さで、そっと肩口に額を擦り寄せ]
[名を呼ばう声は、耳にしとりと馴染んだ深い低音>>13
差し伸べられた両腕に、そっと掌を添わせて応え]
はい、お帰りなさいませ。ルートヴィヒ。
[躊躇いなく身を強く閉じ込める腕に、微笑を湛えた瞳が僅か揺らぐ]
……、ええ、何事もなく。
ずっと、貴方の影と一緒に、この館に居ましたもの。
[耳元で日々繰り返される、少しばかり大袈裟に響く帰宅の挨拶。
触れるか触れないかの軽さで、肩口に額を擦り寄せ]
/*
と、とっさに真逆かと思ってしまったが、ふつーに男子として育ってるんだね。
失礼しました。
しかし、我ながらいきなりこの態度……ちゃんと落ちれるだろうか。
相方さん的に、そこは大丈夫だろう、とは思ってますが。
― とある異世界・??? ―
…………はぁ
[誰もいない空間で、男は一人ため息をつき]
一辺滅んだほうがいいんじゃないですかね、この世界…
[物騒にすぎる言葉を吐いた。
男が何者であるかを知る者がこの場に居たのなら、全身全霊を持ってツッコミに勤しんだ事は想像に難くないだろう]
……
[男はこの世界に住まう神の一柱であったのだから]
8人目、没落貴族 リエヴル が参加しました。
没落貴族 リエヴルは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 旅立ちの時 ―
[男は、手袋をはめ、正装の姿で杖を手にし、立ち上がる。
動きは、年相応のはずだが、不自由な脚はその姿を年齢よりは上に見せるだろう]
どう考えても、
待っていそうだしな。
[靴音は、特徴的なテンポ。
膝から下、存在はあるが、感覚のない右脚。だが、状況からいけば、失わなかっただけでも上等だと言われた。]
9人目、冒険者 レト が参加しました。
冒険者 レトは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
……だっから、お前が先行ってどーすんだっつーの。
[探知出来るとは言え急に襲い掛かられたらどーすんだ、とは常から言うこと。
言っても聞きやしないのもいつものことだった]
[小走りに地を蹴り、アデルの直ぐ後ろへと追いつく。
ここならば急な襲撃からも対応がしやすい]
(…ったぁく、護衛仕事も楽じゃねーなぁ)
[そんなぼやきをするレトが何故護衛の仕事をするのか、それには理由がある]
[冒険者、とは名乗っているが、レトは単なる冒険者ではない。
世界に危機を齎す可能性がある人物を監視、そして悪用から護ることを主眼とした組織の一員だった。
半年前に前任者から引き継ぐ形でアデルの監視及び護衛に任ぜられ、経歴を隠し冒険者としてアデルに近付いたのである]
(先輩方ほんっとよくやるわー)
[任務を開始して程なくして抱いた感想は、めんどくさい、だったと言う。
幸い、前任者の徹底的な教育によりアデルの目の前で組織の一員である一端を見せることは無く、何とか半年経過した、と言うのが今の状態だ]
[慣れた仕草で、夫の腕がするりと腰に巻きつく>>15
肩に伏せた顔を起こせば、恭しく手を攫われ、指先に、掌に、丹念に接吻を施される様を眼前に見る。
――幾度となく与えられた感触にも、濡れた微音にも、未だ慣れる兆しは見えないが]
また、そんな事を仰って。
私を引きとって下さるまでのお暮らしの方が、
ずっと長かったでしょう?
[白銀に菫を間近で重ね、ひそりと囁く]
[数年前、…とある事故により、若くして、走れなくなり、それまで見せていた明るさは影を潜めた。
だが、陽気な子供だった彼が静穏になったのは、それは怪我だけが原因ではなく、
同時期に、家自体も、王家からの呼び出しがかからなくなって、斜陽していったこともある。
そして、リエヴルが怪我をしてから2年後の秋、
父はあきらめたようにある日、ぽっくりと亡くなった。
可哀想とも世間からは見えたかもしれないが、
それなりに、家族には愛され、終わった最期は穏やかなものだった記憶がある。
それから、母は、高名な家の出であったため、父がいなくなると、実家に戻ることになった。
母は嫌がりはしなかった。なぜなら、お金がかかることを知っているがゆえに。
実質彼女は、父の家のため、自ら戻っていったのである。
今は、僅かな領地とともに、もう、形ばかりの公爵家を護る立場。それが、私、リエヴル・ブルーメントリットに残されたものである、はずだった。]
/*
寝てたんだよすまぬ。
そして既に眠いって言うね(
今回くろねこさんお誘いして参加させて頂きました龍猫でございます。
わーい、レトだレトだ。
使ってみたかったんだよね。
アデルが女って気付いたらどんな反応するのかまだ読めてないのだが頑張る(
[外に出れば、彼の家の執事がそこにあった。>>14]
やあ、心配そうだね。
だが、
心配していいとは思う。
私はそんなに頼りになる男ではない。
[執事はその言葉をどう受け取っただろうか。
全くヒーローとは程遠い台詞だと自分でも思う。
彼の成人のパーティで、彼が魔族との契約で連れていかれたことを聞いたのは、
既に彼が消えたあとだった。
魔界に通常の人間ははいることはできない。
なぜなら、その出入り口は分かっていても、その世界はまるで異質だ。
だから、追うことが許されたのは、
大きな代償を既に払っているもの。つまり魔界へ入り込むことの許される脚を持つもの。
普通の人間はその魔界への一歩で、脚が違和に焼き切れるのだが、既にその神経が侵されている人間は。]
[机も椅子も扉も窓も、男の目の前のマグでさえも、白によって構成された空間でただ一人。黒ではないものの暗い色で構成されている男の姿は、遠目に見ればキャンパスに落とされたインクを思わせる。]
重要だっていったじゃないですか、私だけじゃなく兄さんも姉さんも言ってたんですよ。世界のバランス保つために、同質量の魂を持つ人間を呼ばなきゃなんないって話を……
今回は後始末なんですよ、後始末なんですよ?なんで邪魔しやがるんでしょうかね、あの
[白の中の異物は聞く相手もいないというのに愚痴をこぼし始める。
純粋な嫌がらせなのか、弄りのつもりなのか――…男とその兄姉達は事あるごとに他の神からの妨害を受けているのだ。
創造神から見れば遥か下。人間達に文明を起こさせるため、それらを発達させるために作られた……受ける杯、示す王冠、そして交わる金貨の四柱は、神としての干渉力はあまりないが信仰力は有り余っている。
もしかしたら件の面倒事たちはそれに対する嫉妬からのものかもしれない]
[ちゅ、と小さく鳴る音色が量産され、腰に回した五指を立てた。
自然と密着を誘えば、夜に馴染む身が彼女の光を浸食。
まるで、その輝きごと掌中に納めたがるように。>>20]
――…本当に?
ずっと月明かりを浴びて?
[口を開けば吐息が彼女の掌にぶつかり、呼気で擽る。
自身の冴えた夜の体温と違い、彼女は何処か暖かい。
陽だまりの眷属らしく、己の意識を爪弾いて誘う。
されど、続けられた言葉には密やかに笑った。>>28
暗黙の肯定を成す笑気に混ぜて、彼女と視線を合わせ。]
なれば、ずっと永く、私は死んでいたのかもしれません。
[精霊に消滅はあっても死は無いとされる。
だが、闇に紛れるだけで坦々と過ごす時がどれほど空虚かこれ上なく理解していた。]
[『時空転移門』──異なる世界同士を繋ぐとされるもの。
その起動は超一級の禁呪として扱われており、資料の類もあまりなく。
噂の聞き込みと文献の調査を重ね、ようやくたどり着いたのがここだった]
さて、では、参りましょうか。
[口調だけは楽し気に、薄暗い通路へと躊躇う事無く踏み込んでいく。
収められている遺物への影響を鑑みれば、大掛かりな罠はあるとは思い難いからこその無防備さ。
守護する怪物の類は警戒してはいるものの、自身の魔術への自信は僅かにそれを上回っていた。
それが、護衛としての任を負うレトにどう思われているかは──生憎、気付いていないのだが。*]
ああ、本当に。――…良い香りがする。
[確かめて小さく鼻を鳴らすと、彼女の首筋にも遠征する唇。
自身の空隙を埋め立てるように、彼女に移った幽し月光を堪能。
彼女の腕を引きながら、肢体を寝台に添わせて迫り、首の付け根へ寄せるキス。
戯れの其れではなく、吸い付くように鬱血を浮き上がらせる接触。
彼女の力を呑むが如く喉仏が上下に揺れた。]
貴女と云う杯で喉に通す甘露はやはり違う。
―――…
[そっと自重を移し変え、彼女を押し倒す寝台。
そろりと迫る闇の手が、彼女の足首へと絡まり、ひたりひたりと希う。
強請る振りして捕まえるのはいつものこと。
腹の底の打算は笑顔で有耶無耶に変えるのもいつものこと。
出逢った頃から彼女に昔から見せる顔でもあるが、妻を褥に誘うにしては、聊か胡散臭いのも、――いつものこと。]
10人目、助祭 リヒャルト が参加しました。
助祭 リヒャルトは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[それは、生まれた時に決まったものだと。そう思っていた。
敬虔な神の信徒たる父。貞淑で優しい母。教会に住まう牧師の息子として生まれ、神の教えを説かれて育ちいずれは父の後を継ぎこの教会で牧師となるのだと。
生まれ育った村はけして豊かではなかったが、村の皆は毎週末には教会を訪れ父の教えを聞きにきたものだ。だから、彼は飢えを知ることもなく着るものに困った経験もなく、ただ神の教えに従い祈りを捧げ、一生を終えるものだと、そう思っていた]
[伴侶の両腕に納まれば、濃密な夜の馨に胸が塞がる心地がする。
すっぽりと囲う腕が、身を包んでいた淡光を遮り]
ええ、そう……あと、は。
少しだけ、森を散策したりも、したけれど…、
[囚われた左手を、彼の吐息が辿る。
自らの前言に切れ切れに言葉を足しつつ、未だ自由な右手をその肩に預け]
…いえ、笑えないわ。
貴方がずっと、死んでいた、なんて。
だから――…そんな事、仰らないで?
[窘めるようやんわりと囁き、抱き留められたまま、絡む視線をほんの僅か引き離す]
[柔らかく、しかし、確かな力で彼女の膝まで魔手が上る。
闇を統べり、数多の影を眷属として扱う男は口付けに余念が無い。
首を経由し、耳の裏と、頬、それに淡く染まった眦にも唇を捺した。]
―――相変わらず、初々しく可愛らしい。
少しずつ私が馴染んでいる筈ですが、其れは性質よりも性格なのでしょうね。
[夜を幾ら重ねても、こうした些細な本音に染まる彼女に眦が緩む。
どれほどの浸食を成しても飽かさず、己の更なる強欲を自覚させる。
紛うことなく、己に無聊と孤独を忘れさせてくれる唯一人の愛妻。]
なぁアデル。
お前が禁呪を研究してるのは聞いたが、『時空転移門』とやらを使って何かすんのか?
[探ると言う訳ではなく、単純に頭に浮かんだ疑問。
相手にどう思われるかは定かではない。
躊躇わずに進む様子や怪物の類に臆することが無い様子は、監視が付けられる訳だ、と言う感想を抱きつつ、どこか危なっかしさを感じずには居られなかった**]
11人目、孤狼 セルウィン が参加しました。
孤狼 セルウィンは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
[親は魔界の群れを離れた狼であった。
その理由は定かでないが、少なくとも
群れの長の座に就くことが叶うような
力を持たなかった事は想像に難くない。
なぜなら、魔界すら離れて降りた、この人界で
自身の親はヒトに狩られて命を落としたのだから]
[柔らかな笑みは翳りをみせることはなく、白いゆびさきは重いものを持ち上げたことすらもなく。
そんな彼だからこそ、神に『選ばれて』神の住まう白い世界に呼び出され、ここに留まるようにと神に告げられれば、迷うこともなく頷いたのだ]
――神の御心のままに。
[この地で力を持つ四人の兄弟神に引き合わされ、それぞれの神から特別な力を賜った。そして最後の兄弟神と出会う直前――白い世界は、一変した]
[彼の全てには未だ馴染まずとも、月光の代わりに肌に纏わる香は、夜毎覚え込まされたもの。
頭の芯が霞む心地に、視線を臥せると、心を読み取ったかのような声が首筋を撫ぜる]
それ、は。貴方こそ……、ッ
[甘い声音に続いて齎された、肌を啄ばむ疼き。
圧し掛かる男の重み。闇に肺まで満たされ、吸う息が浅く震える]
――…は、い。
私は、…貴方の、妻ですもの。
貴方の望んで下さる時に、望むだけ――…
[答えよりも早く、しんと冷えた影が足首を搦め捕る。
出逢った頃から変わらず――なお深みを増し、
底を覗かせぬ笑顔が、距離を削り迫る。]
/*
ベース表情は半目の予定
初めまして、お久し振りです、いつもお世話になっとります。
snow03です。
相方がどんな入村文書いてくるかちょうたのしみにしてたけど
うっかり寝そうだとか寧ろこっちの出待ちをされてる可能性とか
色々考えた結果、顔だけ出したというこの現状だよ!
灰を全編変顔にする案もあったんだが
自分の腹筋に悪そうだったのでやめた
*/
何か見つかりましたか?
ここは貴女にとって静か過ぎるかもしれません。
[素直に告げてくれる愛妻と戯れつつ、片眉を揺らして見せた。
繋いだ掌を数度開いて握り、その度に指股を擦り結ぶ。>>37
ふ、と吐息を散らし、首を伸ばすと潜めた声を耳朶の傍に注いで。]
――…私は、貴女の声も、姿も、独り占め出来るので好きですが。
[他愛無い独占欲すら隠すことなく、彼女に記憶の浮上を唆す。
契って以来、幾度も交わした秘め事の欠片。
彼女の表情を確りと視界に納めながら、意地悪く口角を撓らせた。]
おや、それは残念。
――――……今、喪失の想像を?
[更に突いて薮から蛇を出すが如く、彼女に問いかける。
顔貌を覗き込み、眼鏡の奥でゆっくりと双眸が撓んだ。
彼女に答えを促して、ついつい苛めてしまうように。*]
[這い上がる冷えた感触に、ひく、と脚が戦慄き、両膝が固く擦り合わさる。その間も口接は止む事なく、膚の柔い所を選って、上気する眦に辿り着いた]
……ルー、ト。
[薄く開いた唇に、この身を委ねる唯一の人の名を乗せる。
彼と同化した魔手だと思えばこそ、徐に吐き出す息に合わせ、
ゆるゆると膝の力を抜いて]
そんな、こと。…言わないで…っ、
貴方に、こんな――…慣れられる訳、ないでしょう…?
[咎める声音は、切羽詰まったように些か形を崩し]
世界滅ぶって言ったんですよ、耳ついてるんですかね?脳に届いてるんですかね?
両方共怪しいので耳の神と脳の神も創りだしたらいいんですよ。申請したら通るんじゃないですかね?
[白い空間に落ちた染み、末弟である金貨の神の愚痴は……]
あれですか、世界に弓引くってやつですか?どれだけ遅れて反抗期が来てるんですかね?反抗期なら反抗期で盗んだ荷馬車で――…
[止める者がいなくなってしまった事で、外界の空に星が瞬くまで止まることがなかった。
止める者がいなくなった経緯を説明するには、金貨の神が愚痴を吐き始めるより数刻前まで遡る事になる]
此処は、私の棲んでいた場所とは随分違うから…
見飽きないのです。
[静か過ぎるだろうかと評する夫の声を、緩く首を振り打ち消して>>43]
此処は、貴方の統べる森。私の、終の棲家です。
…ですから、過ぎるという事はありません。
[指股を擽る感触に意識を殺がれながらも、はっきりと告げ]
……そもそも、この系列に関しては、『他の世界』に対する認識の差異もあり、中々研究が進んでいないのです。
ですから……。
[語る口調は少しずつ熱を帯び、それにつれて警戒らしきものも薄れてゆく。
己が研究に関する話題になると一気に饒舌になり、それ以外に目が向かなくなるのはいつもの事。
そんな所もまた、危なっかしい、と認識されている所なのだろうけれど。
当人には全く、自覚はなかった。**]
[耳許に直に注ぎ込まれた低音が、必死に押し殺している羞恥心を無造作に呼び覚ます]
ゃっ、や、め――…
[く、っと一度噛み締めた唇が、震えながらも、
夫の眼前で薄らと解け]
……元より、私の全ては。
貴方お一人だけのもの、でしょう…?
― 回想・とある異世界、白の間 ―
『と、いうわけなのです。あなたにはできるだけ長く、この世界で暮らしていただきたいと――…』
[白の間には五人……いや、一人と四柱の姿があった。
金貨の姉、杯が異世界から召喚された人間へ今の世界の状態と頼みたいことを伝えているのだが、金貨は矛と杯の後に隠れる形になっているため、相手を窺い知る事が難しく、また、金貨自身それどころではなかった。
姉がしている説明も話半分しか聞こえない程、金貨は自身の思考へと沈んでいたのだ。]
……現金……は、やめときましょう…
[金貨の頭の中を占めるのは、頼みを聞いてもらう代わりに与える贈り物の内容である。兄や姉は悩むことなく恩恵を与えたらしいのだが、自分からの贈り物は決まりそうにない。
うんうんと考えこむ姿は神の姿としては少々威厳が足りなく見える為、兄達は苦笑を浮かべ金貨を隠す。
拓く矛、受ける杯、示す王冠に比べ、金貨は恩恵に関してだけ言うならば、少々どころではなく不器用なのだ。
自ら管理できない人間へ恩恵としてなにか与える事、交渉事という性質故に他者の意思決定への干渉となりかねない事を、恐れ、結局――…]
(兄さんと姉さんの与えたものを見てから考えますかね…)
[後回しにしたのだった。]
[彼女の端々から、移り香を聞く。
婚姻を経て以来、彼女の中に確かに積もる不和の澱。
身体の深い場所に注いで、見えぬ鎖で繋ぎ安堵する。
属種を越えた嫁入りは必ずしも歓迎されたわけではない。
特に彼女の同属に対しては殆ど省みず断行したと云っても過言ではない。
だが、欲しかった。
腕の中で羞恥に狼狽え、何時までも物慣れぬ彼女が欲しかった。
彼女が手に入るなら、精霊界に戦火を撒くことすら厭わず、唯只管に、欲しかった。]
[さあ方針は決まったと]
兄さん、そろそろ私も紹……
[件の人間の姿を見たいと、視界を塞ぐ二人の兄に声をかけたのだが――…]
………兄さん?
[兄神二人は一点を見つめたまま、動こうとしない。どうしたことかと覗きこめば、長兄の矛の顔には怒りが浮かび、次兄の王冠の顔からは血の気が引いている。]
そう、貴女は私の唯一人の愛妻。
一条の光にして、私と言う影が生まれる場所。
決して傍を離れていけませんよ。
[釘を打つように言い聞かせ、首を傾ける。
順繰りの口付けの行き着く先は、従順な唇へ。]
イングリッド、永久に傍らに。
―――…私の棲む影は、貴女の光の下が良い。
[彼女の同属が自身の熱意に負けたのか、省みぬ仄暗さを感じ取ったのかは分からない。
けれど、こうして今、彼女は自分の腕の中に居る。
その事実が何より己の心を満たしてくれた。]
兄さん、一体どうし『門の子の仕業かしら?』
[どうしたのか聞き出そうと口を開けば、それに被せるような姉の声。声に釣られて姉の方を向けば、疑問形の言葉を発したにしては確信のようなものを浮かべていた。]
どこかに『ええ、飛ばされたのでしょうね』
[世界と世界を繋ぐ門をも管理している神の名を出されれば、招待したはずの人間がどうなったのか、大体の予想はついた。
滅亡しかねない世界を救う鍵が、他の神の私情でどこかの異世界に飛ばされた――…頭を抱えたくなる状態なのだと。]
――回想・了
[耳に滑り落とされた囁きは、帯び始めた熱を引き摺り上げる響き>>43]
…貴方は、私を。
笑わせたかったのですか?
[こちらを覗き込む貌にすっと手を伸ばし、意地の悪い視線を
薄く隔てるグラスを奪う>>44]
……知りません。
[悪趣味な問いへの返答には、ぽつりと簡潔な呟きだけを*]
12人目、巫女 ベルティルデ が参加しました。
巫女 ベルティルデは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
…… ぁ、
[静寂を保っていた森。
見上げれば、深い木々の間より微かに青白い月が覗いただろうか。
夜、森に入る事、それが何を意味するかは幼子でもわかるだろう、闇の中で普段のそれよりも彩度を落として見える赤いローブの下、小さな感嘆をあげた女の息は僅かにあがっていた。]
― とある異世界、白の間 ―
生きてるといいんですけどね……
[一頻り愚痴を吐いた一柱は、まだ見ぬ召喚者の身を案じ息を吐いた。
不幸中の幸いというべきか、恩恵を与える下地を準備していながら恩恵を与えそびれたために、自分と召喚者の間には“繋がり”ができたままだという。
繋がりへと意識を集中させることで、大体の場所を知ることはできるのだが……]
間に合わなかったら、どうしよう…
[どの世界へ向かうにしろ世界を出るのであれば、門を通らなければならない為、許可が出るまで身動きがとれないのであった。
兄と姉が、持てる手段の全てを用いて“お話”をしてくるそうなので、件の異世界へ行けることは行けるだろうけれど……
先に飛ばされた客人の安否を思うともやもやとしたものが溜まるのであった。**]
[父たる族長から、ある日前触れもなく告げられた自らの嫁ぎ先。
同属とは相容れぬ性質を持つ、闇の精霊の長。
其の名を耳にするのは元より、当人の前で時折唇に乗せることもあった。
決して見知らぬ仲ではないものの、種族の慣例に照らせば、戸惑いが先に立った。
決して有り得ない筈の縁を取り持ったのは、族長同士の思惑だったのか、それとも――]
異界の神 ベネディクトは、栞を挟んだ。
あった、よかったぁ…… っ、きゃ、
[探し回っていたものを見つけ気が抜けたのか、次の瞬間地にしっかりと張った木の根に脚をとられ、女は転がった。
周知に響く鈍い音、そして地を伝わる振動。
"餌"としての情報を与えるには十分だっただろう、その事に女はまだ気付いていない。]
いつも、そうして呼んでくれると良いのに。
ああ、けれど、帳を下ろした私だけが知っていると云うのも、中々。
[ルート、と呼ばれる特別な響きに、満悦して彼女の口唇を舐めた。
濡れて震える唇に啄ばむキスを二つ乗せ、笑顔は深く変わる。]
こんな―――?
それはどんな事でしょうか、イングリッド。
――…ああ、例えば……、こう云った?
[態とらしく語尾を持ち上げ、魔手が彼女の内股へ伸びる。
普段は靄如く形も虚ろながら、こんなときばかりは質量を持ち、―――男の掌に良く似ていた。
下衣の合間より忍び込んだ闇が裂けて十指を越える触手を伸ばす。
足の付け根に直接甘い圧を掛け、足元から登り、衣服の下を這う。
布地に皺を寄せながら、地肌に纏わりつく闇い影。
柔い脇を擽り、衣下で蠢く感触で齎す恥辱。
胸の膨らみを確かめるように稜線を闇が往復し、秘所すら時折掠め、彼女を闇影で寝台に縛り付けながら。]
―――良い、声だ。本当に貴女は堪らない。
欲しても、欲しても、また直ぐに欲しくなる。
[感嘆の声を漏らして、顎に手を掛け、鼻先を寄せた。
追い詰められるほどに彼女を更に穢したくなる。
婚姻を結んでも満ちず、名を呼ばれても足りず、欲望が募る。
まるで際限を知らぬヒトのようだと、内心で漏らすが、彼女の声に思考も溶けていく。]
………そう、貴女は私の情熱。貴女は私の魂。
―――…イングリッド、貴女だけが私を息吹かせてくれる。
[小さく笑みを噛み殺し、言葉で辿られ安堵に到る。
聡き彼女の明瞭な声は、己の杞憂を打ち砕いてくれる。>>47
彼女が言葉を重ねるたびに、何処にも行きはしないのだと。
この腕から零れ落ちることは無いのだと、信じられた。]
……それは心外な。
私はいつも、貴女の微笑を心の支えにしていますよ。
[奪われた眼鏡よりも、しなやかな指先に視点を置いて見送り。
ただ、と口腔の中だけで呟いた。>>54]
怯えている貴女も、照れている貴女も、怒っている貴女も。
大変魅力的なので、私の方が困っているのですよ。
―――…イングリッド、
貴女はどれだけ私を欲しがりにさせるのですか?
[下手な弁明は何の効果も無く、彼女を呆れさせただろうか。
ずるりと進行する闇が着衣を波立たせ、胸の乳嘴を転がし始める。
彼女を独占して久しい癖、実に性質の悪い顔を晒し、強欲の侭。]
[堂々巡りをする疑心は、隙を見せぬ微笑と、言い含めるよう
絶えず注がれる睦言に、何度となく散らされる。
じわりと髄に浸み込み、思考を麻痺させる甘毒が、
今宵も穏やかに紡がれる]
……夫の、貴方の、お傍を離れるなど。
貴方が、ご自分でそう求めない限りは、きっと――
[とろりと滲む瞳で、…永久に。と呪詛の如き言葉を拙くなぞる。
薄ら開いたままの唇は、漸く与えられた唇を柔く受け止め]
[男の纏う深い闇は、光すら逃さぬ檻と化す。
誰にも彼女を奪わせぬよう、触れさせぬよう。
そうして尚、杞憂だと笑んだ未来を、何れ辿るとも知らず。**]
[神に仕える巫女は、普段運動をする機会などほぼ無いと言っていい。
受け身も満足にとれず、無様に転べば身体が痛んだ。]
いた… こんなだから、怒られるのよね…
[身体を起こそうと地面についた右腕に鋭い痛みがはしり、女は溜息をついた。
反対の腕をつき身体を起こすとローブを払う。
転ぶ際に地面についた右腕を捻ってしまったらしい。
小さな小石や枝で引っ掻かれたのだろう、肘近くの擦り傷からは薄く血が滲んでいた。]
[赤いローブの下、緩く首を振る。
夜の深い森であっても目立つその色は、彼女が仕える神、それを象徴する色。]
でも、これを持ち帰れば、きっと、
私だって、認めてもらえる…
[きっと、ともう一度続けながら、女は数歩歩みを進め、地面にしゃがんだ。]
…… なんて綺麗なんだろう。
[深く被ったフードの下、笑みと嘆息が零れた。
ゆっくりと女が手を伸ばす先には、薄く青白い光を纏う鈴蘭と良く似た花。
森の深い場所には、この月夜白草が咲き乱れる花畑があるらしい。
月の光を浴びて微かに光を纏う、その草があつまり光の絨毯のように見えると、そう言い伝えられている。
けれど、今彼女の目の前にあるのは、迷子になったかのように心細く咲く一輪のみ。
それでも女はそれで満足らしい、宝物に触れるように、その白い花を人差し指の背で撫でると、その花を丁寧な仕草で摘み取った。]
帰ろう。
これでもう、馬鹿になんてさせない。
[摘み取った花を腕にさげた小さな花籠に大切そうに入れる。
花を見つけた喜びと高揚で、ひり、と痛む肘の傷の事はもう女の頭から抜けてしまっていた。
僅かな人の血の匂いに闇に蠢きだす影は、一つだけでは無かった。**]
[熱に乏しい彼の肌より、一段と冷え切った感触に曝され。
助けを求めるかのよう、知らず口にしたのは。
未だ幼かった彼に、よく呼び掛けた愛称。
二人分の重みに沈む褥で、幾度となく口を衝いて溢れ出た呼び名]
ん、ぅん…、ルート……、ッ!
[褒美のように、喘ぐ唇を舌先が濡らし、待ち望んだ口接を遂げる。
甘く尾を引き、三度目のキスを強請る喉声が、不意に引き攣れ]
――いやぁっ、だめ……!
入って来ない、で、…来ちゃ、やあ…ッ
[上擦る拒絶の悲鳴は、下衣の隙間に潜むべく蠢く影には、些かも効果を果たさず。夫の掌を細部まで模ったかのような其れを拒み切ることも出来ずに、ずるずると侵入を許した。
今宵も彼に身体を開く時に備え、興を惹こうと香油を薄く塗り込めた肌を、無遠慮に触手は這いずりまわる。
彼と同じく繊細な所作で彼方此方に触れ、潜む悦を暴きだそうと]
[身を捩り抗おうと、密に絡む呪縛は僅かも緩まず。
布地を歪に持ち上げる手は、緩慢に快楽を突きつけてくる。
寝台に縫い止められた身体は、意思とは無関係に、
男を受け容れるべく、少しずつ、着実に解けてゆく]
ルー、…ト、…や、あぁ…っ、!
[自分を追い詰める男の背に爪を立て、闇に搦め捕られる前にと、
必死で縋りつく。
頤を掬われ擦れ合う鼻先、ひたりと視線でも囚われる。
惜しみなく連ねられる甘辞が、じわりと眼の奥まで熱を孕ませ]
――ほんとう、に…?
ルート、……私、を、
[やわやわと胸を啄ばまれる感覚に、あえかな問いは喘ぎと掻き消え]
怯えて、なんて……、そんな事、は…
[打ち消す声とは裏腹に、伴侶の背に縋る掌には力が篭もり、
乱れなく着込まれた侭の外套に皺を刻む]
欲し、…なら、
……ルート、貴方、が――…
[秘事には無知だった真っ新の肢体、その奥深くまで
欲を植え付けた男を、熱に滲む瞳が見上げる。
先の言>>58をなぞるように、ぎこちなくも誘い掛ける笑みを湛えて]
[女が足を速めても、方角を変えても
足音は執拗について来るだろう。
追い駆ける――ではなく、追い詰めるために。
時に回り込んで、森の奥へと方角を狂わせる。
追い立てて行き着く先は崖下だ。
切り立った壁に突き当たれば、逃げ場はない]
ひっ
[背後で草木が揺れた音に思わず声が漏れ、女は口を塞ぐように手をあて、音のした方へと視線を向けた。
じっと目を凝らし、耳を済ませる。
風で草木が揺れたか、小さな小動物が背後を横切った事を願うが、徐々に近くなる気配、そして僅かに耳に捉えた唸り声がその希望を砕いた。]
……
[塞いだ口の奥で小さく悲鳴が漏れた。
じりじりと後退りするが、地を這う草木が容易にそれをさせてはくれなかった。]
[確実に距離を詰めてくるそれの姿は、彼女の目に捉えることは叶わなかった。
狼の青い毛並みは、月夜の森では完全に周囲にその姿を溶かしてしまっていた。
鋭い眼光を持つ捕食者の瞳、それと目があった瞬間、
短く高い悲鳴をあげて女は逃げ出した。]
/*
最初は「魔界で再会するまで顔も名前も知らない方がおいしいよねー」
って話してたけど
目合っちゃったからこれは俺顔見たな……
まいっか☆
*/
[女の足はお世辞にも早いとは言えず、ましてや闇に包まれた森を行くには足元はおぼつかない。
森に住む獣ならば、簡単に追いつけた筈だろう、けれど獣はそれをしなかった。
それが何を意味しているのか。
獣の気配が背後で無く足を向けた先に移っても、女にはその意味を考える余裕も無かった。
途中、予期せぬ段差に女は再度転んだ。
軽い音をたてて花籠が転がる。
地面に放り出された花を掴み、女はなお逃げた。
狼の狙い通り、先に行き場の無い崖下へ。]
[小さな白い花を、この状況で手放さない理由を
捕食者が想像をする訳もないが、
逃げ惑う女の手には、蛍に似た微かな白が
目印のごとくに漂った。
程なく、目論見の通りに崖下に立ち竦む女の姿。
このまま背後から引きずり倒して、その首筋を
噛み破るだけでいい――]
[木々が途切れ、視界が晴れた。
森の外へ出れた、そう女は安堵の息をつくがそれも一瞬の事。
目の前に広がる景色は見慣れた集落近くのものでは無く、切り立った壁。]
そんな…
[荒く肩を上下させながら、女は壁を見上げた。
その壁は女を絶望の底に叩き落す程度には高く、登るための足場すらなかった。
足場があったからとて、女の筋力では、壁を登ることは叶わなかっただろうが。]
[身体に強い衝撃が響く。
次の瞬間、地面から足が浮いた。
ぐるりと回る視界の中で、女は視界の端に落ちてゆく微かな光を捉えた。
開かれた手を伸ばすが、それは虚空を掴んだ。]
[女の手が空を切った]
――――グォウ!
[低く短い吠え声を上げて、それを追う。
横から手を出したのは、見慣れない小鬼の類らしい。
すばしこい動きで岩場の横穴に逃げ込んで行く]
[自らの身体を支えるがっしりとした異形の手。
恐怖に身体は震えていた。
その手の持ち主の姿を確認しようと、血の気の引いた顔をあげ、そして。]
[耳を劈くような悲鳴は、横穴へと吸い込まれていった。
直前に上がった怒りに満ちた吠え。
青色の毛並みを持つ狼の姿を目に捉えたのは一瞬だけで、次の瞬間、視界は一面の岩肌へと変じ、すぐに光の無い真黒の世界へと。]
[追い縋り、急いて横穴を覗き込めば、
大量の蝙蝠の群れが飛び出す]
!
[思わず飛び退いてぶんぶんと頭を振る。
多少の威嚇では一向に収まる気配がないそれは、
最後の数匹がへろへろと森に消えるまで続いた。]
……ウウゥ
[不覚にも、距離を離される]
[恐ろしさに女の両の瞳は、かたく閉じられていた。
ようやくその薄い色の瞳が次に開かれたのは、頬に受ける風が穏やかなものになったため。]
……ここ、は…?
[眼下には、見たことのない景色が広がっていた。
何処まで続いているのかもわからない程の、広大な世界。
けれど、自分達の棲む世界では無い、その事だけははっきりと感じ取ることができた。]
[がくんと視界が揺れる。
自分を捉えている魔物が移動を始めたらしい、人の様に走って移動するわけでも無く飛び跳ねながら移動するその動きに吐き気に襲われるまでには時間はかからなかった。]
離して…!
離してよこの化け物!
[このままでは自分はどうなってしまうのか、考えの行き着く先に明るいものなどはありはしない。
声を荒げながら身体が動く範囲で暴れまくる。
どれ程の間そうしていたか、魔物が面倒になったのか、興味が失せたのか、取り落としたのか、どれかはわからないが、その身体は宙に放り出された。]
[長い悲鳴に続いてあがったのは派手な水音。
水温の冷たさに、身体にしびれが走る。
何とか水面にあがろうとするが、身体に纏わり付くローブのせいで身体は沈んでゆく。
ようやくローブを脱ぎ、腕に巻きつけると必死に水面へとあがる。
岸が近かったことは幸いだった。
重い身体を引き上げると、げほげほと暫くの間咳き込んだ。]
(しっかし、起動させる気満々かぁ。
未然に防ぐべきなのか……でもな、それだと色々バレるしな)
[禁呪とはその名の通り禁じられた呪。
その威力から危険視されることも多く、それ故にアデルに監視がついている。
ただ今回は何かを破壊するようなものではなく、転移術に纏わるもの]
(……まー、ヤバイと思ったら殴ってでも止めれば良いか)
[深く考えないのがレトの性格。
現場判断で対処することに決めた。
この辺りの判断は、アデルの言うように異界転移に関しての認識が甘いせいもある。
異界転移が禁呪として扱われる理由をレトは理解していなかった]
[横穴の奥からは、異様な雰囲気を纏った空気が流れる。
哀れな犠牲者を誘い込むためにぽっかりと開いた、
普通は触れる事のない魔界の口だ]
グルル……
[飛び込めば境界を越える違和感があり、
微かな光明の先へと抜け出す。
開けた視野には、久々の魔界が映った]
………
[地面についた手が白く霞む。
それ程までに濃い霧の中、女はしばらく動けないでいた。]
…… 寒い。
[小さく泣き声をあげながら震えた肩を抱く。
青くなった唇から、白い息がこぼれた。**]
[その場で宙返りすると、旋風がばさりと狼を包み、
着地した姿は人型に変わった。
頭上にぴんと立った耳と、服の隙間の尻尾だけ
変身前のままになっている]
縄張り荒らして、獲物を盗んだ
――絶対許さない
[剣呑な声で呟いて、トンと地を駆ける**]
[熱に浮かされるよう淡く解ける彼女の菫色。
途切れがちの声より拾う慎ましさが喉を干上がらせた。]
――…おやおや、恐いのですか?
いけませんよ、そんな愛らしい声で啼いて。
まるで、誘われている気になってしまう。
[吐息で笑って己の嗜虐性を吐露。
彼女の内股をスライドする闇の掌は、香油を秘所にまで拡げて滑るたびに馥郁が立つ。
香油に混じる彼女の香りに、裸眼が溶けて甘い呼気をひとつ。]
―――…イングリッド、
[愛妻に対する限度を知らない男。
彼女が身を捩るほどに闇は曲線を描いて肢体を捕縛。
闇の抱擁は酷い淫気を唆し、陽光を司る彼女に教える夜の味。]
[闇が彼女の形の良い踝を捕まえ、己の眼前で左右開かせる。
貞節な妻には耐え難い恥辱を塗りつけるように、月光が明く。]
可愛らしい――…、
誰にも触れさせず、ずっと腕の中に閉じ込めていたい。
……貴女は私だけのものだ、
[縋り付いて来る圧に、恍惚の色を銀眼に流し込み。
彼女が触れた場所から宵と闇で編まれたローブが僅かに崩れて、闇霧に溶け。
露になる素肌で彼女を抱きなおしつつ、眦を慰めて口付け、淡色の唇へも到る。]
[するりと胸に回った闇が彼女を捕まえる。
月光に照らされる中、幾ら乱そうと脱衣には遠く。
明るさの下、着衣に身を守らせたまま、彼女を乱す。
絶景を愉しみながら、彼女の羞恥へと還元するように。
煌々とした光の眷属ながら、滴るような闇に濡れゆく愛妻は、火性の素質が無い身すら狂おしく焦がす。
強欲に尽きぬ感性は、精神体としての枠を超え、兆した熱源を潤う蜜壷に押し当てた。]
――――愛していますよ、私の恋しい方。
貴女だけが、私の深淵を知っていれば良い。
[毎夜何も知らぬ身体を穢す背徳感。
彼女を作り変えていく充足感。
肥えた熱源は一等、闇く彼女の体の内側さえも侵す欲。
ズッ、と腰を進めると同時に左右の尖りを甘く摘み上げた。
快楽と言う夜の味は、闇に娶られた彼女だけが知る蠱惑。*]
/*
嫁のメモから1分でオンする自分の天性のアレっぷりに震える…。
アンジェラスは確か受胎告知だったかのお祈りだったかな…?
相変わらず、センスが良いですなぁ。
――…ち、が……
[否定したかったのは、身の内に潜む怯えか、自覚の乏しい媚態か。
嗜虐を隠しもせずに微笑む男に、訴えかけるように雫が頬を伝う。
彼の鼻腔を心地よく擽ればいいとささやかに願い、身に纏った香油は、闇の手が秘所へ滑り落ちていくを助け]
ルート、…ねが、い…っ、!
[直にその手で触れてはくれない夫に、何事かを乞う。
恥辱からの解放を、彼を求める淫気への赦しを]
[切迫した懇願は裏切られ、踝に絡みつく影が、
力の抜け切った脚を易々と割り開く。
隔てを取り去った男の眼前へと、濡れそぼる秘所を月光が暴き]
あ、ぁ……、
[顔を両腕で覆い、見ないで、と弱々しく嘆く。
せめてもの拒絶も、彼の前では無為に等しいと知りながら]
ルート……、私は、貴方のもの、です。
これまでも、これからも――…
[顔を近寄せる気配に腕を解き、与えられる唇を、
眼差しだけがもっと、と強請る。
漸く露わになった彼の素肌に指を添わせ、背へと腕を預け直して]
[乱れた衣は、肉の欲を覚え込まされた身を隠し切れず、
代わりに視界を緩く閉ざす。
一際甘やかに滴る声音と、宛がわれた屹立に、
濡れた眼差しが遅れて彼を窺う]
――ルート、……待、って…っ、!
[熱の低い彼は、されど闇の精気を色濃く纏う。
相反する性を持つ番の交合。
深く貫かれれば、堪え難い熱が胎を蝕み、じっとりと侵していく。
強烈なまでの快楽は、苦痛に余程近い]
や、ぅあ、あ…ッ、
[胸の頂を摘まれ、上がる譫言めいた制止は、微かな理性の欠片。
奥深く迎え入れた其処は、睦み合う定めの牡を歓待するよう
蜜を溢れさせ、秘めやかに水音を鳴らす*]
[彼女が悦楽に溺れるほどに、自らの力が漲ってゆく。
精霊である彼女から得る淫気の純度は高く。
己を溺れさせ、香り以上に心の芯を震わせる。]
御強請りまで覚えてしまったのですか?
いやらしい方だ、先ほどまで月光浴に興じていたとは思えない。
[彼女を言葉ですら弄り、治めた剛直が欲を撒いて脈を打つ。
踝に巻きつけた闇は、閉じるを許さず、寧ろ足の爪先まで這い回る。
鋭利に磨がれる触覚すらも独占し、蹂躙し、末端を愛撫。]
―――貴女のその顔は、本当に良い。
恥ずかしいのに、欲しいのでしょう。
[顔を覆う両手を避けて目頭に口付け、睫毛を食む。
光の清廉さと闇に蝕まれる痴態の同居。
彼女以外に覚えを知らぬ情動と熱量に眩暈がした。]
[先ずは緩やかに腰を揺らして、甘い胎内を掻き混ぜる。
結合部から濡れた音が滴り、彼女に交接の自覚を促して。]
―――…ほら、聞こえますか。
こんなにはしたない光精はいませんよ?
[態と腰を軽く打ちつけ、濡れた音を潰し、高く響かせた。
喉奥を揺らしてしまうのは、淫らで羞恥心の高い彼女に悦を覚えて。
好きな子ほど、と云ってしまえば在り来たりたが、それを一身に受ける愛妻にとっては堪ったものではあるまい。]
此処は私を覚えて久しいのに。
ああ、今宵は緩慢がお好みですか。
―――…仕方のない妻ですねぇ。
[曲解で切り取った彼女の制止に、薄く笑い。
焦らすように腰を引いて、浅い場所に移す熱。
屹立の段差で抉るように蜜を拡げ、切っ先から零れた冥い精と混合させ。
毎夜穿つ奥胎への侵攻に切り替えず、焦らす。
彼女に淫らな言葉すらも吐かせる罠を仕掛けて。
その合間も闇手はあちらこちらへと飛び火。
内の一腕は浅く結合した陰唇を繰り返し辿って遊ぶ。
陰核を挫くに合わせて、胸を摘み、掌中に納め転がす戯れ。
身体中の端々へ火を灯しつつ、彼女に犯す悦に酔う。]
―――…イングリッド、何処に触れても熱いじゃありませんか。
貞淑な貴女が私に隠し事など、頂けない。
さぁ、
[彼女の背に腕を差込、勢いづけて身体を引き起こす。
丁度、自身の膝の上に招くと、当然、浅瀬ばかりを愛していた質量が前触れもなく肢体を貫いて胎内を圧迫。
漲る熱欲は彼女が意識せずとも造形まで明確に知れる連鎖。]
―――……強請りなさい、イングリッド。
[甘い声が唆す。
満面の笑みを彼女に見せ、撓んだ唇は彼女にキスをした。*]
[耳朶をも苛む言葉に、強請ったばかりの唇がひくりと震え]
……貴方、を。夫を、求め欲しがるのは、
――…いけないこと、ですか…?
[乱れた髪の隙間からおずおずと窺い、白皙の頬を掌で押し包む]
…厭らしいと、お嫌いになる…?
[深淵の奥を覗き込む瞳は、胎を力強く突き上げる脈動にぶれ、甘く滲む。足先まで影は到り、身の隅々まで占有の手が及ぶ。
欲しがるだけ、これは与えられるのだろうか、と。頭の片隅で囁く声]
[繋がる腰を揺すり上げられ、柔い粘膜が擦れ合う度、
くちゅりと音が泡立つ。『いけない事』をしているのだと思わずにはいられない、淫靡を内包して]
いや、ぁ……
ルート、そんな、に…しちゃ、や…っ!
[喘ぎの間隙に、涙混じりに訴える。
直截な拒絶を口にするさえ恥ずかしく、夫の背に巻きつけた腕に、ぎゅ、と縋る力を強めた。
逃れようと捩る腰と、助けを求める腕、身がばらばらになる思いで]
違う…、そうじゃないの、
[夜毎最後の一滴まで啼かせ、泣かせる傍から慰撫する唯一の男。
この身がどう扱われるのを好むのか、何もかも解り切った上で白を切る素振り]
そうじゃ、なくて――…ねぇ、っ
[膨れ上がった熱は、溢れ出す精気を塗り込めながら、浅瀬を緩慢に行き来する。空白を満たしてはくれないながらも、甘い疼きが胎をじわりじわりと埋め尽くす。
尖り集中する感覚は、彼方此方に火種を埋め込む戯れに散らされ、もどかしげに身を捩り]
――…いじわる、しないで…?
[逃れたいのか、追い詰められたいのかも解らぬ侭、
甘えた声音が滑り出る]
13人目、司祭 マレンマ が参加しました。
司祭 マレンマは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
― 霧の沼地 ―
[ミルクを溶かしたような、あるいは薄いヴェールを幾枚も重ねたような、濃く深い霧が世界を押し包んでいた。
そよとも風は吹かず、空気は湿って澱んでいる。
その空気をごく微かに揺らすのは、声。]
主よ。
深い淵から、私はあなたを呼び求めます。
主よ。
私の声を聞いてください。
私の願いの声に耳を傾けてください。
[詩編を唱える声は細く弱弱しい。
だが途絶えることはなかった。
この魔界の大地には似つかわしくなく、
しかしかき消されてしまうようなこともなく。]
[声の元を辿れば一つの沼地に行きあたる。
沼の周囲だけは霧が薄れ、空気の重さも減じていた。
柔らかな風さえ感じさせる空間だったが、
沼を満たしているのは、腐臭を放つ炭のような泥濘。
大人の歩幅で4、5歩ほどの小さな沼の中央に柱がXの形に組まれている。
柱の先端から一本ずつの鎖が伸び、鎖はひとりの人間の手首にそれぞれ絡みついていた。
腰の上まで泥濘につかり、身じろぐたびに黒泥がゆるく漣立つ
その人物が身に纏うのは、汚れ破れてはいるものの、もとは純白だっただろう司祭服。
首元に、輝きを保ったままの銀の聖印。
髪は重く水を含んで首筋に張り付いている。
項垂れ、露わになっている首筋の肌もまた穢れを知らぬ白。]
私は主を待ち望みます。
私のたましいは、待ち望みます。
私は主の …っ、みことばを、待ちま、す。
[唱える声は時折揺れ、途切れた。
今この瞬間もなお絶え間ない責め苦に晒されているのだ。
それでもなお息を整え聖句を唱え心を保つ。
救い手は必ず現れると知っているがゆえに。**]
あつ、い……、
熱い、の、貴方が、擦れて……
[幼子が訴えるにも似た、縺れる舌。
見目より逞しい胸にすりと頬を寄せれば、抱え込まれたまま、
強く身を引き上げられる。
夫の腕に委ね切った自重は、まるで彼の全てを呑み干すために、
ぐ、と一点に懸かり]
ひぁ、あッ…! やっ、ふか、…
[身体に熱い芯が通された感覚に酔う。質量を堪能しようと、
ひとりでに揺らめく腰が、不意に大きく揺らぎ]
……ぇ、――……これ以上…?
[強請った事を無自覚に認める問いが、キスの隙間にぽつりと零れる]
― 古代遺跡 ―
……と、いうわけで。
複数の施術者の魔力を基点として開く『異界門』に関しての研究は、現在も条件付きで進められているのですが……。
[色々後悔されている事>>80に気づいているのかいないのか、俄か禁呪講義は続く]
今回の調査対象である『時空転移門』は、単独施術者
による起動を前提としたものであり……。
[自分に監視がつけられている理由は、察しがついていた。
人の身には余る魔力と、その研究テーマである禁呪。
禁忌とされるからには相応の理由と力を持つものに、それを扱い得る力の持ち主が触れるという事。
それが、周囲にどんな思いを抱かせるかは、考えるまでもない。
だからと言って自分の在り方を変える気はなく、魔導師として独立してからは各地の遺跡を巡り──色々、トラブルを起こす事も多々あった]
……きゃっ!
[全く予想していなかった事もあり、条件反射で零れたのは素の声音。
普段のやや低く作っているものではない、高めのそれは、どう響くやら]
……いった……何するんですか、もぉ!
[走った衝撃に、上がるのは不満げな声。
自分が問題状態にあった事の自覚は薄いから、滲む不満は素のものだった。
色々と突っ込まれるようならどこか拗ねたような面持ちで聞きつつ、一先ず俄か禁呪講義は中断して]
……まあ、不注意なのは認めますけどね。
それより、どうやら最深部についたようですよ。
[素っ気ない言葉の後、淡い緑は奥へと向けられる。
先ほどのそれよりも仰々しい扉──その向こうからは、ウィィィ……という何かの駆動音が微かに響いていた。**]
[その怪我は、彼が16歳あたりのこと。
幼馴染のフレデリクより2年ばかりはやく、全寮制の寄宿学校への顔合わせをした帰りのことだった。
馬車を使って迎えにこさせるのを断って、駅から町を抜け屋敷に向かう。
その訳は、町の中にある活版所に立ち寄り、タブロイド紙のプリントミスを漁りまわし、いわゆる、家族からは見せてもらえないようなニュースや画像を見るのを楽しみの一つにしていたからだ。]
[彼女の指先から覚えるのは微熱。
苛むほどに眦より雫を零して、己に乞う姿に満たされる。
胎内に収めた欲が、また鼓動を高め、鳴った。
柔肉に与える振動は奥にまで響いて、痙攣と変わり。
一打を埋め込むごとに彼女の中へ夜を撒く。
濃厚な侵食は相応の質量を持ち、濡れた水音を立てて響かせる。]
貴女はそろそろ其れが逆効果だと覚えた方が良い。
―――…それとも、態とですか?
[彼女の必死を理解しながらも、乱れるほどに強欲が鎌首を擡げる。
こんな風に儚く乱れる彼女へ向ける独占欲。
奪いつくしても足りない情熱。]
[焦れて吐き出す声は実に甘い。
彼女の静かなる響きは元より耳に優しいが、褥では糖度を増す。
苛めないで、意地悪しないで、と告げられる程に働く悪趣味。
囁かれるその言葉を更に聞きたくて、一層彼女を熔かしたがって。]
―――此処まで、
[ヒタリと添えた指先は抱き上げた彼女の腹部を押さえた。
丁度中から圧を掛ける深層の位置。
白い腹に円を描き、指先で弄ると内外から同じリズムで刺激を送る。]
………満たしても足りない。
[恍惚と零れる吐息は彼女が切なげに熱を擁するが故。
焼け焦げそうな熱は、起伏に疎い精霊にとり極上の美酒となる。]
私は貴女に際限を知らない。
足ると云う言葉が遠い。
永遠を尽くしても、きっと貴女に首っ丈。
[首を刈られると死んでしまうヒトでなくて良かった。と、独特の冗句を飛ばし、腰に指先を添える。
彼女の呼吸が整わぬ内に、揺らめく腰を陵辱するよう突き上げた。
しなやかに撓る彼女の首筋に唇を寄せ、増やす朱華の刻印。
露な首筋に、形の良い鎖骨に、丸みの始まる胸元に。
誰憚ることなく、楔を打ち、己の寵愛を愛妻に刻む。
跨がせた肉体を下から突き上げ、再び引き摺り下ろす。
肉欲を堪能する切っ先が幾度も奥底を叩いて、清純を穢しゆく。
どろどろと体内に溢れる先走りは色濃い闇の気配。
胎に収まれば、自然と彼女の力を貪り、食い荒らす。
止め処ない夜に似た蹂躙。]
14人目、修道士 ジークムント が参加しました。
修道士 ジークムントは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[死者が蘇って村人を襲うという剣呑な話だった。
そういった変異の対処をするのが至聖庁特務機関の任務だから、出動要請に否やはなかった。
それが彼とのしばしの離別を意味する単独行であっても、だ。]
行ってくる、ブラザー。
[加護の儀式を受けて出向する。
いつもどおりだった。 そこまでは──]
そう、もっと。
ほら―――…、イングリッド。
ぼんやりしていると、貴女の全て。食べてしまいますよ。
[密やかに笑って目先の胸の膨らみに口付けた。
そのまま、柔肌にも鬱血を残し、狭心を隠すことすらせず。
そうして、浅く舌を伸ばして胸の尖りを口腔へ迎える。
長引くリップノイズに合わせ、末端に吸い付くと喉仏が上下。
ざわざわと這い回る闇の手が、部屋中を覆い尽くす。
深淵の底に蟠る闇色は、漆黒よりも尚、冥い。
日の注さぬ厳重な檻の中で大切な彼女の身を抱いて、二本の腕が鎖を模して絡まった。*]
[到着した村では、すでに墓泥棒が捕まっていた。
調査をしたが、瘴気は感じられなかった。
無駄足だったというわけだ。
それでも、問題が解決したことは喜ばしいこと。
主に感謝しつつ、急ぎ至聖庁へ戻り──]
15人目、喪失者 シュテルン が参加しました。
喪失者 シュテルンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
/*
いちゃいちゃしてたら、秘話pt半分溶けました。
しかし、嫁かわいいよ。嫁。
ツボばれてるとか思えませんよ。
[奥へと届かせる振動、絶えず注ぎ込まれる夜の精。
脆い内側を伝わり、身体の端々へと滲み渡る、気怠い熱]
は、ぁ……、ぅん…、
ルー、ト……ルート ――…
[うっとりと睫毛を臥せ、熱心な律動に応え、弓なりに背を撓らせる。
ただ侵食を甘受する身は、侵し抜く程に希求する夫の情動を完全に解することはなく。囁きの意図するところを判じかね、とろりと蕩けた眼差しを緩やかに向け]
[ひたと下腹に宛がわれる指。
薄い腹の真下、彼を擁する其処を示して。
内に孕む自分だけでなく、彼自身にも手にとるように把握されている、その事実に眩む。
最奥までを犯してなお、夫の追求は飽くことなく]
でしたら、――……、っと。
……溢れるまで、貴方で、満たして下さい。ルートヴィヒ。
[震える声で明瞭な許諾を差し出すと、彼の返事を遮るよう、
唇を寄せ吐息を呑み干す]
…貴方の、お言葉も。
尽きることを、知らないのですね。
永遠を―――下さるのですか…?
[慈雨の如く浴びせられる睦言に、微かに唇を綻ばせ囁いた。
冗句に笑みを深め、そっと首筋を指背で撫ぜる。
不意に強まる律動に指先は離れ、執着の証を紅く印される
疼きを堪えようと、彼の背筋を這う。
揺すり上げては引き摺り落とし、宥めては追い詰める繰り返し。
前言を裏付けるよう、際限もなく夜通し続く交情。
夫の精を受ける度、虚脱に侵蝕されると知りながらも、
一度として拒む事はなく]
[痛いと感じるのは頭を怪我しているからか、
あるいは頭が痛みを認識する場所だからか。
それとももっと何か―――忘れたい事でもあったのか。
目覚めて、何も覚えていない自分には、
どれが正解に近い答えか解らなかった。]
…………。
[ここはどこ、私は誰?と口にしなかったのは
なけなしの理性が働いていたからだろう。
頭は真っ白に混乱しっぱなしだったが、
何とか無言のまま足元にほんの少しだけ、溜まった水の塊に、
鏡のように顔を映して瞬いた。]
これが、わたし。
……いや僕?
[中性的な顔立ちからは、自分の性別が解らない。
視線を胸に落とすと、残念ながら窮屈そうな服に隠されたそこは
あるんだか無いんだか解らなかった。
下の方は――何となく触れるのが怖くて近づけなかった。]
[その間も相変わらずズキズキとした痛みに眉はやや寄ったまま。
少し前、目が覚めたと同時にそこに触れると、
ぬらとした感覚に驚いて手が止まった。
改めて手を見ると、指先には鮮やかに赤い色が、
絵の具を塗ったように残っている。
まだ乾いてもない傷は、ついさっき出来たばかりのよう。]
[自分の性別すら解らないが、腰には剣がかけてある。
柄に手を当てると、何となく指が馴染むような感覚を覚えた。]
剣があるから、頭を怪我した…?
いや、そうとも限らない、か。
[じっと考えていても仕方がない。
まずは怪我の治療と、それから
自分が何者なのかを思い出さなければならない。
そう見知らぬ場所を、彷徨うように歩き出す。
人の声に誘われるように足を進めると、
そこは物々しい雰囲気をした建物の前だった。]
― →灼熱の闘技場** ―
貴方に、なら…
喰らい尽くされても、私は――……
[熱に浮かされた許容が、ひっきりなしに喘ぐ唇の隙間に零れた。
心臓を宿す胸もくっきりと鬱血に彩られ、存在全ての占有を
無言の裡に主張される。
唇で辿られ、尖りを咥内に含まれれば、自ずと溜息が誘われる。
光を飲み干し、一段と濃さを増す闇が部屋中に満ちていく。
二度、甘い吐息を洩らして、今や深淵に淀む闇を抱くためだけに
在る両腕を、ゆるりと差し伸べた*]
/*
メモ:
まだ血がだらだらしている。
何か嫌な事でもあったらしい(多分)
ペア村はある種の殺し合いだと思っているので頑張ります(ぇ)
/*
はっ…独り言を埋めてなかったのに気づいたわ。
旦那様が初っ端からギア全開で格好良過ぎたせいで、
旦那様への愛を埋めておくのが疎かになりました(陳述
相変わらずぐいぐいツボを押されるし、発想が被るのよね…
あ、先に言われてたわ、と思うことが多々。愛。
/*
そして期待通り、ルートのチップはほんとに嵌ってるわぁ……
このどろどろ情熱的な愛され方が堪りません。
嫁は幸せです。至福。
[腕の中で光のように溶けてしまいそうな彼女が愛しい。
微かな刺激にも反応を返す従順な身と、浸食を受け入れる心。
途切れがちの声すら熱を煽られ、思わず乳嘴に浅く歯を立てた。]
イングリッド、――…貴女は本当に。
[狡い方だ、とまでは口にせず。
重なる視線の甘さに、深く彼女を突き上げた。
ぐちゅ、と結合部で粘性が響き、闇の指先が陰核を括り出す。
小さな欠片を無数に別れた魔手が、執拗に摩擦し、悦を研ぐ。]
[部屋を閉ざした闇の中、浮かび上がるのは彼女の白い肢体。
白磁の肌に高潔で清らかな魂、零すのは愛妻を恋う溜息ばかり。
触れた唇の甘さに、自身が抱える根源たる闇が呼応した。]
――…後悔も、反論も聞きませんよ。
私を捕らえて離さぬ貴女がいけないのです。
私を惑わせ、恋わす。貴女が。
[グ、と胎内で肥える熱欲。唇を啄ばんで注ぎ込む吐息。
細い腰を捕まえる腕と、迫る数多の闇の気配。]
― 古代遺跡・最深部 ―
……これは!
[駆動音らしきものが聞こえていたから、予想はできていた。
しかし、実際にそれを目の当たりにして──上がったのは、僅かに上擦った声]
動いて……いる?
[部屋の中央にあるもの──それぞれの頂点に水晶柱の立てられた六芒星の魔法陣。
その上には魔力の燐光がちらちらと瞬き、魔法陣の中央に在る、一際大きな水晶柱は低い音を奏でながら震動していた]
いや……半起動状態で休眠している……と、見るべきか。
[室内の魔力の循環を確かめ、小さな声で呟く]
ぼくたちが訪れるまで、遺跡の入り口は厳重に閉ざされていた……休眠状態のままで封印されていた、という所ですかね。
それなら、ガーディアンの類が出てこないのも頷ける……か。
[入口の封に絶対的な自信があるならば、収めた機構を傷つけるような要素は廃する、というのは理に適っている]
まあ、いずれにしても、調査をする上では助かります。
レトさんは、周囲の警戒をお願いしますね。
……あ、門にはあまり、近づかないようにしてください。
どんな影響が出るか、わかりませんから。
[レトにこう声をかけた後、返事も聞かずにずっと抱えていた書を開く。
重々しい革張りのそれは魔法を使う際の媒介であり、自らの得た知識を記し、記録するための
ここの部分の魔力波動は……異界交信系のそれですね。
あちらも同じく……という事は、こことあちらの共振で、接点を作り出している、と。
ここは、全体の調律系かな……ふむ、そうなると残りは……。
[水晶柱に宿る力の種別を確かめ、その結果と仮説を魔力を持って書に記していき]
……つまり、ここに魔力を供給すれば、休眠は解かれて起動する……と。
[最終的にたどり着いた論を確かめるように、柱の一本に触れて自身の魔力を送り込むと、魔法陣全体が淡い紫の光を放ち、同じ輝きが中央の水晶柱の内部を満たした]
……よし、起動成功。
後は、今、この門が向けられている先を精査して……。
[どんな世界に繋がっているのか、移動前に向こうと交信するのは可能なのか。
いつにない上機嫌で確かめたい事と試したい事を脳内でリストアップし始めるのと、部屋の高い天井近くで、ゆら、と影が揺らめいたのは、ほぼ、同時。
そして、それ──明らかに古代の遺物とわかる、黒耀石のガーゴイルは素早い動きで天井から一気に降下して──]
……えっ!?
[余りにも唐突な出来事に、対処は遅れた──所の騒ぎじゃない。
唐突な出来事に呪文の詠唱もできず。
レトに助けを求める、という思考もとっさには働かなくて。
ただ、振り下ろされた爪の一撃は避けなくては──という防衛本能のまま、魔法陣の中央に立つ水晶柱の側に身を引いて]
え……え、ちょっ……!
[足のもつれがバランスを崩し、そのまま、水晶柱の方へと倒れ込む。
両腕に書を抱えている事もあって周囲の何かに掴まる事も出来ぬまま水晶柱に激突──は、しなかったのだが]
ちょっ……ちょっと待ってぇぇぇぇ!!!!!
[水晶柱に触れた瞬間に感じた、こちらを取り込もうとする魔力の奔流に、知らず、大声が上がる。
奔流の方はお構いなし、と言わんばかりにこちらを取り込み、紫に煌く水晶柱の内へと引きずり込まれ──]
[彼女の身体に纏わりつき、夜の深い場所へと引きずり込んでいく。
触れられた場所に熱が溜まり、浮いた脈がまた滾る。]
未来永劫の、夜を。
貴女は私の夜に添う月輝。
[腰に蟠る熱を解放するよう、勁く穿つ。
肌と肌のぶつかり合う音を奏で、解き放つ精は己の力そのもの。
爆ぜた欲が彼女の深くへと流れ込み、薄い腹を波立たせる。]
―――イングリッド……ッ
[堪えるように迸らせる低音。
彼女の中に滴らせる欲が光を侵して、塗り潰す。]
[彼女の力を咀嚼し、穢し、自らの掌中に収めて。
供物如く自身を差し出す彼女にほくそ笑み、愉快に笑気が走る。
数度の痙攣を伴い、熱い飛沫を収めているにも関わらず、吐き出す欲が収まりきらぬ間に再び動き出す。
今度は彼女の背を寝台に押し倒すようにして、角度を変え。
また新たなる愉悦が繋がる場所から湧き上がる。
欲しい、と乾いた喉を癒す為。
もっと、と浮いた腰を慰める為。]
堕ちて、―――もっと…深く。
………貴女は、私だけのもの。
[甘い囁きにあわせ、彼女の腰を手繰る。
まだ、熱を浴びせている最中の内側に送り込む律動。
先ほどよりも高い水音が闇中に反響し、彼女の耳朶を食む。
終わらぬ夜も、明かぬ朝も、たどり着けぬ深度へと溺れる。
幾度も、彼女の奥底を、漆黒の色で塗り潰しながら。*]
― 精霊界・黎明館 ―
[するり、するりと、愛妻を腕に抱いたままその頬を撫ぜる。
膨大な闇を浴びせてしまった身を労わり、時折頬にも唇を乗せた。
相反する属性を受けた妻を膝の上に乗せ、身体を支えての一時。
蔓延っていた闇色も今は鳴りを潜め、男の五指で蟀谷を擽る。]
―――…、
[含む吐息で微笑んで、裸眼が撓んだ。
――――それはそれは、僥倖そうに。]
/*
そこにいきなりは、ちょっと辛くないかしら。
いや、遊びやすいですけど。
とはいえ、闘技場ってガラではないですし、沼地には既に二人いますし……書庫はもうちょっと後にしたいしなあ。
素直に樹海に落ちますか。
――…ルート……?
どうか…、
[途切れた彼の言葉は、結ぶことなく。
自分に向けられるはずだった言葉を手繰ろうと、
首筋に腕を絡め、白皙を見上げる。
抱いた疑問は、深攻に散らされ、嬌声に掻き消された。
柔らかな内側を目一杯に拓き、征服され尽くす喜悦。
脱力した脚は、魔手が施す執拗な愛撫を抗いもできず受け止め、
微細な動きに大袈裟なほど打ち震える]
― 太古の樹海 ―
[転移の魔力に絡めとられた後、何がどうしてどうなったのか。
それは、自分でも全くわからない。
一つわかっているのは、自分が『それまでとは全く違う場所にいる』という事実]
……ここは…………森?
[ゆっくりと開いた目に映るのは、濃緑。
頭上をふり仰げば、幾重にも絡まった蔦と生い茂る枝葉が目に入った]
ぼくは……そもそも、ここは、一体……?
[問いかけるような呟きに答えはなく。
見回しても、周囲に人の姿はない。
他に誰もいない、と悟ると、無意識、書を抱える両手に力を込めた。*]
……レトさん……聞こえ、ますか?
[少しためらった後、首から下げたアミュレットに手を触れる。
正確には、アミュレットに仕込んだ遠距離通話のための魔導具に、だが。
何かあった時の連絡用に、と持っているものだが、世界を隔ててまではさすがに届きそうもなく]
……無理……かな。
[小さく小さく、独り言ちる。
応えがあるとすれば、彼も同じ場所にいる、という事になるのは推測に難くないから。
零れた呟きには、複雑な響きが込められていた]
……頼ってしまうわけには、いかないんだから。
[小さな呟きは、ただ、心の内に]
……私は、いずれ、外の全てを捨てなくてはならないんだから……。
[幾度となく繰り返してきた、自身を縛る言霊がまた一つ、積み上がる]
[鋭敏に尖り過ぎた肌は、降らされる吐息さえ快楽として数える。
深さを増す口接に閉ざした瞼が、小さく震え、菫色を覗かせ]
捕らえ、て…?
私が、貴方を――…?
[静かに自問する声音に、作為は響かず。
溢れる程にと強請ったくせ、身の内で肥大する熱に怯え、
小さく頭を横に振る。
稚い子供染みた仕草が、迫る濃密な闇に竦む]
/*
それはそれとしてですね。
セルウィンさんの肩書と外見が、いろんな意味で刺さるんです、ぼくの中身にwww
いや、村で公式に『蒼神』の設定出したから、そっちの通り名は使う機会更に減ってるんですけど。
蒼い狼は蒼い狼で、違う意味で刺さるしwww
偶然なんだろうけど、こう……うんw
― 記憶の書庫 ―
……。
[辺りを見回す。目に入るのは、自分の背丈よりもはるかに高く、そして視線を巡らせても終わりが見えぬほどに並ぶ本棚。幼い頃に一度連れられていった街の図書館など足元にも及ばないほどの。本]
ここ…どこ
[小さく呟くけれど、返る答えはなく。とりあえず部屋から出るべきかと少し迷い…方向など分かりようもないと諦めると適当な方向に歩き出した]
[歩き出したはいいものの、どこまでいっても本棚は途切れる気配がない。もしや方向を間違えたかと思うものの引き返すには歩いた距離を戻らねばならず、普段碌な運動もしていない足はそれ以上進むのさえも辛く]
―、…。
[小さくため息をつくと小さな瓦礫の転がる床に腰を下ろした。
高く聳える本の羅列は座り込むと一層圧迫感を覚える。せめて窓でもあれば…ふと浮かんだ希望を首を振って否定する。目に入った本の一冊が目に入り、背表紙に触れるも]
――。
[やはり首を振って伸ばしたゆびさきを戻した。自分はこの館の主人を知らない。本は好きではあるが、迷い込んだ先の本を持ち主の許可もなく勝手に読むのは失礼に思える]
貴方、に……、添い遂げます、ルートヴィヒ――…
[闇夜に標す一条の灯のように、彼に添えたらと願い嫁いだ。
けれど――]
[耳を突く高い音も、熱に眩む今は、悦楽を煽り立てる調と化す。
深々と自らを犯す男に身を寄せては、強過ぎる刺激に
びくりと腰を撥ねさせ]
ん、ぁあ……ッ、ルート、――…き、
[苦しげな低音を伴い、滴る精が奔流となり、深みへと流れ込む。
中を濡らすどろりとした感触に感じ入り、緩やかに波打つ腰に
腕を絡め、夢中で頂に追い縋る]
― 太古の樹海 ―
[ともあれ、ここで立ち止まってもいられない、と思い、探査の呪文を紡いで周囲に向ける]
……状況から考えて、門の向いていた異界に飛ばされた、と見るべきでしょうけれど。
場所の精査前だったのは、痛いですね……。
見た所、こちらから戻るための『門』は近くにはないようですし……。
せめて、この世界の住人さんと接触できれば、何かしら情報も得られるのですが……。
[呟くも、探査の術は人の気配を伝えてはこない]
困ったなあ……。
[理論や魔法で解決できる事象には強いが、こういう突発的なアクシデントとなると、どうにも弱くなってしまう。
常の自信も影を潜めた様子は、どこか、頼りなくもあった]
―…。
[見渡す限りの本の中。神の教え以外のなにも知らず持たない身は、唯一の自分の持ち物を――聖歌の一節を小さくくちびるに乗せた]
憎しみのあるところに愛を、
諍いのあるところに寛容を、
不和のあるところに一致を、
不信のあるところに信頼を、
誤りのあるところに真理を、
絶望のあるところに希望を、
悲しみのあるところに喜びを、
闇のあるところに光をもたらしますように。
慰められるよりも慰めることを、
理解されるよりも理解することを、
愛されるよりも愛することを。
与えてこそ与えられ、
赦してこそ赦され、
そうして死してこそ、永遠の命を得られるのですから。
[毎週末教会で奏でられる音楽。覚えるほどに叩き込まれた歌詞は、考えるまでもなくするりとくちびるから出るけれど]
――…。ほんとう、に?
[最後に呟かれた声は、いままで実際に口には出したことのない問い。誰にも届かないほどに小さいもの。けれど、いつからかたしかに青年の中にあったもの*]
/*
うん。こう。
聖職者おおすぎだろう!!
ってことで、ちょっと方向転換を。神の教えに疑問を持ちつつ。ここからどう転がすかのぅ。
*/
[どくり、どくりと脈打つ雄を受け容れたまま、
一飛沫さえも惜しんで浅く腰を蠢かせる。
薄膜を刷き、ぼうっと蕩けた瞳が、独り笑む彼を捉える。
情を通わす歓喜よりも、冴えた愉悦を孕むような微笑]
――……、……
[小さく呑んだ息は、休息も与えられず律動が再開されれば、喘ぎに紛れる]
ルー、ト………、
[嘗て、幼い彼を求めるためにあった呼称。
か細く呼ばう声も、高い水音と揺すぶられる熱に呑まれて。
辿り着けない夜の底へと誘われては、掬い上げられるを繰り返し。
今宵もまた、漆黒に全身を浸す*]
/*
こう、絆村って物凄く他のペアに絡みたい病気が
発症するんだけど
相手方がそれを望んでいるのかどうかが解らないって言う
*/
― 精霊界・黎明館 ―
[闇の深淵に溺れ、浮上せぬ意識と身体。
頬を撫ぜる掌と唇に促され、重怠い瞼をゆるく持ち上げた>>108]
……、――…貴方。
[掠れた声が、常の呼び名を紡ぐ。
撓む白銀の瞳を、夢現に仰ぎながら]
……だいぶ、遠い
[すんと鼻を鳴らして溢した感想。
ともあれ、ここでぼやけていても埒が開かない。
人界の森とは似ても似つかない植物を踏み拉き、
記憶も朧気な魔界へと足を踏み出したのだった]
/*
アデルがうぇるかむ派ならじゃあお前に絡むわ……
ってなりそうになる自分短絡過ぎじゃないかちょっと落ち着かないか
でもアデルも美味しそうじゃね?(物理)
*/
―あの日のこと―
リエちゃんまだ帰ってきてないの?
[最近の幼馴染とは少し不穏である。
というのも、進学を迎えるに当たって、
当然良家の男子らしく、寄宿学校なるものに進むからだ。
いやだよだめだよいかないでよさみしいよ。
と言ったところでどうしようもない。
のはわかっているがわかりたくない14歳なのである。
今日がその学校を見に行ってくる日で、
でもまだ帰ってきていないらしい]
……迎えに行く。
[駅を目指して屋敷を抜け出した14歳、成金息子。
鴨がねぎとだしとなべ背負って走っているようなものだった]
/*
あ、ちなみに金貨さんのご兄弟からいただいた力はペア相方と相談してまして。
矛さん→植物育成
杯さん→言語理解
王冠さん→カリスマドックトレーナー
に、なっています。王冠さんのは、イヌ科の動物にはすごい好かれるって能力。
*/
− 至聖庁 −
[彼の部屋を調べて見つけたのは、チリリと指先を灼く魔の残滓。]
──情報を。
[銀の指輪を外し、手袋を外して手を翳す。]
[流れ込むイメージは、この世ならぬ場所。
深い瘴気の澱む底知れぬ沼で──]
…っ、
[だが、彼は死んではいない。
詩編を唱える細い声が意識に届いた。>>86]
― 古代の樹海 ―
[耳を齧ろうとした獰猛な食虫植物をべしりと叩き返し、
微かな匂いの痕跡を追っているのだが、
相手も案外と巧妙らしく、こちらを撒こうとしている
痕跡が見受けられる。
鼻は利くが、こうなると色々と厄介だ]
(人間の匂いがする。)
[ぴこ、と耳が動いた]
(……でも声が違う?)
[ともあれ、魔界に人間などがいるという事は、
盗まれた獲物とも何か関係があるかも知れない。]
― 寄宿学校の帰り ―
[活版所に向かう途中、フレデリクが迎えにきていることは知らなかった。
寄宿学校に進むことを彼は嫌がったが、ある意味、貴族としてはそこに進むのが当たり前な風潮は確かにあって。
長期の休みや、まぁ、暇を見つけては帰ってくるよ、などとお茶を濁していたのは本当だ。
けれど、その日以来、そのお約束の名門校の門をもうくぐることがなくなるなどとは思いもしなかった。]
――……
[駅から、あるく最中、駆けてくる、金色の頭。
いつまでたっても子供みたいな顔の彼が、こちらに向かってくるのを見れば、やれやれと立ち止まる。]
[腕の中に収めて愛でた記憶は甘く内側に蟠る。
煙るような一時は彼女と啄ばむ豊かな時間。>>115
愛妻の視界に己の姿を映しいれ、柔らかく唇を円弧に撓めた。]
おはようございます、イングリッド。
身体の調子は如何ですか?
[気遣う振りして伸びる指先が彼女の脇を掠め、額に唇を捺す。
如何しても夜を重ねれば、彼女の身体に澱が溜まる。
本来は厭わなければならぬところであるが――、
つい、笑みが深まってしまうのも何時ものこと。]
[その時、彼の背後から、確かに何か不穏なものが近づいてきた。
その太い腕は、彼を背後から捕まえ、そして、その身を攫おうとする。]
――……まっ
[気がつけば荷物を放り出して走り出していた。
とりあえず、速さには長けていた脚は、彼の元まで近づくのに、それほどの時間を要しない。]
おまえっ、なにを!
[暴漢に向かい声を張り上げ、彼の身に手を伸ばした時]
/*
リヒャルトに行くって選択肢と大分なやんだ。
でもこの子が本の山に向かう理由が
1ミリも思い付かなかったのさー
*/
[それは、
暴漢の仕業である、と後では証言をする。
確かにその暴漢は強く、後にフレデリクのことを金目当てで攫おうとした、と言った。
だが、
フレデリク自身も、わからないかもしれない。
だが、その時、僕はたしかに見た。]
――……ッ
[彼の身を護ろうとしたのは、自分だけではない。
そう、咄嗟に伸びてきた黒い鞭のような、あれは、一体なんなのだろう。
彼に誰も寄せ付けまいと放たれたその黒い閃光は、今では、魔の弾だったことがわかる。]
― 古代の樹海 ―
[少しずつ、探査の呪文の範囲を広げてゆく。
範囲が広がればそれだけ精度は落ちるが、見知らぬ環境で動き回るリスクを思えばそれも已む無し、と諦めたものの]
……にしても、力の通りが良くないですね。
[世界が異なるためか、それとも、精神的な乱れのためか、どうにも力も展開がうまくいかない。
これは、歩いて探すのも含めるべきか、と。
展開した術の範囲を一先ず絞ろう、と思った矢先、何か>>119がそこに引っかかった]
……これは……人?
いや……何か、違うような気もするけれど。
[とにかく行ってみるべきか、と。
恐る恐る、気配を感じた方へと歩みを向けた]
[そして、その黒い閃光は、暴漢の身体を打ち、僕の右脚を薙いだ。
途端に、崩れ落ちる身体。
せめてとフレデリクに手を伸ばし、倒れた暴漢からその身は奪い返し、ただ、己も支えを崩し、倒れこむ。]
――……っち
[右脚は、激しく打たれ、たしかに鈍い音をたてた。*]
― 至聖庁にて ―
[時は暫し遡る。
いつもの儀式を行って魂の半身を送り出した後、
自身は近くの小さな教会へ赴いていた。
こうした教会のいくつかは、古い力を封じるために置かれている。
それらを見て回るのもまた自分たちの仕事だ。
確認はすぐに済むはずだった。
封印が緩んでないことを確認し、
これからも主の威光が及ぶよう祈りを捧げる。
それだけの仕事のはずだったのだが、
赴いたとき、封印は既に砕け散っていた。]
―…。…?
[ふと、声が聞こえた気がした。まるで、赤子の泣き声のような。
そう思えば青年は迷うこともなく立ち上がる。声を頼りに本棚と本棚の間をすり抜け歩み、時々立ち止まっては耳をすませる]
まさか、こんなところに…
[辺りはなお闇に包まれて、こんなところに赤子が置き去りにされれば間もなく死んでしまう。自分も心配されているなどと>>56欠片も思わず、それどころか今自分がいる場所がどんな危険な場所なのかも把握していないのだが]
―…。
[一瞬歩みが緩む。自分が赤子を拾って、助けられると思うのか。けれど]
ここに、置き去りにされたら。確実に、死んでしまいます、よね…
[ならばまだ自分の傍の方が。再び歩きだした先に、小さな薄汚れた塊が目に入った]
[仕組まれていたのだ。
半身との離別も、ここへの調査行も。
気づかされたのは、背後に強大な存在を感じたとき。
皮翼持つ蛇が長大な尾を絡めてきた時。]
『この時を待っていた。
おまえを穢し、堕とし、私のものとするときを』
[燃え盛る炎を思わせる声で蛇はしゃべり、
足元に混沌たる渦を呼んで、もろともに沈んでいく。
そうして、今に至る。]
― 霧の沼地 ―
[蛇の形をした魔は、自分をここへ繋いで消えた。
おそらく、瘴気満ちた沼でこの身の聖性を弱めたあと、喰らおうというのだろう。
『おまえの体は、門だ』
かつて、そう言われたことがある。
おまえの体は、いと高き天へ繋がっていると。
邪気を拭い去り、魔素を浄化する力は、一方で魔を惹きつけもした。
幾度も危機に陥ったことがある。
囚われるのも初めてではない。
そのたびに、救ってくれる手があった。]
[身の奥深く、蟠る熱と澱。
緩く頭を揺すって、意識を起こす]
おはよう……、身体は、へいき。
[短く、どこか幼く応えるのは、深い一夜の名残。
視界の真中で柔らかく笑む夫の貌>>120
脇を掠める指に、ん、とぐずるような喉声を洩らし、
額に降る甘さに小さく瞬いた]
貴方……、
[闇に映える微笑とは色合いの違う微笑を瞳に映し込んでから、
物言いたげに、再び睫毛を臥せる]
[魔法的な探知や探査は得意だが、物理的にそれを行う感覚は皆無に等しい。
その辺りはいつも『誰か』が請け負ってくれていたから、自然、任せる事が多くなっていたのだ。
その辺りは、気質と──常に『護られるべきもの』という立ち位置に置かれていたが故の事。
それだけに、こういう状況下での対処法にはとことん疎く]
……ええ、と。
[辿って来た気配の意図>>127など、気付く由もなく。
近くまで来た、と判じた辺りで歩みを止めた]
何方か、いらっしゃいますか?
[呼びかける声は常よりも弱く、か細い。
いつもは意識して低めにしているのだが、状況への困惑はそれを失念させていて。
柔らかなアルトが大気を震わせた]
[最初は、おくりみかと思ったのだ。だから近付いて…まもなく薄汚れた麻袋だと知った]
―…?
[泣き声はやはりその袋から聞こえてくる。もそもそと小さく袋が動いているのも見える。けれど、なぜ赤子を袋になど詰めるのだ]
(ひとさらい?)
[そのような、ものが。いることは、書物で読んだことがある。小さな子供や女性たちを売り買いするのだと。
だから、疑うこともなく袋に近寄ると、袋の口を開け放った]
リエちゃん!
[身なりのいい如何にも世間知らずは、
飛びつかんばかりの笑顔で駆け出していく。
ご機嫌斜めではあったが、顔を見たら一旦は忘れたようだ。
背後に何かいた、なんて、
まったく気づくこともないままで、
リエヴルの手から放り出された荷物に、きょとんとした。
そこで唐突に乱暴に腕を引かれたのを覚えている]
――え?
[そのあと起こった事象も、
その時は全く理解できてはいなかったのだ。
黒い影が走ったことだけは、わかったのだけれど、
それが何を意味するかなんて]
リエちゃん……!
[伸ばされた手に、引き寄せられて、
庇われる様にそのまま崩れる体を支えられなかった。
まだ子供で対して力も無くて、何も出来なかった。だから]
リエちゃん、大丈夫?リエちゃん!
死んじゃやだ!しっかりして!!
やだ、リエちゃんが死んじゃう!!
[しがみ付くように名前を呼んで、
大声で泣き喚くことしか出来なかった。
その声が一応は人を呼んだらしかった、けれど*]
―とある騒動の結末―
おかしいと思うんだ。
クソ親……父の結んだ契約は、
「花嫁にする」ということだろう?
だが自分は男だ。男は嫁にならない。
従って契約は最初から成り立たない。
えーと、つまり、この契約は無効だ!無効!
[そんなことを主張したことは確かだ、
だがそこにいた黒い翼の魔族は明らかに鼻で笑った。
こいつはきっと人の嫌がることをするのが楽しい奴に違いない。
人間の負感情がだーい好き、みたいな、
根性の歪んだのが魔族にはたくさんいるらしいし!]
……え、ちょっ、なにこの霧、やめ。
[心の中の悪口が聞こえたわけではないだろうけれど、
背後の窓から纏わりついてくるような黒い霧と共に意識は遠ざかり]
[この魔族なんなの男が好きなの?
変態なの?と思ったところで意識に割り込む声音。
「 契約は成立させる 」
いやだからそんな重厚そうに言われても困る、
いっそ殴りたい、殴っていい?むしろ殴らせろ。
思ったところでそのままふつりと意識は途切れて――]
― 塔の街 ―
[痛みに対しての感覚もなくした右脚で、魔界の入口に踏み込み、
そして、その身は、不可思議な次元の法則とともに、人間界から魔界へと対応を備え変えた。
そのようなことができるようになったのは、いつからか。問われれば、やはり、この怪我を負った時からだろう。
駆ける脚はなくしたが、異界へ踏み入れる脚がリエヴルのものになったのは確かであり、
そして、その人の世界の者が誰ひとりとして知ることのない秘密だった。]
―魔界・城の地下牢―
[次に目蓋が開いた時、
寒々と冷えてそれでいて酷く湿った場所にある。
ふる震えた睫毛が掠めたのは、冷えた硬い床の上]
……あー……、の野郎、
[なんだか酷くぐったりとしている、
身を起こすのも億劫でしばし床とお友達になっていた。
そう、なんだかやたら体が重たいのだ]
―??!!
[袋の口を開けた瞬間。黒い小さな影が、青年を突き飛ばすような勢いで飛び出した。少しも構えてなどいなかった青年は、袋を持ったままで後ろに尻餅をついてしまう。
呆然と視線を向ける先にいるのは]
な、に?
[断じて赤子などではない。赤子はこんな俊敏に跳ね回らないし、鋭い爪も赤い目も、尖った牙も持ってはいない。
警戒したような唸り声をあげ、青年からじりじりと距離を取ろうとする小さな黒い生き物は。犬のようにもみえるが―ただの犬ではないのを示すよう、首から上が、並んでふたつ。双頭犬であったのだ]
[自分が不在にしている間に何があったのか、組織の長に問う。
聞き出せたのは、古い教会の在処。>>122
「封印が破壊されたらしい。
私はそこから悪いものが出ないよう新たな結界を張っておくだけで手一杯だ」
悠然と告げる緋衣の長に、返すは揺るぎない意志。]
[眼を覚ました彼女を迎えるのは、微笑と接吻。>>128
まだ余韻の残る体を愛する指先は、戯れの範疇に留める理性。
或いは、彼女への労わりか。
それでも、指先は円舞曲を止めず。
背中まで這い上がって背骨に添わせ、撫ぜつつ密接の抱擁。]
―――如何しました、イングリッド。
ああ、眼が痛いですか?それとも喉が?
[彼女を態々煽るように、言葉を選び、続きを促す。
トン、と背後から彼女の尾骶骨を緩く突き。]
それとも、中に残る私が、悪さを?
[密やかに笑う声が、夜を思わせる。
彼女を辱め、愛した深い夜の領域を。]
[床の上からとりあえず牢の中の様子を伺う、
暗い、基本的に暗い。ただの暗闇ではなくて、
やたら威圧感のある闇だ、だが青年は空気など読めない。]
つまり、
……大人しくなるまでここにいろ、と。
[鉄格子は黒鋼のようなものだろうか、
特に誰か来るわけでもなく、見張りがいるわけでも――、
と思って見上げたらなんかいた。
目玉に蝙蝠の羽生えたような生き物]
―…。
[本来なら、警戒しなければいけないのはこちらだろう。なにせ自分には身を守る術がない。
それに、あれは明らかに魔物の仔だ。神の教えに背く存在だ。
けれど]
―…。おいで?
[座り込んだまま、小さな双頭犬よりも低い位置から手を伸ばす。
魔物の仔であるのは明らかだけれど。今、怯えているのはこの仔の方だ。
警戒するよう唸る声は威嚇のもの。けれど尻尾が垂れて後ろ足の間に隠れているし。相手は魔物とはいえ、体格でいうなら自分の方がはるかに大きい。勿論闘う力など持ち合わせてはいないが、相手からすれば自分は恐ろしいのだろう]
餌でも、あげられればいいんでしょうが。生憎持ち合わせていません。
― 霧の沼地 ―
[沼に澱んでいるのは、単なる泥濘などではない。
それは形をもった瘴気であり、一定の意思さえ備えていた。
手と同じように足もまた鎖に繋がれ、開かされている。
白い僧衣の下はなにもなく、闇の泥は容易に隙間に滑り込んで、肌の上を這いまわった。
巨大な蛞蝓を思わせる感触に柳眉が寄る。
腰から下のあらゆる場所を包み込まれ、背筋に痺れが走る。
だが侵略はそれだけに止まらなかった。]
[足の間、閉ざされた門へと瘴気は触手を伸ばす。
灯に群がる虫のごとく、光を求めてこじ開けようとする。
抵抗は、ほとんど意味をなさなかった。
滑らかな泥は自在に形を変え、圧力を増して易々と門を打ち破った。]
うっ…… …
[息がつまり、声が途切れる。
体の最奥がみちみちと満たされ、
それらが次々と爆ぜて溶け、
消え失せるまえに次が押し込まれてくる。
神経を焼かれるような灼熱感。
飛びそうな意識を、聖句を手繰って繋ぎとめる。]
[道を照らす光であれ。
己に課してきたとおりに、半身を導くべくうたを紡ぐ。
果たしてそれがどこまでを伝えるのか。
狂おしい熱を体の内に押しとどめようと、幾度か喘いだ**]
わあ、
こんな生き物みたことなーい。
[思わず乾いた笑いが零れた。
常識的に考えて明らかに人間界には存在しないものがいる。
つまり、やっぱり、どう考えても、
あのお調子者のくそ親父の契約どおりに]
ここって……、
もしかして、魔族の住処?
っていうか、魔界?
[謎の目玉蝙蝠がキュルルっとお返事した。
そもそも羽根の生えた人外自体にびっくりしたというか、
お調子者の適当な作り話だと思っていた物語が、
事実だったかもしれないことにまずは驚愕すぎて、
現状がまるで現実味を持っていない]
[未だ感覚の尖った背筋を、気侭な指先が這い上り、くるりと撫でる。
重なる身体に自重を預け、視界を閉ざしたまま彼を待つ>>140]
――……、いえ。何処も、痛くは。
[白々しい問いを向けられれば、瞼を薄く開き、咎める視線を送り]
少し怠いくらいで、あとは……
[飽きずに触れ合った唇を、すっとなぞる指先は直ぐに離して]
[この事態をどう思っているのか知らないが、長は当然のように探索を許可し、必要な手配をしてくれた。
「我が兄弟──
マレンマ司祭とジークムント修道士… の良き旅を祈っておく」
魔のものに真の名を知られぬためのコードネームで祝福し、送り出してくれる。]
[人であるのは、間違いない。
『斎の民』は、他種族との混血を、頑なに拒む一族だから、純粋な人間の心算でいる。
人並み外れて魔力が濃いため、人外と勘違いされる事もしばしばあるが。
だから、そこを問われても人としか言いようはないのだが]
……ぇ。
[雌雄を問われると、答えようはないものの。
本能的な何かを持ってするならば、巫覡の要素を備えた女性である事は、気取れるやも知れず]
>>134
――……魔界。
助けるどころか、自身が無事でいられるかどうかもわからないな。
[塔の街と呼ばれているその場所。
月光石の杖をつきながら歩く。
杖は、感覚のない脚の元を照らし、そして、彼に街の様子を詳細に見せる。]
まずは、自身を守る術と、フレデリクの行方か。
[一見、街は、穏やかな逢魔が時。
それは人間の世界に似ているようでいて、どこかしら可笑しな歪みある。
もちろん、気のせいにこしたことはない。むしろ、まだ制服を着ることのないような年齢であれば、
子供からの問いには、なるべく、回答するように心掛ける。]
唯、貴方が。
……まだ、中に居るような気がするだけ、で…
[未だ燻ぶる熱を煽るような微笑から、僅か視線を外して呟く]
おい、お前。
鍵もってこい、ここの鍵。
[寝転がっていた姿勢から、一息に身を起こす。
こう見えて毎日腕立てと腹筋スクワットの類は欠かしていない。
がしっと手の中に目玉蝙蝠を捕まえ――、
たところでするっと逃げられた]
こら、逃げるな!――って、いたっ、
[ぶちっと頭皮の痛む気配、
蝙蝠の爪にそこそこの本数の金髪が絡みついた、
思わず手で地肌を押さえる、禿になったらどうしてくれる!]
あー……
[そんなことをしている間に、
目玉蝙蝠はその小さな体に金糸を絡ませたまま、
高い天窓の隙間から外へとするっと飛び去っていってしまった。]
人間だけど、普通のより甘い
[襟首に鼻先突っ込んで匂いを嗅いで]
でもおまえじゃないな
[勝手に帰結を得る。]
あ、
……あそこまで昇れば、抜け出せる?
[かくして苔むした壁をよじ昇ってやろうと手をつく。
というか、嫁がどう、で浚っておいてこの扱いはなんなのか。
いや、嫁らしいことを求められても困るので、逃げるなら今のうちだとは思うのだが]
あーでもなんだろ、
なんかやたら体が重い、ような……、
[床の上にほうられていたせいだろうか、
どうも体の節々に違和感を感じるし天窓はやたら高いし、
見上げれば零れるのはため息である]
リエちゃん、
俺のこと心配してるかなー……
魔族に浚われた!とか聞いたら、
心配で泣いちゃったりとかしてたりは、
いや、ないだろうけど、そうだったらちょっと可愛いなあ……。
[零れてたのはため息のはずだったが、
いつの間にか微笑ましい妄想にちょっと笑み零れたりして]
いや、その……真っ向から聞き返されると、困るんですけど。
[こんな質問されたのは、多分、初めての事だろう。
故に、声には困惑が宿る]
……魔力と言霊を用いて、様々な事をするもの、とでも言えばいいんです、か。
[ぽそぽそと答えた後、こちらの疑問への答えに揺れた尻尾>>152に視線を向けて]
……そう、です、か。
あの、正直、ぼく、ここがどこかも、何がなんだかもわからない状況、なの、で。
一応、無差別に敵対する気は、ないんです、が。
[ここで強硬な態度をとるのは分が悪い、と、その位の計算をする余裕はあった。
それでも結構、ぎりぎりなのだが]
え? 甘いって、何が……。
[問い返しは、襟首に突っ込んできた感触に遮られる]
ちょ、やっ……。
[他者に触れられる事に慣れていない事もあり、違う動揺は深くなるものの]
よくわかんないけど、違うなら、放して……!
[そう、主張するのが精いっぱいだった]
/*
イヌ科の生き物ってことで、ケルベロスは最初から出したかった。護衛にって考えてたけど、趣味に走ったらこうなった。ケルベロス仔犬バージョン。
ポチって名前つけたい。ダメか。
*/
[刹那も空けずに彼女に触れたがり、指先は質感を覚えて幸を得る。
彼女の視線と双眸を邂逅させ、緩い瞬きを挟むと、態とですか?と、褥で聞いたと同じ調子で返して揶揄り。>>145]
―――…貴女はいつも無理をしてしまうから。
私の言えた義理ではない?
では、塞いで見るのも一つの手かと。
[言葉を遊ばせ、口唇辿る指先に乗せるリップノイズ。
実力行使を唆すもまた罠、背後から腰に絡めた指に圧が掛かり。]
そうだな
ここでおまえを喰うと、俺が縄張り荒らしたことになる
[既に魔界を去った身だ。
ここで狩りを行うのはよくない。]
ずっと、覚えてしまえば良い。
永久に忘れずにいれば良い。
何処に居ても、何をしていても。
貴女の心と身体が、私を欠片たりとも忘れぬように。
[声には僅かに仄暗いものが混じり、変質していく妻を乞う。
誰にも奪われぬよう、害されぬよう、自身の腕と言う檻を強固なものにして。]
―――…イングリッド、貴女は私の楔。
世界の何処に置いても、決して迷子になってはいけませんよ。
[ふと、我が身を懐かせつつ、思い出したように吐き出す言の葉。
深淵覗きこむ闇と違い、彼女の属種は何処か危うい。
万民に隔てなく降り注ぐ光の性質だろうが、納得出来る筈もない。
現に彼女は過去に一度、迷子になっている。
幼いころの、遠い記憶だがアレに“もう一度”は、必要がない。
―――二人を縁で結んだ、唯一度だけで良い。]
……縄張り?
[言わんとする所は、上手く掴めなかったものの。
とりあえず、危機を脱した事は理解できたから。
は、と零れ落ちたのは、安堵を込めた嘆息、ひとつ。**]
/*
とうとう秘話が独り言を下回るとか言う事態に。
嫁が照れるたび、天にも昇る気持ちなので
仕方がないといえば仕方がない。
[彼の揶揄が示唆する所に思い至らず、鏡映する緩い瞬き。
背に遊ぶ指の方は、咎め立てせずに>>157]
そうね…、貴方が言うのは、少しおかしいような気もするかしら。
[小さく首を傾げ、真面目に応じる。
自ら行動に移すよう唆す声には、今度は頬に鼻先を寄せ、
眼鏡をそうっと押し上げて]
ええ、それも――…一つの手なのでしょうね?
[啄ばまれる指に一度落とした視線を、すいと浮かせ。
腰を支え、圧を増す掌に抗わず、間近で眼差しを交わす]
傍を、離れるなと。 …仰ったじゃないの。
どうしてそんな、まるで――……、
貴方がそんな事を言うのは、可笑しいわ。
[緩く首を振り、今度ははっきりと断言する。
ひやりと胸を押し潰す何かを振り切ろうと、幾度か頭を揺らし]
…私が、貴方の?
[主語を確かめるよう、小さく繰り返す。
逆ではないかと過る疑念。自分が、彼の楔たりえるだろうか]
もう子供ではないのよ、私。
貴方が私を娶って下さって、数月は経つけれど……
お気づきではなかった?
[迷子にならぬよう釘差す声には、心当たりがあるだけに
何処か拗ねた呟きを返す。
常夜の森に彷徨い込んだ幼子は、此処にはもう居ないのだと]
[彼女の生真面目さは生来の性質と言うよりも、性格の領域だろう。
こうして彼女が一つずつ明かしてくれる欠片を愉しみ、悠久を生きる。
精霊として闇の揺らぎから生まれた身にとって、変え難い安寧。]
おや、では素直に強請ればくれるのでしょうか?
―――…キスを下さい、と。
[愛妻の身を按ずるは本音だが、この黎明館に置いて危険は無い。
彼女の務めと責は夫である自身を支え、寄り添うこと。
その上に傲慢を掻いて、光の粒子すら浪費する。
夜を重ね、腕に捕らえ、彼女の持つ輝きを熱で溶かす。>>161
今も、同じように彼女の顔を覗きこみ、鼻先を軽く摺り寄せた。]
杞憂だと笑って欲しいのです。
そんな風に困った顔をして、在り得ないと貴女に紡いでもらう為。
―――…それに、大分、目減りしていますから。
愛妻を想う伴侶はそんなに可笑しいですか?
[後半主語なく告げるのは、彼女の身体に溜まる力の残量。
月と星の明りでは、己が奪う量と見合わない。
こうして居る間にもきっと、彼女の中に残る闇が疼いて光量を喰らう。
まるで、目の前の男が、刹那も休まず彼女を求めるように。]
おや、信じられませんか?
恐いものが見たいなら試してみても良いですが、後悔しますよ。
[ほんの少し滲ませる眼圧は、彼女に時折見せる支配者の眼差し。
己の理性を高め、凶暴な本質を繋いでくれる唯一人に向けて。
一時、冷たい気配を晒すものの、直ぐに常の夜色を取り戻す。
銀糸を散らし、怯えさせぬように、そっと髪を五指を差し込み。
掌に馴染む質感に甘えつつ、淡く梳く。]
“まだ”数ヶ月ですよ。イングリッド。
それに、幼子相手にこのようなことはしません。
[まるで過去を持ち出すかの如く、身の潔白を訴える。
若干の胡散臭さは誤差の範囲と甘い点数を付け。
現に真実のみを並べれば、彼女とは婚姻を果たすまで友好な幼馴染と呼ばれる関係を築いてきた。]
おや、信じられませんか?
恐いものが見たいなら試してみても良いですが、後悔しますよ。
[ほんの少し滲ませる眼圧は、彼女に時折見せる支配者の眼差し。
己の理性を高め、凶暴な本質を繋いでくれる唯一人に向けて。
一時、冷たい気配を晒すものの、直ぐに常の夜色を取り戻す。
銀糸を散らし、怯えさせぬように、そっと髪を五指を差し込み。
掌に馴染む質感に甘えつつ、淡く梳く。>>162]
“まだ”数ヶ月ですよ。イングリッド。
それに、幼子相手にこのようなことはしません。
[まるで過去を持ち出すかの如く、身の潔白を訴える。
若干の胡散臭さは誤差の範囲と甘い点数を付け。
現に真実のみを並べれば、彼女とは婚姻を果たすまで友好な幼馴染と呼ばれる関係を築いてきた。]
[―――それも単に、彼女に警戒心を抱かせぬ為だった。
とは、この妻が知るところではない。
生まれて程ない彼女に、属種を超えた危機感を抱かせぬように。
暗黙の了解であった同属のみでの婚姻に違和を抱かせるように。
彼女が何も知らない昔から、芽吹くように育てた囲い。
もう、永く、闇の心は光の楔に打ち付けられていた。]
[行動で唇を強請った心算が、逆に明確に強請る言葉で返される]
……。そういう心算では、なかったのよ?
[…本当に、ときまり悪げに付け足す。
時折覗く生真面目な性格は、属種よりも個体差に依拠するもの]
目を。閉じて下さるのなら――…
[懐く鼻先に軽く頬を宛がい、内緒事のように声を潜める]
そうだ
[安堵の息をつく人間に頷いて見せた。
――場所を知った魔導師には自明に等しいだろうが、
その穏やかな吐息はまだ仕舞っておくべきだった、
と言わざるを得ない。]
おまえはここを縄張りにしてるやつの、
[ここは魔の蔓延る森。
物言わぬ植物ですら、迷い込んだ哀れな人間を
屈辱的な方法でいたぶる事を愉しむかのような
生態を備えた異形の坩堝、]
獲物だからな
[現に多数の蔦が濃密な魔力の主に鎌首を擡げるのだから**]
/*
せっかくなので中身予測込みでハードルを上げた(ドヤァ)
是非とも助けに来てくれたレトさんに
あられもない姿を晒していただきたい!!!
*/
…そんな悪ふざけは、笑えません。ちっとも。
[むくれながら呟く声音は、何処か途方に暮れる。
実体を持つかの如く常に眼前にちらつく檻、不意に其れが開け放たれたら――と。
減じる霊気を案じる言葉に、視線を向け直して]
ええ…、でも、お気にされなくても良いのに。
少しお暇を頂ければ、直ぐに回復できますもの。
[敢えて掻き出しはしなかった残滓は、未だ身の中心に留まり、じくじくと内側から甘く蝕み続けている。
無意識にそっと下腹を擦る指は、男の欲を宥めるよう]
貴女が無自覚に私を惹くのは何時ものことですが。
―――…罪深い方だ、私を掌の上で転がして。
[吐息ばかり弾ませ、笑んで。>>165
時を忘れたの精霊種に似合わぬ初心がまた胸を騒がせる。
貞節な妻の願いに応じる真摯な夫を気取り、瞼を下ろした。
自らも距離を削るが、寸前で留めるは理性の賜物ではなく、彼女の献身を見たいから。
何処何処までも性質悪く振舞う男は、妻以外の目から見れば恐らく―――性悪、と呼ぶに相応しい本質をしていた。**]
――……ッ、
[夫が身の内に繋ぐ獣、ほんの一瞬牙を閃かせた錯覚に竦む。
ふる、と首を振って、戯れを起こす気はないと無言の服従を告げる。
それは、『信じられる』という肯定を意味しないものの――
何にせよ、一度嫁いだ彼の許から、自ら出奔する気などないから]
…まだ、かしら。もう随分と、貴方とこうしている気がして。
[髪を梳く指も、彼が放つ夜の気配も、しっくりと肌に纏わりつく。
彼の言う通り、幼子相手にできない彼是は、褥を共にするようになってからの事。
それなのに、定められた一路を辿り、行き着く先は此処以外になかった気がするのは、何故だろう]
― とある異世界、白の間から ―
……とりあえず、泣きたい、です。
[キャンパスに浮かぶ4つの染み、その中の一つである金貨はこの世の終わりとでも言いたげな顔をしていた。
他の三柱も明るい顔とは言い難い]
……戦いは不得手、なんです、よ?
[息を吐くように言葉を紡ぎ、ちらと長兄の方を向く。
四柱の中で最も武に長けている矛は、腕を組んだままで短い謝罪を口にする。戦う力を持つがゆえに、門の神が再度暴走しないように目を光らせていなければならないのだ。
眉間に深く刻まれた皺が、ため息混じりの謝罪の言葉から、金貨一人を送り出すという事が彼にとって苦渋の決断であるという事が読み取れれば、責めることもできず]
……増員、無理、ですかね?
[助けを求めるように姉の方を向けば、返ってくるのはやはり謝罪。
四柱の中で最も知に長けた杯は、悲しげに微笑む金貨の髪を梳くように撫でる。なまじ知略に長けているが故に
…………
[無言のまま次兄へと視線を送れど、気まずそうな表情以外は何も返ってこない。
四柱の中で最も美しい王冠は、あまりにも目立ちすぎるのだ。彼が「密か」という形動詞とは無縁にすぎるということは、金貨も王冠本人も理解していたがため、そこには言葉さえも生まれない。
しばしの沈黙を経て「できるだけ神力を使えるように、こちらの世界とあちらの世界の繋ぎをする」との言葉をもらい、金貨はなんとか自分を奮い立たせた]
[たった一柱での
この双肩には世界の命運がかかっていると……それ以上にこちらの都合で巻き込んでしまった存在が危険にさらされているかもしれないという事が、なんとか金貨を立ち上がらせている]
それでは、いって、きます。
……王冠兄さん、繋ぎの件おねがいしますね。
[新たな妨害によって出発する気力をくじかれる前にと、金貨は言葉少なく門をくぐるのだった]
― 魔界の空 ―
[暗雲に覆われた魔界の空から、金貨は地上を見つめている。
一度着地したらしばらくはこの世界の摂理に縛られてしまうだろう、降りる場所は慎重に選ばねばならないと。
できるだけこの世界を統べる者に気取られないよう、場を探るべく神力を広げ……転移した者、魔界の異物を探そうとした――…]
……??
[のだが、それに相当する反応が複数あり、またそれらを絞り込もうとするには更なる神力の展開が必要となってしまう。]
…許可を得て力を使うのが……でも…
[手っ取り早さで言うのなら、この世界を統べる者からの許可を得ての捜索なのだが、自身が何の神であるかを考えれば、相手の性質次第で接触する事自体が命取りとなりかねない。
こちらを統べる者の出方がわからない以上、余計な干渉は避けたい……と、なれば、とれる手段はただひとつ、「地道に頑張る」しかないのだった]
[迷い人の気配を手繰り、向かった先は――…]
― 魔界・灼熱の闘技場外 ―
[目立ち過ぎぬよう建物の影へと降り、人の多い方へ向かおうと一歩を踏み出してみたものの]
……あ
[必要なものがあった事を思いだし、足を止める]
名前、どうしましょう
[
[自分に名前を付けるべく思考に沈みつづける金貨は、何に反のうすることもなく、ぶつぶつ呟きながら考えをまとめる]
名前、名前……
私が反応できそうな、名前っぽいもの……
[そうしてどれくらい時間が経った頃であろう、思い当たるものを見つけ、金貨は思考の海から浮かび上がった。
昔、土塊の神と結託し、金貨を超える貨幣を創ろうとした結果、費用対効果が悪すぎて貨幣への転用が没になった単位の名前――…
魔力光の虹の下からとれる
うん、これにしましょう。
[軽く右手の指をこすりあわせれば、件の虹貨が一枚現れる。
金貨の髪の色のような緑、虹の名を持つはずのそれは、鮮やかさより渋みが勝る重い輝きを放っているそれを、鎖に下げて己が首へとかけた。
ベネディクト・コーカ、ベネディクト虹貨……彼の偽名は元ネタを知るものからしたら噴飯ものだっただろうけれど、残念ながらというべきか、今この場にはそのような存在はいない。
我ながらよい名前をつけた、ツッコミ不在故に金貨は上機嫌で辺りの散策をはじめるのだった。**]
− 塔の町 (>>#0の1) −
[気がつけば、古びた門を背に佇んでいた。
後にしてきた世界と似ている──だが、偏光板を通して見るような色調が、ここが異界であることを伝えていた。
あるいは、それは《見鬼》の能力ゆえに見える光景なのかもしれない。]
…ああ、
[緩く拳を握りしめる。
彼が授けてくれた護りの指輪、聖鎧紋、鍛えられた意志──そういったものがなければ、邪悪な波動に酔ってしまいそうだ。]
[元より、この身は穢れを引き寄せやすい。
うまく利用すれば、魔物と渡り合う力にもなろうが、それは自分の正気と引き換えになる。
今でさえ、この世界にいるだけで、じわじわと遅効性の毒に浸されているようなものだ。
彼を見つけ出して浄めてもらわねば、自分も戻れなくなる。
それは自覚している。]
[自分は雑巾のようなものだ──と思う。
呪詛や瘴気を拭き取って、自らが汚れに染まる。
彼という浄め手がいなかったら、自分は使い捨てのボロ布に過ぎない。
意識は、失われた相方を思って漂う。
彼は──まさに天の恩寵。地に遣わされた天使だ。
その浄化の力、祝福の業。
実際、神の欠片を宿しているのではないかとすら思う。]
[そんな彼が、自分の浄めを一身に請負ってくれるのも勿体ないことだ──
だが、他に代われる者もない必然であり、任務には対で当たるよう差配されてきた。
自分にできるせめてもの報恩は、彼を護ることだと自負している。
その役を望んでいる。
身を灼くと知りながら天使を穢す欲望に駆られる魔物は少なからず、また人にも彼から癒しを強奪しようとする輩は掃いて捨てるほどにいた。]
[自分とて、例外ではないのだけれど。
幾度となく彼の光を貪り食って癒されてきた。
その愉悦を深く知る身だ。
彼の力を正しく使い世を救わねばならないという思いと、鬩ぎあう独占欲は常に心の奥底にある。]
……今の、アデルの声、だよなぁ?
なーんか、いつもと違ったが…。
[いつもより幾分も高い声。
男ならば如何に驚いたと言ってもあそこまで高い声にはならないだろう。
となると、ある答えが導き出されてしまうのだが]
……まっさかな。
[これだけでは確信には至らなかった]
……なんかあるのは確かだな。
[アデルのように魔力から何かを察することは出来ないが、それが必要ないくらいの音が漏れ聞こえている。
目の前には明らかに何かありそうな扉。
アデルの言うように、ここが最深部なのだろう。
一度警戒してから、アデルが仰々しい扉を開き中へと入る。
レトもまたその後へと続き中へと入った]
/*
これ魔物に見つかったりとかするんかな…。
えーと。試しに。
1:ダンスホール 2:地下牢 3:食堂
4:客間 5:中庭 6:鏡の間
3(6x1)
― 古代遺跡 ―
[レトの意識が引き戻されたのは、部屋の隅から音を聞いたため]
……げっ、しぶてぇ。
[部屋の隅では先程吹き飛ばしたガーゴイルが動きを鈍らせながらも起き上がっていた。
アデルが点していた灯りは消え、今は水晶柱が放つ輝きのみで照らされる部屋。
黒曜石の身体をしたガーゴイルは薄暗く沈んだ部屋に紛れやすくなっていた]
次で崩しちまわねぇときっついな。
んなとこで消耗すんのは本意じゃねーが…しゃーねぇ。
[たった今、レトにはやらねばならないことが出来た。
ここで時間を取られている場合ではない]
[ふ、と短く息を吐く。
視覚ではなく気配と音で相手を捉えるため瞳を閉じ、全神経を研ぎ澄ませた]
…………─────
[ごと、と固いものが地面を叩く音。
カチャリ、と割れた何かが落ちる音。
音だけでも大体の方向は捉えることが出来、ガーゴイルがこちらに近付いてくるのが感じられた。
ぶん、と風を切るような音が聞こえれば、受け止めるためにガントレットが付けられた左腕を頭上に掲げる。
ガシャン!と金属が固いものとぶつかる音が響き、腕には少なくない衝撃が伝わった]
───……闘気法が一、
[ガーゴイルの攻撃を受け止めた状態で薄らと瞳を開き、呟くような声を落とす。
薄暗い闇の中、レトの身体がオーラのような淡い光に包まれた]
[後ろへと引かれた右手は掌底の形。
密着した状態となった黒曜石のガーゴイルへと叩き付けた掌から溢れ出た光は高速振動を齎し、黒曜石に共鳴を起こさせることで瓦解を促す]
せいっ!!
[叩き付けた右手を引き戻し、爪は受け止めたままに右足でガーゴイルを蹴り飛ばすと、脆くなった身体を粉々に打ち砕いた。
散った破片が水晶柱の光を受けてキラリと煌く]
キャーップ!!
緊急事態、監視対象が起動した『時空転移門』に吸い込まれた。
どこに繋がってるかは分かんねぇ。
めんどくせぇことになったが放置出来ねぇし俺も転移門に入ってみる。
[組織の上司への連絡。
どこへ繋がっているか分からず、あちらからの連絡が取れるかが分からない以上、何の連絡もせずに飛び込むわけには行かなかった。
現状の報告と今後の行動を一方的に告げた後に通信を切ろうとしたのだが]
「バッカ野郎!!
テメェがついてながら何してやがんだ!!
そもそも禁呪発動させるたぁどう言う了見だ!!
未然に防ぐのもテメェの仕事だろ!!」
[通信機から大音量の叱責。
レトは思わず片耳を塞ぎ目を瞑った]
[だがレトも負けてはいない]
るせーよハゲチャビン!!
研究で来てんのに止める方が不自然だろうがよ!!
そもそも半起動状態のもん放置してるテメーらもテメーらだろうが!!
あぶねーもんがあるなら事前に調べとけよな!!
[上司に対してもいつも通りの口調で怒鳴り返した]
とにかく、アイツ助けには行くから。
こっちからも呼び戻しの方法探しといてくれ。
そんじゃな。
[言うだけ言って今度こそ通信を切る]
ったく、あのクソジジイ。
全部人のせいにしてんじゃねーよ。
戻ったら一発ぶん殴ってやる。
[不穏なことを口にしつつ、レトの視線は紫に煌く水晶柱へと向いた]
……んっとに、手間かけさせやがって。
[悪態をつきながらも歩を進め、水晶柱へと手を伸ばす]
─────!!
[触れた瞬間、中へと引き込まれる感覚に息を飲む。
抗うにはその力は強く、アデルが容易に呑まれてしまったのも納得が出来た。
レトもまた魔力の奔流を一身に受け、その身体は水晶柱の中へと引きずり込まれていく]
[水晶柱の中は激しい奔流が渦巻いているが、外側は至って静かなまま。
水に波紋を広げるような音だけを響かせて、遺跡の最深部は静寂に包まれた*]
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1d開始後、相方の「救出者」と会った後の好きなタイミングで正常に戻ってOKです。
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この状況になった原因も好きに決めていいです。(事故にあった、自分の魔法でそうした等)
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/*
同じ内容の秘話を、連投で別の人に送ろうとすると、エラー表示される仕様だけど、末尾の「。」の有無で別の内容と見なされてOKでした。
前回、いちいち間に独り言を入れた時より利口になった気分!
/*
お疲れ様です、参加させていただいてありがとうございます。
質問ですが1を少しアレンジといいますか、元の世界に帰るのを拒否するために救出者から逃げようとする、というのではダメですか?
*/
― →魔王城・厨房 ―
いでっ!
[うねる魔力の奔流が途切れ、唐突にどこかに投げ出される。
高さは差ほどでもないが、仰向けの状態で放り出されたために受身が取れず尻餅をついてしまった]
ってぇ……。
……なんだ、ここ。
[ぶつけたところを擦りながら立ち上がる。
辺りを見回すと、竃やら食器やら調理道具やらが目に入った。
案外綺麗に整理はされている]
食堂……てか、厨房?
[造りが組織の食堂に併設される厨房に似ている。
どうやらどこかの室内であるのは間違いなさそうだった]
/*
問題は、救出者の顔をしらないということなんだけどね!
相手もわたしの顔を知らないんだけど。困ったペアだな!
*/
えーと、異界…異界のはずだよな。
見た感じ俺らの世界とあんまり変わらねぇ、ってことか。
[ここが異界に分類されるだろうことは半分以上聞き流したアデルの話の一端を思い出して理解した。
問題はここがどんな世界なのか、だ]
ちっと歩き回ってみるしかねーか。
[ただここに居ても埒が明かない。
行動あるのみ、と厨房の中をしばらく眺めてから外の探索をすることにした]
― 魔王城内 ―
[厨房から続く扉を開けると、食堂らしき場所に出た。
厨房を含め誰も居ないところを見ると、今は飯時ではない、と言うことなのだろう]
……思ったより広そうだなぁ。
[何せ食堂の規模が大きい。
言ってみれば城の食堂のような、そんな造りにも見えた。
粗方部屋を見回してみてから、厨房への扉とは別の扉へと近付く。
何があるか分からないため、気配を殺し、警戒しながら扉の外を窺った]
[突如として室内に現れた人物。
即ち不審人物と成り得る。
異界と言う知らぬ場でもあるため、家人に見つかるのは出来るだけ避けるべきだと考えた。
扉の外に気配が無いことを確認すると、静かに扉を開け、隙間を擦り抜けるようにして廊下へと出る]
……やっぱでけぇ。
何か、城っぽいな。
[仰々しい装飾に広い廊下。
少なくとも身分が高い者が住んでいるだろうことは想像出来た。
よもや魔王の城とまでは思い至らないが]
……どこをどう行けば外に出れるんだか。
[窓も少なく、ここが何階なのかすら分かり難い。
とにかく気配がしたならば避けるように移動して、可能な限り建物の造りを把握することにした。
そうして移動していると、しばらくして下へと続く階段を見つける]
薄暗ぇな…。
空気も冷えてっし、どっちかっつーと、地下?
[地下から外へ出る道があるかは分からないが、一応調べてみようと静かに階段を下りていった*]
/*
うん、決めた。一人称「わたし」でいこう。敬語とため口が混ざる感じ。相手が目上だと思うと敬語。でもふらっとため口が混ざる。
*/
[城内探索の最中、そうだ、と思い出してチョーカーについている通信魔導具を埋め込んだ魔石に触れる]
アデル、聞こえっか?
聞こえたら返事しろ。
[最初のアデルからの通信はまだ元の世界に居た時だったために届いていない。
改めての通信となったそれは相手に何を思わせるか]
私に、惹かれて下さるの?
…でも貴方は、私の掌に大人しく納まって下さるような方かしら。
[静かに呟く声は、問うでもない響き>>166
すっと距離を詰められ、吐息が跳ねる。
瞼を閉ざした秀麗な貌に、ただ目を留め沈黙したのは数秒]
[慎重に眼鏡を押し上げて、白い瞼をそろりと唇で撫ぜ]
……、ルートヴィヒ。
[溜息混じりの名を紡ぐと、最後の一呼吸の距離を埋め、
控えめに唇を触れ合わせる。
ちゅ、とささやかな音を残し、直に唇は別離を告げ]
/*
よいせ、と覗いて。
状態指定に芝が生えたのは赦してくださいwwww
あとセルウィンさん、ないす突っ込みwwww
しかし、相方より先に色々ばらしてしまったw
でも、魔法的な誤魔化しかけてないから、これはバレるよねぇ、って思っちゃったんですよw
― 古代の樹海 ―
……魔界?
[投げかけた問いへの答え>>160に、上がるのは困惑した声]
ああ……それで。
人の気配がなく、土地含有魔力の密度が高いのは、それで、ですか。
[それでも、簡潔な回答は抱えていた疑問への解となる。
『わからない』が減じた事で、多少なりとも落ち着きは回復していた。
それでも、常の状態には程遠いのだが]
赤い服で、小鬼が運んでいる、人?
いえ……ここに来てからは、誰にも会っていませんし……。
虫や植物の類以外で遭遇したのは、あなたが初めてです。
[ともあれ、向けられた問いには答えておく。
こちらの問いには答えてもらったのだし、何より、こんな場所で他者と敵対する要素を増やすのは得策ではないのだから。*]
……て、え。
[縄張りにしているものの、獲物。
その状況は、すっかーんと頭から抜けていた]
あ、そうか、魔界という事は……!
[ざっと脳内に広がる怪物目録。
魔力密度の高い場所においては、植物も『危険』な生育をするものが多いのだと。
認識した途端、周囲に揺らめく蔦が立てる音が妙にはっきり聞こえた気がした。*]
[明かず森に彷徨い込んだのは、未だ分別も弁えぬ幼き日。
それは、後の伴侶との邂逅の機となった。
森の出口まで手をとり導き、また、と見送ってくれた常夜の住人。
彼は、その頃から終始自分に優しかった。
けれど、時折――甘い程に真摯な態度の奥に、陽光に育まれた身には計り知れない深淵が、薄らと翳を透かす。
今は目蓋の裏に隠された眼差しは強過ぎて、間近に覗きこんでも、直視できている心地がせず]
(に、しても、魔界……とは)
[色々と波立つ心理に落ち着け、と念じつつ、思考を巡らせる]
(確かに、異界転移の研究者が目指す地としては一般的なもの……また、位置認識は比較的し易い、という点でも、初期座標に指定されている可能性は高い場所だけど)
(……場所の特異性故に、帰還に関しての難易度は、高い場所でもある……『呼び戻し』のための陣を作る前に落とされたのが辛いなぁ)
[行き易い、と、帰り易い、は必ずしも同一ではない。
魔界とか妖精界とか、比較的身近と言える異世界は、異空転移学に置いては『行きはよいよい帰りは怖い』、の典型として扱われているもので]
(あ……レトさんが向こうに残っている状態なら、通信用の魔導具をバイパスにしてこちらから、という手もあるかな)
[浮かんだ仮説は、既に実行不可能な手、とはまだ、認識せぬまま。
解放された左手で、首から下げたアミュレットに、軽く、触れた。*]
……は?
[周囲の状況からの軽い現実逃避も込みで触れた魔導具。
それを介して聞こえて来た声に、最初に上がった声は酷く惚けていた]
え……え?
なんで、声、が……。
[一瞬、幻聴か、と思ったものの、それにしては確りと声は聞こえていて]
な……。
なんで、あなたまで、こっちにいるんですかあああっ!
[レトもこちらに──魔界のどこかにいる、と察した瞬間、言葉にできない怒りめいたものが湧き上がって来た。
なお、それが理不尽なもの、という自覚はあんまりない。
むしろ、それを理不尽と捉える余裕がない、と言うべきか]
― 記憶の書庫 ―
[腕に小さな黒い犬を抱えて、本棚の間を歩く]
こっちでいいんですか?
[腕の中の双頭犬に聞けば、犬は元気に わん!と答えてくれた。
本ばかりの部屋はあまり危険そうでもなかったが、ここにいても事態が変わる気配はない。とりあえず外に出ようと思ったけれど、当初の問題、どっちへ向かえばいいのか分からない、というのに躓きかけたところで犬が案内をしてくれる気配をみせたのだ。自分には分からないけれど、鼻やなにかが発達しているのかもしれない。
――抱えずに先を歩いてもらえばというのは置いておいて。仔犬は抱えられて上機嫌にしっぽを振っているし、柔らかな頭に顎を乗せるとふかりと暖かいし。片方の頭を撫でてやれば、もう片方の頭が自分も自分もと頭を寄せてくる]
にしても、ここはどこなんでしょうね?この子がいるんだから、天界とは違うんでしょうし。
[現在おかれている状況を思えば些か呑気なことを呟きながら歩いていれば、やがて大きくて立派な扉が見えてきた。
本来なら罠や物音に警戒するべきなのだろうが、その手の知識はない。それでも恐る恐る扉を開けば、そこは。]
― 現在地・1(10x1) ―
/*
1 塔の街 ひとけのない街並みが広がっています。引き出しの中にアイテムがあったりするかも。
…やっぱりそこまで危険そうじゃないな。人のいるとこへ行けないし。困ったな。
[魔界の植物で特に危険なものは神経系への作用。
捕らえた動物の精神を揺さぶり崩し、あるいは狂わせ
魔力や精気を啜っては、いずれ時間をかけて
肉体をも肥料に変えてしまう。]
…………
[何かを得心したように緊張を走らせる人間の声を
ちらりと振り返りはしたものの。
全身に絡み付いたり魔力を吸い取ったり何だりする蔦に
リアクションを取る様子も見せない。
優先する獲物があるからか、狼は割合無被害である。]
/*
と言うか今の僕の目的は
いずれ再会するレトさんに据え膳を用意しておく事だから
いや、味見しても良いなら喜び勇むけど(やめなさい)
*/
[呼びかけに返って来たのは要領を得ない声]
アデル?
[再度の呼びかけは相手にその存在をはっきりと認識させたことだろう]
[そうして耳に届く、劈くような非難する声。
なまじ通信魔導具が顔の近くにあるためにその声は直接耳に響いた]
〜〜〜〜っ、なんっで怒鳴るんだよ!
助けに来ちゃ悪いか!!
[理不尽さにレトもまた怒鳴り返す]
― 塔の街 ―
[本棚ばかりの部屋を抜けて外へ出れば、石造りの町並みが広がる。農家ばかりで貧しかった生まれ育った地とは違う趣]
…ここ、なら。誰か、いるかも。
[人がいれば、ここがどこなのか。自分の置かれている状況が分かるかもしれない。そう期待したものの、困ったように下を向く]
この仔…見られたら、きっと、驚かれますよね…
[いくらおとなしくて害がないとはいえ、魔物の仔である。出会ったのが普通の人であれば、下手をしたら殺されてしまうかもしれない]
(置いていく、べきなんでしょうね…)
[腕の中の紅い目を見れば、すっかり懐いてしまった仔犬は嬉しそうに頬を舐めてくる]
―…。
[置いていけない。この仔の親が見つかるまでは。
結局抱えたまま、大通りを避けて脇道へと逸れた*]
[時間が経てば晴れるでもなく、視界の全てを奪ってしまいそうな程に濃い霧はそれが含むひやりと冷たい水気で容赦無く女の体力と体温を奪う。]
温かい場所を探さなきゃ…
[水気を含み滑る地面から何とか立ち上がり、重い体を引きずるようにして歩いた。]
……こわい… 帰りたい…
[深い霧の中は不気味だった。
今まで耳にしたことの無いような不気味な泣き声をや水の中から何かがは跳ねたような音、何か長いものが泥の上をずるずると這うような音。
それら全てが自分の方へと近づいてくるような予感がして、女はただ恐怖で震えていた。
魔物に関して知識があるわけでもない。
だから"それ"にも、気付く事は無かった。]
[振り返る視線に返したのは、なんとも言い難い、困惑しきった表情。
もっとも、そこらは完璧に無自覚なのだけれど]
[いずれにしても、下手に動くと一斉に襲われそうな気がしてならないから。
どうしたものか、と思案を巡らせる。*]
[再度聞こえた名を呼ぶ声は、半年で馴染んだもの。
それは、彼が同じ世界にいる、という事をはっきりと認識させて]
…………。
[言葉にしない──できない、複雑な思いが過ったのは、刹那の事]
いっそ、放っておいてくれてもよかったのに。
もし、帰れないなら、それはそれで……。
[定められた事から逃げられるのだから、とは]
[言葉にできない、秘めたる願い]
悪い、と、いうか。
……あなたがこちらに来てしまったら、ぼくの側から、元いた場所を探査する手がかり、消えちゃうじゃないですか。
通信具の波長を探査の導にして、バイパス作れるかな、って思ったところなのに。
[間を置いて返すのは、仮説が実行不可能になった事への愚痴めいたもの]
……大体、ここがどこかもわからない状況で、追ってくるとか。
それだけでも、十分、怒りたくなります、よ……。
……
…………
なんだ。
[何ともなんともな視線に、つい声を発する。
因みに人間の方は大人しくしていても
じきに一斉に襲いかかられるけど。]
……え?
あ、いえ……。
なんでも、ないです。
[立ち止まった理由がわからなくて、最初に上がったのは戸惑い込めた声。
なんだ、と問う声にはふるふる、と首を横に振って返した後。
とりあえず、防御陣を展開できるよう、魔導書に力を込め始める。
それが後でどうなるかは、まあ。
知識先行型の悲哀、全く読めていないのだが]
― 古代の樹海 ―
[思案巡らせたり、無茶な理屈でちょっと苛立ったり、と。
内心、あれこれ忙しなくしている背後で何かがゆらり、とざわめいている]
[強い魔力は、それだけで様々なものを引き寄せる要因。
魔力を吸収し、異様な生育を遂げる魔界の植物もまた、その例に漏れる事はなく。
ゆらゆら、がさがさ。
結構な数の蔓草が周囲に蠢いていたりした。*]
[常夜の森で時を計る術は月の満ち欠けに尽きる。
相反する影響を受ける身ではあるが、今宵精霊界に浮かぶは新月。
闇の揺らぎが濃度を増して、光の力が弱まる時。
愛妻を腕に抱きながら、密やかな戯れに吐息を漏らし。]
[彼女の言葉に信を置きながらも、少しの暇に不服を隠さず。
口付けを待つ唇が僅かに尖り、稚気を滲ませた。
自身を慰めてくれるのはいつでも彼女ばかり。
するりと降ろした指先が臀部の丸みを掌で確かめ、
自身の下肢に寄せるよう、彼女の腰を引寄せた。]
私に我慢させることが出来るのは、貴女だけ。
湯殿でも整えていますよ。
陽浴みに行くと、貴女の身体は直ぐに私を忘れてしまう。
[人の香りが移りやすい、と彼女を揶揄し。
臀部を撫ぜていた指先が腿にまで降り、着衣越しの素肌を愛で。]
/*
触手さん関係は、そろそろ白にも出さないと。
先にもらったアレとも合わせて、美味しく使わなきゃ、ですからねーw
しかし、この展開は色々とアレだなぁ……w
いやまあ、男装女子的には、美味しい状況なのですがw
…………
そう か ?
[疑問色が混じったのは、数度ながらも反復の
反応を同一の人間から得たからだろう]
[恐らくは防護を張るより焼き切ってしまう方が
根本的な対処としては正解か。
意識か無意識かは知らないが、延焼による周囲への
被害を避けようとした、のかも知れない。
もっともそれを察する狼ではないが]
[魔力の発現をみた蔓草が、獲物と得物のどちらに
手を出したかは知らない。]
/*
ところでベルティルデはマレンマを少し助けておくと
良いとおもうんだ! 後の展開的に!
鎖は解けないけど多少の体力回復くらいは! 期待
*/
[畏怖に戸惑わせた彼女を寧ろ抱き寄せた。>>167
彼女の献身を知りながら、幾度も試してしまうは悪い癖。
自ら敷いた道に、彼女を引き込み、とうとう辿り着かせた己の傍ら。]
我が眷属において隠匿は美徳ですが、向ける心に嘘偽りなく。
―――それとも、貴女は高位に告げられるまま選んだのですか?
[彼女の疑問に僅かな逡巡を置くが、結局は吐露に到る。>>207
愛妻からの接吻を待ち侘びながら、無言実行とばかりに手を繋いだ。
遥か昔に、彼女を世界から奪い去ってしまうと決めた時のように。]
[白の中に薄く、黄が混ざった。
何かの見間違いだろうかと目をこするが、近寄ってみればそれは大きく、色を濃くし、揺らめき始めた。]
……火?
[問いかけるような声を発すると、女は足を早めた。
暫く走ると、そこには沼の岸に焚かれた火があった。]
誰が…?
あの… 誰か… いるの?
[焼き切るのが正しい、と思いながらもそちらに意識が向かなかったのは恐らくは出生故の事。
生まれた場所は深い翡翠の森の奥だったから、木々とは生来馴染みも深かった]
ええ。
……知らぬ場所に来て、落ち着いていない、というのが実情なので……。
もう少し、落ち着いたら、自力で探索してみます。
[言いながら、首から下げたアミュレットに軽く触れて]
……どうやら、知り合いもこちらに来てしまっているようなので。
なんとか、捜さないと……。
[知り合い、と口にする瞬間の表情は複雑で。
一瞬、逸れた意識はしゅるりと伸びた蔦が足に、それから、魔導書持つ右手に近づいて来た事にすぐには気づけなかった]
―――愛していますよ、イングリッド。
[唇が触れる瞬間の囁き。
じりじりと削られて、最後にぶつかる淡い接触。>>208
されど、即座に逃げてしまう気配に、喉を揺らして笑気を漏らし。]
……私の妻は、本当に大変な照れ屋のようだ。
それとも力が戻れば、もっと大胆になってくれるのでしょうか?
[己の唇に指先を宛がい、嬉しそうに口唇を撫ぜつつの妄言。
明かず森の外れまでなら送りますよ、と甘やかす振りした執着も添えた。]
[周囲を伺うが返事はかえってこない。
あたたかな光の誘惑に負け、炎の前にしゃがみ、手をかざした。
微かに花のような甘い匂いがしたような気がした。
いや、正確にはその匂いは随分前からしていたのだ、彼女が気付けなかっただけで、彼女が霧の中に火の明かりを見た時から。]
あったかい………
[毒は幻覚だけでは無く感覚器官をも狂わせる。
そして深度が深くなれば、その魂にも影響を及ぼす。]
[常夜の森の入り口は惑う者だけが辿り着ける。
特に闇を司る精霊が招かぬ限り、口を開くこともない。
無理に抉じ開ける力も持たぬ彼女を呼んだのは、違いなく幼い己。
唯々諾々と存在することに対し、若い精霊にありがちな好奇心から対立して、情熱を求めた。
自身の無聊を慰めてくれる、空隙を埋めてくれる何かを。
――――きっと、彼女は聞いたはず。
言葉ではない、深淵からの呼び声を。
ひとりは寂しい、と。
そうして、一条が注した。
闇の底に零れた小さな光、其れが全ての始まり。
排他的な闇が、光を手に入れた特別なひととき。
以来、自身の心は、ずっと彼女の掌中にある。]
[いつの間にか女は眠りに落ちていた。
魔物の発する毒のせいだけでは無く、疲れのせいでもあるが、目を覚ました女が見た光景は、少し離れた場所で足に絡まる何かに自分が沼に引き摺り込まれようかとしているものだった。]
………えっ、えっ、 なに!?
[慌てて自分の身体を見下ろす。
見下ろした自分の身体は僅かに透けているように見えた。
地面に落ちたローブに触れるが、そこには何の感覚も無い。]
[抱擁を解かぬ腕にすんなり納まりながら、図るは彼との暫しの別離。
申し出るのは何時も躊躇を覚えるが、引き延ばしてきた暇乞いを果たす頃合いだろうと。彼の労わってくれる通り、夜ばかりを重ねた身は陽射しを恋しがっている]
…ねぇ、貴方。 そろそろ、だと思うの。
[何がとは明言せず、そっと額を重ねて囁く。
彼の帰りを待ちつつ眺めていた月相も、時機を示唆していた。
遠慮がちに言い出せば、彼もまた察していたらしく]
[知らぬ場所で落ち着かない、との独白を聞いて、
そうだ、自分も探すものがあると、
――人間の口が言うよりはずっと危険な意味を添えて思う]
あ
[手足に絡む蔦に、遅ればせながら息を漏らす]
[反論に一度声を詰まらせる。
レトにしてみればそんな考えがあったとは知る由も無い。
知るか、と言う思いと共に、それならば、と代替案も浮かんだのだが、それを口にするのは憚られた]
……んなこと考えてるなんて知るわけねーだろ。
[故に口に出したのは前者の考えのみ]
…おっまえなぁ。
どこか分からねーから追って来たんだろうがよ。
俺はお前の護衛だぞ?
護衛対象放っとくなんて出来るかよ。
[可愛げを求めたわけではないが、可愛げのねぇ奴、と心の中だけで愚痴る]
んで、お前今どこに居んだよ。
[来てしまったものは仕方が無い。
割り切りは早い方だったから、不機嫌そうにしながらもアデルの位置を問うた]
[背を辿っていた腕が、するりとその下の丸みへと降りていく。
やんわりと引き寄せられ下肢が密着すれば、情交の記憶が生々しく呼び覚まされる]
……ぅん、……
[囲う腕には逆らわず、小さく喉で抗議を洩らす]
我慢されているようには、あまり。
あれ程、…何処に居ても、忘れないようにして下さったでしょう。
[暗示の如き彼の言を唇に乗せ、腿を撫ぜる掌を重ねた手で捉え]
……そ、それは。
確かに、そうですけど。
[非常手段についてはこちらも今さっき閃いた所だし、護衛対象を放っておけない、というのも真理なので、そこへの反論はできなかった。
なお、内心の愚痴を聞いたら、今自分が置かれている状況も忘れて騒いだかも知れない、というのは余談である]
どこに、って……。
どこかの、森の中、みたいな……。
[そこまで、告げた所で。
声はどこか、不自然に、途切れた]
[周囲を一応警戒しながらも、意識の一部は別の所へ向いていたから。
それに気づくのは、物凄く、物凄く、遅かった]
ちょ、え。
[しゅるり、と巻き付く感触に、惚けた声が上がる。
動きを封じられては、呪文の詠唱もできず。
短く漏れた息を捉える暇もなく、伸びて来た蔦にがっちり絡めとられていた]
― 古代の樹海 ―
[色々な要素に意識を取られていた、それは間違いのない事実だった。
それでも、警戒だけは解いてはならない、と思っていたのに。
どこかでそれが緩んでいたのか抜けていたのか──とにかく、近づくそれには、全く気付けていなかった]
……うそっ……!
[気づいた時には、時すでに遅し。
にじり寄ってきていたもの──魔力を好んで喰らう蔦は、足と魔導書持つ手に絡みつき、更には細い腰にまで伸びて]
ちょ、ちょっと待ってぇぇぇぇ!!!!!
[叫んでみたが、多分、蔦は待ってくれません]
[とっさに上げた大声は、そのまま、通信具にも流れ込む音量のもの。
何かしら、異変があった、というのは、それだけでも十分伝わるか]
[隠匿は美徳と告げる夫の眼差しを正面で受け止める>>219
属種の価値に従い、彼が隠匿を働くことがあれば。
果たして、この目に見通せるだろうか]
――…私は。
選んでいます、貴方の妻になると。
[搦む掌を軽く握り返して、密やかに応じる]
…………
[取るべき行動を思案する間はぽりぽりと頭を掻いて、
まさかの非情にも踵を返した。]
/*
いろいろを繋げてみる試み。
このまま、意識混乱幻惑こーすかなぁ、これは。
そして気づけばベルティルデさんが幽体離脱をしていた件。
……そういや、救出者側にも何かあるのかなあ、お題。
[そしたら背後から絶叫が聞こえるわけです。>>225]
……
[ちょっと待った。]
ちょ…いやいやいやいやいやいやダメだってば
だめだってだめだめだめだめだめ
[沼に引きずられんとしている自分の身体に縋る自分(霊体)は容赦の無い程に軽かった。
近くで見ると足に絡みついているのは美しい金色の髪の束だった。
髪が伸びる先…本体の方へと目を向ける。
そこには美しい女性の姿…は無く、スライムのように身体が半透明のゼリー状になっている女性の姿をした魔物の姿があった。]
[さらりと告げられた言の葉は、もう幾度目か数え切れない>>221
一度目から変わらず仄かに眦を染め、物言いたげに唇を揺らし]
…貴方と比べてしまえば、それはそうだと思うけれど。
[向けられる揶揄にふ、と視線を逃がして、逡巡を挟み]
貴方が、お望みなら…、善処は――…
[曖昧に呟いて、見送りの申し出には無言で頷いた]
[踵を返された事にはそもそも気づいていなかった。
ちょっと待って、も、とっさに口をついただけで、引き留めたい意識は──まあ、全然なかった、と言えば、嘘になるかも知れないが、いずれにしろ、狙っての事ではない。
そもそも、蔦に向かって叫んでたわけだし]
……ふぇ……。
[絡みつく蔦が密度を増して、何やらもぞもぞしているのもいたりして、混乱が深まるものの、助けを求める声は出ない。
『助けを求める』という行動やそれを求める意思を示すのが、致命的に下手、というか、できない気質だったりした]
/*
秘話のあれは1のがスムーズだろう気がするので、ダイス振らずに決定と。
村に入ると忙しくなる法則に引っかかっておりますが、頑張るよ頑張ろう…。
/*
新月に、というのは私も丁度思ってたの。さすが。
迷子になったのは、実は迷子じゃなく旦那様を先に無自覚に見初めて、ふらふらと…と考えていたのだけど。
旦那様に呼ばれてたのね、そっかぁ…。
何あれ気持ち悪い……… いや、うそ、うそうそうそだからやめて食べるのはやめて美味しくない、美味しくないから!
[こんなところで地縛霊等には絶対になりたくない。
けれども幽体の身では何もできず、ただおろおろとしていると、更に何かが近付く気配を感じた。
何かの助けかと、期待を込めた目で目を向けると、醜い鳴き声と共に現れたのは自分を攫った小鬼のようで、、、]
………
[しばし言葉を失っていれば、2匹の魔物は自分の身体をかけて喧嘩をし始めたらしい。]
― 霧の沼地 ―
[ここに繋がれてどれほどの時が経ったのか。
時を数える術のない身には測りかねた。
色がなく、変化もない世界に感覚が麻痺していく。
だらかそれの訪れに、微かな喜びさえ感じた。
この責め苦の元凶たる皮翼の蛇の訪問でさえ。]
『少しは穢れに染まったか?
この程度では弱るのがせいぜいか?』
[沼の上を羽搏いて渡った蛇が、身体に絡みつく。
ちろちろと伸びる舌から顔を逸らした。]
『強情な贄であることだ。
我が力にて直接拉ぎ砕いてくれよう。』
[声から滲むものは不吉な結末を想起させる。
だがどうすることもできなかった。]
…わたしの体をいくら縛ろうとも、
わたしの魂を折ることなどできません。
わたしのこころは ───っあぁぁ…!
[蛇の牙に肌を貫かれ、悲鳴が唇をこぼれた。
注ぎ込まれる毒は魔素であって魔素のみではなく、
浄化しきれずに体内を侵していく。]
[毒が回った体からは力が抜け、
感覚ばかりは逆に鋭くなっていく。
最初の違和感は、下肢の間から訪れた。
今まで体内に入る端から浄化され弾けていた闇の触手が、消えずにそのままの圧力で内腑に分け入ってくる。]
あ、 ああぁっ、
いや だ っ、 こんな …っ
[内奥に蠢くものたちの感触。
引きまわされ、引きずり出される快感。
強烈な魔の暴掠に息が詰まる。]
[幾度か痙攣を繰り返したあと、瞳から光が消える。
力の失せた体に蛇は巻き付き、鎖を砕いて翼を広げた。
ずるり、と体が泥の中から引きだされ、
黒い泥濘がしばらく糸を引いたのちに零れ落ちる。
もはやその口から聖句は途絶えていた。]
[ただ響くのは魂の声]
クロゥ …
たすけ て …
[魂の半身を呼び求める叫び]
そーでなくてもお前、危なっかしいし。
[遺跡でのことを思えば、それを口にしてしまうのも已む無し。
表情は見えないが、呆れの色が声に混じっていることは感じ取れるはずだ]
森?
つーと外か。
俺今建物ん中に居っから、外出るにはもうしばらくかか……
[そこまで言って、不自然に途切れた声の直後に聞こえた大声にレトの声も途切れた]
[有翼の蛇が司祭の体を運び去ったあと、
沼のほとりに銀の聖印が落ちていた。
常に首に掛かっていたそれは、魔には砕けぬ聖別されたもの。
護りでもあるそれを邪魔とみなして捨てていったものだろう。
その聖印を核として、なにかがおぼろに集まり、形を成した。
霧に色がついたほどのそれは、司祭の形をしたもの。
体から零れ落ちた心の欠片。
触れることも叶わぬ写し絵だが、首に掛かる聖印だけは本物だった。]
/*
予想以上の秘話カオス
中の人はここで助けておくと後々楽しいんじゃないかって
思っているんだけど、
余所の縄張りで獲物に手を出すのは
メリットがないとやーだーと狼魂が光って回る。
*/
おいアデル!
何があった!!
[声は聞こえても状況は見えない。
更には異変を感じ取れても傍には居ないもどかしさと焦りがレトに降りかかった]
― 魔王城・地下牢 ―
[地下へと下る階段の途中、レトは一度足を止める。
表情には焦りの色]
くっそ……出口どこだよっ。
[普通に考えれば地下から外に出る場所があるとは考え難い。
ただ、人目につかずに出られる可能性があるのもまた地下だった。
止まった足を再び動かし、警戒しながらも階下へと急ぐ]
……地下牢?
[階段を下り切って目に入ったのはいくつか並んだ檻。
意識を凝らせば誰かが居る気配が感じ取れる]
…何か居るなぁ…。
[牢獄の外に気配は無い。
あるのは、中。
囚われの身である者が居ると分かっても、異界の者であるならばあまり接触したくは無いところ。
しかし何かしら手段を知る者であれば交渉も可能かと、気配のする牢獄へと近付いた]
[牢獄の中に居たのは人の姿をした金髪の人物]
……アンタ、この世界の奴か?
[ここが異界であることを知るが故の問いかけ。
相手にはどう捉えられたか。
ひとまずは相手の反応を窺い見る*]
[もう少しだけ、と駄々捏ねる様。
愛妻に未練を抱き、其れが僅かな別離だとしても、この体たらく。
同種なれば力の不足も理解出来る為、眼を逸らすことは出来ないが、それでも。]
―――…月がもう一つ在れば良いのに。
[周期転じる衛星一つを欲する短絡。>>224
精霊にあまり見られぬ向上心は、いつも彼女に起因する。
禁呪に該当するかは、モラルの低い身にとって些細な問題でしかない。]
時を重ねれば、欲しいものばかりが増えていきますね。
貴女が戻る頃、屋敷を照らす月が増えていたら笑ってください。
[冗句とも付かぬ言葉は笑みを伴い、愛妻にさらりと告げた。]
ここ、は ───
[ぼんやりとした顔で周囲を見回し、
やがて、ふわりと漂い動き始める。
折しも、どこか近くから聞こえる騒がしい気配の方へ、流されるままにゆらゆらと。]
[待てと叫んだ割には続きが来ない。
まあ、そもそもこちらに向けられた音ではなかったので
仕方のない事だとは言えよう]
……変なやつだな、おまえ
[あまつさえの感想]
[零れるささやかな嬌声に、理性が猛攻を受け。
このまま寝台に再び押し倒してしまわぬ、自身の真摯を賞賛。
堪え性のない夫だと咎める彼女へ、ちらりと視線を合わせ、
首元を中心に散った鬱血痕に眼を細めた。]
……まだ、足りない。
――…と、云うのは簡単ですが、貴女に呆れられるのは望まぬ所。
私は妻の事になると、実に贅沢なようです。
[小声で言葉を吐き出すと、闇手が影から生まれて着衣を整えた。
ふわりと彼女の肩にも白い外套を掛け、露出を隠す。
月光で編んだ布地は軽く、光沢を持つ純白が彼女を引き立てる。]
別つことなく、傍らに。
―――…我が情熱、可愛い人。
貴女は私の、離れがたき、愛妻。
[エスコート染みて取り上げた指先に、吐息を掛けて恭しい仕草。
傅くように見えて、内心の支配欲を隠す。>>226]
[侵し難い威圧を醸し出す男が見せる、頑是ない様>>237
目を細めていられたのは、彼が聞き捨てならない冗句を溢すまで。
予告めいた言葉は、まるで些細な事を告げる口ぶりで]
えっと。貴方?
それは、その……、大丈夫なのかしら、色々と。
[闇の種族の責には疎いが、そう易々と果たせる事なのか、
そもそも其れは赦される事なのか。
夫の所業に口出しする気はないものの、頭を疑問が埋め尽くす]
[何があった、と言われても、説明できる状態ではなく。
むしろ、説明できてもしたくない、という状況にもちょっとなりつつあって]
……えと、その。
……つた、が。
[それだけ返すのが、精いっぱいだった]
[2匹の魔物の争いが白熱する一方、女は沼の淵でそれを見ているしかなかった。
時間が経つにつれ魔物は場所を移し始めるかもしれないが、女にそれを追わんとする気力が戻るまでには時間がかかっただろう。**]
[むしろ、反応があった事にびっくりしている、という説もあるのだが、それはそれ]
……ほっといて、くだ、さい。
[条件反射のように零れたのは、変、とか変わっている、と言われた時に返す常套句だった]
―――…、それは愉しみです。
[言質は取ったとばかりに、揺れる語尾を補強する。>>228
それにあわせて、広がる闇手は互いの身を包み込み、
一度大きな球体を造ると水面を打つに似た音を残し、影に紛れ。
己の支配下にある森は庭に等しく、影を伝い距離を無に返す。
雫が宵闇を経由するのはほんの僅かな間だけ。
彼女にとっては瞬き程度の経過。
再び影から生まれた雫が球体のまま膨れ上がり、
闇は幕を引くように退いて、開ける視界。
次に見た世界は寝台の天蓋裏ではなく、明かず森の藍色。]
―地下牢―
はっ、余計なこと考えてないで脱出しないと!
[改めて壁につけた手に力をこめて、
足場を探そうと壁に取り掛かってみた時のことである。
ふわっとした感触がした。
見ると足元が白い。
つま先まで白い布に覆われている。
ふわひらっとした、布が自らの下半身を覆っている。
というか、自分が着ている衣装、これはもしや]
― 明かず森・外れ ―
[解けた闇は己の足元に収束し、彼女と手を繋いで訪れた外れ。
奇しくも初めて出会い、別れた場所。
繋いだ掌は大きくなって、力も増したが、心だけは変わらない。]
―――…余り、遅くなるようであれば迎えに行きます。
歓迎はされませんでしょうが、貴女を留める同属を怨んでください。
[外見だけは朗らかに微笑を向けるが、悪びれることは一切ない。
繋いだ指先を縋るように絡めて玩び、別離が不服であると動作で示し。]
[考える。そして]
本当に?
[順調に縛り上げられる人間の所に
今度は明確に戻って来た。
襟に手を伸ばし、首を引き寄せる]
――助けてほしいか
[当たり前の事ではあるが、
――この狼も魔の眷属である。
ぺろ、と己の唇に舌先を滑らせて]
[軽く寄越された視線に、ただ射竦められる。
視線が意味する先を悟って、こくりと鳴る喉に、慌てて掌を宛がって]
直に、……戻ります、から。
[来る夜を言葉少なに示して、唇をきゅっと噤む]
……はい???
[どうりで体が重いと思ったとか、
いやそれ以外にも何か体が変な気がするとか、
いや、確実におかしいことは間違いないのだが、
でも怖いから確かめるのは止めよう、とか。
一瞬で走馬灯のように過ぎ去っていく何か。
何にせよ、屈辱に肩を震わせ、
牢屋のすみっこの影を見つめていたところである、
>>236 不意に背中から声がかかったのは、ゆっくりと振り返る]
……ぇ?
[戻ってくるのも予想外なら、投げかけられた言葉も予想外。
故に、最初に零れたのは戸惑い帯びた声。
自ら動けぬ事もあり、引き寄せられるのに逆らう事はなく]
そ、それ、は。
できる、なら……です、けど。
[そう、言いながらも明確な答えは落とせない。
彼がそれなりに力あるものであり、魔の領域にある事も薄らと感じている。
魔が対価を求める事無く何かを申し出る事はない──とは、魔導師としては当然の知識。
即答を避けつつ向ける淡い緑には、戸惑いと警戒の色が微かに浮かんでいた]
あんた誰?
魔族の仲間?
だったらとりあえず殴らせろ。
[背後にいたのが人型である、
それしか認識していない言葉です。
そんなものすごく剣呑じゃない発言と共に、
白いウェディングドレス姿の金髪少女は振り返ったのでした。
囚われの乙女、というには、
あまりにも凶悪かつ凶暴な光を、
その翠の眼差しに宿らせながら、
笑みは当然のように引き攣りまくっておりました]
できるなら
[視線に浮かべる警戒は正解だ]
できるなら、なにを差し出す?
[ただし、そこに交渉の余地を残している。]
/*
当たってたwww
そして、のーぷらんで流れているんですけど、ぼく、この後どうなるんでしょうかw
最終的に錯乱引き起こすのは確定ではあるんですけどねw
/*
それにしても性別が迷子の方が多い村ですね(芝)
因みにフレデリクに関しては
「じゃあ魔族が女なら問題ないな!」って思いかけて
それ花嫁やない、花婿や、って事に気が付いた昨晩
*/
[低い囁きに応じ生まれ出でた闇が、純白の外套を着せかけてくれる。
生来の住処に在った時は、常に纏っていた色>>239
闇夜に馴染む装いを、今は襟元から足先まで真白に包み]
…綺麗。ありがとう。
[肌に馴染む色彩、軽やかな感触。
綻ぶ頬は、恭順を表する仕草にほのりと上気する。
けれど迂闊な言葉に念を押されれば、すっと視線を逸らし>>245]
あまり、…期待はなさらないで?
私のいない間に忘れて下さいな。
[純白は、彼の創り出す闇手にすっぽりと覆われ、影に溶ける。
球体の中、寄り添って束の間。距離を一足に削って、明かず森の外れへと至る]
つた?
[蔦?と頭の中で変換。
正しく導かれたのは、先程森の中に居ると聞いたお陰]
んなもん燃やしちまえよ。
[蔦のクリーチャーでも出たか、とそんなことを口にする。
状況を知らぬが故の軽い口調。
アデルが何故言い辛そうにしているのかは想像出来ずに居た]
(うっわ、柄悪っ)
[自分のことを棚に上げ、殴らせろと言ってきた相手を半目で見た]
魔族じゃねーし。
……ん?
魔族ってことは、ここ魔界か。
[相手の言葉に異界がどんな場所かを理解する。
そこがどんな場所かの基礎知識程度は持ち合わせていた]
……その様子だと連れて来られたっぽいな。
俺はレト。
あんたは?
[反応からもこの世界の者では無さそうと言うのが知れる。
ひとまず名乗って敵対の意思が無いことを示してみたが、頭に血が上っているらしい相手は正しく理解してくれるだろうか]
さ、差し出す、って……ひゃうっ!
[話している間にも、ローブの下に入り込んだ蔦が何やらもそもそしていて、妙な声が上がった]
あ、あなたにとって、対価となり得るものが、何であるかに、よります、よ。
少なくとも、命と純潔は、遠慮願いたいです、けど。
[前者も後者も、それぞれ違う意味で危険な状況ではあるのだがそれはそれとして。
ある意味、譲れないのがこの二つなのも事実なので、とっさに口にした後]
……それ以外、でしたら。
あなたの人探しのお手伝い、くらいなら……なん、とか。
はっきり、特定するのは、難し……きゃうっ!
[明確な確定は難しいかも知れないが、大まかな位置ぐらいは見えるかも知れない、と。
説明するより先に、また、声が裏返り]
……も、やだぁ……。
[いろんな意味で、泣きたくなった]
[切なる叫びに伸ばす手は何も掴むことなく。
確とした危機感に焦りを掻き立てられる。]
/*
心底一口喰わせろって言いたいけど
と言うかそうしておくと後で傷口見たレトさんが
良い具合にキレてくれるんじゃないかって
凄く期待してしまう俺です
でも味見しないってメモで約束しちゃったので
相変わらず発想がryなのは許されたい
*/
あ?……魔族じゃない。
じゃあなんでこんな所にいるの?
[>>253 不審そうに見やる眼差しは引きずってしまったが、
どうやら相手はここがどこかすらわかっていなかったようだ、
それではただの八つ当たりになってしまうので、ひとまず握った拳はほどいて、
檻の方に近寄ってみる。
なるほど確かに相手は人間ぽい。
といっても、魔力とか魔法とかさっぱり無縁なので、野生の勘でしかありえないのだが。
檻を両手に掴んで、じーっと見やる。
その見た目だけは立派な囚われの乙女である]
(き、気軽に言わないでぇぇ!)
[軽く帰って来た声に、とっさに浮かんだのはこんな事。
そも、それが簡単にできないからこそ、ややこしい状況に陥っているわけで。
しかし、状況を説明するのは、憚られた。
というか、蔦に絡めとられ、更にあちこち弄り回されている、というのはちょっと言えない、言いたくない]
……できる、なら、やって、ます。
[それでも、声がちょっと泣きそうになっている辺りから、非常事態というか、異常事態なのは察知できる……かも、知れない]
― 明かず森 ―
[初めて出逢った森の外れで、今宵も暫しの別れを告げる>>247]
それでは…、行ってまいります。
きっと同属の者が、迎えにきてくれているかと。
[朔夜に合わせ里へ戻る事も、その折には生来の力を殆ど使い果たしている事も、彼に娶られてより数ヶ月で習慣になりつつある]
…光力を満たし次第、直ぐに戻りますから。
[迎えに来るという言葉をやんわりと流し、絡めた指をそっと擦る。
同属に彼が歓迎されない事は確かだが、それは彼への畏怖に近く。
どちらかと言えば、夫への心証がこれ以上悪化しない事を願って]
[眉間にしわを寄せて、険しい表情をした修道士は指輪を外して胸元に収める。
手袋を剥ぐと、その手に深く穿たれた刻印へ、周囲の瘴気が吸い寄せられはじめた。
それは黒い靄、あるいは虫の群れめいた塊を為す。]
…、 …、
[身体を苛む瘴気に耐えていると、しばらくして道の向こうから幼い子供らが跳ねてきた。>>243
いといけなくも、どれも同じ顔をした──魔物である。]
純潔? とはなんだ
[またえらい質問を飛ばす。
命を差し出せ、では意味がない事くらいは分かる]
それはいらないが
おまえの味には興味があるな
[例えばその肩を一口。
などと物騒な提案をしていたら、続いた言葉に目を瞬く]
問答無用で掻っ攫われたんだよ。
折角リエちゃんに礼装見て貰うところだったのに……、
本当、あの魔族空気読んでほしいっていうか。
この牢屋とかなんか寒いし、
じめっとしてるし、空気悪いし暗いしもう最悪!
[>>254どうやら関係者ではないようなので、
とりあえずほっぺたぷっくー膨らましながら、
現状について苦情を並べ立てて]
あ、えーと俺の名前?
フレデリクだけ ど……、
[名乗ったところで我が身に起きた災厄を思い出して、口ごもる]
[人の形をしているならば、おそらく言葉が通じるはずだ。
手袋と指輪を元の位置に戻し、代わりに首から下げた聖印を示す。]
これと同じものを身につけている若い司祭を知りませんか。
[吸い込んだ瘴気からは、この付近に彼の気配はないとわかった。
魔物から情報が得られず、彼らが攻撃してこないならば、城門へと急ぐつもりである。]
[彼女の手を引き、指添わせ、森の終わりで名残惜しく。
しかし、男の稚気に驚く彼女に気付けば、含み笑いを刻む。]
陽光を継続的に月光石に収束、転送させ、
空に浮かべる程度のイミテーションですが。
―――本物を作るのは時間が掛かるので、そちらは何れ。
[脳内で構築する被造物の設計図。>>242
事も無げに告げてみせるものの、彼女が求める答えとはややズレていた。]
[白き外套を靡かせ、夜に浮かぶ稜線に見惚れる数秒。>>251
外套はフードも備え、彼女を独占したがる男の趣味が見え隠れ。]
おや、最初から約束を違えるなど貴女らしくない。
―――いいえ、覚えていますよ。
貴女のことで、私が失くして喜ぶものなど何一つ。
[笑気刻んで、いつの間にか善処を約束にまで入れ替える。
帰館をお待ちしています、と釘を刺すに似た言葉まで添えて。]
[そうして、いよいよ、先延ばしにしてきた里帰り。>>257
いつもこの瞬間は、笑みの形を上手く作れない。]
―――イングリッド、
[自然と彼女が離れる瞬間に、腕を強く引く。
そっと寄せる唇が耳朶の傍ら、揺れる薄色の髪を鼻先で擽り。
小さな声は、彼女の内耳だけに響いて鼓膜を揺らす。]
……魔導師、だったか
[魔力を使う者だ、としか理解はしていないのだが]
なんだ、その声
[訝しげに首を傾げるも、さして回答を求める風でもなく]
探せるなら
――じゃあ、それでいい。
直ぐに、
―――…直ぐに帰ってきてください。イングリッド。
貴女の居ない世界は耐え難い。
[本当なら同行したいが、彼女の郷里と悪戯に亀裂を生むは愚案。
出来ることなら、彼女を悲しませる真似は避けたい本音。
邪魔者は廃するが善しとしながらも、妥協点は探さねばならぬ。
そう自制し、声と耳朶への口付けに留めた。]
[するりと彼女を解放し。伸びたがる腕を留めるよう、
片手を自身の腰裏に宛がい、右手を閃かせて見送りの所作。
お気をつけて、と暢気を気取り、告げる男は、
この後、待ち受ける事態を知りようもなく。
ただ、薄暗い森から唯一の輝きが失せてしまったことに、
切なく、小さく、溜息を零した。**]
[それを真っ向から聞かれるとは思わなかった。
一瞬、どうしよう、と思いはしたが、続いたのがいらない、という言葉だったので、敢えてそちらは追及しない事にした]
……味、って。
[それが何を意味するかはおぼろげにわかったから、ほんの一瞬ひきつるものの。
とっさに提示した対価が受け入れられた様子に、ほっと息を吐いた]
こ、声?
これは、その、蔦のせいですっ!
……じゃ、なく、て。
わかり、ました。
ぼくにできるだけの事は、します、から。
……この蔦、何とか、してください……。
[ドッペルは、どうやら話をきいていない。
呆れた顔で、歩き出す。
そう、気づくものもいるだろう。
魔物は彼をすぐに襲うことがないことを。]
――……人?
魔物以外を見るのははじめてだ。
貴方も探し人かい?
[月光石の杖をつき、正装の姿。
正真正銘、その右脚以外はただの人なのだけれども。]
[一人で合点するや腕を振り上げて、
――がすッ
と、鋭い爪が腕に絡む蔓草を引きちぎった]
おまえ達には悪いが
[急に攻撃した獣を敵視する森を、くるりと見回して]
この人間はもらう
[小柄な魔物の群れの後から、杖をついた青年が現れる。
小さな魔物たちに通じる容貌をしていた。
チラとその右足に視線をやってから、挨拶の言葉を返す。]
初めまして。 修道士ジークムントとお見知りおきを。
思いがけないところにも人がいて驚いています。
ええ、探し人を──ご存知ありませんか。
[探している相手の容姿を伝え、反応を見る。]
[返る声がなんだか大人しい]
……とりあえず何かヤベェのは分かった。
[声から軽さが消えた。
ただ、異常事態だと言うのが分かっても、直ぐには駆けつけられない現状。
もどかしい想いも声に乗る]
直ぐに向かいてぇところだが、俺も脱出に時間がかかりそうだ。
それまで頑張れるか?
牢屋ってそんなもんだろ。
[文句を言う相手に若干呆れの色を見せながら言う。
檻を挟んで立つレトの姿は、レトの世界では一般的な冒険者の格好だ。
特徴的なのは両腕に付けた鋼鉄のガントレット。
尤も、目の前の相手の世界にそんな人物が一般的に居るのかまでは定かではないが。
一般的ではないにしても、物語に登場する人物のようには見えるかもしれない]
[俺、と言う一人称。
あぁ男勝りなのか、と言う認識になるのは、冒険者にそんな一人称の女性が少なからず居るため]
フレデリクね。
……なんかしたか?
[口ごもる様子に再び問いを投げた]
これを切ればいいのか
[絡んで蠢く蔦を裂いていけば、順に四肢の自由も戻ろう。
問題は]
……、……ジャマだな
[ローブの中にまで植物が潜り込んでいることだ。
――ビリィッ
蔦と違うのまで裂けた音声はお察し頂きたい。]
[軽さが消え、違うものののる声に緩く瞬く。
もっとも、その仕種は見えぬのだけれど]
……なん、とか。
いろいろあって、手助けも、もらえそう、なので。
…………頑張っては、みま、す。
[『手助け』についてどう説明するかも悩み所だが、今の所はそこまで意識も回らず。
一つ息を吐いた後、どうにかそう返した]
残念ながら、
僕が今回こっちに渡り、あった人は貴方が初めてです。
申し訳ない。
[詫びを伝え、散り散りになっていくドッペルのなかから、彼に寄って、名を名乗る。]
僕も探しています。
金糸の友達を
[どこかそう離れてもいない距離、声が聞こえた。
修道士、探し人。そんな途切れ途切れの言葉]
(――大通り?)
[あまり人と会いたい訳ではないが、会話からここがどこかの手がかりでも掴めればとそろり近付いてみる。腕には魔物の仔を抱えたまま、人差し指をくちびるに当て、しー、とジェスチャー。勿論意味が分かった筈もない、仔犬はわん!と元気に答える]
ちょ、ダメですって。静かにしないと。
[慌てて抱えなおし、そっと声の方を伺ってみる。気付かれただろうか。気付かれていないようなら、そろりとそちらに向かって足音を忍ばせてみるつもり]
[鋭い爪が振り上げられた時は、一瞬身を竦ませたものの。
それが蔦へと落ち、ヒキチギラレル様子に、緊張は緩む]
……すご……。
[知らず、口を突くのはこんな言葉。
下手に動くと危険だろうから、と動く事はしなかったのだが]
て、ちょっ……!
[何かが破れる音が意味する所は、お察しいたしました、というべきか。
いや、状況的に仕方ないのはわかっている……いるけれど]
……ぅぅ。
[それでも、このまま蹂躙されているよりはマシ、マシなはず、と。
半分涙目のまま、自分に言い聞かせていた。
耳がへたる様子に、突っ込めなかった、というのも、多少はあるけれど]
[陽光を一杯に吸った月光石の浮かぶ空>>261
美しい夜景を思い描き、それならば、と微笑んだのも一瞬。
やはり現物も拵える心算なのだとすぐ知れて、言葉を失う。
けれど、諌めたとて然程甲斐はなさそうだと、そのまま口は挟まず]
……違えるとは、言っていないでしょう?
[フードを被る手を止め、夫の言葉を一部だけ訂正する>>262
努力目標が約束に擦りかえられた事には気づいたが、元より自分の言い出したこと]
[杖の青年を襲うことも、命令されることもない様子で、幼い魔物たちは去ってゆく。]
あちらの方にもう一人誰かいるようです。
あなたの探し人であればよいのですが。
[そう言って指差した方角から、元気な小犬の鳴き声がしたのだった。>>271]
手助け?
……この際気にしてられねーか。
[手助けの言葉が気になりはしたが、背に腹は変えられない。
アデルが言うなら、とそれについての問い質しは後回しにする]
…ぜってー探し出すからな。
助けに行く。
[告げる言葉には誓いのような響きが乗った]
……ふーん、ここ屋敷の中なんだ。
出口探してるってことは結構広いところ?
もしかしてあいつわりとえらい魔族?
あ、仲間探しだっけ?ここでは誰も見てないよ。
っていうか俺もさっき目覚ましたばっかりなんだけど。
[>>267>>268 独り言と問いかけと会話と、
相手にむけてそれはマイペースに話しつつ、
呆れたような反応には、抗議の眼差し]
そんなものって言われても、
牢屋なんて入ったことないし、
こんな狭い部屋はじめてだもの!
[温室育ちは掴んだ鉄格子をばんばん叩く、
叩いたところでどうしようもない感じではあった]
[しかし――、
相手はなんだか珍しい格好をしていた、
これが自分の世間知らずからくるものなのか、
あるいはそうでないのかはよくわからなかったが、
腕の装甲は騎士がつけるガントレットのようなものだろうか、
あれは強そうでちょっといい。
というか、魔界に助けにきた、
とかさらっと言うあたり、大分おかしい。
こんな所来ようと思ってこられるのか]
[手を突っ込んで(割愛)粗方の残骸を引き抜き、
解放した人間の襟首を引っ掴むと背後に下がらせた]
ここを離れる
[獲物を逃がすまいと、鋭い鞭のごとくしなる木々を
寸での所で打ち払う。
走る痛みには鈍さと鋭さが入り交じり、舌打ち。
割合小柄で細い胴体をほとんど小脇に抱える態で
植物から逃れる方へと走り出した。]
……いや、
なんかしたっていうか。
クソ親父が勝手にしたことだし!
むしろ俺がなんかされた被害者っていうか……、
[フレデリクとか明らかに男の名前だったが、
それが追求されなかったのはよしとする。
男だけどこんなことになってます、と自白するよりは、
女子と思われてるほうがまだマシかも、しれない]
……これ以上何かされる前にここから逃げたいんだけど。
なんか壁上るのにいい道具とかない?
ほら、貞操の危機とか、ありそうだし……
[自分で言ってて欝になりそうだ。
レトと名乗った相手をちらっと見やる。
この鉄格子はどこからどう見ても開きそうな気配はない]
あ。
[もう一人、という言葉がさっきよりも明確に聞こえた。もしかしたら、聞かせようとしたのかもしれない。
逃げるべきだろうか。危険でさえなければ、話は聞きたいのだが。迷って、逃げるでもなく仔犬を抱えたまま警戒するよう後退り―]
― 魔界・灼熱の闘技場前 ―
―――私の声が聞こえますか?
[セルフ命名の儀で気分を一新、金貨は目を閉じ探し人へ言葉を届けようと念じた。闘技場の入り口付近……つまりは人の行き交いが激しい場所で。
何十人かにぶつかりつつも、何人かに財布を探してるのだろう探られつつも、金貨は動じることはなく、しばらく往来の邪魔になりながら返答を待ち続け――…]
……届きませんねえ、付近にいないんでしょうか。
[最初から持っていない財布を狙う掏摸の数が二十を超えた辺りで、その場で探すのを諦めた。]
[絡めた指を何とはなしに時間を掛けて解き、
寄り添う男から距離をとる、その刹那>>263
ぐっと腕を引かれ、身体が傾ぐ。
離れかけた身体が重なる間際、耳朶を擽る低音]
……、貴方。
[バランスをとろうと伸ばした腕は、男の首筋にするりと巻きつく]
[吐息が耳朶に先触れ、唇の感触が続いた。
懇願よりも要求に近い言葉が、何処か切なげに響く]
直ぐに――…今宵を越して、暁には貴方のお傍に。
どうぞ、待っていて下さいな。
[ささやかな誓約の証に、額に柔いキスを捧げ]
/*
すみません、少々トラブルがあり相方が遅れておりますが、本日開始までには入村出来る予定ですのでと先にご連絡しておきます。
ご心配おかけしいるようでしたら申し訳ありませんー。
[問いただされずにすんだ事への安堵の息は、隠しようもなく魔導の繋げる音の道へと乗る]
……ぇ。
[が、そんな安堵も束の間。
返る言葉、そこに宿る響き。
それに、言葉が失せた]
……そんなに、気負わなくても。
大丈夫、ですから。
[間を置いて、零れたのはこんな呟き]
[踏み込まないで、距離を置いたままでいて]
[急転続きの状況は、いつもの装いをどこかに置き去りにしていたから]
[いつもは秘める想いが微か、滲むのは止められなかった]
……あ、はい。
[残骸が取り除かれる間、完全に硬直していたのは已む無し、としていただきたい。
元々、触れられたりなんだり、という方面は箱入り以前の問題だった。
故に、下げられるのにも逆らう事はなく、離れる、という言葉にも素直に頷いて]
……っ!
大丈夫、です、か!
[鞭の如く撓る木々。
耳に届く音だけでも、それを打ち払う衝撃のほどは知れて、慌てた声を上げるものの。
小脇に抱えて運ばれる態になるとそれ以上は話す余裕もなく、とにかく、書を落とさぬように抱え込んだ]
僕の友人は、
僕を見れば、仔犬のように駆けてくる習性があってね。
鳴き声はすれど、姿が見える仔犬は、
彼ではないな。
[首を振り、さほど興味なさげに。また視線をジークムントに向ける。]
貴方の探し人は、司祭といったな。
まさか、結婚式に呼ばれてはいないだろうな?
[幼い頃にきかされた冗談、と思っていた話。
フレデリクは魔族の嫁になるかもしれないなどと]
[首筋に預けた腕を、巻きつけた時と同様、すっと解いて>>264
身を退き顔を見合わせると、微笑を浮かべてみせる。
見送ってくれる夫を、夫から離れる自分を、安心させるよう]
行ってまいります。
…また、直ぐに。
[口内で繰り返し、小さく手を振り踵を返す]
意地なんですかね?意地でも財布取りたいんですかね?期待に応えて見せ財布とか用意したほうが…いいんですかね。
異性でもどうかと思うのに、同性に身体弄られる身にもなってほしいものです。……こんな世界で、大丈夫なんでしょうか、人間さん。
[何度も挑戦している掏摸の背中を見送りつつ、ため息と共にまだ見ぬ召喚者に思いを馳せ――…]
…………あ
[そこでやっと気づくことができた。
兄姉任せの弊害というべきか、相手の姿はおろか名前さえも知らなかったということを。]
/*
ところでですね、ところでですよ。
……こんにゃろ、わかってますねwwwww
それは踏まれると痛いラインなんですよ、このタイプにはwwwww
まったく、どうしてくれようか、このwwww
[常夜の支配下を外れれば、俄かに虚脱を自覚する。
背に宿す羽も、実体化さえ侭ならぬ有様。
歩き慣れない脚を踏み出して、程なく。
行く手に感じる同属の気配より先に、忍び寄る者。
それはまるで――計ったかのようなタイミングで。
明らかに夫とは異質な、昏い気配。
確かな害意を以て迫る影]
――…、ルー…、ッ!
[微かな叫びは、途切れて結ばず]
……城。
[>>279あのお調子者のクソ親父は、
一体どんな奴とほいほい契約をしてくれたのか。
ひそやかにため息をつきつつ]
うん、特に物音も聞こえなかったし、
人の気配とかないね、変な魔物っぽいの見ただけ。
って、お嬢、様……だと、
[口の端がひくっとなったりはしたが、
ここで性別の訂正を求めても、話がややこしくなるだけである。
実際、肉体的には紛れもなくでっぱりが――いや、このことについて考えるのは止めよう]
[血相を変えてバレる事を覚悟しつつ兄へとつなぎを取ろうと――…]
……まあ、聖職者って事は知ってますし、なんとかなりますかね?
[思いはしたものの、“転移者且つ聖職者という条件が当てはまる者など滅多に居ないだろう”という楽観的な考えが浮かび、転移先が魔界であるという重要な前提に目をつむりつつ、それに全力で甘えることにした。
それがどれほど甘い考えであったのかは、他の神ならいざしらず、この場にいる神には知りようもなかったのであった]
平気
[無事を問う声には短く。
数多の植物の魔物の攻勢を掻い潜って幾刻。
暗い色の太陽が広々と照らす平原に至る頃には
お互い、細かい擦り傷切り傷を拵えている事だろう。]
― →黒い太陽の平原 ―
はー……、
ここにいたらどうなっちゃうのかな。
魔族に浚われるとか、はじめてだし意味わかんない……。
[>>280 一般人ではなさそうな相手からは、
愚痴じみた訴えを軽く流された、仕方がない。
冷静に指摘される問題点に首を振る]
いや、
……胸が邪魔とか尻が重い方が問題というか。
服はまあ脱げばいいから問題ない。
[脱ぎ方がわからない、という問題もあるがそれはさておき]
鍵とかそんな簡単に手に入ったりは……、
なんかロープとか、フックとかそういうの無い?
[と、すぱっと聞いてみる、
何せ相手も尋ね人の仕事があるだろうし、
鍵とってこい、などと頼むのはさすがに気が引けた*]
[言及しなかったことに対する安堵の息も気になったが、後で聞けば良いと自分の中で結論付けて。
言葉を失ったような気配の後に紡がれた言葉を耳にし、相手に見えぬままに瞳を瞬いた]
気負ってなんかねーよ。
それが俺の役目なんだからな。
[さも当然と言った様子で言う。
必ず連れ帰る、と言う意思の根底にあるのが任務であるとは言え、その想いに偽りは無い。
ただ、悪態をつかなくなっているくらいには、焦りが心に生まれていた]
……なら、いいんですけど。
[返る言葉に、短く返す。
道中増える傷については、今はそれどころではないから、と耐え、せめて駆ける邪魔にならぬように、とそれだけを心がけ。
樹の領域を抜け、たどり着いた先の光景に、一つ、二つと瞬いた]
16人目、地方軍人 ツヴィンガー が参加しました。
地方軍人 ツヴィンガーは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 湖 ―
[これは自分の顔に似ている。
湖面に映る自身の顔をみて、そう思わなくなった年月は光が失われた年月と同じだけの日数が経った――それが自分だ。]
…ふ…ふっ…
[元は政治に強い影響を持つ貴族の四男として生をうけた。
家督を継ぐことがない自分が軍務にも影響を与えられるように軍人として育てられ、そして先の戦にて、百戦百勝とはいかないが功績をたてた。
それこそ実家の警戒を呼ぶほどに――それが己だ。]
…ふ…ふっ…
[元は政治に強い影響を持つ貴族の四男として生をうけた。
家督を継ぐことがない自分が軍務にも影響を与えられるように軍人として育てられ、そして先の戦にて、百戦百勝とはいかないが功績をたてた。
それこそ実家の警戒を呼ぶほどに――それが己だ。
そして今、辺境の地方軍人としてシニカルな笑みを零しているのも。
こうして、望むものが得られるなどという逸話のある湖へと休暇に気分転換に訪れる幼稚な行動をしているのが、ツヴィンガー・リヒトという男だ]
[懸念に楽観で蓋をして、金貨は闘技場近辺の雑貨商に声をかけた。肩掛け鞄と鎖付きの財布をはじめ、旅装を整える。
さんざん弄られた衣服のポケットに手を入れて、金貨を一枚取り出した時の周りの空気に、思わず吹き出しそうになったのはここだけの話である。
周りの視線などお構いなしの金貨の神は、買ったばかりの財布に釣り銭を入れつつ闘技場へと視線を向けた]
探すにしても、先立つものは必要ですよね。
[貨幣とは交渉材料であるとともに潤滑油でもある。しっかり管理ができるなら、あるだけあっても困らない。
無尽蔵に貨幣を生み出してもいいのだが、金貨は文明を起こす神であり、発達を促す神の一柱なのだ、破壊となっては神としての本質から大きく外れてしまう。
ならば、元金は生み出しつつ、そこから増やすのが得策だろうと――…手っ取り早く闘技場で増やそうと考えたのであった。
言うまでもなく、参加するのは賭けの方なのだが]
……役目……。
そ、でした、ね。
[さも当然、といわんばかりの口調。
心の焦りに気づけるほど微細な変化は読み取れないし、それとは違う所に意識も持っていかれていた]
(彼は……『彼ら』は、務めのために、私といるんですから)
[ふと過った思いに、半ば無理やり安堵を重ねる。
それでいい、そうでなかったら、辛い。
そんな思いはどうにか押し込めて]
はい……じっとしてるのは、ちょっと、無理かもですけれど。
[笑みの響き感じさせる声に、少しだけ、落ち着きを取り戻した声で応じる]
……そちらも、無理はしないでください。
[それでも、待っている、と言えないのは、生来気質の成せる業]
― 魔王城・地下牢 ―
[表情がひくついた>>289理由は知る由もなく。
しかし言葉は途中で途切れたために大きな疑問となって問い質すまでは行かなかった]
…そのままだったらそりゃ花嫁にされるんだろうよ。
[花嫁衣裳を着ているのだから、とフレデリクの言葉>>291に端的に返す。
指摘した点に関しては、なんだそりゃ、と言う感想を抱きつつ]
いやまて全部は脱ぐなよ。
[何となく不安になってそれだけは言っておいた]
フックは分かんねぇが……あぁ、ロープはあるな。
[問いかけに壁際にあったロープを拾い上げる。
牢に居る者を拘束するのに使われているのだろう。
ちょっと汚れてたりもするが、強度はまだ十分にありそうだった]
……で、一人で何とか出来そうなんか?
[ロープを手渡しながら問いかける]
この牢、結構丈夫そうだんなぁ…。
殴って壊せるなら良いが、でかい音出るしそれで失敗したら目も当てられねぇ。
なんでちっと壊すのは無理そうだ。
[すまねぇな、と力になれそうに無いことを詫びた。
破壊活動は得手とは言え、今は身を危険に晒す方法は取りたくない。
レトにとって第一に優先すべきことは別のことなのだ**]
/*
ところでですね。
さっきからずっと我慢したんですけど、そろそろ限界なんで言わせてください。
金貨さんが、かわいすぎます……!
なんだろう、このかわいさ。
いや、皆さんそれぞれ素敵なんですけど、金貨さんなんか和むんです……!
……。
[身を硬くして小さな魔物の仔をぎゅうっと抱えて待つが、二人ともが自分にも腕の中の小さな魔物にも興味を示さず。驚きすらされなかったことに逆に驚いた。
一人は修道士と名乗った青年、もう一人は足が悪いのか、淡く光を放つ杖をついている。
興味を持たれないのであれば、むしろ幸い。警戒は解ききらないまま距離は縮めずに]
――あの。すいません。お聞きしたいのです…ここは、どこなのでしょうか。
魔界、と、聞こえたように、思うのですが…
[困ったような声。魔界であれば、魔物の仔がいるのも頷けるのだが]
せめて…な。
[休暇の伴に草を食む愛馬以外に誰もいない。そんなところで独り言をながながと垂れるほど年嵩を積んでいない。
それでも逸話通りだとでもいうならば、これを着ける前にもどってもらいたい。と眼帯に触れながら些少の不満ぐらいは覚えており、同時にその程度の期待しかしていなかった。
仮に逸話が本物であったとしても――期待などできたものではない。]
―魔界・塔の街―
[石造りの街に、居並ぶ塔の数々。
中でも一際目立つ、天に迫る塔の頂。
天井から吊るされた巨大な檻は、鳥籠にも似る。
底面から側面までべたべたと呪符を敷き詰め、
周囲には幾重にも巡らせた結界]
――…………困ったわ。
[呪符の隙間から覗く純白。そっと漏れる溜息。
約束があるのに、と嘆く声音は、気遣わしげだが何処かおっとりと響く]
場所移動したとしても連絡取れるなら問題ねぇ。
…魔導具、失くすんじゃねーぞ。
[僅かばかり落ち着きを取り戻したらしい声に軽口を返す。
アデルの行動力を考えればじっとしていないだろうことは想像に難くない。
だから、その一点を忠告しておいた]
心配すんな。
[レトもまた無理をしないとは言わず。
ただそれだけを紡ぐに止めた**]
[緩やかな風に揺れる水面に映る森林と木漏れ日という絵に自分の髪の緋色が交じれば火事となろう。詮無いことを考える時間を得ながらそっと身を引く前に、喉の渇きを覚え手を水に浸した時]
なっっ!?
[体が引き込まれる。驚きの硬直は一瞬。不可解な事態であろうとも、それを廃して今すべきことを見定める判断力が、手足に力をこめたのも束の間。
抵抗をあざ笑うほどの不可解な力が、自身を湖の中へとダイブした]
(ご、ごぼっ)
[身体を浸す水が体を重くして急流に流されるような勢いにさらわれ抵抗の意味をなくす。
渦を巻く湖の底が微かに見える。
光を奪った先にある闇を見据えながら、一人の地方軍人は湖の中に飲まれていった]
[流石に、抱えた荷物ともども無傷で済むほど甘くなかった。
森からの追撃がなくなった事を知ると、
狼はぽとりと腕から人間を下ろす]
妙な場所に出たな
[手の甲の切り傷をぺろりと舌で拭う]
[その光景を見守っていた人…ならぬ馬は、訝しげに湖に顔を近づけた。主が浮かんでくると思ったのかもしれないが水飛沫を上げた後帰ってこない。意を決するように足を踏み入れて――また一つ静かな森に水飛沫があがった**]
わかってますよ、それは。
[これを無くしたら、連絡を取り合う術はない、とわかっているから肯定を返す。
なお、現状に関しては、『移動させられた』が正しいのだが、それは余談として]
……はい。
[心配すんな、という言葉にはただ、短くそれだけを返しておいた。*]
― 灼熱の闘技場前 ―
[声のする方、する方へと歩いてたどり着いたのは見知らぬ建物の前。
もっとも、記憶のない今では何を目にしても見知らぬ物だろうが。]
……すごい歓声だな。
[本当は知っている建物なのかもしれないと、中から聞こえる歓声を耳にしながら建物の前に突っ立っていると声をかけられた。]
[最初は自分が呼ばれているとは気づかなかった為見もしなかったが、肩を叩かれて初めて、驚いたように顔を向けると、明らかに人とは違う容貌をした相手に目を丸くした。]
……え、 なに?
[驚いている間に、何事か――参加者がどうのと言われた気がしたが、驚きが優って左から右に抜けていた。
あんまりにぼんやりしているせいか、向こうも怪訝そうな顔をしていたが、人ではないその相手は、こちらの顔と腰とを交互に見た後「とにかく来い、時間がない」と腕を取り――そこでようやく勘違いされている事に気が付いた。]
[周囲に蠢く異形の声に、耳を貸す気は然程ない。
攫われる心当たりなどないが、夫の庇護下と、同属の領域の狭間を突く周到さを見れば、おおよそ狙いに見当はつく。
目当ての人物が追い着く前に、如何にか戻りたいとは思うが――
生憎とその張本人のお陰で、脱出を果たす余力は無いに等しい]
……ああ、止めた方が…、
[ふ、と溜息を吐き、横目で捉えた異形に制止を試みる。
封じ込める呪符の隙間を縫って、瘴気の中で淡く光を纏う肌へと
伸ばされる手]
あっ、いや、ちが、
僕は参加者じゃ…
[訂正が控えめだったせいでか、問答無用と連れていかれるのは建物の中。
人とは違う容貌をした相手から、あからさまな悪意は感じなかったが、引かれる手は力強い。
無理に逆らうのは止めた方がいいと悟ると手を振り払う事はせず、その結果。]
[荷運び状態から解放されると、はあ、と大きく息を吐く。
改めて周囲を見回すと、不可解な光景が目に入った]
……そう、ですね。
でも、見える範囲に害意あるものの姿はありませんし。
術を展開するには、悪くない場所、と言えるかもしれません。
[少しでも、と着衣の乱れを正しつつ、改めて魔力を書物へと集中する。
助け手の対価は、勿論、忘れてはいない]
ええと、狼さん。
探査の術には、色々なものがあるんですけれど。
今回は捜す相手が、ぼくの全く知らない第三者であるため、成功率は、あなたによる部分が大きいんです。
[その辺りの理論は説明しても届かないだろうな、と思うので、最初から端折る事にした。
魔法論を語るのは大好きだが、今回はさすがにその余裕もない]
……まあ、わかり易く言いますと。
あなたが、相手を見つけたい、とどれだけ強く思っているか、で、得られる手がかりの量が決まるんです。
[言いながら、手についた傷を一瞥し。
そこから滲む血を数滴、地面に落とした。
そこへ向けて幾つかの言霊を投げ込み、呪文を成立させる。
淡い緑の光が舞い散り、大地に現れるのは、淡い紫の水鏡のようなもの]
探す人、求める人の事を思いながら、その水鏡に触れてください。
念が強ければ、今いる場所や状況が映し出されるはずです。
[全く知らぬ相手を探すのに、自分基点の術は不向き。
この術はこの術で相手の意志力に委ねる部分が大きく、故に確実性には欠けるのだが、それは言っても始まらない]
ああ、ここは、魔界だよ。
君は知らずに来てしまったのかい?
[尋ねる声に答え、そこにある、人と、ちいさな魔物に首を傾げた。]
でも、それは、幸いかもしれない。
魔界という認識のもと、ここにくることは、
自然の摂理を反したのではないかという意識が生まれる。
普通の人間ならば、その境界線を自分の意思で越えるのは、大変なことだ。
/*
こちらの非公開情報が絡んでるしいいかー、と、ずっとこっちでやってますが。
白での移動、どう表現しましょうね、ぼくw
まあ、状態変化のあれこれもありますし、なんとかなるかなぁ。
― 魔界・灼熱の闘技場観客席へ ―
―――?
[さあ早速対戦カードを確認しようと闘技場へと向かう途中、緑の髪>>100が目に留まったのは、血の匂いのせいか、迷い人の気配のせいか。
腰に下げた剣の使い込まれた様子から「聖職者ではない」とすぐに視線を外した。]
……参加者、なんでしょうか。
[とはいえ、興味はもったらしい、誰に話すでもなくポツリとこぼす。
転移者という事をおいておいても“迷い子”という印象を抱かせた存在。そんな迷い子が富や名声、血に飢えた者達を降す様は考えただけで面白そうだと。
少なくとも、使い込まれた剣や筋肉のつき方を見るに、実現不可能というわけではなさそうに感じられ――…
参加するなら神力を使わず賭けてみようと、金貨に思わせるには十分だった。]
― 魔界・闘技場観客席 ―
――…まあ、それとは別に稼ぎもしますけどね。
[心の中で呟いて、勝ちと負けを交えつつ最終的には20枚ほど稼がせて貰おうと、見つけた椅子へと滑り込み、闘技場へと視線を注いだ]
[淡光に触れるや否やジジッ、と不吉な音と一瞬遅れて喧しい悲鳴。
魔物の鱗に覆われた体表が、見る間に焼け爛れてゆく]
ああ、ごめんなさい。少し遅かったわね…。
[口許に手を宛がい、すまなげに呟き]
……ね、ここから出してくれないかしら。
でないと、もっと酷い目を見ることになると思うの。
いえ、脅しではなく――…
[無駄だろうと知りつつも、眉尻を下げ、一刻も早い我が身の釈放を勧める。危険が迫っているのは、囚われの身である自身より、
或いは、助けに来てくれるだろう人よりも――]
[術の説明が始まった途端に『?』と言う顔をしていたら
最後に解りやすい結論がもたらされた]
そうか
[神妙に頷いて、術を展開する人間の横に座り込んで
じいいいっとその様子を穴が空くほど凝視している]
……!
[地面に現れた水鏡に驚いて、ぱ、と後退る。
そして、術の説明を改めて聞いてから、鏡面に手を伸ばした]
[淡紫の水鏡が、たちまち色を変える。
ミルクを流したように柔らかな白に覆われた]
…………
[眉を寄せて目を凝らすが、白い色はゆらゆらと
水のように揺れてばかりだ。]
……。
[聞いた時から、答えは分かってはいたのだが。あっさりと肯定を返されるとさすがに絶句した。
あまり詳しいわけではない。教会にある書物では魔物が跋扈する危険で恐ろしいところという記述しかなかった。だから男の幸いという言葉を、きちんと理解できた訳ではない。なにせ神々のおわす世界から、一瞬でここに飛ばされたのだから。
けれど]
――え?
[尋ねても、という言葉に不思議そうに首を傾げる。質問の意味がよく理解できない。ただ、無関心そうだった男がこちらに興味を持ったことに気付けば]
………。
[腕の中の存在を守るよう、心持ち背中に隠し後ろに下がる]
…わたし、は。
(たぶん。神に、見放されたのだろう。それともこれは試練なのだろうか)
…人間、です。
[なんというか、『?』が浮かんで見えそうな様子に、あ、やっぱり端折ってよかった、などと思いつつ、水鏡に対する様子を見つめる]
…………??
[水鏡に映るものを見る気はなかったけれど。
何となく様子が気になって視線を向けた先にあったのは、揺れる白一色]
……霧?
[今いる場所とは対照的なミルク色が連想させたもの。
それは、無意識、言葉となって零れ落ちた]
中が見えない
[苛立たしげに呟いた。ぱたり、尻尾が地を叩く。
人間の無意識が溢した単語を聞いているのかいないのか。]
……どけ!
[それは単なる命令だった、魔術的な手順は一切踏まない。
だが、勢い込んで睨んだ水鏡から、さっと白色が引いて
あろうことか、沼地に引きずられる赤衣の姿を映す]
― 闘技場の観客席 ―
[何戦かを経、先程の迷い子が闘技場へと降り立った>>307。その外見が功を為したか災いしたか、大戦予想は荒れに荒れている。
金貨は迷うことなく迷い子へと。ちなみに、彼?が勝ったとしても金貨の総取りにはなりはしない。
他の対戦より荒れているとはいえ、野次るためだけに大金を賭けるものや、倍率故に勝ったら儲けとして小銭を賭けるものもそれなりにいたからである。
思い思いに賭けたなら、あとは結果をご覧じろと、金貨は席へと腰をおろした。
負けたのならば目標額、勝ったのならば予定を遥かに超える稼ぎとなるだろう。神力を使わぬ賭け故に、この賭けで勝ったとしてもその分負けで返そうとは思わない**]
― 明かず森・外れ ―
[余韻を残して光は夜を後にした。>>281>>284
彼女が照らしていた熱情は鳴りを潜め、倦怠がやってくる。
此度はまだ、手持ち無沙汰にならぬだけマシではあるが。>>272
己の作り出す一等深い影が渦巻き、館への道を拓く。
闇に中りやすい妻が居ない為に、陣を組まず影から影へ空間を渡る怠惰。]
―――……、
[眼鏡越しの銀色を撓め、不遜を隠しもせずに闇を裂く。
空間の切れ目の向こうには蒼い黎明館。
彼女が待つと思えば、温かみすら感じる邸さえも、今は唯冷たい。]
―――…行かせなければ良かったか。
[離れて一刻も経たずに、不足を自覚。
彼女の足りない世界に既に飽いて、視線は遠い。
持ち上げた指先が額に触れ、数度摩擦。
ほんの僅かでも、愛妻の名残を求めて。]
……くっ、変態魔族め!!
男を嫁にして何が楽しいんだあの野郎!
[>>295 嫁にされる、という、
それは最もな突っ込みに思わず壁を殴りつつ。
脱衣制止の言葉にとりあえず靴を脱いだ。
ご丁寧にもハイヒールだった、縮んだ感を感じないわけである]
全裸の何が悪い。
[隙間からロープを受け取ったものの、
フックの代わりになるようなものは――、
このハイヒールでは大分心もとない]
……わ、わかんないけど、
いまあんたのほっぺた札束でぶん殴ったとしても、
多分、どうにもなんないでしょ?
[>>296 そりゃまあこの状況で一人でどうにかするのは、非常に困難だろうことはわかる。
わかるのだが、人の手を借りてもどうにもなりそうにない。人の手を借りることの表現が不穏なのはさておき]
いいよいきなよ、
こんな所まで助けに来たりするんだから、
その仲間って大事な人なんでしょ?
俺もリエちゃんがそんな目に遭ったりしたら、
他の奴なんて構ってられないし。
いや、なんか今大変なの俺だけど。
/*
うっかり開きかけたアデルの心の扉を閉じたところで(爆)、さてどうやろう(
性別発覚のタイミングがどこになるか…。
それまではこっちは男の友情的な動きをしなきゃならないのよな。
うっかり女性に対しての言動になってたのは反省。
気をつけねば。
――――ッ!
[額に指先触れさせていた最中、巨大な揺らぎが肌に伝わる。
異界同士の軸を歪めて、空間に洞を空ける音なき振動。>>287
咄嗟に上げた顔と、歪んだ空気に対する懸念。
黎明館へと拓いていた闇の裂け目を片手払って掻き消すと、
そのまま握った掌が簡易の印を虚空に切る。]
……これは…、魔界へのゲート…?
一体―――…、
[足元に正円を描いて拡がる紫闇色の魔法陣を展開。
闇影から得る力で過干渉の根源を辿れば、眼を瞠った。]
[苛立たしげな呟きに、返す言葉はなかった。
この術は、触れる者の意志力に応じて効果が変わるもの、こちらとしては何も言えずにいたのだが]
……わ。
[発せられた短い命令は、水鏡に映る映像に干渉して]
……あ、あれ?
危なくないですか、あれ……?
[新たに映し出された赤の異変に、ほんの少し、上擦った声が上がった]
でも、これ……場所、どこなんでしょう……。
[ものの、場所の特定に至るほどの知識はないから。
こんな呟きが口をついて出るのだが]
[歪みの収束する一点に、先ほど見送った妻の光と―――…、
異形の存在、魔族と呼ばれる異種の影が見えたからだ。]
―――イングリッド…ッ、
[心中に走った動揺を押さえ、水平に腕を伸ばし、闇影の力を制御。
空間を捻じ切るように、闇を集め、独力のみで拓く門扉。]
『歪曲に閉ざす門よ、我が闇に従い其が戒めを解き放て』
[力ある言葉に応じて裂ける空間。
底の見えない深淵を、半ば強引に魔界に連結。
空間から溢れた情報は周囲の木々すらに改竄し、拗くれさせた。
腹に渦巻く怒りは、愛妻の略奪を知り、力の柵を壊す。]
――――……、
[細く瞳を眇めると躊躇うことなく、変形した闇の中へ身を投じた。*]
だいたい分かった
[およその方角なら、これで特定できる。
そう思った矢先から、再び鏡は霧に覆われた]
森から匂いを追ってたら間に合わなかった
[そうして術を行使させた人間を見遣る。
血を滲ませる手。
手を伸ばした]
そう、ですか……それなら、良かった。
[彼があの赤衣を追う理由などは知らない。
だから、見出せる可能性を示唆されると、本気でほっとして息を吐いた]
……それじゃ、急いでそちらへ行ってくださ……って、どうしました?
[こちらを見やる様子に、緩く首を傾ぐ。
大掛かりな魔法は得意とするものの、治癒系のそれはほとんど使えないため、手当は落ち着いてからやるつもりでいた。
だから、傷は血の滲むままにしておいたのだけれど。
手を伸ばされる所以は掴めず、ただ、その動きを見やるだけだった]
― 灼熱の闘技場 ―
[何でこんなことに、と呟いても状況は改善するはずもなく。
闘技場の中央、間を挟んで立つ相手は、自分の身の丈の倍はあるような、斧を持った牛頭。
体格的には向こうが有利、こっちは更に頭が痛い手負いの状態。
あからさまにこちらに不利な条件ではあるのだが、それほど絶望した気分にはならなかったのは。]
(ああ、やっぱり
わたしは戦えと言われて、戦う事が出来る人間なのか。)
[血を流す事も流させる事も意に介さない人間らしいと、
少しだけ失った物を取り戻し、覚悟をもって剣を抜き構えると、緑の瞳は細まった。
ここで賭け事などが行われている事は知らず、誰かが自分に賭けている事もまた知らないままだったが。
明らかに不利な自分が叩きのめされる事を周囲が望んでいる事は朧気に理解できて、それがまた反骨精神にもつながった。]
[頭は痛いが手足は無事だ。さほど難なく動くらしいという体の訴えは胸中で聞いた。
こちらがやる気である以上に開いてもやる気甚だしく、牛の歪んだ笑みを気持ち悪いと思うと同時に開始のラッパが場内に響いた。
先に動いたのは牛頭をした対戦相手の方だった。
というのもこちらは試合――殺し合い開始の合図がわからなかったせいで初動が遅れたのだったが。
ああ動いてもいいのかと、向こうの動きで知りうると、構えを崩さず、相手が近づいてくるのを待った。
思ったより遅い動きに、細めた目はより細まる。
見切るように振り下ろされた斧の切っ先を避け、今度は斧が動いたと同時に背後に避ける。
振り上げられた斧は、振り下ろした時よりずっと早かった。
やはり木偶ではないらしいと知ると同時に、それでもこちらの方が早いと感じれば、姿勢を低くし、振り上げた斧が再び振り下ろすより早く、その足元に飛び込み剥き出しの腱に斬りつけた。]
おまえ助けてよかった
[当然ながら、この狼が傷に対して行う処置は限られる。
さっき実行して見せたばかりなのに思い至らないのは、
やはりこの人間が接触に慣れないからだろう。
何の遠慮もなく傷口に舌を這わせた。]
やっぱり甘いな
[感想も添えた。]
―― 破ッ!
[対戦相手が振り向くより早く、地を蹴り反転すると再び腱を狙い二撃目を、同じ場所に叩き込む。
体は丈夫そうだが、浅いブーツしか履いていない、生身にならば刃は効果を上げやすい。
やはり動きはこちらの方が早いらしいと確認がとれれば、対戦相手の周囲をステップで飛びまわり、同じ足の腱を何度も狙う。]
―――と比べたら、やっぱり、遅い。
[今は浮かんだ言葉に疑問すらもたず。鬱陶しいくらいに斬りつけ続けると、業を煮やしたように牛頭は、こちらが近づけないようにと斧を振り回す。
それを待っていたかのように間髪いれず、真っ向から飛び込んで、振り回す斧を足場にして、牛の首へと跳躍した。]
牛は牛らしく、大人しく鳴いていればいいんだ。
[ぽつりと呟き、頭の中央をブーツで踏みつけ背後に飛び抜けると同時に、その片目に剣を突き立てた。]
[わあっとした歓声が周囲を包む。
首を落とさなかった事への野次も飛んでいるようだったが、聞く耳持たずに、後ろに倒れた牛頭の目から剣を引き抜き、死んだかどうかは確認せず踵を返した。
終わったと思えば頭の痛みがぶり返し、野次も何もどうでもいいとか、そんな気分が後押ししたのもある。
出口で先ほど手を引いてきた相手が肩を叩いてきた。
やたらと喜んでる様子と言葉から、どうやら賭け事が行われて、しかもオッズ大荒れの試合だった事を説明されて、何となく半目になったとか*]
― →霧の沼地 ―
[弾かれたように疾駆する姿は、最初の数歩で
完全な四足の獣に成り変わった。
背後はもう、顧みる様子はない*]
ん……まぁ、な。
居なくなられると確かに、困る。
[禁呪はここでも絶大な力を発揮するだろう。
それを魔族に悪用されるのは防がねばならない。
意図せず紡いだ言葉は誤解されやすいものだったが]
[精霊界は魔界と接する次元に在るが、人間界の方が余程近い。
人間に降りるのであれば、無理に扉を開かずとも行き来出来る、
しかし、魔力が大気に溢れる魔界とでは勝手が違う。
――――故に、光の欠片を追って踏んだ地は、草だった。
求める場所と外れ、現界したのは黒き太陽が空に浮かぶ平原。]
― 黒い太陽の平原 ―
[彩度と色調の低い世界は、明かず森と似ているが、
比べ物にならぬほど乾いている。
昏く眩しい日差しを厭うように片手で庇を作り、溜息一つ。]
―――…ヒトの織り成すサーガであるまいし、
私の姫を攫うとは、随分と豪気な。
[自身の寵愛を一身に受ける妻だとは、闇すら囁く噂話。
彼女が勾引かされたと精霊界に伝われば激震走るだろうが、
一存纏まるまで愛妻を放り出してはおけない。
心に従い、勝手に闇を経由し、魔界へと到ったが、
全ては魔界と相性の良い闇性の成せる業。]
あ、いえ……。
こちらこそ、ちゃんとお返しできたなら何よりで……。
[狼の傷への対処法。
少し考えれば浮かびそうなのに、見事にそれは抜けていた。
知識先行型故の不慣れさに加え、今は気が緩んでいた、というのも大きいのだが。
ともあれ、傷に触れる感触に、数度瞬いた後]
……ひぅっ……。
[悲鳴を上げなかったのは、ぎりぎりの自制心のなせる業。
甘い、という感想に、返す余裕もない。
ちなみに、血が甘い、という評価をもらうのは、初めてではないのだが、まあ、それはそれとして]
/*
RKシュテルンの怒り顔(←これ)がなんか大人しいというか、こう、可愛らしくて戦闘向きでない感がして……悩むな!(ぇ
半目怒りが程よく怒ってる気がするのでこっちを使っていく感じに。
/*
ちょwwwwwwwwwww
ラ神予言wwwwwwwwwwwwwwww
どうしようラの赴くままにした方が良いのかこれwwww
[ゆっくりと左右に腕を開けば、指先に意識を広げ。
半分落ちる瞼に、外套の裾から闇が煙る。
彼女に残したアンカーを辿り、方角を見定める一時。
随分と離れた場所であるが、微かな力を覚えて、視線を上げる。]
―――…少々、距離がありますね。
[己の支配下であれば、距離はいつでも零に変わるが、
世界線を越えてまではそうも行かない。
魔界の闇にすら馴染もうとする本性を急かし、足を一歩踏み出した。]
[彼女の体内に残した闇の色―――、
己が目印とするアンカーを、ぞくと震わせ、主に呼応させ。
深い場所で拡げる闇性は、彼女を胎を淡く掻いて、存在を主張。
―――まるで彼女の身体を乱すように、夜の余韻を伴い唆す。
彼女の声を、気配を、闇に溶ける光の性質を求めるように。]
……助かった事は、助かった、けど。
[魔力を求めて蠢く蔦に囚われ、いろんな意味で危機に瀕して。
どうにかそこからは救われた──と言っていいのか多少悩むが、とにかく脱する事はできたものの]
……どうしましょうね、これから。
[それを考えると、頭がいたい。とにかく頭がいたい。
一度は落ち着いたはずなのに、なんだか息も切れるし、妙にくらくらする]
……傷の手当……しないと……あと、着替え、なんとか、しなきゃ……。
[やるべき事を口に出して数え上げるものの、やっぱり思考は上手く回らない。
ぼんやりとした感覚は、何かに酔った時に近い感覚で]
んん……しっかり、しないと。
[ふるり、と頭を軽く振る。
思考がおかしく混濁していく感覚。
意識がちゃんと定まらない]
なん、だろ……この感じ……。
[それが、樹海の植物たちのもたらしたもの──幻惑を与え、正常な思考奪う成分の齎したもの、とは。
当人全く、思い至ってもいなかった]
―――……おや、贄がひとつ。
[足を踏み出した所で聞こえた弱音と呼ぶに相応しき声色。>>335
魔性でも無いと知れば、思い当たる単語を一つ吐いて独り言。
ヒトに対し、友好的な水やら光やらとは違い、
性格の程は最悪と評されがちな闇の眷属。
何処か、足の覚束ない彼を見ても、起伏は薄い。
されど、何かに気がつくと、自然と足は其方へ向いた。>>337
ざわざわと這い寄る闇を引きつれ、人ならざる者が距離を削る。]
随分と煩雑な香りがしますが、どちらから着たかお伺いをしても?
[ひょい、と彼の上に落とす長躯の影。>>338
問うは単純明快に、この区画を最短で突破する道筋。
彼の不調に構わず、低音を響かせ、
無意識に区画を突破しているとも知らず声を続ける。]
とりあえずの方角は分かったのですが、何分、魔界とは縁遠いので。
[主語の足りない世間話めいて道を聞く。
銀の髪と銀の瞳、黒衣で埋め尽くされた立ち姿。
己の足元に揺らめく闇の手は幻覚では無いが、
彼にしてみれば霧掛かる思考が見せる幻にも見えるだろうか。]
― 魔王城内 ―
[地下を出たは良いが、未だ出口は見つかっておらず。
レトは再び気配を避けながらの移動を余儀なくされる]
えーっと、さっきこっち行ったな。
…っと、やべ。
[何者かの気配を感じて物陰に隠れる。
先程までは隠れるのではなくルートを変えていたのだが、フレデリクの言葉を聞いて正体を確認しておこうと思ったのだ]
……確かに魔物、だな。
何か運んでんな……小間使いか?
[広い廊下を四足の魔物が荷を引き、小人のような魔物がそれを率いている。
状況からも、それが館の主ではないのは雰囲気から知れた]
数が居るようならやっぱ遭遇しないに越したことないな。
[あの程度なら蹴散らすことも出来そうだが、それをすることで囲まれてしまっては元も子もない。
この場はやり過ごし、気配が遠退いたところで魔物が去った方とは逆へと駆け出した]
[それを繰り返して、挟み撃ち状態になった際に飛び込んだ無人の部屋。
運が良いことにそこには窓があった]
よっしゃ、出られる!
[そこは2階だったが、これくらいなら問題は無い。
窓を開けるとテラスに出て、躊躇いもなく外へと飛び降りた。
落下の速度は増すものの、着地の際には膝を使い柔らかく下り、その体勢から直ぐに地を蹴る]
[案の定、善意の交渉に魔族は聞く耳を持たず。
フードに覆われた頭を軽く振って、檻の底へとふわりと降り立つ。
想いを馳せるは、唯一人。
彼の許へ帰るべく、脱出を試みてもいいが――下手に傷でも作れば、そちらの方が彼の不興を招く気がしてならない]
――……ルート、…ッ
[小さく名を紡ぎ落とし、不意に顔を膝に伏せ]
― 黒い太陽の平原 ―
とに、かく、居場所、伝え、て。
あ、でも、その前に、着替え……。
[外見的には大きな損傷はないのだが、内側がちょっと大変な事になっている。
それを押さえつける意図も込め、ぎゅ、と魔導書を両腕で抱え込んだ]
どう、しよう……。
こんな所に、ひとりでいたら、捕まっちゃう、よ。
[まとまらない思考はやがて、記憶の混濁を引き起こす。
幼い頃、師に連れられ出かけた先。
ほんの僅かな時間、逸れた時。
魔界植物の置き土産は、その時と今の記憶をない交ぜにしてゆき、正確な思考は少しずつ欠けてゆく]
[胎の奥深くに滲み込んだ精気が、どくりと俄かに震える。
彼の脈動によく似た、無言の占有の主張。
何処に居ようと欠片たりとも忘れられないように、と。
言い含めた主人の存在を、深く咥え交り合う悦を、
身の内に色濃く感じ取る]
……ぃや、……、ート、
[純白のフードをぐ、と引き下ろし、魔物に、夫以外の誰にも声を聞かせぬよう、きつく下唇に歯を立て]
[視界に収めた人間からは、ヒトにしては稀有な力を覚えた。
造形に因って本質を見定める属種ではないが、
器に反する膨大な力に、小さく鼻を鳴らした。>>348
混乱している彼を観察する双眸は、品定めに似ている。]
―――…方角すらも知れませんか?
教えていただければ、貴方を特別害そうとも思いませんが。
[彼を見下ろしながら、告げる言の葉。
しかし、虚ろな眼差しを読み取れば、ふむ。と吐息を漏らして、
己の生み出す影が、足元から太い腕のように伸びた。
彼が過剰に反応せねば、闇の手は両脇を支え、
相手の足先を草原より僅かに浮かせて、質問続行の算段。
傍目から見れば、ヒトを搾取する魔物と大差ないが、
元より根源は似通っている。致し方ない。]
― 灼熱の闘技場 ―
[森を目指したはずだったのだが。
辿り着いたのは真逆と言える人工物がある場所。
集まる者達も多く、妙な熱気に包まれている場所だった]
なんだぁ?
[建物の外で歓声が上がるのを聞く。
大番狂わせだぁ!なんて声も聞こえて来た]
…あー、なるほどな。
賭けしてんのか、ここ。
[負けた!なんて声も聞こえれば大体の想像がつく。
その賭けの対象が闘いであることは、新たな賭けの声が聞こえて来たことで知ることが出来た]
腕試しにゃ良いだろうけど……。
今はそれどころじゃねーしな。
[出来るだけ関わらないようにその場を通り抜けようとする]
[彼女の居場所は微弱ながら、感じ取ることが出来る。
甘い責苦に――自身は副作用と言い張るが――苛まれ、
か細く啼く声が音としてではなく、闇を伝わり聞こえてくるのだ。
ずるりと体内で身を翻す闇の塊が、
不埒を誘うように胎内を舐めて這う。
自らの身を律するよう、身体を抱いて打ち震える愛妻を思えば、
僅かに心へ穏やかなものが流れ込んでくる。
囚われし彼女を守る役割も果たすはずの残滓は、
距離を隔てた夫に弄らせる一役を買って居た。
彼女が身体を強張らせるたびに、じわと奥で濡れた感触を拡げ――
幽閉よりも色濃い束縛を教える。]
[男は其の気配を察し、口元を指先で隠しながら、唇を舐めた。
まるで、妻の甘露を、喉に通して味わうように。]
/*
あーたーらしーいーひーとがきたー
きーぼーぉのーひーとーがー
とかなんか替え歌がふとよぎった(
ええとどうしよう。
会いに行けばいいのかな。
とかまだ誰とも交流らしい交流してないのでそわそわ。
/*
本当に嫁が可愛くて如何しよう。
嫁オタ最前線で幸せすぎる。
アデルくんも可愛いなぁ、
大魔道師さんと監視者って燃える。
……やっ!
やだ、捕まえないでっ!
[とっさ、口を突いたのはやや高めの声。
それでも、抵抗らしき抵抗をしないのは、記憶の交差に動けなくなっているから]
お話しできることは、しますから、だから、触れないで、くだ、さい……。
[それでもまだ、完全に過去に飲まれているわけではないから。
こう、訴えるくらいの余裕は、あった]
[なお、とっさの大声が通信具を介して届いている可能性については]
[全く頭が回っていないというか、気付いていない]
[意識して向けている声とは違い、拾いにくくはあるかも知れないけれど]
― 灼熱の闘技場 ―
[腰には剣、それ以外は手ぶらだったはずの手には、今は袋が握られている。
既にだいぶ血は止まっているがきちんとした頭の治療がしたい、と訴える間もなく、上機嫌な相手から押し付けられたそれの中には、じゃらじゃらした何かが入っているようだったが、中身はろくに確認せずに闘技場を出た。
というよりは闘技場にある治療室を探して彷徨ったら、外に出たというのが正しいか。]
あれ…しまった、入り口じゃないかここ。
[後ろを振り返りながら彷徨い歩いていたせいで、>>352人に気づかずぶつかってしまった。]
っ、と。すまない。
[どの程度の力加減でぶつけたか、とにかく相手に頭を下げる。]
― 灼熱の闘技場 ―
[腰には剣、それ以外は手ぶらだったはずの手には、今は袋が握られている。
きちんとした頭の治療がしたい、と訴える間もなく、上機嫌な相手から押し付けられたそれの中には、じゃらじゃらした何かが入っているようだったが、中身はろくに確認せずに闘技場を出た。
というよりは闘技場にある治療室を探して彷徨ったら、外に出たというのが正しいか。]
あれ…しまった、入り口じゃないかここ。
[後ろを振り返りながら彷徨い歩いていたせいで、>>352人に気づかずぶつかってしまった。]
っ、と。すまない。
[どの程度の力加減でぶつけたか、とにかく相手に頭を下げる。]
[最早掻き出す事も叶わぬ深みに孕んだ闇が、
前触れもなく蠕動を始める。
我が物顔に胎を這い、もてなす蜜を誘って。
心より先に密事に馴染んだ身体は、慣れた刺激に少しずつ解れ]
ルー、ト……、やめ、てぇ…っ
[彼の存在を、酷く身近に感じる。
鮮烈な闇の気配が、体内で呼応する。
恐らく彼は、気づいたのだ――彼以外に囚われた此の身への
罰のようにさえ感じて、熱い雫が伝う]
[青年のいた村は、貧しかった。
飢える家族がいた。
親を亡くした子がいた。
世界は平等などではないと知った。
けれど、そんな村の中にあって教会で暮らす青年の家族は、生活に困ることはなかった]
― 灼熱の闘技場 ―
[人混みを掻き分けることになったため、なかなか先へと進めない。
どん、とぶつかる者も多く、時折イラっとしながらも歩を進めた]
…っんでこんなに人いんだよっ…。
[ようやく少し人が減った場所へと出たと思った矢先、ふ、と感じたものに動きが止まる]
───っ
[通信具から漏れ聞こえた声。
はっきりとは聞こえないが、何か叫んだように聞こえた]
ア───
[アデル、と呼びかけようとしたが、それは別の出来事が重なったために途切れることとなる]
― 灼熱の闘技場 ―
[不幸にも、目的地に直接至る経(パス)はない。
だだっ広い平原を駆け抜けて、流石に少し息を切らした。
割合、人型に近い魔物が多く集まるこの場所は
俗っぽい欲望の熱気に満ちている]
……
[微かな唸りを溢すも、目線は未だ遠い行く先を探す]
[生活に困り、明日の食べ物にも事欠く生活。
それなのに、神のためにと差し出される食事。
神とは、いったい何なのか。それすらも試練なのだろうか]
――…。
− 塔の町 (>>#0の1) −
[結婚式云々は杖の青年にとって、探し人のヒントになることのようだったが、残念ながら関係なさそうだと答えておく。>>283
そこへ、犬の声で鳴く双頭の魔物を抱えて今ひとりの若者が姿を現した。
その衣服から察するに彼もまた聖職に携わる者のようだ。
若者は困惑した様子で、ここは何処かと問う。>>297
しばらくの間、説明を杖の青年に任せて、見守っていた。]
[物珍しいものを好奇の視線で弄るというよりも、
彼の深みを観察する質の、値踏みに近い眼差し。>>354
無形の闇が彼を捕らえるまま、続きを促す仕草。
新たに足元から生えた腕が、彼の意識を招いて、顎にも触れ]
―――ただ…?
……ッ、
[一瞬、目先の情報につられて解けた警戒。
彼の叫びに応じて、刹那肌に覚える魔力の波動。
踏鞴を踏む程ではなかったが、続けられた言葉に暫し沈黙を守り。]
[腕の中から小さな仔犬を下ろし、慣れた動作で両手を組み、祈りを捧げる]
神はあなたに祝福を与えます。
禍犯したる雑雑の罪を祓い許し
神は凡てを見守り賜います―
(ほんとう、に?)
[信じきることもできぬまま]
[するりと彼の足裏を草原に下ろす。>>355
肌を撫ぜて彼の身体を崩れさせぬよう置いて。]
では、改めてお伺いします。
貴方の知っていることを教えてください。
[物腰だけは柔らかに問うが、
彼の周囲を闇が蠢いていることに変わりは無い。
紫闇の渦が、彼を囲むように周回し、短い草を緩やかに戦がせた。]
[本来ならば、目前の青年を害し、
情報を引き出すのも一手で合ったが、それを成さずに居たのは、
単に―――愛妻の声が気を良くさせたから。
内側の濡れた感触と混じり、彼女の胎の深くで水音を響かせる。
過敏な身体を焦らすように追い上げ、不実を咎めるように、
奥へ拡げる蠢動を止ますこと無く、熱烈な接吻が降る。
とろりと彼女の内股にまで闇を孕んだ蜜が零れてしまうだろうか。
苛むたびに、瞬きを成して、男は満足げな吐息を漏らした。]
―――…いけない方だ、囚われの姫君がなんとはしたない。
[そろりと呟く言の葉は、口腔に隠蔽。
されど、戯れに彼女をずぐりと突き上げる振動が甘い。]
[杖の青年が、「君は、人間か」と訊ねた時には、わずかに目を細める。>>309
そう問う青年の方が、肉体に胡乱なものを抱えている気配がしたから。
魔犬の仔を抱えた青年は、躊躇いがちに肯定したが、どこか自信がなさげでもあった。>>313>>327
続く祝福と問答の言葉は、彼が聖職にあることを裏付けるもので、それが、失われている魂の半身を切なく思い出させた。]
―魔王城・地下牢―
――……、
[いないと困るなんて、
当然のろけていった認識でしかなかった。
そんなレトをドヤ顔で送り出したはいいのだが]
……はー、
どうやったら出られるかなこれ。
[先ほどから変わった現状はといえば、
ロープ1本が手に入っただけである。
靴一足を重石に天窓へとぶん投げてみるものの、
切り取られたように開いただけの天窓だ。
腕力や肩の力にはそこそこ自信があったけど、
引っかかるような物がなにもなければどうしようもない。
おおよそ4(10x1)回くらいぶん投げてはひっぱるを繰り返してみた頃合だろうか]
あ、あれ……なんかひっかかった?
[何かに引っかかったのは確実だが、何かが何かはわからない。
しかも結構軋む、……察するに樹木などだろうか、
ものすごく途中で折れそうな予感がしたが]
と、とりあえず試してみるか……、
[もとより素足だ、
邪魔くさい衣装はとりあえず適当にめくりあげて、
あまりまくってる布をぎゅぎゅっと結んでおく]
よし……!
[かくして花嫁は壁登りに挑戦するのだが、
概ね1分経たないうちに、この選択を後悔することになる]
― 浮遊する群島 ―
[魂の欠片が霧の沼地に取り残されている一方、
蛇に絡め取られた体はし風吹きすさぶ空を進んでいた。
大小いくつもの浮遊島が漂う空を抜け、
比較的大きな島に口を開く洞窟へ連れ込まれる。
入口こそ狭かったが中はかなり広く、
邸宅と言ってもいいほどの調度が整っていた。]
『ここがおまえの終の棲家となるだろう。
それが長いか短いかはおまえ次第だ。』
[蛇は獲物を絨毯の上におろし、言葉を掛ける。
だが、床に座り込んだ司祭はそれに反応することもなく、周囲を見回すこともせず、茫洋とした眼差しを魔に向けるのみであった。]
『ここがおまえの終の棲家となるだろう。
それが長いか短いかはおまえ次第だ。』
[蛇は獲物を絨毯の上におろし、言葉を掛ける。
だが、床に座り込んだ司祭はそれに反応することもなく、周囲を見回すこともせず、茫洋とした眼差しを魔に向けるのみであった。]
……感覚的なもの、ですけれど。
[揺らめく闇は何だろう、と。
そんな思考の横道に入りそうになるのを抑え、言葉を紡ぐ]
ぼくが最初に現れた場所と、この場所は、平行……つまり、東西に位置しているかと。
[何故、そう思ったかの説明は難しい──というか、本能レベルの話になるので、割愛した。
陽と月を導と成す一族に関わるそれを明かす訳にはいかぬ、という封は強固なもので]
あと、は。
場所ははっきりわかりませんが、霧に覆われた沼地がある、という事は、確認しています。
[魔力の水鏡は、既に消えてはいるけれど、問われるならばその辺りを説明して]
それ以外の事は……ぼくには、何が何だか。
わからない事の方が多い、という、状態です。
攫われた者たちが心強くあれるよう──
[祈りの言葉に重ねつつ、次の行動に移らんと身体は動き出していた。]
もし、この場でお助けできることがないようなら、わたしは彼を捜しに別の場所へ行こうと思いますが。
[脚の奥でくぐもった音が、確かに響く。
彼から引き離され、助けを待つ身が、彼の名残に濡れる。
内側から口接けられるような、常軌を逸した快楽。
彼に施される接吻を想って、また胎がひくりと震え、精と溶け合う蜜を滴らせる]
ごめ、…なさ…っ、…るし、てぇ……
[膝を擦り合わせ、檻の底に爪を立て、切れ切れに夫の寛恕を乞う。
彼は怒っているのだろうか、足手纏いになった自分を厭うだろうか。
怯えと恍惚が入り混じり、気紛れな蠕動に呼吸は浅く、忙しなく]
[一方魔物はというと、聖なる光に怯みはしたものの幽体ではやはり力を十分に発揮できないのか払うまでにはいかないらしい。
逆に此方へと注意を向けつつあるようにも見え、幽体でありながら背に冷えた感覚が走る。]
― 魔王の城 ―
[魔界、と呼ばれる世界のひとつであるここを治めるのは、一柱の王だった。
魔王スヴァルニール。
人の上半身と獅子の体を持ち、鷲の翼を備えた異容。
肌は鞣した革のように強靭で、毛並みは夜を煮詰めた黒色。
上半身を包む衣は黒と金で仕立てられ、炎を封じた石や鮮血を押し固めた玉など様々な宝玉で彩られている。
背に纏う赤いマントには亡者の顔が絶えず蠢き現れ、怨嗟と悲嘆の声を上げていた。
悪徳を良しとし、破壊と殺戮を厭わず、弱者が踏みにじられるのを見て嗤う、魔界の王の名に違わぬ性質を備えていたが、なによりもこの魔王は余興を好んだ。
人と魔とそれ以外のものとを問わず、この魔王の余興に巻き込まれたものは数も知れない。]
[獅子の四足をだらりと伸ばし、人の体を肘掛に預けて寛ぐ魔王の足元には、首輪と鎖に繋がれた黒髪の青年がいる。
伸ばされた獅子の毛並みを梳る彼は、時折恍惚の表情を浮かべていた。
玉座の前の広間では夢魔たちが群れ集い踊りさざめき、連れてこられる人間に群がっては嬌態を見せている。
その狂宴の間を縫って近寄ってきた一匹の魔が、魔王になにやらを告げた。]
余の世界紛れ込んだものを、連れ出しに来たものたちがいる、と。
面白い。
[魔王の哄笑は雷の轟きを思わせる。
こんな笑い方をしたあとどんなことが起こるか、側近くのものらはよくわかっていた。]
魔界を閉ざせ。
余が認めるまでは、なにものであれ他の世界との行き来を許さぬ。
[わざわざ魔界にまで救出に赴いたものたちが、ここで遭遇するだろう様々なことにどう対処するのか。
暫くは観賞しようという構えだった。]**
[彼の力の根源は何処に在るか知れないが、
己とは近しいが別種のものと見立て。>>375
弱々しい器に余るほどの力、精霊種にはない、人の可能性。
自ら名乗らねば、一見は人に近い身。
彼の疑問の眼差しには答えを返さず、ただ納得を示した。]
―――なるほど、方位は生きていると云う事ですか。
無闇に空間に穴を開けるのも骨が折れるので、参考になりました。
[緩やかに胸の前で腕を組み、納得の様。
彼が何故其れを理解したかは、脳の隅にのみ疑問として留めるが、
相手から敵意も害意も感じなければ、信じるには足る。]
[草原に、霧の沼。口腔で数える区画の数。
そこで、彼に視線を向けなおすと、抜けて着たのですか?と、
視線のみで問いかけ、闇を退かせる。
草を微かに揺らして、青い香を立て、足元に収束する魔手は、
宛ら自身が持つ数多の腕に似る。]
では、貴方の情報を頼りにして向かってみますか。
――――…ああ、貴方はどちらへ?
[胸の前で組んでいた指先で自身の顎を撫ぜ、
指針を決めれば、後半は興味本位の問い。>>376]
村の設定が変更されました。
[祈りの詞に重ねるように、声が聞こえた>>378
攫われた、という詞に剣呑なものを感じ、首を傾げるけれど。彼もまた人を探しているのだと分かれば杖の青年と同じく、誰か大切な人を探しに来たのだろう、と]
あなたと、あなたの大切なひとが、出会えますように。
[そんなことばを返し、小さな仔犬を再び抱き上げる。犬が何故か、どこか心配するような顔で青年の指先を舐めれば頭を小さく撫でてやり]
ええ。わたしは…どこへ、いくかも。決まっては、いないので。
もう少し、この辺りを、見て回ってみようかと思います。
[なにせ、いつまでここにいなければならないのかも分からないのだ。せめて寝る場所と、食べ物の確保と…やることは、意外とある]
/*
ご連絡ありがとうございました。
入村確認しました。
トラブルは解決したのかな?
無理せず参加してってください。
(一応、突然死オフにしてあります)
あ……、
[割といい具合に途中まで上れていたのだが、
ロープ掴んでいた手からふと手応えが無くなった。
ふわり、と感じる浮遊感。
仰向けで落ちる視界に天井が映る。
視界には重力に抗うように揺れた己の金の髪。
ああ、これ確実に死ぬ。
一瞬で人生のいろんな場面が脳裏を巡っていく、
家族の笑顔とかあの時のリエヴルが――、彼が、
どんな表情をしてたか、よく思い出せないのだけれど。
もう絶対にこんな顔をさせたくないなと思って、そして]
[ねち、と胎内で粘性の強い糸を引く感触を教え、
蝕む彼女の悦を闇を通じて得る。
もっと欲しいと頑是無い欲は、お仕置きと言う大義名分で包む。
囚われて尚、夫に弄られる恥辱を彼女に覚えさせる。
別離の罪が、どれほど深いか教えるように。
或いは―――…、自身の悦を満たすように。]
………あっ、体が軽い!
[飛べそうなくらい体が軽い。
感じていた違和感もすっと無くなった。
いや、無くなったのは違和感だけでなくて――]
[か細く聞いた彼女の声にほくそ笑み、
彼女の腰を揺らめかせるように律動が止まぬ。
身体中火照り、それでも貞節を守ろうとする妻を想う。
ズク、と蠢く闇が胎を内側から攪拌し、
愛撫もなく、内側のみ責める辱めに晒す。
出かけ際、彼女の肩に掛けた外套が全てを隠し、
夫婦の密事は、彼女ばかりが知る。
離れた場所でも闇を伝い聞こえる彼女の淫靡な啼き声に、
性質の悪い男が充足の呼気を漏らした。]
あれ、え?……やっぱり死んだ?
[足元には金髪の花嫁――つまり自分なのだけど、が倒れていた。
そして、自分には質量と思しきもの、つまり実体がない。影もない。
ついでにいえば、幽霊的な今は男の姿に戻ってるような気もするが、
そもそも幽霊に性別が関係あるのかといえば定かではない]
ど、どうしようこれ……、
や、死んでない。死んでないよね?
まだ死んでない大丈夫!
[重なってみたり、体に倒れてみたりしたけど、うまく戻れない。
というか、そもそも魔力とか魔法とか霊感と思しきものが0なのである。
感覚刺激や影響を体質的にほとんど受け付けないのだ。
いわば魔力的絶縁体のようなもの。
あの黒い羽の人外としか認識できなかった魔族も、
見るものが見ればなんか凄い姿として認識できるに相違ない。
それはともかくとして――]
……ここで、
自分見てても仕方ないし。
[ウェディングドレスで女体の自分を見続けるなんて、
精神的拷問に等しい、ただでさえ踏んだり蹴ったりなのに。
ため息と共に鉄格子に近づいていけば、するっとそれを抜けられた]
やっぱり死んだのかな……、
死んだならリエちゃんに会いにいかないと。
[とりあえず、自分の体は牢獄に置いたまま城内へとふわり半透明な気分で歩いてく]
/*
……幽体離脱派が多いです、ね!
そんな中で、記憶混濁を選んでいるぼくは、反骨精神の子です。
だって、そっちの方が絶対おいしい(
[粘っこい水音は、彼の精か、自分の蜜か。
判別もできぬ程、融け合った淫水。
この音が鼓膜を侵す度、下肢の力が抜け落ちる。彼を受け容れる準備の整った身体を、彼の眼前に開いてみせるためにか]
あ、ぁ……、すけ、て、ルートぉ…
[求めるのは、囚われた身の救出ではなく――彼自身で、早く空虚を塞いで欲しいとせがむかのよう]
あ、その前に……、
あの天窓がどこに繋がってるのか見ておこう。
[とん、と跳ね上がれば、
天窓まで軽く生身ではない意識は届いた。
灯りとり、というにもあまり役に立ってない。
夜なのだろうか、と思っていたけれど。
にゅるっと窓から上半身を外へと乗り出せば――]
ありがとうございます。
あの… 失礼ですが、司祭様でしょうか…?
[柔らかな笑みにほっとしたような表情を浮かべる。
目が熱くなるような感覚を覚えるが、幽体故に涙は出てこなかった。]
…… はい、私の身体です。
魔物の力のせいか、身体と魂が解離してしまったようで。
…?
[抗議の声に首を傾げる]
ええと犬じゃなかったら…。
[猫、と一瞬口が形作ったが、もっと違うと言われそうな気がして音にするのは止めておいた。]
……何と呼べばいいのかな。
[しばらくたっぷり間をあけたあと、困ったように、犬と、会話している男とを交互に見る。
するりと単語が出てこないのは、記憶を飛ばしているせいだろう。]
[ふと。]
……クゥ?
[犬じゃない、と己を正しく示した人間に首を傾げた。
ここに人間がいるのは、恐らくは見世物の材として
闘技場に連れてこられた武人の類を思わせるし、
実際二人は立ち姿に芯が通って無駄がないのだが]
(あの人間の匂いがするな)
[特徴的な甘さを持った、人間の残り香。
今にも薄れ消えそうなのは、両者の接触が
あまり深くなかったせいか。]
[祝福の仕草の後、魔犬の仔を抱き上げ直す若者を見やる。>>391
ずっと飼うつもりだろうか。元の世界に連れ帰るつもりだろうか。
だが、それについては何も言わず、ここに残るという若者にひとつ頷く。]
ここは、瘴気がさほど濃くはない。
動かず、助けが来るのを待つのもひとつの方法でしょう。
/*
すみません、いちおうですが、当面は解決出来たので大丈夫だと思います。ご心配おかけいたしました。
配慮の方もありがとうございます(深々)
[お仕置きと称して、彼の責苦を甘受したことは以前もある。
昔馴染みに当たる、異性体をとる同属と話し込む姿を、里まで迎えに来た彼が目の当たりにした其の夜。
けれど、あの時は、すぐ傍らに彼が居てくれた。
決して満たし切る事のない渇望が、下腹の内側から突き上げる]
――…り、な……れ、じゃ、足りな……ッ!
[フードを目深に被り、声を喉で押し潰し袖を噛む。
裾の長い純白の外套は、捩る腰も、戦慄く腿も全て覆い隠し、
彼への貞節を布一枚で保たせてくれる]
貴方が存在していると云う事は、
ある程度の固着はされているのでしょう。
[浅く首肯し、ヒトの身へ気遣いの欠けた言葉を吐き出すも、
存在すらも乖離させる歪曲ではないと当たりをつけて頷いた。
彼は特殊な人間らしいが、枠組みから外れた現人神ではないらしい。>>397
そっと片手を持ち上げると、何もない虚空に触れ、
空間を開こうとすれば、確かな違和を覚えた。]
―――…おや、塞がっている。
[独り言のように零す語。
断絶された魔界と異界の扉、邪力の具現。>>388
暫し逡巡する間を置いて、寧ろ好都合と割り切った。
精霊界より邪魔立てが入れば、己の立場上行動制限が掛かる。]
そうですか、では、また生きていれば何れ。
私は迎えに行かねばなりませんから。
[疲労に苛まれる彼の隣で闇撫での腕が情報を頼りに空間を裂く。
拓いた空間の向こうに見えるのは、並行を保つ樹海。
人には潜れぬ転移送、最後に彼にチラリと視線をやり。>>398]
―――…呑まれぬうちに、逢えると良いですね。
[何に、とも、誰に、とも告げず。
危うげに朦朧とする彼を置いて、闇に溶ける男の姿。
水を弾いたような音色と、闇の気配だけを残して。*]
ええ。
ですから、もう安心してください。
[司祭。…なのだろうか。
自分が何者か理解はしていなかったが、肯定はいささかも揺るぎないものだった。
女性の訴えを聞いて、穏やかに頷く。]
なにかの原因で魂が身体を離れてしまったとしても、あなたの体が命を保っているなら還る望みはあります。
気を強く持ってください。
まずは、あれらをどうにかしましょう。
[争っていた魔物たちがこちらを見ている。
どうやればどうにかできるか、分からないがおそらくできるだろう。]
―魔王城・中庭―
……わあ、
[墨を流したような暗黒の空に、
紅い雲の流れていく、そして、降り注ぐ雨も緋色だ。
鉄錆のような匂い、赤い水溜りに幾重もの波紋が出来て壊れていく。
はらりと、そこに落ちたのは、
骨のように白い花びら、赤黒く染まっていく。
雨音に紛れて、呻き声とか叫び声に似た――、
獣の鳴き声だと思いたいような異音が聞こえてくるし、
なにか得体の知れない轟音も響いた>>375]
か、雷かな……、
[はっきり言って、かなり不気味だ。
赤い雨降る魔王城の中庭で半透明の存在は、
心もとなく思わず辺りを見回した*]
[もうひとりの杖の青年に対しても、同道は申し出ない。
彼以外の者では、いざというときに自分の暴走を押さえることはできないだろう。
下手に同道するのは危険であった。]
他にも人が攫われているのなら、何か大掛かりな儀式でも企てられているのかもしれません。
[そんな考えを伝えて、一礼すると、町の門へ向けて歩き出す。]
/*
実は当初ペア組んでいた相方さんが体調不良になってしまい、大事を取って急遽代打の相方さんで参加しております…。
ツヴィンガーほんと急に頼んだのにありがとうねー!
相方予定の某方はまた今度、元気なときに遊んでね…!
とりあえず元気になるんだ(電波飛ばしておいた)
―魔王城・中庭―
……わあ、
[墨を流したような暗黒の空に、
紅い雲の流れていく、そして、降り注ぐ雨も緋色だ。
鉄錆のような匂い、赤い水溜りに幾重もの波紋が出来て壊れていく。
はらりと、そこに落ちたのは、
骨のように白い花びら、赤黒く染まっていく。
雨音に紛れて、呻き声とか叫び声に似た――、
獣の鳴き声だと思いたいような異音が聞こえてくるし、
なにか得体の知れない轟音も響いた>>385]
か、雷かな……、
[はっきり言って、かなり不気味だ。
赤い雨降る魔王城の中庭で半透明の存在は、
心もとなく思わず辺りを見回した*]
/*
あしまった、あちこち見てたせいで狼って単語見逃してた。
…まぁ聞いてなかったから改めて聞いたことにしよう。ごめーん。
(こっちの人間からはしないな)
[同様に、犬呼ばわりした方も匂いを確認して。
因みに猫呼ばわりまで行ったらそろそろ噛みついてた。]
(つまり、こっちがあいつの知り合いで、こっちは違う)
[うむうむ、と一匹合点した。]
/*
相方がいきなりお亡くなりになったようで、
こう、わりと肉体的にもいちゃいちゃするつもりだったのだけど、想定外です。
やられたな。
まぁ、毎回のことですが。
……確かに。
ぼくを、ここまで運んでくれた方も、魔法的な能力はお持ちではなかったようですから。
そこまで大掛かりな湾曲はないのかもしれません。
[返された言葉に、零したのは研究者としての冷静な分析。
独り言の如く零れた言>>408には疑問を感じるものの、続いた言葉>>409に、その意を問うのは躊躇われた]
あ、はい……どなたか、待っていらっしゃるなら……行ってください。
[迎えが来ないのは寂しいから、とは口にできない想いのカケラ。
痛み与えるそれは押し込んで]
それでは、また……ご縁がありましたら。
[空間を裂き、水を思わせる音色残して消えゆく男にそう、告げて。
一人、平原に残ると小さく小さく息を吐いた。*]
― 浮遊する群島 ―
[獲物を棲家に連れ込んだ蛇の魔は、これを思うさまに弄び、苛んだ。
汚れた司祭服を引き裂いて剥ぎ取り、突き倒した裸身に自らの尾を打ち付ける。
撓る鞭となった尾は幾筋もの赤を白い肌に刻み付けた。]
あ、ああっ、うぅぅぁぁ …
[打たれるたびに悶え身を捩り、言葉とは言えぬ声を漏らす。
うつろな瞳は次第に潤み、懇願の色を帯びる。]
[膝に突っ伏し動かなくなった光精は、纏う光が揺らぎ、霊気を僅かに減じてさえいく。
漸く呪符の魔力が効力を発揮してきたのかと、魔物には意味を為さぬ結界を潜り、檻の傍へと降り立つ三体。
先の同族の損壊を踏まえ、檻から僅かな距離を保ったまま、三重奏の呪詛を浴びせかける。
闇の精霊長が妻に直に施した護りの気配は、乱れる光力とぶつかり、阻まれる。
呪詛が終曲を迎えても、頭が鈍く軋む他は、さしたる変化は訪れず]
――…、私に。この身体に。何を、したの?
[静かな囁きは、彼女をよく知る者の誰一人として聞いたことがないだろう、冷えた響き]
― 闘技場内 ―
[緑の髪の迷い子は負傷をものともせず牛頭を降す様子>>326に金貨はゆるりと目を細める。
金貨は武の神とは不仲であるが、彼の性格が気に食わないだけで、兄を始めとした武の神の部下や武力そのものを嫌ってはいない。
闘ってる本人からしたら冗談ではないかも知れないが、迷い子の軽業を思わせる闘いぶりは見ているだけで楽しかったと、席が隣になっただけの客と件の試合の話題で盛り上がった。
辺りで聖職者を見なかったかと、本来の目的も織り交ぜてはみたものの、それについては有力な情報は得られずに]
――――貨?――聞こえ――
[先程の呼び掛けへの反応もなかったし、この近辺での捜索を切り上げて次の場所のあたりをつけようと……
空に居た時の記憶を元に、何があったのかを思い返していると、ふいに、声が降ってくる。]
…王冠兄さん?
[ノイズが激しくとぎれとぎれにしか聞こえない声は聞き覚えがありすぎて、名前をぽつりと口にした。]
……それに、して、も。
あたま、いたい……。
[零れ落ちたのは、泣きそうな声。
状況への混乱と、それが齎した不調。
二つの要因は、魔界植物の残したものの浸食を容易にする。
混濁した記憶は、一人になる事でその混沌を加速させ。
幼い頃と今現在の記憶を複雑に絡み合わせて]
……御師様、どこ、で、すか?
[小さく呼ぶのは、かつて唯一の救い手だった存在。
混乱した記憶は、その人以外に差しのべられる手は全て、危険齎すもの、と認識していた頃に対向しつつあった]
―あぁ―そう――世界が――閉じ――
―――声――――なんとか―
[答えると共に、言いたいことを捲し立てているのだろうが、捲し立てた分だけノイズが激しくなり、耳に優しくなくなる仕様らしい。
それでも、世界が閉じるという事は聞き取ることができたので、真剣な顔をして頷き――…]
[彼女の鼓膜に届ける密やかな笑み。
異界の壁を通さぬ明瞭な笑気は、彼女を弄るに等しく。
内側から火を灯しても、距離が隔てる空隙が満たされる事は無い。
まるで、これこそが彼女に与えられた甘い罰なのだと主張して。
愛妻の身体に熱を施し、それでも待てと命じるが傲慢。
別に対する恐怖の種を彼女の身体に植え付けていく。]
[彼女は知らぬ、己の独占欲の深さを。
愛妻は理解せぬ、己の闇如き苛烈さを。
迎えに行くと釘を刺したのは、彼女に対する咎めでも合った。
かつて、談笑する妻と間男の光景をみたその夜。
彼女を攫うようにして連れ帰り、初めて日夜を問わず抱いた。
切々と許しを請う彼女と、なぜか程なくして人間界に下ってしまった同属の男に溜飲を下げたのも三日三晩を越えた後。
それほどに欲の深い男は、当然彼女の懇願に応じず、
闇は律動を収め、彼女の身体に焔の燻りだけを残して静寂に還る。]
まあ、なっちゃったものは仕方ないですよね。
あ、兄さん、探し人の名前教えてください。ついでに空間の神に、後払いで空間魔法貸してくださいって伝えといてください。報酬は山岳の民の酒の十年物って事も忘れずにおねがいしますね。
[さっくり切って捨てた上で、自分の要件を伝えることにした。]
―――…………
[ドライすぎる弟の反応に空の声は絶句してしまったのだが――]
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