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人里に身を潜めながら、夜毎人を喰らうという恐ろしい人狼。
幾つもの村を滅ぼしてきた狡猾な化け物の噂が、遂にこの地にも訪れた。
震え上がる者、馬鹿馬鹿しいと一笑に付す者、そして…。
様々な思惑を余所に、人々は話し合いのため集うのだった。
1人目、新兵 カシム が参加しました。
新兵 カシムは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
――戦いたくなど、ない。
二十歳になったばかりの新兵は、武器を握り締めながら譫言の様に口走る。
どうして、こうなったのだろう。
何故、こんなふうに。
救いを求めるように見上げる空には、一羽の鳥。
羽ばたきかけた、翼が落ちる。
止まる枝も、ないままに。
見開かれた青年の瞳の前で。
――翼は蒼穹に吸い込まれることなく、ゆっくりと、地に伏していった。
―6年後―
――フェーダ大公の暗殺から端を発した、ロストルム帝国ーフェーダ公国間の戦争は、激化の一途に在った。
最初は小規模であった衝突は、シュヴァルベ近海の艦隊による威嚇戦へと発展。
やがて激しい砲撃戦のもとに、両国の主力艦隊はほぼ壊滅。
海兵隊と、海に面するいくつかの都市に多大なる犠牲を出し、舞台は、地上へ――
二国間の最後の砦、シュヴァルベへと、移ることになった。
★6/15(土)1:00開始となります。
★進行についてはWikiをご参照ください。
★A村より6年後の世界です。1日目開始までにはシュヴァルベにて任務に就けるよう集結お願いいたします。
★48h村です。2日目以降、最初の24hで投票先をセットしてください。
(メモ等でのセット先の宣言は不要です。また、投票理由については開示しないでください)
処刑立候補はなるべく23h後、24時までにお願いいたします。
★1:00時点で最も多い投票先を、本日の処刑先として発表いたします。
★同票の場合、1時間後に再集計を行いますので、最も多く投票されている方の中の誰かに再投票をお願いします。1時間後の時点でも同票者がいた場合、村建てが1票を投じて決定します。
★処刑先を確認した時点でのキリング立候補は可とします。
★襲撃先・能力先はWiki記載の基準にて、ご自由にどうぞ。いつ襲撃されても泣かない。
村の設定が変更されました。
2人目、鋼の民 クロイツ が参加しました。
鋼の民 クロイツは、仮面師 を希望しました(他の人には見えません)。
―草原の大陸
[――蹄が、力強く地を蹴る音。
一頭――二頭。いや、さらに沢山の蹄は、柔らかな草原の土に地響きを伝えてゆく。
耳のよいものが聞けば、それは統制された、騎馬の一団のものであるとわかるだろう。
草原を、東へ。
目的地へと駈けるその足取りには、いささかの緩みもない。]
『
[先頭を走る男に、その直ぐ後ろを駈けさせていた女が声をかける。
その先には、手に手に戦斧や槍を持つ重装歩兵らの姿があった。
矢筒を背負い、身軽い遊牧騎兵の衣服を纏った一団にくらべ、待ち構える歩兵らは明確に整った装備を身につけている。
だが声をかけられた男は薄く笑い、かるくそちらを振り向いて答えた]
――減らせ。此の侭突っ切る。
[言うと同時に馬に鞭を当て、更にスピードをあげた。
ぐんぐんと先行する男と、それに続く幾人か。
そして残りの一団は矢筒に手をかけ、馬を駈けさせながら矢継ぎ早に弓を引く]
退け!
[真正面には、二人の歩兵。
抜刀し、馬体ごと飛び込んだ。
――斬、と、手に伝わる鈍い肉の重み。
思い切りよく振り切られた刃に刈られ、戦斧を振り下ろす間もなく歩兵の首が跳ねる。
どうとその体が横たわり、辺りに鮮血を撒き散らした。
もうひとりは馬に蹴り倒され、続く騎兵によって喉に槍を突き入れられる。
ひゅんひゅんと矢の雨が飛び、行く手の敵を的確に排除していった。]
よし。……全団、砦までとどまるな!
[鬨の声が、男の命に応える。
敵兵は態勢を立て直そうと慌てている様子だが、既に事態は混戦へと推移していた。
手にした曲刀がひらめくたび、血飛沫と低い呻きがもれる。
すれ違いざまの敵を確実に仕留めつつ、精鋭らは敵陣奥深くへと突き進んでいった*]
―半月後/鎖の国国境・ユム砦―
[――さやさやと、葉擦れの音が耳に優しい。
国境砦の薄暗い一室の窓は開け放たれ、心地よい風が吹き込んでいた。
男は数人の部下とともに、円卓を囲んでいた。
滔々と続いていた報告の声が、返事を待つように、ふ、と途切れる。
手元の書類をぱらりと捲り、顔を上げた。
漆黒の髪が窓から吹き込む風になぶられ、ゆるりと、削げた頬にかかる]
――敵兵はバドマ城砦まで後退した、か。
どうやら、ひとまずは落ち着いたようだな。
[広げられた地図の一点――ここから80マイル近く離れた場所を、中指の甲でとんと突く。
塗り替えられたばかりの地図に境界線は無いが、それが現状の
此処を奪還されたことで、
一両日中に鎖の国より本隊が辿り着けば、俺たちの此処での任務も終了、というわけだ。
[微かに笑みを浮かべて紡がれた声に、辺りにはほっとしたようなムードが漂う。
それを諌めるように、男は凛と声を張り上げる]
気を抜くな。まだ奇襲が無いとは限らない。
この城砦を明け渡すまでは、契約は続行している。
――『
[声を合わせて答える部下たちに目を細めた。
鋼の団の兵士たちは、皆まだうら若い。
此度の戦いを生き延びた彼らの顔を一つ一つ眺めると、頷き、立ち上がって告げた]
散会。――引継ぎは明後日になる。
各自出立の準備をしておけ。
[周囲はがやがやと騒がしく動き始める。
半月の攻防の末の奪還戦の成功――
そして国許への凱旋は、草原の若く逞しい傭兵たちに、これ以上ない活気を与えていた]
[シューニャ・クロイツ・ボルドゥが草原の大陸に帰還してから、四年が過ぎた。
かつて滅びた少数民族、
……それに反感を持つ者は鎖の国にも少なくは無かったが、一団が軍に組み入れられぬ「傭兵団」という形をとっていた事、その構成員が、いまや存在せぬ鋼の民の遺児ばかりを集めた、当時は児戯とすら思われぬものであったことで、表立って潰そうとする者は現れなかった。
――いや、潰すまでもない、と判断されたと言ってもいい。
当初、精々数度の戦いを経れば、あっさりと壊滅するだろうと思われていた鋼の団は――当初のメンバーに増減を繰り返しながらも、しかし、数々の功を立て、今も生き残っている]
………だいぶ無茶をさせたものだがな。
[書類を片付けたテーブルに肘をついて、ぽつり、独りごちる。
「はい?」と振り返った女傭兵に、小さく苦笑し、頭を振った]
――なんでもない。
鷲がいなくなれば、小鳥は舞い戻る。――あの諺は本当だったのだな、と思ったまでだ。
[ちらりと窓の外を見やる。
囀る愛らしい小鳥の声が、明るい開口部から部屋の中に届いていた。]
あの忌々しい鷲どもを
いや、……その時はほどなく来るだろう。
ユム砦の奪還は、それ程の意味がある……。
[目を細め、低く笑う。
ユム砦とボルドゥの地は、程近い。
海向こうの大陸の騒乱による難民や、政局の変化への警戒。
鎖の国と違い、今のこの情勢を予期していなかった鷲の国は、無論、それらにも浮き足立っている。
かつて鎖の国から奪われ、現状の防衛線であったユム砦が呆気なく陥落したのは、その所為でもあるだろうと、男は考えていた]
………。
[海向こうの大陸。
――その言葉を脳裏に上せた途端、僅かに唇は引き締められ。
伏せたまなざしが更に微か、無表情になる]
………。――?
[ハッと顔を上げる。
部屋の入り口のほうから、慌てたような足音と、声が聞こえたのだ]
……どうした? ロー。
[急ぎ足で踏み込んできたのは、腹心の部下のひとりだった。
淡々とした早口で伝えられたのは、鎖の国からの使者の訪い。
一両日中には到着するという軍隊に先立って、早馬で到着したという]
随分と慌てたことだ。
労いのため…、というわけでもなさそうだな。
[眉を顰め、立ち上がる]
わかった、会おう。
――アリデ、ロー。ともに来い。
[頷き、ローと、腹心である女傭兵の名前を呼んで従える。
使者は既に跳ね橋を超え、開門を待っているとのことだった**]
3人目、技官 カサンドラ が参加しました。
技官 カサンドラは、魔術師 を希望しました(他の人には見えません)。
― 時遡り 帝国首都 軍務省 ―
[軍服に袖を通す小柄な女性が、軍務省へと入る。
ここへ来るのは、先日までは自らではなく、自らの表向きの"上司"であった。
貴族のぼんぼん。血族のコネと金をかけた教育によってその地位にあった存在。
便利にこれまで使われてやったが、軍部からの要求が元で、精神と内臓を病んだ男に尽くす義理などもはやなかった]
ようやく、ここまで来れた、か……。
[ここで行われることについてはもはや事前に調整がついている。
元局員のモーリッツの後ろ盾があったとはいえ――平民、しかも帝国民外の出身で今の、そしてこれからの地位を与えられるのもまた。非常時だからという以外に理由はないだろう。能力があれども、家柄がなければ持たざるものは代わりはない。それが帝国の不文律ではあったのだが、有事ではそうもいっていられない]
[仰々しい煉瓦の階段を登り、軍務省の一番高い場所にある会議室へと急ぐ]
[会議室の前。窓より見える、朱に染まった帝国旗。
形式とは時に馬鹿馬鹿しいとは思う。が、それを踏まねば古き伝統の国では成り上がることすらできない]
[落ち着いて、物々しいドアをノックし――中へと踏み入る。
膠着状態にあるシュヴァルベの軍議。
貴族でもなければ本来帝国民でもない彼女が踏み入れたのにもわけがある]
失礼します。
[堂々たる顔ぶれの中にも若いものが混じるのは、老皇帝とともに支配者層もまた我が帰ったことの証明のようだ]
療養中のマチス・ドラグスラーに代わって本日付で技術局主席代理に任命されました、カサンドラ=レイヴンウッドです。
[敬礼し、淡々と名乗る。
品定めされるようにしばし観察されて――いくばくかの社交辞令の後。
"本題"へと話題が移り――]
命令、謹んでお受け致します。
つきましては、最前線までの護衛に、一個部隊を長ごとお貸しください。
道中賊に襲われたら降伏しかねないのが、技術局スタッフですので。
[身の安全の保証を図々しくも要求した**]
4人目、公爵 リエヴル が参加しました。
公爵 リエヴルは、首無騎士 を希望しました(他の人には見えません)。
――少し前の帝都・公爵邸――
[帝都の郊外、豪奢な建物が建ち並ぶ一角。
一際大きな建物と、広い庭園。
館の主は、優雅な執務室でのんびりとティーカップを傾けていた。
ただし、その面には苦々しい表情が浮かんでいる。]
……シュヴァルベに更に兵を投入、か……。
[報告書に目を通し、息を吐く。
己にとっては、かつての学舎でもある思い出の場所。
あれ以降自身で訪れたことはないが、報告によれば、今はその学舎も見る影もないという。]
[ティーカップを置けば、珍しく陶器が音をたてる。
苛立ちのままに立ち上がれば、苦々しい声をあげた。]
俺も、シュヴァルベに赴く。
留守の間は、頼んだぞ。
[執事の驚きの声をよそに、書類に筆を走らせる。
その心は、既に前線と化した思い出の地へと馳せていた。]
[リエヴルは開戦には慎重なスタンスをとり続けていた。
戦よりも先に、まずは外交から圧をかけ、国力を削ぐことだと。
戦力を有したままぶつかりあえば、互いに損失が大きいと。
だが、反公国派の意見は抑えきれず、戦は始まり。
予想していた通り、既に戦火は拡大し、両軍ともに被害が生じている。
なれば、今できることは――…、]
――開戦時:帝都にて――
――――お待ちください!!
まだ戦に持ち込むには、時期尚早です。
今暫く状況を整えてからの方がいい!
[反公国派が主流となりつつある中。
公爵という地位はあれど、開戦慎重派のリエヴルの声は、既に中枢には届かなくなっていた。
既に国内世論は一瞬即発となり、末端の兵士達までが昂ぶっていた。]
[既に、和平を唱える声は殆ど聞こえなくなっていた。
慎重意見すら、売国奴、臆病者と非難される。
リエヴルが慎重であること、また状況を有利に運びたいと考えていることは、誰しもが知るところではあったにせよ。
そんな彼でさえ、“トゥーレーヌ公は臆したか”と揶揄されたものである。
戦端が開かれれば、盛り上がる国内世論とは裏腹に、思い溜息をついたのだった。]
[平和を求めるなどという道徳者ではない。
だが、二国が正面からぶつかり合うことによる互いの損失は、予想するだに重すぎて。
政略を重んじるリエヴルにとって、それは回避したい事態でもあった。
――――――…無論。
自国の民の血だけではない。
敵となる者の中に見知った者がいる可能性を考えれば、それもまた、心に重くのしかかるのだった。]
――再び少し前:帝都公爵邸――
………………あのシュヴァルベで戦う、か。
皮肉なものだ……。
[士官学校時代の見知った顔も、無論敵軍に居るのだろう。
あの温かな学舎は、今では血生臭い戦場なのだ。
幾度も返りたいと願ったあの頃は、既に、遠い幻でしかない。]
[夜毎に逢いたいと焦がれ続けた人も、この帝国において出会うことは、ついに無かった。
その人とも、前線においては逢えるのだろうか。
出会う時は――…果たして、共に肩を並べて戦えるのか。
それとも――――……。*]
5人目、特務大佐 シロウ が参加しました。
特務大佐 シロウは、交信者 を希望しました(他の人には見えません)。
― 2年前・公国宮殿内 大公の自室 ―
大公閣下。
申し訳ないが、お命頂戴する。
[公国のとある侯爵に雇われて、帝国にスパイとして潜入している男は。
帝国側からの指示と、同時に本来の雇い主である侯爵の意向もあり、実際の所属国から考えれば主君である大公へと刃を向けていた]
もはや、帝国も公国も、それぞれがひとつの国として成り立つ事はできない。
和平でどうにかできる段階は過ぎ去っている事ぐらい。本当はアンタも気づいてるだろうになあ。
/*
みんな、最後に統一国家をつくる、ってほうにながれたら戦争はそもそも起こらんからね
それでも戦わなきゃならない無常観を出すために
私は、陣営に対する忠誠心を本気出して考えなきゃならないと思う
でもこれやると最終日まで(ry
そんなおやまさんですこんばんはおやすみなさい。
すでに和平派だった王太子もいない。これでアンタがいなくなれば、公国は開戦派が主流となり、帝国も応戦せざるを得なくなる。
[男の足元に転がるのは、公国内の開戦派が差し向けただろう刺客たちと――リエヴルからつけられていた目付け役、双方の骸。
目付け役は、帝国側の人間だとわかるような所持品は持っていない。だが主戦派からの刺客たちは、公国の軍服を着ている。
これならば、公国と帝国どちらからのものかわからない暗殺者と、大公を守りきれなかった護衛との相打ちにも見えるだろう。
帝国と公国、どちらが大公を暗殺したのか。事実は闇に葬られるよう、そのほかの根回しも済んでいる]
和平だのなんだの言っていれば、その内にこの国は帝国に併呑される。
……それじゃ、だめなんだよ。
公国の民が帝国の貴族の奴隷にされかねない未来は、望ましくない。
だから。帝国も公国も、どちらも戦争で同じくらいに疲弊してもらわなきゃならねぇ。
そうなってからの合併なら、互いに遺恨は残っても、どちらの出身だからという理由での貴賎の差はつかない。
そんな未来こそ、オレの雇い主の要望でな。
[暗殺対象に殺す理由を話す必要も、そんな手間をかける趣味もない。
だが、今回に限っては。リエヴルではない方の、本来の雇い主からのたっての要望があったのだ。
甥でもある大公を暗殺する事について、思うところを伝えてから殺して欲しい――と。雇い主の自己満足に付き合うのも、仕事の一部だった]
そんなわけで……うらむなら、この時代に大公になった不運と、アンタの叔父サンを恨む事だな。
[抵抗をしようとする大公の剣を、銃弾を、兄たちの遺品である二振りの刀で弾きながら。ゆっくりと大公に近づいて――]
6人目、魔器商人 ヴィンセント が参加しました。
魔器商人 ヴィンセントは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
―2年前 ロストルム帝国西部・フェルゼンベルク―
はい。こちら一列…底に若草色の印の入ったものが風属性。
黄土色の印は、土属性の小盾弾。黄金色の印の入ったものは雷撃弾。
[閉ざされた部屋の一室。
容器の中に並べられていたのは、製錬されたばかりの魔弾。
照明を落とした部屋の中で、淡い魔力の輝きを帯びている。]
充分に製錬はされていますが、今回の注文は、特に濃度の高い物が多いです。
予想外の事故が発生する確率が無いとは言えませんので、取扱いには、注意してください。
[取引相手は、普段から懇意にしている軍人。
普段から見知った相手であるにも関わらず、それまで扱ったことのない規模の受け渡し作業に、声をひそめ気味になってしまう。]
それにしても、凄いですね。
これだけの魔器、まるで本格的な戦争でも始まるみたいじゃないですか。
え?勿論嫌ですよ。
確かに…一部では交戦もあったとは聞いていますが、できれば穏当に収まって欲しいですね。
……もうすぐ妹が結婚するのですが、婚約者の出身地がシュヴァルベなんです。
いつ新婚の妹が泣くような事態が起こらないとも限らないのですから。心配にもなりますよ。
[シュヴァルベ、という言葉に相手の表情が複雑そうに曇る。
自分も複雑そうな顔になる。
つい先日、顔を合わせたばかりの陽気な未来の義弟。
そして、海兵隊の旗艦に乗り込んでいる双子の兄。
2人とも軍人で、戦闘が起これば容赦なく戦いの最前線に配備される可能性も高い。
部屋の空気が一層重くなったように感じた。]
あ、終わりました。お疲れ様です。
…どうしたのですか?
皆様そんな所に集まって…。
[取引を終え、屋外へ出ると街の人々が一斉に並んで海の方向を見ている。
水平線のすぐ向こうには、この辺りでは珍しい大型の船。
何隻も連なり並んでいるが、不思議と岸には近づかずに停泊している様子。]
…おかしいな。
ルー達…、海兵隊の船はこの前シュヴァルベ方面に向かうと言って出たばっかりだし、形もなんだか違う。
[黄昏時、夕陽を背にした船団は、黒い影で塗りこめられているような不吉な姿を見せていた。
目を凝らして確認しても、以前兄に見学させてもらった帝国艦船の記憶と、目の前の船影の特徴は重ならない。
やがて、影が揺れる。甲高い鳥の声の様に、鋭く空気を裂く音が数回。]
………花火?
[真っ先に思いついたのは、懐かしい炎の華。
かつて、学生時代のパーティで恒例だった、火薬と魔力の融合した美しい半幻術の華。
街に吸い込まれていくそれは、破裂音を伴いながら次々と鮮やかな紅い華を咲かせていく。]
――――っ!!?
……―――
[それが幻でないと知れたのは、立ち尽くしていた自分の目前で新しい「華が咲いた」時。
崩れゆく建物。燃え盛る炎と熱風。
舞い散る火の粉は、黒く煙る空の下、禍々しい星の様に美しく輝き、フェルゼンベルクの街を呑み込んでいった。]
魔器商人 ヴィンセント が村を出ました。
6人目、帝国少尉 ヴィンセント が参加しました。
帝国少尉 ヴィンセントは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
― シュヴァルベ・最前線地帯の一角 ―
……………すまない。時間か。
[毛布を押し上げ、仮眠を取っていた岩の影から立ち上がる。
周囲には崩れ落ちた建物の残骸。
所々端が欠け、ある程度の月日が経っている事が伺われた。
目を凝らすと、闇に紛れる様に待機をしている仲間の兵士の姿が見える。]
――いや、なんでもない。
夢見が最悪だった気はするのだが…忘れた。
[目覚めるタイミングが悪かったのか、酷く頭が重い。
軽く首を振り、溜息をついた。
目の前には荒れ果てた大地。
焦げた臭いが風に混ざる。
かつて緑に覆われ、猫や兎を愛でていた学び舎の地は、今はもう「シュヴァルベ」という名を残すのみ。
夜の闇がその無残な姿を覆い隠していた。*]
7人目、前哨狙撃兵 ダーフィト が参加しました。
前哨狙撃兵 ダーフィトは、呪人 を希望しました(他の人には見えません)。
― シュヴァルベ・帝国前進拠点より南西 ―
[――…かさついた風が流れて来ていた。
風は様々な匂いを運んでくる。
尖った感触と冷えた意識。痛いほどの。
何かが燃える匂いが僅かに鼻先を擽って、
――…一瞬、顔を顰める]
……一戦あったな。早すぎる。
[阿呆がいるな、と。男は興味なさげに呟いた]
帝国少尉 ヴィンセント が村を出ました。
7人目、帝国少尉 ヴィンセント が参加しました。
帝国少尉 ヴィンセントは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[鼻に刺さる、火薬独特の匂い。
貴重な火薬を費やすということは、
そこそこの衝突があった事を意味している]
――…逸ってぶっ放した馬鹿がいるのか、
深追いした馬鹿がいるのかは知らんが、付き合ってられるか。
リオ、プロジット。後方に伝えろ。
迂回して南に回る。
[ここ同様、偵察のために出ている部隊はいくつか。どれも小規模なものだ。
続く衝突により、シュヴァルベの様子は一変している。
偵察は戦闘のためではなく、地形と状況の確認のためだった。
―――今はまず、拠点を着実に前進させてゆくべき時で。
双方、深追いは避けたい筈だった]
……南西の状況の確認?これ以上、今はいらん。
いちいち言わせるな。行け。
[情報は、適時迅速に届けられなければ意味がない。
今は、先に集めるべき情報があった。
昔過ごしたシュヴァルベの地理は頭に入っている。
脳裏に拡げられた地図。
どこでどのように遊んだか、どんな風が吹いていたのか。
それを、今のものに書き換えてゆく。
夜明け前までに、この辺りの探索を終えたい。
――…時間はあまり、残っていなかった*]
― シュヴァルベ・帝国の前進拠点 ―
[稼働時間は決まっていた。
効きが悪くなってきたとはいえ、薬の持続時間は把握している。あまり繋いで使うと、後が酷い。
それでも。ここで生きるなら。
いつ倒れるかわからないよりは、幾分とマシだった]
――…マシだっけ。
本当か……?
[自分の思考に突っ込みつつ、頭からシュラフに突っ込んだ。
見たものは滅多に忘れないが、それが脳内で完結しては台無しだ。
前進拠点まで辿り着いた後、最後の気力で伝達を終えた所だった。
眠りというより、気絶が恋しい。
――…意識の断絶の先の、やわらかな記憶]
― 夢:士官学校時代後期 ―
―――…起きているんだろう、と口にしてから。
ヒンメルは、起きていることを隠さなくなった。
悪夢から顔を出し、汗まみれで目を開けて。深呼吸をしてから。
ぼんやりと傍らの寝台を見る。
抑え込んだ沈黙が隔てていた壁は、いつの間にか取り払われていて。
寝台までの距離は、実際の幅と同じくらいになっていた。
そっと歩いて、僅か数歩の距離。
メル、と声をかけてから、隣に潜り込む。
もごもごと不明瞭な声が返る事もあったが、酷く稀なことだった。
(……起こした、ごめん)
背をゆるりと撫でる手に囁いて、途方に暮れたまま身を寄せる。
指先で脈を確かめるより、耳で鼓動を聞く方が早く落ち着く。
急いで呼吸を整えなくともいいと、背を撫でる手が伝え、ただ目を閉じる。
……泣いてもいいんだぞ、と茶化されて、ふるりと首を振った。
記憶にある限り、涙を流したことはない。
荒涼とした乾いた世界から、鮮やかな世界を見ている。
滲み零れる温かいものが緩やかに身に降り、乾いた地表へと消えてゆく。
この地にも、花は咲くのだろうか。
それは、美しいものだろうか。
(――…わからないけれど、……見てみたい)
――…そんな事を、思い始めていた。**
/*
普通に偵察兵の方が良かっただろうか。
前哨狙撃兵。
偵察もする狙撃兵……だったと思う。
薬物云々なんて入隊すらできねぇよと思うけど
そこはそれ!リアルはなしで!
ということで、またよろしくお願いします。
/*
今の夢はとてもよい夢
逆転現象が起こっている。
はー、みんなええなー、リエヴル頑張ってるな〜。思ったより元気そう、よかった。(ダフィ視点)
スパイさんたちとの関係はどうなっとるんだろう。
そして!!メルの!!かこが!!きになって!!!格好いいやばい
カサンドラさんキャー!軍服であれ言われると従ってしまいそう。そしてシロウ暗殺格好ええ。びんせんとのお着替えすてき。開戦はあんなかんじだったのか……。今は君は前線におるのね。
俺は偵察偵察。甘い夢を見る。
―客間―
……随分と気ぜわしいお話になりますな、使者殿。
[一応はゆったりとした準正装用のデールを纏い、男はかるく長椅子に凭れるように掛けて、使者の要望に聞き入っていた。
常は鮮やかなものであるデールだが、男の纏う其れは墨一色の簡素なものだ。僅か、銀の刺繍のみが袖口と襟元に複雑な紋様を描いている。
首元から鎖で下げられた宝石のみが、暗い室内に宿されたランプの炎を煌かせていた。
赤と青、二色に輝き――角度によってさらにそれらの色を変える、秘宝。
鋼の民に伝わる、特異な魔石、
よくよく見れば、それは組まれた手に嵌る銀色の指輪にも存在していた。
同じ石から切り出したものだろう――ごく小さな赤青二色の石が、指輪の表側に輝いている]
[使者の話は、纏めると、このようなものだった。
――撤収後、速やかに向かって貰いたい先がある。
――出来れば、ごく少人数。単独行動でも良い。
――ロストルム・フェーダ国境、いまや最前線として戦火のもとにある街。
――シュヴァルベへ、潜入して欲しい。
――両国は多大な数の兵を失い、少数ながら他国からの傭兵をも受け入れているという。
――一般に募集された傭兵に混じり、目立たず、動ける者。
――なるべくならば、あちらに慣れた者が欲しい。
――鋼の団には、両国への滞在経験が長い者が多いため…――]
……本国に戻る間すら無しに、か。
向こうの情勢は、それほどまでに切迫を?
[眉を顰める。
使者が王命によるものであることは、持参した書状の印璽からも疑うべくはない。
鎖の国が帝国・公国間の挙動を気に掛ける理由は数あるだろう。
……問題は上層部が、それらの火種が最後の一線を超えるタイミングを、旬日であると判断している、ということだ。]
………。
……撒いた種は、刈り取れ、ということか。
[最前線への、傭兵としての単独侵入。
決して安全ではない任務に、暫く考え込む。
表情を動かさぬまま、迷うように、きり、と唇を噛んだ。
現在第一線で動くほかの工作員ではない、……その任務が、彼の元に回ってきたのは、何故なのか。]
………
お受けいたしましょう。
但し、こちらの本国での残務整理もある。
そう多くの兵を割くわけには参りません。
[ゆっくりと息を吐き、伏せた目をあげる。
使者をまっすぐに見返しながら、男は言葉を紡いだ]
シュヴァルベには、九年間滞在していた。
私が傭兵として、直接動くのが最も手っ取り早いでしょう。
……但し。
雇われたからには任務終了まで私はその国の兵士となる。
もし鎖の国と戦えと言われれば、全力でそれを全うする積りです。
それでも?
[低く笑い、そう首を傾げてみせる。
不安そうに、首領、と呼びかける部下たちを、軽く手を上げて制した]
――危険な任務だ。俺が単独で行きたいところだが…
……相手は二国だ。独りでは情報収集は難しかろう。
ローと、小回りの利きそうなイェンあたりを伴おう。
向こうでは分散行動を取る事になるが、構わないな?
[傍らのローへの意思の確認に、小気味良い是の返事が返る。
抗議するようにもう一度、首領、と呼びかけてきたアリデに視線を投げ、告げる]
アリデは兵を纏め、本国のクレス・アイレンとともに残務をこなしつつ次の任務に備えよ。
――詳細は後ほど纏め、伝える。
大事な時期だ。……連れてゆく手勢は少数の方がいい。
[生きては帰れぬかもしれぬ任務は、常のことだった。
――だが今のこれには、別のものが、邪魔をする。
無意識に手をぐっと握り締めていたことに気づき、見下ろして、息をつく。
短い会談は今後の行動の手順へと流れ――
速やかな船の手配と、シュヴァルベ近海への傭兵団の上陸許可についての質疑で締められた*]
鋼の民 クロイツ が村を出ました。
7人目、傭兵 クロイツ が参加しました。
傭兵 クロイツは、仮面師 を希望しました(他の人には見えません)。
―出立前―
[二日後に城砦を訪れた鎖の国本隊との引継ぎも無事完了し、ユム砦は大量の人で溢れ返っていた。
これから、この砦に常駐する兵士たち。
本国へと帰還し、次の任務を待つ傭兵ら。
――そして、新しい任務に就くべく、南方の港へと向かう少数の傭兵たち。
常の衣裳であるデールを脱ぎ、懐かしいデザインの軍用服へと身を改める。
厩舎への道を辿る背中に、首領、と呼びかける者があった]
士官候補生 カーク が見物人として参加しました。
士官候補生 カークは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
― (回想)5年前の卒業式終了後・校庭 ―
[証書を手にした8年生が三々五々に集まっており、別れを惜しむ後輩たちが各々囲んでいる毎年の風景。
春の陽光の中で輝く金砂色の長髪をなびかせた彼は、その中でもひときわ多くの(おそらく東寮生と思われる)後輩に囲まれ、応対に忙しそうである。
しばらく、その様子を眺めており、人の列が途切れたところで、軽く右手を挙げてみた。]
よっ。……すげーなぁ、人気者で。
――アリデ。
もう引き継ぎは済んだ筈だ。そちらの出立の準備は良いのか?
[振り返れば、腹心の女性部下が、聊か肩を怒らせたままに立っている。
何が言いたいのかは理解していたが、苦笑してそう答えると、彼女は猛烈な勢いで抗議しはじめた]
『何故ですか』
『何故、このような時期に、族長たる者がこんな危険な任務に』
『せめて、私もお連れください!』
――それは、もう何度も聞いたが。
俺が訪れるのが最も適任だと答えたはずだ。
それにお前まで連れては、今回の任務を報告し、国許を纏める者がいなくなる。
― (回想)5年前の卒業式終了後・校庭 ―
……ソマリ、卒業、おめでと。
寮長、おつかれサン。……あと、答辞も。
リエヴル先輩、どうしちまったんだろうなぁ……。
[リエヴル先輩が急きょ卒業式に欠席となり、突然ふってわいた答辞代打の役目をソマリが堂々とこなしていたのを思い出す。
でも、内心はアレ、相当慌てたんじゃねーのかなぁ…と予想すると、思わずクスッと笑いがこぼれてしまうのだが、]
[しかし、と更に続けようとする彼女を制し、首を振った]
何といわれようとも。
――お前には、マルグリットとメルヒオルを守る任務もある筈だ。
……メルヒオルはともかく、マルグリットに守り役が必要かどうかは疑問だが…、あれも、一応は俺の子を産んだ女だからな。警備をつけるのも義務というものだろう。
[苦笑し、国許に残る女と子の名前を告げる。
正式の婚儀を挙げたわけではない、鎖の国からの『ご下賜品』の女は、しかし1年前、男との間に一人の息子を産み落としていた]
― (回想)5年前の卒業式終了後・校庭 ―
今まで、いっぱい世話になったよなぁ……ほんと、ありがとう。
これ、たいしたもんじゃねーけど。俺からの卒業祝い。
[カークがポケットから取り出したのは、いつものいい匂いの紙袋……ではなく、
淡い金色の鎖と、それに連なる懐中時計だった。]
……ああ、そうだ。
[気づき、首元に下がる鎖に手を掛ける。
しゃらり、と音を立て、魔石の嵌められたペンダントを外した。
軽い調子で、ペンダントをアリデに投げ渡す]
――暫く、持っていてくれ。
鎖の国には知られないように。
何か俺の身に起これば、メルヒオルに渡るようにして欲しい。
[しばし、昔のルームメイトと会話を交わし、最後に別れの挨拶を述べる段になっても、カークの心はどこか遠くにあった。]
……元気で、な。
[彼とは、1年後に軍隊で会えるかもしれない。会えないかもしれない。
確率はそれぞれ1/2程度だろう。
そして、もし会えない場合、二度と会えない可能性が高く――**]
[アリデが、首領、と声をあげるのを、口元に指を当てて黙らせる]
……どちらにしろ、これは目立つ。向こうまで持っていく訳にも行くまい。
大丈夫だ。……俺には、これがある。
[左手の指輪を、ちらりと示す。
銀色の地金の表側に、ごく小さな
――裏には別の宝石が嵌められた、簡素だが、美しいものだ]
士官候補生 カーク が村を出ました。
……団を、頼んだぞ。
[アリデに微笑みかけ、その肩を、軽く叩いた。
――聊か口うるさい彼女は、しかし、団を率いる実力は自分以上に持っていると、日々男は実感している。
彼女に団を預ける事に、少しの不安も感じてはいなかった]
[やがて、出立の日は訪れる。
――南方の港から、懐かしい大陸への船出。
ゆらゆらと揺れる船の感覚は、揺り籠のように、ひどく愛おしい悪夢を呼び起こすものだった**]
結婚前には(ry
とか言ってた人が婚外子を産ませているのはいろんな心境や状況の変化があったわけですが
メル、という名前を持つ子供が欲しかったという理由もあるのかもしれない
公国軍中尉 カーク が見物人として参加しました。
公国軍中尉 カークは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
― フェーダ公国・駐屯地 ―
[フェーダ公国軍のとある駐屯地で、一枚の紙切れを持った男が部下たちが待機する場所へ早足で駆けていった。]
正式に命が出た。目的地――シュヴァルベ。
出発は15分後だ。第5補給部隊、全員、準備せよ。
[片手でひらりとオーダーが書かれた紙を振り、隊長として指示命令を出した。
今回の任務は、いつもの物資、軍用品を、最前線で戦う同志へ最速最善で届けること。]
――シュヴァルベ、か。
[学生時代を過ごしたかの地へ、このような状況で再び赴くことになろうとは。
開戦して以来、台所は完全に無縁の場所だった。
じっと左の掌を見れば、多数の擦り傷にまみれゴツゴツとしている。
かつては何ともいえないバターの芳香をまとっていた男からは、もはや弾薬と土埃の臭いしか漂ってこなかった。**]
/*
うおおおおwwwカークはお菓子を作っていないのか!!もったいねぇ もったいねぇ!
懐中時計か……むふふ。再登場の予感
そしてメル!!子持ちかーーー!!www
マルグリットわらた 羨ましすぎる!!!
すっげ気ィ強そうだよねあの娘
/*
今グラみたらそうでもなかった
挑発顔の印象が強いのか<まるぐりっと
地味にメルクーリオを連れて移動しているが
メルとは呼ばない(紛らわしいから!)
――およそ三年前:帝都公爵邸にて――
[シロウにつけた目付役から、軍務大臣と太子の暗殺を遂行したとの報せを受け。
一人、執務室で口の端を歪める。
既に公国内では騒ぎとなっていることだろう。
やがて、その報せは帝国にも届くはずだ。]
曲者であることにかわりはないが……、
使えるうちは使う、か。
[くすくすと、楽しげな笑みが零れる。
かつての恩師ではあるが、何を考えているかわからない人物でもあり、またその力は確かに有能でもある。]
オズワルドとヴェルナーに連絡を。
帰参するならば、それで良し。
まだ戻らず公国内にとどまるならば……
万事、任せる。好きに暴れろ――…と、な。
[身元が容易く割れるような者は、元より送り込んではいない。
配下達はリエヴルが公国の主力を削ぐことを第一に考えていることも、心得ている。
なればこそ、好きにやらせてみるのも面白そうだ、と。
それによりシロウがどう動くか。
それもまた、楽しみであった。*]
8人目、公国軍大佐 トール が参加しました。
公国軍大佐 トールは、恋天使 を希望しました(他の人には見えません)。
― フェーダ公国・自室 ―
『そろそろ出立のお時間です』
[こんこんと扉をノックする音。
続く部下の声に目を開ける。
少し目を瞑っただけなのに、どうやら転寝をしていたようだ]
――了解。今いく。
[扉の向こうの人物に声を掛け、椅子から立ち上がった]
[机の上に飾られた、
白猫の抱きついた砂時計に目をやった。
目を閉じる前にひっくり返した時計の砂は、
全部落ちきった後だった――]
― 回想・卒業してすぐの頃(シュヴァルベ) ―
[春。
西寮と東寮を隔てる中庭の大きな木に、満開の花が咲く頃。
西寮の出入り口の前で、在校生の挨拶を受けながら、
かつてのルームメイトを待ちぶせしていた。
卒業して出て行ったばかりで気が早い訪れだったが、
それでもどうしてもこなくてはいけない理由があったのだ]
リエヴル!
[やがて待ち人の姿を見つけると、大きく手を振って声を掛ける]
お前さぁ、ああいうのやめろよな。
荷物にこっそり餞別忍ばせるの。
もし気づかなかったら礼がいえないじゃないか。
……ありがとう。大事にするよ。
それで、これ。お礼のお礼。
何がいいかなぁって迷ったんだけど、
お前紅茶が好きだから、こういうのどうかなって思って。
[にこにこしながらリエヴルに小箱を差し出す。
箱の中には、柄に燕を象った銀のティースプーンが入っている]
ああ、えっと。
これを渡したいのももちろんだけどさ。
お前に逢いたいなって思って……。
俺、今日は時間あるけど、
お前も時間あるなら……遊びにいこうか。
[想い出は遠く、けれども色褪せることはなく]
9人目、青年 ノトカー が参加しました。
青年 ノトカーは、瘴狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 2年前 ロストルム帝国西部に近いとある街 ―
あ、その髪飾り――レッドスピネルのついた、花の形の。
うん、それ下さい。
[ ふと立ち寄った商店で見つけた、小さなアクセサリー。
婚約者の眼の色を思い起こさせるそれを店主から受け取り、
大事そうに胸に仕舞った。 ]
……婚約指輪と似た色だけど、ま、いいか。綺麗だし。
[ 広場の時計の針を気にしつつ、ふっと首を回して
フェルゼンベルクの方角の空を、眺めた。
西の果ては、夕焼けに燃えている。 ]
青年 ノトカー が村を出ました。
9人目、隻眼の軍人 ノトカー が参加しました。
隻眼の軍人 ノトカーは、瘴狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― かつて花の咲いていた場所(A村MAP:I) ―
[ かつてここは、花咲く草原だった。
見る影もなく荒廃した土地を少し歩けば、別れの泉が見えてくる。
200人あまりの歩兵が駐在するその場所の前線の位置に、
黒い眼帯に白いロングコートの軍服を着た、隻眼の青年。
胸に輝く幾つかの勲章を揺らしながら、やや小高い丘の上に来ると
左目を細めて遠くを眺めた。 ]
――懐かしいな。
[ 士官学校ですか、と話しかけてくる部下に笑いかける。
もとい、片側だけ出ている目は笑っていなかった。 ]
ああ…。
でも、ここからは見えないね。……何も。
[ そうぽつりと呟くと、しばらくは荒廃した地を眺めていた。 ]
我ながら未練……がましい、な。
[1年後の卒業式。
その場にリエヴルはいなく、
やがて耳に届いたのは帝国の名門トゥーレーヌ公爵家を
リエヴルという名の青年がついだこと。
ただ単に同じ名前かも知れないと思いながら、
情報を得るのが難しい帝国内の事情を、人を遣って探って。
容貌、体つきなどの情報から、
ルームメイトと同一人物だとの確証を得る。
手に残されたのは、
卒業式の日に渡すつもりでいた、シンプルな白金の指輪]
[ ふと、胸の一番高いところにつけた勲章が光りを放ち、
かすかな通信音が聴こえた。
――勲章と見せかけた通信用魔法石である”それ”に
手をあて、静かに返答をする。 ]
――ラムスドルフです。
はぁ、護衛…ですか。
では第4中隊が到着してから、軍務省まで一旦戻ります。
[ 通信に使われたエメラルドの魔法石が陰りを帯び、
ただの勲章に戻る。 ]
/*
ダメ、だ。
先輩の姿を見ただけで、こう……こう……(ぶわわっ
落ち着こうぜリエヴル。
ログ書いてたら、泣きそうになるじゃないか……ばかー。うわーん。
魔法石。
――軍の命を受け、父が密かに開発していた技術…
魔法石を使った通信機。
魔法石を使った魔法弾。
これらが存在しなければ、あの事件は起こらなかったのかも
しれない。
あの、公国の男――妹の家庭教師であり後の夫。
歩けない妹と父と母を、残忍な方法で殺した男。
あいつはまだ、公国の何処かで生きているのだろうか。
父の開発した技術をどこまで持ち帰ったのだろう。
― 少し前の帝都・リエヴルさんち ―
よー。
シュヴァルベ行くんだって?
[ノックどころか、扉を開けることもなく。いつの間にか部屋に入り込んでいた男が、元教え子に声をかける]
護衛の手は必要ねえか?
優秀な暗殺者は、他の暗殺者の手口も知っている分、護衛にも役立つぜ?
[3年の間で、数え切れないほどの命を手にかけてきた男は。かつての明るい笑みを浮かべる事はなくなった。
その申し出への返答がどうであれ、特に帝都内で暗殺の仕事を与えられる事がなければ、シュヴァルベ付近には向かうつもりでいる**]
魔法石が…、魔法石さえなければ
こんな事にはならなかったのか…!?
[ 義兄となる予定だった人に、やり場のない怒りをぶつけて。
その場で泣き崩れた。いや、濡れていたのは雨のせいか。 ]
それとも戦争が悪いのか……、
どうすれば終わるんだ!こんな…こんな戦争。
何年か前まで俺たち、シュヴァルベでみんな笑ってたのに。
こんな事…!!
[ 墓標の前だったか。みっともなく取り乱した、雨の日。 ]
[ あれから何年か経った。
景色も情勢も変わる。人も変わる。
更に背の伸びた青年の表情からは笑顔が消え、
彼の率いる部隊が通った後には死体の山が
まるで赤い絨毯のように続いていたという――。** ]
公爵 リエヴル が村を出ました。
9人目、士官候補生 リエヴル が参加しました。
士官候補生 リエヴルは、首無騎士 を希望しました(他の人には見えません)。
――六年前の春――
[一人の部屋で眠って知ったのは、それまで“当然”のように居てくれた存在の、大きさ。
眠れずに寝返りを打っても、かかる声はなく。
結局布団を抜け出して紅茶を飲んでいても、咎める者もいない。
いつもと同じはずなのに。
一人で飲む紅茶は、どこか味気なく。
――――飲み進めるうちに、少し、塩気が混じった。]
[最上級生として。生徒会長として。
そして、彼の後を継ぐ寮長として。
自らを律しなければと思うのに。
心が、彼を求めてしまう。
せめて、人前ではこんな姿を見せぬようにと自らを戒めながらも。
結局は、朝方に浅い微睡みに身を委ねるのみ。
“彼”の居ない生活には、当分慣れることも出来そうになかった。]
あの、俺――…、
[いつもの冷静さはどこへやら。
うまく、言葉を紡ぐことすら出来ない。
差し出された小箱を受け取ろうと手を重ねた瞬間。
その温かさに、じんわりと視界が歪んだ。]
[応える声も、途切れがちに。
僅かに肩を震わせる。
遊びに行こうという言葉>>73に、こくこくと頷きながら。
その姿を人目から隠すように。
軽く促すように、トールの服を左手で引いた。]
士官候補生 リエヴル が村を出ました。
9人目、帝国軍准将 リエヴル が参加しました。
帝国軍准将 リエヴルは、首無騎士 を希望しました(他の人には見えません)。
――少し前:帝都にて――
[目を閉じれば、今でもあの頃のことが蘇る。
平和で、幸せで――……そして、温かかった。
あんな温もりは、他に知らない。
あれほど心安らげる場など、他になかった。
その、思い出の場に――……これから、戦う為に赴くのだ。]
――――…皆の命、このトゥーレーヌが預かる。
全ては、我がロストルム帝国の繁栄の為に。
この戦にて、公国の歴史に終止符を打つ。
――――――――――……行くぞ。
[共に発つ兵士達に、そう声をかけ。
黒毛の馬に優雅に跨がれば、傍らの男に声をかけた。]
……こんな形でシュヴァルベに赴くことになろうとは。
懐かしくもありますが……複雑なものですね。教官。
[突然現れたシロウ>>80に、苦笑いを零したのはほんの数日前のこと。
この男相手では、屋敷の警備がどうなどとは言っていられない。]
護衛、ですか。
戦力として共に来ていただけるならば、助かります。
優秀な暗殺者に寝首を掻かれないよう、常に目の届くところに
居ていただくというのも、一つの手ですし。
[くすくすと笑いながら、かつての恩師の申し出に応じたものである。
こちらは、あの頃よりも笑顔は多くなった。
――…無論、その笑顔の中身は、比べるべくもない。]
[出立の時を迎え、馬上に揺られながら。
唇から零れるのは、他の兵には聞こえぬほどの小さな声。]
あの場は、両国にとっては平和の象徴だった。
そして、俺にとっても――――……
――――……大事な、拠り所だったんだ……。
[胸に抱くは、その場を赤く染め上げる決意。
苦渋に唇を噛みしめながらも。
前を見据える琥珀色の瞳には、鋭い光が宿っていた。**]
何となくだけど最終日ってリエヴルvsトールで戦闘ログ&桃ログわかめ地獄な予感がry
というわけで瘴狼だぜー
今んとこカサンドラ先生に打つつもりなんだけど、俺とかジェフロイ(どっちも帝国)と敵対したいって言ってたから、陣営変わんないかもだよねー。まだちょっと迷い中。
ノトカー的には勿論、帝国側についてくれる人を誘いたいw
/*
そして気付いたら先輩のおじいさまを俺が暗殺指令出したような展開になっているよね。フッ……。
なんという……。(ごろごろ
/*
っていうか、落ち着いてログが書けてないな、俺!
状況省きすぎだwwww
よし、落ち着こう。落ち着くんだ。
にゃー、もう先輩の発言見るだけで落ち着かないんだってばばかー!!!
10人目、竜騎兵連隊長 ディーク が参加しました。
竜騎兵連隊長 ディークは、狙撃手 を希望しました(他の人には見えません)。
― 公国前進拠点より、南西 ―
[荒涼たる砂塵舞う中を、乾いた風が吹き抜けていく。
男は馬上から遥か西を見遣り、琥珀の双眸を細めた。
そのままぐるりと、視線を南の彼方へと巡らせる。
目に映る荒れた景色は既に見慣れたもの、
けれどのこの景色が懐かしき記憶に重なることはない]
やあっぱ、見えねえよなあ……。
[幾ら目を凝らせど映るのは、ただの砂塵…いや。
黒く蹲る影と見える、あれは焼け荒れた後の家の残骸か。
目に探したのは美しき海、それは幻のように遥かに遠く映ることなく]
…。いや、なんでもねえよ。
流石に帝国さんも、いねえみたいだし、
[部下に声を掛けられ、表情と顔を彼へと戻した。
遠く記憶に映していたのは、
かつて士官学校仲間と出かけ遊んだ南の砂浜。
今は子どもとて、そこで泳ぎ遊ぶ者はいないであろう]
───行くか。
[馬首を巡らせ戻り行く。
携えた銃と剣が触れ合い、微かな金属音がかちと響く。
男が率いるのは、フェーダ公国竜騎兵連隊である。
最初に配属された実戦より遠い近衛から、射撃の腕を買われ、竜騎兵───すなわち剣と希少なる火薬銃を用い、騎馬で戦場を駆ける部隊に移ってからもう三年近く。
命を受け、明日には最前線たるシュヴァルベへと赴く。
かつての学び舎も、今はもう記憶の中にあるだけのはずだった*]
― 回想 ―
[士官学校を卒業後、ディークは本来の姓名をもってフェーダ公国軍士官に着任した。
彼の本来の名は、ディーク・フォン・ベルンシュタイン。
ベルンシュタイン侯爵家の名は古くからあり、
フェーダ公家にも縁連ねる名家としてその名を知られている。
ディークはその家の三男坊であった。
三男坊という気楽さもあり、年の離れた末っ子でもあり、
家からは随分と自由な振る舞いを容認されてきていた]
[卒業当初、ディークが配属されたのは近衛隊である。
未だ平和の気配が揺らぎを見せていなかった六年前、
近衛は主に儀礼と首都の治安維持を任務の主としていた。
士官学校卒業後、彼がシュヴァルベへと赴いたことはない。
ただ時折、市街地のある家へと荷物を送った。
差し出し住所の分からないようされた荷には、
ただ「ディーク・ルーデン」と、差出人の名が記されている。
中身は焼き菓子である。
ディークが部屋でのみ良く食べていた田舎風の焼き菓子は、そのまま、元同室者のベリアン・アリーへと届けられ続けた。
荷にはたまに、石やら妙な雑貨が混じる。
何となくディークが見つけたもので、菓子の合間に入れられてある。
大した手紙も添えられない届けものは、
ベリアンの卒業まで2年間きっちりと続けられた]
[公国で軍人となって暫くのこと、あるひとつの再会があった。
再会は軍ではなく、兄を通じてのたまたまである。
士官としてというよりは交友のある家同士の一員として、最近士官学校を卒業してきたばかりというトライブクラフト伯爵家の三男坊を紹介されたのだった。
再会は無論、一定確立であることである。
だからそれ自体は驚きにあたることではない。
ディークが叫んだのはむしろ、彼の本来の名と、
それの示す過去に記憶が行きあったからであった]
ああ、いや。すまん。
久しぶり…っていうか、ここじゃ”本当に”久しぶりだよなあ。
[実は彼とは、士官学校に入るよりずっと前に一度だけ、家同士の集いで顔を合わせたことがある。
お互いがまだ小さかった頃の記憶だ。
ベルンシュタイン侯爵家で、二人の少年は会ったことがある。
人見知りだったディーク少年は、年下の少年と殆ど言葉を交わさなかったはずだから、ステファンの記憶に残ってなくとも無理はない。
そして残念ながらディーク自身も、在学中にステファンを遠い昔の彼と認識することがなかった。
残念…いや。幸いにもというべきだろうか。
青年たちは互いの出自も国も知らず、だからこそ、かの士官学校は平和な聖地でいられたのだから]
改めて、ディーク・フォン・ベルンシュタインだ。
難しいことは兄貴に任せる三男坊。揃いだな。
ってことで、また宜しく。
[笑顔で再会の挨拶を交わし、手を差し出す]
[………これより後、トライブクラフト伯爵の暗殺未遂事件が勃発した際、ディークは任務で地方に赴いていた。
その際にベルンシュタイン侯爵家の次男坊、ディークの9歳上の兄がたまたまトライブクラフト伯の馬車に便乗しており、共に怪我を負うことになるのだが]
…またお前のお茶を飲ませて欲しいなあ。
[その時は未来を知る由もなく、暢気に願いを口した。
当時、既に両国の緊張は徐々に高まり始めている。
それでも平和を維持しようとの努力もまた、続けられている。
彼も自分も、そんな家の人間の一員だった。
笑顔で挨拶を交わす。握り返す手は、温かかった──**]
11人目、帝国軍大尉 カレル が参加しました。
帝国軍大尉 カレルは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
─ 4年前/卒業パーティーのあと ─
[大勢の候補生たちで賑わっていたパーティー会場も、今は人もまばらだった。
中央に置かれたケーキの名残と、隅に片づけられた花火の燃えかすが寂しさを増している。
来年は、誰かケーキを焼くだろうか。誰かが花火を打ち上げるだろうか。
思いは募れども、もう、自分はここにはいられないのだ。]
なあ、レト───
[近づいてきた気配の方へ、顔を向ける。
8年という時間、最大のライバルで在り続けた友を、見る。]
俺さ。
卒業したら、戦地に行くのが決まってるんだ。
もしかしたら死ぬかもしれないし、
そもそも国が違ったらずっと逢えなくなるだろうから───
[カレルの卒業に遡ること1年。
トゥーレーヌ侯爵家に新しい当主が立ったという報は、
帝国上流社会を賑わせた。
侯爵家が年若き当主を戴くことを
対立する者たちは大いに歓迎する。
その中に、ブラオクヴェレ家の支援者たちも含まれていた。
彼らは侯爵家の新当主を未だ無知な孺子と侮り、
ここぞとばかりに追い落としを企てた。
だが彼らの目論見は外れ、企てはことごとく潰える。
加担した者たちは次々と閑職に追いやられた。
ブラオクヴェレ家自身は企てに加わわらなかったが、
支援者たちが凋落した影響を免れ得なかった。
結果、その一人息子は辺境の戦地を渡り歩くこととなる。
公国との戦端が開かれれば、当然のように最前線へと赴いた。
武勲を立て、帝国に忠心を示し、政界に野心無しと見せる。
全ては、"家"のため。]
─ 帝国軍拠点 ─
[回想から心を引き戻し、近づいてくる土煙を待ち受ける。]
武門の名家に相応しい功績を。
当主を継ぐに相応しい力量を示して、 …。
… 名家の義務から、逃げないこと。
[呪文のように口にするのは、母たる女男爵に言い聞かされた言葉。
それと、自分を律してきた文言。
近づくものたちの顔が判別できるほどの距離になれば
呟きをやめ、直立不動で敬礼した。]
お待ちしておりました閣下。
カレル・フォン・ブラオクヴェレ大尉及び部隊一同、
これより閣下の麾下に合流いたします。
[かつての政敵に膝を折って恭順を示すこと。
でも、もし 。
母親が呑み込んだ言葉を同様に呑み込んで、唇を引き結んだ**]
/*
階級なやむ。
けどまーーー、揃えておくのが楽かもしらんね!
楽さでこのまま決めてしまいそうである。
思っていたより上だったけどw
――爵位継承後――
[爵位を継いだ後、暫くは政敵との戦いばかりだった。
間接的な攻撃ばかりではない。
時には生命に関わるような事態まであった。
だが――…どれも幼い頃から慣れたことでもあった。
命を狙われることも、その地位を脅かされることも。
さながら、それは士官学校入学当初のようで。
気付けば、自らの力をもって周囲を押さえ込んでいた。
穏便に過ごすなど、出来るはずもない。
変わること無い自らの性格に、内心苦笑いを浮かべながらも。]
[自分に刃向かった政敵に対し、容赦することは一切なかった。
武人として。そして、公爵家の当主として。
生来の負けず嫌いを別としても、厳しい対処を取った。
それ故に、爵位継承後ほどなくして、名実共に怖れられることとなる。
トゥーレーヌの跡取りは、ただの若造ではない――――と。]
――帝国軍拠点――
[リエヴル率いるは、ロストルム帝国の独立混成第四旅団。
歩兵連隊を中心とする他隊に先んじて、騎兵中隊を率いてシュヴァルベへと。
馬群のあげる土煙の向こうに出迎えの兵が見えれば、馬上でゆっくりと頷いた。
目を凝らし、その姿に懐かしさを覚えれば、表情が綻ぶ。]
教官。かわいい教え子がおりますよ。
[シロウが傍らにいれば、そう声をかけ。
直立不動で敬礼をするカレルの元へと、馬を進めた。]
久しいな、ブラオクヴェレ大尉。
貴公が傘下に加わってくれるとあれば、これほど頼もしいことはない。
よろしく頼む。
[馬上から、そう鷹揚に声をかけながらも。
馬をおりれば、微かに笑顔を浮かべた。]
……シロウ教官のみならず、貴公まで一緒とは。
後で、久々に紅茶でもいれよう。
[政敵に容赦なく対処してきたとはいえ、ブラオクヴェレ家は直接刃向かったものではない。
関係者が刃向かっただけでこうなるのだという、一種見せしめのような厳しい対応でもあった。
カレル個人は知己でもあり、その家に対しても強い思いを抱くものではない。
ひとえに、政治的な判断であった。
…………無論、相手にとってはそのように割り切れぬことも、わかってはいるつもりだが。
もし自身に恨みを向けるなら、それはそれ。
いつでもかかってこい、と笑うのみ。*]
― シュヴァルベ・前線某所 ―
[偵察任務は徐々に地形探査から捜索、索敵へと移行していった。
部隊による威力偵察と並行して、少人数での隠密偵察も行われ続けている。
男は自ら志願して、そちらに配置されていた。
上も、集団行動より単独任務が向いていると知っているのだろう。
敵を隠れてやり過ごす。発見されても逃げる。
それを繰り返して、……幾度めか。
前方を動く人影に気づき、そっと身を隠した耳に、
――……ある単語が滑りこんだ]
―――……。
[ごく僅かな。確かに、耳が拾い上げた言葉に。
危うく声をあげそうになった。
独り言めいたそれ。独特の発音と抑揚。忘れるはずがない。
発した声に聞き覚えはなかった。
ゆるり、と腰をあげる。
風下はこちらで、だからこそ声が流れてきたのだろう。
じりじりと近づいて、相手の意識が逸れるのを待つ]
―――…パァン!
[前方で、軽くて高い音がした。弱性の魔法弾か。
考える暇もなく身体は滑らかに動き。相手の背後を―――…]
……さっき、クロイツと言っていたな。
お前の指揮官の名は何という。
[――腕を強く捻りあげ、端的に問う。
沈黙と荒い呼吸音のみが返り、小さく舌打ちする]
何の目的でうろついていたか吐け。
吐けないならなら、死ね。
[滑らかな刃先を喉元に突き付け、低い声で再度問う。
拘束する際に、後頭部を短剣の柄で強かに打っている。
暫くはろくに、身動きが取れない筈だった]
―――……。
[黙り込んだ男の前で。
ぽつり、とある名前を口にする。
声も漏れず表情が変わりもしなかったが。
――…男の瞳孔が、僅かに開くのを見た]
[扉を出る前にもう一度ぐるりと部屋を見回す。
部屋の中はきちんと整理されていた。
卒業式の日に後輩や教官たちからもらった、
根付やリボンの花やブックマーカーや組紐は、
すべて机の上の箱にまとめて収めていた。
日記帳は机の中に。
文庫は挿絵を見るのが辛くて、開戦が決まった日に焼き捨てた。
身に付けるものは製造ナンバーが入ったタイピンと、
柄頭を飾る、
それから――]
――……いるんだな、ここに。
[低く、囁くと。
男は渾身の力でもがき、拘束から逃れようと暴れ始めた。
捻りあげた腕を強く引き寄せ、鳩尾に膝蹴りを叩き込む]
(……ッ、……)
[呻き声。止まった呼吸。
体勢を整えるために地を踏む足を読み、払う。
反撃は十分に封じられる。むしろ、やりすぎないかが心配だった。
―――…しかし]
[引いたはずのナイフが。滑らかに。
男の喉元に吸い込まれてゆくのが目に入った。
意図を察知したが、――……間に合わない]
― 帝国首都 軍務省にて ―
[隻眼の英雄ラムスドルフを呼んである、と将官に言われれば、畏まり]
ありがとうございます。
閣下らの願いに沿うよう、最善を尽くします。
[そして暫く後に――久方振りの、再会をする]
[最後にノトカーと直接言葉を交わしたのは、彼が家族を送った日のこと――]
― 回想・雨の日 ―
[墓の前で取り乱すノトカーの姿。
正論はいくらでもいえる。
でも、……その正論が、何の慰めにもならないということを、経験で知っている]
[せめて彼が濡れぬよう、傘を掲げた。
その内側に降る、暖かい雨に、かける傘はなかった。]
[参列者らは囁く。
― 公国の男が ―
― 研究成果が目当て ―
その一つ一つが毒のようであれども、それで蝕まれる程度なら、今ここに参列することすらもできなかっただろう]
[吹きあがる血飛沫に眉を顰め、
……それが正確に命を削ぎ落したのを確認すると、
突き飛ばすように身体を離す]
――……ッ、ちっ。
[ひどく大きな手掛かりを取り落としたような、直感。
零れ落ちる命と共に、地へと消えてゆく]
[だが、それ以上に。
友人の、死が。
自分の代わりに、幸せにと願っていた、大の友人の死が。
重たい泥のように細い身に圧し掛かる]
[参列者がまたひとり、ひとりと弔問を負え姿を消す。
翳った日が落ちても、未だ墓の前にいるノトカーに、声をかけた]
ノトカー。帰ろう、家に。
風邪を引くぞ。
[どれほど気丈に振舞おうとしても、声帯は言うことをきかなかった]
/*
ねちねちした尋問シーンは俺得でしかないので
やめておきました……
勝手に手勢を殺す俺
NPCで!ひとつ!
名前があるかはわからない
……くそ。
死ぬなら、喋ってから死ねよ。
[そう吐き捨てつつ、外套の襟元に手をかけ、覗き込む。
避けはしたが、襟元から肩口にかけて、蒼い布が深い色に染まっていた。
顔を顰めつつ、首に巻かれていた外套を引き下ろそうとして。
首にかけた鎖に指が引っかかり、それを千切りそうになる。
息を飲み、慌てて手を止め―――…]
……深い色の方が、似合うな。
[ぽつり、と呟いた。
鎖に通してある小さな指輪。柔らかい銀色の輝きが、
血に染まった藍によく映えていた。
それをつまむと、邪魔にならないように後ろに向けて放った。
鎖はくるりと首に巻き付き、襟元から背へと滑り込む]
[遺体を調べても、男の衣服や外見からは、
身元が判別できるようなものは出てこなかった。
……逆に不自然に思え、口に手をあてて考え込む]
………ん?
[伏した男の手に触れた時、何か違和感を感じた。
なめされた皮を丁寧に探ると、硬い、コインのようなものが縫い付けられていた]
―――……何だ、これ。
[暗くて良く見えない。
とりあえずポケットにそれを突っ込む。
明るい場所に戻ってから、検分するつもりだった]
[遺体を目立たない位置まで運ぶと。
ゆるりと空を仰ぐ。そこにあるはずの空は暗く、何も見えない]
――……メル。
ここで、何をしている……?
[誰にともなく、呟いた*]
/*
とりあえず来ている事を察知。
色々と謎の行動は(゚ε゚)キニシナイ
ピコーン!来ているな!くらいのハイパーな勘
― 軍務省 ―
[隻眼の軍人が会議室に姿を現せば。
将官から、此度の軍事作戦についての簡単な説明がなされる。
シュヴァルベを東西に分かつ、水運の要。河川。
渡河こそが攻略の第一歩という基本戦略について簡単な作戦説明がなされ――]
『此度、帝国軍事技術局の開発した戦略兵器にて、公国軍に奇襲をかける。
狙いは相手の兵站と伝令にある』
[えらいさんの視線が自分に向くのを察し、踵を鳴らして姿勢を正し、敬礼する]
戦略兵器・コードネーム・フラウの開発責任者のレイヴンウッド技術局主席代理です。
猛将と名高い貴方に護衛していただけるとは大変在り難い。
シュヴァルベまで、貴官に私の命を預けましょう。
[スラスラと、空の台本を読み上げる。
嘗ての青年の、面影は―― 今も鮮やかな緑の髪くらいしか、見つけることができなかったのは
自分の目が曇ったのか それとも、月日がそうさせたのか。カサンドラには解らない*]
12人目、帝国軍少佐 ウェルシュ が参加しました。
帝国軍少佐 ウェルシュは、瘴狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 前線某所 ―
[静かに足元を見下ろしている]
[倒れているのは20歳前と思われる少年]
[金の髪は緋色に染まっている]
[浮かんでいるのは淡い笑みのような表情]
― 回想・数日前 ―
これは?
[ソファに凭れて足を組んで、目の前の男と対峙している。
テーブルの上に置かれているのは、
1対のローズクオーツの石――魔法石。
問い質すとギリアンと名乗る大男は、
その魔法石のもたらす効果について語りはじめた。
曰く、この魔法石が光る時、
直径にして20〜25キロ先の相手と顔を合わせないまま
通信をすることが可能だという。
これから赴くことになるシュヴァルベであれば、届くであろう範囲。
その説明だけでは真偽のほどはわからない。
念の為にギリアンを少し離れた部屋に移動させて使用したところ、
彼の説明は正しく、会話をすることが出来た]
[再び彼を呼び寄せて、対面で座り]
ふん。私がシュヴァルべに赴任することを知っていて持ち込んだのか。
まあいい。だが……我が公国にはこんな技術はないはず。
魔石の扱いなら帝国の専門分野だな。
……盗んできたか?
[口の端をあげて問うと、
ギリアンも同じような表情をして質問に肯定を返す]
わかった。少し待ってろ。
[そうギリアンに告げて、人を呼んで暫くの後。
ギリアンの前に決して少なくない金貨の山が置かれた]
[望みの物を得て満足げに帰るギリアンを見送る。
この地で再会の叶わなかった
その妹を含めた彼の家族が、銃弾に斃れたことも知らずに]
ヴァンガード3期は「ヴァンガード甲子園」というものに主人公が出場したのだが、
2校と戦っておわた
というスピーディな展開(ちなみに地方予選決勝まで行った)
しかしテンポがよくて非常に受けがいいのです
/*
せっかくなのでノトカーの設定を拾ったのだが、きちんと使いこなせるかが心配。
あ、桃ログなのでね!ピンクの石を。愛の石だしねwww
/*
ああ、アンダーザローズ文庫はもらった時から、敵対した瞬間に焼き捨てる気満々でした!!!
(だから手元に残したんだね)
/*
あとは……お家事情だね。
設定めっちゃ苦手で普段書かないあまりに、お前は今突然現れた人間かーーーー!とセルフ突っ込みしたくなるのですが、今回はがんば……れればいいな。
(既に諦め気味)
13人目、仕官候補生 ソマリ が参加しました。
仕官候補生 ソマリは、死神 を希望しました(他の人には見えません)。
公国軍少尉 ステファン が見物人として参加しました。
公国軍少尉 ステファンは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
でも、忘れないで欲しい。
この学校で学んだことを。この学校で、この土地で、出会った人々のことを。
僕らのみんながそうすればきっと、未来は良いものになる筈だよ。
[眇めて見回すのは、主に西寮の卒業生が集まっている一角だ。
世話になった西寮長に、別れを述べたかった後輩は多くいる。
誰も何も口にしてはいないが…――
ふっと落ちる沈黙に、物寂しげな想いが滲んでいる]
最後の仕事は答辞だけじゃねェんだぞ、…阿呆が。
[こればかりは代役など居ないのだから]
―公国首都・国立病院―
[病棟の個室。
ベッドにはひとりの青年が横たわっている。
窓から吹き込んだ風が金蜜色の前髪を揺らしても、瞼は固く閉じられたまま]
『あら、あら』
[上品な初老の婦人が、そっと手を伸ばして青年の乱れた前髪を整える。
その手で彼の額に触れ、頬を撫でた。
何度も、何度も、撫でていた]
『……ステファン』
[婦人の隣で、恰幅の良い初老の紳士が、青年に呼びかけた]
[青年は公国の軍士官、ステファン・フォン・トライブクラフト少尉。
病室を訪れているのは彼の両親。
すなわち、公国の外務大臣であるトライブクラフト伯爵と、その夫人]
『……彼らの狙いは、私だったのに』
[息子を慈しむ父の表情の下から、抑えきれなくなった沈痛の面持ちが現れる]
『なぜ、おまえがこんな目に……』
[数日前に起こった、外務大臣を狙った暗殺未遂事件。
幸いにして、トライブクラフト伯は軽傷を負うにとどまった。
馬車に同乗していて事件に巻き込まれた、ベルンシュタイン侯爵の子息も軽傷。
しかし、父である伯爵を庇った三男・ステファンは深手を負い――未だ意識が戻らない]
[犠牲となったのは、士官学校を出て数年、とびきり優れた軍人であるわけでもない若者。
救われたのは、国の要職にある人物。
社会的にはそれで良かったのだとしても]
『……なあ、家に帰ったら、また珈琲を淹れてくれると約束しただろう。
母さんは、おまえの紅茶が好きだって……』
[息子の頬を撫で続けている妻の肩を抱く。
末の息子を身代わりにしてしまった父親の心が、安らかであろうはずがなかった]
[外務大臣・トライブクラフト伯爵は、和平推進派として知られる人物である。
帝国との戦争状態となった今も、国内の同調者をまとめ、講和の道を模索している。
理想を同じくするベルンシュタイン侯爵とは、以前から深い親交があった]
―三年前―
[ベルンシュタイン侯爵の末息子、と言われても、誰のことだかわからない。
幼い頃に一度会っているそうなのだが、全く記憶にない。
だが、士官学校の3期先輩ということと、ファーストネームを聞かされれば、すぐにひとりの人物が思い浮かんでいた]
ディーク先輩!
[だから、再会した時には、さして驚きはしなかった。
ただ、懐かしく、嬉しかった>>101>>102>>103]
[そうして、入れ違いに取り出した蒼い石の首飾りを
カークの手のひらに置いた]
―――代わりにさ。 これ、やるよ。
[去年の春休み、採掘場の土産物屋で購入したものだ。
魔石を模した蒼い石が、革紐に結ばれた簡素な代物。
この1年、なんとなく常に身につけていたのを
カークも知っているかもしれない]
ステファン・フォン・トライブクラフトです。
改めまして、これからもよろしくお願いしますね。
[大人の雰囲気と、軍人らしい凛々しさは増したものの、
親しげな口調と笑顔は、記憶にある「ディーク先輩」のままだった>>104]
……変わってませんね。
はい、よかったら、近々うちのお茶会にも来て下さい。
[かつてのような学生同士の気楽な付き合いではなく、互いに貴族の一員としての社交となる。
まして当時の情勢では、和平を目指す者同士の結びつきは、重要な意味合いを持っていた。
伯爵家の若い三男坊も、それはよく理解していて――それでもやはり、またこうして話せることが単純に嬉しくて、昔のままの笑顔で、差し出された手をしっかりと握り返した>>106]
お守り。
(…に、なるといい)
[気休めにすらならないけれど。それでも。
これから敵同士になるかもしれないけれど。…それでも]
…――おまえも元気で、な。
[今だけはまだ、祈ることを許されている筈だから**]
仕官候補生 ソマリ が村を出ました。
― 帝国首都 軍務省にて ―
[ 奥の部屋へと通されてその場に赴けば。>>137
遠目にでも分かる明るい飼葉色の髪――、懐かしい人の姿が
エメラルドの右眼に映った。
何年ぶりの再会になるだろうか。
驚く事はせず、一礼をして将官の話に耳を傾ける。
――戦略兵器・コードネーム・フラウ。
――シュヴァルベに、行くのか。
――あの学び舎の在った場所へ……。
今や波風の立つことも少なくなった、静かな心の水面が
そよりと細やかに揺れた。
だが感情を顔に表すことはせず、あくまで淡々と。 ]
第1中隊長を務めるノトカー・ラムスドルフです。
これより、レイヴンウッド技術局主席代理の護衛任務に
就かせていただきます。
[ 姿勢を正し、”レイヴンウッド技術局主席代理”へと敬礼を返す。
視線の位置の低さに、年月を感じる。
敬礼のままで自分を見上げる、茜色の瞳。>>138
――彼女はこんなに小柄だったのだろうか。
命を預ける、という台詞には自分の言葉で返した。 ]
貴方の命は全力でお護りします。
[ 任務の為かは分からないが、唯一、力の篭った言葉だった。 ]
13人目、斥候部隊長 ソマリ が参加しました。
斥候部隊長 ソマリは、死神 を希望しました(他の人には見えません)。
―シュヴァルベ・帝国前進拠点より北西―
(敵の数、3……いや、右奥の木陰―――、計4)
[息を殺して視線を凝らす。
姿勢を低くし、背の高い草叢に長身を埋める。
土の匂いが近い。乾いた埃。誰かが息を飲む音。
空を舞う黒鳥が、地上を嘲笑うような甲高い声をあげた]
………、
[公国兵の探るような摺り足が、一歩。…また一歩。
まだ此方には気づいていない。
今は偵察任務だ。だから気づかぬようなら、此の侭――…]
[が、その時硝煙が上がった。
パァン。貴重な火薬が消費される音>>38
あの場所は、――…初陣の新兵だ。
シュヴァルベ最後の卒業生だと言って、緊張を全身に被っていた。
…いまにも暴発しそうな程に]
α班、β班。左右から回り込んで目標を殲滅。
深追いは無用。増援があるようなら即座に撤退しろ。
阿呆の新兵は囮に。
本人の運が良きゃ、生きてるだァろ。
[この程度の事態は折込済みだ。
だから躊躇なく命を下し、自分も走る。
…戦争経験の無い新兵。
それすらリスク覚悟で使わなければならない程
両国の損傷は大きく、
また戦の終わりも底なし沼のように果てしなかった*]
[以前はもっと違う笑い方も出来ていた気がする]
[美しい花が咲き、友とさえずりあった頃は]
[けれどそれを自らの手で壊してしまった今]
[表情を作らず人前に立つ事のなくなった今]
[どんな顔をしていたか自分ではもう思い出せない]
……准将も、もうお着きの頃か?
[少年から視線を外して空を見上げる。
指揮下の特務に自ら混ざって前線へと赴き、迎えには出なかったことは彼の人にどんな感想を齎すだろうか。
だが実績があるなら目立つような公私混同をする人ではないはず。
ならば考えても詮無いことと、首を振って踵を返した]
― 前線某所 ―
/*
wwwwwww上司がおるwwww<ソマリ
あははwww実はそうなるといいなと思ってたんだwwwwノー相談で同じあたりにいてくれてうれしすwwww
― 帝都より最前線へ ―
[>>157 その言葉には偽りなく――
帝国の奥深くまで公国軍の特殊部隊や工作員が入りこんでいるなどという噂などもあったが、その危機に晒されることなく。旅程は恙無く進行していた]
[馬車が街道に列を成す。そして、護衛の兵士らも。
しかし、寸分の隙もないとはいいきれなかった。
カサンドラは士官用馬車から、外を観察する。
春の訪れを感じる日差しであるにもかかわらず――
田園地帯に、人の手がはいった形跡があまりない]
すっかり寂れたものだ。
このまま事態が推移すれば今年の冬はパンあたりは配給制になるやもしれないな。
[話すべきことは、他にあるだろう。
だが――、ノトカーの前で、魔器のことを口にするのはやはり憚られた]
/*
あーーしかしメルかっこよす
どうすりゃいいんだこれ このときめき
アリデは草原の民なので、部下になってて嬉しかった!!ぎゃああ
マルグリットのモデルがカテジナさんだなんて言えない言えない
とりあえず、なんというか。
部下を殺害しながら、メルにヘイカモン!的なメッセージ。返答はなくてもかまわない。
しかしどうすっかな。カーク見つけに動くか。
ソマリをつつくのもいい。
[互いに軍人の身、頻繁にと言うわけにはいかなかったが、ディークとはその後も時折会って話をしたり、遊びに行くこともあった。
士官学校の他の卒業生とも、幾人かは会ったり、消息を聞くことができた。
学生時代に親しくしていた中で、行方がわからない人々も大勢いる。
帝国の出身だったのか、あるいは軍に仕官せず、他の道を選んだのか。
シュヴァルベという地、士官学校という場所での出会いの行く先はそうなのだと、知っていた。
それでも、いつかきっと会えると信じていた。
公国と帝国の平和が続けば、互いがもっと自由に行き来できるようになると、
――信じていた**]
/*
改めて、後半戦よろしくお願い致します!
またもや頭っから迷走しかけてますが。
がんばり、ます!
ちなみに、一から上がり直してきた&爵位下になってしまってるぽいカレルよりは上だろうとこの肩書きにしてみましたが。
設定あれこれ含めてちぐはぐしそうな気配ですよね。
そして、とても、混ざるのが、下手でした。
下手に時間軸確定しそうな描写入れなければ良かったな…。
ダーフィトの空が暗いとか、見落としてたのです。
―回想―
(――…た、の?)
(俺の、一番、……な)
[……船上の、時に荒々しい――
時に緩やかな揺れの合間に、
途切れ途切れの夢が、入り込む。
最初は、……そう、あの日だ。]
『卒業おめでとう、ダーフィ。
――そして、これからも、宜しく。』
[互いに正装を纏い、手を差し伸べたあの日。
柄にもなく照れながら挨拶をし合ったその足で、自分たちは寮の部屋を引き払い、二人で探した新居へと荷を運んだ。]
『意外と荷物もあるものだな…。
そんなに散らかっているとは思わなかったのだが
……ダーフィ、駄目だ!
それはまだ読みかけだから!』
[本は少量を残し全て売り払ったし、家具は殆どが作りつけ。
それでも8年間を暮らした部屋から出た荷物は、ありとあらゆる生活感のある品物に溢れていて。
二部屋と、ダイニングに分けて全ての荷を運び込んだ後には、ぐったりと疲れ果ててしまっていたっけ。
なのに、広くなった部屋を見回して、くすぐったい笑みが止まらなかった。]
[――二部屋の間仕切りは、開けてしまえばひとつの部屋としても使えるつくりで。
寝台の距離は今までよりは遠くなったけれど、それでも、彼をひっそりと、見守ることも出来た]
/*
ちょっと!やだーー!
「吐けないならなら」とか言ってる!!
キーボードさんがさいきん同じ単語を繰り返し変換してくれるので、買い換えようと思っているのだけど、ぎゃあああシリアスシーンであれはやめてくれーーー!!
だが俺が2回打った可能性も微レ存
焦るとだめね、だめね……がっくり
※本日の教訓
3回は見直せ
『家事は分担しよう。俺も料理をするから!
……ええと、だが、ア、アイロンは俺がする!
だからダーフィはおやつ係、な?』
[……結局、こげたトーストを食べさせられた同居人が災難だっただけのような気はしたが。
ふたりで暮らした1年と少しの間に、少しは、巧くなったとは思う。
一方で、ダーフィトの菓子作りの腕は上がる一方だった。
その菓子を口にするひと時も、何物にも変えがたい一瞬だったが…
菓子の焼けるいい匂いにわくわくしながら、オーブンの前で砂時計をひっくり返している時間も、とても、好きだった]
(――幸福、だった)
[うっすらと眠りから覚醒の間を揺蕩いながら、そう、夢の中の過去の自分は微笑する。
そう、自分は幸福だった。
続く筈のない時間を、永遠だと、勘違いする程に]
(……いや、そう、したかった、だけだ)
(本当は最初から――)
おとんのイメージはダルメシアンです
名前がドイツ系じゃない(よね?)のでどうしようかと思って名前出してないのですが
おかんや他の兄弟のイメージは特に決めてない
『ダーフィ』
『ダーフィト、……ダーフィ』
『おれは……』
『おれは、お前と、ずっと』
[子供の様に、彼の姿を探す。
その姿を、影を見つけて、笑って近寄ろうとする。
――…ばしゃりと、その笑顔に、紅いあかいものが浴びせられた。
胸を、顎を。
肩の付け根までを他人の血で汚した自分が、笑みを浮かべている。
彼に向けて。
――解体されかけた幼い子供の屍を、足元に、横たわらせたまま。*]
― 国境を渡る仕事人たち ―
[帝国での前線への連絡は、今や高級士官には伝書や伝令ではなく、魔法石通信で行われるようになっている。
しかし、国を跨ぐ遣り取りに、距離に制限のある魔法石は向かない。
宛名を代筆屋に頼んだ手紙は、何箇所もの鳩屋を経由し、軍用鳥によって、公国軍情報局にもたらされる。
時間はかかるが、網がばれては意味がないという遠まわしな一方的な糸。
一見すれば、差し障りのない、家族を気遣う内容の手紙だが――裏を火で軽くいぶれば、別の文章が浮かび上がる。
端的に書かれた、今回戦場に持ちこまれる戦略兵器とその威力、である。
開戦時に齎された「意図的に嵐を起こす魔器」は、信頼度の低い情報として扱われ、結果として公国軍は海軍力を著しく低下させることとなった。
今回齎される情報は「一瞬で橋を架けることのできる魔器」についてである。
帝国軍にて情報を漏洩する草のことを、情報局は「
/*
ステファンの病室描写せっつねえ…!
あー。カサンドラの情報面白いな。
拾いたいけどこれ、取っといた方が良い気がする。
まだ入ってない人いるしね…ってことで、一応メモ。
/*
なんだこの新婚さん的な生活は……!!
わぁん、めるーー!!(ぎゅむぎゅむ)
こげたトーストうめぇうめぇ(もりもり
……お前が少しでも幸せなら良かった。
自分ばかりでは不公平だから。
うう、最後が悪夢になってる……;;
子供のめるも冷徹な大人のめるも、めるなのに。
ずっととか(´;ω;`)ブワッ ありがとう。
ちきしょー、絶対返す。俺の「幸せな日々」フォルダが火を噴くよ!!
― 回想・2年前 ―
シェットラント、元気にしていますか?
今は、軍人として職務を果たしているのですね。
充実している、と手紙で見て安心しましたが、くれぐれも無理はしないで、体調には気を付けてください。
フェルゼンベルクは、もうすぐ春の祭りが行われるので街中その準備に追われています。
シュヴァルベの辺りが騒がしい、というのはこちらでもよく噂になっています。
落ち着くまでには時間がかかりそうですが、いつかシェットラントの淹れてくれる珈琲を飲みに、シュヴァルベか公国まで、足を延ばしたいと思います。
それから…
[公国へと戻っていったかつての同室者…兼、友人への手紙。
普段、個人的な手紙を書く性格ではないので、纏まりなく思いつくままに色々と綴られている。
大きな仕事を任される様になった事。
妹が結婚する事。
その相手が、シェットラントのかつての同級生であること。
定期的に、シュヴァルベへ顔を出す予定があること。
空白の期間を埋めるように、若干厚みを増した手紙が送り出されたのは、海辺の街が壊滅する前日。]
[そして、その続きが送り出されることは二度と、無かった。*]
帝国少尉 ヴィンセント が村を出ました。
― 帝都より最前線へ赴く道 ―
[ 軍服と同じ白い馬を走らせて、士官用馬車の傍らに着く。
>>162
馬車の窓から顔を出したカサンドラがぽそりと呟けば
騎馬の上から少し大きめの声を出して話しかけた。 ]
冬までもてば良い方かもしれませんね。
ただ、公国側も条件はほぼ同じですよ。
むしろ元々の自給率はあちらの方が低い。
農耕地の面積が帝国より圧倒的に少ないんです。
そのかわり漁業においては――…
[ 淡々と世間話をしていく。
傍から見れば、この二人が元々知り合いだったとは
とても思えないであろう他人行儀さだった。
かつては教官と教え子であり、家族ぐるみのご近所であり、
そして青年にとっては甘酸っぱい初恋の相手であろうなどと――
誰が想像し得ただろうか。 ]
― 帝国軍拠点 ―
[騎馬の軍を率いてやってきた公爵家の当主は、
…ずいぶんと懐かしい顔をしていた。
傍らに、かつての恩師にして共同生活者を見つければ、
表情の選択に困ったような顔になる。
懐かしいと思えば良いのか、こんなところでと驚けば良いのか。
シロウに目線だけで一礼し、近寄ってくるリエヴルへと向き直る。]
自分と共に転戦してきた兵たちです。
閣下のお役に立てるかと思います。
[よろしく頼む、との言葉に再度背筋を正す。
率いる兵は少数ながら装備は良い。
騎兵ではあったが、歩兵としても運用できる部隊だった。]
[馬から下りたリエヴルの誘いに、さらに当惑の表情となる。]
閣下…、ですが、
[この人の紅茶は今もきっとおいしいんだろうな。
そんな思考が明らかに顔に映ったものの、]
自分にはもったいないお言葉です。
[一歩引いて、辞退の意を伝える。
取り入ろうとしている、と見られるのを怖れる態度だった。]
[両国間の緊張が高まる中、父達は武力衝突を回避すべく奔走していた。
帝国内の開戦慎重派とも、渡りを付けようとしていたと聞く]
――トゥーレーヌ公爵、ですか?
[その名を聞けば、蘇るのは5年前の記憶。
あまりにも突然の、別れだった]
……知っています。
おそらく、よく知っていた……人です。
[学生時代、生徒会長と役員として共に過ごした時間は長い。剣の手ほどきも受けたし、座学の相談にのってもらったことも何度もあった。
親しかった、と言っていいだろう]
でも、
[そんなことは、今となっては何の役にも立たなかった。
単なる一士官にすぎない自分に、帝国の公爵家当主たる彼との橋渡しなど、できるはずもない]
……遠い、ですね。**
帝国軍少佐 ウェルシュ が村を出ました。
― 回想・雨の日 ―
[ 自分よりも大きな背丈のヴィンセントに取り縋って、
どのくらい泣いていたのだろうか。
後ろから、背伸びをするようにして小さな傘が掲げられ
ノトカーを濡らしていた雨から静かに守った。>>128
参列者たちのひそひそ話はもはや耳に届かず、
ただ、己の落ち度を探しては責め続けていた。
――やっぱり、あの男との結婚なんて、反対すべきだった。
――何故、逃げるように家を出てしまったんだ。
――俺が家にいれば…、ずっとあそこに居れば――
考えても、悔やんでも。もう誰も戻っては来ない。 ]
[ どのくらい其処にいたのか。やがて陽も落ちた頃だろうか。
背後から、か細く、震えるような声で、ひとこと。
「帰ろう。家に」と。>>132
「風邪を引くぞ。」と囁かれて。
静かに、素直に頷いた。
その時が、もしかしたら、人生で一番。
カサンドラの教え子らしかった瞬間なのかもしれない――。** ]
ところでこの墓標のシーンの時点でユーリエはどうなってるんだろう…
そこら辺わからなくてぼかしてるw
ヴィセント待ち〜
ノトカー、家に帰っても誰もいないんだよね…
ユーリエが生きてるならこの日くらいは一緒に帰ってくれそう
そうでなかった場合は…
――帝国軍拠点――
[ともすれば固いとさえ感じるカレルの様子に、苦笑いが零れた。]
そうか。
なれば、戦場での働きに期待させて貰おう。
[かつてのように、共に紅茶を楽しむことも出来ない。
今では、互いに背負うものがあるのだ。
一歩下がる姿を見ても、その面に寂しさが浮かぶこともない。]
[ただ、小さな呟きが唇の奥で零れるのみ。
すぐに表情を引き締め、カレルへと声をかけた。]
俺はともかくとして、シュヴァルベに初めて来た者も兵には多い。
少しそちらの手勢を借りて、うちの隊長達に地理の説明などをしてやって欲しい。
俺は……少し、見回ってくる。
[話に聞くよりも、懐かしい土地がどうかわったか、この目で見る方が早いだろうと。
自身で馬を駆って、様子を見てくると、そう伝えた。
無論、制止の声も上がるだろうが。
剣の腕には覚えがある故に、そんな声を一笑に付し、再び馬に跨がった。
シロウやカレルが共に来るならば拒みはしないが。
他の兵の声は振り切り、馬の腹を蹴った。]
― フェーダ公国・自室 ―
[そうして手にはいれたものの、
まだ使いかたを決めていない通信機。
制服のポケットに入っているそれの感触を、
服の上から手で確かめて、部屋を出て行った。
やがて麾下の隊と共に、シュヴァルベに到着する]
/*
クロイツ拾いにいっていいか迷いながら、40分が経過(今ココ)
確定しなけりゃ、いっか……
どっかいかねーと、動けないのではと見えていてなあ。
違ったらすみませんだねえ!
― シュヴァルベ・公国側旧市街地痕 ―
[>>65 顔を、見ていなかった。……久しく。
軍に戻ってから前線を転々として、それなりに前線の兵士とは面識ができていた。それなのに会わないのであれば、故郷に帰ったか、……あちら側にいるか、だ]
――……久しぶり、カーク先生。
[口の中だけで呟く。
銃のスコープをグラス代わりにして、公国の補給部隊を取り巻く警備兵の数を視認する。
荷を一気に焼くほどの火薬は、両軍とも持ち合わせていないだろう。特に帝国は]
……落とし穴でも掘りたかったけど、互いに時間がなかったな。
[小細工を弄せなければ、白兵戦で片を付けることになるのだろう。
崩れ落ちそうな建物の中。気配を極力消し、補給軍の移動をただ黙視した。
暗くなるのを待って、できるだけ速やかに戻る。
――…途中、幾度も超えるべき難所はあるのだが**]
/*
はっ、公国側前線にいるの俺とディークだけ?
ステファンは病院。カークは物資届ける途中。
カサンドラとシロウ先生は帝国側からくるのか。
――帝国前進拠点付近――
…………まったく、違うものだな……。
[何度も、夢に見た地に降り立ったというのに。
その風景は、すっかり変わり果てていた。
少しでも懐かしさを覚えるかと思ってみたが。
既に、そこは“戦場”でしかなかった。]
……………………そりゃ、そう……か。
[自嘲気味な声が零れる。
この段に及んでまで、自分の甘さに苦笑いが零れた。]
……………………ん?
[ふと、視界に黒い影が過ぎる。
目を凝らせば、そこに見えたのは、傷だらけの青鹿毛を纏った一頭の馬。
もうかなり歳を取っているだろうに、その鋭い暗黒色の眼差しはいまだ衰えを見せず。]
…………おまえ。
ブラックスピネルか?
[まさか、士官学校時代に縁あった軍馬が野生と化して、しかも未だ生きているとは思わなかった。
その逞しい身体には、戦火の痕がいくつも刻まれている。
思わずそちらに馬を向けようとしたが。
ブルル……と小さく鼻を鳴らせば、青鹿毛は木々の向こうへと消えた。]
…………ったく。
相変わらず、素直じゃないな。
[つい、笑みが零れる。
少しだけ、心が軽くなったのを感じながら。
再び、軍馬を走らせた。
向かうは、懐かしきあの学舎――…
思い出の、場所。]
― 公国にて ―
ディーク・フォン・ベルンシュタイン大佐、入ります。
[シュヴァルベへと旅立つよりも前のこと。
ディークの姿は、公国軍前哨基地司令部にある。
部屋ではシュヴァルベ出立の命が正式に出されると同時に、もうひとつ別の話がなされていた]
――士官学校跡――
あ――――…
[馬上から、掠れた声が漏れる。
その視線は、廃墟と化した懐かしの地へと向けられていた。
じりり、胸が締め付けられる。
ただ、建物が壊れたというだけではない。
まるで、そこで過ごした時間さえも壊れてしまったかのような悲しみに襲われ。
馬を降りぬままに、ゆっくりと、廃墟のまわりを歩く。
静かな足音が、物悲しげに響いていた――…。*]
…傭兵を麾下に入れる?それは、
[帝国との戦いが激化するに及び、
人的物的損耗もまた激しさを増している。
だから分かりやすく補充しようということなのだろう。
上層部にて兵に傭兵を入れる>>46との話が持ち上がり、実際にそれは決定事項として、既にごく少数ながら運用が開始されているとの話であった。
確かに耳にしたことだけはあったのだが、]
──…、ええ。騎兵であれば。
[実際にそれを兵として入れた場合の運用は可能かを問われ、一度唇を閉ざしてからこう返した。
ディークが率いる竜騎兵は、軽装騎兵として数えられる。
だからと返した無難な回答は、予想通りといった頷きで迎えられた]
…。は。ではそのように。
[命は命。故に命を受けた男の内心は語られることがない。
合流予定と地図に示された地点に視線を落とし、淡と指示に頷き敬礼をあとに残した。
示されたのは海辺に程近い、南のかつての町外れ。
そこに何が待つかを、今は知らず───*]
はっ。
では早速そのように。
[リエヴルの呟きは聞き取るには遠すぎ、
ただ、心のどこかが感応して表情に陰が落ちる。
自分ではそれに気付くこともないまま、依頼を承諾し、
───次のリエヴルの行動には軽く目を見開いた。]
閣下!
…その、 ───お気をつけて。
[止めるべきだったろう。或いは供をするべきと。
だが、心に刺さる棘が見送ることを選択させた。
リエヴル個人に恨みはない。
むしろ、会えば未だに敬愛すべき先輩だと思い知ったばかり。
心を縛るのは、"家"の重さだった。
駆け去るリエヴルを敬礼で見送ったあと、
部下に指示し、リエヴルの隊との軽い打ち合わせに入る**]
12人目、帝国軍大佐 ジェフロイ が参加しました。
帝国軍大佐 ジェフロイは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 卒業式の後・寮室内 ―
『おかえり。』
おう、ただいま。
[その頃にはいつもの調子を取り戻せていただろう。
部屋に先に戻っていた後輩に、ひらと、
少し疲れたように手を振りながら、寝台に座った。
疲れを隠さぬまま。]
『まずは卒業、おめでと。』
ん、ありがとな。
[きちんとした礼には、こちらも改めて笑み浮かべて返した。]
/*
あやべぇ色換えする予定が忘れてた。
そしてリエヴルへお怒りのロールもせねばなるまい…
おまえ、いま どこにいる(ふいたよ!
― 卒業式の後・寮室内 ―
『おかえり。』
おう、ただいま。
[その頃にはいつもの調子を取り戻せていただろう。
部屋に先に戻っていた後輩に、ひらと、
少し疲れたように手を振りながら、寝台に座った。
疲れを隠さぬまま。]
『まずは卒業、おめでと。』
ん、ありがとな。
[きちんとした礼には、こちらも改めて笑み浮かべて返した。]
『俺からの卒業祝い。
あ、今回のはクッキーじゃない。』
[卒業祝いはクッキーだったと思っていた為、改めて
渡される紙袋を受け取り中身を取り出して、持ち上げ眺める。]
へーぇ、レトにしちゃセンスが良いな。
[手にすれば、高価そうな感じが伝わる。
はめ込まれた、見覚えのある金色の石には目を細めた。
貰ったばかりなのに、これは自分の物だとあたかも主張しているようで。つい軽口をたたいてしまったが、口元は嬉しそうに緩んでいた。]
『この部屋で過ごす時間ももう、残り少ないんだな。
嘘みたいだ。
――――…』
[まるで別れの言葉――いや実際別れの言葉なのだろう。
またすぐ会えるとは言わずに、ただ始めの頃と比べて
ずいぶん素直になった言葉を、感慨深げに聴いていた。]
な、レト。俺も……
お前を同室にしてくれって先輩に頼んだ後、
なんでこんな奴呼んだんだろうって、後悔もした。
だが…楽しかった。
お前と6年、過ごせてよかった。
俺ん家は、兄貴と俺と二人だけだからな。
お前みたいな弟がいれば良かったよ。
男三人は鬱陶しいかもしれないが……それでもな。
[もう家族は二人しか居ないから、と
うっかり出そうになったが飲み込んで。
側に近づいて、袋を持っていない手でわしわしと頭をなでた。
身長差も当初より少しは変わっただろうか。
自分よりいくらも下の後輩を、少し乱暴に、
何時もどおりに撫でまわして顔を近づけて、笑って言った。]
お前も…大丈夫だとは思ってるが、ちゃんと卒業しろよ?
勉強ってのは、コツさえ掴めば何とかなるんだからな。
俺がそうだった。お前にもきっと出来る。
それと、お前にやるもんがある。
[言ってペンを置き、向かうのは物がいくつも置かれた場所。
荷造を少しずつ済ませていたため、さながら一角は物置のようになっていたが。その中から、布に包まれた一振りのショートソードをもって来た。
刀身を抜くと、刃こぼれひとつと無い鋼の輝きが夜闇にも光る。
使わなくなってずいぶん経つが、手入れだけはかかさなかった。]
13人目、帝国軍少尉 ヴィンセント が参加しました。
帝国軍少尉 ヴィンセントは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
これは俺が、家からもって来た物だ。
俺はもう、使わないからやるよ。
入学当初の俺に合う奴を選んだから、今となっちゃ小さいが
今のお前には丁度いいはずだ。
[当時150と少しの身の丈にしては、やや大きめの剣を選んでいた。
背伸びもあった。きっと大きくなって戻ってくるという子供じみた思い出もあった。
それでも、それよりもずっと大きくなってしまったのだが。
合わなくなった剣は、入学する際に家紋も何も外してしまっていたが、公爵家の人間が持つに相応しい業物だった。
―――渡すときは、これがどういう使われ方をするか、なんて
想像すらしていなかった。]
あ、あとそうだ忘れてた。
お前、来年副寮長やる気はないか?
寮長には、西からソマリを連れてくることになったんだが――…
[そう笑顔で初めて打診したときの、レトの顔はどうだったか。
―――――そんな昔の夢を見た。]
14人目、少尉 フレデリカ が参加しました。
少尉 フレデリカは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
―○月△日1400・帝国領の片田舎―
[のどかな彩りの田園風景が広がる片田舎を馬車がとことこと進んでいく。
日差しをよける為、目深の麦藁帽子をかぶった御者が手綱をひいて道を右へと進路を変える。
先に見えるのは広がる茶畑とその奥の大きな屋敷
荷台に詰まれたわらの山の一角がかすかに動くのを見るのは鳥くらいなものだろうか
のどかで綺麗な光景と少しだけ心が和む]
『あっさり入れたものだな』
『それだけ、あいつが手引きをうまくやってくれたおかげだ。まだ本格的に戦争がはじまってないせいなのもあるだろうな』
[隊長達の会話を聞こえ、今回の作戦のことを思い出す]
[帝国の公爵の一人が、片田舎の屋敷にいるらしいとの情報により、
暗殺の機として、私達の部隊にその任務が回ってきていた]
『必要かどうかについて、我々の判断がどうかは重要ではない。それはもうわかっているはずだ。
我々が判断するのは達成可能な任務かどうか、任務に必要なものは何かだ』
『おいおい、天使ちゃん、そろそろうちらの意味を理解してくれよ。
できませんとか、必要ですか?とか求められてねぇんだよ』
その天使ちゃんって呼び方いい加減にやめてください!
『お前が一人前になったらな』
『じゃれあいは済んだか?ケネス、体をあっためるのもほどほどにしろ。フレディ、髪のセットは済んだか……
では作戦詳細の説明に入るぞ。』
[ターゲットとなる人物の詳細までは知らされなかった。
知らされた内容は、任務内容はフェルセン家の屋敷に対して殲滅行動を行うことと…、
他の部隊にも別の箇所へと同時期に任務が渡されてるとそう説明を受けた。
作戦の手はずを説明する隊長の話を聴きながら、その覚えのある姓には心によぎるものが多かった]
―○月△日1415・屋敷前―
『定刻、「山吹の楔」作戦開始。各自散開。存分にリフォームしてさしあげろ』
[作戦開始の合図とともに数名は二名が茶畑に火を放ち、外部の監視任務入る。
外からくるもの、茶畑を越えて外にでようとするものを止めるためでもある。
私は隊長とともに屋敷の裏手へと回っていく。
正面を担当するものが暴れる音や、使用人のものと追われる悲鳴が聞こえ、火の手があちこちであがっていく]
『予想以上に中が騒がしいな…、見てくる』
はい、ここは任せてください。
[隊長を見送り物陰に隠れながら周囲への警戒を続ける。
しばらくし、二人の物陰が裏口からでてくるのが見える。歳からみて老夫婦だろうか?
男の方は二刀をさしているのが見える。おそらくこの館の…]
[ボウガンを構えると、深呼吸をひとつ狙いを定めた妻とも思わしき方へと矢を打ち込む。
のどに刺さる矢を見ながら、即座にボウガンを足元へと下げ、足をかけて体重を乗せて弦を引き絞り、矢を装填、ボウガンを次の目的へと向け…]
…!?
[妻を慮るよりもこちらにくるとは思わず、反応が一瞬遅れる。矢を放つ直前、向けたボウガンは払われた剣に横へとそらされ、放った矢は明後日の方向へと飛んでいく。
ボウガンから手を離し、後ろへと下がりながら腰のサーベルを抜刀、続いてくる斬撃を受け流す。
続く二刀を警戒しながら相手の懐へ踏み込もうとと、受け流す相手の刃から滑らすようにし…、
振るうよりも己を護るかのように振るわれた二刀に、思わず踏み込みがとまり]
リエ…ヴルの……
[思わずつぶやいた声に今度は向こうが動きを止めることに、じっとこちらを見る瞳には覚えを感じる。
どういう関係か、問われる声に、かつて剣を学んだことを伝え]
とっても、かなしいですけど……
[言葉とは裏腹に、目に映すのは決意の色、一歩踏み出し、繰り出される太刀筋ははっきりと見えるというよりは…、
感じ取ることができる、覚えているもの、懐深く、常人よりもかなり低い位置、突き上げるサーベルが深くその下腹から背にかけてを貫く]
そんなこと…、そんなことを……言わないでください……
私は………
[死に際の言葉に対する答えは、もう鼓動のなくなったその身に、それ以上続けることはできなかった。
引き抜こうとしたサーベルは深く刺さりすぎて、どうやっても自分の力では抜くことはできなかった]
― 回想(14年前) ―
[自身の父は、祖父の一番最後の息子だった。
但し思想は祖父や一番上の伯父とは違い開戦派で、
当時13歳だった自分も、父の影響を受けてか
帝国なんてやっつけちゃえと
その意味をよく考えもせず口にしていた。
そんな折に、フェーダ大公である祖父から、
士官学校への入学を勧められたのだった。
強くなれるならいいかと思って、入学した士官学校。
そこで好敵手と出会い、親友と出会い、恋をして。
そこで過ごしたかけがえのない日々が
もっと続けばいいと思ううちに、
恐らくそれが祖父の目論見だったのだろう。
いつしか帝国との共存方法を考えるようになっていた]
「正直やられているかと思ったが…」
隊…長……?
[裏口からでてくる姿が]
「よくやった、さすが天使だ」
[頭なでる所作に俯き、何もいえずにいると]
「ん、今日は怒らないのか?」
隊長、この人は、おそらく……
[何かを言いかけた私の胸に、隊長はとんと拳を当てると]
『人であることをやめるな。ここに大事なものをもっておけ。護りたいもの、大切なもの…、それが光になる。
もしそれがないのならば、それを持っている人達の為に戦えば。この部隊にくるようなやつらは、大抵はそんなものもってないがな』
[隊長の言葉に、しばしじっと見上げ]
隊長…、胸わざとですよね……?
『今度、准尉に上げてもらえるように打診をするつもりだ』
隊長……?
『中の担当者は…残念ながら全滅だ、新入りが入るのにそのままじゃ格好がつかないだろう』
そう、ですか…みんな……
『撤収だ、いくぞ。フレデリカ。』
あ…、はい、隊長!
[去り際に二刀の片方、意匠をこらした飾りのついたサーベルを手に]
安物との交換で…すみません……。
―現在・シュヴァルベの兵舎―
[小箱にしまわれた認識票を、ひとつずつ磨いていく。
刻まれた名前をなぞりながら、ひとつ、またひとつと。彼らがまだ生きていた頃の輝きまでは戻らない。
口さがない人達が、その様子を見て、殺した兵の認識票を集めて楽しんでいるのだと、
揶揄する声は聞こえてくる、いつものこと、自分に対する評等そんなものだろうと]
加わっていく?この中に?
[作業の手はとめないまま、はっきりと聞こえる声でそういうと、一度場の空気がぴたりと止まり。
声はひそひそと、何を話しているのかはなんとなく理解はできるが、意に介さずに認識票を*磨き続けた*]
/*
これは挟むと思って待っていると、
延々とソロールを落しそびれるっていうパターンk
この時間に賑わっているww
フレデリカは天使ちゃん!会いたいねー。
トールとも会っていないもんなあ。
― 公国首都・国立病院 ―
ステファン。
[そして前線に赴くよりも前のこと。
男の姿は、病院の一室にある。
──トライブクラフト伯爵襲撃当時。
報を受け、急いで地方から戻ったディークが目にしたのは怪我を負い、意識を失った後輩の姿であった。
伯爵は軽傷を負いながらも無事であった。
共にあった兄もまた、生きている。
それなのに何故、彼だけが────]
『…私たちを守って、』
[悲痛な面持ちの次兄に聞かされた顛末に拳を握り、息を詰めた。
堪えきれないやり切れなさがこみ上げる。
顔を歪め、歯を食い縛って暫し天を仰いだ。
穏やかで気持ちの優しい青年だ。
優しくも静かに義務を知り、道を歩んでいける青年だ。
彼の未来は未だ明るくあるはずだった──…それなのに]
― 帝国前進拠点 ―
……夢か。
[目を開けると、薄汚れた天井が見えた。
今となっては、あの日々は夢のような物だったとは、
この前線に配属されてからよく思うことでもある。
丸一日寝ていなかったから仮眠を取っていたのだったと、ぼんやりした頭で思い出していたら、部屋の隅にある缶が目に留まった。
中には封印するかのように、思い出の品がいくつか納められている。]
…ステファン。
[あれからすぐに、病院へと彼を見舞った。
やはりあの日も同じく名前を呼んだ。
目を瞑る彼の白い額に、金の髪が落ちかかっている。
息はあるのに瞳が開くことはなく、明るい声が響くこともないままに]
これを。
[そして今。
前線に赴こうという男が彼を見舞い、枕辺に古びたカードを置いた。
何の変哲もない代物だ。けれど男には大切なもの]
お前にはさあ…みせたことあったっけ、これ。
これ、俺の一番上の兄上がくれたんだけど…すごい昔にさ。
お守りなんだ。すげえ、運を持ってるやつ。
……子供騙しだったかも知れないけどな。
けど実際、こいつを持って、少しずつ俺は変わってさ。
…人前でも話せるようになってさ。
ま、最初はカードばっか見て喋っていたんだけど。
いいことも、次第に起こってきた気がしてさ。
[引っ込み思案の小さい弟に、兄がくれた古いカード。
いつかルームメイトに聞かれて、同じ話をしたことがあった。
ステファンにも、これを見せて遊んだことがあったはずだ。
幸運は気のせいだと、もはや子どもならざる男は知っている。
それでも祈りと記憶は、願いに変わって残り続ける。
…どうということのない、温かい過去の記憶。
これを意識を取り戻さない彼の傍らに、願いと共に置いていく]
だからお守りに置いてってやる。
運を味方にして、お前がお前の戦いに勝てるように。
俺にはもう、別のお守りがあるから気にするな。
[それは木製の手鏡だったり、小さなタイピンだったり、
───部屋に大切に置かれてある、置物たちだったり]
[入っていない物もある。
ミヒャエルから貰った銀のスプーンは、兄の長子に渡してしまった。
どこかの風習で、銀のスプーンには、飢える事のないようにとの願いが込められると聞いたからだった。
この夏には、第二子が産まれると聞いている。
その子にはぬいぐるみをやるつもりで、それもまた置いてきた。
兎ばかりだと兄には笑われた。
箱にも家にも無い、手元にあるのは、同室者から貰ったペンと、
変わらぬ時を刻む金と鉛の懐中時計。
約束の耳飾まであり、律儀なものだと我ながら苦笑する。
あの娘はおそらく公国の人間だというのに。]
ここがお前の戦場だろ、ステファン。
だから……、
… 勝てよ。
[とん。と、彼の胸の上に、ごく軽く拳を当てた。
戦友にするように。
そうして礼を残し、病室をあとにする。
前線に赴くに、再び振り返ることは*なかった*]
15人目、帝国軍少佐 ウェルシュ が参加しました。
帝国軍少佐 ウェルシュは、呪狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 前線某所 ―
ここまでだな。
[別動隊がいるという話だったが、遭遇したのは無謀すぎる特攻を仕掛けてきた少年兵のみ。部隊と逸れての行動と判断を下し、散開していた部下と合流して作戦終了とする]
これ以上動き回ると、偵察部隊の邪魔になりそうだ。
イェーガー隊長に怒られるのはありがたくない。
[少佐に上がってからは、あまり前に出るなとも言われている。
旧知の女伯が後見人となっていた彼には知られているのかもしれない。帝国内では詳細追及されずにいる公国外務大臣襲撃事件に誰がどう関わっていたのかも。
自分が、道を完全に見失っていることも]
/*
中身CO済みなのをいいことに弱音吐かせていただいたり何だリしてなんとか復帰しました。お騒がせしてすみません。
何故役職希望ミスしてたんだろう。やっぱり過緊張?
もうちょっとリアルに余裕あるはずだったのに。くぅ。
そして自分で立候補したことながら。
ディークさんのお見舞い描写が美しくも切なすぎて。涙が…!
― 帝国前進拠点 ―
[懐中時計を取り出して見れば丁度一刻経った頃か。
タイピンを留めなおして外に出ると、部下が一人立っていた。
どうにも中に入るタイミングだったらしい様子は見て取れる。]
北の平地の様子は?
草は生えていたか?
[部下が口を開く前に、逆に問うと「いいえ」の答えが返った。]
秋に焼いた成果は出たようだな。
これで北からの経路が少しでも狭まればいい。
[そう呟くと、まだ物言いたげな部下の様子に眉をひそめる。]
何だ、報告があるのか?
[促せば准将の到着を知らせる報告を受ける。
リエヴルの名を聞くと、一度眉根が寄った。]
…………。
いや、なんでもない。
准将が到着したら、此方へお連れしろ。
着任の挨拶と、報告を―――
馬鹿野郎! 何故止めない!?
到着早々准将に何かあったらどうするつもりだ?
俺の首で済む話じゃねぇんだぞ!!
[前線基地よりも更に前、リエヴルが学校跡地
まで行ったと知れば―――怒りはより増すだろう。
怒鳴り散らして、即刻探し連れ戻すように命じ部下を追い出すと、憤りの混じった息をつく。]
/*
そ、そんな大事までには……。
………………どうだろう。
首までは大丈夫!たぶん!!
そして何かあったらブラックスピネルを召喚して帰るよ!
あいつ、前線を甘く見てねぇか……?
前線だけじゃねぇ……
[戦争自体を、その背後を、とは胸中で吐く。]
『公国の太子と軍務大臣を暗殺したのは、
トゥーレーヌ公らしいって噂があるね。』
[何時だったか家に戻った時、
紅茶を飲みながら兄が語った言葉が耳にひどく残っていた**]
― 公国の前進拠点 ―
[公国を出発してから数日。
5年間一度も足を踏み入れていなかったシュヴァルベは
見るも無残な姿を晒していた。
美しかった緑は喪われ、荒涼とした風景が拡がる。
あまりに激しすぎる戦闘に、両軍とも兵力を徒に浪費しているという報告は届いていた。
お互いに更なる兵力の増強を図る為からか、
現在も散発的な戦いは続いているものの、
束の間、奇妙な静寂が訪れているようだった**]
― 回想・雨の日 ―
[ラムスドルフ家を襲った惨劇について、詳細を知ったのはシュヴァルベについてからだった。
軍部での検死・解析を終えた「ノトカーの家族」はようやく家に帰され、親しい人たちに見送られることになった。]
「魔法石が…、魔法石さえなければ
こんな事にはならなかったのか…!?」
[陽気だった青年は、全てを失い、見る影もなく憔悴し、子供のように自分に取り縋っている。]
ノトカー……嬉しい。
きて…くれた………
兄さま、ね?
言った通り…でしょ…?……
…私が会いたいって思ったら…いつも…来て…くれる……
………
……………。
[言葉はかけない。「その通り」という答え意外にかけるべき言葉が見つからない。
「家族に紛れた公国人」「研究成果目当て」
参列者のひそやかな噂話も、この悲劇の原因を端的に示している。
魔石学者としての才覚が、家族を失わせることになったラムスドルフの一族。
魔石鉱山を擁し、魔器制作の拠点となっていた為に、炎に消えたフェルゼンベルクの街。
魔法石がなければ、どちらも間違いなく、今とは違う未来が待っていたはずだった。]
あのね…
…謝らないといけないこと…あるの……
もらった指輪……無くなっちゃったの……
大事にいつも…はめていたのに……無くなっちゃったの……
………
……………。
[言葉はかけない。「その通り」という答え以外にかけるべき言葉が見つからない。
「家族に紛れた公国人」「研究成果目当て」
参列者のひそやかな噂話も、この悲劇の原因を端的に示している。
魔石学者としての才覚が、家族を失わせることになったラムスドルフの一族。
魔石鉱山を擁し、魔器制作の拠点となっていた為に、炎に消えたフェルゼンベルクの街。
魔法石がなければ、どちらも間違いなく、今とは違う未来が待っていたはずだった。]
あのね…
…謝らないといけないこと…あるの……
もらった指輪……無くなっちゃったの……
大事にいつも…はめていたのに……無くなっちゃったの……
「それとも戦争が悪いのか……、
どうすれば終わるんだ!こんな…こんな戦争。
何年か前まで俺たち、シュヴァルベでみんな笑ってたのに。
こんな事…!!」
[青年を落ち着かせるように背中を擦りながら、灰色の空に視線を向けた。
雨は止まない。春の雨は、衣服の上をゆっくりと浸透し、冷えて体温を奪っていく。]
泣かないで?
大丈夫…だから…
ヴィン兄様……後で…腕……探しに行ってくれるって……
だから……ね……ノトカー…泣かない…で……
……レイヴンウッド教官。
[小柄な影が、ノトカーに傘を差しだす様子に、どこかで見かけた姿を思い出すかのように目を細める。
一年だけの教官であった彼女が、ノトカーの妹の友人であるということは、いつか聞いたことがあった。]
[自分にとっては一見奇妙な組み合わせで、暫くその場に佇み、カサンドラの声>>132に、漸くノトカーが頷く。]
……髪飾り…綺麗……指輪と同じ色……
…ありがとう…これなら失くさない…
……それから… ………ごめんね。
…ずっと…大好 き… …――――
[雨は降り続ける。何もかもが掌をすり抜けて行ったあの日と同じ。
死者を悼むかのように、大地を洗い流すかのように。
気が付くとすっかり日は落ちて、辺りは急に薄暗く*なり始めていた。*]
/*
軍服チップでみんながエントリーするたびにギャアァアアアかっちょええええぇえええって悶絶してるのは俺だけですか!!
*/
/*
というわけで、よろしく、よろしくお願いします。
襲われる気満々の補給部隊……ギャーアーしかし戦闘RPとかやったことないので困った銀●伝とか読み返しておくべきであった…
あ、フレデリカ!
男のサンドイッチ、前村で一緒に作れなくてごめんよーーー!!!(遺言)
*/
/*
ユーリエ死んでるのかな…?
でもノトカーの現状みる限りは死んでるのかな…。
どっかのト書きで早速殺されてて吹いたりもしたが。
それとも見落としてるのだろうか。
公国軍少尉 シェットラント が見物人として参加しました。
公国軍少尉 シェットラントは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
―公国首都・国立病院―
[コンコン、と軽くドアをノックすれば、中から応じる声があった]
失礼します。
シェットラント・マルシュナー少尉です。
この度は―…
[入室し、中にいる人物に敬礼すると挨拶を述べる]
はい。
トライブクラフト少尉とは、士官学校で。
学生時代は、とても良くして頂きました。今日は友人として、見舞いに…
[重なる心労の為か憔悴している様に見受けられた彼の母親は、それでもこちらの説明に微笑んで応じてくれた。
旧友が横たわるベッドへと近づくと、その顔を見やる]
…ステファン。
[呼びかけるが、応じる声は無い。
ふと視線を上げると、枕元に古びたカードが置かれているのを見つけた>>214]
これは…
[カードを見つめていると、ステファンの母親から、見舞いに来た友人が置いて行ったものだと聞かされた]
ディーク…
ああ、知っています。士官学校の先輩で…。…そういえば、彼はたまに、私とステファンを見間違えていたんですよ。
[彼意外にも見間違える人がいたんですよね。髪の色以外、似ていないと思うんですが。
肩をすくめてそう付け加えると、彼女の表情が少し和らいだようにも見えた]
[視線をステファンに戻すと]
…きみにそんな姿は似合わないな。
[静かに目を閉じる彼。
士官学校時代は、笑顔でいるところばかり見ていた気がするというのに]
―市街地―
…酷い有様だ。
[馬車に揺られながら流れていく景色を見つめた。かつてバザールが開かれていた場所にさしかかる。倒壊した建物が散見されかつての賑わいは見る影も無かった]
っ、げほ、……
[溜息を吐いたと同時に、咳き込む。懐から手布を出して口に押し当てた]
…、
…ステファン…残念だよ。
…君が助かっていれば…いや。
君のお父上が死んでくだされば、もっと大きく戦局は動いただろうにね。
[手の中の布に目を落とす。そこに出来た赤い染みに、忌々しげに目を細めた]
…もう時間が無い。早く…
[くしゃりと、布を握りつぶした**]
――回想――
[その報告を受けたのは、“山吹の楔”実行後ほどなくのこと。
帝都の公爵邸執務室にて、書類に目を通しながらティーカップを傾けている時だった。
――――――…初めて、ティーカップを取り落とし、割ってしまった。]
[陶器の弾ける音と共に、琥珀色が絨毯に染みる。
だが、それ以上に。
衝撃と悲しみが、リエヴルの全身へと染み渡っていた。]
それ、は――――……
――――――本当、か……?
[常に冷静沈着なこの主がこれほどまでに声を掠れさせる様は、使用人達は初めて目にしたであろう。
すぐさま会議の予定を中断し、帝国の片田舎へと向かった。
目指すは、あの茶畑のある屋敷。
自身が育った、あの懐かしの家――…。]
[――――――だが。
辿り着いた先で見えたのは、焼け払われた畑。
養父母がこよなく愛し、士官学校にいる間も、また公爵家の後を継いでも、絶えず送り続けてきてくれた茶葉が、無残な姿へと変貌を遂げていた。
既に老夫婦の遺体は埋葬された後だった。
ただ、遺体に刺さっていたサーベルだけが、屋敷内に残されていた。]
[それが公国の工作部隊によるものと聞けば、静かに唇を噛みしめる。
会議の予定が入らなければ、自身がここに来て、久方ぶりの休暇を過ごすつもりであった。
養父母は、自分の身代わりとなって殺されたのだ。
自分がいれば、あるいは二人は無事だったのだろうか。
自分が応戦することが出来れば――……と。
どれほど悔やんでも、時は戻らない。]
…………遺体の状況を、詳しく説明してくれ。
[居合わせた者に、低い声をかける。
押し殺した声からは、その震えもあまりわかりはしないだろうが。
その太刀筋位置の低さを聞けば、そうか……と一瞬琥珀色が揺らめいた。]
[養父母の仇の手がかりとなるサーベルを公爵邸へと持ち帰り。
偵察を放って、公国の実行部隊を突き止める。
その中に“天使”とあだ名される小柄な兵がいることを知れば。]
…………今に、見ていろよ……。
[低く、怨嗟の声が零れた。]
[この期を境に、ただ政治的に併合を考えていたリエヴルに、公国への憎しみが芽生えることとなる。
リエヴルにとって、人として穏やかに暮らしていた場は
あの茶畑のある屋敷と、懐かしい学舎のみ。
――――――そのどちらも、もう、見る影も無い。*]
知識無さ過ぎて軍部関係のロールができる気がしない(吐血)
皆かっこよすぎるお…
あ、B村よろしくおねがいしまーす あと二日の命!(ダブルピース)
――回想:開戦前――
[公国の外務大臣が秘密裏に話をしたがっていることは、耳に入っていた。>>177
だが、己が望みは、平和などではない。
いまはまだ、戦を起こすには、時が早い。
そう判断しただけのこと。
最終的に併合を目指すからには、対等な条件での和平など、応じるつもりはなかった。
――――――……ましてや。
公国の手にかかった養父母のことを思えば。
今もなお、憎しみがこみ上げてくる。]
…………今はまだ、捨ておけ。
[報告には、ただ一言そう応えたのみ。
だが。その後、外務大臣暗殺未遂事件と、それにより三男が重篤となった話を聞けば。
三男の名に一瞬だけ目を瞬かせ。
暫し、ティーカップに視線を落とし。
揺らぐ水面を、寂しげに見つめた。**]
[突然失踪した同級生に毒づくのを見れば>>145]
ん……なんか風のウワサで、家の都合とかなんとか。
しかたなかったんだろうな。
[とソマリをなだめつつ、口ではああ言っているが、内心では本来答辞を述べるはずだった同級生のことを、大いに心配しているのだろう、と考えていた。]
せっかくの卒業式、1日ぐらい待てなかったんかなぁ……。
俺も、最後の挨拶しそびれちまった。
リエヴル寮長にも、世話になったのに……。
[所在なげにしてる西寮の後輩たち>>146を眺めながらポツンと呟いた。
その世話になった先輩が、よもや5年後、敵陣営のトップとして自分たちを攻めてくるとはまったく想像だにしていなかった――]
「それね、二重底なんですよ」
[骨董品屋の親父がうれしそうに言う、手にした懐中時計の隠れたセールスポイントを聞いて、即購入を申し出た。
寮の部屋に戻った後、ごく小さな紙にメモをしたため、二重底へしまう。
彼がいつか……そう、シュヴァルベを離れた後にその存在に気づくのであれば、規則違反ではないはず。
そこには、]
"
[自分の本名と出自を明かした文が記されており、裏を返すと、]
"
[かけがえのない7年間に対する、友への感謝の言葉があった。]
― シュヴァルベ・公国側旧市街地痕 ―
[第5補給部隊は、国境を越えて中立地帯へ侵入し、目的地の1か所目である拠点に無事到着した。
隊員たちが次々と荷を運ぶ様子を監視しつつ、周囲に目を配る。
なんといっても、いつ敵が現れてもおかしくない最前線だ。
前線の兵たちが警備する中、慎重にかつ迅速に任務を全うしていった。
が、帝国側の偵察隊の存在には残念ながら気づくことができず>>184、]
運搬が終わった者から順次、定位置へ待機。
10分後、次のポイントへ移動開始する。
[新たなる戦略兵器によって兵站が狙われている>>137と知るよしもなかった。**]
1.B 2.C 3.D 4.E 5.F 6.G 7.H 8.I 9.J 10.K →(07)
(02)(9,10は振りなおし)
―シュヴァルベ臨時港―
[船がシュヴァルベ近海へと到着したのは、太陽が幾つ沈み、上った後だったか。
長旅から辿り着いた港は、かつて降り立った大きな港湾都市とは違う、寂れた場所だった。
先の艦隊戦で、港湾都市の多くがダメージを受けた影響なのだろう。
シュヴァルベ北端。
軍事用の臨時港として設えられたらしいその場所で、密かに部下たちと別れた。
イェンは更に東――帝国の領土内に傭兵として潜伏。
ローは西方、公国領へ。]
――俺は周辺を回り、まず現在の前線の情勢を確認する。
ローとイェンは後方、兵器搬入の状況を確認――
それから可能ならば偵察部隊への潜入を頼む。
連絡方法は――
[簡潔な指示の後、各々調達した草原馬に飛び乗る。
ローとイェンがそれぞれ東西に散るのを見守り、自分も騎首をめぐらした]
――まずは、全体の把握が先だな。
[元士官学校付近の警戒状況は、恐らく頂点に達していることだろう。どちらの徽章も身につけぬ今の自分が、簡単に潜り込める場所とは思えない。
近々どちらかの軍に属することは必須であろうが、今は、諦めるしかないだろう。
なるべく、小高く、辺りを見下ろせる場所――]
――俺は周辺を回り、まず現在の前線の情勢を確認する。
ローとイェンは後方、兵器搬入の状況を確認――
それから可能ならば偵察部隊への潜入を頼む。
連絡方法は――
[簡潔な指示の後、各々調達した草原馬に飛び乗る。
ローとイェンがそれぞれ東西に散るのを見守り、自分も騎首をめぐらした]
――まずは、全体の把握が先だな。
[元士官学校付近の警戒状況は、恐らく頂点に達していることだろう。どちらの徽章も身につけぬ今の自分が、簡単に潜り込める場所とは思えない。
近々どちらかの軍に属することは必須であろうが、今は、諦めるしかないだろう。
なるべく、小高く、辺りを見下ろせる場所――]
……此処から近いのは、採掘場付近――か。
山沿いで、起伏の大きい丘も存在していた筈だ。
頼んだぞ。
[未だ慣れぬ気性の荒い馬の首筋を撫で、宥めるように囁く。
手綱を取り、おぼろげな記憶に残る道のりを、南へと進んでいった。
→MAP:H2付近へ*]
えっと、ダーフィがイェン(結局イェンに)を殺害した時間軸って今のここから日単位週単位で未来なんだよねえ…
とりあえず時間軸すっ飛ばすしかないかなあ…
/*
シェットラントもきてたわぁ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
俺もステファンのお見舞い行きたい…でも前線からだと難しいかも(´Д⊂グスン
時系列いじれば行けるかな?
*/
―MAP:G2〜H2付近―
[歩哨兵の姿を警戒しつつ、速歩にて先を急ぐ。
懐に国許より発行された、一応の手形は用意していたが、なるべくならば使いたくはない。
起伏の多い山道を通り、採掘場の入り口が見える場所まで騎馬を進める。
――馬上より望むのは、見渡す限り延々と続く、荒廃した茶色い大地だった。]
……ある意味、すっきりと良く見えるな。
[苦い笑みが立ち上る。
――士官学校の姿は、堀と丘に遮られ、草原で鍛えられた視力であってもここからは視界に入らない。
だが]
[唇をゆがませ、胸ポケットから棒状の塊をとりだす。
麻布を巻いた其れを軽く引き下げ、ぱきり、と歯で先端を砕いて飲み込んだ。
荒く精製された砂糖の塊が、味わう間もなく喉を通り過ぎる]
――周辺の付帯的被害度、6から8と推定。
現在地、採掘場より別れの泉付近。
家屋の倒壊が見られる。
宗教的および娯楽的施設の破壊の痕跡あり。
火災による炎上の痕跡あり。
周辺に住民および一般市民の人跡は発見されず。
大型兵器による痕跡は発見されず。
被害者数に関しては未確認。
[淡々と呟くたびに、指に嵌めた魔石がゆっくりと光る。
――ほかのあらゆる魔道に反応して媒体となり、その能力を模倣することの出来るこの石。
本体から切り離された小さな石粒であろうと、それなりの力は未だ宿していた。
現在は情報の蓄積・共有用に調整された石は、部下に持たせた記録用の魔石にもその内容を転送している筈だ。
同じように部下も、魔石を通して男と情報を共有している。
蓄積された情報は、自分たちの内の誰か一人が生き残れば無事持ち帰ることが出来る仕組みだった]
―回想:1ヵ月前 ロスチャイルド伯爵邸―
シュヴァルベに公爵閣下が…?
[身柄拾い主であり、後見人でもあるロスチャイルド女伯爵、
ファミルへの定時報告を兼ねて、屋敷に戻った折のことだ。
流された帝国内部の軍部情報を咀嚼し、蒼氷色を静かに細める]
へェ…、ついに本格的に動くか。
結局。あんたの見通し通りになったな。
公国との戦争も、大勢の血が流れるのも。
…何もかも。
[彼女が何処まで裏で手を回したのかは知らない。
―――否、知る必要が無いことだ。
幸せが永遠でないことを知っている。
笑顔は奪われるものだと知っている。
『ふたつの国の全てを、シュヴァルベにしたい』
かつて後輩から聞いた理想は、
しゃぼん玉みたいに儚い夢物語でしかない。
紅い色は、いつだって目の前で無残に零れ落ちるのだ。
昔も、…今も]
/*
死んでゆくNPCへのエクスキューズ&あとに繋げる何かとして、遺品をいっこ、と思ったのであるが、詳細は特に何も考えていない<コイン
ちなみにカークを偵察してた時に「火薬はねーし」というのは、「なっ・・・!!あの兵器、間に合っていたのか!!」と驚く前振りであります。むふん。
どんな感じになるんだろう?
詳細はダフィも知らないはず。
別に。
…――文句じゃねェよ。
あんたには感謝してるさ。
泥塗れの路地裏で足蹴にされた挙句、頭踏み潰されて。
『ここで野垂れ死ぬか、学んで生きて死ぬか――――今、選べ』
って、今思えば大概な台詞だけどねェ。
[次々と身近で大事な周りの人間が死んで。
もうどうしていいか分からず襤褸雑巾のようになっていた頃。
無茶苦茶な態度と言い分で、生を選ばせたのがファミルだ。
開戦に備えて、数多くの孤児を兵に仕立て上げる……
彼女の様々な遣り口を全面的に肯定している訳ではない。
だが、その方が返っていいのだろうとも思う。
反発もあるからこそ、これだけ長い付き合いなのに
彼女に紅い華が咲くことは無かった。…今のところは]
今此処にいることを選んだからこそ、
得られたものがある。
だから――――…今更だ。
[白の軍服の胸元をそっと押さえる。
其処に仕舞ってある金色の懐中時計が、黙して時を刻んでいた]
明日には俺も前線に戻る。
なァに、やることはやってくるさ。
いつも通りにな。
[冴え冴えとした表情で其の場に跪き、
ゆっくりと彼女の手を取る]
南方15キロ、南西10キロ付近に元市街区。
――ここからではやはり、よく見えないな。
黒煙が上がっている。
戦闘が原因か、遺体処理や布陣による炊ぎが原因かは確認が取れない。
引き続き、調査する。
[魔石の表面を撫でれば、すう、と光は収まる。
手綱を取り、煙の上がる方向を仰いで呟いた]
さて。……市街区に、潜入できればいいが。
暫くは落ち着く場所を探すことが先決だな…。
あとは、海沿い、か。
……本国の――そして鷲の国の船がどの程度、港を利用できるか。
両国の近隣港湾都市の状況も確認しておきたい。
[動いておきたい場所を思案にめぐらしながら、再び、馬の首筋をとんと叩いて方向を促した**]
行くとこまよったら次は此処行くかー
1.B 2.C 3.D 4.E 5.F 6.G 7.H 8.I 9.J 10.K →(04)
(03)(9,10は振りなおし
しかしまーこれ初回吊り安定な動きだな…orz
参った。絡みがないったらない
すみませんすみません orz
俺はいいんだが、非常にダーフィに申し訳ないな…
/*
まだ入村していない人がいるとなやむなあ
カークのコアタイムまでに、突撃できる状態にしておくのが親切だとは思うのだが
―過去―
[傭兵として転戦を重ね、四年近い歳月。
既に、日常的に菓子を口にすることがなくなって久しい。
代わりにポケットに入れた棒砂糖は味気なく、殆ど、体力を補給する為だけに利用されている。
たまに帰る本国で口にする菓子は、懐かしい味である筈なのに、きつい香料の所為か、どこかなじめない気がしてならなかった。
――九年間に味わった幸福が、それほど大きかったのだと――それだけの理由かもしれないが]
(……彼は、どうしているだろうか)
[時折、思い出す。一級下の、魔法のように甘いものを生み出したパティシエ。
彼の開く料理教室に、味見役として入り浸っていたことは、我ながら図々しいと思いながらも、大切な、暖かい記憶だった]
『誕生日、おめでとう、カーク・バッカー!』
[こっそりと彼の誕生日祝いを、皆で計画したことがある。
他人の記念日を美味しい菓子でお祝いする事の多い彼を、今度はこちらが驚かせようとしたのだ。
……彼のレシピには及ばなかったかもしれないが、菓子や飲み物を持ち寄ったそれは、目的を達成できていたのだろうか。]
『よいキルシュが手に入ったのでな。残るものでなくて悪いが…』
[己が贈ったものは、上物のキルシュヴァッサー。
――菓子に良く使われるダークチェリーのブランデー酒だ。
またお菓子を作ってください!と言わんばかりのプレゼントだと思われそうで、…ほんの少しそういう下心もあったのも事実だが――妙に、渡すのに躊躇したことを覚えている。]
(あの時、彼はどういう顔をしていたのだった、かな…)
[たった5年前だというのに思い出せない。
……暫く考えて、苦笑する。
くしゃりと胸ポケットの上から棒砂糖の塊を握り締めた。
どんな顔も向けられる資格など無い。
――だから思い出せないのだと、そう気づいた故に。**]
― 帝国内・某所 ―
[ 薄暗い武器庫の中、ランタンの光を頼りに前へと進む。
目的の場所に辿り着くと、手にしていたランタンを
一緒にいた青年に手渡し、辺りを照らしてもらう。
青年の薄茶色の瞳が、ぼうっと光った。 ]
――暗いけど見えるかな? ウェルシュ。
この銃は普通のものだけど、弾のほう。
魔法弾だ。
[ 5.56x45mm級のNATO弾の形状をしたそれは、
先端に透明な魔法石が仕込まれていて
ランタンの光を反射しながらキラキラと光った。 ]
――…この魔法弾は、同じ種類の鉱石に反応する。
例えばサファイヤの魔法石ならサファイヤの原石に働きかける。
で、面白いことに、この魔法石は石だけでなく、
ヒトの眼球――虹彩にも同じ反応を示すんだよ。
[ 淡々と話しながら、魔法弾を銃に充填していく。
地下室なのだろうか、ノトカーの低い声が響き渡って
しんとした室内の空気を震わせた。 ]
……つまり対象の眼の色と同じ色素の魔法石を仕込むんだ。
そうだな…ウェルシュならスモーキークォーツかな。
撃たれた相手は、中距離であれば一時的に視力を失う。
遠距離でも目くらましにはなるね。
身体のどの部分に命中しても効果がある優れものだよ。
……近距離から撃てば失明させることも可能。
[ ノトカーの眼帯のある方の目をじっと見つめられた気がして、
肩をすくめてくすりと笑った。 ]
こいつはまぁ、気にしないでくれ。
別に誰かに撃たれたわけじゃない。
…これは父がやっていた魔法弾の研究の成果だけど、
最初に話した通り知人を仕留めるのに適している。
眼の色を知っている相手、ということだ。
殺傷力は弱いが、階級の高い相手であればあるほど
視力を奪えるのは大きい。
あくまで補助武器としてお渡しする。
[ ランタンを持った薄茶色の瞳の青年は、いま
何を想っているだろうか。
一通り説明すると、ノトカーも小さな溜息を洩らした。 ]
…あまり気持ちの良い武器じゃないよな。
迷った時は使わなくてもいい。
お守りみたいな気持ちで持っていてもいいんだ。
[ そう呟くと、複雑な顔をしているであろう彼に手渡した。
クレメンス・フォン・トライブクラフト伯爵の瞳と同じ、
美しいグリーンアメジストの魔法弾――。* ]
[ ウェルシュを見送った後、部下の屯する酒場に顔を出し
ウォトカベースのカクテル、ブラッディ・メリーを頼んだ。
酒はほどほどに好きだが、飲みに来る事は少ない。 ]
……あ、いけね。説明に付け加え忘れた。
あの魔法弾は、当然だけど同じ種類の鉱石を身に着けてても
同じ効果があるんだった。
要するにアメジストの瞳でアメジストのペンダントを身に着けた
相手に対してアメジスト魔法弾を使うなら、効果が数倍に――…
[ 自分で言っていてこんがらがりそうだ。
カクテルを飲みながら、独り言をつぶやいた。 ]
そういえば俺、士官学校にいた頃、何も考えずに
皆に眼の色と同じ宝石アイテムあげてたっけな…
……まるで、いつか殺す日のために……
[ 妙な思考に辿り着いて、ふるふると首を振った。
単なる偶然だ。
傍で呑んでいた大柄な部下が絡んできて、肩を揺さぶられる。
やめろってば!と、その頭をはたいた。 ]
まぁいい。
俺がいつか使うのは、これだ。
[ 腰の弾倉入れに仕舞ってある、金色の魔法石。
金の眼を持った、妹の家庭教師…のちの夫、そして―― ]
……ギリアン。
お前だけはいつか俺が必ず仕留めてやる。
[ 呟く左眼の奥に、冷たい碧の炎が燃えていた。* ]
16人目、公国軍大尉 レト が参加しました。
公国軍大尉 レトは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
公国軍大尉 レト が村を出ました。
16人目、公国軍大尉 レト が参加しました。
公国軍大尉 レトは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
─ 4年前:卒業パーティーの後 ─
終わっちまったな。
パーティー。……パーティーも、か。
[片付けをほぼ終えたテーブルを一つ一つ見詰め、名残惜しむように手のひらで触れてゆく。
殆どの者が部屋に戻っているのだろう。
宴も終われば、漣が引くように人気は引いていった。]
[戦争や死を意識させる本気の言葉は、
記憶の中では、カレルの口から聞くのは初めてのことで。
少し、言葉に詰まった。]
…、戦地――か。
このご時勢じゃあ、な。
[数ヶ月前の皇帝の崩御は記憶に新しく、学校の雰囲気も以前とは変わってしまった。
卒業という門出の日も、昨年までのような、希望に満ちたものとは少し違っていた。
来年、再来年まで両国の国境線に囲まれたこの中立地域が保つという保障は何処にもないとまで囁かれている。
無事に卒業の日を迎えることが出来ただけでも僥倖というものだ。
こころなし、列席者の笑顔が固かったのは。
口に錘でも乗っているかのように、希望めいた未来が語られぬのは。
誰しも、最早この地が平穏とは言えぬことを知っているから。]
………俺も、きっとそうなる。
[空の色に緋を真っ直ぐに据えたまま、言い。
差し出された右手に、己の右手を触れさせた。]
俺らはさ、人を守ると同時に、殺す術を学んできた。
殺すなとも死ぬなとも軽々しくは言えねえよ。
だけど………
[言葉が続かない。
逡巡し言い淀むかのような、少しの沈黙。]
…―――出来れば、お前とはまた会いたい。
[平時であっても国が違えば、なかなかに難しく。
これから両国が戦争に突き進むようなことがあれば、
最悪、互いの立場は敵国の敵兵同士ともなろう。
けれど今は、それら全てを心に沈めて。]
決着もついてない。
54勝54敗のまま、だろ?
[6年の頃よりも格段に増えた対戦回数。
その勝敗を数え上げ、にっと犬歯を見せて笑った。]
……ここでの8年間、ありがとな。
俺な、カレルが居てホントに楽しかったぜ。
[感謝や思い、伝えたい言葉は他の同級生や後輩たち、新たな同居人、各々にあるが。
最大の好敵手として友として競い合い笑い合ったこの友人には、伝え切れないほどのものがある。]
あっ、別に別れの言葉のつもりじゃねえぞ。
[この時くらいは、希望を口にしても良いだろう。
触れさせた掌を痛いほどに握った。
強く、強く。**]
― 回想・いつかのフェルゼンベルク ―
[ 街が、燃えていた。
どうやってそこまで辿り着いたのかもはや分からない。
とにかく死ぬ気で馬を走らせた。
あちこちに見える消火活動のお蔭か炎は少しづつ鎮火しつつあり、
それでも、胸の中は焼け付くように痛い。 ]
…謝らないといけないこと…あるの……
もらった指輪……無くなっちゃったの……
ユーリエ……
[ 握った小さな右手はかすかに震えて。
指輪をはめていた左手は……どこにも、見当たらなかった。 ]
指輪なんてまたいつでも…
いくらでも……買ってやるから。
だから……
[ 俺の目の前から居なくならないでくれ――
言葉は声にならず、嗚咽に変わりそうになる。
ぐっと堪えて、大丈夫だよと言いたげに笑いかけた。
商店で買ったばかりの髪飾りを取りだして、
流れる銀の髪にそっと飾った。
小さな右手は震えながら、嬉しそうに髪飾りを確認する ]
…ありがとう…これなら失くさない…
あぁ…、思った通りだ。似合ってるよ。
毎日……それをつけて……俺の帰りを待っててくれたら
……それだけでいいな。
[ それだけでいい、
本当にそれだけの――ささやかな願いだったのに、
世界は無情にもその人を永遠に連れ去ってしまう。
ごめんね、ずっと大好き――――
最後にそう呟いて、腕の中の彼女はがっくりと力を失った。
>>231
傍らにいたヴィンセントを見上げると、涙があふれ出て
冷たくなっていく小さな胸にぽたぽたと落ちた。
もう二度と彼女の笑顔とは会えない事を悟って、
いつまでも、いつまでもその場から動けずにいた――。** ]
― 帝都より最前線へ赴く道 ―
[窓より顔を出す。
白馬に乗る嘗ての御近所さんは、今では笑いを巻き起こしていた口は尤もなことをいい、髪を結える器用な手は、銃にすっかりなれてしまった]
そうだな。
確かに漁業に於いてはあちらが長じている。
どの道、餓える前に決着をつけたいものだ。
[民の不安は今は、公国憎しと外圧に向かっているが。
これが内圧に向かった時――手薄となった都はどうなってしまうのだろうか]
[やがて、旅路が進めば、焼け野原がちらほらと見える。
ここで公国軍を止めなければ、自分たちの生まれ故郷もああなってしまうのだと――首都では抜けて見えた、軍服を着なれていない面々も、表情が変化した]
― 帝国前進拠点 ―
[簡易的な門が開かれ、荷馬車が詰み込まれる。
物資の輸送の中には、物騒なものの他にも生活に必要な食糧なども含まれており、にわか歓声に包まれた]
無事にここまで来られたのも、隻眼の英雄の鷹の目のおかげだ。
感謝する。
[馬車から下りて、護衛の任を果たしたノトカーに礼をいう。
言葉ばかりは形式のものではあるが。
"ここ"に無事に来られることの重さと、ほっとした安堵が、緩んだ口の端に現れていた]
― 帝国基地内 高級士官の執務室 ―
[部下の取次の後、執務室に入室し…]
本日付で戦略兵器の責任者として最前線に赴任した、カサンドラ=レイヴンウッド軍事技術局首席代理です。
閣下にお目にかかれて光栄です。
[軍帽をかぶっているが故、バレッタは使っていないが――帝国に来てから、たびたび個人的にジェフロイの元を訪問することがあった]
……渡河奇襲作戦の方の準備に、今晩にでも実行できるよう準備に取り掛かろうと思ったのですが……
何かあったのですか?
[というか、あっただろう、と、じっと上目遣いで遠慮なく嘗ての同級生を見た]
― 帝国で遠慮のない食生活 ―
[本来なれば魔法石の産地に引きこもって出てくることなど滅多にないが――
距離が近いと知れれば、割と簡単に軍の基地に赴くことがあった]
[もちろんいきなり押し掛ける不躾なことはせずに、ちゃんと事前に手紙はよこす。が、手紙が持ち主の手元につくのは予定日の1日前とかざらではあったが]
ジェフロイ、久しぶりだな。
[久方に会う旧友に、にっこりと微笑み……]
また給料を自腹を切って投資してしまってな…。
ごはん奢ってくれ。
[卒業式以降。本当にちょくちょくこんな軽く、姿を見せるようになっていた**]
一家惨殺事件→ユーリエ死亡と来てるから、
なんか弱いとこ描きすぎな感あるなー…w
B村ノトカーは復讐に燃える冷血漢の予定が…
(しかも復習に萌えるって誤変換してた)
さー公国への恨みは絶大なのでさくさく殺しますよー
実はヒゲも生やそうかという案も脳内ではあったが、やめたw
あー能力使う相手、陣営詳細見ながら悩んだけど
やっぱ話の流れ的にカサンドラ教官かなぁ…
スパイをスパイとして勧誘みたいな感じになるのか…?
ミヒャエルがまだ入村してないから、そこと関わり出来るかどうかにもよるな〜。
とりあえず流れに身を任せるか。
ノトカーの最終目的はやっぱギリアン殺すことなんだけど、NPCだからなー。どっかでどさくさに紛れて殺してた、くらいのライトさにしようかなーとか。
ただでさえNPCのユーリエと深く愛し合いすぎてるしwwwwww
てかスピンオフでユーリエ入れてください!!1!!1
/*
・カークと回想したいが、ここベリアンのが優先じゃね?見てから(ry
・フレデリカとは公国後の回想がしたい。が、3年前の暗殺事件を見てからにしたい…ベリアン待ち。
・カサンドラの情報気になる。が、他の人に優先のが広がりそうだなあ。ミヒャエルとか持ってかないかなw
・ノトカーの魔法弾こわすぎてwwwよし、琥珀身に着けておく!!!w
さて、コピー先ダーフィにして陣営公国行く、ってのをちょっと考えてるわけですが。
呪人はもともと村側陣営なので、それでいいんではないかと。
まああとはカサンドラあたりコピればダーフィとの対決に便利だったが…接点まるでないんでなあ 後方支援組のようなので今から接触できる見込みもほぼない。
帝国のほうが縁故は強いのが頭痛いところ。
ミヒャエル辺りと遭遇できればいいんだが。
しかし…
ノトカーからアレなケーキしか貰っていない俺は勝ち組ということですn (*´∇`)
ヽ(´∇`;)ノ<ちょっとさびしい
― 帝国軍拠点 ―
[かわいい教え子、という言葉>>116にも。その顔にかつての笑顔が浮かぶことはない。
カレルに近づくリエヴルに続いて馬を進めるが、表向きの上官であるリエヴル>>117が言葉を掛け終えるまでは口を開きはしない]
よう、久しぶりだな。
腕は鈍ってねーだろうなぁ?
[一礼するカレル>>175にはひとつ頷いて。
一歩退いた彼に、馬から下りて一歩近づいてからそう声を掛けて。
くしゃりと、その髪をなでようと]
お前さん一人にはできねぇからなぁ。
オレみてぇなのがそうそう居るとは思えんが、もし居たら危険だろ。
[見回ってくる、というリエヴル>>182にはそう声をかけ、自分も馬に飛び乗る。
お気をつけて、と見送るカレル>>193にはかすかな苦笑をこぼした。
ついてくれば、3人だけになれば、家柄だのなんだのという堅苦しいことを棚に上げ、一時だけでも昔のように話ができただろうに――と**]
― 回想 ―
フレデリカ・ファロン?
[それは公国に戻って、どれほど後のことだったろう。
耳にした懐かしい名前に、ディークは目を丸くしていた。
知らない名前ではない。むしろ馴染みのある名前だ。
無論、出自が
あいつ、まだ……。
[まだ学生だろう。とは、音に出来なかった。
自分が学校に居た頃とは情勢は変わり、緊迫は高まりつつある。
だからかと最初は思った。
が、続けて彼女の家が取り潰されたことを知った]
────…。
[何が出来よう、何が言えよう。
貴族であれば権謀術数、家が潰れるなどもままあることだ。
仮令先に知っていたとしても、この身で出来る事など殆どはなく、
ましてや既にファロンの家は消えている]
会いたいのだが。
[真っ先に、そう願いを口にした。
配属先を特務部隊第17分隊と聞いて、眉間に微かに皺が寄る。
汚れ仕事を担う…それだけに危険な部署だ。
あの小さな後輩が、そこに所属してやっているのか]
[再会には少し時間が掛かったか。
それでも願いは叶えられ、やがて対面することとなる。
そう、一時は相棒と呼んだ”彼”と───…]
………?
……………???
[予想外に目の前に現れたのは、薄い金の髪の”女性”だった。
耳朶には瞳と同じ色の見覚えのある石が揺れている。
そうだ、間違いない。確かにフレデリカであるはずだ。
けれど記憶より成熟した身体は丸みを帯び、
胸はやわらかにふくらみを見せていて───]
[ともあれ以来、彼──もとい、彼女との交流は続けられた。
情勢は悪化の一途を辿っていき続けたけれど]
よ、フレデリカ。
[と。名を呼び、他愛もない言葉を交わす。
ただそれだけで、けれどただそれだけが貴重であり続けた。
思う。この短い時間、このひと時だけは変わらずにあれ──、と**]
/*
>電話はありませんが、極めて希少な存在に「通信用魔法石や鉱石を利用した小型通信機」が有ります。
但し、交信範囲は直径20〜25キロ前後、島の直径に満たない程度です。
交信・隷従・睦言など他陣営間となる可能性のある囁きについては、こちらを使用することを有りとします。
……共鳴はこれ使っていいんだよな。
プロのうちに決めないとなぁ。
― 卒業後・それから ―
父上、母上。
………それに、兄上。
………ただいま戻りました。
[広い扉を押し開き、対面した家族。
記憶と同じ柔らかな笑みが彼らから向けられ、
けれど、それらは決して数年前と同じものではなかった。
送り出した頃の子供と違い、ある程度の年齢に達した息子に向けるのだから、当然ではあるのだろうが。
使用人含めたフォルテア家一同、彼らの一挙一動がまるで“新当主”を前にしたかのような――――]
[父親であるフォルテア家の前当主は、婚姻後、長く実子に恵まれなかった。
家の存続を憂慮した当主とその妻は、遠い血縁より養子を迎える。跡継ぎの不在を好機と見て家の乗っ取りや転覆を狙う者もいないとも限らぬために、近縁に気取られぬようにと血の薄い者から選出し、その男児は跡継ぎとして育てられていた。
しかし、それから数年を経て、夫妻は嫡男を授かることになる。フォルテア家直系の血を引く長男でありながら、表向きは次男として育てられた―――レナト・デ・フォルテアがそれだ。]
[6年前、士官学校を卒業した後、レナトは予定通り軍部に所属を移した。
そして同時に、正式に当主襲名を固辞すべく父に直談判を繰り返した。
一度皹が入った兄弟の絆は、8年の時間を経て生家に戻っても修復が困難であると思わせるものだったが、なにも兄との仲を憂慮したが為にそのような行動を取ったというわけではない。
どう受け止められたかは知らぬが、当然ながらお情けでも、兄を慮るばかりにそうしたわけでも、ない。]
当主の命は何を置いても優先すべき、ああ分かってる!
それでも、俺は―――
[父親の前に立ち、執務机の端を握り、言葉を重ねる。
視線の高さは大分違うが、8年前と同じ構図だ。
眉を下げた父母の表情も変わらない。
しかし、兄だけは心なしか違うように見えた。
見慣れた人に似たその顔に真意の見えぬ表情が浮かぶのには、
少しの怯えと、少しの安堵を抱いたのは、何故だろうか。]
[フォルテア家は今でこそ武門の名家として公国の貴族に名を連ねているが、武勲により侯爵位を授かったのが三代前と、比較的新しい家柄である。
公的な場での発言力は数ある旧家と比べればまだ低いと言え、それゆえ、腹に一物抱えた政界の魑魅魍魎と対等に渡り合うだけの政治的手腕が当主には必要とされた。
帝王学を学び、人当たりよく柔軟で、怜悧な頭を持つ。そんな兄と。
真意の見えぬ交渉術に向かず、剣振るのみを得手とする自分と。
どちらが“家”を預かるに相応しいかは、誰が見るも明らかだ。
ほぼ一触即発で開戦の気配も高まっている。
これは偏にフォルテア家の為だ、と。]
[フォルテア侯としての責務から逃げたいわけではない。
適材適所という言葉もある。
ただ、継ぐべく育てられた者を飛ばしてまで血に拘るのか、と、
自身を取り巻く貴族社会への反発も、もしかしたらどこかにあったのかも知れない。]
[フォルテア家は今でこそ武門の名家として公国の貴族に名を連ねているが、武勲により侯爵位を授かったのが三代前と、比較的新しい家柄である。
公的な場での発言力は数ある旧家と比べればまだ低いと言え、それゆえ、腹に一物抱えた政界の魑魅魍魎と対等に渡り合うだけの政治的手腕が当主には必要とされた。
帝王学を学び、人当たりよく柔軟で、怜悧な頭を持つ。そんな兄と。
真意の見えぬ交渉術に向かず、剣振るのみを得手とする自分と。
どちらが“家”を預かるに相応しいかは、誰が見るも明らかだ。
両国の緊張も高まり、開戦の気配もある。
これは偏にフォルテア家の為だ、と。]
[一族を預かる当主としての責務から逃げたいわけではない。
だが、適材適所という言葉もある。
継ぐべく育てられた者を飛ばしてまで血に拘るのか、と、自身を取り巻く貴族社会への反発は、もしかしたらどこかにあったのかも知れないが。]
[長い時間を要したが、幾つかの条件を飲むことと引き換えに、軍属の地位のまま前線に留まる許可が下りたのが丁度2年前。
純粋な付き合いを経ての流れではあるものの、
結果的に、妻アリーセとの婚姻も後押しになってくれた。
間にもうけた長男、エリオットの存在も、また。
当主を襲名した兄が大の女性嫌いで子を成さぬ為、家柄と血の問題も当面は解消される。
今となっては、あれだけ頑として首を振り続けた父の想いも、
子を、その先を思えばのことだったと理解出来る部分もありはする――――けれど。
譲れるものと譲れぬものが、内に在る。
行動原理も指針も目的も、己が剣振るう意味も。
全て、士官学校時代に得たものだ。]
― 公国国境城砦付近 ―
………
[小高い丘に登り、馬上からシュヴァルベを見遣る。
豊かな大地は土色に姿を変え、活気ある街並みは遠目でもほぼ廃墟と化していた。
恐らくは、懐かしき学び舎もまた―――]
………無残なものだな。
[かつて、幾度も馬で駆けた平原。
学生たちの若い頬を撫でてくれていた冴え冴えとした風は、
今や兵や民の血を吸った砂塵を撒き散らし、怒号や悲鳴を風下へと運ぶのみ。]
[年月を経ても変わらぬ色の緋がふと、連なる山々に向く。
ゆるりと稜線をなぞり、やがて覚えのある洞窟の入り口を見つけると、軽く唇を引き結ぶ。
背後からの呼び声があればふいとそこから視線背けて、馬首を部下の方へと向けた。]
ん。あ、ああ、今戻る。
第二部隊の召集と報告は終わったか?
偵察からの情報は?
[並走しながら、部下が早口で伝えるのに耳を傾け]
そうか。ご苦労さん。
引継ぎが済んだら、第一部隊には適宜休息を取るように伝えろ。
明日はシュヴァルベの前線まで北上する。備えを怠るなよ。
[個人的な伝達事項もある。
それには早馬を差し向け、兵舎付近に馬を繋いだ。*]
/*
NPCが多いんで、A村からBプロまで検索必死だった…。
色々横に並べてみて違和感のなさそうなところで、最初はオクタヴィアさん予定だったんだけど、オクさんは教員として既に名前があったっぽいのでした。
次点だったアリーセは共鳴相方にもちょっと似てるしね、小ネタとしていいかな、っと。そんな決め方。
48h村ってかなり厳しくないかなーと思ってたけど
今見るとドヴァの福音とか48hだったのねw
とりあえず、無理に全部ついていこうとすると溺れる気がするのだ。
ログは読みつつも、手を出す範囲はほどほどに…かなぁ。
多角苦手だし。
― シュヴァルベ・帝国拠点 ―
[馬に乗るのは、どうも慣れない。
降りてからも暫くまだ地面が揺れているようで、うっすらとした不快感が続いていた。
子供の頃は、馬が好きだったはずなのだが。
多分、自分の不安定さが馬に伝播して、
それがまたこちらに跳ね返ってくるのだろう]
――……以上が報告となります。
中央部よりも南西部の地形の状況について、若干追記しましたので、後ほどご確認ください。
/*
なんかこう。
リア充っぷり+一見望む立場を手に入れているかのように見えて自分の子とはいえちょっと(ry
いや、おうちに不要な立場+血も残してあるってことで死亡フラグの心算なんだけどね!
惨殺事件とか起こしたほうがいいのかと思ってしまうよね!(不穏)
[士官学校を出てから入隊するまでに、数年の月日が経過していたのもあり。かつての同期が、普通に上司になっていたりもする。
とつとつと報告をしてから、最後に上司――ソマリ・イェーガーを――振り返った]
公国の補給部隊に、懐かしい顔を見ました。
カーク・バッカー……多分、今では別の名でしょうが。
[どうしますか、とも。どう思いますか、とも特に問わず。
事実のみを口にする**]
/*
なんかよく距離がわからなくなってきたんだyooo
時間軸もわからん
うーんうーん
でも死亡フラグにはちょびっとでも触りたい
帰りは馬
17人目、公国軍大尉 ベリアン が参加しました。
公国軍大尉 ベリアンは、夜兎 を希望しました(他の人には見えません)。
──三年前、公国官邸バルコニー──
褐色の肌に紫の瞳。
──ヤトの民が砂漠の王であったのは、百年以上も昔の話だ。
地図は戦乱の中で繰り返し書き換えられ、
強大な武力を持つ他国に襲われたヤトの民たちは、
神から与えられた故郷を追われた。
あるものは捕まり奴隷として売られ海を渡り、
あるものは傭兵として食いつなぎ、
今では、流浪の民として各地に散るばかり。
──もはやかつての反映の面影は残っちゃないのに、
ヤトの民は今でも"ヤト"を名乗る。
古い誇りだ。
[見目でそれとわかることが、結束を強め、同時に連なる血に拘泥し続けるその理由一端になってしまった。]
今のヤトは、心理的には、帰属する国を持たない。
ヤトが"故郷"と呼ぶ名前は地図には無い。
今は他の奴らが住んでる別な土地だ。
だが、それでもヤトの民は、今でも失われた
"自分たちの"故郷が忘れられない。
帰りたいんだよ。愚かしくも、延々と。
その為に牙をといでる。
今でも、
────かつての"故郷"を取り戻すために。
そう、
[そこで、バルコニーから街並みを見ていた語り手は、
聞き手の金色の髪を見やった。]
俺がお前の父君であるトライプクラフト外務大臣の政敵、
マーティン・フォン・ミュラー軍務大臣付きをしてるのも、同じ。
将来我が"故郷"を取り戻す力を貸していただけるって
──"契約"の元、ってことだ。
[夜風に髪がなぶられるの紫眼が見やる。視線が向くのは、かつての後輩たる、ステファン・フォン・トライブクラフトへだ。]
… 風が出てきたな。
あそこじゃ、理由までは話してやれなかったんで、
顔見たついでにと思ったが
[かつての学び舎をあそこ、と言葉で指して、肩を竦める。
仕草はかつてとほとんど変わらぬまま]
つき合わせた。
[腰に下げた剣を軽く揺らして、ベリアン・アリーと士官学校と同じ名前を名乗る護衛官は、歓談が続く広間の灯りへと*顔を向けた*。]
― 回想/大臣襲撃前・帝国内某所 ―
[ゆらり、と薄暗い武器庫の壁にランタンの灯りが揺れる。
今回の特殊任務に就くとなって、最初に許可されたのがここの武器を使うこと。案内役の青年の背中を見ながら奥へと進む]
大丈夫だよ、ノトカー。見えている。
随分と種類が多いようだね。
[ランタンを受け取ろうとすると、青年の片側だけにある碧みがかった緑がチカリと光った。
並べられた魔法弾>>278を見るために翳せば、色とりどりの光がゆらゆらと周囲に踊る。
興味を惹かれていることは隠さず、一つ一つをじっくりと見てゆく。懐かしき日々、白銀の髪の同級生と食事も忘れそうな勢いで話し合った頃のように]
人の虹彩にも感応する?
なるほど、瞳の色を宝石に喩えることは多いな。
それで実用化されたものか。
[三年前──卒業後のステファンとの邂逅。
しかし、その数日後、
軍務大臣マーティン・フォン・ミュラー辺境伯は
何者かの手で暗殺されることとなった。]
[窓一つない石壁に響く低い声に頷きながら、煙水晶のよう、と評された瞳をノトカーに向けた。
軍学校時代よりも暗い色味。陽の下で見ても旧知の者には差を感じられるだろうそれは、髪の色を本来の銀茶に戻した対比のせいか、それとも]
ああ、そんなところかな。
ノトカーなら、クリソコラ?
[珪孔雀石のような不思議な瞳から、同じ色があったはずの場所を覆う眼帯に視線をずらした。
疑問は口にしなくても悟られた>>279ようだ。笑いながらの否定に、そう、と視線を外す]
そうだね。知人相手が一番使いやすい武器だ。
後は今回のように広く知られた相手に対して。
近距離限定とはいえ永久にも視力を奪えるのなら、命を奪わずに戦線離脱させられることで利用価値は高まるだろう。
死んでしまえばすぐに次が立つかもしれないけれど、生きているとそう簡単にはいかないこともある。公国は国としても若い分で帝国より身軽かもしれないけれど、国政に携るレベルとなれば柵は少ないはずがない。
見事な研究成果だと思う。
[淡々と有用性を分析した後、睫を伏せて溜息を吐いた]
[この時は機密性の高い部屋で、かつての後輩と二人きり。
常に押し殺している個人感情に僅かな綻びが生じた]
……獅子と虎が競い合うようにはいかないものだね。
同じように間を取り持とうとする者がいても。
それを認めることは出来ない。
[それでも更に低めた声で小さく呟き。
何かを堪えるような顔でノトカーを見下ろしてから、それを受け取るために手を差し出す]
………。
だからこそ、早く終わらせなければいけない。
一時の痛みを我慢してでも。させてでも。
[魔法弾を手にすることで感傷を振り切り、唇の端を上げる]
武器に良し悪しはないだろう。
でもお守りでもいいと言ってくれたことは覚えておくよ。
ありがとう。
[美しいグリーンアメジスト。
優しく穏やかな光を宿していたのと同じ色の石は。
握り締める前、鋭く冷やかな光を弾いた*]
/*
うわーん!
ベリアンと混ざるの避けたつもりだったのに。
人数的に気にしてもしょうがないのは分かるのですが。夕飯前に書きあがって戻ってから今なら!と投下したので凄く悔しいので、こっそり残し。
ふむん
視力を失って戦線離脱という手もあるのね……
今のところ死ぬつもりではいるのだけれど
襲撃犯(ウェルシュ)の顔を見ていないという路線にもできるけど、せっかくなので相手が誰だかは知りたいかなあ
[共に来るというシロウ>>298に対しては、やはりそうなるかと苦笑いを零す。
元来身軽に単身移動するのを好むが、公爵位についてからというもの、それもなかなか適わなかった。
常に近習や護衛兵がつき、何をするにも時間を要する。
そもそも並の護衛兵よりも自分の方が腕が立つだろうにと、どうにも納得がいかない。
自身も腕に覚えがあるからこそ、身軽な行動を好みはするが。
周囲にとってはそう認める訳にもいかないというのも、また、わかっていた。]
……色々。背負うものが、増えました。
[ポツリ、そんな感想を零しながら。]
――現在:士官学校跡地――
[ジェフロイの言葉など、我知らず。
いや、どちらにせよ自身のような要職にある者が軽く動くことで労を背負う者は当然いるのだろうが、そこはそれ。
ご愁傷様くらいにしか思っていないのであった。]
…………もう、見る影も無い……です、ね。
[瓦礫ばかりの母校を眺めながら。
傍らのシロウに、ポツリと声をかけた。]
[道中のシロウの言葉>>298を思い出せば、自然と表情が翳る。]
………………えぇ。
ここも既に戦火に巻き込まれているだろうことは、わかっていたのに。
……見たく、なかったのかもしれません。
――――――…これが現実、だというのに。
[思い出は、思い出のままにしておきたかった。
今はもう崩れ落ちてしまったことなど、認めたくなかった。
自分の中の拠り所まで、崩れ落ちてしまいそうな気がして。*]
―シュヴァルベ・帝国拠点―
[斥候分隊からの報告を聞きまとめ、
現時点での公国の進行状況、最新版の地形、
確保している補給物資ルートなど…
必要な情報を整理し、シュヴァルベの地図に書き込んでゆく。
淀みない手つきで筆記を続けるペンは、
随分と年季の入った代物だ。
かつて師匠と呼んだディークが愛用したペンを貰って以来、
ソマリの報告書は常に、このペンで生み出されてきた]
[時折、インクが掠れる。
ペン先が摩耗し、文字が滲んで
使い物にならなくなった時もあった。
そんな時は軍務の合間に街の職人を探して、修理を頼んだ。
買い直した方が安いですよ――と繰り返し言われながらも、
黙って笑って金を積んだ。
『お前が迷ったときに、自分の道を照らせるように』
手渡される時に篭められた使い方を、
自分はまだ出来ていないから…と]
― 帝国前進拠点・執務室 ―
[>>296追加部隊の到着に驚きつつも出迎えるのは、
部下を怒鳴って送り出した程なく後だった。]
カッちゃ…
[と、気軽に声をかけようとして、ごほんと咳払いで止めた。]
レイヴンウッド技官。
技術局首席の代理が来るとは聞いていたが、
お前だとは思わなかった。
ああ、奇襲作戦の件は聞いている。
この辺りの現在状況を地図に記しておいたから…
[まじめな顔でそう言うも、続いて出たまなざしと問いかけには、微妙な顔をする。こういう時の顔はおそらく昔と変わっていない。
苦虫噛み潰したような顔で、ついさきっきの事を話した。]
…トゥーレーヌ准将が、到着早々一人で出て行ったそうだ。
[と言うと、カサンドラの背後に控えていた別の部下から「他にも人影を見た」との申告があった。
ついでに行き先が前線の方だったと聞けば、頭が痛くなるような思いもまた沸いた。]
自分の立場分かってんのかよ…。
公爵が前線の先に、数人で顔出すとか ………。
[それ以上の苛立ちは飲み込むようにして抑えた。]
フゥン。公国前進基地に大きな動きあり、と。
…あちらさんも来るのかねェ、大物が。
[帝国がトゥーレーヌ公を担ぎ出してきたとなれば、
公国とて同等の重鎮を寄越すことは、容易に予想できた]
そして派手な花火が上がる、か。
[かつてこの地で卒業式を彩った華やかなものではなく、
今の荒廃した地に相応しい、鮮血と悲鳴を伴うものが。
今更其処に感慨は無い。
感傷を食むには、人の血をもう…見すぎた]
どのみち、少人数で前線付近をうろうろされる訳にはいかない。
敵もだが、味方の攻撃も当たる可能性もあって洒落にならん。
戻るように部下を飛ばしたが…。
[何時になるかは分からんがなと、また溜息が落ちた。]
―回想:大臣襲撃事件後・帝国基地某所―
[拾い主と向こうの親類が旧知だった縁で、
卒業後もウェルシュとは顔を合わせる機会があった。
伯爵位を継いだ挨拶にとロスチャイルド邸を訪れた彼は、
僅かな緊張と…東寮で1年間しばしば見かけた
したたかなイイ笑顔とをバランスよく混ぜた、
柔和な立ち振る舞いの未来有望な若き伯爵に変貌していた。
それが――…公国大臣襲撃事件を契機に、
明らかに変わった。
感情を覗かせぬ柔らかな表情は、芯の崩れた笑みに。
怜悧な眼差しは、何処か遠くを映す空虚なものに…]
[帝国の前線に程近い基地で、顔を合わせた時。
その纏う雰囲気の差に、軽く目を瞠ったものだ]
ウェルシュ…。
[公国大臣襲撃事件については、
拾い主ファミルを通じて粗方の情報を得ていた。
…――その道を選んだのは彼だ。
胸に描く未来を得る為に。
だから、同情も。憐憫も。
場違いな感情だと、心に浮かべはしないけれど―――]
―イェン=サラー=ボルドゥの事情―
[イェン=サラー=ボルドゥは、帝国の前線部隊のひとつに配属されていた。
斥候部隊への配置はならなかったが、ほぼその情報を追尾する形で受け取る事の出来る小隊だ。
隊の大部分は傭兵で、士気はさほど高いとは言えなかったが、それもある意味都合は良い。
まずまずの位置を確保できたと、安堵を覚えていた。]
― 仕官してからのある日 ―
よぉ。
[その頃には軍服姿もそろそろ板についてきていたが
苦手なデスクワークに辟易しつつもある頃で。]
『大事な話がある』なんて手紙寄越すから
何かあったのかと思ったら…
[>>297大よそ予想通りの話の流れに苦笑した。]
だと思った。
これから飯だ、近くに食える店があるから来い。
[そしてそんな風に連れ出す事時折。]
そっちの研究の方はどうなってんだ?
俺? 俺の方は……
[さほどカサンドラは自身の研究の話はしなかっただろうか。
こちらといえば他愛も無い、日常や軍の話をよくした。
機密を話す事は互いに無かっただろうが、口を開けば知れる事、見える事もあっただろう。]
……これから情勢は悪化するだろうな。
[合間に、そんな今後の話も少しした。]
(……俺を此処に伴ってくれた
[部隊の位置、戦況の把握。構成員の氏名。
次々と移り変わる戦線の状況、本国からの補給時期に至るまで、さまざまな情報を与えられた装置に伝え、蓄積する。
魔石を組み込んだ、平たい円形の金属は鎖の国より与えられたもので、その仕組みに詳しいわけでは、決して無い。
常はなめし皮に縫いこんだ其れは、長の持つ特別な魔石、
[情報は、順調に集まっていた。
魔石を通じ連絡を取ったローも、
密かに北部、南部の海域と共に、小型船舶にて近隣の港湾都市を調査していた族長も、次の傭兵船が着く頃を目処に軍に潜入するつもりだという。]
『族長、やはり…、危険なのでは』
『その方が、早く片が着くだろう。……心配するな。大規模な衝突に巻き込まれる積りはない。俺たちの任務はあくまで潜入、諜報だからな』
[低い笑いと共に切れた通信に、ため息が出る。アリデ副団長が苦労している理由がわかる、と。
基本的にシューニャ・クロイツ・ボルドゥは自ら動くことを好む。ローと自分が潜入を、彼が周辺調査を引き受けると船上で話し合った結果は、数週間もすれば、なかったことになってしまったらしい。]
[カサンドラが手紙の指定日時通りに来ないのは茶飯事だったので気に留めなかったが。
一度だけ、その事が不味いと思った事がある。]
おいカッちゃん遅ぇよ。この先予定あるか?
ないなら来い。ちょっと飯食う場所今日は変える。
[珍しく有無を言わさずひっ捕まえて、馬車に乗せた。
カサンドラを置いていく選択肢が思いつかなかった程度に、
今思えば焦っていたのだろうとは思う。
連れて行ったのは、ラウエンブルク領地。
たどり着いた館で義姉の出産が無事済んだと聞けば、ほっとしたように胸なでおろした。
僕よりあわてて帰って来たねと兄には苦笑されたりもしたが。]
[――その知らせを受け取ったのは、次の夜だった]
『斥候部隊が、近くへ?』
『ああ。先行して索敵中だそうだ。――あそこらへん、精鋭揃いって噂だろ。その代わり、新兵が配属された時の生還率は嫌ンなるほど低いって話だがなあ。
俺たちみてェな非正規軍の傭兵じゃ縁もない部隊だが、収穫によっちゃ、こっちにもお鉢が回るかもな』
[同僚の言葉に、胸がざわめくのを感じる。
その部隊の噂は、配属されてごく僅かのイェンにも届いていた。
前線に名を轟かせている部隊長、ソマリ・イェーガー。
――その名前を族長に報告した時、僅かに声が緊張したことを覚えている]
『……そうか。イェーガー、か。
――もしどこかで遭遇しても、長くは会話するな。
勘の良い男だ。まるで眠れる獅子のように』
[お知り合いなのですか、とは聞けなかった。
……彼がシュヴァルベに留学していた事は、彼が迎えにきた団の遺児、皆が知っていたからだ]
仕方ないだろ…。
ラウエンブルクの跡取りがようやく生まれるってんだから。
義姉上も、無事なようでよかった。
[叔父の政略で見合わせられた兄と義姉だったが、叔父の死後も変わる事なく結ばれ中睦まじくそれは喜ばしかった。]
…と、カッちゃん悪いな、つき合わせて。
侘びに今日はうちの料理を食べてってくれ。
不味いもんじゃないとは思うが。
[というと兄には
『料理長の腕をそんな風に言うものじゃない』と窘められたが。
そういうわけで、その日は家で食事を出す事になった。
兄から女性を連れてきたと驚かれたが、それ以上揶揄される事はなかったのは、自分が妻帯しないと兄に誓っていたからだろう*]
(……でも、そうだ、……船で)
『【エルンスト・ヒンメル】は、この街で死んだことになっている。
だから俺は、昔の知人にそう名乗るつもりはない』
[船上で彼が告げた言葉に、ローと己は、顔を見合わせた覚えがある]
『死んだ?』
『ああ。――卒業後のことだ。どこまで知られているかはわからないが』
『何故そんなことに?』
『罪を犯して、追い詰められ、崖から馬ごと転落した』
[淡々と告げる顔に、笑みはないが、動揺もない。
戸惑ったように尋ねた己の声のほうが、余程揺らいでいたようにも思う]
『罪って』
『子供を殺した。……七歳の少女を殺害し、解体していた所を見つかったんだ』
[まさに度肝を抜かれたように、ローも自分も押し黙る。
暫くの沈黙。
やがて、ローがおずおずと…、しかし訝しげに彼に尋ねた]
『……族長が何故、そんなことを』
『機密の保全。………形よく言えば、そうなるだろう』
[それ以上の言葉は、引き出せなかった。
――当時の族長は、鎖の国の諜報員として動く立場だ。
なんらかの機密保持のための行動であろうことは予測できたが]
(……少し、割り切れないが。諜報員というものはそうしたものだ。それは知ってる)
(情に流されてはならない。必要なことを遂行するだけ)
(それに、何があっても族長への恩義は変わらない。……俺たちは、それを返さなくては…)
[名高い斥候部隊。……潜入は出来なかったが、彼らの情報を少しでも収集し、本国へと送る事は団のためにも、族長のためにもなるだろう。
――それに]
(昔のことが祟り、族長が学友の前に顔を出せないのなら)
(その情報を、近況を、少しでも欲しくはないだろうか)
[その判断は誤っていたのだと、イェンは思う。
――情の為に任務をゆがめる。
それは、諜報員としては、最もしてはならないことだったのだから――…**]
トゥーレーヌ准将が…。
[彼も最前線に出て指揮を執ることになったのは、シュヴァルベで開戦してから初めてのことだったか。
ならば思うこともあるだろうとでもいいたいのだが……
部下のいる手前、口は噤むに限る]
心中お察しする。
起こったことは怒っても仕方がないな。
公も責任のある立場だ。軽率な行動ではなく、何か思うことがあったのだろう。
[いくつもの意味を含める責任。
帝国の舵を担う一部分であり、それが故の開戦の責任と。
そしてこれからの帝国を導くべく立場である責任と。ああ、実に便利な言葉]
そうですね。
作戦の決行は、少なくとも公が戻ってからでなければ。
[奇襲は夜襲である。それが故――間違いがあってはならないと]
準備は進めるが、何分、技官の連中は体力がなくて。
到着早々申し訳ないが、しばしの休息を頂きます。
[そう、礼をして部屋を辞そうとしたが……]
……ああ、そう
私的な差し入れがある。また夜にでも。
[これだ、と、グラスを持つジェスチャーをし。
今度こそ部屋を辞した]
― 回想/四年前・ロスチャイルド邸 ―
随分のご無沙汰となりました。
ファミル様には当主代理も随分とお世話になったとか。
改めて御礼申し上げます。
[当主として立ってすぐ、祖母存命の頃から知る女伯の所へと挨拶に向かった。その手を取って優雅に口付ける]
私が寮生活で公国の気質に染まってきたのではないかと?
相変わらずの早耳ですね。ですが学校は学校。今は今。
帝国貴族としての立場を忘れることはございません。
私が命永らえたのは祖母のおかげ。
オーベルニュ家が爵位を落さずに済んだのも祖母の手腕。
不肖の孫がその遺志を継がずに何といたしましょう。
[社交辞令も混ざってはいたが、嘘塗れでもなかった。
祖母に発見されていなければ、馬車が谷底に落ち、一人雪山に取り残された7歳児が生きていられたとは思わない。
公国人である母を貶されれば胸が痛みもするけれど、父が一人息子でありながら駆け落ちという手段を取った以上、祖母や一族の怒りも理解不能ではないから。
一歩ずつ積み重ねていつかは、と、ルームメイトと軍学校での日々から学んで、その場に矛盾することなく在れた]
― 回想/四年前・ロスチャイルド邸 ―
紹介したい人物ですか?
[歓談の間に新しく呼ばれ、今一番の手駒だと紹介されたその人は]
……なるほど。
ファミル様が信を置く気になられるだけの方ですね。
[ただの駒ならここで紹介はされないだろうと判断する]
一年ぶりですね。ソマリ……殿。
あちらではお世話になりました。
[先輩と続けそうになったのを急いで変える。軍学校での関係を引き摺るのは喜ばれまい。
女伯が満足そうに頷いているのを横目にしつつ、再会を嬉しく思う気持ちは変わらないと握手を交わす手で伝えた*]
ガマンしろ、地位ある者の宿命だ。
つーか、お供がオレ一人で済むならまだ気楽だろーよ。
[苦笑し、背負うものが増えたと零すリエヴル>>330には、そう返す。
リエヴルの腕は知っているが、自分のような家業の者がもし他に出てきたら、単独で生き延びれる保障がない]
まだ、お前さんに死なれちゃ困るんでな。
[本当の雇い主はリエヴルではなく、公国のクレメンス侯爵だけれど。
帝国内での宿主を喪うにはまだ早い。まだリエヴルの殺害命令は来ていない。
リエヴルがどこまでこちらの思惑に気付いているかは知れないが、少なくとも利用価値がある内は生かしておかれるだろう、とも思っている]
― 士官学校跡地 ―
ここまで、見事に破壊しつくされてると。
ラヴィの子供たちも、全滅しちまったんだろうな。
[見る影も無い、というリエヴル>>331に頷き、肩を竦める。
もふもふたちを愛で、教え子たちを見守ったあの場所が喪われる事はわかりきっていたから、リエヴルほど落ち込む事はない]
………見たくなかったんなら、ここに来ようとしねぇだろ。
むしろ、確認したかったんじゃないか? ……もうあの頃には帰れない、って。
[これが現実だというのに、と。表情を翳らせる>>332を見て。クッ、と笑みを浮かべた。
昔、教え子たちに向けていたのとは別種の笑み]
お前も、大概頭堅いよなぁ。
壊れたもんは、作り直せば良いんじゃねぇか。いくら時間が掛かってもな。
[リエヴルが公国をどうするつもりなのか、わかっているが。
それでも。もしリエヴルが、公国のクレメンス侯爵と同じ考えを持つに到る事ができるなら、と思っている。
……今の思想のままならば、いつかリエヴルを殺す事も厭わないが]
― 帝国前進拠点・執務室 ―
ああ、そう聞いた。
[>>335仕草に苦笑する。この場合それは良い事なのか悪い事なのか、判断がつかないという笑みだった。
地図を渡すと返答にはうなづいて。]
一応説明不要なようには書いてあるが、
不明な点があれば、俺か部下か…
あるいは斥候隊あたりに聞いてくれ。
元になる情報を持ってきたのはそいつらだからな。
より詳しいだろう。
思うことがあったとしても、
それを相手が汲み取るとは限らんからな。
[>>357カサンドラの表情から、言いたい事を読んでかそう告げる。]
まぁその通りだ…。
起こったことは取り戻せない。
[そこに含む言葉は、カサンドラと違うものを差していたが。]
とにかく今は戻りを待つだけだ。
俺まで探しに出るわけにもいかんしな。
決行時期はそれでいいだろう。
奇襲に護衛兵がいるなら申し出てくれ。
そちらの裁量で配属させるが、斥候隊を薦めておく。
[>>358正式な辞令ではない。提案のような物をなげて、
退出を見送ろうとしたが。
私的な差し入れには、少し苦笑した。]
酒か?まあいい、また夜にでも。
[そういえばここの所飲んではいない。
嫌いではないからありがたいと言えば嘘になるが、
この状況で飲むべきかは少し考えるところでもあった*]
確認、か……。そう、ですね。
少なくとも、現状を知る為には――…
この目で見ておく必要がある、とは、思ってました。
[シロウの言葉>>363に、重々しく頷く。
自分の中にいまだ甘い考えが残っていることは、自分が一番わかっていた。
戦いにおいては、それが命取りと成り得ることも。]
……頭が堅いのは、わかってます。
えぇ、作り直しますとも。
この場所は、俺にとってはかけがえのない場所だから――……。
[そう。この地で得た平穏を求めるが故に、両国の統一を考えるのだ。
ただ、それが帝国主導によるのは、帝国の名門貴族に生まれた立場によるエゴとも言える。
また、己が立場から見れば、それが一番の近道とも考えていた。]
[かつては、自身の立場を呪ったものだ。
権力になど、興味はなかった。
ただ、かかる火の粉を払うのみ。
それが、権力のただ中に置かれ。
求めたものは、権力とは無縁の、安らぎ。
その時に、気付いてしまった。
権力とは、謂わば成す為の力なのだと。
二国の融合を求めるならば、自らの立場と力をもってそれを成せばいい。]
[望みの為ならば、自らの手を汚すことも厭わない。
既に、幾人もの血と涙と怨嗟の声に塗れた身。
そっと、腰に提げた革袋に手を伸ばす。
そこに大事に仕舞われているのは、燕が象られた銀の匙。
心が折れそうな時、常にこれに縋ってきた。]
― 回想・仕官してからの ―
>>344
わかっていらっしゃる。
[卒業式の日に、ごはんおごる、と言われたのをいいことに、まるで遠慮せずに公務員のお財布に期待した。もちろん、自分もちゃんと給料を受け取れた時はそれなりのお返しもしたが]
まあ、ぼちぼちだな。
学校にいた時よりも進みはするが、政治だの何だの、気を使いたくないところで気を使わねばならんのは疲れる。
[平民は気楽だ、とは思っていたが、技術局で好き勝手にする為にはある程度の自由を勝ち取る力が必要だ。
まさに底辺からの戦いだった]
そうか。私もまた出世しそうだ。
[平民出身が出世する。何のことはない、軍事的なものは目先の華々しさに目を取られ恩賞を与える。それだけのことだ]
― ラウエンブルク領にて ―
[すまんすまん、と時間にルーズなことを謝って。
有無を言わさぬ様子に、軽く頷いて馬車に飛び乗った]
[その中で本当の事情を言われれば、本気ですまなかった、と手をあわせて謝ったのであった]
[連れてこられたのは立派な格式のあるお屋敷。ラムスドルフ家も大きかったが、その比ではなく。
初めて目にする、帝国貴族のお宅に、ただただ圧倒されるばかりだった]
はじめまして。
帝国軍事技術局の局員のカサンドラ=レイブンウッドです。
ジェフロイとは、士官学校からの友人です。
此度は、ご子息の誕生、誠におめでとうございます。
……突然でしたので、何も御祝いの用意をしていなくて、申し訳ございません。
[職場からの着の身着のままもよい格好だったので、恐縮してただでさえ小さい姿がさらに小さくなってしまっていったが。
しかし、ゴハンとなれば話は別であった]
恐縮の至り。
ありがたく御相伴あいつかります。
[事実、料理長の腕は大変よかった。
ついつい料理長に、直接御礼と、それからどうしてこんなにお肉がやわらかいのかとついついいろいろ聞き込んでしまった。実に楽しい時間だった]
[そんな中――お勧めのボトルを取ってくるよう言われて、ジェフロイだけが席を立った時に。
ラウエンブルグ公と少しだけ、二人の話をした]
大事な友人の1人です。
彼が居なければ、私は今ここにいなかったでしょう。
[ジェフロイのことを聞かれてそう答えた。
若公爵の胸中はわからなかったが――]
― 3年前・公国 軍務大臣公邸 ―
ほらよ、っと。
オレは軍務大臣本人を殺って来るから、オマエらは陽動よろしく。
[{1}日前に王太子を暗殺した際に、その護衛たちの懐から拝借してきた、公国の銃は(04)丁。
それを、リエヴルから付けられたお目付け役の2人に手渡して、自分は別行動を取ろうとする。
この銃弾と、王太子から護衛官が下賜された紋章入りの銃を残しておけば。
王太子を暗殺された事に対する和平派からの報復かもしれない、と。
ならば王太子を暗殺したのは、帝国ではなく開戦派だったのか、と。事実がどうであれ、和平派はそう思っているのか、と。
そんな疑心暗鬼が、公国内の和平派・開戦派双方に生まれるだろう]
………んだよ。
しょーがねーだろ、アンタらじゃオレについてこれねーし。
守備兵に見つからずに、オレと同じルート走れるか?
[それではお目付け役の任務が果たせないという二人にジト目を向けてそんな言葉を掛ければ、流石に反論は封じれるだろう。
殆ど凹凸の無い壁も道具なしで走り登るような芸当が出来る人材は、流石にリエヴルの子飼いの精鋭たちにも居ないだろう]
[オズワルドとヴェルナーの2人が、屋外の警備兵たちにみつからないよう、先に調べておいた軍務大臣の部屋を目指して潜入したのを確認して。
黒衣の暗殺者は、素足になって壁を3階まで駆け上がる。
執務室を覗けば、軍務大臣以外に護衛官のひとりやふたりは残っていただろうか。
本人しか居なければ、窓を蹴り割って速攻大臣を殺すつもり。
仮に護衛官がいても、実行することにそれほど差は出ないが、手間は増えるだろう]
文章がまとまらない
まとまらない
そして意識不明で入村という酷い人に絡んでくれてありがとうみんな……
― 回想/大臣襲撃前・帝国内某所 ―
[ スモーキークォーツ、と自分で言ってから気が付いた。
ウェルシュの髪と眼の色は、こんなコントラストだったっけ?
士官学校時代と少し違うような気もしたが、
室内が暗いせいかと思い、追求せずにおいた。 ]
そうだな。俺は…
[ クリソコラ、という問いには曖昧に答える。
ノトカーの眼の色もまた、学生時代とは若干違う光を放っていた。
>>327 魔法弾への意見にはこくりと頷いて。 ]
使いどころは色々あると思う。
殺したくないが戦線から蹴落としたい相手と対峙した場合…
とかね。ま、あまり想像つかないけど。
例えばそうだな。士官学校時代の…。
[ そこまで言って後は濁した。
旧友に使うとしても、ある意味、残酷な武器だ。 ]
― 現在・士官学校跡地 ―
まあ、頑張れ?
[作り直しますとも、と応じるリエヴル>>368には、無責任かつ軽いノリの相槌を打つ。
だがその視線は、値踏みするようなもの。
リエヴルの手が、革袋>>371に伸びるのが見えれば、視線を彼から反らす。
中身が何かはしらないが、誰に関わる物なのかは想像に難くない]
…………アイツと、もしここで遭遇したら、どうする?
[公国の国務大臣であるクレメンス侯爵に雇われている身なので、公国の主要人物についての情報はそれなりに手に入る。
暗殺が主任務だが、諜報も仕事のひとつ。
トールの身分については、リエヴルに調査を頼まれたなら報告したこともあるだろうか。それとも、リエヴルは知らないままだろうか。
いずれにせよ、そんな言葉を試しに掛けてみた]
― 公国前進拠点 ―
[そこには公国軍の主だったメンバーが集まっていたか。
テーブルの上に置かれているのはシュヴァルベの地図。
それを見ながら出立前に情報局から齎された
「猫」からの情報を口にする]
……ここ、シュヴァルベは東西を川で分断されている。
橋はこことここ……。
かつて士官学校があった場所に2つのみ。
だから川を渡って侵攻しようとすれば、
この橋を渡るか川を渡るしかない。
故に警戒は主に橋のみに向けられていた。
だが、今回齎された猫の情報によると、
帝国は今回の戦に関して、
一瞬にして橋を掛ける魔器を導入したようだ。
― 回想/外務大臣襲撃 ―
お待ち下さい!
それは捨て置けと言われた件では!?
[その任務を言い渡された時、上官の前で、一見は穏健派と呼ばれる態度を派手に崩してしまった。
大失敗だ。途端に一番困るところを突かれてしまう]
「ブラオクヴェレに回すのがいいか?」
[階級をつけず、家名だけで言われる。
それは重用されてきた位置から外されるという結果の示唆。
上官の副官をしている一族有力者の視線が突き刺さった]
……そうは申しておりません。
[Nonという選択肢のない任務。
何もこれが初めてというわけではなかったが]
「トゥーレーヌ公が動かなかったからな」
[これ以上は待てないということか。
捨て置けということは、交渉の意志もないということ。
それでも構わず交渉の糸口を探ってくる外務大臣は、守旧派にとって目障り以外の何物でもないことは分かっている]
……拝命致します。
[その派閥に属する家の当主としても、これ以外の返事はなかった]
― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
あの馬車だ。
馬と護衛はT班とD班で抑えろ。
遺体は連れ帰って貰う予定だから殲滅はしなくていい。
[帝国側にも、公爵以外には穏健派が皆無ではない。
直接接触できるところまで進んでいたのは外務大臣の流石の手腕か。そしてそれこそが仇となったか。
指示を終え散開し隠れ潜んだ物影で、ゆっくりと手を上げる。
馬車の音が近づいてきた。予定の地点まであと3…2…1……]
――!
[声はなく、鋭く手を振り下ろした。
駆け出す部下達をまずは見送る。
馬車が完全に止まってからが、銃を握る自分の仕事だ*]
[ ウェルシュの表情からは何かを決心したような、
そんな思い切りを感じさせた。>>329
魔法弾を慎重に手渡すと、最後に。 ]
貴重なものだからね、渡すのは2発分だ。
…こういう時なんて言うんだろうな、
幸運を祈る……、かな。
[ そう言うと。姿勢を正し、敬礼をした。
かつての先輩の手の中にあるグリーンアメジストは
今はただ、普通の宝石のように煌いていた。** ]
……猫の情報の精度の高さは、
諸君もわかっているだろう。
2年前、開戦時に彼もしくは彼女の情報を
有効に利用していれば、
我が海軍の損耗は押さえられていたはずだ。
……どこのポイントに橋を掛けられるかまでは不明だが。
川全域に沿うようにして、兵力を配置して、
帝国軍の侵入の阻止を提案する。
[意見を伺うように、その場にいるものの顔を見回した]
/*
知ってる人は知ってると思うが、俺はこの手のがすごく苦手なのよ。
だから、今の設定に躊躇してたという、ね。
(やらざるを得なくなるから)
公国補給部隊の移動経路を知り得たのは大きいな。
其処を落とせば、連中の胃袋がその分悲鳴を上げる。
[地図に、一際太い線を引く。
ただ白兵戦で強襲するには、
渡河で乱れる足をどれだけ最小限に出来るかが鍵だ。
どの迂回経路が最適か――…]
まァ、その辺は上の方々にも考えていただくか。
[最新の情報を記した地図を丸め、右手に握る]
/*
ところでリエヴルは早く帰ってこないのだろうk
敵と話したいのかな…。
でもそこに来る敵陣営いないと思うんだ…。
だって前過ぎt
…折角発見した補給部隊だ。
見失わねェうちに、恐らく此方も動くことになるだろう。
それまで寝貯めでもしとけ。
[くしゃり、と手元の地図を握り潰しながら立ち上がる。
何も問われない。だから、何も言わなかった。
…否。今更、何も言えやしなかった*]
/*
一瞬の風呂鳩で抽出して気がつきました。
ノトカーも瞳の色変わった描写出てましたね。
見落としごめんなさいー!!
回想追いかけて少し訂正しとこうかな…。
[そうして通された部屋て、ソマリの姿を見れば目を丸くする。
1年とはいえ、教え子たちの進路は気になるが――局に引きこもりが実際にそれを実感することは少ない。
彼は行動や言葉の節々からも、生まれがそれほど裕福ではないと見てとれたから――]
ソマリ・イェーガー……栄達されたな。
嬉しく思う。
ラウエンブルク大佐より、奇襲作戦の実行は、貴官の部隊が適していると推薦があってな。
先ほど地図を見せてもらった。司令部の指令に応えるに十分なほどの情報が集まっている見事なものだった。私としても、是非貴官の部隊にやってもらいたいと考えている。
[彼の胸中知らず、重ねられる言葉は。
非日常に染まった中でも、授業の時の言葉の並びと同じ―― 迷い、戸惑い それが一切排除されていた]
[シロウの言葉>>379に、ふと笑みが零れる。]
はい。がんばります。
[あまり重く言われるより、軽く言われた方が気が楽だった。
それほどまでに、進む道は重く、そして血に濡れている。
だが、続く言葉を聞けば、一瞬馬上の身体が竦んだ。]
[かつて、シロウともトールの話をしたことがある。
その時に、調べるかという話も出はしたものだ。
だが。結局、調査は頼まなかった。
帝国内に居るならば、自分が公爵家を継いだことは耳に入るだろう。
また、彼とて士官学校を卒業して軍に入ったのだ。
――それでも、出会うことはなかった。]
――――――俺、は――…、
[声が、掠れる。
元を辿れば、彼と共に過ごした日々を取り戻したいというところから始まった願い。
その願いの為に、彼と衝突するなど、考えたくもなかった。
――――――……だが。
今の自分には、帝国の重鎮たる責がある。
そして、己が成すべきことも、己が一番わかっている。
あの頃のように、ただ甘い生活に身を置くだけの立場では、いられないのだ。
唇から零れたのは、低く押し殺された声。]
―公国首都・国立病院―
『……もう、行かなければ』
[眠る息子の傍らに妻を残し、トライブクラフト伯は病室を後にした。
帝国との戦いが激化の一途を辿る今も、和平の道を捨ててはいない。
まだできることはある。
しなければならないことがある。
護衛と共に馬車に乗り込んだとき、病院の門をくぐる青年の姿が見えた>>213
ディーク・フォン・ベルンシュタイン大佐。
盟友たるベルンシュタイン大佐の末の子息で、ステファンの友人。
帝国との最前線、シュヴァルベへ赴くのだと聞いている]
奇襲作戦の内容は、司令部から通達が来ているが改めて説明しよう。
本来ならば渡河不可能な、深い河に、戦略兵器を用いて橋をかけ、奇襲により相手の補給を絶つというものだ。
ところで……帝国の山の雪は深い。氷上の移動に慣れたものは、部隊にいるか?
季節はずれでかつ、公国が存在に気付いた時には無くなる魔法の橋をかけるのだ。
[――それが、カサンドラ=レイヴンウッドが帝国に齎した――非常識な戦略兵器
――――…リエヴル・フェルセンは、もう死にました。
ここに居るのは、リエヴル・ド・トゥーレーヌ。
帝国の邪魔となる者は、敵味方問わず排除する。
――――――……それが、
―数ヶ月前・公国―
シュヴァルベの状況は、だいぶ酷いようですね。
[士官学校の先輩、トール・ベルゲルード――ことトルステン・フォン・ラウツェニング大佐とも、ステファンの卒業後に再会して以来、幾度か話す機会があった]
戦況が激化し、かつての平穏が嘘のように、荒れ果てていると聞いています。
和平の象徴だったあの場所が、今は最も多くの血が流れる場所になっていると……。
いずれ、僕も前線に配属されることになるでしょう。
……覚悟は、できています。
[首都防衛の部隊から、命を危険に晒す前線に出ること。
変わり果てた学びの地を目の当たりにすること。
おそらくは、帝国からも同じように前線へ駆り出されてくる同年代の――]
[トールを相手に、学校での思い出話をすることはあった。
けれど、
不自然なほどに避けている人物の話題があった。
トールのルームメイトであり、ステファンにとっても慕わしい先輩であった人。
平和な世であれば、共に懐かしむことができたのに。
こちらから彼の名を出すことは、一度も無かった]
― 公国と帝国の海戦 ―
[最初、帝国が制海権を手に取り、公国の海運を絶ちつつあったが――
上陸を前にして、公国軍が新たに開発した、固定砲台と火薬の威力で、魔法弾すら届かぬ遠方より軍艦が撃ち沈められた。
逆襲に出てこられ、フェルゼンベルクは公国の砲弾によって火の海とされたが――
カサンドラが持ち出した、非常識な大きさの魔法弾が、船ではなく海に投げ込まれた。火薬もそれを飛ばすほどの大きさの筒も風の力もないから、、海に入れる手段もごくごく原始的な投石器を用いて、ではあったが。
一つは、炎でもなくぬるりとした熱を放つもの。
一つは、衝撃派にもなりえない、風を空へと放つもの。
どちらとも対人には威力がないほど、ぬるく、そして広範囲であり弱い弱い魔力であった。
球が放り込まれて、半刻後。
突如として巻き起こった嵐と大波に、公国軍艦と帝国の港町のともども、莫大な被害を生んだ。
帝国の港は住民の避難が完了していた為、犠牲者は少なかったが――未だ、フェルゼンベルクは以前のような活気のある状態には戻っていない……]
[傍に居たら、怖い。
だから帝国出身でなくて良かったと思い、
けれど公国なら、いつか――――… いつか?
紅い色の未来に、喉奥から己の安堵を嘲笑う響きが零れた]
― シュヴァルベ・帝国拠点 ―
[>>388
――……そうか、と。
言葉が落ちていく影を追ってから、ソマリの顔を見る]
……いいのか?
[ふと、湧き上がる言葉。
敬語で丸めずにそのまま吐き出した言葉を、自分で少し、検分する。……足りてない。前後が]
――……誰かにやらして、いいのか?
[それを言い終えたかどうか。
>>392 察知した人の気配に、口を噤む。
足音は軽く、何かを顰める様子は感じられない。
下がろうとすれば、逆に間が悪いだろう。
待って、それから退出することにして、足音の近づくのを待った]
― 帝都より最前線へ赴く道 ―
[ 士官用馬車に十分な注意をはらえる陣形で、
やや急ぎ気味に旅路を進む。
かつて花と緑に埋もれていた、
天国のようだったシュヴァルベも
今は見る影もなく、焼け野原と化していた。
兵の何人かは初めて見るようで、中隊の空気が少しだけ
張り詰める。
――ノトカーはもはや、何を見ても動じていない。
――既にたくさんの地獄を見てきた。
大切にしてきたものは全て、公国に踏みにじられてしまった。
記憶を掘り起こせば生きている意味を失いそうになる。
否。復讐以外には、もう生きる道が――。 ]
[ いや。余計なことは考えない方がいい。
淡々と任務をこなす事だ。
どれほど苦しんでも、自分の力ではどうにもならない事もある。
今は、そう、任務を――。
この士官用馬車の中に居る人を……護ること。
それだけを考えながら馬を進める。
何事もなく帝国前進拠点に着けば、心底ホッとした表情を
見せることだろう。
護るべき人――、
馬車の中にいたその人は降りてきて、礼の言葉を述べる。
>>294
隻眼の英雄の鷹の目、という表現には、やや表情を変えて。 ]
[震える指先で、紙片をそっと裏返す。
ひとつひとつの単語に篭められた、友の想いに]
……、っ、… 馬鹿、 やろ…
[あの士官学校での日々が、
どれ程貴重で掛け替えのないものだったのかを。
強く強く…噛み締めた*]
どういたしまして。主席代理。
[ そう言葉を放った途端、何かが弾けたのか、
急に可笑しくなって。ふっと笑って見せた。 ]
ノトカー・ラムスドルフ率いる第1中隊は
しばらくこの帝国拠点に駐在しますので、
何かあればご用命を。
[ 敬礼をして挨拶をすれば、部下たちもそれに倣う。
やや騒がしい帝国拠点内部に進もうとするカサンドラに、
思わず、小さな低い声で言葉をかけた。 ]
――せんせ…、いや、カサンドラ。
――くれぐれも気を付けて――。
[ カサンドラがもし振り向いても、そこには先刻までの
強面の隻眼軍人が敬礼していることだろう。
まるで今の台詞は空耳です、といった知らん顔で――。** ]
/*
クゥゥゥーン……。
まさか自分が一番上の立場になるとは思わなかったんだよぅ。
絶対皇族とか上司とか来るかと思っていた、のに。のに。
ひにゃぁぁぁぁ。
──三年前・公国 軍務大臣公邸執務室──
[その日覗きこまれた執務室は、丁度マーティン・フォン・ミュラー軍務大臣の元に、褐色肌の青年が書類仕事を持ち込みにドアを開けたところだった。]
──王太子が暗殺されたそうですからね
[褐色肌の護衛官は>>376 ほんの一日前に起きたのち、即座に公国中をかけまわった出来事を引き合いに出して、帯剣したまま邸内に居残っていた。]
―回想―
[作戦行動後のしばしの待機の時間、部隊にもそこそこ馴染めてはきたが…]
『天使ちゃんに客がきたぞ。なんだい?新らしい夜のお供かい?』
[入隊したときからのその呼び方はまだ変えてもらうことができていなかった。
からかってきた部隊員のすねを無言で蹴っ飛ばす。悶えるのを見てくすくすと笑い声が部屋に広がる。
そんな部屋の入り口で待つ彼のもとへと向かい、割かし自己主張の大きめな胸を張り、びしりと敬礼]
お久しぶりです。今度竜騎兵連隊に配属されるそうですね。ご高名は耳にしております。
まさか、このようなところにいらっしゃるとは。
ディーク・フォン・ベルンシュタイン……
どうされましたか……?
[言葉の途中、彼の反応のおかしさに思わず聞き返し、続いた彼の言葉に…]
万一、貴方にまで毒牙にかけられては
こちらがたまらないですから
[そう言葉をおき、持ち込んだ書類を机の上に置く。整理作業の量に、こつこつとマーティンが指で机を叩いた。それを確認して、一歩窓辺へと下がる。]
―回想―
[作戦行動後のしばしの待機の時間、部隊にもそこそこ馴染めてはきたが…]
『天使ちゃんに客がきたぞ。なんだい?新らしい夜のお供かい?』
[入隊したときからのその呼び方はまだ変えてもらうことができていなかった。
からかってきた部隊員のすねを無言で蹴っ飛ばす。悶えるのを見てくすくすと笑い声が部屋に広がる。
そんな部屋の入り口で待つ彼>>304のもとへと向かい、割かし自己主張の大きめな胸を張り、びしりと敬礼]
お久しぶりです。今度竜騎兵連隊に配属されるそうですね。ご高名は耳にしております。
まさか、このようなところにいらっしゃるとは。
ディーク・フォン・ベルンシュタイン……
どうされましたか……?
[言葉の途中、彼の反応のおかしさ>>305に思わず聞き返し、続いた彼の言葉>>307に…]
失礼いたします……少し二人でお話が!
[部屋にいた部隊員にそう告げ、そしてディークに]
では、しばしご同行いたします。
[と、その場を離れることを一度促してその場を後に]
[少し歩き二人だけになると]
変わったね、ディーク。
[久しぶりの再開をその後二人で懐かしんだり、たわいのない会話を少ししたりした。
それから、またくるという彼には、こんなところに来るべきじゃないことを伝えたが彼は変わらずに…会いにきてくれた]
―回想・フェルセン家襲撃後―
『フレデリカ、また彼氏が逢引にきてくれたぞ』
[無言ですねを蹴り飛ばす、いつものやり取りは変わらずに…、
ディークと二人になり、少し話し…、
遠く帝国のあるほうを見る]
リエヴルとか、向こうでなにしてると思う?
[腰に下げているサーベルの違いに彼は気づいたかどうか。
それ以降、その日はこちらからの言葉はなかった]
―□月△日―
『今日の任務は正直気が進まないところがある。拒否権は主軸になるフレデリカにゆだねるつもりだ』
[拒否をすることは確かにできるのだろう。けれどもできないと、断れば自分達のような部隊がどうなるか、それをよく理解はしている。
その上で、隊長は自分へとその決定をゆだねた]
私達に求められているものは……理解しています。
『そうか、すまないといえる立場でもないのが、はがゆいところだ』
そうですね、それじゃあできる限りステキなものをお願いします。
[そうして、連れて行かれたパーティ会場と、用意されたドレスは煌びやかで優雅な世界。
幼少時はいつかはあたりまえに来るはずだった未来、成長し遠い憧れとなっていた世界。
再び自分を女に戻し、そしてこの場の機会を与えたのが戦争だと思うと胸中によぎるものは多い。
なにより、まだ戦争が本格化していないからといって、この現実を見させられるとさらに思いは強くゆれて、全てを抑えた]
[可能な限り見栄えするように用意されたドレス、髪を綺麗にまとめ、
自己主張が過ぎないほどに豪華な宝石をちりばめたアクセサリー。不揃いな耳飾りは今日ばかりはとめられた。
令嬢としての所作も心得ていたことが功を奏して、見初められるのに手間はさほどかからなかった。
噂に違わない手の早さ、確かに自分には適任だったのであろう]
私のようなものが名高き伯爵様となど…、恐れおおく……
『いいから来たまえ、決してわるいようにはしない』
[連れられるまま、彼の私室へと、入り口前には護衛のもの達が二人。
これからしばらくの間、あそこに立たれているのかと思うと……]
[情報どおりに、ことは進められた。
血塗れたナイフを手にしたまま、床に転がる死体と、血の跡の残るシーツとを少しばかりさめた目で見つめる。
気だるさのわずかに残る体をすぐにふるい立たせる。感じる痛みは心にだけではなく…]
護衛が戻る前に……
[身をくるむようにドレスを手にして、窓から外へと]
[すぐに隊長たちと合流し手配されていた馬車へ逃亡を図る、屋敷が騒がしくなるのは大分離れた後のこと]
ごめん…みないで……少しの間一人にさせて……
[隊長も、もうひとりの仲間も終始無言で、ドレスを頭から被って、その姿を隠した]
―回想―
『すまねぇけど姫様は今日は会えないってよ』
[そんな日が数日、程なくして、部隊員の誰かから彼も話を聞くことはできただろうか]
あ…、ディーク………そっか、その様子だと聞いちゃったのかな?
[もし知らないのならば、そのとき自分の口から語ることになっただろう]
必要だったから、しかたがないよって思ってる。
[溢れる涙は止まらないまま、笑顔で彼に答えていた]
―○月×日 軍部の一室―
[配給された軍服に身を包む姿が、辞令の紙とともに指示された部屋へと向かう]
ハーヴェイ伍長、入ります。
[ノックをし、入ったその部屋の中央に見える机、そこに座るものがひとり。
書類に何かを書きながら、火のついていないたばこを口にくわえては灰皿へと押し付けている。
部屋の奥では銃の手入れを楽しそうにする女性や、いかがわしい本を読んでいるもの、一心にナイフを研いでいるもの…、
まとめれば、変人の巣窟といった印象の場所]
『よくきた。早速作戦の説明に入る』
[中央の机に座っていた男の言葉に皆が動き出す。きっと隊長格の人なのだろう。
階級証を見ればそれなりの地位の人であることも見えた。
戸惑う自分を見て、その男が説明を続ける]
『その顔を見たところ聞いていないようだな。君は射撃の腕が立つそうだな。
それを見込んで今日から私の部隊に入ってもらう。ではこれからはじめる作戦行動について説明する』
[後に新人に対する通過儀礼的なものらしいことを知ることになるか。突然のことにどう動くのかを見るための…]
―○月△日―
やぁ、マイチク。人を殺した経験は?
『あるわけないじゃないですか。そもそもなんなんですかその呼び方、名前で呼んでくださいよ』
一人前になれたら名前で呼んであげるよ。銃、構えてみて。
[素直に従う新兵をみて女はからかうような笑みを浮かべながら]
へぇ、形はできてるんだ。後は心さえこもってれば完璧だね。
『狙って撃てばいいんでしょ?それなら得意です』
違うよ、狙って……、殺すんだよ。
今回は私と二人、作戦の肝だからよろしくね。
[新兵の初任務が要人の暗殺、しかも同国のもの、ましてや肉眼で見えない馬車越しの相手を狙撃する。
無茶な任務ではあった。結果としては、女の撃った銃弾だけが狙撃の手となった]
―□月×日―
[その日の作戦行動は自軍領地内の集落に対してのもの。
中央の小さな教会を中心とした村、そこには和平主義の宗教の信者が集まり反逆を企てている為、粛清を行う為のもの。
老人や子供を含め、ほとんどが戦闘に向かないものの集まり、焼ける教会を眺めながら女が隣の男に問う]
隊長、今回の情報の信憑性は?
『3割くらいだな』
ああ、ずいぶんと高い方ですね。
『でも、こんなこと必要だったんですか…確証もないのに……』
マイチクはまだわからないの?必要かどうかとか、やらないとか、そんなことはこの部隊に求められていないよ。
[集落ではまだ時折悲鳴が聞こえてくる。隠れいたところを見つかり殺されたものの悲鳴]
ああ、それとも賛美歌でも歌ってあげる?
『彼らの声と魂は、十分に上に届いているから大丈夫だろう』
[まだなにかいいたそうだった新兵が、集落から逃げてきた子供に気づく。同時に女はボウガンをすでに構えていた。
こちらに気づき、反対へと逃げ出そうとした子供に向け、女はボウガンの矢を放った]
―○月□日―
[他の部隊と合同の作戦行動となり、突き刺さる視線と、浴びせられる言葉はこの部隊にとっては常のもの。
気にするものはおらず動じた様子を見せることはない、ただ一人新兵を除いて]
まだ慣れないの?マイチクは仕方がないなぁー。
『からかわないでくださいよ!あとその呼び方やめてください!聞きましたよ意味!』
大切なものはある?もしくは大切な人はいる?家族とか。
『幼馴染ならいます』
へぇ、恋人?
『そ、そんなんじゃ』
告白する勇気なかったか。仕方がないね、マイチクだもん。
[言い返せず悔しそうにする新兵の胸に、女はとんと拳をあてると]
その大切なもの、常にここにしまっておくといいよ。自分を救う光になるから。
『准尉殿でもロマンチックなこといえるんですね?』
[その日初めて人を殺し、たくさんの人が死ぬところをみた新兵を、女は黙って頭をなでて慰めた]
―回想―
また補充兵で、今度は新兵が入ってきたんだけど…、私も昔はああだったのかなーって思ってみてたよ。
[たまたま同じ作戦行動に一緒になったディークと、その日も話をした]
でも、ようやく一人前に近づいてきたって感じかな。
今度の作戦は厳しくなりそうだからね。
こうして話せるの最後になっちゃったりしてね。
うそうそ、冗談だって、そんな怒らないでよ。
いい男のお守りいっぱいあるからね、私には。
[そう、彼にもらった宝石に、左耳のピアスに触れて笑いかけた]
―△月○日―
[シュヴァルベのある場所に、帝国の補給部隊駐屯しているらしいとの情報を元に、名目上は偵察となっている任務に向かっていた。
第一目標は敵の資源の奪取、第二目標が敵資源の破壊、第三目標は敵情報を持ち帰ること。
物陰に隠れる姿はみっつ、応戦する姿はひとつ]
『隊長の血が止まりません…、すごい苦しそうで…』
止まらないから止血を頼んでる。死んでたら苦しむことすらできない。
[女は狙いを定めた敵兵の頭に一発、すぐに弾の装填をし、モウ一人の頭に一発。
最後の銃弾をこちらに向かってきた敵の足に打ち込んだところで、相手の動きが少し止まる]
『隊長、大丈夫ですか、意識が戻ったんですね』
隊長、敵の動きが一度止まりました。いまのうちに。
『フレデリカ、ちょっとナイフを貸してくれないか』
[隊長の言葉の意味に最初は気付かず、懐から取り出したナイフを一本手渡した]
『天使の護りがあればもう安心だ。
ああ、すまないが変わりに渡せるものはこんなものしかないが…、受け取ってくれるな』
[差し出された隊長証と、認識票、それと箱を二つ]
『箱の中身は好きにしろ』
[女は少し躊躇ってから受け取ると、振り返り隊長に背を向ける]
また、後で。
『ああ、できる限り、ゆっくりで構わない…』
『え?ちょっと待ってくださいよ。隊長も!』
[新兵の言葉をさえぎるように]
以降の指揮は私がとる。第一、第二目標の遂行は不可能と判断、第三目標へと移行。
ハーヴェイ、二人でここから脱出するよ。
[男を引き連れ、さっていく女を見送りながら、隊長が懐からタバコを取りだし火をつけようと…、
血濡れたそれは、どうやっても火がつくことはなく]
『お迎えの天使も嫌煙家か………』
[後に、彼の死体のそばにはナイフを刺された帝国兵が二人転がっていた]
―現在・兵舎―
[最後の認識票に刻まれた名前をなぞるように磨く、ハーヴェイと書かれた認識表を小箱へとしまうと]
あ、決まったの?配属先?
[伝令兵がちょうどやってきて、次の配属先の辞令表をもってくる]
ありがとう。
どこも引き取りたくないんだろうね。そう思わない?
[答えに詰まる伝令兵を置き去りに兵舎を後にした]
― 回想/大臣襲撃前・帝国内某所 ―
[色彩漂う薄暗い室内では見分けも付きにくい。過去の記憶がまだ色鮮やかだったせいもあるか、ノトカーの瞳も色を違えていることは見落としてしまった]
……そうだね。
[濁された言葉>>378には眉尻を下げて短い同意だけを返して。
そうは使いたくない、という言葉を飲み込んだ]
予備まで貰えるなら十分だよ。
どれだけ貴重なものかは、分かっているつもりだ。
……君にも幸いあれかし。
[姿勢を正したノトカー>>384へ、少し古い言い回しを使いながら、静かに答礼を返す。
そして魔弾を懐に、暗い通路へと戻っていった*]
― 回想・3年前 ―
[リエヴルが帝国公爵家を継いで、
親公国の帝国皇帝が崩御して政情が不安になっても、
それは変わらなかった。
士官学校を卒業する直前、
いつか再び想う人と再び巡り合える為に、
帝国との共存をまだ遺恨を残す人々に訴えて、
積極的に和平推進派とされる人物と厚誼を交わした。
そのなかに、外務大臣トライブクラフト伯爵もいた]
[3年前の春、
彼に会う為に、トライブクラフト伯爵邸を訪問していた。
その日、彼は嬉しそうにしていた。
彼の自慢の息子が、士官学校を卒業して公国に帰ってきたのだと。
暫しの歓談の後、
トライブクラフト伯爵は息子を紹介したいと席をたち、
再び戻って来た彼が連れていたのは、
生徒会室で良く見かけた――]
ステファン!
ステファンじゃないか。
そうか。お前はこっち側だったのか。
……また、逢えたな。
[半分の確率を潜り抜け、
再会したステファンに手を差し出した]
[やがて、予想していた通り、ステファンにも前線《シュヴァルベ》配属の指令が下る。
赴任前に短い休暇が与えられたのは、上官の温情か、父の地位が影響していたのか。
その父は、激務に追われていると聞いていた。国内外を問わず、協力できそうな者を探して走り回り、交渉を重ねているのだという。
だから、帰省する自分を迎えに来た馬車の中に父の姿を見つけた時には、心底驚いた]
え……っと。何で父さん……?
あ、お、お久しぶりです。
[その馬車には、ベルンシュタイン候の次男、すなわちディークの兄も同乗していた。
どう考えても何かの用事の途中か、帰りであろう。
こうでもしないとゆっくり話す機会もないからと笑う父は、いくらか痩せたように見えた]
……じゃあ、家に着いたら珈琲でも淹れようか。
少しは休まないと。
[馬車が急に止まったのは、そんな話をしている時だった>>383。
外からは、緊迫した声**]
『――曲者です!車から出ないで下さい!』
シェットラントのお見舞い拾いたい(おかんが)
ベリアンのお話拾いたい
ディークのカードも拾いたい(これもおかんか)
本人が意識不明なのでおとんおかんが出張っててごめんね!><
NPCが多くてもう誰が誰やら
とりあえず自分のとこはおとんとおかん以外は増やさないようにしよう
場合によってはおじーちゃんが名前くらい出るかな……
/*
にゅ……誰にも会えなさそうだし、拠点に戻るか……。
自分戻らないと軍議系進められ無さそうだしな。
あうあう。ごめんなさい。
[>>437 一瞬閃いた嵐に、僅かに目を細め]
――……だろうな。
[それだけを呟くと、
入口付近にて気配を消し、足音の到着を待った。
――…やがて、現れた人物に、目を見張る。
カサンドラ=レイヴンウッド。
前線に来るような位置に居ただろうか?
静かに敬礼をした後、その場を辞そうか一瞬迷い。
そのまま道具のように気配を落とす。
不都合があれば、退出を求められるだろう。
そうでないならば、ここで聴いていた方が早い*]
― 回想・数ヶ月前 ―
[それからステファンとは幾度か話す機会があった]
ああ、現地部隊からの情報は届いている。
市街地も校舎も打ち壊され、緑は焼き払われ酷い惨状らしい。
それでも、あそこは避難が進み、もう無人状態だ。
人々が生活している街での戦闘ではないだけ……。
そうだな。
何しろ、シュヴァルベには兵も将校も足らない。
大勢の人間が暮らす
帝都での最終決戦などということにならない為には、
どうしてもあそこで食い止めるしかないんだ。
そうなると、帝都防衛からも人員を割くことになるだろう……。
― シュヴァルベ・帝国軍前線 ―
[陣地内に備え付けられた魔石通信が、拠点からの連絡を示す淡い赤に明滅する。]
…定時連絡にはまだ早い。
緊急事態か、戦局変化による移動か…
[周囲に密やかに緊張が走る。]
――はい…回線、通じました。
こちらは北部第五工兵小隊所属、アイゼンシュタイン少尉。
我々は現在、シュヴァルベ北東部、旧士官学校付近に陣地を構築しております。
……無理をするな、とは言えない。
お前も、あそこで軍人とは何かを学んだはずだから、な。
……俺も、いくぞ。シュヴァルベに
[それを告げると、軽く笑む]
[自身が軍属として仕官したのは、故郷の壊滅から少し経った後。
避難先のシュヴァルベにて、兄の死を知らされた後だった。
父から相続することとなった爵位・領地とアイゼンシュタイン家が所持していた若干の魔石技術。
それらと引き換えに、生き残った領民や技術者の保護が約束され、現在、フェルゼンベルクは帝国の直轄領となっている。
元々は歩兵の志願兵として仕官したのだが、士官学校卒業者である事、魔器技術を持つ事が知られていたらしく、配属された先は工兵隊。
所属小隊は、前線における移動路の確保、味方陣地の構築、敵陣地の破壊、特殊魔器の設置・運用を任されていた。]
新しい任務…ですか?
わかりました。すぐに隊長に変わりますのでお待ちくださ…
…? はい。そう、ですね。
その位置なら、この隊が一番近いかと思われますが…
…………護衛1人をつけただけで…前線を散策!?
随分と、無謀なお偉いさんもいたものですね。
わかりました。発見次第、拠点へお帰り頂くように進言致します。
[魔器に関わる新しい任務がくるらしいこと、中央より来た准将がお忍びで陣地付近…士官学校跡地の方角へ移動したらしいことを知らされる。
密かに、*溜息をついた*]
[タバコに火をつける際、リエヴルに気づかれないようにそっと犬笛を吹けば。
訓練を積んだ隠密犬が、物音ひとつ立てずに瓦礫の影からそっと顔を覗かせる。
吸殻とともに、公国側の雇い主への密書を捨てれば。
犬は自分たちが立ち去った後に、それを咥えて公国側の城砦へと走り去るだろう。
国務大臣の子飼いのスパイ『狼』から、前衛基地に中佐として配属されているニコラス伯爵への書状には、帝国側の城砦の脆い箇所などが列挙されていた]
[ステファンと再会してから3年の間。
彼がリエヴルの話題を一度も出さないことには気づいていた。
そしてこちらからもその話題をすることはなかった。
どうやって話題にすればいいのだろう。
元気にしているだろうか。
今でも優雅に紅茶を嗜んでいるのだろうか。
平和な時代ならありえたその話題も、
こうして戦争が始まってしまったからには似つかわしくなく
結局、その日もその話題に触れずに終わってしまった]
[氷上に慣れたものと問われれば、首を左右に振る]
問題ありません。
氷上移動訓練も我が隊は数をこなしておりますので。
何処へでも。迅速に。
気配を殺して潜り込むのが斥候部隊というものですから。
斥候部隊全員、何時なりとも動ける準備は出来ております。
―兵舎付近―
レナト・デ・フォルテア大尉のところにか。
[ひとまずはそこにあいにいくようにと、配属部隊などは全部そこで聞けと、ずいぶんな辞令だとも思う。
受け入れさきがない結果、押し付けられた形なのかなと推測できる。
聞き覚えのない名前だなと思いながら、彼の待つという場所へと歩を進めた]
― 3年前・公国軍務大臣公邸 執務室の窓の外 ―
[物音ひとつ立てずに壁を素足で駆け上がり。
目的の部屋を窓から覗き込めば、ちょうど護衛官>>411らしき人影がドアを開けたところだった。
護衛のひとりやふたり、居ても構わず目標を暗殺する自信はある。
だができれば余計な死人は増やしたくない、というのが本音で。
書類を机に置いたその男――教官時代に見覚えのあった褐色の肌から、ベリアンであることはすぐにわかった――が部屋を出て行けば、軍務大臣一人で済むからと様子を見ていたのだが]
あ。
[窓辺に下がったベリアン>>412と、目が合ってしまった>>413]
[こちらは覆面をしているから、すぐに誰かはバレないだろうが。
それでも教官時代のことを知っているベリアンには、そのうちバレるかもなー…と、小さく舌打ちをひとつ。
だがすぐに窓を膝蹴りで破り、中に飛び込む]
王太子殿下の仇、とらせてもらう
[声音を変えて告げれば、軍務大臣は何のことだ、とでも言っただろうか。
王太子の護衛の懐から失敬しておいた短剣を護衛官のベリアンへと投げつけ、同時に刀で軍務大臣へと斬りかかる]
[シロウの言葉>>445に、じっと耳を傾ける。
ちらり、視線を向けたが。
その面に浮かぶ憐憫の色に気付けば、視線を逸らしてしまった。]
…………こうして、戦が始まっている以上。
犠牲は致し方ない、でしょう。
――――――……元より、呪われた身です。
[公爵という地位も。名門の血筋も。
自身にとっては、忌むべきものでしかなかった。
これさえ無ければ、もっと違う人生を歩めたのだろうかと。
そんな考えに意味などないことは、わかっていたけど。
それでも――――……自らを、呪わない日はなかった。]
[シロウから視線を逸らせば、そこに映るは瓦礫の山。
穏やかなはずの春の空気は、どこか物悲しく。
微かに煙草の匂いが混じる。]
………………そろそろ、戻りましょうか。
あれこれ騒がれている頃合いでしょうし。
[シロウの様子に気付くこともなく、静かに、声を零す。
その指は、再び革袋に添えられていた――…。]
― 回想/士官学校・狩りの季節 ―
――…そっち行った!
そこの罠に追い込んで……、やばい、あっちから逃げる!!
[野生の兎の機敏さといったらない。ジグザグに駆けるので、狙いを定めるのも難しい。
罠に追い込もうとするが、彼らはとてもやわらかいので
ちょっとした隙間ににゅるっと入っては逃げてしまう。まさに脱兎]
……ラヴィと同じ生き物とは思えないなぁ。
[もふもふしたY字を思い浮かべながら呟くと、
もうお手上げか、というようにディークが笑った。ちょっと悔しい]
まだまだっ!……あ、メル、そっち行った!!
[まだまだと言う割にさくっと親友に振る。だってメルのが近いし]
[親友の方に目をやると。
既に引き絞られ尖っていた弦が、細い矢を放つ瞬間が見えた。
その向こう側の木の枝から、飛び立とうとする鳥の姿。
いつかの競争が脳裏を過ぎる。
素早く腕が空に伸び――――…]
…――ああ、
先程最新の情報が入りました。
目標となる公国補給部隊の現在地を確認。
移動経路は、地形から見ておそらく…
[先程書き記したシュヴァルベの最新戦術地図を卓上に開き、
カサンドラに示すように、指先で地図をなぞった**]
― 回想/士官学校・狩勝負終戦 ―
――…兎狩り勝負……でしたっけね……。
[仕留めた獲物を並べ、曖昧に笑って見せる。
兎を追っていた筈なのだが。
横たわる獣たちに数羽、鳥が混ざっている。
チーム戦。兎の数は負けていて。鳥の数を入れると同数]
ええっと、兎と鳥って、同じ数え方する地方ありましたよね。
それにこの鳥は旨いですし。
[言い訳になってない事を口にしつつ、へへへと笑う。
くたくたになってはいたが、程よい疲労感が心地よかった]
飯食ってから、もう少し見て回って。それから帰りましょう。
食堂のおばちゃんに、夕飯持ってくって伝えてあるんです。
[とにかく、夕飯の材料は揃った。それが一番大事なことだ。
……そう思いながら、持ってきた昼食を拡げはじめた**]
― 回想・国立病院 ―
[和平推進派の外務大臣襲撃の報は、すぐに男の耳にも届いた。
そして外務大臣の代わりに、ステファンが重傷を負ったとも。
出兵の準備に忙殺される中ではあったが、
彼の見舞いへと駆けつけた。
沈痛な面持ちの彼の両親に挨拶をしてから、
寝台に横たわる、ステファンの白い顔を見詰める]
ステファン……。
また……お前の淹れた紅茶、飲みたいな。
ああ、出来れば、俺とお前とだけじゃなくて。
……生徒会長さまとも一緒に。
[卒業後初めて、彼の名前を出して。
口にしたことが現実になればいいと祈った――]
― 現在・士官学校跡地 ―
呪われた身、なぁ。
進んで呪われなくても、んなもん振りほどくって選択肢だってあるだろうに。
ま、お前さんの人生だ、お前さんの好きにすりゃ良いんだが。
[時折説教くさくなってしまうのは、教官時代の名残か。
公爵という地位も、名門の血筋も。
使い方によって、平和のためにも戦乱のためにも利用できるだろうに――と。持たざる者からは、そう思えるのだが、そう容易くもないのだろう]
騒がれてる頃合も何も。
んなもん、馬走らせてた時点でとっくにだろ。
[そろそろ戻りましょうか、という声>>456には苦笑いを零し。
白馬の鬣を撫でて、リエヴルの後について城砦へと戻り行く。
途中、士官学校跡地近くの帝国の陣地に居たどこぞの少尉殿>>446からリエヴルが進言という名の小言をいただいたかもしれないが、ついてきただけの護衛は知らんぷりである]
/*
心の中ではやりたいこと(やれるかは未定)
・ディークとの再会シーン
・王太子暗殺、大公暗殺時のシーン
・開戦について
・リエヴルになにか
― 三年前・公国軍務大臣公邸 執務室 ―
[見た先に覆面を認めた直後に、窓が割れる>>454。]
───、マーティン卿!
[声と窓の破砕音とどちらが先だったか。声に軍務大臣が椅子から立ち上がるのが見えた。]
───!
[>>454飛来した短剣が左腕につき立つ。それと同時に部屋に広がる血の匂いに、剣を抜いて黒衣の影に打ちかかろうと襲撃者の肩を狙い長剣を鞘ばしらせた。誰か、という確認はないまま、瞬間的に。]
[されど、切りかかる横で、迎撃に剣を抜いたマーティンの身体は、脆くも崩れゆく。初太刀は反射的な判断であり──相手に意識が向いたのは、打ちかかった後のことだ。]
あんた…
[そのときに紫眼が瞠られたのは、顔をみたからでも声色のためでもなかった。──意識が逸れたのは、扱われる刀を見た時だ。]
[東方で扱われる刀を使うものと触れ合った事は多くはない。思い出したのは士官学校の教官であった男の事だった。]
────、
[紫眼が、僅かに驚きに見開かれ、剣先が微かにぶれる。]
…………振りほどく、か。
[シロウの言葉>>463を聞けば、ポツリと声が零れた。
生まれた時から、しがらみに絡め取られ。
気付けば、自らがその中心となっていた。
望めば、また違う未来もあるのだろうか。
そんな想いも、また、漂う煙草の香に掻き消える。]
…っ、
[けれど、すぐに口元が引き結ばれる。一瞬走った驚愕は、揺り返しのように即座に怒りに似た感情になりかわり、それもすぐに冴え冴えと冷えた。]
── 何故、軍務大臣を狙う!
[低い声が襲撃理由を問うと同時、短剣に貫かれたままの左腕から血が滲み、床の上へ*丸く落ちた*。]
[シロウと共に馬を進めながら。
途中、一度だけかつての学舎を振り返る。
目に映るのは、瓦礫の山。
そこで過ごした日々は、もはや遠い過去のこと。
既に、重なる面影すら、朧気に霞んでいた――…。]
―回想・3年前―
[春先の風邪は長引く。
学生の頃の常でそう思っていたから、さして気にも留めていなかったところ、咳に血が混じり始めた。
医者からは安静を言い渡され、已む無く病床に伏すこととなった。
仕官した矢先のことに、世間体を気にする家人は良い顔をせず、離れの部屋に1人篭る事となる]
―…フレデリカ…あれからどうしてるだろう。…ヴィンセント先輩…。
ダーフィト先輩は病気、治っただろうか…。
[ベッドの中、思い返すのは懐かしい士官学校時代のこと。不安定な情勢は病床にあっても耳に入ってきていた。体調の悪い時、良くないことを考えるのは悪い癖だと分かっていてもどうしても不安が頭を掠める。
しかし同時に、体調を崩したとき優しく熱を測ってくれた掌と柔らかい笑顔を思い出して]
そうだ。先輩に手紙を…。
[思い立ち、直ぐにペンを取って手紙を書きはじめた]
――帝国前進拠点――
[帰路にてヴィンセントの姿を見かければ>>446
懐かしげに声をかけるが、進言が返ればうえぇ……と表情を顰めたことだろう。
拠点までは大人しく馬を進めたが。
陣に戻れば、すぐさまその表情は険しいものへと変わった。]
詳細を確認する為に偵察兵を。
敵の布陣、また軍勢を把握したい。
[そう言って、自らもまた地図を確認しながら本陣へと向かう。
学校跡地で見せた表情は既に消え、そこに宿るは険しい公爵としての顔。]
『親愛なるヴィンセント先輩。
お久しぶりです。直ぐに手紙を送るつもりだったのですが色々と立て込んでいて中々ペンを取れずにいました。……』
[サラサラとペンを走らせる。途中まで書いてやがてふとペンを止めると]
『僕はあれから故郷に帰り、今は軍部で働いています。毎日覚える事が多く大変ですが忙しい分、日々は充実していると思います。……』
次に会う時までに元気になっていればいいんだ。
[自分に言い聞かせるように頷くと、再びペンを走らせ始めた]
―2年前―
[概ね病は快方に向かった。医者は安静にするよう勧めては来たが、家の人間に疎まれながら病床に臥しているよりも無理をしてでも動いて居る方がずっと楽だった。
時折揺り返す体調に苦心しながらも軍部に戻り、記録官として仕事をこなしている中、一通の手紙が届いた>>172]
…先輩。
[久しぶりに来たヴィンセントからの手紙には、様々なことが思うままに綴られていた。
読んでいるだけで彼の面影を思い起こさせて、身体的にも精神的にも辛い日々の中、酷く慰められた]
…春の祭り…楽しそうだな。僕も、いつか行ってみようか…
先輩も、仕事頑張っているんだ。
…え、先輩の妹さんって、ユーリエ、だっけ…え、ノトカーと結婚!?
そ、そうだったんだ……。
[口元を綻ばせたり驚きに目を丸くしたりしながら、読み進めていき]
……シュヴァルベ…。
懐かしいな。
戻りたい。あの頃に…。
[それからヴィンセントのいた海辺の街が壊滅したという報せが届いたのは直ぐの事だった]
ヴィンセント先輩から手紙がこない…もしかしてもう…
ああ。フレデリカ…きみも……
―……
[夜半過ぎ、大量の血を吐いた]
― 回想/軍学校時代 ―
ねえ、スティ。ちょっと面白い話を聞いてきたよ。
[それは幸せだった頃の記憶]
論述系小試験に「両国がさらに発展するにはどうすればよいか」という問題があったでしょう。
あれにね、「全土がシュヴァルベになればいい」って回答が複数あったんだって。何となく言い出しそうな顔が、僕の学年にも、スティの学年にもいない?
[真実を確かめて回るほど無情ではなかったけれど。
密かにルームメイトと楽しむ話題には使ったりした]
― 回想/軍学校時代 ―
でもさあ。
ある意味で至言だよね、それ。
全部をシュヴァルベのようにというのは難しすぎるだろうけれど、二国が統一されてしまえばいいのに。
そうすればこの学校の不文律も不要になるだろうし。軍学校そのものが不要とされても、技術学校として残せば良いではない?
なんてね。ちょっと思ったの。
[言葉は軽かったが、切実な祈りも籠められていた。
そうすれば両国間で恋愛しても駆け落ちなど必要なくなるし。
……敵と味方に分かれて再会する必要も、なかったのに]
― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
『――曲者です!車から出ないで下さい!』
[扉の外から叫んでいる護衛にD班の部下が切りつけた。
甲高い悲鳴と、車体に倒れこんだことによる鈍い衝撃音、馬が興奮し暴れて走る足音が煩く響く]
『売国奴に、死の制裁を!』
[T班の一人が叫ぶ。これまでの要人暗殺の時と同じようなどっちつかずの状況を作るのが理想だった。だがノウハウがなくては思うように行かなくて当然。茶番であっても混ぜておいた。
その声に被せるように、U班のメンバーが馬車の扉に手を掛ける]
― 回想/外務大臣襲撃・現地 ―
……。
[左手に握った「お守り」を確認するように一度撫でて。
外からか内からか、扉が開かれるのをじっと待った**]
『あてつけがましく病気になるなら大人しくしてくれていればいいのに』
『感染する病じゃないの? 屋敷中消毒しようよ』
『家の名を落すような事だけはするなよ。この意味が解らないほど馬鹿じゃないよなお前は。』
…分かってる。
全部分かってるよ。だからもう。
[それ以来、以前のように病床に臥せる事は少なくなった。決意を胸にし、それを叶える為なら…人間は気力でどうとでもなるものなのかもしれないと、そう思い始める。
やがて医者も説得を諦めたのか、薬を処方するのみとなっていた。]
/*
吊り開始前の戦闘で窮地にたった場合に安全に離脱出来るよう、便利アイテム(ブラックスピネル)まで登場させたのに。
戦闘どころか、シロウ教官以外と遭遇出来なかった……。
にゃー。
なんか色々ごめんなさい(´・ω・`)
―シュヴァルベへと向かう馬車の中―
[胸ポケットから小さな平たい缶を取り出す。中に入っている白い錠剤を取り出し、口に含んで飲み込んだ。ふと掌の中の缶に目を落とす]
…あのキャラメル…もう手に入らないだろうな。
[かつてこの缶の中に入っていたキャラメルの味を思い出そうとしてみる。それと共に、これをくれた先輩のことも]
……。
[彼が死んだと聞いたのはいつだったか。死の真相を知ろうと情報を集めてみたが、その死に様と士官学校時代の彼とはどうにも重ならず、未だ違和感だけが胸に残っている。]
…誰がどう変わろうと、不思議じゃない。
僕だってあの頃とは違う。
[自嘲の笑みを浮かべると、缶をしまった]
[彼が死んだと聞いたのはいつだったか。>>352死の真相を知ろうと自分なりに情報を集めてみたが、その死に様と士官学校時代の彼とはどうにも重ならず、未だ違和感だけが胸に残っている。]
…誰がどう変わろうと、不思議じゃない。
僕だってあの頃とは違う。
[自嘲の笑みを浮かべると、缶をしまった]
― 3年前・王太子/軍務大臣暗殺事件 ―
[和平推進派である王太子の暗殺、
翌日の開戦派の軍務大臣の暗殺は
どちらの派閥にも大きな衝撃を与えた。
公国の人間が例え意見が違うといえども、
同じ公国の人間を殺害することは
有り得ないから帝国の仕業に違いない。
だが軍務大臣の殺害現場には
公国の紋章入りの銃が残されていたという。
ならば内紛の結果ではないのか。
いや、それならば、このように証拠品を残していくわけがない。
意見は様々にわかれたが、
どちらが真実にせよ、
両派に大きな亀裂が起きたことは間違いはなかった]
バカな。
味方どうして争ってどうする!
[そう声を大にして叫んでも、その声が届く人間ばかりではない。
卒業後、父より伯父に親しんでいた自身にとって
伯父の死は辛くもあったが、
悲しみに浸る暇もなく、
なんとかして両派の亀裂を拡げないようにと
奔走することになった
やり場のない怒りを心の裡に秘めながら]
―シュヴァルベ・公国前進拠点―
[とある少将の副官である青年は、上官の脇に控え、大佐の言葉に耳を傾けていた>>380
記録官として働いていた時、仲間内で戯れに戦術について論じていた所、それが今の上官の目に留まり、補佐役となった。]
………
(『どこのポイントに橋を掛けられるかは不明』……
あの近くには駐屯地がある…こちらの兵站が動けば…奇襲、あるいは…)
[>>385トールの言葉を反芻しながらつらつらと考えているが、口に出す事は無く]
― 回想/士官学校・夏のある日のこと ―
[生徒会の会計報告の相談をするために、
ステファンとシェットラントと共に、リエヴルの部屋に行った時の事。
資料は殆ど纏まっており、
明日の予算提出には間に合うはずだったのだが。
直前で予算をねじ込むこととなったので、その相談のためである。
……猛暑で元気のないラヴィとスノウのために、
永久水晶のかけらを発注したいとの懇願があったのだ。
永久水晶とは、常に一定の温度を保つ不思議な魔石を利用したもので、基本的には、加工した瞬間の温度が保持される。
あまりにも高熱にしたり、あまりにも低温にすると割れてしまうため、
武器等への利用は難しいとされていた。主に、食堂や医務室等で用いられている]
……ということで、これも追加したいな、と。
安くはないけど、ラヴィもスノウも毛皮脱げないしね。
[リエヴルに説明をしつつ、だらっとテーブルに突っ伏した。
眠い上に暑いし怠いし。ラヴィとスノウの事じゃなかったら、一歩も動きたくなんてない。
あまりのだらけっぷりに皆に突っ込まれ、億劫そうに答えを返す]
弛んでますけど……ますけど……。
心頭滅却しても暑いものは暑いです。涼しいところに行きたい。
どこも涼しくないなら海行きたい……。
[うわ言のように呟いてのびていると、いつのまにか
――…そうだ海へ行こう!という事になっていた]
……
[考えている間にも話し合いは進んでいく]
(上官の部隊が戦線に配置されるのなら…?)
[自然に口元が綻ぶ]
(僕は戦争で死ぬ。病では死なない)
[浮かんでいた笑みに気付き、唇を引き結んだ**]
― 回想/士官学校・海! ―
[西も東も、その辺に居た人や海行きたい人に声をかけまくって。
寮を離れる許可を取った。
カークに声をかけて、簡単な昼食を用意することにした。
たまごとハムのサンドイッチ、夏野菜のサラダ、骨付き肉を炙ったもの。大きめのパウンドケーキとメイプルシロップなどを、バスケットにがしがしと詰める]
……飲み物は、ステファンとシェットにお任せしていいよな?
温くなっちゃうかもだけど。泳いでたら寒くなるだろうし。
[そう声をかけると、二人は顔を見合わせて、くすりと笑った]
―さっさと異動願いを出せば良いのではという声もあるが?
(うつむいてなにも答えず)
いや病弱な士官なんて前線で使わんかなっておもって…え、使う?使うの?クッソー!
― 回想 ―
[帰国後、トールの本名を知れば、確かに軽い驚きが胸にあった。
ラウツェニング公の長子、即ち公王の孫であれば主筋である]
───トルステン殿下。
[国許での友との再会は、堅苦しいものとなった]
ベルンシュタイン侯爵の末子、ディーク・フォン・ベルンシュタインです。
シュヴァルベでは過分なる交わりを頂き、光栄の至り。
以後も変わらずお見知りおき頂ければ、幸甚に存じます。
[口にして、さらりと丁寧な礼を向ける。
貴族の礼儀に完璧に則った礼であったが……
公式の場を離れると、崩れるのもあっさりと早かった]
お前もこっちだったんだな。
なんだ、気が抜けた──…
[もう二度と会えないかも知れないと、挨拶まで交わしたのに。
そう軽口を叩いて笑い、友を見遣る]
[それから。公式の場では相変わらず慇懃に、
けれど私的にはこれまでと変わらず過ごした。
公式の場ではといっても相手は末の公子の長子だし、
こちらはただの貴族の三男坊だ。
そこそこ好きにしてても目立たない、いい位置だった。
おかげで最初の頃は、随分好きにしていたように思う。
…まだ、平和だった頃合には]
― 二年ほど前 ―
はじまった…なあ。
[大公、つまりはトールの祖父が死んだ。
これが決定打となり、両国は戦争状態に突入した。
開戦直後、自分たちは未だ後方にある]
止められる者がいない、か。
[正確には、何人もの人間が奔走している。
父ベルンシュタイン侯にトライブクラフト伯など、多くが。
それでもなお───…好戦派を抑えるには至っていない]
なあ。お前はどうなんだ?
[唐突に聞いた。ちらと、目を公子の称号持つ友へと向ける]
大公殿下の跡は襲えないのか?
[彼が和平を唱えているのは知っている。
大公という重石なくして開戦に走るのならば、
重石を置きなおせば良い。そうしたならば、或いは、]
……いや。無茶、かあ…。
[じ。と、向けた琥珀はすぐに苦笑を帯びて逸らされた。
それが出来れば、今こんな会話は交わしてはいない。
父たちとて、手を拱いているはずもないのだ]
けどさ…、どうする?
このままなら、もし───…
[その先の名は口にしない]
考えとけよ、トール。……お互いにさ。
[結局はそれだけを言って、肩を叩いた。
2年前。杞憂であればいいと、
己も会えぬ者らの面影を思い、空を眺めた──*]
――回想:士官学校でのある夏の日――
あつ い な……。
[窓を開け放ってはいるが、それでも夏の暑さは拭いようがない。
普段からきっちりと制服を着込んではいるが、流石にこの時期はボタンを多く開けていた。
冷たい紅茶で涼を取りながら、ダーフィトの言葉>>488に耳を傾ける。]
ん、まぁラヴィとスノウの為なら反対意見も出ないだろうから、いいと思うけどな。
[むしろ、反対意見どころか賛成意見がこぞって上がりそうな気がする。
生徒のみならず、教官からも。
なので、はいはいと生返事にかるーく判子を押したが。
続く言葉を聞けば、一瞬で表情が引き締まった。]
/*
くそうwwwwお前のことだ。
殿下呼びされると思ってたさwwww
でもわかってても芝がはえる!どうよwwwww
――回想:士官学校時代・海!――
[海辺にテントを用意させ、自らはその中でのんびり紅茶を楽しむ。]
シェットラントも中で休んでいたらどうだ。
快適だぞー。
[その日の体調はどうだったか、後輩に気遣う言葉を投げながら。
海で遊ぶのも、泳ぐのも、人一倍好きではあるが。
やはり優雅にティータイムと洒落込んでしまう体質のようだった。]
/*
びっくりまーくまでwwwww<海!
リエヴル大好きwwwwwwwwww
混ざりたい人は混ざって混ざって!
楽しく遊ぼう!
― 回想/士官学校・海! ―
[というわけで、海へとやってきたのだ]
うー、海海〜〜。
[お約束の言葉を発しつつ、岩陰に持ってきた荷を置いた。
澄み切った青空と、穏やかな海。……申請日が晴れて、本当によかった。
少しくらいは雲があってもいいのだけれども。
……名目上、これも訓練、という事にはなっているが。
岩陰でのんびりする派と、ばしゃばしゃ遊ぶ派と、
砂浜で追いかけっこをする派などに分かれてゆく]
俺は波打ち際で波に洗われている派……。
[じりじりと熱く照る陽の下で、冷たい波に洗われていると、
大変心地よい眠りに誘われ――……]
――……はっ。
[わしりと頭を掴まれて顔をあげる。親友の顔が間近にあった。
人は膝くらいの高さの水位でも溺れることができるという……。
ちょっとおこられて、ばしゃばしゃ遊ぶ派に混ざる]
[一通り遊び、くたくたになって。
喉の渇きを覚えて岩陰に走る。……砂はとても熱い。
ステファンに入れてもらったアイスティー。
ぬるいかな、と思いながら口を付けると……]
―――……なっ!!
[なんとそれは、とても冷えていたのであった。
確かにリエヴルは、「冷たい紅茶」とか指示していた。
温くなく、けして冷えすぎず。絶妙な温度のアイスティー。
でも、この、氷も溶けそうな炎天下。氷だって安くはない。
どうやって――……]
[驚いた顔をした事に気付いたのか、
ステファンとシェットラントはくすくすと笑い。
その秘密を教えてくれた。
永久水晶は、特売キャンペーン中だったらしく。
大量に買うと、おまけでいくつかついてきたのだそうだ。
食堂と医務室の発注に併せてスノウとラヴィ用の発注をして、
増えたおまけ分を生徒会室用にしたとのこと]
[夏でも冷たい飲み物が飲めるし、生徒会の予算も減らないし。
いい考えでしょう、と言いたげに、ステファンとシェットラントが笑う]
……やだ、この子たちあったまいい………。
なんてかしこいの……。
[思わずおばちゃん口調になりつつ、再びアイスティーに口をつける。
程よく冷えたそれは、乾いた喉を心地よく潤してゆく]
/* わぁ…ログみにきたら…わかめ食べに来たら弟が大変な事に…健康じゃなーい!!
シェットラント…(T T)
そして、わかめを遡ったら妹が…人生ハードモード!!
なんてことだ…(T T)
みんな…大変な目に…
― 2年前・大公暗殺事件 ―
[大事件はそれだけでは済まされなかった。
大公暗殺の報は瞬く間にフェーダ公国全土を揺るがした]
……おじい、さま……。
なんで……。
またかよっ!くそっ!
今度こそ絶対に犯人を捕らえて八つ裂きにしてやる!
[急いでその場に駆けつけて。
冷静さを保とうとする努力を放棄して、そう大声で叫んだ]
/*
う、うーん…。
あんまりにB村の内容から逸脱してる話が進むと不安になるんだが…。
A村エピでA村にそぐわない描写は〜って話が出てたけど(理由それだけじゃなかったけど)、B村のプロにも言えなくないだろうか。
し忘れてたロールの補完するのくらいならまだ良いのだけど…あんまりにわかめすぎるとミヒャエルも大変だろうし…。
[だが叫んだところで虚しく、
先の事件と同じく、
またもや真実が明らかにされることはなかった。
わかることはただ一つ。
大公の護衛ともなれば精鋭揃いだ。
しかも王太子殺害という事件もあったことで警戒は充分に成されていたはず。
暗殺者はそれをものともしない凄腕であろうということを。
――護衛を人任せにしないで自分がしていれば或いは。
仮定を繰り返しては、自身の判断を呪った]
― 3年前・公国軍務大臣暗殺事件 ―
[肩を狙い振るわれた長剣>>464も、軍務大臣であるマーティンが迎撃に抜いた剣>>465も。まとめて左手の小太刀で受け流して。
短剣を投げた右手をもう一振りの刀へ伸ばし、抜刀の勢いのまま振り抜いた太刀で、マーティンの右肩から喉を切り裂いた。
再び振るわれる護衛官の長剣>>466がぶれるのを見て、受けることをせずに一歩退き避ける]
なぜ…?
[驚きから怒りへと変わり、それさえもすぐに冷えていく様>>468を見れば。
声音を変えたままで、ふっと覆面の影で笑みを零した]
先ほども言っただろう。王太子殿下の仇だと。
[もちろん、嘘だ。王太子を殺したのは他の誰でもない自分なのだから。
応じながら、足元に倒れている軍務大臣の胸へ小太刀を突き刺し、すぐに引き抜けば。室内の血の匂いが、さらに濃くなる]
うぬぬ。
偵察ルートを色々考えてる。
北方から小型船を手配してひそかに帝国(公国)側にわたり、港湾都市を偵察後大陸を横切り反対側から南に渡る、というかんじかな。
もっとも、それがなくともいつかはこうなっていたがな。
軍務大臣のことを、邪魔に思う人物は一人や二人ではないんだから。
[これは事実。
帝国側での雇い主であるリエヴルにとっても、公国側での雇い主であるクレメンス侯爵にとっても、昨日殺した和平派の王太子たちにとっても。
軍の実権を握っている開戦派の人物は、邪魔者でしかなかったから]
[再びベリアンが剣を向けてくるなら、短剣が刺さったままの左腕を狙い太刀を振るった。
手負いの獣を思わせる気迫が向けられる、それさえも心地良く思うのは。
幼い頃から仕込まれていた殺しの為の剣術を、実際に試す機会を2日続けて与えられた事に興奮しているからか。
それとも、血の匂いに酔っているからか。
右手の太刀で応戦しながら、ベルトに挿しておいた短剣を左手で抜き、ベリアンの両足へと投げ、足止めを図る。
殺さない程度に傷を負わせ、小太刀の柄で鳩尾を殴る頃には。返り血が覆面に染み込み、血の匂いにさらに酔っていた]
――は…はははハハ…!
[当初の予定では、護衛官たちは、動けない程度の怪我をさせる程度にとどめるはずだった。
実際、昨日襲った王太子の護衛たちは、できる限り気絶させるだけに留めて皆殺しにする事は避けた。
けれど、2日続けての血の匂いに箍が外れた殺人者は、駆けつけてきた他の護衛官や守備兵たちにも斬りかかった。
その赤銅の瞳は、興奮ゆえか血の色に染まり。軍務大臣の執務室の毛足の長い絨毯も、その扉の外の廊下も、血の海へと変えた]
――は、ッは……ぁ。
[オズワルドとヴェルナーがやってくる前に我に返ったのは、疲れたからなどという理由ではなく。
ただ、気を失っただろうベリアンと、刀を手に立ち尽くしている自分以外、執務室にもその前の廊下にも、生者がいなくなったから]
……作戦終了。帰るぞ。
[1階から守備兵たちとの戦闘を経てようやく3階にたどり着いた2人が血の海に驚いているところへかける声は、常とおなじもの。
予定外に何人もの命を絶った理由について問われれば、『昨日の王太子殺しと同一犯とは思われないようにする為』などと応えておいただろう**]
― 帝国前進拠点 ―
[仮眠から覚めて。がしがしと薬を煽る。
水袋の水を一気に飲み干して、ぐらりと回る視界に眉を顰める。
身体の芯の所に、気だるい疲労が溜まりゆくのが分かった。
水袋の水を補給しようと、天幕を出ると。
ばったりとヴィンセントと行き当たる]
………おはよう。
どうした、顔色が悪い。
[もぞりと呟きつつ、目をごしごしと擦った。
>>471 リエヴルからの依頼と、彼のお忍び散策を聞き]
――……変わらんな。
旗が不用心に出歩いてどうすんだ。
[突っ込み役がいねぇからか、と口の中で呟くと。
要請があった事をソマリに伝え、自らも准将の元へと向かう*]
[真実がどうであろうと、
王太子と大公が亡くなったことで、
和平派の声が開戦派に掻き消されるという事実は
すぐに肌で感じ取れるようになる。
開戦派は証拠のないまま一連の事件の犯人を帝国だと喧伝し、
公国内では市民に至るまで、
帝国への報復をという声が上がるようになっていた。
国内の空気を察したのか、
次第にシュヴァルベに護衛兵として派遣されている公国兵が
帝国兵と衝突を繰り返し、
銃弾の原料となる鉱石の値は跳ね上がりはじめた]
―回想・ある夏の日―
あの2匹のためなら募金を辞さない!ていう人もいましたよ。…まあ、僕のルームメイトの先輩ですけど。
[ダーフィト、ステファンと共に生徒会長に予算の相談をしていた。
>>489ダーフィトが机に突っ伏してしまうと]
先輩。大丈夫ですか?
[眠いのかな、と思いながら、持っていたノートで彼をぱたぱた仰いでみる]
え。海??
[突然の提案に目を丸くしている間に、あれよあれよと海へ行く事になった。
ステファンと2人、飲み物を頼まれれば、そう来るだろうとお互い予想していたこともあり、ステファンと目を合わせると、くすりと笑った>>491]
了解しました。
[ステファンと相談した結果、アイスティーと、アイスコーヒー、オレンジジュースを用意することになった。]
―回想・士官学校時代・海!―
う。あつい……。
[頭からタオルをかぶり、日差しを手で遮りながら目を細める。既に海に飛び込んでいる仲間たちの楽しそうな声が聞こえてきていたが、もう少し日差しに慣れてからじゃないと辛そうだなあなんて考えていたら掛かる声>>502]
[そして――某日
帝国領フェルゼンベルクに火の手があがる。
不吉な炎は街だけでなく、人々の願いをも呑み込み
瞬く間に膨れ上がっていった]
えっ、そんな。
[手を振って辞退するが、優雅な生徒会長の涼しげな様子と、自分の頭上から照り付ける太陽の温度差に]
…じゃ、じゃあお邪魔します。
[おずおずとテントの下に入り、日陰にほっと息をついた。]
隻眼の軍人 ノトカーは、栞を挟んだ。
あ、ヤドカリ…。
[足元をもそもそ歩いているヤドカリを見つけてしゃがみこむ。
突いたりつまんだり砂の山を作ってその上に乗っけてみたりしていると、ダーフィトが戻って来た>>505
ステファンと顔を見合わせ、こっそり偲び笑いをしながら、アイスティーを用意して。
そうして驚いたダーフィトの顔を見れば、ステファンと2人、得意げな顔で笑い、種明かしをしたのだった。]
生徒会室でも冷たいものを飲めれば、少しは目がさめるでしょう?
[アイスティーを飲むダーフィトにこっそり耳打ちしつつ。
さらに戻って来たヒンメルには、砂糖を大目に入れたアイスティーを差し出したのだった**]
― 回想・士官学校時代の夏の海 ―
スノウもラヴィも、海を見るのははじめてかー?
ほーら、新鮮な魚だぞー。
[もふーずの為にこの男が動かない筈がない。
なぜか当然のように生徒会の面々に紛れ込んでいた教官は、釣竿を片手にもう片手にはアイスティーで、
かってに連れてきたもふーずのためのパラソルのそばで、新鮮な魚や野菜を献上していたのだった**]
― 2年前・ラウツェニング邸 ―
これで……事実はどうあれ
父上の希望通りになったわけですね。
[夕食の席。
父に向かって憎々しげに吐き捨てる。
負け犬の遠吠えであることがわかっていても
言わずにいれなかった]
……心配されずともわかっております。
開戦したからには、微力ながら力を尽くします。
やるからには勝たなくては――。
[それは嘗てジェフロイが東寮生に言い放った言葉。
似たもの同士と言われた彼と同じ言葉を父に向けながら、
比べ物にならないほどの深刻さを帯びていた。
止められないなら勝つしか無い。
そうしなければ公国を守る事はできない。
負けたら待ち受けるのは公国より
遥かに巨大な帝国による支配。
そうなれば公国民にも辛い運命が
待ち受けているに違いないから]
――回想:士官学校時代・海!――
[シェットラントの遠慮がちな声>>519に、笑顔を見せる。]
そんな気を使う必要ないってのに。
ここから出ると、日に焼けそうだしな。
[そう言って、広めのテントでごろりと横たわる。
別に日に焼けたところで困りもしないが、それより何より冷たい紅茶がうまい。]
――回想:士官学校時代・海!――
[シェットラントの遠慮がちな声>>519に、笑顔を見せる。]
そんな気を使う必要ないってのに。
ここから出ると、日に焼けそうだしな。
[そう言って、広めのテントでごろりと横たわる。
別に日に焼けたところで困りもしないが、それより何より冷たい紅茶がうまい。]
[が、上機嫌で冷えたままの紅茶を味わっているというのに。
シェットラントが砂糖大量の紅茶を作っているところ>>520を発見すれば。]
砂糖はそんなにいらないだろ。
[と、白い目を送りつつ。
悪戯で、飲み終えた紅茶に使っていた永久結晶をスノウの背に押し当てたら、見事に右腕をひっかかれました。*]
――現在:帝国前進拠点――
[呼びかけに応じ、現れた偵察兵が見知った顔とあれば>>514
それまでの険しい顔が、僅かに綻ぶ。]
…………久しぶりだな、ダーフィト。
[だが、それも一瞬で引き締まる。
自分が如何に相手に親しみを籠めたとて、相手にとっては容易くそれを返せるわけではない。
……この五年間で、学んできたことだった。]
現状までに把握していることを、細かく報告してくれ。
直に聞いた方が、ミスが少ないからな。
[そう言って、広げた地図に視線を落とす。]
敵の布陣。編成。おおよその総数。
どの部隊が配属されているか。
他にも――――…
………………とにかく。情報が、欲しい。
[必要ならば偵察に出て貰うと告げ、報告に耳を傾ける。]
あぁ、そうだ……お前がいるんなら、魔法弾に関しては、
俺んとこから融通するよう、話をつけておく。
…………頼んだぞ。
[それは、かつての同期の腕を、信頼しての言葉。*]
>>525 wwwwwwwwwwwwww期待通りの反応ありがとうございますwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
― 回想>>414 ―
少し変わったって、お前…なあ……。
あー……。
[何だか恥ずかしい。
彼女の目に、自分はどれ程間抜けに映っていたのか。
ちらと傍らを見遣れば、何だか大人びて綺麗になった彼女がいる。
居た堪れないような恥ずかしさで、耳が熱くなった]
そっちも変わったな…じゃねえ。
綺麗になった。
あ、いや。前がそうじゃないというのじゃなく…!
[慌てて付け加えれば、涼やかな笑い声が追いかけてくる。
どうも居心地が悪くて頭を掻いた]
また来る。
[最後には笑顔を見せて約束した。
いつもは大体笑顔で迎えてくれる彼女が居たけれど。
…時折見せる表情が気にも掛かって、通い続けた]
― 回想・フェルセン家襲撃後>>417 ―
フレデリカ?
[その日は、いつもとは彼女の様子が違った。
ぽつぽつと交わされる言葉と、少しの沈黙。
様子のおかしさが気になって視線を落とすと、
帯びているサーベルの柄の違いが何となく目に留まった]
どう…、 …?
[問いは彼女の出した名で、中途半端に途切れた。
随分と口にしていない名前だ。
思わずじっと、彼女の顔に目を向けていた]
― 某日>>421 ―
[その数日は、どこかおかしかった。
何度訪ねても、フレデリカに会うことが出来ない。
不思議に思っていたある日、漸く彼女と会えた。
その直前、ことの次第を部隊員に聞かされた。
まさかという思いが顔に出ていたのだろう。
あっさりと見抜いた彼女の表情が、痛々しかった]
………っ
[笑顔を見せながら、涙を流すフレデリカを。
気づけば腕を伸ばして、胸の内に抱き寄せていた。
彼女が表情を見せず済むように、胸に彼女を抱きしめてやる。
彼女の気が済むまで。涙が止まるまで。ずっとずっと、抱き締めたまま]
/*
すいません、ついついプロから暴走しすぎましたorz
酒飲んだら暴走しすぎるかと思って控えたのに、シラフでも暴走しすぎました。
風呂あがったらおとなしく寝よう。
……フレデリカ…
[やがて名を囁けば、涙に濡れた彼女の顔は見えただろうか。
指先に頬の雫を拭い、痛みを拭うように顔を近づける。
吐息を重ねて少しでも、この痛みを拭い去ってやりたかった──*]
― 回想>>427 ―
新兵、なあ…。
[あれから。実は彼女を異動させられないかと動いたのだ。
けれど彼女の優秀さゆえかそれは叶わず、
結局、今もこうして彼女は同じ部隊に所属し続けている]
馬鹿やろ。
危なくなったら、さっさと逃げて来い。
ったく……当たり前だ。
[ついていくことは叶わない。
彼女を守ってやることも叶わない。だから、]
……守れよ。
[ペリドットに添えられる手に手を重ねて、ピアスへと思いを託した]
[結局、守りは利いたのだろうか。
彼女は戻ってきた。”隊長”として。
それからも彼女は修羅場を掻い潜り続け、かの新兵が、
新兵ではなく──兵としてなくなってからも、ここにある>>431]
俺もシュヴァルベへ行ってくるわ。
[前線への出撃命令が下り、やはり彼女の元へ行った。
何気ないことのように言って、彼女の右耳のピアスに触れる]
お前も気をつけろよ?
[恐らく───いや、間違いなく。
実戦の経験値は、既に完全に逆転をしている。
身分高くあった自分は、その分長く手を汚さずに来た。
比較的後ろに配置され続けて来た身の経験は、彼女の笑う新兵に大差なかろう]
[それでも]
───、ま。いざって時は駆けつけてやるか。
[余裕の笑顔をみせて、くしゃりと金の髪を撫でやる。
そのようにありたかった。
余裕と意地も、張り続ければ本物にもなれると信じた**]
18人目、情報将校 ミヒャエル が参加しました。
情報将校 ミヒャエルは、人犬 を希望しました(他の人には見えません)。
― 回想 ―
父が死んだ。
戦場ではなく、屋敷のベッドの上でだった。
フェーダ公国海軍を率いて出陣すれば必勝と、かつては内外にその名を知られた海軍大将も、流れ続ける時には勝てなかった。
七十を越えてからは歳を数えるのを止めたという男は、見下ろしてみれば、萎びた枯れ木のようだった。
『かえりたい』
老人は呟く。
『どこへ? あなたの家はここではなかったんですか?』
枕辺に座った俺がそう問うと、白く濁った眼が宙を彷徨う。
『ふるさとだ』
そう答える声はまだしっかりしていたようだった。
『俺たちの帰る故郷にだ。あの海を越えて、俺たちの祖は何百年も昔にこの国に辿りついた』
それは、気まぐれに《父》が本宅に戻るごとに、酒を飲むとしていた与太話だった。
『俺たちの祖は海の民だった。
遥かな海に漕ぎだし、櫂を奪おうとする藻の原を切り開き、襲い来る荒波や人食いの大鮫との戦いの果てにこの国に辿りついた。
まだ生まれたばかりの赤児だったこの国の夜明けに立ち合い、成り立ちを助けた。
うなばらを駆ける白波の上では、祖の男たちは決して負けなかった。
その武力を国の古族に都合してやり、そうして、海を越えて着いた国の端に森を手に入れたのだ。
森の恵みを、根付く大地の上に築く住まいを、森を拓いて耕した地に実る金の穂波をだ』
『……まるで見てきたようにおっしゃる。その頃まだあなたも生まれてはいなかったんでしょう?』
俺がそう言うと、老人は唇の端を歪めた。
『どこから来たのか、どこへ帰るのか。迷わぬように、刻まれているのだ。我らの血脈にな』
褥から這い出した枯れ枝のような手が、自らの胸元を抑える。
左の、心臓の真上を。
『俺の帰る場所は……』
そう言いかけて、やめた。
老人が遠い昔から抱いてきた熱い望郷の念に、今際が間近いこの時にあえて水を差すこともない。そう思ったからだった。
あなたが海軍を指揮して数えきれぬ程の戦勝を上げ、その報償に得た沢山の領地はあなたの故郷に成り得なかったのか。
そもそも、海の向こうに帰るというのなら、なぜ来たと言うのだろう。
命の危機に晒されながらも。
何百年も昔の船や操船技術は現代の比にならぬほどに稚拙なものだったはずなのに。
『おまえ、情報将校になったそうだな。なぜ、海軍に入らなかった』
『……父上と比べられるのが恐ろしかったからですよ』
それは半分が嘘で、半分は本当だった。
本宅と士官学校しか世界を知らない俺には、知識が必要だったのだ。
父が海野原を想うように、俺にも帰りたい場所がある。そこへ辿りつく道を探すために。
『不甲斐ないことを言うものだ。お前もデンプウォルフ《狼殺し》の名を継ぐ者ならば胆に銘じろ。
俺たちは、狼を、森を領有する王を殺し、彼らが持つ恵みを引き継いできたのだ。
生きることは奪うということだ。
戦ばかりではないぞ。
獣を屠り、草の実や菜葉を食うことの一つまで、我らの手が血に汚れずに済むことなどない。
忘れるな。
俺たちの立つ地には何百何千の死霊が眠っている事を。
俺たちの血の一滴、肉の欠片の隅々にまで、食した命、倒した獲物、戦って滅ぼした敵らの霊力が引き継がれているという事を』
その言葉には、応えなかった。俺はただ曖昧に老人を見つめていただけだった。
父が亡くなったなったその年、大公が暗殺された。
王太子も、軍務大臣も。そうして、長く父が倦み続けたシュヴァルベの春、和平は消え去り、彼の過去の栄光を支えた艦隊も水底に沈んでいった。
あれほど望んだ戦の場にも戻ることはなく、誇りにしていた大戦艦も尽く海の藻屑と消えたいま、老人の魂はどこにあるだろう。
帰りたいと望んだ場所へ、胸の奥処に刻まれているという地へと辿りつけたのか。
……俺は、未だに見つけられずにいる。
そうして、かつて見た野焼きの炎に包まれただけのように見える領地のあちこち、自国のそこかしこで戦火が広がり続けていくのを見つめている。
人が生きるに戦いを避け得ないというのならば、ただ生きているだけで何かを奪い続け、すでに滅ぼしてきたというのならば。
これは、どうしようもなかったというのだろうか。
あるいは。
かつてこの国がまだ生まれたばかりの赤児だった頃からも続いた戦いで流された、幾千幾万もの人々の、
この地に染み込んだ夥しい血潮が齎す呪いだとでもいうのだろうか……。*
― シュヴァルベ・帝国軍前線 ―
内地の技官を迎えての作戦行動…か。
それなら、やはり………魔器、関係の可能性が高いか。
属性がわかるなら、設置場所の「土台作り」の為にも早めに教えてほしいものだが。
[通信を引き継いだ隊長から、詳細不明の別任務が入ることを聞かされる。
ある程度陣地や地形の情報を必要とする工兵隊に詳細不明の任務が入る時は、大抵…隠匿したい内容が絡むとき。
多くは、魔器関連で、何らかの情報統制が必要な仕事になることが多かった。
架橋作戦の為に、大型魔器>>399が導入されるであろうことは、まだ予想してもいない。]
―――馬の足音…?
もしかして、先ほど報告にあった…
[見張りに立っていた兵から報告を受け、外に出る。
現れたの姿は二騎。散策に出た准将と護衛とすれば数は合う。]
―――???
…リエヴル先輩に、シロウ教官…か…?
[馬に乗るのは予想外に見知った顔2人。
准将であるはずの相手から懐かしげに声をかけられ、一瞬固まる。
近づいてくる姿を見てやっと正体に気が付いた。]
お久しぶりです、トゥーレーヌ准将。
士官学校のあった方角から来られたように見受けられましたが…
…そうですか。やはり、散策に……………。……………。
准将を探すために、私の隊でも、他の小隊でも数名が派遣されたと聞きます。
シュヴァルベの地に戻るのが久方ぶりなら、当時のご記憶を思い出されて懐かしくなるのもわかりますが、あの地は未だ斥候隊による散策も完了しておらず、いつ物陰から公国の斥候が現れるやもしれぬ状況。このような進言をさせて頂くのは大変心苦しいのですが…
[傍で見ていた隊長の顔が真っ青になった。
副長の口がかくりと開いたまま閉じていなかった。
准将と昔馴染なら、是非陣地までお送りしなさい、ついでに直に作戦について確認するように、と片言のような棒読みで伝えられ、図らずも、陣地までの案内役兼伝令係を押し付けられることになった。]
― 帝国前進拠点 ―
[リエヴル、シロウの二人を送った後、作戦についてを確認しようとしたが詳細はまだ決められる前の段階だったようで、そのまま待機になった。]
[指示された天幕に移動する為、歩いていると見知った顔に出会う。>>514]
おはようございます。
……顔色につきましては、そちらほどではないと、思います。
[相手が寝起きとは知らず、顔色の悪さはお互い様だと揶揄する。]
トゥーレーヌ准将がこちらに来ているのですが…、着任早々士官学校跡までお出かけをされたようで。
私達の所も含めて、周辺の隊が大騒ぎになりました。
公国の布陣や軍勢の詳細確認に偵察兵からの報告を希望されていたから…
斥候隊の方か貴方が呼ばれることがあるかもしれません。
[斥候隊に所属するかつての先輩は、「旗が不用心に出歩いてどうすんだ。」と至極尤もな感想を呟き、進行方向を変えて歩き出した。]
[軽く手を振り、自分も再び*歩き出した*]
― 回想・士官学校時代・海! ―
熱い……
[日傘の下、ちゃっかり冷たいジュースを手にして輝く海を眺めている。
着ている衣装は淡色薄手の長袖。
日傘をしているのに帽子着用。
さらにその下にはタオル。
日焼け、という言葉に戦慄を覚えたくなる位良い思い出の無い青年は、見るからに泳ぐつもり無しの完全防備だった。]
スノウさんとラヴィさんは、元気そうですね。
…ピクニック気分なのでしょうか。
[横を見ると、もふもふ生物が二匹。教官>>521の差し出した献上品を当然の顔でもぐもぐしたり、お腹を出して転がったり。茶色い兎はぷきゅ?……きゅ、と変な声で鳴いてひっくりかえりながら人参を食べるという芸当を見せていた。
あざとい…兎あざとい…。
それでも、もふもふの為に冷房募金をしようと試みそう>>516などと同室者から言われている青年は、とても愛らしい風景に*心なごんでいたりもしたのであった。*]
/*
色々書いてんだけど…
えーと、ノトカーの到着も確認しつつ、公国の兵力も捏造しつつ← 斥候隊を呼びつつ、工兵もつけるのね…。
タスク…!
[おそらく実際の戦場というものを自分の方が知るくらいにいろいろと経験してきた。
そんな自分に対して、全てとまでは、自分の一端に触れた彼ならば、その行ってきたことも知らないわけではないだろうに]
ありがとう。
[駆けつけると、その言葉だけでも嬉しくもあった。
髪をなでる手に笑みを返して]
ディーク頭下げて、撫でられないから。
[背伸びして彼の頭に一生懸命に手を伸ばすしぐさをすれば、こたえてくれるだろう]
[頭を下げてくれたそのときに、そっと手を首に回し、顔を寄せる]
………
[数秒間の後、彼から離れると、とんと胸に拳をあてて]
/*
でリエヴルがダーフィト拾ってるからえーと(考え中…
やべぇよく分からん事になっとる。
先にこっちに呼べってロールしておけばよかったのかこれ。
/*
駄目だとにかくリエヴルひっつかまえないとよく分からんことになっ(ごふっ
ダーフィトとは後で話してもらった事にすればいいだろうか。
…いや先のが自然か?
あんまり他人のロール阻害したくは無いが…むぅ。
──三年前・公国軍務大臣暗殺事件──
[小太刀で受けられる剣が跳ね上げられる。何故と問うた声に応える台詞に、鋭く目を細めた>>510。]
──太子暗殺からここにたどりつくのが早すぎる。
複数から邪魔者扱いをされるとは、
マーティン卿は流石に有能ですね
[驚きと苛立ちは一瞬の事、暗殺などという手段が安易に振り回されていることにも、それに恩師の一人が加担しているらしき疑惑にも──それで剣先を鈍らせた自分にも苛立ちはつのる。]
それに。
卿が暗殺なんて危険な手に手を染めるなら
俺が知らないわけがない
[ベリアン・アリーはマーティン・フォン・ミュラーの子飼いと言っていい。その自負と共に、跳ね上げられた位置から、刃を振り下ろす。]
[同時、軍務大臣の位置に走りながら、眼前に剣を構えた。屈む姿に飛び込む勢いで、上方からの突きを見舞った。]
…ッ
[けれど、それも左からの一刀に打ち下ろされた。
その場に、抜いた剣が転がる。]
…づ、…ッ
[ぎり、と奥歯を噛みしめながら。痛みと苛立ちを噛殺す。]
[血に酔ったように笑う声が上がる。それに嫌悪の感情を刺激されながら、左腕に刺さった短剣を引き抜いた。]
──こ、の …ッ!
[赤い血に濡れた短剣を、相手の喉に向けて構え一歩を踏み出した直後──直後に四肢を狙った短剣が、両足へと突き立った。]
[短剣に持ちかえてから、何合打ち合わせられたか。途中から数えるのをやめた。これは敵だ。と、剣筋だけに意識が収斂していく。]
─────。
[痛みが腕、足、肩、頬、わき腹と数多増え、
溢れた血の匂いが部屋に満ちる。]
…
[ぼた、ぼた、と両足と左腕から赤い血が落ちる。]
[半ばは麻痺した痛みがびりびりと四肢に響くが知ったことではなかった。それより厄介だったのは切れた筋が侭ならなかったことの方だ。煩わしい、と感じながら、短剣を突き出す。相手は何処からかの刺客だ、ならば殺さなければならない。──その覆面の下がどうであれ。]
────ッ!
[逃がすわけにはいかないと、その意識だけで飛び込んでくる姿へ向けて、その場から無理な姿勢で覆面に向けて放った斬撃の結果はどうだったか。けれどその結果を確認する前に、腹部に打ち込まれた衝撃に目の前が暗くなった。]
[血に酔ったような哄笑に紛れて、邸内の異変に気づいた他の守備兵たちがかけつけてくる足跡が聞こえる。意識がもぎとられかけながら、苛立ちばかりが募る。寝ている場合ではない、鼻先に香る血の香の濃さに、胸の中央に穴が開く。
ああ。と、マーティン軍務大臣の見慣れた禿頭を眼前にして、息が零れた。こんなところで、こんなかたちで、あっけなく奪われるのか。]
[そうして、軍務大臣官邸が沈黙したその翌日、マーティン・フォン・ミュラー辺境伯が何者かに襲われたとの報が公国上層部に伝達された。
軍務大臣官邸内の護衛たちのうち、
生存者はベリアン・アリーのみだった。
その軍務大臣邸護衛官唯一の生き残りも出血の為意識不明の境をさまよったのち、後ろ盾であった軍務大臣を失ったことにより、公国内警備隊から国境警備軍への転属を言い渡されることになった。]
[動けるまで回復してから見に戻った軍務大臣の部屋。官邸の廊下に、こびりつき、茶色く変色した血の跡と、二年ばかりつきあった同僚の護衛官らの顔。倒れ伏したマーティン・フォン・ミュラーの顔。]
…
[どうして。と問う言葉はすべて呑み込まれる。何故、生き残れたのかという問いも。偶然か、運か、それとも──或いは温情か。理由を思えば苦いものばかりが広がった。見知った顔を思い起こせば、重なるようにか細い意識の中で聞いた哄笑が、三年たった今でも*蘇る*。]
― 帝国前進拠点 ―
[>>460丁度ソマリ隊から、新しい情報の報告を受けた直後。
准将帰還の報告を受けすぐさま執務室を出て、
部下の案内により見つけたリエヴルには、まず苦言を呈した。]
ご無事で何よりです、トゥーレーヌ准将。
…が、護衛たった一人で前線より先へ行かれては困ります。
[言葉遣いは丁寧であるが、
極低く、底冷えした声になったのは仕方ないだろう。]
[――返答次第でその後の対応も変わっただろうが、
それらが一通りが終われば、とにかく執務室へと告げた。]
…申し訳ありませんが、現時点での報告と、
上層部から新しい命令が届いております。
ご説明致しますので、執務室へ。
カディーネ狙撃兵、すまんがまた後ほど。
[ダーフィトとの話は何処まで済んでいたか。
途中だろうと時間は惜しい為、軽く頭を下げてから
やや強引にでもリエヴルを執務室へ連れて行った。]
― 帝国前進拠点・執務室 ―
[新たな情報を書き加えた地図を広げる。
その上に並ぶのは、色のついた小さな石たち。
帝国前線基地に複数、公国前線基地と思われる箇所にも複数。
そして数枚の報告書が地図の上にはあった。]
偵察兵は先ほど帰還しております。
報告はこちらにありますが…。
[その内容を読ませる前に、別の紙を上に乗せる。]
我が軍の現状はこちら。
負傷兵を除いた現存勢力は、歩兵隊、騎兵隊、
魔法銃並びに魔法石を付与の武器を持つ特殊部隊、
イェーガー大尉率いる斥候隊、
ドーベルニュ少佐率いる遊撃隊、
工兵隊、非戦闘員の衛生兵。
総じて――個大隊の勢力が、現状前線にいる全てです。
またこの度特別任務に着いております、
レイヴンウッド技術局主席代理が
戦略兵器、コードネーム・フラウと共に到着しております。
対して公国の勢力ですが、歩兵隊、騎兵隊、
その他前線には出ない後衛兵の存在が現在確認されております。
[その中に最近赴任されて来た>>98火薬銃を使う竜騎兵連隊の情報は、まだない。かつて同室であったレトらの報告も。
また特殊部隊に関しても「存在する」という報告だけで詳細な情報は無かった。工作員についても同様である。]
…総数は現状ほぼ同じ程度と考えられますが
こちらの動きに合わせてか、人員補充の動きが見られます>>337
多少の変動、誤差はあるかと。
また各所に公国、帝国外の兵士の姿が見られるとの報告もあり
おそらく傭兵が戦火を嗅ぎ付けて集まっているのかと。
公国軍は極少数ながら>>190、既にこれらを徴用している模様です。
本日、フラウを用いた奇襲作戦が開始されます。
これは私の権限ではなく、上からの命令です。
命令書はこちらに。
[ご確認をと見せるのは中央のお偉方の判が押された紙切れ一枚。
だが効果は、ここに居る誰のものよりも絶大なものだった。]
/*
しかし、竜騎兵連隊の情報ないのか。
手勢をカレルに預けて、いってこいってしたかったんだが。
覚えておこう。そうしよう。
フラウの詳細については、こちらをご覧下さい。
[そう言って渡すのは>>399戦略兵器についての詳細な報告書。
それにリエヴルが目を通すのを確認してから話を続けた。]
兵器運用の為レイヴンウッド技術局主席代理には、
「土台作り」の為>>546工兵隊一個小隊を同行させます。
また作戦内容から奇襲・護衛には、イエーガー少尉率いる特務隊が最適と判断し、そこを推薦してあります。
レイヴンウッド技術局主席代理から他に最適と判断できる隊の推薦があればそちらに命じます。
目標は、斥候隊が発見した>>184公国補給部隊。
補給路は予測済みです>>460
何か質問があれば。
…特に無ければ、これより正式に、
作戦コード『
[ご命令をと、最前線に先駆けて居た男が、
新しく上に立つ者へと問いかけた**]
子細は不明だが、何かよからんことがあるのだろうな……
[警備隊が急な指示にバタバタと東側へ兵力を移すべく動いているのを眺めつつ、補給部隊そのものについての指示は変更ないことを確認し、]
明日、早朝に次ポイントへ出立する。緊急体制維持しつつ、今は休め。以上。
[補給部隊隊員たちに手短に伝え、本部であるテントを離れた。]
― 深夜・停留地にて ―
[シュラフに身を横たえ目を閉じていても、常に眠りは浅い。
いつ何があるかわからない戦地、しかも今居る場所は最も危険な前線。]
……。
[緩めた襟元から右手を自分の胸に差し入れ、首飾りの先端にある石をぎゅっと握る。
暗闇の中で見えないが、いつもの蒼色が手の中で温かい。
不安を感じると思わずそうする癖がついたのは、いつからだったろうか。
開戦してからその頻度が上がっていることだけは間違いない。
こうしていると落ち着いてくるのは、これが自分の「お守り」だから。]
……大丈夫。
[今は少しでも休んで回復し、明日の強行軍に備えるべし――]
――前進拠点到着前――
[シロウと共に馬を進める最中。
遠目に懐かしい姿を見かければ>>547
そちらへと馬を進めた。]
ヴィンセントか。久しいな。
[弟子のルームメイトでもあり、稽古の後、フレデリカ、シェットラントと共に生徒会室で紅茶を振る舞ったりなどもした。
なればこそ、そんな彼が旗を同じくすることに喜びの色を浮かべるが。]
[始まったお説教>>548を聞けば、]
………………お、おう。
気を付けるとしよう。
[めんどくさいの始まったーとばかりに、鼻白むのだった。]
「奇襲!! 奇襲!! 敵軍奇襲!!!」
[突然の怒号に跳ね起きる。暗闇の中で周囲を見渡せば、東の――川の方角で火の手が見える。
何か攻撃が来ているのは明らかだ。]
本当に、川から来やがった……!
起きろ! 第5補給部隊隊員は全員、速やかに西へ退却!!
[部下たちのシュラフを蹴飛ばしながら、川と反対方向へ走るよう追いやる。
補給隊員の装甲はあまりにも薄く、まともな白兵戦など望めない。
速やかに退却し、少しでも被害を減らすのが最善策だ。]
みんな行ったか……!?
[自らの退却は、部下全員の安全を確認してからだ。
誰も現場に残っていないことを確認していると、明らかに退却とは異なる重い足取りで、よろよろと移動している隊員がひとり。]
アーベル! 何をしてる、馬鹿、早く行け!
[走り寄ると、ガクガクと震えながら部下が自分を振り返る。]
「隊長! しかし……」
[見れば彼は両手で大きな包みを抱えて、それと一緒に逃げようとしていた。 取扱セキュリティランクSAの――超高性能弾薬だ。]
捨てろ! 物資はすべて捨てろ!
「ですが隊長、あの」
確かに貴様は最優先でそれを運搬しろと言われてるが、緊急事態は別だ、捨てろ! さもないと、
[弾薬もろとも自分がふっとぶぞ、と警告しようとした矢先、目の前が――真っ赤に染まった**]
― 帝国拠点 ―
直に代理も取れる。
――ダーフィト・カーディネも久方ぶりだ。
[士官学校に在任中、注意せねばならない生徒の中に――
よく寝、よく菓子を食べに来た彼の名前もあった。
その時は表面上は普通に暮らせているように見える、と考えていたが――今の彼の顔を見れば、その考えも覆る]
[任務に支障はないと言われれば頷いて]
心強い。
だが、頭が痛いことに到着早々散歩に出られた准将のせいで、作戦決行のめどがたっていなくてな。
[地図になぞられる部分を見て]
なれば、橋をかける地点はここが妥当か。準備も捗る。情報感謝する。
日も落ちればかの部隊も動くまい。
……正式な通達は、追って来る。
それまでは夜に向けて兵を休めておくことをお勧めする。
[自分の立場では、正規軍に「助言」はできても「命令」はできない。
それ故、こんな言い回しになるのだが…]
村の設定が変更されました。
★設定を「更新時間が来たら開始」に変更しました。
★もう一度役職希望の確認をお願い申し上げます。
(ランダムは希望なさらないでください)
――帝国前進拠点――
[ジェフロイの姿を見たのは、ダーフィトから報告を聞いている最中だった。
底冷えした声>>566を聞けば、ダーフィトに向け、軽く肩を竦める。]
先ほど、ヴィンセントにも言われた。
わかった、わかった。
今後は大人しくしている。
[元より、言われるであろうことは、覚悟していた。
それでも、あの場を自分の目で見たいという想いには代えがたく。
なればこそ、男にしては珍しくしおらしい態度で苦言を受け入れたものである。
執務室へと促されれば、大人しくそれに従う。]
[執務室にて情報を聞きながら。
自軍の手勢、そして把握している敵軍の現状を頭に刻み込む。
そこに広がる地図に関しても、おおよその位置は既によく知っている。
……ただ、その様子はかつてと比べるべくもなかったが。]
俺の到着前で、ほぼ同数、か……。
[己が前線に出向くという話は、帝国内ではそれなりに驚きを持って広まった。
故に、敵にも知られている可能性は高い。>>337>>570
なればこそ、現時点でもいまだ気は抜けぬ。]
[そしてフラウについての命令書を差し出されれば>>571
それを受け取り、軽く目を細めた。
さらなる詳細>>572にも目を通し、暫定担当部隊の指揮官の名を聞けば、ゆっくり頷いた。]
イェーガー少尉率いる特務隊、な。
俺に異論あろうはずもない。
――――――……出撃の手配を。
[唇から零れるのは、兵を死地へと向かわせる言葉。
その言葉に、もう迷いはない。*]
―回想/士官学校時代 うさぎ狩りの日―
ダーフィ、足元を潜ってるぞ!
[足場の悪い場所での狩を、友人と副寮長らは大いに楽しんでいるらしかった。
クスクスと笑い、背負う矢筒に手を伸ばす。
さわやかな風が頬をなぶる、兎狩りには最適の季節。
誘われて訪れたこの場所だったが、やはり来てよかった――と思う。]
……流石だな。副寮長は…。
的に当てる技術だけではなく、射撃には判断力が必要、ということでしょうね。
[的確に、冷静に仕留められていく獲物に、そう感嘆の声を上げる
ちらりと横を見れば、大いに楽しんでいることは明らかながら、岩にうさぎをにょろりと飲み込ませている親友の姿。]
全く…。これでは追いつけないな。
俺も少しは頑張らないと――
[弓を構え、軽く矢を番える。
小さな的を狙い、軽い反動をつけて引き切った。
タン、という音と共に矢は命中し、狭い岩の間に潜り掛けた背を射抜く。]
[同時に、かろやかな、高い銃声。
天に向けて放たれた其れに、上空を見上げる。]
(――鳥)
[大木から翼を広げようとしていた鳥が、ゆっくりと、地上に落ちてゆく。
それは酷く、印象的な光景だった。]
――作戦開始直前――
[出撃の仕度が整えば、居並ぶ兵の前に姿を現す。
ゆっくりと場を見回し、張りのある、だが落ち着いた声音をあげた。]
諸兄には、これから作戦名 「
敵の補給を絶つことは、軍事戦略の基礎。
この働きによって、公国の消耗を誘い、先の展開へと繋げるのだ。
戦局の大事を担う作戦だ。
皆の力を、貸して欲しい。
[兵士一人一人に声をかけるように、その姿を見渡しながら。
最後に、カサンドラとソマリの前で、ニヤリと笑みを浮かべた。]
…………ま、二人が指揮を執ってくれるとあれば、俺も心強い。
良い報告を待っている。
――――――――――……武運を。
[かつての先輩でもあり教官でもある相手と、何度も剣を交えた好敵手に、信頼を籠めて頷けば。
指先で、軽くソマリの胸をトンと叩いた。*]
………………頼んだぞ。
[結局仕留めたウサギの数は、鳥を入れて漸く同数と言ったところ。
一番活躍出来たのは、食堂でおばちゃんを手伝って、大量のウサギの皮を剥いだことかも知れない。
貰ってきた大量の毛皮が、しばらく寮の裏の軒下に干してあったおかげで、遊びにきた東寮生に「地獄の館」と不名誉な言い方をされたことも懐かしい思い出だ。]
――副寮長。大変恐縮なお願いなのですが、銃の構えを見てはいただけませんか。
自分では、どうしても弓と同様に扱うことが難しい武器ですので――
[美しい構えに憧憬を抱き、合間の短い時間にそう頼んだこともある。
使う筋肉が明らかに違うであろうその構えは、修練を充分に積んだ、戦士として学ぶところが多いものだった**]
―渡河作戦より暫く前―
[情報収集は北部の臨時港より、徐々に沿岸部の調査を行うことから始まった。
港湾に関しての詳細調査は、今回の要である。
警備規模、砲撃による地形の変化。
記録は口頭と、少量の画像にて保持される。
――思うよりも警戒は厳しかったが、北部沿岸についてはほぼ調査を終え、補給のため臨時港に出入りしている小型漁船の船員を買収して、一度シュヴァルベを出ることにした。
近隣の港湾都市の状況を把握するためである。]
――酷いな。
[港湾都市の多くは、未だ復興ならず、深い爪痕を遺していた。
帝国最後に訪れた都市は、フェルゼンベルク。
砲撃と魔法による反撃の余波にさらされた街だ。
未だ崩れた建物が生々しく残り、人影は疎らで、ぼんやりと活気がない。]
(警備兵の歩哨も多いが――士気自体が低下している。無理もないだろうが)
(昼間から兵が酒瓶を手にしているようでは、な…)
(今後の衝突如何によるが、侵攻の要としては、悪くない場所だろう)
[長い旅行用フードで表情を隠しながら、早足でその場を離れる。
背後では港湾警備を申しつけられているらしい地元の守備兵が、濁った目で辺りを睥睨していた。
――その場所でヴァイス兄妹の末子が命を落としたことなど、知らぬ。
それがかつて滑稽な一戦を祭りのように戦った旧友の人生を、変えてしまったことも]
/*
うう。
当初は組織だった大きな戦争ではあっても、その中で旧友同士が戦う小規模なのでいいかなーと思って中隊長クラス(大尉)を想定してたのだった。
ただログ見てるともうちょっと大規模だし、とはいえ指揮系統ないほうがいいかなぁと思って連隊長クラス(大佐)にしたのだが。
もう1つ上にして、前線司令官っぽいことをしたほうがいいのだろうか。
/*
無粋かなと思いつつ確認してしまったんだが、適当なモブに更なる警備を押し付けて
理由をつけてシェットランドにいってもらう、が正解かなぁ。
わーい何もしてないうちにいろいろ進んでいいなあ(だめだこの村建て)orz
すみませんすみません
と言いつつ、余りバトル得意じゃない人もいるのでアニメレベルを忘れないでね、ともちょっとはらはらしたり。
バトラーと非バトラーとの混成村だからなあ…
― 帝国前進拠点・執務室 ―
はっ。
フラウ運用隊、斥候隊、工兵隊へ伝令。
作戦コード『
これより詳細確認後、作戦に向けて行動を開始せよ。
作戦決行は今より一刻、暁九つ。
繰り返す。作戦コード『
作戦決行は今より一刻、暁九つ。
[そう控えていた部下に命じた後、リエヴルに向き直る。]
今後に関してですが。
総指揮権が前線最高階級であるトゥーレーヌ准将へと移ります。
戦線情報の類は直接准将に届くよう手配しておりますが、
赴任されて間もない准将を補佐する為、暫くの間はこちらにも、ほぼ同様の情報が届きます。
もし不明点等がありましたらお呼びください。
[そう言い、机から取り出すのは、最新式の小型の通信機。
元々は何処かの元伯爵が研究していた物だという事は、簡単に耳に挟んだ事があるが。彼の顛末までは知らずその必要もなかった。]
こちら本国より配布された、魔法石を用いた最新式の通信機です。
数に限りがありますので、極数名のみの運用となりますが、
必要あらば、准将から必要だと思われる者へお渡しください。
[そうして自身も一つ、懐に偲ばせる。
また既に何名かには別ルートで渡っている可能性も伝えておいた。]
当然ですが、今後帝国上層部からの勅令は
准将にのみ届く形となります。
執務室は現時点より、准将へと引き渡されます。
今後の作戦立案、並びに会議はこちらでどうぞ。
私は先日負傷した騎兵中隊長の代わりに指揮を兼任致します。
ご命令あらば、いち中隊長として前線へ向かいますのでその際はご用命を。
…それでは、失礼致します。
[個人として、リエヴルへ良い感情は無い。
が、リエヴルへの報告も、部下への命令も、全ては一定の距離を保って淡々と行われる。
公爵弟は良くも悪くも、生粋の軍人であった。
敬礼し、隅に置いてあった執務室の最後の私物を手にすると執務室を後にする**]
/*
あー一刻は止めて置いたほうがよかったな。
時間を別の言葉で暈したが…
(一応暁九つ=0時ではあるのだけど)
まあいいか。深く考えるのはよそう…。
たくさんしごとしたからつかれ た
TODO
・ジェフロイにご挨拶
・カサンドラにご挨拶
・リエヴルに戦況説明とお返事、魔法弾(多分色々あるけど、きっとノトカーの説明してたやつだな)について拾う
・魔法弾とぽっけの石についてヴィンセントに訊ねたい
・ソマリと進軍
・実は俺の夏はまだ終わっていない(下書きは家にある)
・魔石の正体がわかったらめるに通信(通信できるの?できなくね?できる?できなくてもいいか)
【半ソロール】
・シロウともふもふの回想をどっかに→もふもふ調教とその失敗談(過去回想)
・愛する人との生活
・別れについて(ロリってなんぞ)
【ソロール】
・灰色の部屋での独り言
あかん……あかん……全然足りん………
[帰路は再び船を拾い、一旦シュヴァルベを経由して、公国沿岸部へと向かう手筈を整えていた。
次の草原からの傭兵船は、公国からの手配で到着するという。
公国の港湾を調査しつつ、それを待ち、可能ならば紛れ込むつもりだった。
効率の悪い海路だが、両国を結ぶ船も、陸路も存在しない。
――しかし密かに、両国から難民として逃亡する民は増えているらしい。
賂を取って秘密の客を乗せることも、船の主にとっては珍しくは無いことのようだった]
――シュヴァルベとの出入りも、ということか?
[そう老年の船主に尋ねると、彼は訛りの強い言葉で、それはとても珍しいが、決して無いことではない、と言った。
主に脱走兵や、行方知れずの家族を探して、どうしても逢いたいと遠方より駆けつける者。それらが密かに、船底に匿われてシュヴァルベから出入りする。
補給は陸路を原則としているが、急に兵站が膨れ上がり、糧食が不足しがちな両国は、臨時の措置として近隣の海域から捕れる魚介をも買い上げているらしい。
戦艦が沈んでから、魚がよく捕れるようになった。
そう、船主は笑っていた]
……自然の摂理、というものだな。
[苦笑する。
仲間の屍を喰らい、その無念を糧にして生きる。
それは精神的なものであろうと物理的なものであろうと、恐らく、兵士というものの摂理であるのだろう]
[持ち歩いた魔石は記録は可能だが、通信は15マイル圏内に相手を捕捉しない限り、交わすことが出来ない。
次の船を待つまでの二日間、部下たちと暫く振りの連絡を取り合った。]
そちらは順調のようだな。
――俺は二日後には公国に向けて発つ。また、暫く連絡が途絶えるだろうが、心配はない。
……ああ、お前は本当に心配症だな、イェン。
そのほうが早く片が着くだろう?
大規模な衝突に巻き込まれる積りは無い。
俺たちの任務は、あくまで潜入、諜報なのだからな。
・カークお誕生日回想
・回想への反応への反応(シェットーー!!
・わかめ
あかん、これあかんパターンだわ……
やりたいこと多すぎて自爆するタイプだわ……
でも囁きないもんね。白わかめを増やすしかない!
― 公国前進拠点 ―
ああ、それから。
カーク・フォン・バウムガルテン中尉率いる第5補給部隊が、
現在補給活動を行っている。
ポイントはここと、ここ。それから……ここだ。
[いくつかの構築拠点を地図上で指し示す]
現在1つ目のここで活動中。 明朝、2つ目のここに移動を開始する。
二個小隊が警備として当たっているが、
帝国の動きが激しくなっている以上それだけでは手薄とみるべきだろう。
そこでカナン大尉率いる隊に、新たに護衛として彼らについて欲しい。
[まだ若い部下に、そう笑い含みの返事を届け、通信を切る。]
――あいつ、アリデに似てきたのではないか?
[苦笑して、口うるさい副団長の名前を口にする。
だが、気配りの利く、労を惜しまぬ部下だ。まだ18だったか。
――国許に戻った後は、アリデの直属として少し鍛えてやるのもいいだろう。
そう考えながら、何事もなく進んでいる任務に僅かに安堵感を覚える。
………イェンと話すのは、それが最期になった**]
[そこで一旦言葉を切り、シェットランドに視線を転じて]
シェットランド・マルシュナー少尉!
急ではあるが君はこれからカナン大尉の隊に同行して貰いたい。
最前線という危険な任務ではあるが、引き受けてもらいたい。
[咎める声に振り向く。
シェットランドの上官の声だった]
ああ、ゲオルグ少将。
忘れておりましたが、これを。
[テーブルの上に出されたのは2通の辞令。
一つはトール・フォン・ラウツェニング大佐を准将へ任じるもの。
そしてもう一つはゲオルグ少将の大佐への降格の辞令だった。
表向きは、戦線の膠着による降格になっていたが、
無論ゲオルグに過失があったわけではない。
ただ、上下を重んじる軍隊のこと。
トールに指揮権を握らせたい人間が存在する。
これが今回の人事の真の理由であった]
[尚も声を荒立てるゲオルグ小――大佐を無視して、
カナンとシェットランドに向き直り]
では、カナン大尉。
それから、マルシュナー少尉。
……武運を祈る。
[記憶の中で、生徒会室に物静かに座っていたシェットランド。
その蒼氷色の瞳をじっと見つめた]
― 帝国拠点到着後すぐ ―
[>>410
ようやく見せた彼の笑顔は、目を失っても変わらないものがあることを教えてくれる]
わかった。ありがとう。
まあ恐らく、追って司令部からの指令が魔法石に来るだろうが。
[司令部の部下とはいえど、実戦部隊ではない技官には、通信用魔法石は配布されていない。
いや、もう一ついえば――主席が持っているが、代理の今は持つべくものではない、という扱いである]
では、挨拶にいってくる。
[しかし、小さな声に、振り返る。
しかし振り返っても、そこは軍人の制服に見合う男がいるだけで。瞬きをする。
ただ、小さく頷き、うつむいて]
カサンドラだから守るのか。それとも、任務だから守るのか。
貴官はどちらだ?
[そう小さな声で、零し、再び踵を返し、拠点の中へと迷いなく進んでいった]
―
[夜。
斥候部隊の案内の下、シュヴァルベの地を南下する。
南北に貫く川は嘗て水運として機能していたが、それは今も昔。治水されぬ川は、今も上流から流された建造物が流れついている]
工兵諸君、技官諸君。
作業開始。
[馬車で持ってきた、丸太2本の間に縄をまき、藁を敷きつめたもの。それが川へと転がされ流されてゆく]
― 事前の工作兵らとの打ち合わせ ―
[工作兵の中で、友人の葬式以来に見かける顔があった。
学校でも珍しい、三人兄弟にして士官学校に来ていた彼のことを。
商売人だったはずの彼が、何故軍にいるのか。
聞きたいことはあれども、作戦決行が決まってしまったら、私的な話はやめ、あくまで技官としての仕事を優先した]
今回私が用意した戦略兵器の中身は「紙」だ。
魔法弾に貴石を用いるのは、魔力の貯蔵と安定化が行いやすい為だ。石から抽出した無色の魔力を、色と目的の力に合わせて加工した石に再び詰める。こうして、再び切欠を与えられるまで魔法弾は魔法を開放するなく安全輸送できる、と……。
だが、石の利用にはデメリットもある。
まず、容量が小さい。大きな石は滅多に採れないからな。
次に、石の微細加工が非常に困難な為、精密な魔法効果は期待できないということだ。
今でも、光を精密に制御する場合は、手製の魔法陣を用い、技師が必要になるようにな。
そこで、ここ数年私は、「紙」に魔法陣を、魔力の籠る特殊なインクで版画で描くという方法の研究をしていてな。
今回持ちこんだ張りボテの球は、全く同じ量の魔力を込めた魔法陣を千重ねた紙でできている。もちろん、外部刺激から守る為に、今は真鍮のカバーを用意しているが――発動条件は、水に濡らすこと、だ。
誰かの手より投げ込むのも一歩間違えれば凍結リスクが付きまとう。
そこで、大変原始的ながら、これは投石機で川に投げいれる。
そこの丸太は、とかした砂糖に突っ込む棒のようなものだ。
あれを入れることで、氷はあの棒の向きに拡がる。
なあに、心配することはない。
作戦に運用されるまでに、ちゃんと本国での実験を終えている。朝になれば太陽の光に消える橋だが、険しい帝国山岳部の川にも耐えられたのだ。このようにゆったりとした川など問題なく架かるさ。
― そして、底冷えする夜の中で ―
[ぽちゃん、という魚が跳ねたかのような音とともに、紙の球は投石器で川に投げ込まれるも――
すぐに氷の魔力放射が始まり、氷の柱が形成されてゆく。
カサンドラは、計器を持って、魔力の放出が止るのを待ち――、それが終われば、橋を遮るように水平に上げていた手を下げ、出撃部隊長に頷いた]
[五人ほど並んでも渡れるほどの氷の大橋から放出される冷気すらも。
戦場の熱気の前では兵の足を止めることはできない]
イェーガー隊長、武運を。
[そして、出撃してゆく彼と、彼の部下を、敬礼で見送った]
[その一方で――物憂げに公国の方を見やる。はたからは、やはり女だ、という目で見られただろうか]
(ジャン……。
最前線に来たら、傭兵の迎えをよこすといっていたが……一体いつなのだ?
1度も給料をもらわずして公国が滅んでも知らないぞ)
[
最後に返事があったのは――開戦後1度だけ。
「定時報告を続けよ。
最前線に出立する時は連絡をよこせ。傭兵の迎えをよこす」
**]
/*
先輩が同じ階級になってた。
え、これさらに緊張してきたんですがどうしたら!!
別に緊張する必要ないけど、緊張してしまうんだようわぁぁぁぁん……!
― 帝国拠点到着後すぐ ―
[ >>611
まさか反応があるとは思わず、聞き漏らしそうになったが
確かに彼女の小さな声が耳に入った。
――カサンドラだから守るのか。それとも、任務だから守るのか。
その問いには任務以外の何でもない、と答えるが。
”主席代理”ではなく、”カサンドラ”と呼んでしまったのは
何故なのか、ふと、自問自答する。
カサンドラに抱いていた恋心はもはや遠い記憶、
淡い思い出ではあるが、それ以上の感情はもはやない。
そういった感情は一生分すべて、ユーリエに捧げてしまった。
そして、ユーリエが持って行ってしまった。
もう手の届かないところに。 ]
― 3年前・公国軍務大臣暗殺事件 ―
――軍務大臣からの刺客によるものだという、タレこみがあった。
その有能さが、寿命を縮める事になったがな。
[太子暗殺からたどり着くのが早すぎる、という言葉>>555への応えとともに。覆面の裏で笑みが漏れた。
その笑いは、教え子の一人の優秀さにむけたものか。それとも、すでに血の匂いに酔っていたからか]
いずれにせよ、遅いか早いかだけの差だろう。
[振り下ろされた刃>>556を太刀で受け流し避ける。
手負いとなりながら、なおも刃を向けてくる気迫が心地よい。
やはり自分も、父や兄たちと同じ血を引き継いでいるのだな、と。血に酔い狂気に陥る裏で、わずかに残っている正気の部分が悟った]
[血と殺戮を好む、暗殺と破壊工作のスペシャリスト。
それ故に帝国にも公国にも属さず、どちらからの依頼も受け、どちらからの報復の刺客も返り討ちにし続けた曽祖父たち。
自らに流れるその血を厭っていた。平穏の中で、受け継いだ業とその血を眠らせておきたかった。
だがその平穏が崩れようとするならば。
終結を早める為に、戦乱を加速させる以外に。平穏を取り戻す術を思いつかなかった]
[軍務大臣にトドメをさしたところに、飛び込んでくるベリアンの突きを太刀で弾く。
血の色を帯びた瞳で、手負いの獣となったベリアンを見据え。
幾合か刃を打ち合わせた末に、わずかに残った理性が元教え子を殺す事を拒み、刃ではなく柄をその腹へと叩き込んだ>>560。
その際のベリアンの最後の一撃は、小太刀を握っていた左腕をかすめた。
駆けつけてきた守備兵たちの前で、その腕を伝う血を舐めとれば。自らの狂気が加速し、僅かに残っていた理性も吹き飛び。
目に付く全ての人間を殺し尽くすまで、その凶刃は振るわれ続けた。
もし、オズワルドとヴェルナーが、もう少し早く駆けつけていたならば。
大公暗殺よりも前に、その場で2人も殺していた事だろう]
[ しかしカサンドラは――
一時は家族の一員のような晩餐を過ごしたこともある彼女だ。
恋慕はなくとも、知人以上に大切な存在なことに変わりはない。
おそらく、父も母も…グレートヒェンも。
カサンドラには死んでほしくない。幸せになってほしい。
そう願っている。だから…
――でも、それだけではない気もする。
久しぶりに会った彼女には、何か――
何処にも所属していないような。
そんな印象を受けた。気がした。 ]
なんだろうな。違和感と言ってもいいが…。
……
いや、まさかね。カサンドラに限ってそんなこと…。
[ ふっと思いついた、最悪の想像を否定して。
他に思い当たるところを考えながら、部下に指示を出して
白馬を翻した。* ]
― 前進拠点 ―
[ヴィンセントやジェフロイからお説教をされるリエヴルの後ろについて歩く護衛は、『オレは護衛としてついてっただけだもーん』『オレしーらね』とばかりに無言を貫いた。
暗殺や諜報活動で得た特務大佐という地位では、執務室についていき話を聞く事は適ったか。
それができずとも、帝国内で諜報活動を行うにあたって以前くすねておいた、通信用の魔石を使って盗聴くらいはするつもりだったが]
城砦ん中では、しばらくは護衛はいらんだろ。
暗殺者がもぐりこんでたとしても、騒ぎが起きれば駆けつける。
[聞くべき話を聞くなり、打ち合わせから追い出されるなりすれば。
城砦内を一通り見てくると、表向きの雇い主であり上官でもあるリエヴルに一言断ってから、そのそばを離れた。
自分の他に『猫』と呼ばれるスパイが居る事は知っている。
その素性までは知らないが、『猫』が齎す情報や兵器を考えれば、技術系以外は専門外だろうとわかる。
それ故に、自分が流す情報は、それ以外――城砦内部の見取り図や兵の配置状況などだった]
しかし帝国内はスパイだらけだな…w
公国側には帝国のスパイはおらんの?
ミヒャエル入って来たけど、現在地がどこかわからん。
うーん。(悩
あとさーここって死んでも墓下RPなんだよね。
ぶっちゃけノトカーって死んだらもうやることないんだよね…w
だから墓下では回想RPに専念することになる予感。
――帝国前進拠点・執務室――
[ジェフロイの言葉>>598に頷き、通信機を受け取る。>>599]
……ご苦労だったな、ラウエンブルク大佐。
騎兵中隊の指揮も兼任とあらば、何かと気ぜわしいだろう。
何かあれば、こちらから声をかける。
…………よろしく頼む。
[かける声は、どこかよそよそしい。
かつては先輩として一応の敬語は使っていたが、今ではその立場も逆転している。
置かれた距離は、今に始まったことではない。
上官への礼儀の奥に見え隠れするものをうっすらと感じ取りながらも、既に、そんなものに揺さぶられる感情すら忘れてしまった。]
[話を終えれば、シロウ>>624へと視線を向ける。]
えぇ、ここでは大丈夫でしょう。
暗殺者は……まぁ、そうですね。
[すぐ目の前にもいますけどね、とくすくす笑みを零しながらも。
執務室を出るシロウの背を、幾分目を細めて見送った。]
[軍務大臣と太子の暗殺後。
自身が出した指示は、好きに動け――…というもの。>>66>>67
だが、その後の報告を聞けば、流石のリエヴルも驚きを隠せなかった。
――――――――――…“大公暗殺”。
オズワルドとヴェルナーが、相談もなしにそこまで踏み切るとは考えづらい。
なれば、それはシロウの意思に依るところが大きいのだろう。
やはり、底が知れない。
誰か見張りをつけることも考えはしたが。
誰をつけても何の役にも立たないと、諦めに至る。
なんとも奇妙な共存関係だった。]
[その後、近習を呼び、声をかける。]
ブラオクヴェレ大尉を此処へ。
[伝令を走らせたのは、カレルの元。
彼が執務室を訪れたならば、上官として淡々と、次のように言葉を綴る。]
フラウの話は、もう耳にしているだろう。
補給隊を狙われ、向こうが黙っているとも思えん。
警戒を強めると同時に、いつでも出撃出来るよう、手配を。
手勢が足りなければ、こちらの隊の者を振り分ける。
……貴公の腕は、信頼しているからな。
[腕も。また、自分に対してではない、“帝国への”忠誠心も。
小さく音をたて、机に置いたのは、先ほど受け取った小型通信機の一つ。>>599]
[既に、今は心穏やかな交流など持てぬ立場なれど。
かつて身をもって感じた、あの剣筋。
そして、あの気迫。
それは、未だリエヴルの中に印象強く残っていた。**]
― 回想・士官学校時代・海! ―
わー!海なんてちょー久しぶりぃ!!
[ はしゃぎまわって浅いところを泳いできたかと思えば、
何処からかわかめを拾ってきて、浜辺で休んでる組の
頭にわかめシャワーを浴びせて、怒られていた。 ]
>>550
なー。もふーずも楽しんでるみたいでよかったね!
しかしスノウって長毛種だから、北国の方の猫だと思ってたけど
そういうわけでもないのか…。
[ シロウ教官に魚を与えられながらご満悦のスノウを
よしよしと撫でくりまわせば、横でラヴィがお腹を見せる。
ためしにラヴィにわかめを与えてみたが、ふんふんと
顔を寄せた後は、ぷいっとそっぽを向かれてしまった。* ]
― 公国前進拠点 ―
[一人の男が挙手をして発言の機会を求めた]
ニコラス中佐。
[名を呼んで発言を促すと、彼は1枚の書状をテーブルの上に広げた]
『ご覧下さい。これは帝国軍に潜むもの。通称「狼」が寄越した密書です。
今回の報告は、帝国側の城砦のどこが脆いかを調べ上げたようです』
[密書を覗き込むと、数箇所、
過去の公国の攻撃により物理的に脆くなっている場所。
また、比較的警備が手薄な場所などが書かれていた]
なるほど……。
帝国の司令官が大人しく篭っているようならば、大軍で陽動をし
一方で腕のたつ一個部隊を送り込んで、暗殺ということも可能、か?
[真っ先に浮かんだことを呟く。
フレデリカやベリアンあたりならこの種の任務も難なくこなせるのではと、
そんな考えが掠めもした]
……いや、これは決定事項じゃないから。
[学生時代、座学も実技ほどではないものの
比較的こなしてはいたのだが、
戦術について得手でないのは確かだった。
そんな時、思い出してしまうのは彼の顔。
戦術が得意だった彼が側にいてくれれば――。
思っても詮無いことだった]
―回想/士官学校・海―
[ウホッ、いい波飛沫… に、沈みかけている親友の頭ひとつをがしりと掴み]
ちょ、馬鹿者!
風呂と水中と馬上では寝るなと何度言えばわかる!!!
[ある意味理不尽な叱り方をするまでがセットの、真夏の恒例行事。]
眠そうだったら引っ張っていくからな? いいな?
[濡れた額をでこピンし、鵜飼いの鵜のように放り投げてやった]
[目いっぱい遊んで、ダーフィトが休憩に戻ったのを見れば、自分もさくさくと砂浜を踏み、日陰に戻る。
丁度ステファンとシェットラントが、飲み物の用意をしているところだった。
シェットラントが差し出してくれたアイスティーの中には、きらきらとした砂糖粒が輝いている]
……有難う。冷えていて美味そうだな。
[自分の好みを覚えていてくれた事が嬉しくて、微笑んでそれを受け取る。
きゅ、と睫が震えるほどに甘いそれは、泳ぎ疲れてだるい身体を癒してくれる気がした。]
マーロウたちも、ちゃんと水分を取れよ。
いきなり引っ繰り返るのは、あちらの図体のでかい男だけで沢山だからな。
[クスリと笑って、休憩中の親友の方を指す。
酷い言い様だが、向ける視線は家族を見るような暖かげなものだ。]
給仕くらいなら手伝うから、少しゆっくりするといい。
[ひょいと彼らの手元を覗き込むと、保冷用のバッグの中にたくさんの石が詰まっている。
厨房で見た覚えがあるそれらに、ぱちくりと瞬きした。]
― 帝国前進拠点 ―
……そこまで悪いか、顔色。
[>>549そちらほどではない、というヴィンセントの言葉に顔を顰め。
頬を撫でてから、あ、と声を上げる。
ポケットを探り、コインのような遺品を取り出し、灯りに翳してから
ヴィンセントに差し出した]
偵察中に手に入れたものだ。
ヴィンセントはこういったものに造詣が深いだろう。
――…俺には通信機に見えるんだが、こいつをどう思う?
[准将のお忍び騒動の詳細を聞きつつ、雑談めいた口調で訊ねた*]
……これ、永久水晶か?
よくこんなに準備したな。
そこまで高価な石ではないが、それでもこれだけ集まれば随分と予算がかかっただろうに。
[ひとつ手に取り、ひんやりとしたそれに微笑する]
不思議な石だな…。
食堂や購買などでよく使われているが、保冷だけでなく、保温にも使えるものなど、此処に来て初めて見かけたぞ。
実は、俺も重宝している。
ゼリーや飲み物を冷やしたり、タルト・ポムをほんのすこし温めたり…。
食堂でコーヒーゼリーを作ったときにも、この石を貸してもらっていてな。
[ころんと掌に永久水晶を転がしながら、続ける]
知っているか?
喩え保冷に使うものであっても、この石を大量に沈めておくと、冬に氷が張らないのだそうだ。つまりは周囲の温度が、一定以上に上がりも下がりもしない状態に留め置くのがこの石の役割だという話だからな。
同じように、周囲を瞬時に凍らせる魔石もあると聞くが――
温度を操る魔法など、先人は便利なものを考えたものだ。**
―帝国前進拠点・准将への報告―
――…お呼びと伺い、参りました。
[>>526ダーフィト、と呼ぶリエヴルの声には、気安いものが混ざっていた。
それに少しばかりの笑みで応えると、求めに応じて状況を淡々と説明する。
わかっていること、わかっていないこと。
予見できること、できないこと。
可能な限り主観を排除し、見たままを率直に語った。
魔法弾を融通するとの話に、頭を下げる]
……魔法弾。
お気遣い感謝いたします。
では、後ほど手配をさせていただきたく。
[隠密偵察を主としているため、あまり必要ないと判断されているのか、弾の入手は容易ではなかった。
ちびちびと使っては来たが、もうそういった局面は越えているだろう]
[>>567 ふと、聞き覚えのある声が聞こえた。
ジェフロイ・フォン・ザクセン・ラウエンブルク大佐。
おそらく准将を呼びに来たのだろう。話を区切り、声の相手へと向き直る。
護衛ひとりでの行動を咎められたリエヴルは、肩を竦めてみせた。
苦労人ほど苦労するな、と思いつつ、苦笑を返す]
――…偵察が必要であれば、私が参ります。
偵察兵の職務をお奪いになりませんよう、お願いいたします。
[しれっと口にしてから、執務室へと向かう二人を見送った**]
―帝国前進拠点・作戦指示時―
ご無沙汰しております。
[>>581 こちらを見るカサンドラの目が、僅かに気遣わしげに細められる。
そんなに顔色が悪いだろうかと考えつつ、カサンドラとソマリの会話に耳を傾ける]
……橋。
[目を見開いて、話に聞き入る。
兵器の開発は進められているとは聞いていたが、こういうものがあったとは。
斥候部隊についての自負がちらりと覗く。
実態がたとえどうであれ、そこはそう言うべき所ではあったが、練度が高いのは事実だった。
自分は、色々と難はあるが――…。
目前の地図と、脳内の地図。
それから、作戦の実行の段階ごとの布陣を考えながら。
思考を巡らせつつ、問われる質問などに答えていった**]
何かに使えるかと思って(使えなくてもカサンドラのあれとリンクするかと思って)永久水晶ひろってみた…ぜ!
傭兵ってあれだ、振りなのかなあと思いつつ…wまずは公国行かないとな。
──公国前線基地、陣内──
[天幕内で、抜き身の長剣を目前で構える。──三年も前の記憶をなぞりながら、ゆっくりと息を吐いた。]
───…
[戦端が開かれる前からシュヴァルベ入りを果たした身は、かつての学び舎があったこの中立地帯が刻々と荒地に変わりゆくのを眺める派目になった。戦端が開かれて以後は、部下も仲間も敵も、区別なく欠けていった。]
― 回想>>551 ―
お前も?そっか…どこの部隊に?
[聞けばこたえは返ったか。
フォルテア隊と聞けば、納得したように頷いた。
知らない名ではない。家名は元より、レナト自身──かつてはレトと名乗っていたか──に面識がある]
なら間違いないな。
ああ…、前線で会おうぜ。
[彼の部隊もじきに前線に赴こう。
そうと知り、返される気遣いに頷きと笑みを返した]
……
[剣を納めると丁度そこで天幕の入り口が捲られた。顔を見せた部下が召集と、これみたいです。と立てた親指を横に引いた。]
…また辞令か。忙しいな、どこも。
[仕草の意味を読み取って、わかった。と告げて立ち上がる。]
[彼女の部隊が何を任務としているか。
決して綺麗なことばかりではないことを、知っている。
己の手を汚さずあれど、その影で手を汚している者がいる。
二国会戦前の、平穏時。
一見そのように思われる裏ですら、こうした部隊が存在した。
そうした影に在り続ける彼女を、厭うことはなかった。
最初は、哀れみや情もあったのかも知れない。
けれど流されながらも流されず、重荷を心に負って真っ直ぐあろうとする姿を…その心を、次第に綺麗だと思っていた。
妹のように見ているつもりで、いつしか心は傾きの色を変えている]
ん…?
[頭を下げて、と、続く願い>>552には一度目を見開いて、]
ったく…。撫でなくていいって。
[笑いながら、素直に頭を下げる。
いつかのように、彼女の瞳を間近に見つめられるまで。
そうして柔らかな腕に抗わず、顔を寄せた]
ああ、
[そしてかけられた言葉>>554
それが彼女が最初に貰った大切な言葉>>208とは知りはしないが]
…わかった。ありがとう。
[篭められたであろう想いを思い、礼を告げる。
その日は彼女の髪を撫でることをせず、
手を挙げ、ともに戦場に赴く彼女の背を見送った*]
― 3年前・王太子/軍務大臣暗殺事件 ―
……続けて軍務大臣が殺された?
[和平推進派の王太子と、開戦派の軍務大臣の殺害。
これは政治的意味合いを大きく持つと共に、
公国の治安維持にとっても非常に大きな衝撃だった。
政治の中枢にある人物の連続殺害。
この事件は公国に激震を走らせ、その余波は当然軍にも及んだ。
殊に近衛にとっては、王太子殺害は衝撃であったといっていい。
犯人の調査には全力が挙げられ、その一員として、当時未だ近衛に所属していたディークも駆り出されることとなった]
俺にもわかるわかりやすいフラグ!!キターーー!!!
えっ?!フラグどころかこれってもう成立してるの?!
教えてうゆきさん!
真犯人の割り出し…黒幕の割り出し並びに下手人の捜索。
引き込んだ者、手助けをした者たちの調査。
[命は特殊部隊、或いは情報部隊にも下されたか。
それ程に大掛かりな騒ぎとなった。
結局、情報は曖昧なまま対抗暗殺という更なる一大事を迎えることになるのだが、]
ベリアン・アリー?
[軍務大臣を護って重傷を負った護衛官の名に、眉が上がった]
[懐かしい名前だ。
彼が公国に来たと知ってすぐ、会いに行ったことがある。
けれど反応は素っ気無いものだった。
交戦派と定めたる彼にとって、穏健派筆頭の一員のようであるディークは、今は遠い立場の存在だ。
だからであろう。それから何度か連絡をしてみても、結局親密にはいたらなかった。
…彼の立場、もあっただろうかと思う]
[怪我を聞いてすぐに見舞いへと向かった。
意識不明のかつてのルームメイトを見舞い、後には職務でも訪れた。
───襲撃犯のことが聞きたい。
同様の質問は、既に太子の護衛らにも成されている。
問いへのこたえはどうだったか。
どちらにせよ、彼の回復後は国境警備への転属を見送ることとなる]
元気で。
[かつてと変わり、見送る立場の言葉を贈る。
手渡される菓子も船の模型も今はなく、]
───またな。
[かつての約束は未だ果たされていない。
やさしい言葉を売り切れにしたまま、遠く行く彼の背を見送った。
もう、3年も前の話である*]
はっ
フレデリカとディークって、どっちも公国だよね?
どっちか帝国に勧誘しちゃうのもアリ?w(悪の顔
その場合はフレデリカだよねー…と思うが
いやいや。
俺に出来るのは魔石通信機を渡すところ、までだからなーw
フレデリカを寝返らせる材料はちょっと思いつかないなぁ。縁故もないし。
ざーんねん。却下。
誰に渡すのがいいかもーちょっと考えよ〜。
帝国側を増やせるのって俺だけなんだよねえ。
ああ、そういえば、帝国側でダーフィト(呪人)とソマリ(死神)だけ、赤ログがないのかな…?
そういった相手に渡すのもアリか。
元々帝国の人間に渡すのだと、あんまりドラマ性がないけど。うーん。
いや待て、どっちかに渡すとしたら、帝国の中で1人だけ赤ログ持ってないって状態になるよねー。これは無しだな。
悩む。
あと、フレデリカは襲撃対象にして、それを護衛してたディークが死ぬ、って展開が美味しい気がしてきたw
トールはそもそも無しだし、ヒンメルは赤ログ職をコピーする可能性あるから除外。
ここまででべリアン、カサンドラ、レト、シロウ、ミヒャエルにまで絞られる。
んーまぁ…
ノトカーと対象の立ち位置的にも、縁故的にも、やっぱカサンドラなのかなあ…。すぐ墓行きそうだけど(中身的に)
1日目の動向見て、ギリギリまで悩むか…
― 公国前進拠点 ―
…ならば竜騎兵連隊は、
川沿いに隊を分けて広く配しようと考えるが、どうか。
我が隊であれば機動を生かしての伝達並びに連携が取れる。
歩兵分隊はポイントを分け、幾つかの拠点を重点として守る。
これを分散する意味はあまりないだろうな。
薄く陣を延ばしても、集合するより早く各個撃破されるだけだ。
[トールの提案に、地図を示し応じた>>385
川にも幾つか、流れの速さや深さによるポイントがある。
それらを示し、騎兵隊としての言を紡ぐが、]
───…。
[続くニコラスの発言>>631
それに続いたトールの呟き>>632には賛同の気配を見せず、
腕を組み口を閉ざした]
― 6年前・再会 ―
[再会と呼べるほどのものだったのだろうか。
それほど、友の顔をすぐ見ることになった。
自身の名を聞けば驚きもしたかもしれないが、
澄ました顔からは一切窺えなかった]
ああ、在学中は世話になったな。
こうして再び、君と交誼を結ぶことが出来るのを心より嬉しく思う。
ディーク・フォン・ベルンシュタイン――
これからも宜しく頼む。
[公の場では、そうして自身もまた澄ました顔で挨拶を交わす]
[だが私に移れば、学生時代のような気楽さで]
全く……。もしかしたらって、結構ひやひやしてたんだよな。
でも、まあ、ホントよかったよ。
お前はいるし。ジェフロイの野郎はいないし。
[この場にいないもう一人の同級生の名を上げた。
まだ帝国皇帝の不予の噂さえ、公国には聞こえてこない頃。
気に喰わない同級生との別れに喜べるほど平和だった]
[差し出された手を握り返すと、圧を掛ける様に力を込める]
お前……。
プライヴェートでは、絶対に殿下って呼ぶなよ。
お前にそう呼ばれるとむず痒くて仕方ない。
― 回想・士官学校狩り勝負>>461 ―
[外には砂塵を散らす乾いた風が吹き渡る。
過去とは似ても似つかぬ風景が、外には広がっている。
けれど目を閉じれば風は変わらず、遠い懐かしい思い出を運んでくる──]
――…そっち行った!
そこの罠に追い込んで……、やばい、あっちから逃げる!!
[やたら賑やかな声を聞きながら、引き金を引いた。
たんっ。と、軽い手応えがして、獲物を仕留めたのが分かる]
ソマリ、回り込め。
[短く指示を告げれば、うへぇという顔が返った。
もう疲れたというところだろう。さっさと行けと急かす。
森でまた、大声と笑い声が上がった]
銃の構えなあ。それだけ弓が扱えれば、そりゃあな…。
[狩りの合間にヒンメルに教えを請われ>>594、銃の構えを見る。
彼の弓の技量は卓越していた。
そのレベルで双方扱うのは難しかろうと感嘆を向けながら、彼の願いに頷いた]
いいぜ。
ああ。肩が少し…そう。それで狙いが安定しやすくなる。
弓の癖だな。銃はもっと、こう、
[幾つかの修正を教えて、飲み込みの速さに目を細めた]
おー。大猟、大猟!!
[結局成果として並んだのは、うさぎと何故だか鳥が数羽。
兎狩り勝負と口にして曖昧に笑う言いだしっぺに、にまりと笑った>>461]
ダーフィト。
[結局、勝負そっちのけで走り回って大いに遊んだ。
用意された昼食は美味しくて、森の緑が綺麗だった。
その晩の夕食は実に豪勢で、兎や鳥やらが大量に並べられた。
東寮にも招待が行ったのだが、結局、兎料理をどれほどの生徒が堪能したのかは定かではない。
うさぎおいしいと、聞いたような気もするけれども]
[その後の「地獄の館」>>593を見ることはなかった。
程なくディークも西寮をあとにして、その後戻ることはしなかったからだ。
あれから彼らにも会っていない。
風変わらぬように、彼らも変わらずそこにあろうか。
知らず、風のみが吹きすぎていく。
遠い、遠くある懐かしく輝かしき日の思い出である**]
──公国前線基地、会合内──
[前線基地の顔ぶれには変動があった。首都からやってきたトールが持ち込んだ「猫」からの情報に、俄かに緊張感が高まる。信用度の話に微かに頷くのは以前に『意図的に嵐を起こす魔器』が帝国軍の手にあるとされた際には、信用度が低い情報とされて、対策が怠られたからだ>>171。]
河川攻略はお互い拠点を進めるにあたっても
課題のひとつになっていましたからね
[機動力に優れた騎兵で陣を確保しようにも、河川に足を取られれば速度は鈍る。そこを砲兵に狙い打ちにされれば、敵陣に連隊で切り込むのは易い事ではない──お互いに。]
[竜騎兵隊の配置についてはディークの意見に頷いて、地図を示す。]
騎馬隊は、北よりにやや厚めに配備しておこうかと
雪崩れ込まれて陣を確保されると厄介なのは、
現陣地より北方でしょうから
[とん、と指で地図を叩き]
──迎撃と、反撃が行えるように。
渡河の憂いなく、こちらの陣へ仕掛けられるようになれば、
今の膠着状態は崩れるでしょうからね
[そうして自部隊の位置取りを伝え──天幕内での会合が進む中、ゲオルグ大佐宛ての辞令内容が明かされる。不満を表情に出すゲオルグに視線を投げてから、トールが指示を出すシェットラントへと視線を向けた。]
───。
[そのまま、いくらか長く、
そこに視線を留める。]
[前線に留まる間に、シュヴァルベへ配属されてきた士官の顔は、ほぼ覚えた。紫眼が逸れたのは、ニコラス中佐が手を上げて、>>632 トールが呟くのにあわせての事だ。]
陽動が効果を上げるのであれば、
遊撃部隊での突破は可能かと思いますが──
[率いる騎馬隊は、突破力に優れている。陽動が美味く働けば、奥深くに潜る事はできるだろう、
──行きは。口内のみで総呟き地図に表を伏せる。]
そのまま、帰らぬ一矢となる可能性は高いかと。
[帰りの保障は危うい、と。淡々と見解を告げた。]
― 砦にて・夜 ―
[一日を終えた夜、宛がわれた自室へと引き返す。
首都にある自らの部屋とは違い、物が少ない。当然だ。
ひどく殺風景な風景は、外の風と同じく味気ない。
それでも首都の、自らの部屋の机の上には。
ずっと机の上に飾られ続けていた船の模型。
それを淡く横で照らした、丸まった狼の手燭。
それら大切なものが飾られて、暫くの間、身近にあった]
[フェルトの白猫人形と、ラヴィとスノウの根付は長いこと、
ディークの執務室机の上に、実に堂々と鎮座していた。
一見かわいいもの好きの有様だが、
他にそれ以上のマスコットが増えたことはない。
同僚に見咎められ、笑われたこともあるのだが]
──いいだろう?
[笑ってあっさりといなしてかわした。
結局今も持ち歩くのは、ソマリに貰った手鏡と、
ノトカーとカサンドラに貰った2本のタイピンである]
カーク・フォン・バウムガルテンか…。
[先に聞いた名を思い返す。第5補給部隊隊長の名だ。
そして──…かつての隣人の名前でもある]
…。
[胸元から木製の手鏡を引っ張り出した。
そんなものかな、と思って自らを少し映してみる]
――…でもまァ、偶には御自身も振り返ってください
ってことで。
弟子なりの気遣いです。
お前も、あっちだよなあ。
[言葉と手鏡をくれた遠い面影へと囁いて、手首を返す。
壁にきらりきらりと反射する光が踊った]
……暗号、あったっけ。
[思い出して、小さく笑う。
隣部屋のソマリとカークには、消灯後のやり取りで世話になった。
例えば窓を叩く。2度なら開けろ。早く3度ならやばい。
ゆっくりと2度なら、部屋を通らせて欲しい───ルームメイトが鍵を開けずにウッカリ爆睡してしまうと、締め出し防止のために隣の部屋を通過させて貰うことがあった───など。
それに加えて、習いたての信号を組み合わせた]
−−−・ −・・− −−・
[試しに鏡に光を反射させ、閃かせてみる。
ベリアンにソマリにカーク。彼らは覚えているだろうか。
もう使うことはないかも知れない決めごとだけど。
思い出と共に手鏡を懐へと仕舞い込む。目を、閉ざした**]
― 帝国軍前進拠点 ―
[リエヴルとシロウがかつての士官学校方面へ出かけていく。
それを見送った後、もろもろを部下に任せて自分も少し外へ出た。
と言っても、兵たちの声が遠くなる程度。
荒廃したシュヴァルベの大地に視線を注ぎ、
ゆっくりと、長く、息を吐き出した。]
もしも、閣下が公国の凶弾に斃れることがあったら、
……帝国は負けるかな。
[だとしたら、見送った自分の責が問われるだろうか。
問う者もいなくなるかもしれないけれど。]
…せんせいが一緒なら、万が一もない、か。
[浮かんだ疑問の手前で否定材料を見つけ、自嘲ぎみに笑う。
撫でられた髪>>299 に手をやって、視線を遠くした。]
せんせいが、危なくなければ、だけど。
[昔から得体の知れないところがある人だったけれど、
今は底知れないものになっている。
笑みを浮かべない目を思い出して、ひとつ喉を鳴らした。
撫でられて心が竦んだのを、見透かされはしなかっただろうか。]
[緩く首を振って、怯えを追い払う。
自分は、軍人で、命じられたことをこなしていればいい。
なにも、考えることはない。
自分や、かつての仲間や師が変わっていようとも、
美しかったシュヴァルベが荒れ果てていこうとも、
ただ、国のために、家のために戦うのみだ。
そう自分に言い聞かせはしても、
荒漠たる大地のさまを眺めれば、心は沈んだ。]
戦って、勝って、───それからどうなる?
[国は守られ、民は安堵し、家は再び権勢を取り戻すだろう。
───おそらくは。
けれども、愛したシュヴァルベは戻ってこない。
勝っても、負けても。]
……全てを、シュヴァルベに。
[かつて、年下の友と共感し、年上の兄弟子に告げた言葉。
砂糖菓子よりも甘い夢は、軍靴に砕けてしまったけれど。]
諦めた、訳じゃない。
諦めた時が、本当に壊れるときだから。
だから、まだ壊れちゃいない。
[その場所へ至る道どころか、糸口さえも見えない理想を
指が白くなるほどの拳に握りしめて、低く呟いた。**]
― 帝国軍前進拠点・執務室 ―
ブラオクヴェレ大尉、参りました。
[呼び出された>>628 執務室の前で声を上げ、敬礼する。
許可あれば入室し、背を伸ばしてリエヴルの言葉を聞いた。
帝国軍技術局主席の代理が到着した、との報は聞いていた。
その姓名も、護衛の士官の名も共に。
同時に、技術局主導による奇襲作戦の概略も、耳にはしていた。]
兵の準備は問題ありません。
自分の隊であれば、いつでも出られます。
[淡々とした命令にに、こちらも感情を差し挟まない声で答える。
兵の増員は、謝意と共に辞退した。
手勢は決して多いとは言えないが、気心知れている。
馴染みのない兵を指揮するよりも
少数ながら既知の兵で固めた方が良いとの判断だった。]
[硬い音をたてて置かれた通信機に視線を注ぐ。
口の中が乾いていくのを感じた。]
───閣下の信頼に、必ずお応えしてみせましょう。
[敬礼とともに告げた言葉は、自分でもわかるほど空疎だった。
迷い、躊躇い、自分の望む道すら見えないまま
ただ機械的に動いているだけの自分に、"信頼"が相応しいのか。
答えの見いだせぬまま、通信機を受け取る**]
/*
何でカサンドラさん今回も1番入室なん?
→A.フィルター使いやすくなるから。
これだけ参加者がいるとフィルターで自分の位置が下だとメモアンカーを探しにいくのがめんどいのだ…
/*
喉いっぱい使っちゃったな、申し訳ないな、って思っていたらwwwwwwww
ディーーーーーク!!!!! wwwwwwwwwwww
陣営ってか役職見てたら、レト、シロウは緑ログ持ってるし、べリアンは夜兎だからそもそも赤ログ見えるのね。
やっぱりカサンドラとミヒャエルの二択なのかw
そういえばA村で聞き忘れたけど、処刑対象の投票理由を灰に落としたらいけない理由は何だろう。
能力対象の決定理由も書いちゃだめ?
(もう既にいろいろ書いてしまってるんですが)
/*
回想に 上手く 回想って形で 返せないのは、
中身性能な気がするな……
PCの俺の性格もあるのかもしれないが。
/*
しっかし公国側に情報駄々漏れなのに帝国には情報入ってこないよねどうしようか(
NPC使うべきか…。
リエヴルやらないかなー…(
――帝国前進拠点――
[カレルの言葉とその態度に、苦笑いが零れる。
言葉に出しては、唯一言。]
――――それだけだ。下がっていいぞ。
[抑揚の無い声が紡がれる。
これでいい。元より、平穏な暮らしなど、身に余るもの。
あの学舎で得た、穏やかな日常こそが、きっと幻だったのだ。
――――現実は、どこまでも、非情だ。]
[カレルが下がった後。
静かになった執務室で、一人、地図を睨んだ。
ダーフィトからの報告と、ジェフロイの話と。
知る限りの手勢と、それにより対処出来るであろう策を考える。
そして、味方の主立った将校の名を連ねたリストを手にし、布陣を考え――…
そこで、一つの名に目をとめた。]
ノトカー・ラムスドルフ……。
[懐かしい名である。
だが、最近では軍人としての功でその名を聞くことが増えた。]
[そして、もう一人。]
ウェルシュ・ドーベルニュ、か――…。
[こちらもまた懐かしい名である。
だが、時折軍部で見かけるその姿は、かつてのものとは大きく違って見えていた。
……その理由も、およそ検討はつく。
自らが捨ておけと命じた、あの一件。
違う対応を取っていれば、また、別の道が拓けていたのだろうか。
――それも、今となっては詮無きこと。]
[執務室を出て、扉の外に待機していた近習に声をかける。]
ノトカー・ラムスドルフと、ウェルシュ・ドーベルニュ。
この二名、俺の元へと来るように、手配しておいてくれ。
[そう、声をかけ。
自らはぶらりと陣内を歩いた。
向かうは、自分を怖れもしない、かつての後輩の元。]
いたいた、ヴィンセント。
お前、ちょっと俺に手をかしてくれ。
[ヴィンセントの姿を見つければ、その背格好を眺め、満足げに頷いた。
傍らにいた隊長と副長に、声をかける。]
という訳で、しばらく借りていく。
[再びあんぐりと口を開ける二人の様子に笑いながら、ヴィンセントを自らの執務室へと連れていき。
室内に入ったところで、悪戯っぽく笑った。]
ヴィンセント。
お前は士官学校の後輩でもあり、俺の近くにいても不思議ない相手でもある。
陣にいる間は、当直として俺の警護を務めて欲しいんだ。
[そう言って、ヴィンセントの肩に手を置き、にんまりと笑う。
ほぼ同じ高さの肩。
筋肉質とは言いがたい体格も、また、どこか似通っていた。]
と、言うわけで。
お前、今日から俺のかわりに俺の寝床で休むように。
俺が警護兵として控えの間で休むから。
[満面の笑顔で告げるのだった。*]
―士官学校時代―
[二国が統一されてしまえばいい、というルームメートの言葉に、そのまま賛同することはなかった>>478]
……帝国と公国がひとつになっても、他の国もありますからね。
単純に政治形態をどうする?ってことにもなるし、お互いの歴史もありますし。
でも、
シュヴァルベのように、互いの文化や気質を尊重することが、世界中に広がったらいいな、と思っています。
そしたら、戦争なんかきっと起こらない。
[併合ではなく共存。
それは、幼い頃から父の影響を受けて培われてきた考え方かも知れなかった]
―外務大臣襲撃事件―
[和平へと向かう父の行動を、こころよく思わない者たちがいるのは知っている。
国の中にも、外にも。
帝国との交渉自体屈辱だと感じるような、極端な思想の持ち主も少なくはない。
――馬車を襲ってきた者たちの狙いは、間違いなく父の命だろう。
相互理解と話し合いだけで全てを解決できる世の中ではない。
だから軍があり、軍人がいる。
今の自分は、軍人。
戦いを望んではいないけれど、ひとたび事あらば、国のために命を賭けると誓った存在]
――!
[車内で姿勢を低くし、密かに外の様子を伺う。
誰かが倒れ込んできて、車体が揺れた>>479]
『売国奴に、死の制裁を!』
[叫び声に眉根を寄せて、父とベルンシュタイン氏の様子を窺う。
緊張した表情ではあるものの、取り乱している様子はなかった。
父もまた、日々「戦って」きたのだろう。
自分に今、できるのは。
国のために尽くす彼らを、護ること]
――!
[車内で姿勢を低くし、密かに外の様子を伺う。
誰かが倒れ込んできて、車体が揺れた>>479]
『売国奴に、死の制裁を!』
[叫び声に眉根を寄せて、父とベルンシュタイン氏の様子を窺う。
緊張した表情ではあるものの、取り乱している様子はなかった。
彼らもまた、日々「戦って」きたのだろう。
自分に今、できるのは。
国のために尽くす彼らを、護ること]
[父の敵は多い。
私的な行動中とはいえ、じゅうぶんな数の護衛はついていた。
それなのに、外から伝わってくるのは、圧されている気配。
狭い場所でも振るえるように、短剣を握った。
それから、車内に備え付けられていた発煙玉を手に取った。
聞いている話では救助を求めるためのもので、人や物にダメージを与える効果はないらしいが]
確か、近くで破裂すると、目にしみるんだっけ。
……上着を借りてもいい?
[囁いて、コートを借り受ける]
/*
ヴィンセントに影武者をさせて、フレデリカが来てくれないかにゃーとかこっそり期待してみたry
いや、ベリアンかシロウ教官かもしれないけど。
……扉が開いたら、反対側から降りて、走って下さい。
[この馬車に自分が同乗しているのは、おそらく襲撃者の予想外だ。
把握されていないことに、賭けた。
父のコートを頭から被り、車内から勢いよく扉を開けた。
足元に発煙玉を叩きつける。
扉に手をかけていたらしき敵が気を取られた隙に、短剣で斬りつけた]
/*
話振られてるのヴィンセントなんだよな…。
諌めに行けばいいんだろうか…。
それともわざと兵士のヘイト稼いでんのかなこれ…。
[学生時代の一時期は「人殺しの技」と忌避しかけた剣技。
でも、軍人となる道を選んだ以上、それは必要不可欠なもの。
大切な者を護るために。
自分が倒れれば、他の誰かが危険に晒される。
軍人としての覚悟を、技を、あの学校で出会った人々が、教えてくれた]
くっ……!
[父たちの無事を確かめている余裕はない。
ただ少しでも敵を自分に引きつけるために、逃げるふりをしながら剣を振るおうとした。
けれど、次の敵へと向かう前に]
!
[視界が、鮮やかな緑に包まれた]
今日ね
銀行行く用事もあったし久々に午後休取って帰ってきたのね
わかめもぐもぐしていろいろ拾うぜー!って思って。
熱あって夜まで寝てたorz
― 公国軍前線近く ―
[ 乾いた風が、微かに隆起した丘陵から見下ろす台地へと吹き下ろしている。
かつては、馬達が喜んで食んだ柔らかな草の青い匂いと、花々の甘い香りに満ちていたそこに漂うのは、金錆びた血臭と戦火に焙られた家々の残骸から立ち上る煤煙ばかりだった。 ]
はい。
[ デンプウォルフ大尉、と呼ぶ背後からの声に応えて振り返る。 ]
いえ、……昔の馴染みを思い出しておりましたもので。
『駐在武官を希望していたとのことだが、皮肉なものだな』
『デンプウォルフ大将の御子息が海軍に入らないと聞いて不可解に思ってたが、事前情報があったのか?』
『戦艦壊滅を免れた幸運は続かなかったらしいな』
[ 荒んだ口調で叩きつけるように言ってくる男を、軽く上げて手を振って遮った。 ]
……泥沼の戦いに疲弊した将校らが、首座から新規に補充される兵員を罵倒することで心身のバランスを保っておられると小耳に挟んでおりましたが。
事実のようですね。
なぜ、国家情報局員が前線にと仰いましたか?
防諜と同時に、心身ともに消耗する兵士の問題に当たるのも我らの仕事ですよ。
ウェルシュ・ドーベルニュって甘噛みしたくなる名前ですね(何
>>695
>微かに隆起した丘陵
ミヒャエルがこういうとエロく感じるのは何故
[のだが]
呼び立てして済まなかった、フレデリカ・ファロン少尉。
久しっ ………は―――?
[口から出かかった言葉が、妙なところで切れた。
数回のノックの後で姿を見せた相手は、どこからどう見ても女性兵だ。
不躾なまでに凝視したのはまた少し別の理由だが、頭の上からつま先まで眺め下ろし。]
……お前、女だったのか。
[気の抜けた声。]
[気づかなかった。
彼――彼女とは同じ寮であったし、少なからず顔を合わせたり言葉交わしたりする機会はあったのだが。
幸いにか残念なことにか、男としては美味しい思いが出来てしまったりするどっきり事件には遭遇しなかったようだ。
堅苦しい口調を崩して。
気まずそうに視線逸らして咳払いをした。]
あー……すまん。
フレデリカ・ファロン。で、間違いないよな?
士官学校の、東寮に居た。
改めて、俺はレナト・デ・フォルテアだ。
あの場所では、レト・コンテスティと名乗ってた。
[ひとまず、懐かしい者との再会を喜ぶように瞳を細めるが。]
積もる話は山とあるが、ひとまず本題に入るぜ。
口調は……いいな。
[部下が苦笑しているのを視界の端に捉え、ひと睨み。
どこからどう見ても女性だろう上官の目は節穴か、とでも言いたげな視線が機に食わない。]
フレデリカ、お前は本日付で俺の率いる部隊の所属となる。
ごく普通の、中装騎兵と軽歩兵の混成部隊だ。
その中の、一個小隊を任せる。
現状だと、遊撃隊ということになるだろうが―――ああ、兵種は出来る限り希望に応じるぜ。思うさま駆けろ。
実はな、上から何人か候補が来てた。
で、そんな中でどうしてお前を呼んだのかと言われれば、ま、腕が立つことをこの目で見て知っているから…だな。
[何人かの名簿と簡略経歴の載った書類を丸め、
自分の頭を数度ぽんと叩いた後、机に投げ出した。
推薦にあたりどれだけの勲功が盛られているか分からぬこんな紙切れよりも、あの学び舎で見たものの方が信用に値する、と。]
俺らには手が必要だが、将を立てすぎて指令系統が混乱するのは避けたい。
だからこそ精鋭を選べと、上からの通達だ。
何か質問はあるか?
[そこまで告げて、記憶と余り変わらぬ高さにあるフレデリカの顔を見た。]
俺……?
そうだな。あと6人死ねば、
転がり込んでくる算段になるな。
新大公のところの赤ん坊も含めてね。
……冗談だ。
それに俺で押さえられるなら、
従兄殿がとっくに押さえているさ……。
[従兄である現大公は、知識も人望もある立派な男だった。
それでも海千山千の開戦派の老人どもに囲まれてしまっては、
その実力を遺憾なく発揮することは難しかった]
― 回想/士官学校時代 ―
[幼い7年間の記憶は薄い。その後の6年間は、ルームメイトとは真逆の教育を受けてきた。公式の場でまで公国は敵と言って憚らないほど祖母も愚かではなかったが、その気質はシュヴァルベが生まれるより前と変わらないものだった]
他国の存在があればこそだよ?
でも統一って言葉は悪かったかな。融合と言う方がいいか。
[賛同の得られなかった意見を、少し引いて差し替える。
そしてルームメイトの続けた理想の未来に、心を奪われる]
そうだね。互いを尊重できることは素晴しいことだ。
だからここはとても居心地が良い。
きっとスティと同じような考え方が出来ると、例の回答も出てくるんだろうな。
競争はしても、戦争はしない世界かあ。
その世界の方がもっといいな。
でもお手本となるシュヴァルベは既にあるのだから。
いつかは、きっと。ね。
[いつかはきっと。そう信じて学校生活を送った。
穏やかな場所でなら、それも信じることが出来た]
……もし、か。
覚悟は出来てる、といいたいところだが。
残念ながら、まだその心境じゃなくてね。
……考えとくよ。
[頷くと視線をどこか遠くへ向けた。
卒業式の前、別れの泉を見つめた時と同じような眼差しで]
― 帝国前進拠点 ―
[ 中隊を部下のハーランに任せて、准将の待つ執務室へ向かう。
公爵…トゥーレーヌ准将。
士官学校を出てから公の場で会ったことはあるが、個人的に
話したことは一度もない。
ラムスドルフ家は公国にも領地を持つ伯爵家だったため、
ノトカーは学校でも偽名を使っていなかった。
そのため「あのノトカーか」と分かりやすかったであろう。
――というより、名前が同じでなかったら気付かれないかもしれないほど、学生時とは見た目も印象も変わっていた。
胸にざらりと付けた勲功章の数が軍入り後の彼を物語っている。
即ち、どれだけ公国兵を殺してきたか。という証。 ]
リエヴル生徒会長…か。
いや、そんな風に呼ぶわけにはいかないが。
[ 執務室の前まで来て、ウェルシュの姿がもし見えれば
一言二言は会話を交わしてから中に入るだろう。* ]
[静かに扉が閉まれば、気配を消していたダーフィトに
ちらと視線を向けて]
――だ、そうだ。
おまえさんも準備しとけ。
[暗に退出を促した]
― 回想・外務大臣襲撃 ―
[破裂音が響いて視界が煙る。
入り混じった敵味方の動きも鈍る]
だがこの程度。
[相手は火薬をアドバンテージとして握る国だ。
予想外というほどのものではなく。目を細めて同時に開いた扉から飛び出してきた影>>692に迫る。
衝撃から立ち直るのが遅れた部下が短剣で切り払われる。
最低限の護身術は身につけてて当然か。
身体を入れ替えるように肉薄して目を凝らす。
今回の情報を流してきた者から聞いていた大臣の装束、その特徴を示したコートを至近に確認して]
生憎と。ゆっくり道を探すには、血が流れすぎました。
[煙が目に染みて一度閉じる。余計な一言が零れ出たのは、魔弾の色に去来する思い出が滲んだからか。
けれどこの至近距離で外すほど射撃の腕も低くはない。どこにでも当れば良いのだから、胸の中心を狙い]
お覚悟を!
[魔弾を篭めた銃の、引き金を引く。
鮮やかな緑の光>>693が彼の身体を包み込むように広がって。
その向こうに、見えたのは]
あっ そうか
僕のロールはトール先輩に俺を前線に配置してくれー(バリバリ)なメッセージになってしまっていたのだな…なんてこった…申し訳ない…
でも自分でもいくつもりだったから嬉しい(^///^)ありがとおおお
[一番大切な思い出の主]
[穏やかでも真直ぐ前を見つめていた誰よりも心優しい少年の]
[グリーンアメジストのように美しい眸*]
ソロールしすぎてて自分のロールが他の人からどう見えるかと言うことを失念しすぎですね…
でも拾ってくれるのがさすがのしゃるさん…!!
[その姿勢のまま項垂れれば、
金砂色の房が重たげに肩下へと流れ落ちた。
士官学校の頃は長く伸ばしていた髪。
軍に入ってからは邪魔になるからと、
いつも無造作に括っている。
……8年間の、あの日々。
軍に入り戦に備える為の手段だった筈のもの。
それがいつから、あんなに――…
眩しく大事な記憶になってしまったんだろう]
― 帝国前進拠点 ―
[報告書を書き上げた後、頭痛がすると言って一人休んでいたが。
何故か遠慮がちに呼び出し>>685を受ければ、すぐに部屋から出てきた]
まだご挨拶もまだだった私が悪い。
すぐにお伺いしよう。
[いつもの笑みで、准将の近習に即答する。
一見だけなら以前と変わらず穏やかな、けれど見る者が見れば>>340希薄な微笑を湛えて、後に続き]
ラムスドルフ少佐。貴官も呼ばれていましたか。
では欠礼についてではなく、魔石絡みの話かもしれませんね。
[執務室の前でノトカー>>707と会えども、崩すことはなく。
二言三言を交わした後、執務室入室の許可を求めた*]
畜、っ生…!!
[再び壁を横殴りにすれば、鈍い痛みが拳に残る]
…誰にも見せられやしない。
見せてはならない。
今の自分はもう、 そんな甘い立場にはいないのだから]
[
傍で時を刻み続けた懐中時計を懐から取り出す。
二重底の紙片は、重ねた年月の分だけ色を朽ちらせ、
けれどまだ、確かにその場所に収められている。大切に]
………――――ッ、
[想いよ振り切れよと。
鎖を引き千切らん勢いで握り締め、掌の中で押し潰した*]
>>719
>菓子窃盗容疑ならともかく
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
― 時は少し遡り ―
レナト・デ・フォルテア大尉ならびに傘下小隊一同、
本日昼をもってシュヴァルベ戦線に到着完了しました。
[フェーダ公国各地での戦闘防衛に携わっていた一軍が、
シュヴァルベへの転戦を命じられ、任に就いた。
何を置いても先に行うべきは上官への報告であると、到着からいくらも経たぬうちに高級将校の執務室に赴いたから、彼との再会は夕闇煙る中であった。]
……再びお目通り叶い光栄です。
トルステン・フォン・ラウツェニング大佐。
[公国貴族の端に名を連ねる以上、“家”を把握するのは当然のこと。とりわけ、公国において絶大な権力を有する家であれば。
ラウツェニングは卒業後に真っ先に記憶に叩き込んだ名の一つであり―――、ただ、トルステンという名が旧知たる先輩の顔と結びつくまでにはそれなりに時間がかかったのだが。]
/*
やる事リスト。
・カッちゃんへの返事。
・兄ちゃんからのお手紙。
・ソマリ寮長就任発表。
・卒業式後のトールとの殴り合い。
たくさんログ作ったから本日は控えめです。
ゆっくりいこう。
――帝国前進拠点:執務室――
[果たして、ヴィンセントはどうであったか。
ノトカーとウェルシュが執務室を訪れれば、中へと通す。
二人ともに、記憶の中の像とは大きくかけ離れていて。
その姿を大きく違えた者と。
姿はそのままなのに、異なる笑顔を浮かべる者と。
やはり、戻れぬ状況と過ぎ去った年月を思わせる。]
呼びつけてすまない。
連絡は受けているとは思うが、本日より俺が指揮を執ることとなった。
………………二人とも、よろしく、な。
[旧知の者に挨拶するのは、どうも落ち着かない。
違ってしまった互いの立場を、意識してしまうから。
ゆっくり息を吐き、そんな思いを振り払いながら。
そっと、最新式の通信機>>599を二つ、差し出した。]
―回想・士官学校時代 ウサギ狩りの後―
…………ルー…ユーリエ、…それ……何?
[兄妹を訪ねてやってきた西寮。
待ち合わせ場所からの移動途中、寮の裏の軒下で見てはならないものを発見してしまった>>593]
野生兎の毛皮だが何か?
先輩が兎狩りしてもってきてくれたの。美味しかったよ。
[確かに、故郷で冬になると毛皮の服を与えられることもあった。
兎の肉なら昨日の食事で新鮮シチューとして味わったし、肉があるなら皮が有効活用されるのも道理。]
[それでも、人は時と理性で分かっていても、感情が認めたくない事案に遭遇することもある。]
何かあれば、これにて連絡を行う。
持っていてくれ。
貴公達なれば、度々頼ることもあろう。
[それがノトカーとどう関係するのか、知りもしないままに。
琥珀色の瞳で、じっと二人を見つめた。]
なお、作戦の開始により、公国の動きも予想される。
警戒を強めると同時に、何かあれば動いて貰うこととなる。
――――――…頼んだぞ。
ジェフロイ寮長……忙しい時期に申し訳ないのですが、暫く西寮、特に裏手には近づかないで下さい……
今行くと後悔します。
今行くと、思い出に黒歴史が追加されます。
西寮は今…「「地獄の館」に変貌してしまったのです!!!!!
[ただでさえ都市伝説の多い西寮に、更に新しい伝説が追加された*瞬間であった。*]
[綻びの無い敬礼と共に、眼差しを大佐その人に据える。]
これより、麾下として参戦します。
何なりとご用命を。
[このひとの命の元で戦場に赴くことになる。
何一つ不思議でないことなのだが、向き合う眼差しが奇妙な感慨を連れて来る。
かつてより精悍さを増したものの、変わらぬ面影に思い出されるのは、彼とその好敵手であるかつての同居人のこと。あの8年間、もう一人の兄とも慕った人のことだ。
また、トルステンと共に在った西の副寮長のことも。
若い思い出が脳裏に鮮明に蘇り、
そして思い知る。
彼らの名は、公国に無いのだと。
―――封じたはずの、どこかが痛んだ気がした。*]
wwwwwwお前かヴィンセントwwwwwwww
お前が広めたのかwwwwwwww
でも時間軸ちょっと違う気がするwwwwwww
―三年前・公国官邸―
[士官学校を卒業し、軍への仕官と同時に。
トライブクラフト伯爵家の一員として、社交の場にも出ることとなった。
父に同行し、官邸でのパーティにも顔を出す。
外務大臣の子息に近づいてくるのは、名だたる貴族や政治家たち]
はい、よろしくお願いします。
――よろしくご指導お願いします。
ええ、近いうちに、ぜひ。
[学生時代は、生徒会でそれなりに顔を売っていた。
初対面の相手と話すのは慣れていたし、誰とでもにこやかに接する術は自然と身についていた]
『軍人などにしないで、社交要員として鍛え上げるべきだったな』
[父には、半ば真顔でそう評された]
[だが、士官学校にいたからこその人脈というものもある。
大公の孫、トルステン氏と親しげに話す姿を、羨望の眼差しで見る者もあった。
そして、その会場では新たな再会があった]
……?
[誰かをみつけたらしく、父が苦い表情を浮かべた。
が、次の瞬間には笑顔になって、その相手に近づいてゆく]
『これはこれは、ミュラー軍務大臣どの。ご機嫌いかがですかな』
[「政敵」として有名な二人の邂逅に、僅かな緊張が周囲に漂う。
が、皆慣れっこなのだろう、すぐに元通りの華やかなざわめきが戻ってくる。
その傍らで、ステファンは別の人物の姿を注視していた]
……ベリアン先輩。
[軍務大臣に同行していた、護衛役と思しき軍人。
見間違う筈も無い、肌の色、印象的な紫の双眸。
自分の記憶にある名を、本名かどうかはわからないまま呼んだ。
相手も、すぐにこちらに気付いたようだった。
当たり障りのない再会の挨拶をして、簡単に近況を報告し合ったのち、少し会話が途切れた。
促されるまま、共にバルコニーへ出る。
微妙な笑顔で何やら話し込むらしき外務大臣と軍務大臣は、しばらくそのままにしておいてよさそうだった]
[ベリアン・アリー。
学生時代そのままの名を、彼は名乗った。
かつて、彼にも幾度か剣の手ほどきを頼んだことがある。
彼の奥底にあるものには、とうとう触れることができなかったけれど。
少なくとも、自分が近づくことを拒みはしなかった。
彼の卒業で別れてから、3年。
今語られるのは――初めて耳にする、彼の出自>>319]
……故郷。
[自分はしっかりと地盤を持つ貴族の家に生まれた。
寮に入って親元を離れても、帰省すればいつでも「故郷」はそこにあって、失われるなど夢にも思ったことはなかった。
だから、故郷そのものが消えてしまった民の想いは、想像することしかできなかったけれど>>320]
……そう、だったんですね。
[街並みを見つめるベリアンの横顔へ、そう応えた。
ずっと彼から感じていたものの正体を、いまようやく見せてくれた気がした>>321>>322]
故郷を……取り戻すために。
[今は他の者たちがそこに住んでいるのだと、彼は言った。
ヤトの民が、故郷を「取り戻す」のならば、今の住民達はその地を追われることになり――故郷を、奪われるのだ]
―公国前進拠点―
[名前を呼ばれて顔を上げる>>607 突然の事に一瞬言葉を失くしているとすぐに上官・ゲオルグから咎める声が上がった。
そして取り出される二つの辞令。>>608 その裏に隠された意図は明確で、思わずゲオルグを見やる。l彼はなおもトールに抗議の声をぶつけていた。無理からぬことだと一度目を伏せ…そして再び顔を上げると]
…はっ。全力を尽くします。
[>>609 トールの目を真っ直ぐ見つめ返して応えた]
[敵対するのは、国と国だけではない。
同じ国の中でも理想を違える者もいるし、
同じ土地を巡って争う勢力もある。
シュヴァルベの地は、奇跡の楽園だ。
全ての人々が共存できればと、かつては願っていた。
今もその願いは変わらないけれど、
同じ地を「神が自分たちに与えた故郷」と信じる者同士に、それを強いることはおそらくできないだろう]
…………。
[強くなり始めた夜風が、ひどく冷たかった]
―外務大臣襲撃事件―
[>>713煙の中近づいてきた声に、確かに聞き覚えがあった。
知っている、とても良く知っている声だった。
すぐに相手を認識できなかったのは、
きっと認めたくなかったからだ。
ああ、相手は自分を父と誤認している、そんな安心をすることで、懐かしい記憶と襲撃者の声を結びつけるのを遅らせていた]
― 公国側前進拠点 ―
…。俺は反対だ。
[応じるニコラスの声>>681を黙して聞き、口を開いた。
周囲を眺め渡した視線が、最後トールへと据えられる]
実行に移すのならば、
本隊で陽動の後に別働隊で敵首脳本隊を奇襲、殲滅。
しかるのち、本隊に攻勢をかけつつ後方と連動して本国より終戦の道筋をつける。
これが正道だろう。
司令官を暗殺しようと、帝国の意を強め、
代わりの将が送られるのみ。
一時戦局は動くかも知れんが、それだけのことだ。
暗殺では時代は動かせん。
俺は暗殺という作戦そのものに反対する。
[でも]
!
[緑の閃光の向こう側。
銃をこちらへ向けたまま、驚愕の表情を浮かべていたその人は、紛れもなく>>714>>715]
……ウェルシュ、せんぱい。
[7年間を共に過ごした、大切なルームメイト]
どう……して、
[胸を貫く衝撃は、きっと弾丸だけではなくて]
[意見を口にして、また口を真一文字に引き結ぶ。
ポイントの確認>>734が言い渡さればそれには頷き、席を立った]
ベリアン。では配置の確認を。
[同じく騎馬隊を配する男>>666に向け、声をかけた。
簡単な確認が済めば、それで終わりとした]
[髪の色が、記憶と異なるような気がしたけれど。
目をこらすことは、もうできなかった。
身の内へと撃ち込まれた光が、内側から目を灼いて……何も見えなくなったから]
………っ、
[胸を押さえて崩れ落ちながら。
反撃する力が残っていないことに、どこか安堵してしまう自分は、
やはり軍人に向いていないのかも知れないと思った*]
うんやっぱり戦争RP無理だ
誰がどこにいて全体の戦局がどうとかこれをこうするとああなるとかさっぱりわからねえだ……!
おとなしく青わかめの世界に行きます
[本当に暗殺が時代を動かさないのなら――
こんな時代は、訪れることはなかったのではないか
口にしないそれを、視線に籠めてディークを見遣る]
はっ。
ソマリ・イェーガー大尉及び斥候部隊一同、
必ずや閣下の期待に応えて御覧に入れます。
全員。トゥーレーヌ准将閣下に、敬礼!
[己の号令に合わせて、部隊全員が一斉に敬礼を重ねた*]
― 回想 ―
駐在武官を志したのは、あくまでも武勇を重んじる家風に則ったからだ。
デンプヴォルフ家の伝統として、家督を継ぐ嫡子には、一定の武勲を上げ、佐官以上の階級を務めることが求められる。
海兵隊も騎兵隊も、大公近侍の道が約束される近衛隊さえ避けて情報将校に拘ったのは、内地のどこかにある《帰るべき家》を探すという目的ゆえだった。
士官学校を卒業してすぐに国家情報局に入局、防諜部へと所属した。
自国に入り込もうとする間諜に目を光らせ、防ぐ部署であれば、国内の情報は手に入れやすかった。
かつての士官学校の同窓生、先輩方の同国人が現在どこで何をしているのかは、ほぼ全てを把握していたと言ってもよかった。
しかし、国内に見当たらない人物と、自国の諜報部が外地でどう活動しているかは視野の外だった。
知った時には、全てが終わったあとだ。
入学時に偽名を用いていなかったノトカー・ラムスドルフ。彼自身を除きその家族の全てが、妹の婚約者であった公国人の間諜によって殺害されたと知ったのも、開戦後のことだった。
………。
[ちらと言葉ではなく、視線だけが向けられる>>747
それへ真っ直ぐに視線が返された。
事実がどうであれ現実がどうあろうとも。
譲る気のないものは、確かに存在する]
ノトカー……
緑に覆われた草原、燕が春を告げる、うるわしのシュヴァルベ。
夏は海で泳ぎながら、秋は草紅葉を踏み、長い冬は暖炉の前で語り明かした日々。
そうして、死のように白く凍りついた冬の終わり、春一斉に萌えいずる草原をどこまでも友人達と馬で駆けた。
[ 胸元を探る。
いつの年だったか、バザールで探して見つけられなかったと話した金色の宝石を彼に貰った。
そのペンダントは古びた鎖に繋がれて、今も制服のした、鎖骨の前に下がっている。 ]
[頭を振って口を開く]
そうだな。
ベルンシュタイン大佐の言うとおりだ。
ここで司令官を害したところで、
帝国が戦いを辞めるなんてことは、それこそ絵空事だな。
……済まない。
少し、毒されすぎていたようだ。
[再び報告書に目をやる。
報告書の一番最後に書かれていた名前はとてもよく知る――
僅かに目を見開いて息を呑む、が。
その場ではそれだけだった]
―甲板―
――お前の所にも、連絡は入っていない、か。
[船は既に動き出していた。
船底から抜け出し、少しでも音の入りやすい夜の甲板の隅で通信を続ける。
間もなく航路は西に逸れ、15マイル圏内を抜ける。
その所為か、公国国境に居るローとの通信は、酷く雑音の激しいものだった]
……ああ。あの律儀なイェンの事だ。通信どころか、定期報告まですっぽかすなど考えられない。
前線で、特に動きはなさそうだと言ったな?
戦死したとは考えにくいが…。
― 夜 氷乙女作戦実行前 ―
北部第五工兵小隊、全員集合いたしました。
これより、レイヴンウッド技術局主席代理の下で作戦行動に入らせて頂きます。
[居並ぶ工兵の前で、小柄な姿が説明を始める。>>613
カサンドラ=レイヴンウッド元教官と顔を合わせるのは二年ぶり。
あの、雨の日以来の事だった。
顔を上げると目があった。…が、勿論私的な会話を交わす場でも、交わせる状況でもない。
説明された内容を淡々と頭の中に整理していく。]
[夜の暗い海が、目の前に広がっている。
紺色を映す青灰は、酷く暗い。ゆるりと蛍火の様にその中に虹が揺れ、再び、夜の青に染まってゆく。]
――もしくは、露見したか。
恐らくはその場合、イェンは…。
[囚われる前に、己が身を刃に倒す。
男の教育した傭兵達は、己を捕虜とすることを決して由としない。
怪我をした鹿は立ち止まり、己の身を囮として群れを狼から守る。
……イェンも、その信条を胸に生きてきた男だ、と、複雑げに瞳を揺れる波に落とした]
(魔石を壊す余裕は、なかっただろうな)
[流石にそれをローに呟く気にはなれず、心中で、思考を巡らす]
(……中身を覗かれようと、俺たちについての情報は何も入力はされていない。
今後のイェンからの通信に警戒すればそれで済む。
だが――)
[仮面石の記憶部に保存された情報に、魔石は外部からアクセスし、もしくは自分の取り入れた情報を送信する形で相互に繋がっている。
イェンの石から、記憶部への接続を遮断すれば、不要な情報に接触される恐れはない。
……だが、魔石本体に、イェンが仮面石から取り入れた情報を保存していたら。]
――紙で大型魔弾!?
……耐久性は…威力は一体どうなっているんだ…
外部刺激に弱いのはわかるが、暴発のリスクはそんなに軽いわけが…
[鉱夫出身者や土木関連から来た同僚は、よくわからない説明をよくわからないなりに感心している…そんな風に見えた。
逆に、魔石関連に詳しい者、技術者上がりの同僚は一様に驚愕した様子でカサンドラの説明に聞き入っている。勿論、自分は後者だ。
改めて、目の前の女性の才覚と発想力に感嘆した。]
…いや。
[ただ。続くトールの言葉>>752には、ごく僅か気配が緩む。
音に出してはやはりごく短く、そのまま打ち合わせへと戻った。
ゆえに報告書に触れるのは、彼より少し遅れることになる]
/*
にゃー。やっぱりヴィンセントそっちかり出されてるよな……。
うぅぅ、ごめん。
なんか下手打ってばっかりだな……。
(帝国に、公国の一部の情報が流れる事にも、なる、か…)
(ローは後方部隊の所属だ。例えば構成員の氏名――役職、武器や糧食の搬入状況。そんなものだろうが)
ロー。…今後、お前はイェンからの通信には出るな。遮断しておけ。
イェンを名乗る者がいても、一切返答はするな。……俺が対処する。
>>616
[やがて、小さな水音と共に、川の周囲に冷たい空気が流れ込む。
氷の橋は、
― 帝国前進拠点 ―
[>>710――…おまえさんもじゅんびしとけ。
やわらかな、普段通りの言葉はまるで、
最後の吐息みたいに聞こえた]
……なんのために生きるのか、もっかい考えてみるのおすすめ。
俺に言えるのはそれだけ。
[意味のとりづらい言葉を、自分でもよく意図がわからないままに呟いて。
ソマリの意思を正しく察知して、その場を後にする]
[間もなく通信が切れ、船は公国への航路に乗る。
暫く後に、公国の招聘した傭兵船が港へと到着したとの知らせが届いた。
――幾人かの傭兵がシュヴァルベ配属の下命を受け、即日雄途についたという。*]
――作戦出立時――
[小さく聞こえたソマリの言葉>>746に、ふと笑みを零す。
そういえば、こいつ相手にこんな素直に会話したのって、ひょっとして初めてじゃないかとかそんな考えがよぎった。
続く敬礼>>748に、答礼しながら。]
――――――…吉報を待っている。
[力強く告げ、出撃する隊員達をじっと見送った。*]
……まあそんなの、俺わかんないけどね。
お前ならわかるかもしれないし。
[誰も聞いていないのを知っていて、空に向かって呟いた。
準備など終わっているし、薬が切れるまでは眠れない。
……それでも多分、少しは横になった方がいいのだろう。次はいつ身体を休められるかわからない。
天幕に戻ると、無言でもぞりとシュラフに潜り込む*]
―王太子・軍務大臣暗殺事件直後―
[軍務大臣の暗殺については、政敵であった外務大臣にも疑いの目は向けられた。
だが、外務大臣が荒事を嫌うことは知れ渡っていて、形式的な聴取をされるにとどまった]
『暗殺するくらいなら、拉致監禁して不眠不休で説得してやる』
[彼はそう語ったという。
ともあれ、負傷した護衛官、ベリアンを病院に見舞うことができたのは、父の嫌疑が晴れてからになった]
本当は、言うべきではないのかも知れませんけれど。
……生きていてくれて、よかった。
[誰も聞いていないことを確かめて、こっそりと告げた。
彼が護衛の任務を全うできなかったことを考えれば、単純に喜ぶわけにはいかないのだ]
……契約、は。
[自分に何ができるわけでもないのに。
ただ、気がかりで、問うた]
…――いくぞ!
[押し殺した低い声で号令を発し、氷の橋に足を乗せる。
橋は冴え冴えとした表情を浮かべ、
凍えるような冷気を周りに擦り付けながら
ソマリたち斥候部隊を、死と鮮血の待つ対岸へと運んだ*]
海とかね!拾いたいけどね!
更新まであと1時間じゃん?
とりあえず撃たれてさえおけば後は回想で海草できるよね!
―ゲオルグの執務室―
[出立までの間、書類整理をしようと執務室に立ち寄る。
未だ不満の収まらないゲオルグは納得のいかない顔のまま、会議後どこかへ行ってしまった。
真面目な彼のことだから、気持ちの整理がつけばまた誠実に仕事をこなすだろうと考えながら、書類をまとめていると]
っ、……、
ご、ほっ…!!
[口を押さえる。身体が傾ぎ、机に手を付くと、その衝撃で書類と何冊かの本がバサバサと音を立てて床にすべり落ちた。
何度も大きく咳き込みながら、胸ポケットの薄い缶を取り出し、震える手で中の錠剤をざらざらと掌に零すと、一気に飲み込む]
…・・・・・・・・、
っ、はぁ、…はぁ……
まだ…まだだ。もうすぐなんだ…。
[やがて咳がおさまれば胸を押さえて呼吸を整えようとする。ぜい、としゃがれた音が喉から漏れ、顔を歪めた]
[床に散らばった書類と本を一つ一つ拾っていく。本の間に挟んでいた、狐の透かし彫りが入った栞も一緒に床に落ちてしまっていた。拾い上げて見つめると、本のページに挟み閉じる。
そして机の引き出しから、小さな箱を取り出した]
……。
[そういえば、と会議中に感じた視線を思い出す。>>667]
[学生の頃、良くヴィンセントの口からベリアンの名前が出てくるのを聞いたことがあった。
彼の持つ不思議な発明品について、嬉々として話す先輩の顔を思い出す。
そしてふと、彼は知っているだろうかという考えが頭を過ぎり、頭を振る。
小箱を開くと、中には小さな石が連なったブレスレット。]
(今更先輩の安否を知ったところで…僕は…)
[くしゃりとブレスレットを手の中で握り締めると、目を伏せた]
―前線へと―
[カナン隊と共に、前線へと行軍する。馬を走らせ、このまま行けば明朝には合流できるかといったところで、夜営を張り兵を休めていると、川の方角から火の手が上がった。>>579
怒号や悲鳴、そして爆発音のようなものが聞こえてくれば]
『まずい、補給部隊が敵の奇襲に…!』
[カナンが声を荒げる。兵たちは機敏に準備を整え、急行した]
[カサンドラの言葉>>771が耳に入れば、軽く肩を竦める。]
えぇ。頼りにさせていただきます。
[暗に籠められた言葉に、苦笑いを浮かべながら。
ソマリとのやりとりを見られたと思えば、幾分気恥ずかしくもあった。]
教官――…技官も、どうかお気をつけて。
[どうも、恩師というのはたちが悪い。
習った記憶がいつまでも拭えず、どうもかつての呼び方、あの頃の口調が出てしまうのだった。]
― 氷の橋を渡り終えて ―
[実行部隊とは別に。
彼らが帰ってくるのを待つ部隊とともに、橋の袂へと待った。
そして、自分も橋の渡り心地を実感するために、橋を渡った。否、がっちり右と左に支えてもらって渡らせてもらった、が正しい。
技官らは運動神経がかわいそうなことになっているレイブンウッド主席代理の扱いを実に心得ていた]
……アイゼンシュタイン少尉。
[嘗ての教え子の名を呼ぶ。
講義の時と同じような口調で、氷の乙女について説明する]
すごいだろう。紙と、インクの材料と、そして原版があれば。
誰だって冷気の魔法陣を描き、使用することができる。
貴官は、どのように使ってみたい? この魔法を*
…やっと。やっとだ。
[兵たちと共に馬を走らせながら、手綱を握る手を震わせる]
[あそこに、自分が望んだものがある。
あそこに行けば、自分は手に入れることが出来る。
はぁはぁと息は上がり、汗が額に浮かぶ。
赤い空が、どんどんと近づいてくる。
気が急くまま、さらに馬の腹を蹴ろうと足に力をこめたところで]
[作戦を指揮する隊長を見て、口の端をほんのり上げる。
飄々としてなんでも軽やかにこなしていた"弟弟子"
彼の活躍は聞いていたし、実力も知っている。
きっと、奇襲作戦を成功させて帰って来るだろう。
カサンドラが開発したという魔導兵器もある。
きっとうまくいく。
出発する兵士たちを見送り、武運を祈る。
彼が、ソマリが"誰"を襲撃に行くのかは、知らぬまま。]
― 氷乙女の口づけ・決行前 ―
[全員、敬礼!
――……ソマリの凛々しい声がする。
場に漲る緊張感と興奮。
投石器が紙を放る、という光景。>>616
異様な光景は、計算されたもので。
紙に描かれた魔方陣はしなやかにほどけ、魔法のように氷の柱が生成されてゆく。
――…静かに、合図を待った。
凍える冷気が尖った心身と思考を冷やし、不純物が消えていく。
研ぎ澄まされ、鍛えられた部隊の。その切っ先に居続けたいと願う。
合図と共に、氷の橋を蹴って。
――…血風吹き荒ぶ嵐の中へと身を投じる**]
シェットおおおおおおおおおお><
絡みにいきたかった…;;
昼にローで絡みに行こうかと思っててまにあわなかったんだよなあ
[自分の隊は、いつでも出発できる状態で待機させてある。
作戦が失敗した時、
或いは奇襲部隊が大規模な追撃を受けた時、
すぐにでも援護に駆けつけられるように。
魔導兵器をこの目で見られないのは残念だけれども、
あまり、この拠点を手薄にするわけにもいかない。
必要なら連絡があるはずだ、と胸元の通信機に触れた。]
―少し前・帝国前進拠点―
>>637
鏡を見ることをお勧めします。
……作戦が終了次第、丸一日程睡眠をとったほうが良いのではないでしょうか。
[ダーフィトの体質については、以前シェットラントから相談を受けたことがある。
力にはなれなかったが、一緒に図書室で資料をあたったことはあったので、睡眠に障害を持っているという事実は把握していた。]
……?
コイン…でもなさそうですね。これは……
[珍しそうに手に取り、ひっくり返す。
そのまま、顔を近づけてじっと眺め…目を細めた。]
[隊は、青年一人欠けたことに気付くことなく、急行していく。
数多の蹄の音が遠ざかっていく。その砂埃を眺めながら、地面を掻いた]
どう、して…、
っ、…!!
[再び咳き込むと、びちゃ、と地面に血だまりが出来た]
あとちょっと、あとちょっとなんだよ!!
あとちょっとで、僕の死は、意味がある死になるんだ!!
病で死んだら、何にもならない!!!
軍人として死ななきゃ、ぼくは、
僕は、ぼくは、ぼくは………、
……私にも、魔石回路を使用した通信機に見える。
でも…帝国の技術ではない。
見えますか…この辺りの、石の組み込み方や推定される純度が帝国の物とは全く異なっている。
………元は衣服などにつけて運用していたものではないでしょうか。
裏面にその痕跡がみられます。
多分、この裏の部分を指で押さえて動かせば……
…通信も可能になる気がします。
今は、作戦行動前なのでむやみやたらと不審な物に触れることは遠慮願いたいのですけど…ね。
[暗に、今はむやみに触れない方がいいと*告げた。*]
― 少し前・執務室 ―
[書類に目を通しながら、何もない空間に右手を伸ばして。
そこには何もないことに気づいて再び手を戻す。
学科試験の直後、ヒンメルと購買で話してから
書類仕事の際には甘いものを常備するようにしていたのだが、
物資高騰の折でなおかつ最前線ともなれば、
手に入らないのは仕方がなかった
と、そこに来客があり書類から目を離して席を立つ]
レナト・デ・フォルテア大尉。
よく来てくれた。
……とはいうものの、
俺も先ほど赴任してきたばかりなんだがな。
[手を下げたレナトに、敬礼ではなく手を差し出した]
― 公国・某港 ―
[船>>763が港に着けば、そこには既にごく少数ながら、
命を受けた公国の兵らが待ち構えていた。
形式に則って彼らのチェックが済まされたのち、
命令の通りに竜騎兵連隊を通じての部隊編入、
そしてシュヴァルベ進発の命が下される]
───貴兄らにはシュヴァルベ潜入ののち、
ある人物の護衛をして貰いたい。
目標人物を確保したのち、すみやかに離脱。
後方へと下がることを目標とする。交戦は可能な限り回避。
[彼らに託されたのは、
ジャンが彼女に告げたとおりに秘密裏に、もうひとつの作戦は動きはじめた*]
[血に濡れた手で、砂を掴む。手首に嵌めたブレスレットの石が、しゃらりと音を立てた]
・・・・・・・・・・せんぱい。
[手首に額をこすり付け、涙を流した]
[彼との再会ももう何年も前になる。
学生時代は東寮生とはどうしても一歩引いてしまっていたから、
彼との時間の共有は公国に戻ってからのほうが多かった。
そういえば彼はジェフロイと同室で、カレルと仲が良かったはずだ。
そして公国で彼らの噂を聞くことはなかった。
彼もまた同じように――
学生時代の記憶よりずっと大人びた表情を見つめながら、頷く]
ちょうどいいタイミングだったな。
これから齎された情報に対する会議がある。
お前にも参加してもらおう。
[それがレナトへの初めての命令だった]
―公国補給部隊 停留地―
[第一目標は公国軍補給物資。
可及的速やかに此れを焼き払うこと。
第二目標は公国補給部隊。
深追いは不要だが、可能な限り殲滅すること。
…今更、復唱したりはしない。
既に部隊全員の頭の中には叩き込まれている筈だった]
[氷の橋を渡り切って眼前に近づいた営みに、
蒼氷色の双眸が、今宵の月の如く細まった。
足を止めぬ侭、短剣を鞘から引き抜き、]
…――――、
[寝ぼけ眼の見回り兵に背中から近づいて
口を抑えて首を掻き切る。
其れが最初だった。
血飛沫が跳ねる前に、今宵最初の不運者を投げ捨て、身を翻す。
白い軍服の裾が闇に舞う]
― 公国側前進拠点 ―
>>734
──そうですね。
[トールの声に頷く。運が良くても帰ってこられるかどうか。行かせるというのなら──恐らくは自分が行くべきかと考える間に、>>740 ディークからの意見が挟まった。]
───。
[琥珀に向けられた紫眼は、微かに眇められた。トールとディークの会話が為される間には口を挟まずにその場に控える。]
― 外務大臣襲撃事件 ―
[反応>>739は僅か鈍く感じられた。
やはりこの程度までかと、理由を勘違いしたまま。
否認と誤解が絡み合う間に女神は髪一筋残してスルリと逃げてゆく]
……そ、んな
[知っていた。対象が彼の父親であることは。
だから、恨まれてもいい。そう思ってきたはずなのに]
……スティ……
[瞠られた緑の光>>741が胸を貫く。
反撃されたわけでも何でもないのに、息が詰まる]
僕、は……。
[頭の中で、声が繰り返される。
どうして。どうして。
どう……して]
[答えられない間に、ステファン・フォン・トライブクラフトは胸を押えながら崩れ落ちていった。
咄嗟に支え、ゆっくりと横たえてしまったのは、この場では大失態というにもほどがある行動だった。
ステファンの名を呼ぶ声が響く。
煙の晴れてきた中で振り向けば、どこか見覚えがあるような>>105けれど知らない、顔。
かつてのルームメイトから飛びのき離れつつ、残る一弾を男に向けて放つ。
魔弾が通じる装飾品を持っていたのか、それとも単に銃弾が顔を掠めたのか、顔を押える男に止めを刺そうと動きかけた時、ピィと甲高い音が鳴った。見張り役の合図だ]
――ピィィッ!
[それよりも少し長く指笛を鳴らして、撤退へと移る。
部下の中にも犠牲者は出ている。けれど身を示すものは何も持たせていない。軍学校にも来ていなかった者達だ。
ここで一番見つかってはいけないのは、自分。
最後に一度だけ、地に伏せているステファンを見た。
スティ、と、唇だけが動いて。
背を向け駆け出して、闇の中へと消えてゆく*]
[視線での会話が終わり、配置の確認の指示に頷く。]
>>742
──はい。
[竜騎兵連隊とは機動力の関係から、連携を取る事が多い。直属ではないが、階級の差からディークの下で動くことも多い部隊だ。確認作業は滞る事もなく終わった。]
―公国首都・国立病院―
[ステファンを見舞ってくれる友人達は、みな立派な青年だった。
トライブクラフト伯夫人は、そんな彼らと友誼を結んでいた息子を改めて誇らしく、愛おしく思った]
『よく友達と見間違われるという話は、聞いていました。
そうでしたの、貴方が……。
確かに、あまり似てはいないようですわ』
[シェットラント・マルシュナー少尉の顔を見つめながら、伯爵夫人はしみじみと頷いた>>232>>233>>233]
『好青年だし、優秀だし、間違われるのは光栄だって、あの子言ってました。
一度、家の方にも遊びにきてやって下さいな』
[いずれ息子が回復して帰宅できるというような、そんな口ぶり]
[やがて、病室を後にするマルシュナー少尉の後ろ姿に、伯爵夫人は小さく息を呑む。>>236
顔立ちも、物腰も、本人達の言う通り似てはいなかったけれど。
後ろ姿は、はっとするほど似ていた。母親が見間違うほどではないにせよ。
戦況は激化し、若い将兵も次々と前線に送られているという。
ステファンも、シュヴァルベへの配属が決まっていたのだ。
息子と同い年だという彼もまた、死地へ赴くことになるのだろう。
扉が閉まった後。
どこか張り詰めたような彼の後ろ姿を思い、そっと目頭を抑えた]
― 帝国前進拠点・執務室 ―
[ >>721 魔石絡みの話かもしれない、との言葉には黙って頷き。
――ステファン……トライブクラフト伯襲撃事件については
当然、ノトカーの耳にも入っていた。
だからこそ、ウェルシュの前で、魔法石に関する話は
慎む傾向にあった。
執務室に入れば、懐かしい人の姿が現れる。
敬礼と挨拶をして中へと進めば、トゥーレーヌ准将は
思いのほか砕けた口調で。>>725 ]
カスパル大佐から話は伺っております。
こちらこそよろしくお願いします。准将。
[ 目の前のリエヴルは、かつての学友を前にしているせいなのか
多少落ち着かない様子に見えた。
――それがかえって心を感じる、信頼できる人物だ。と思えた。 ]
[ 通信機を差し出されれば、少し考えて、受け取りを拒否した。 ]
――准将、実は自分は、通信機を既に所有しています。
[ そう言って胸の一番高いところにある、緑色の宝石のついた
勲章に手をあてた。 ]
実はこの通信機を開発したのが父でして。
魔器開発局に渡して実用化してもらいました。
これはその時の実験に使用した#2品で――それ故、
最新型に比べると若干脆い、初期型なのですが。
[ ノトカーの喋る声に合わせて、勲章に埋め込まれた魔法石が
微かに光りを帯びる。 ]
褒美という意味もあったかと思いますが…
父の形見という意味も含めて、お分けいただきました。
#1…オリジナル品も自分が所有しています。
―遠い記憶―
『スティ』
[懐かしい、優しい声がする]
『……スティ、朝だよ。起きよう』
[めったに寝坊をすることはなかったけれど、時には夜更かしが響くことがあって]
『今日は、海に行く日だよ』
[そんなときにはそっと肩を揺すってくれる、暖かな手]
『……ほら、こんなにいい天気』
[窓の外には、朝の陽光に輝く、美しいシュヴァルベの景色が広がっているのだろう]
― 夜…氷の乙女作戦直後 ―
>>777
…使えるのは、冷気…だけじゃないですね。
[カサンドラが技官に左右を支えられながら歩く後ろから、危なげなく歩を進め、対岸に渡りきる。
夜はまだ明けず、橋もまだ白く美しい姿を夜の闇に浮かび上がらせていた。]
盾、雷撃、疾風、幻……炎以外なら、どの魔法力でも応用可能ではないでしょうか。
その魔弾の原理を考えるなら。
[指先で凍結した橋の表面を軽く掻く。表面は筋を残し少し欠けた後、新たな霜が覆い尽くして何もなかったかのように修復した。
濡れた手を燕の刺繍の入ったハンカチで拭い胸元に仕舞い込む。]
どんな見事な魔法に見えても、その原理を知り、人の手で再現可能であるのなら、魔法とは言えませんね。
それは技術。
魔力を利用した、人による知識の力です。
………あの学び舎が残っていたなら、生徒達から夢のある答えが返ってきたことでしょうね。
[わざと、回答をぼかして答える。
顔を上げると、冷気の粒が灯りを反射して鈍く*煌めいていた*]
― 帝国前進拠点・指揮官執務室 ―
いえ。ご挨拶が遅れましたことこそお詫び申し上げます。
トゥーレーヌ准将。
[室内に招き入れられると>>725、型通りの整った敬礼を返し。
どこか落ち着かなげな挙動に、呼びに来た者にも感じた違和感を覚える]
……またよろしくお願いします。
[口にしてから何度か目を瞬く。
思い出が消えてしまったわけではない。ただ、振り返ると心温まる以上に耐えがたいほどの痛みを覚えるものとなってしまっただけだ。
今もその痛みを瞬きすることで深い深い所に沈めてゆく]
私の手で成せることがありましたならば。
どのようなことでも、遠慮なくお伝え下さい。
[大切なものも壊せる手だから。
琥珀の光を、くすんだ煙水晶で受け止めてから、僅かに伏せる]
准将の麾下で働けますこと、光栄に存じます。
いつかはあなたの下でと、思っていましたから。
[あの黒い馬車を見送った後。
泣いているスティを抱き締めながら、彼が帝国出身でなかったら代わりに自分が、と思ったこともあったのだ。
望んでいた形からはあまりに遠いものとなってしまったけれど。
これも、嘘、では、ない]
[部隊に待機を命じている以上、自分も休むわけにはいかない。
仮に休んで良いといわれても、眠れる気はしなかった。
奇襲部隊の熱気の余波に、胸が燻っている。
気を静めようと拠点の中を歩き回っていると、
遠くに、知っている姿を見つけた。]
ウェルシュ、 …。
[彼もここに来たのだなぁ、という何気ない思いが、
裏で糸引く人物の意図へと自然に向いたのに気付き、
苦い顔で思考を打ち切った。]
[ >>727
頼んだぞ、の言葉には背筋を伸ばし、敬礼で応えた。 ]
はっ。
ところで准将。
[ ウェルシュも居る手前少し迷ったが、
ここに来るまでに考えていた内容を述べた。 ]
――…この前線の中に公国スパイは混じっていませんか?
確証があるわけではないのですが。
最近になって急に帝国内に入ってきた人物には
十分な監視が必要かと――
――いえ、出過ぎた意見かもしれません…
……失礼します。
[彼の後ろにいるロスチャイルド女伯爵は、
母に言わせれば、"下品な女狐"であった。
伝統的で正統な──と母が自称する──
武門の家であるブラオクヴェレ家と比べれば、
ロスチャイルド家は革新的で効率的な手腕を取る。
その差が、今のウェルシュと自分の階級に表れている。
そうも思うが、単純に能力の差なのだろう、と思考を止める。
士官学校を出て国元に帰って以来、煮え切らない自分に比べ、
ウェルシュはいくつもの作戦を果断にこなしていた。]
……そういえば、ソマリ先輩の後ろも
[これでは、またうちとあちらの差は開くな、と
自嘲の笑みを唇に乗せた。]
― 帝国首座・国立病院 ―
[ 眼を閉じて褥に横たわる青年の姿を、枕辺から見下ろした。 ]
……やぁ、ステファン。久しぶりだ。
もっと早く会いたかったな。
[ 青ざめた頬はすでに生気の殆どを失っているように見えた。
二年前に父の病床に漂っていたのと同じ死臭をぼんやりと感じながら、聞こえるはずもない言葉を彼に掛けている。 ]
……シュヴァルベに行くことになった。階級は一つ上がるが、事実上は左遷かな。
太子殿下、軍務大臣、そして今回の事件。どこまで帝国が関わっているのか全容はわかっていないが、防諜部の不明は明らかだ。
前線にこそ重要な情報、そして人物も配されている。トルステン殿下も然り。それを狙う不届き者を監視せよとね。
……俺たちのシュヴァルベは、あの士官学校は今、どうなってるだろう。見るのが恐ろしい。だけど、俺は知らなきゃならないんだ。
またな。
……また会えたら、美味しい紅茶と珈琲をご馳走してくれよ。
[ そう囁いて、病室を後にした。 * ]
[色の指定が為されていない帝国軍において、
敢えて斥候に向かぬ白を着る理由。
それは目立つことに利点があるからだ。
敵の攻撃を、此方に引き付けることが出来、
そうして…]
――――放て。
[呼気と共に、敵陣を走る最中に左手を振り下ろす。
白い軍服は、さぞかし遠目でも味方が視認しやすいことだろう]
というかそうだよ
抱き留められた記憶ならリエヴル先輩失踪の時のでよかったんじゃんね
ばーかばーかorz
[合図と同時に、
川岸に程近く置かれた公国補給物資から火の手が上がる。
だが、今から慌てるのではもう遅い。
既に帝国兵は懐の中だ。
白兵戦慣れしていない補給部隊の目を欺くのは容易だった。
炎の混乱に乗じて、浮き足立つ兵と遭遇しては、
一人、また一人と屠ってゆく]
――帝国前進拠点:執務室にて――
[ノトカーの話>>803を聞けば、僅かに目を見開く。]
そう――…なの、か。
[形見というからには、もう亡くなっているということなのだろう。
寮長をしていた頃に、彼の家がシュヴァルベの街に居を構えていたこと、そこに家族も住んでいたことは知っている。
それから、何があったのか――…あえて、聞くことはしなかったが。]
― 帝国前進拠点・指揮官執務室 ―
[ク、と何かを飲み込んだ後、受け取った通信機に軽く触れる。
魔石を使った道具はあれ以来禁忌かと思えば、そうでもない。
道具は道具と割り切れているからだろう。ただし、かつてのような情熱はなく、ノトカーの話>>803も静かに聞いているだけだった。
スパイについての話が出ても顔色を変えず。
退出を促されるまでは、ただ静かにその場に同席していた]
そう、か。
なれば、貴公にはこれを渡さずとも連絡が取れるということだな。
むしろ、助かる。
何かあれば、いつでも声をかける。
[そう、ノトカーに告げながらも。
続く言葉>>811には、軽く目を見開いた。]
スパイ、な――…。
まぁ、開戦前に両国と渡りをつけていた人物ならば、
知っているが……。
[軽く、苦笑いを浮かべる。
使える人物でもあり、また、危険人物でもある――シロウのことだ。]
こうして奇策に打って出たところだ。
また、先方の出方次第で、情報となろう。
どこかから話が漏れているなら、相手もそれなりの対処を取ってくるだろうからな。
[無論、奇策に限ったことではない。
こちらの軍の配備や、戦術に関わる部分も。]
そういった動きが見えれば、また考えることにもなるだろうが。
……いざとなれば、手を貸してもらうやもしれん。
[いくつも戦果を重ねた隻眼の軍人に、期待の眼差しを向けた。]
― 公国前進拠点:会議室 ―
[会議が終わると、
ディーク、ベリアン、シェットランド、カナンの4名に向けて]
まだ前哨戦だ。
くれぐれも無理はするな。
では……行ってこい。
― 夜の講義 ―
>>806
いかにも、少尉。正解だ。紙に描ける魔法陣の数だけ可能だ。
尤も、精度のよい版を作成するのがなかなか骨でな。
こればかりは技師を育てるより他ない。
[主に私財を投じて育てました…。ごはん食べられなくなる程度に。
その辺の事情は、一番付き合いの古い友人がご存知であろう]
そう、これは、魔力というエネルギーを利用した科学技術だ。
だからこそ、こういう手品よりも――
[その後の言葉を続けず。
革手袋の上に落ちた、冷えた空気中の水分の結晶物を、そっと潰さずに見守った。
遠くで。人の悲鳴が聞こえたような気がする]
[笑いもせず、泣きもせず。泰然と燃える炎を見つめる女を、「魔女」と、兵士たちは畏怖をこめて呟いた]
―
[夜闇に水音がさやかに響く。
一見静かなその物音に、騎馬の蹄の音が微かに混じった。
猫の情報>>171
それに幾つかの検討を加えた情報に基づき、兵が配備される]
───ベリアン。
[言葉はない。ただ夜闇の向こうに一瞬、目を向けた。
彼とは過去に連携をとったこともある>>799
通信機の類はない。が、連携は取れるはずだった。
やがて───火の手が上がる>>816]
― 帝国前進拠点・執務室前 ―
まあ、そうだが。
前にも言っただろう、まだその予定はねぇって。
[暗殺者について、すぐ目の前にもいますけどね――と笑うリエヴルに肩を竦めて見せる。
公国側の雇い主からの命令があればすぐにでも暗殺するが、今はまだ命令はない。
リエヴルがジェフロイから受け取った通信機は、自分には渡されない。
自分が完全に信用されていない事を知っているから、それに対して疑問を持つことも不満もない。
そもそも、自分が本来所属すべきは帝国軍ではなく、公国軍なのだ。
命令が来れば、公国側に戻るのに。帝国軍幹部との直通用通信機など、貰っても困る。
見送る視線に背を向け、ひらりと手を振って。リエヴルから離れ、拠点内を徘徊しに行く]
[そうして4人を送り出すと執務室に戻って、目を瞑る。
こうなることは2年前。
あの日ディークに言われてからずっと考えていた。
だから動揺なんてしない――はずだったのに。
こんなにも息が苦しい――]
―公国・某港―
>>789
竜騎兵連隊第二特別分隊への配属、及び目標人物、通称『猫』奪還の御下命仕りました。
フェーダ公国領西シュヴァルベ城砦より、前線拠点に進行、作戦を遂行致します。
[迎えに出た兵士らに公国風の礼を取り、長いマントの裾を払うようにして身を起こす。
第二分隊、とは聞こえが良いが、おそらくは急遽傭兵を集めて編成された、臨時の部隊なのだろう。
名はこしらえた手形通り、スーリヤ・クロイツ。鎖の国殖民領、ウーツ出身。
記載された名こそ違えど、鋼の国が発行した正式の手形だ。改めは簡単に終了し、無事潜入は成った。
慌しく装備と糧食の支給を受け、馬を疲れさせない最大限の駈歩で、東へと向かう。]
[好きに動け>>66>>67>>627、というだけの指示を受けた後。
大公暗殺を実行したのは、公国側の雇い主の意向によるもの。
『帝国に負ける事はできない』
『だが帝国に勝ちすぎてもいけない』
『求めるのは、和平でもどちらかによる併呑でもない。平等な条件での合併のみ』
『そのためには、戦で互いに疲弊し消耗しなければならない』
『だがそれも、他国から侮られ侵略を受けない程度に抑えなければならない』
積極的な開戦派でも、和平派でもない、公国の国務大臣。
当時の大公の年下の叔父であり、現大公の同い年の大叔父である侯爵。
そしてその息子である、ニコラス伯爵。
彼らの配下となったのは、ひとえに『二国の全てをシュヴァルベに』という理想から。
二国の合併がかなえば、最初の内は国民間の遺恨が残るだろうが、それでもいつかはそれも薄れ行くはず。
シュヴァルベの士官学校に通っていた生徒たちが、開校からしばらくは過去の遺恨でギクシャクしていたのが、年月を経て自分が教官になる頃には、穏やかで平和な空気に染まっていたように。
その為に必要だと言われれば、ずっと忌避してきた血腥い仕事も厭わなかった]
[ウェルシュの言葉>>808には、苦笑いを浮かべる。]
いや、まぁ。
挨拶に来ても、いなかった可能性もあるわけだし、そう気にする必要はない。
[あちこちから色々言われたので、お忍び歩きのことはそれ以上は触れず。
また、という言葉を聞けば。
自然と、表情が綻んだ。]
…………あぁ、そうだな。
[学舎を出ることになった、あの日。
最後に見たのが、彼の姿。
こうして彼と話をすれば、その時の記憶が蘇る気がして。]
……こんな形の再会ではあるが。
二人とは共に肩を並べることが出来て、良かった。
[そうでない者も多く居るということは、あえて触れずに。
ただ、懐かしい者との再会のみに、安堵の表情を浮かべた。]
………………すまない、変なことを言ったな。
二人とも、もう下がっていいぞ。
[感傷に浸ってしまったことに、恥ずかしげに笑いながら。
そう退出の許可を出した。]
―回想・ゲオルグの執務室にて―
『「フレデリカ」……女か?フォルテアの部隊の新入りは』
[室内に据えられた自分の机で書類にペンを走らせていると、ゲオルグの独り言が聞こえた。顔を上げると、彼は一枚の紙に目を通しているようだった]
フレデリカ…
[その名前を反芻すれば一瞬、ひどく心がざわめいた。平静を保とうと小さく息を吐くと]
…女性士官など、珍しくないでしょう。
私の通っていた所にもおりましたよ。
[それが男装した少女で、しかもルームメートであったことは言うつもりはなかったけれど]
[彼女の笑顔を思い出して、目を伏せる]
(こんな所にいるはずもない。いや…いてほしくないという願望なのか…)
[ペンを握る手に知らず力が篭っていた。
そうして結局、少女と同じ名前の彼の人について確かめる勇気のないまま。]
……っ、伝令!!!
[すぐに報は、全軍へと齎されるだろう。
帝国の放った炎は雄弁に──そしてただ炎が告げたよりも早く、
明らかに準備されていたと知れる速さで公国軍が呼応する]
―現在―
[自由の利かない身体を何とか動かして、仰向けになる。
胸は大きく上下し、喉からひゅうひゅうと音が漏れていた。
定まらない焦点で虚空を見つめながら]
は、ぁ…、…
せん、ぱい・・・・? あのね、フレ、デリカ…生きて、るかもしれないん、です…
だから、ま、た…3人で、せんぱ、いのいれた、カフェ、オレ
のめます、ね…。
あの、部屋で、また…3人・・・・・・・・・で・・・。
[一通り、城砦内を見て回って。
誰かに見られないよう、挙動不審にならないよう、気をつけながら新たな密書を用意する。
執務室で見聞きした内容。城砦内のおおまかな見取り図。兵の分布状況。そして食料や武器などの物資の所在。
通常ならば部外者の侵入は見咎められるような場所には、見つからないよう体術を駆使して潜入し確認した。
その全てを記した密書を丸めて、紙巻煙草に偽装し箱に入れておいた。
紙には、犬の嗅覚以外ではそうそう気づかれない程度の匂いを発する、特殊な薬品を染み込ませている。
人目の少ない、かつ隠密犬が潜入できる程度に開けた場所にそれを隠し。
犬笛を吹けば、それは夜までにニコラス中佐のもとへ届けられるだろう]
[リエヴルとの別れに打ちひしがれる自分を、そっと支えてくれたウェルシュ。
その翌年には、彼とも別れることになって――
今は]
[何も見えなくなって
何も聞こえなくなって
肩を抱く腕のぬくもりも、遠ざかってゆく**]
だァがな、敵兵サン。
状況把握ってのも…必要なんだぜ?
[狙いは二つ。
公国兵の胸元と、その手の中のダイジナモノ。
目標に視線を定め、]
開戦前に両国と渡りをつけていた人物、ですか…
[ 記憶を巡らせるが、シロウ教官には辿り着かなかった。
元々、勘であるため、あまり深追いする事はせず。
”手を貸してもらうやも”という言葉には、力強く
返答した。 ]
いつでも何の力にもなります。
[ >>832の言葉には、胸にこみ上げるものがあった。
――と同時に、その情の深さが心配にも。なった。
が、今のノトカーは、さすがに口にしなかった。* ]
……シェットラント?
[氷の結晶を眺めていると、胸元から仕舞い込んだはずのハンカチが落ちる。
顔を上げ、遥か遠くを見る様に目を細めた。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
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