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白ログは相方のためのものだけれども、他ペアと交流できる囁きがある、というくらいが一番好みの塩梅かもしれない。
[間近にギィの瞳を覗き込む。
これからは、こうして紅の月を見ることができるのだろう。
この世界で結ばれた出来事の思い出に。]
いい覚悟だ。
[微笑む唇に視線を移す。
昨今は責任逃れをする輩も多いが、魔物は真摯だ。]
おまえがほしいのは、この人型か? それとも…?
[笑みを重ねる。
こんな軽口を叩くのもいつぶりだろう。
確かに、おまえのせいだ ── と告げた。*]
[軽口の口調で問われたが、己にとっては存在の根幹に関わる。
刹那の真顔が緩やかにほどけ緩んで、魂まで蕩かさんとする笑みに変わった。]
私に、そんなことを聞くのかい?
[彼の首に回した手指が髪の間に入り込む。
肩を抱く手が耳を、顎のラインを、喉仏をついと辿る。]
私はおまえの全てを求める。
この人型の愛おしさも、
鞘であるおまえの美しさも、
おまえが持つ力も、なにもかも、
全てが、欲しい。
[己にとって、求めるということはそういうことだと、
白皙の下に熱情を透かして、告白する。*]
[答えは予想の範疇だったけれど、その声と仕草は、魂からのものだった。
深いところで共鳴する。]
それぞれを、それぞれのままに ──
[求めよ、と。
それができる器であると、感じるままに願った。*]
[魂の共鳴が血脈の漣となって身体を巡る。
血を分け与えて作られた人型は眷属にも等しい。
いずれは彼本体もそうなるだろうか。
それは心躍る未來である気がした。]
では、"さきほどの続き"をするかい?
[響き合い舞い上がる心のまま、そんな誘いも掛ける。
背を伝わせて腰骨を弾いた指先を、そのまま下へと滑らせた。]
[と、そこへ小さな皮翼が降りてくる。
いつのまにかどこかへ行っていた使い魔が、にゃあとなにかを訴えてきた。]
そろそろ帰って、美味しいものが欲しいそうだ。
鍵は、おそらくどこででも使えるだろうが、
なにかやり残していることはないかい?
[使い魔が咥えてきた鍵を手の中で転がしながら、問いかける。*]
[悪戯な指先が肌を伝う。]
もう回復したんだな?
[触られてばかりいるのもこそばゆい。
身体の位置を入れ替えようかと考えたところに、使い魔が飛んできた。]
[何かやり残していることは、と問われ、目を細めた。]
おまえを淫行罪で逮捕することだな。
[もう追いかける必要はないけれど。
逃走劇は終幕だ。*]
/*
寝てた…おかえりお疲れ様!(ぎゅむ。
あー。なるほどw
それは仕方ない…小物は最初に吾様に警告されたから…
[タタタ、タタとリズムを取っているようにも聞こえる銃声を伴奏に、俺は異形の腰に履かれたままの剣を引き抜き鞘も抜かずに目一杯振り抜いた]
あちゃー…これも駄目っぽいや
[鈍器と化した騎士剣は、脆くなっていた頭蓋を粉砕することは出来たけど、その一撃で刀身が寿命を迎えてしまったようだ。
崩折れる鉄は、いや錆は、鞘を支えられるはずもなくて]
とうっ!
[仕方ないから鞘で新手をぶん殴り、別の一体へ残った柄を投げつけて。 また、長物を振り回すやつを見つけたから武器を拝借しに殴りかかるとしよう。
持ってた武器はどうしたって?
弾切れだし、色々付着したものを拭き取る余裕もないものだから十体もいかないうちにナイフはナイフじゃなくなってるし、自分で考えない奴らを相手取るにはちょっとリーチが欲しいし。
うん、今の状況には向いてないから、現地調達に切り替えた!
吾様の武器借りたって、きっと十分ももたないだろうし]
[君が戦線に戻るタイミングで、吾様から方向が示されるから、そちらへ進路を取るように呼びかけて。
戦って戦って戦って転んで戦って戦って転んで八つ当たりして戦って──…
そうやって進んでいけば、新しい扉が目の前に現れた。
どういうことなのかはわからないけど、扉の前まで来たら奴らは寄ってこなくなったみたいだ]
……抜けた、のかな?
[なんて、扉の前で君と顔を見合わせて。
どうやら本当に戦闘区域を抜けたみたいだから]
……っぽいね。
扉に罠とか鍵とかないっぽいし……
[「行こう」なんて口にして、俺は君に手を差し出したのだけれど。
その手はあまりにも汚れてしまっていたものだから]
[吾様は血まみれの手を差し出して拒絶されたんだっけなんて、ここに来た時のことを思い返せば]
…………行こうか
[そう再度促す前に、この手は引っ込めてしまおうか。
本音を言えば抱きついて喜びたいところだけれど、抱きついたら君が汚れてしまうから、今は我慢することにしよう**]
[なんでも、という言葉から結構無茶を振られるんじゃないかと少し後悔をしていたのだけど。
結果出てきた彼の希望は、『デート』という比較的穏便な希望になったようだ……途中の言葉の途切れさせ方から、彼の中から口は出されていたのかもしれない。
最終的にその希望を口にして、テンションが上がったのか敵からひったくった銃を鈍器にものすごい勢いでなぎ倒していく。銃ってそういうものじゃないんだけど、おかげでこっちに流れてくる敵が減った]
デート?いいよ!
じゃあ帰ったら、吾様も一緒に三人でデートだね!
[銃で目に付く敵を吹っ飛ばし、即答でオーケーする……一応、すごく頑張ってくれているから、どこまで許容できるか考えて、できる限り。ちょっと頑張って、受け入れるつもりではあったのだけど。本人の希望がデートなんだから何も問題はない、うん。]
[鍵の方向が分かったらしい吾様の指示に従って、弾を撃ち尽くす勢いで――実際わりとギリギリのところだった。たくさん持ち込んでいるつもりだったのだけど――やっと扉の前まで辿りつけた。
少し離れたところで立ち止まっている敵と、ここにくるまでにずいぶん汚れてしまった彼の顔を順に見る。もう安全、なのだろうか。
大丈夫らしい、と少しだけ気を抜いた笑みを浮かべて手をこちらに伸ばしかけ。思い出したようにその手を引っ込めた。彼一人全身酷い状態なのだ。
さすがに気付かないなんてことはない。ポケットを探ってハンカチを取り出し、顔や頭に飛び散った汚れを腕を伸ばして拭ってあげるけど、さすがに全身は無理だ]
ジャケット、とか…脱いだらダメなのか?ちょっと、それは。
[ポケットに必要なものをつめているかもしれないから、強くは押さないけど。そういえばお菓子を詰め込んでいるんだったか、あれはもう食べられないのではないだろうか。少なくともミヒャエルはあまり食べたくない]
[扉の中は少し暗い、と思ったら魔法なのかふわりと火が灯った。ふわりふわりと、順に火が伸びていき…最後に、部屋の真ん中に置かれた台の上のジランドールに火が入る]
……。あそこ、かな?
[ここまでやって、違ったら逆に笑えるかもしれない。石の床にブーツの音が反響する。近付いて覗き込んだ先には、たしかに鍵があった。手を伸ばしかけて、一緒に覗き込んでいる彼の顔を見る]
これだよな?これ取ったら、すぐに帰れるのかな……
[あっちに戻ると、停戦は結んだとはいえ彼は長年争ってきた隣の国の軍人だ。ここに来る直前、ミヒャエル達は彼の国のやつらに襲撃されたし……大丈夫なのだろうか。というか彼の存在ひとつで戦況をひっくり返しかねないのだけれど、でも今までそんなやつが戦いに出てきた記憶はない]
……大丈夫だよな?うん…うん。
[確かめるように、何度か頷いて。やっと手を伸ばし、鍵に触れた**]
/*
やっと!鍵を、とった!!!
かんのこさんの帰ってくる時間がエグいよね…ほんとお疲れ様…体調気をつけてね?
おまえに逮捕されるなら歓迎だ。
こんな風に縛ってくれるのかい?
[嬉々として言って首に抱きつき、首の向こうで手首をクロスさせる。
ついでとばかりに首筋に口付けたところで、あ、と息を零した。]
まだおまえに印をつけていない。
[重大なことだというような顔をする。]
鍵を使った先でなにかあるといけない。
この場でつけてしまおう。
降ろしておくれ。*
[縛られることの何が愉しいのか、弾む声で快諾される。
更生の余地がなさそうであった。
何を連想したか、不意に神妙な面持ちで、降ろせと頼まれた。
彼にもやり残したことがあるようだ。]
印?
[いろいろくれたはずだが、また違うのか。
何かあるといけない、というからには保険のようなものなのだろう。]
[降ろしてほしいとと頼んでおきながら、腕は首に回したまま。
足が地面につけば、首と腰に手を添えて引き寄せ、唇を寄せた。
髪の毛の間に入れた指でそっと仰のかせ、露わになった首筋に牙を立てる。
"これは既に手が付けられている"という、吸血鬼としての印だった。*]
[それは抱擁というよりは捕食の態勢に見えた。
首筋に差し込まれる皓い牙に痛みを覚えることはなく、ただその怜悧な存在を経験する。
自身の指で梳いたのでは決して感じない毛髪の粟立つような感触は、やはり官能的なものなのだろうか。]
…シン
[止めろ、でもなく、好い、でもなく、ただ、その名を息に乗せた。]
[印に込められた意味までは知識にないが、残された痕に注がれるギィの眼差しを見れば、この印を隠したり癒したりしないでおこうと思う。
印を晒してみせることで、やっかいごとに巻き込まれるかもしれなかったが、タクマの手に負えないようなら、その時はギィがなんとかするだろう。
それだけの価値はあるものだ。]
印を授けたところで、おまえのコレクションにはならないぞ。
[言葉にしてはそう告げる。
鞘は、戦人の腰にあればいいのだ。いつでも手の届くところに。
そうして、ギィの真似をして紅の髪を指に絡めると、額に触れるだけの口づけを落としたのだった。*]
[彼の声で呼ばれる名は沸き立つような色を帯び、額に捺される濡れた感触に身体の全てが舞い上がった。
彼に何もかもを捕えられた己を自覚する。
それは幸福な気づきだ。]
実用の品を飾って楽しむ趣味は無いよ。
[飾られるために作られたものでないなら、使うべきなのだ。
愛で、愛し、活かす。そのやり方が鞘に対して適切かどうかは不明だけれども、人間の形をしたものを愛でるのならば、方法はひとつしかないだろう?]
やはり帰って続きをしよう。
あの時は邪魔も入ったし、たったの一回しかしなかったし、
そうだ。プラグもせっかく入れたのに結局活用しなかったし、
[言いながら、鍵を掲げて宙で捻る。
鍵とはこう使うものだという観念に鍵は応えた。
空間が扉の形に切り取られ、開く。
扉の向こうは、白い霧が濃く深く渦巻いていた。]
[ギィは欲しい答えを返してくれた。
何よりも、その顔に溢れ出る愛しげな表情が嬉しい。
役に立つ、というのとは異なる価値観を ── 愛されるという新しい律を、彼は教えてくれた。]
[聞き間違いではないかと眉をあげる。
彼の感覚には、いまだについてゆけないところはあるけれど。
目の前に開かれた扉を潜ろう。
絆という手錠で互いをつないで。*]
おまえが想像したことも無いような極みを見せてあげるよ。
[眉を上げた彼に笑って約束する。
開かれた扉は新しい世界への入り口だ。
お互いに、昨日とは少し違う明日へと踏み出すために、
共に、帰ろう。***]
/*
おつかれさま。これで〆かな。
続きとか後日談とか思い立ったら、また明日にでも。
たぶんそのうち、オルトゥスって呼びにくいから、名前付けるとか言い出すと思う。(
[放り込む前に君の指が俺の唇に触れて。
舌先にのる甘味に、その彼が押し込んできたものの正体>>74を知る]
ありが──…
[キャラメルの差し入れに礼をと開いた口は、君の唇が触れたことによって言おうとした言葉を忘れてしまった。
カツンと、俺の手からすり抜けた飴玉が床に落ちるのと、君が踵を返すのはどちらが早かっただろう。
君がどんな顔をしてるのかが見たいから、俺は歩調を早めるのだけれど、君も追いつかれまいと早足で進むものだから、結局反応は見れずじまい。
進行に合わせて順に灯る火だなんて、普段なら好奇心から飛びついただろうシロモノも、
その時の俺からしたら、前を行く君の表情を探るための手がかりとしか思えなかったから、部屋の真ん中まで君に遅れることなく進むことが出来た]
[飾り燭台の明かりの元、君の隣で鍵を覗き込む。
吾様によればこれが鍵のようらしいけど──…
君の視線が刺さるから、俺はそちらを向いて首を傾げていたんだけど、
君が不安げに何かを信じ込もうとしているから]
ん? ……うん、大丈夫!
[力いっぱい肯定した。
結局、なにに悩むのかはわからないけど、なんだろうと大丈夫にするから問題ない]
[……おそらく小物の同意には根拠はないのだろう。
男の不安がなんであるか予想はつくが、まあ酷いことにはならないだろうし、水を差す必要はないと吾は口を噤もう]
[
かつて吾らは今いる国に裏切られた末に、男の国の戦力となった存在であった。
記憶を失い国につくようになったものの、何が原因で取り戻すかわからない。
中途半端な怪物の生命力は、消すにも消せず、捨て置くにも捨て置けず。
戦況をひっくり返しかねない戦力であると同時に、
いつひっくり返るかわからない爆弾である吾らは、
起爆キーになりかねない男の国の存在と、接触しないように運用されていたのである。
まあ、彼の国以外の国との戦には駆り出されていたし、軍隊崩れの野盗との小競り合いにも引っ張り出されていたし。
顔を突き合わせる可能性の低い
]
[
そして、もし男の国で捕らわれることになっても、拘留はそれほど長くは続かないだろう。
吾の存在について、知らぬものしか居ないのであれば、それ即ち魔の技術が廃れているということだ。
そんな状態なら縛めを解くなど容易なことであるし。
逆にそちらへの造詣が深いのであれば、吾の存在を知るものがあるだろう。
その状態であれば、少々の試しはあれど、迎え入れられることは難しくはなさそうだ。
そして吾らが属した国の反応を見る限り、それは後者のようである。
]
…………
[それよりも、こちらの国に来たときの方を心配したほうがいいのではないだろうか?
攻撃や拘留といった不安はない。ないのだが。
小物はおそらく……いや、ほぼ確実に、男を己の番として紹介するだろう。
故に追いかけましたと、故に逆賊を見つけましたと。
「そんなハプニングも彼と一緒になると思えば問題ありませんでした!!」とか口走るだろう。
心配したほうがいいのではないだろうか?]
[まあ、帰りたい場所としていうならば、吾は男の国の方へ行きたいし。
小物は男と離れ離れにならなければどこでもいいようで、それほど場所には拘っていないようだ。
そして言わずもがな、目の前の男は──…
となれば、帰還は男の国だろう。
あちらの陣地になるか、どこぞの領内になるかはわからないが。
吾はあの国の250年前しか知らぬのだ、行き先は男に一任するとしよう*]
/*
あっちの国のじじばばなら、ヒースの顔がわかるのワンチャンあるかなあ。
絵とか書類に残ってたりするのもロマンがあるよね。
文献の場所はミヒャエル宅もいいけど、モブ文官の家とかってのも面白そう。
そしておやすみなさいー*ミヒャエル抱えつつ*
[大丈夫!と力強い肯定に、小さく笑みが洩れる。
根拠があるのかは分からないが、きっと大丈夫だ。異世界を渡るという大変そうな役割の鍵は、その仕事に対して案外小さなものだった。そろりと持ち上げるけれど何も変わらない――触れただけではダメらしい。鍵のかたちはしているけれど、この鍵をどこで使えというのだろう。
彼の中の吾様に聞くと、どこでもいい、ということだけど。どこでもってなんだ。いまひとつ騙されているような気が捨てきれないけれど、そのまま目の前の空間に向かって、鍵を指す仕草を試してみる]
……あ。
[なんか刺さった。多分これでいいのだろう。
『どこに行きたいかを考えながら使えばいい、そこに繋がる』と言われたけれど……最初にこちらに来た場所?でも襲撃を受けただけで特に行きたいという訳でもない。彼のいた砦…も、申し訳ないけど行きたいとはいえないし、おまけに彼自身も自分の国に特に拘りはないようだ。
ミヒャエルのいた部隊のいるであろう場所の近く?それとも]
――うん。あそこ、かな
……あ。
[なんか刺さった。多分これでいいのだろう。
『どこに行きたいかを考えながら使えばいい、そこに繋がる』と言われたけれど……最初にこちらに来た場所?でも襲撃を受けただけで特に行きたいという訳でもない。彼のいた砦…も、申し訳ないけど行きたいとはいえないし、おまけに彼自身も自分の国に特に拘りはないようだ。
ミヒャエルのいた部隊のいるであろう場所の近く?それとも]
――うん。あそこ、かな
[ある場所を頭に思い浮かべて頷くと、鍵を持つのとは逆の手を差し出した。どういう形で鍵の力が働くのか分からないから。彼一人取り残されたらいけないし。けして心配だからじゃない]
[そして鍵は力を発揮した。
現れたドア?を潜って辿りついたのは――ミヒャエルの家の近くの森の中。彼に聞かれたなら、そう答えるだろう]
……たぶん…君の封印に関わったのは、うちの先祖みたいだし…だったら、君のことについて、記録が残ってるなら、うちが一番高いかな、と。
[そう説明する。
本来なら、元の部隊の本拠地近くがいいのだろう。けれど直接彼を連れて行くのは不安が残る。軍事利用なんて、させずにすむならその方がいいのだ。
ミヒャエルの実家は軍の本拠地とも首都とも少し離れた場所にある。元は貴族。今となっては関係ないが、広い屋敷は元々領地だった場所に建ち、建てかえることもなく未だそこにある。調べものをするにも彼を匿うにも都合がいい]
連れて行くけど……その前に、水浴びでもする?着替えは俺のだから少し小さいけど、持って来るよ。
[実家近くの森の中、小さい頃さんざん遊んだ場所へと連れて行こう**]
/*
とりあえず実家に行ったよ!
ぶっちゃけさ…番発言をされて、一番ダメージ食らうのはここだよね、って…
よし頑張って〆よう!あと一日半くらい?*抱えられつつ、ぎゅむー*
[扉を抜ければ、そこはいつか通った森の中。
この先に家があったなぁなんて、ちらりと視線を向けるけれど、繋いだままの俺の手を引いて君がいくのは逆方向。
ああ、確かこの先には──…
そうだ、俺は君になら。
そうだ、吾は今ならば。
そうして辿り着いた先には、俺と吾様の記憶の通り。
空に向けて手を広げるような形状の大岩の傍、昔と変わらぬ姿のままの泉があった]
[俺は、着替えを取りに去るという君の袖を掴んで、行かないでと言おうとしたんだけど。
その手を抑えた手があった。それは俺の…いや、吾様の手で。
────…
そうして、俺にだけ告げられた吾様の悪巧み]
…………わかった。待ってる。
[その提案が今の俺にはとっても魅力的な物に聞こえたから、今は君を送り出そう]
[それは昔々の話、250年前より少々前の話になる]
― 回想・死が三者を別つまで ―
[王妃付の侍女の一人に連れられ、吾はこの地に匿われていた。
王妃付の侍女が王妃に侍らなくなったなら、それは女じゃないかと思ったものだが、
一回面と向かって口にして酷い目に合って以降は、こっそり思うだけに留めている。
侍女あたらめ女に随伴している騎士は、その際に大爆笑して共に酷い目に合った同士である。
お前は近衛じゃなかったのかという質問は、追求は許しませんと言わんばかりの笑顔で流されたので、これもまた思うだけに留めていた。
女と騎士が互いに思い合っていたことも、その思いが通じ合っていたことも知っていたけれど、
吾はどちらも悪しくは思っていなかったから、好ましく思っていたものだから]
[
彼らと共に生きたいと、逝きたいと思っていたものだから。
吾はそのためだけに、三つで一組の指輪を作り上げた。
指輪の力は、守護の加護と寿命の折半。
いつまでもこの時間を続けたいと、永くを共にいたいと、そんな欲望の産物をこの世界に生み出した]
[
死が三者を別つまで。
吾のそんな祈りは、結局そのままでは彼らに渡すことはできなかった。
戦が始まり、吾の力が求められ、匿われたままではいられなくなったものだから、寿命の折半という能力は彼らに害を為すだろうと。
彼らの指輪には守護の加護だけを残した状態で、まだ恋人同士でしかなかった二人に、急かす意味も籠めて結婚祝いとして送った。
顔を真赤にしてなにも言えなくなった二人が見れたのだ、それだけでも贈った甲斐はあっただろう。
その時、3つ目の指輪の存在を口にして、いつか共に居たい者が現れたら贈るのだなんて告げたのは、彼らの空気に当てられたからだ]
[そうして、彼らが式を挙げたその夜に、吾は泉に指輪を封じた。
誰よりも共に居たかったのはお前たちだったのだと、
伝えそびれた、叶えそびれた祈りの残滓を手元に置いておきたくなかったから。
それを気取られるのも好ましくなかったものだから。
3つ目の場所を秘したのだった]
― 回想・了 ―
[指輪を手にし、吾は昔を懐かしむ様に目を閉じた。
──…
それから指輪の力を組み替える。
何をしたのかを知る小物がわあわあうるさくなるのだがこれだけは譲れない。
小物はともかく、吾はあれへの感情を傍にいたいとは思えても、それがなにであるかはうまく纏められては居ないから。
あれが吾らをどう思うのか……好まれてはいる方だとはおもうが、
それにあれが自身をどれだけ賭けられるかとなると、そのままの指輪を贈るのは騙し討ちのようになるような気がするから。
……贈らないという選択肢はないし、気負わせないよう秘するという前提であるから。
寿命の折半を分譲に置き換え、受け取っても選択肢は残るようにしよう]
[指輪探しついでの水浴びを終える頃に、男は戻ってきただろうか。
ああ、そういえば、吾はその名前も知らないなと、指輪を贈る段になって気がついた。
だから、渡されたシャツに袖を通しながら、名を聞こう]
エールリヒの末裔、名前は。 ……なんと呼べばいい?
[長く傍に居たのに知らなかったなんて語りかけるのだが、思い返してみれば共に居たのは思った以上に短い時間で。
その濃度故に狂ってしまっていた時間感覚に吾は笑った]
[そうやって名前を聞き出せば、吾はミヒャエルへ名を刻んだ指輪を差し出しただろう]
ミヒャエル=エールリヒ
今しばらく、吾と共に居て欲しい。
なに、「死が二人を別つまで」とは言わないさ、
[おそらく君は驚くだろうし、婚姻の為のものと意味合いを違えて焦りそうではあるのだが。
守護の加護がつくもので、昔友人に贈ったものと同じものだと説明をしたのなら、君は受け取ってくれるだろうか?
まあ、小物は婚姻のものとして贈りたかったようでしばらくうるさくあったのだが、それはそうなったときにまた別に贈ればいいだろうということで決着がついた]
[一人突然に戻った実家ではずいぶん驚かれたけれど、今は人を待たせているからと説明は後に回した。出てきたのが母一人だったことが大きい、ここに姉がいれば絶対に洗いざらい話し終わるまで解放されないだろう。
服の中からできるだけ大きめの、多少サイズ違いでも着られそうなものを見繕いつつ自分もさっさと着替える。彼ほどではないが、やっぱり汚れていない訳じゃないから。
ライフルとSAAは戸棚の中に仕舞って鍵をかけ、準備完了。]
[歩き馴染んだ道を泉へと急ぐ。急かす気はないけど、水は冷たいだろう。木々の間から見えてきた泉の中に彼の頭を見つけて近付きかけ、一度足を止める。
これは、どっちだ。それ次第で近寄って大丈夫かが変わる。
というか、水浴びを見られるのはどうなのか。
悩んでいる間に相手の方から近付いてきたから、大丈夫なのだろう。しかも吾様の方だった]
え、名前?ミヒャエル、だよ。
ふふ、そうだね。今までお互い、聞きもしなかったね。
[言われて初めて思い出した。あんまり困らなかったせいだろう。吾様は自分は人の名を聞いたくせに自分が名乗ろうとはしないから、こっちから彼らの名をねだろうか]
[そうしてやっとお互いの名を知り合った。予想通りサイズ違いで袖の短いシャツとズボンを履いた状態は、少し間抜けだ。吾様は気付いていないようだけど、彼の中の彼――『ヒース』、は、気付いているだろうか。無意味にニコニコしてしまう。
少し間抜けな状態で、ものすごく真面目な顔をした吾様が手を差し出してきた。思わず出した手の平の上に指輪が置かれる]
は……はぁ?!あ、え?
[プロポーズ紛いの言葉と手の中の指輪の存在に、慌てすぎて手の中の指輪を落としそうになって必死でキャッチする。
それだけ焦っているというのに吾様は、相変わらずのペースで守護の加護付きと説明してくれた。しかも前にも友人に贈ったことがあるというのだからこの野郎。]
――?
??
[なんだろう。嵌めた瞬間に不思議な感覚がして、指輪と吾様…ヒースと呼んだ方がいいのだろうか。ヒース呼びだとどちらを呼んでいるのか分からないし、もう吾様は吾様でいいか。吾様の顔をマジマジと見つめるけれど、指輪の説明はあるのだろうか]
加護?っていうか…俺と吾様、なんか繋がった?みたいな、感覚なんだけど。
[ただの加護とは思えない指輪を突きつけて、相当問い詰めたのだけど吾様は口割らなかった。この野郎。まぁ返す気はないからいいとしよう。
でも仕返しに間近い吾様の唇にキスしてやったら、せっかく着替えた服のまま泉に転がり落ちていった。ざまぁみろ]
[ダブルで騒ぐヒース達を多めに持ってきたタオルで包んで家まで二人歩く。
――実際ミヒャエルは知らないのだが、指輪を継いだことのある父と母、それに結婚して母から指輪を受け継いだ姉すらも、遠い遠い昔の化け物の話を知っているだなんて想像もしなかった。
それからミヒャエルの指に嵌る指輪は、長い時の中でゆっくりと端が欠け削れていってしまったエールリヒのものと、元々の意匠は同じであると。
しかも大昔の吾様が、いつか共に居たい者が現れたら贈る>>108だなんて言ったその指輪を嵌めていたものだから。俺、男なんだけどという呟きは、一族で一番豪傑の姉に鼻で笑われた。
そうしてすっかり舗装された外堀は最早覆しようがなく――]
わかった。もう分かったよ逃げられないってのは。でもな。
――俺が納得するまで口説いてくれるなら、いいよ。
[そんな台詞によって、ついに幕を下ろすことになる**]
/*
ちなみにエールリヒの家は代々女性が強い。
ミヒャエルは小さい頃から姉にこき使われていたので料理とか家事は一通りできるという設定がありました。
先祖の侍女さんの血が濃い。侍女さんは料理下手。旦那になる騎士さんのほうが料理上手。
/*
ありがとー(ぎゅぎゅー
口説くならまかせろー!()
納得ようがしまいが口説くよ!
「すき!(訳おはよう」から「すき!!(訳おやすみ」まで。
/*
会話になってない!
(抱きついて唇寄せつつ寸止め)
もっと。違う言葉でも聞きたい。
…これで納得してないと言い張る。
/*
そんなんされたら小物は言葉で示す前に行動で示すね!
吾様はひたすら困るとおもう!
がんばるけれど、告白にならない感じなる。
メリットデメリットの話に突入したりする(本人は告白してるつもり
/*
まぁ、甘えたいだけだから…それで全然オッケーだったりする。>態度で示す
吾様は吾様らしいなぁって思いながらちゅーしよう。
この吾様が慣れることがあるんだろうか。とても可愛いし、慣れたとこも見てみたい。
/*
吾様は慣れたとしても。
そういうことはきちんと準備した上で〜とか言い出す。
キスの準備ってなんぞって話だけど。
準備ってなにー?って小物に聞かれて答えられなくなるやつ。
/*
そろそろ村が終わる時間だねえ。あと40分くらい?
楽しい村をありがとうございました。
ありさんも付き合ってくれてほんとありがとね!(何回目だ
リアルがダメダメすぎて時間関係めちゃくちゃだったけど、やりたいことが出来たのです。
/*
あ、それは小物と一緒になって騒ぐやつ。吾様表にいたらヒースと話せないはずなのに、何故かシンクロして。
吾様は吾様呼び、小物のほうをヒース呼びで落ち着こう
/*
うん。あと30分くらい。
村建てと企画ありがとうございました、楽しかったです!
かんのこさん最近忙しそうだったしいっぱい一緒いれて幸せだった!設定の話したりとか楽しかった。
うん、やりたいことは一通りできたかな?
/*
こんばんはー
わあ、村閉じが近い!
ミヒャエルもヒースも、ご参加ありがとうございました。
とてもとても嬉しかったです☆
こんな感じのペア村を気ままに企画しているので、また機会があったら遊んでやってくだされ。
/*
滑り込み間に合った感。
お疲れ様でした。ミヒャエルもヒースも来てくれてありがとう。
可愛いいわきゃわきゃ感があって好きでした。
相方もいつもありがとね。
ダーリンって呼んでほしいのかい?(照
また宜しく。次のネタを考えようね。
[城に帰ったら、先ほどできなかった続きをしよう。
新しい、自分だけの名前も付けたい。
鞘を出すのに毎回人型が真っ二つになるのは少々心臓に悪いから、人型を壊さずに本体を取り出す方法も考えよう。
一緒にしたいことはいくらでもある。
けれどもまずは、抱きしめて口接けて、こう言うのだ。]
[迷い込んだ者達が全てそれぞれの世界に帰った後、城主は再びまどろみに沈む。
白く深い霧の中、新たな訪問者が現れるその時まで、
赤き月に抱かれた森は、静かに眠り続けるだろう。***]
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