情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
……、なに…
[机の上に置かれたのは、
フレデリカの認識票と端正な造りのリボルバー>>5:336
そして、]
… ごめんなさい…?
[告げられた別離の言葉と、切り落とされた小指がひとつ>>5:337]
────…、
[少しの間、言葉も発せずにまじまじとそれを見つめた。
報告も謝罪も、ただの音として耳の上を通り抜けていく。
呆然とした顔が、レナトへと向けられた。
本当かと問う唇の動きは、音を微かに掠れさせる]
…大尉、フレデリカは、なんて…
[兵たちの報告では埒が明かない。
同じく、鋭く息を呑む音が聞こえた>>80
置かれた認識票に手を伸ばしかけて───止める。
銀に光る小さな金属片についている、鈍い血のいろ]
…っ、救助に。
場所は分かるんだろう、案内しろ。
[咄嗟にがたりと音を鳴らし、兵に顔を向け椅子から立ち上がった。
顔からは血の気が既に引いている]
─────…、
[掠れた声。機械的に動く緋の瞳と視線が交わる>>83
告げられた内容は、頭に入るようでいてどこか非現実的だ。
怯える兵に構わず、大股で彼らへと歩み寄った。
構うことなく腕を伸ばしかけ……掴もうとした手が、止まる]
… 死んだのか。
[問いかける声は、低い]
/*
あっ ベリアンが聞いたwwwナイスwww
だよねだよね。ちょうつよそう。
しかも使用条件なしでやばいくらい強そう…
…────、
歯ァふんじばって…、か……
そう、だな。
あいつ……戻るって、言ってたから、
[レナトの言葉>>101を、機械的に繰り返す。
かさりと声が乾いて、喉に引っかかった。
泣きじゃくる新兵>>102を無表情に見下ろす。
表情を置き忘れたように見ていると、彼が顔を上げた。
泣きながらも返される、力強い肯定。
それに同じく頷き返せずに、視線がレナトへと向け流れる]
だから、ファロン少尉の遺体は、お前たちに頼む。
………。敵と交戦したんだろう。
なら、少し人数を連れて行け。
フォルテア大尉、手配──…頼めるか?
[蒼白の顔を彼へと向けて、]
…。半刻…いや、一刻。人払いをしてくれ。
少しだけ時間が欲しい──…
………頼む。
[どうにか声を絞ると涙見せぬよう歯を食い縛り、
見せてはならない表情を隠すように、顔を横に逸らした*]
― 会議後回想:公国前進拠点、天幕 ―
……、ああ。
[低く、思いに沈みこむように落とされる言葉たち>>121
それに同じく、視線ばかりが目前の黒髪へと落ちる。
実像を見るわけではなく、二人見つめるのは恐らく同じ面影]
だろうなあ…。
[そう口にするのは、自分自身にも思うからだ。
弟子だからと口にしたのは、己の身を省みてのこと。
彼に──彼らに斃されていても、きっと恨みはしないだろうと]
────…
[やがて。語られる話>>122に、僅か琥珀が見開かれる。
再び焦点を結んだ目が、じっと目前へと向けられた。
全て聞き終え、重い沈黙>>123が落ちるに、動きを止める]
………、
[彼の頭の上に置いた手の指先に、僅か力が篭った。
押さえようとしても押さえきれぬように置く、少しの時間]
…ッ!!
[気づけば、彼の頭を横殴りに殴っていた。
迷いがある。だから、さほどの強さにもなったとは思わない。
が、気にすることなく次は彼の襟首を掴んだ。
一度は俯かせた顔を、強引に此方へと向けさせるように]
馬鹿とか夢とか価値とかそういった話じゃねえ!!
生きるべきとか死ぬべきとか、そういった話でもないだろう!
人を馬鹿にするのも、大概にしろ!!!
俺はお前を助けたかったから、カレルを撃った。
カレルはお前と全力で戦って、お前が勝った。
お前がここにいるのはお前だけの結果だけじゃねえ。
お前だけが選んだだけの選択でも価値でもねえ。
お前が馬鹿でも屑でも阿呆でも、ここに居て欲しいんだよ、
生きててくれて良かったと思ってる人間がいるの分かってんのか!!
[そこまで言って、突き放すように乱暴に手を離す]
……お前のことを、大事に思ってんだよ。俺も…カレルも。
生きるべきがどっちか、とかではなく。
生きててくれて良かったと、思ってんだよ…。
[口調は最後弱く、音のない息が零れ落ちる。
そのまま、心落ち着かせるような沈黙を挟み、]
故郷がないってのは、
…──俺には想像しか出来ないが、
それ、向こうの土地をさ…
買い取るとか、出来るんじゃねえの。
もう結構貯めこんだんだろ?
ついでにミュラーからも、もう少し巻き上げて、…
[口にするのは、先の彼の血族の話だ>>122
ぽつぽつと口にして、じっと静かに紫眼を見つめる]
… お前が、いつか自由になれるように。
[生意気な新入生だった頃からずっと。
彼はずっと多くのものに縛られ続けてきたのだと思う。
だからいつか、自由になれるようにと願うように口にして]
──…一人にはしねえって、言っただろうが。
[投げ出す気も、見放す気もやはりないのだと。
告げて、思うより多くを抱え込む元同居人に、少し笑った*]
― 公国拠点・臨時執務室 ―
[兵士らにフレデリカを迎えに行かせ>>110、暫し。
室内は沈黙の中にある。男は執務机の傍らに佇んでいる。
机の上には、フレデリカの遺した認識票、銃、そして指]
……、
[そっと手を伸ばして、認識票を掌に握りこんだ。
銀についた鈍い汚れは彼女の血か。
小さくて硬い金属片を、手に握り締めたまま瞑目する]
───…お前を、
… 守るって、
言ったのに───…
[涙声が崩れて、そのまま俯いた。
床にはたはたと雫が零れて黒い染みを形作る]
[そのまま、認識票を握ったままの拳を額につけた。
机に軽く腰掛けるように支えを求めて、崩れるのを防ぐ]
……っ…、
[崩れては、いけない。分かっている。
そう、
それなのに…自分はこれほどまでに、脆い]
大事なものを──…
[失わないように。と、己に告げたのは彼女だった>>0:554
その彼女は、もういない]
普通の…、女に、
…なりたいって、…いって、
[して──…やれなかった。
守りきれなかった。大切な…愛した女を。
このまま絶望の淵に沈むのは、ごく容易かろう…けど]
ディークに背負ってもらってるものはもっと希望に満ちてるものだから、
[こえが響く]
もし、そうしたいときがあったら…、
そしたら、私がディークを守ってあげるよ。
[合わせた額の向こうで、微笑む面影]
隊長がいってた…大切なもの…守りたいもの、私の光だから…ディークは。
…………、…
[それに返す言葉は、音にならない]
[ただ、思う]
(ここで崩れてしまえば、きっと、
…───お前の想いも、無駄にしちまうんだろう)
[現実にどれだけ反論したくとも。
死は圧倒的な力を持って、事実として壁の如く聳え立つから]
…、
[それから暫くの後。
ディークは机上に、ローズクォーツの通信石を眺めている。
目は泣き腫らした赤のまま、袋から出した石を見つめた。
トールより託された通信石だ。
これは今、どこに繋がっているだろう。
確かめておく必要があった。
これが真に、終戦の切り札に成り得るのかを。
けれど、今はそれよりも───…]
…、
[それから暫くの後。
ディークは机上に、ローズクォーツの通信石を眺めている。
目は泣き腫らした赤のまま、袋から出した石を見つめた。
トールより託された通信石だ。
これは今、どこに繋がっているだろう。
確かめておく必要があった。
これが真に、終戦の切り札に成り得るのかを。
繋がる先を…そして帝国の意を。
意が見えずば、このまま見えているのは全力戦だ。
公国に和平の意はあれど、帝国に意なくば戦乱は終わるまい。
けれど、今はそれよりも───…]
…。西の副寮長より、東寮長へ。
フレデリカ・ファロンが死んだ。
…繰り返す。東寮のフレデリカが死んだ。
[兵が聞いても、意味は取れるまい。
当時を知るものにだけ知れるよう声を置いて、
僅かな時間、ローズクォーツへと視線を*落とした*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新