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『キューィ!』
[ 周囲に居る妖魔を、あらかた片付けたと思える頃、ふいにヤクモが警戒の鳴き声をあげた ]
キイィィィィィ!
[ 甲高く不気味な鳴き声と共に大きな影が陽光を遮る。
空を覆う黒雲と見まごうばかりに巨大な、四枚の漆黒の翼を持つ異形の鳥。
四人の来訪者によって、着実に数を減らしていく妖魔の群れに焦れたように、その黒い翼を大きく振ると、巻き起こった嵐のような風が、小型の妖魔達までも吹き飛ばしていく ]
ヤクモ…!
[ これを地上だけで迎え討つのは無理と、そう悟って、ディークはヤクモの背に戻ると、再び空へと身を運んだ ]
ルーディ!クレス!マリー!多分、こいつが、この丘の親玉だ!
[ 恐らくは前の蛇や、牛と同じように精霊石から産み出された妖魔。これを倒せば帰還の道が開けるかもしれない、とは、伝わっただろう ]
/*
やっちゃってから何ですが、なんだろうねこのこの熱血ヒーローっぷりは。どうしてこうなった?
騎竜師だからかしら?
/*
ははあ、地上も同じ流れになったか。まあゲルトがトップとるとこうなるよね。今回ラは割と良い仕事してるかな?
[ 大きな烏に似た妖魔は、四枚の翼から嵐のような風を地上へと送りながら、「キィィ!」と再び甲高い声をあげる ]
うっるせーんだよ!
『キューィ!』
[ 直接攻撃に近付こうとすると風に阻まれる、故に高度を上げ、上空からまずはブレスを羽根に向けて放った ]
「ギャァ!」
[ 狙いは過たず、右の羽根の付け根に浴びせられる光、クレステッドの放った水弾の力>>+87と、それは相乗効果となって大烏の羽ばたきが緩み、地上を襲う風も弱まる ]
おう、頼むぜ!
[ ガートルードの声>>+90が届くと、それが彼女が術を使う為の要請と気付いて、大烏から距離を取って旋回する。
そして、大烏自身によって巻き上げられた土煙を伝うように、土と水の混ざり合った呪縛が漆黒の羽根に絡み付き地へと縫い止めようとするのを見た>>+91そこには、マリエッタの風の力も加わっていただろうか ]
さっすが!
『キュキュ!』
[ 自分は使えぬ術の力、その見事さにディークは感嘆の声を漏らし、ヤクモも同意の鳴き声で応じる ]
行くぜ、ヤクモ!
[ 産み出された機会は最大に活かさなければならない、そう決意して陽竜を促すと ]
『キューィ!』
[ 一声鳴いたヤクモの輝きが強くなり、光輝く竜は、もがく黒い妖魔に向かって、真っすぐに飛翔する ]
キイィ!
[ 輝きが迫るのに気付いた黒い翼がバサバサと動き、そこから散った漆黒の羽根が、生き物のように固まって渦を巻く。
ひとつひとつが尖った針のような無数の羽根は、明確な意志を持って、陽竜と騎竜師を阻もうと飛来するが ]
すまん、ヤクモ...!
『キュィ!』
[ 目を細め、囁いた騎竜師に、先刻承知と言いたげに陽竜は鳴き、そのまま、襲い来る羽根を避けることなく、大烏の元へと突進した ]
[ ヤクモの纏う、陽気に、半分程は灼かれたり弾かれたりしたものの、残る無数の羽根の尖った切っ先が、ヤクモとディークの身体に、幾筋もの赤い傷を刻んでいく ]
この程度で...止められると、思うなッ!!
[ 刀を抜き、眼前に迫った羽根を斬り払い、切り裂かれた傷から流れる朱に身を染めて、紅輝と呼ばれる騎竜師は、妖魔の血色の瞳を睨み据えた* ]
[ クレステッドの放った水の針が>>+97、陽竜の放つ光を弾いて煌めきながら大鴉の瞳を貫き、その視界を奪う。
後を追って無数の岩礫が、漆黒の羽根を打ち砕き、飛翔する騎竜の前に、道を拓いた ]
いけえっ!
[ その道を魁とばかりに、ヤクモの放つ光のブレスが奔り、漆黒の大鴉を陽光の輝きが包み込む ]
[ ガートルードの水と土の力に、マリエッタの風の力が加わって>>99もがく大鴉の反撃の動きを阻む ]
キイィィィィィ!!
[ 甲高く怒りの声をあげた大鴉は、最後の抵抗とばかりに、自らの鋭い爪を正面からやってくる光に向けた ]
[ 自ら放った光焔を突き破るように、陽光の竜が大鴉の目前に現れる。けれどその背に騎竜師の姿は無く ]
我が刃は
穢れ祓い 闇裂く 旭光
我が
[ 大鴉の頭上から朗として響く声 ]
[ ブレスが大鴉へ届くと同時に、そのブレスと同じ光輝を纏ったまま一度高度を上げたヤクモから宙に身を躍らせたディークの刀が、妖魔の首めがけて、袈裟懸けに振り抜かれる ]
我名
ギャアアァァァァ!!
[ 旭光纏った刃は、大鴉の首を大きく切り裂き、断末魔の声と共に漆黒の妖魔は四枚の翼をばたつかせて足掻く ]
堕ちろっ!!
『キュイィィ!』
[ 既に、術によってぼろぼろになった妖魔の翼をディークを背に受け止めた、ヤクモの爪ががしりと掴んで、トドメとばかりに引き裂いた ]
[ 首を裂かれ、翼を引き裂かれた大鴉は、錐揉み状態となって、黒い羽根をまき散らしながら、地へと堕ちていく ]
[ その姿は、地に着く前に、形を喪い黒い霧と変わって、ばらばらと地に撒かれたのは、粉々に砕けた精霊石の欠片だけだった** ]
終わった、か...?
[ 大鴉の姿が消え去ると、群れなしていた妖魔も同時に消滅していく、そして、中央の泉の魔法陣が、強い輝きを発しているのを、上空から見つけ、ディークはヤクモと共に地上で待つ、三人の元へと降りた ]
さっきの湖の魔法陣、発動してるかもしれねえぞ。
[ その魔法陣が空間を繋ぐものであることは、精霊師が確かめれば判るだろうか。
ともあれ、しばらくの間は、休息と傷の治療の時間が必要だっただろうけれど ]
[ すぐにもまた湖へ偵察に出ようとしたら、また呆れて止められたか、少しは落ち着けと言われて、漸く思い出した顔で ]
マリー、治療してくれたおかげで動けた。ありがとな、風の力も頼りになったぜ。
クレス、今度もいいタイミングの援護だったよ。おかげでヤクモはほとんど無傷だ。
『キューィ』
[ 鳴いたヤクモが、クレステッドにすりすりと鬣を擦り寄せた ]
ルーディ、大技使って疲れなかったか?
すげえ助かったけどな...ちゃんと、休んでくれよ。
みんな、ありがとうな。
[ ツッコミもどこかで入ったかもしれないが、最後にはそう言って、晴れやかに笑った** ]
あ、そーいえば。
[ 北の丘で治療をうけている最中に、ふいに声をあげた ]
さっき上で俺が叫んだ名前な、俺の
[
人前で使ったのばれると、親父に殺されるから内緒にしてくれな?
[ いたって暢気に、そう告げる。彼等にその名を知られた事は、ディーク自身の中では、全く問題にはなっていなかった ]
/*
カムナの家は、皇家そのものの神名を護る家なんじゃないかしらね、神刀とか奉じたりして、と、ちょっと脳内で捏造してはみてますが、カナン様の設定と齟齬起こすとアレなんで、妄想するだけで埋め埋めしておくなり。
あ、ちなみに、バレバレですが、神名使うと神降ろしが出来ますが(ディークの守護神は明けの明星の神様)その分寿命が縮みます。(ありがちすぎる)
おう、頼むぜ。
[ 一見、安請け合いに見えるクレステッドの言動も>>+117、それが本音のままの言葉であるが故の事と、今は思えるから、ディークはあっさりと信用する。
ガートルードやマリエッタも、恐らく秘密は守ってくれるだろう ]
んで、そろそろ行くか?
そういや、船団の方は無事かな?
[ 龍王の眷属と殴り合おうという、無謀な話は、一体どうなったのか、と改めて心配になった ]
[ お願いを聞いてくれたマリエッタにも「ありがとな」と笑って、クレステッドの言葉に頷く>>+122 ]
よし、じゃあ、俺はヤクモと先に様子見てくるから。
そっちも無理せず来いよ。
[ 元気そうなクレステッドはともかく、ガートルードやマリエッタはそれなりに消耗している筈だ、と、そう言って騎竜と共に湖へと先行することにする ]
― 湖上空 ―
やっぱり、活性化してるように見えるなあ...
[ 上空から見た魔法陣は、やはり何かの力を発動しているように見える。辺りに妖魔の気配が無いのを確かめてから、湖の畔に降りた頃には、他の三人も追いついていただろう ]
[ 丁度クレステッドが声をかけると同時に、届いたゲルトの声>>*5。しばらくは会話をクレステッドに任せて、聞いていた ]
まじで、殴って鎮めたのか...
[ 途中、ぼっそり呆れ顔で呟いたりはしていたが ]
んー...
[ 魔法陣の効果については、保証があるような無いような、微妙な状況、ではあったが ]
よし、行くぞヤクモ!
[ 全員の意見が一致したと見ると、真っ先に飛び込んだ ]
[ 出る先がたとえ、海の真ん中であったとしても、ヤクモならば凌げるはず、後に続いた者を救い上げるも可能だろう、と、そう計算してのことでもあったが ]
[ いつもの通り、と言えば、その通りだった** ]
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