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それでも、僕も──…
…… 待たせてる
[既に号は下った。最早、時はないだろう。
気持ちで負けはしない、これ以上の悔いをさせはしない。腹の底から吠えて、老将の肩口を目掛け剣を振り下ろした。*]
連邦軍騎士 ローランドは、連邦軍騎士 ローランド を投票先に選びました。
― 中央平原 南側 ―
[互いに信念を以てぶつかり合うならば、遺恨はない。ただ全力で切り結ぶのみだと、思ってはいたけれど───]
………っ !
[不意に呼吸が乱れた。手が緩む。
その隙を逃す老将でもあるまい、鋭い斬撃が襲って来た。避けきれず、咄嗟に掲げた盾は間に合わずに深く腕を切り裂かれた。痛みに顔を歪めながら、ともあれ距離を取れただけ重畳だろう。]
待───、て。 停戦、……だッ!
[なに?と問う色が老将の顔の面に揺らぐ。
時を置かず響く声のことを説明する猶予はない。だが、一先ず相手の手が止まったことをみとめて、声を張り上げた。]
戦いを、停止せよ!!
[指示は漣のように広がり行く。やがて王国軍にも引き上げの合図>>49が出れば、平原の南側で繰り広げられていた戦いも終息をしていくだろう。雨が、草原を濡らし始めている。**]
そ……、っか。なら良かった。
[声が返るのには、少し時間を要した。
もう少し早ければと言うも詮無く、響きは苦笑めいた色を乗せる。]
ならこっちも引き上げるよ。
お疲れさま、クリフ。**
連邦軍騎士 ローランドは、後世の歴史家 ベネディクト を投票先に選びました。
はは…、ごめん。
少し、しくじったかなあ。
これはナネッテさんに叱られる。
[怪我よりそっちの方が怖い。とは、本気で返した。>>7]
― 中央平原→ケノワ砦 ―
[退却の報があれば剣戟の音も止み、両軍共に兵を引いた。
大きな混乱の見られない手際の良さに、マルール軍の練度の高さも知れる。]
…、そうか。
うん、それでやれるなら良いと思う。
どちらにせよ、話が出来るならそれに越したことはない。
[メレディスのこともある。
ナネッテが取った将の身柄がそれに匹敵するのかは分からなかったけど、恐らくは問題がないとの判断だろう。
ナネッテ>>59に続き賛意を示して、頷いた。
大勢は決しただろう。ナネッテからの願い>>61が告げられるのには、少し目元を綻ばせた。]
では僕も行こう。
護衛の人選は任せて頂いても?
[クリフの言>>55にはさらりと立候補をしておいた。
構わないかと視線を流して、了承あれば顎を引く。]
────、はぁ。
いやあ、ちょっと。タイミングが悪くて。
[ナネッテに掛けられた声>>64には、はは。と、眉を下げて笑った。
盾を構えていた左腕、それは今は包帯で巻かれて固定されている。どうにも間抜けな姿であるが、命があっただけ儲けものだ。]
剣は振るえますよ。ほら。
[と、右腕を振って示す。
どうにもぎこちない動きで、護衛の役が務まるのかは疑問があるけど。]
ただ……、そうだな。
義母さんが手伝ってくれるなら、心強いんだけどな。
[と、最後は他の人間には聞こえない声で囁いて笑った。**]
あ〜……。
ふふっ、ありがとう。
でも一緒にいたらクリフまで飛び火しないかなあ。
[とは言ってみたものの、幾ら容赦のないナネッテだって今のクリフを叱ったりはしないんじゃないか。そんなことを思いながら、でも気遣ってくれる友の声が嬉しくて言葉を紡ぐ。]
でも、うん。
こうやって話してたら、少し気が紛れてきた。助かる。
[続く礼は心から。
やっぱり痛いものは痛いと、情けない顔で笑った。]
― 撤退後 ケノワ砦 ―
そこは良く無事に戻ったと褒めてよ。
はははっ、その言い方だと自分で腕を斬ったみたいだ……
〜〜…っ …、って !
[ナネッテの辛辣で温かい言葉に笑ってうっかり身体を揺らしたら、まんまと生傷が痛んでラルスは顔を歪めた。確かにうっかりと言われても、これは仕方ない。]
はは───…、ええ。助かります。
[けど、続いて返された了承>>79には頬を緩めて身体を折った。本来なら少し休ませてあげたい思いもなくはないけど。でも、彼女が来てくれるなら心強いのは紛れもない事実で。]
[それから砦を出発するまでの間を、ローランドは護衛の人選やら手配やらをこなして過ごすことになった。
護衛には騎士団から中心に、怪我など消耗の少なかった者を多く選ぶ。連邦内の他国から付き従う者もあったが、それはやはり少数となった。マルールを刺激しないよう、人員を最小限に絞ったという事情もある。
その準備の最中、怪我人を見舞うことがあった。
主には連邦の兵士らを見舞うのだが、王国軍の将兵らが収容されている辺りに見覚えのある顔があった。
レオノラ・リンザール、と。その名前に覚えはなかったけど。]
…………………… ノーラさん?
[二度、三度瞬いてベッドに横たわる人の名前を呼んだ。
お知り合いですかと傍らの衛生兵から問われるのに、信じられないように意識のない若い男の顔を見下ろして、また長い息を吐く。]
ああ…、いや。
レオノラ? …だからノーラか。
あ〜…、うん。
多分、昔の僕の命の恩人。だと、思う。
なんで王国軍人なんてやってるんだ…………?
[多分お互いさまになるような疑問を呟いて。
意識ない人の顔を見遣って、少し首を横に振った。]
ああ、すまない。邪魔をしたね。
この人の意識が戻ったら、連絡をくれないか?
それまで、頼むよ。
[衛生兵に向け、殊更に彼を頼むことはしない。助けてやってくれと頼むこともしなかった。それは彼らの仕事であり、言われずとも全力で務めを果たそうとしていることは見れば分かる。
だから頼むとのみ言い置いて、その場を離れた。かつて見たとは違う血の気を失った顔に、また一つ重い息が零れた。]
― 砦にて ―
[王国軍との会談に向けて準備する合間に、戦いの前にナネッテと交わした言葉を思う。怪我をして彼女に叱られるかな、なんて思ってしまったのは、実のところあの会話>>52も大きかった。]
少し、いいかい?
[出立前、ローランドは準備の合間を縫ってナネッテの元を訪れた。開戦前のあの時と同じ、二人の時間だ。あの時とは違って、今はみっともなく左腕を怪我してるけど。]
どうしてるかなと思ってさ。
疲れただろ? 大活躍だったって聞いている。
…… やっぱり敵わないなあ ……
[商人としても、軍人としてもだ。
どうしても自分はこの人には敵わない、まだ。そんな思いを苦笑と共に滲ませて彼女を見遣った。一時は”義母”とすら呼んだ人を。]
いよいよ、ここだね。言ってただろ?前に。
「落としどころ」の話さ。
まだこれからだけど───…、うん。
[大した昔の話でもないのに、なんだか随分前に話をしたみたいだ。そんなことを思いながら、開戦前の会話>>46を引いて。]
結構、悪くないところに落ち着くんじゃないかな。
どう思う? 戦場で見たんだろ、向こうの司令官。
あなたの目にはどう映った?
結構な人物らしいとは聞くけれど。
[ナネッテの目にはどう映っただろう。この人を見るにシビアで現実的で、目の肥えた人の目に。緩く、そんな問いを向けながらラルスは穏やかに目を細めた。]
もっとも……クリフが出来る、って判断した。
僕はそれを信じてもいる。
自分でも言ってただろう?
あの教え子の心根は誠実だ、って。
クリフの目は歪んでいない。
だから人を見る目も良く持っている…と思う。
誰に脅されたわけでもなく、クリフが王国側に行って会談するという。それだけ信用するに値する人物───なんだろうと、思ってる。
だから、会談には僕も行く。
その判断が正しいように。
そして、もしものことがあったら…、
…まあ、この腕じゃ壁にもならないんだけど。
[やや情けない顔で、怪我をした腕に視線を遣って]
でも、その時には是が非にでも彼は連れて帰らないとね。
言ったろ? 稀有な才能の持ち主だって。
クリフは本当に、大事だからさ。
[ラルスの顔に、自然と笑みが浮かんだ。
友を自慢するように、誇るように。]
でも………、うん。
死なない。
死んじゃだめだなって、強く思ったよ。
今回、こんな怪我をして特に。
僕は生きて、きちんとこれからも働かなきゃ。
だからその、……ごめん。
あと、ありがとう。
[結局、叱られるなんてことはなく。
温かい手に、肩に手を触れられて。>>130]
何やってるんだって、叱られるのかなって思ったんだけどさ。
…生きて、帰って来て嬉しいって言われて。
やっぱ大事にしないとなあって ……
[完全に息子の感慨を零して少し笑った。]
クリフ、あとでそっちに行っていい?
この怪我だから、酒は飲めないんだけど。
お土産、渡してなかったからさ。
[それはいつぞやのリクエスト。>>1:=0
メレディスに届けて取り分けておいた>>2:136素朴な焼き菓子。彼には直接手渡したくて、ずっと持ち続けていた小さなお菓子だ。]
僕もまだ食べていないんだけどね。
きっと美味しいと思うんだ。
あとで、お茶を用意して待っててくれるかい?**
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