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有難う。
アンタが彼奴の従華じゃなくて、ルートがこの世に存在してなかったら。
俺が惚れてたのはアンタだったかもな、ナネッテ・ナイトレイ。
[爪の先に軽い口付け。
にんまりと笑って、何処かから非難の声が飛ぶ前にさっさと背を向ける。
近くで待機している青年の方へ向かい、しかし声を掛ける前に一度だけ振り向いた。
遠ざかる青い狩衣に向かって、子供のような笑みを。]
──
楽しかったな、また
[呼んだのは、音にするのが初めての彼の名。漏れ聞こえた会話>>+29に、喉に引っ掛かっていた小骨が取れたような心持ちで。
背を向けた男は、己の従華たる青年の方へ今度こそ歩み寄った。*]
[褒めてと強請る仔犬のような青年の様子に、自然頬が緩む。
視線を遮った陣羽織の中で額を擦り寄せると、頬を労うみたいに撫でられる。擽ったさに少し笑って、それから長い尾を彼に巻き付け小さくまじないを唱えた。]
……《
[鱗が剥き出しの左手で、とん、と青年の心臓の上に触れる。
肉体の破損を防ぐ守りの護符だ。
蒼月から受けた傷を癒すには足りないかもしれないが、この後受けるダメージを軽減するのには役に立つ。
やがて、参りましょう、と鼓舞する声>>23。
布の内で貰った『不意打ち』に目を瞬いていたが、軽く頷き羽織りなおす。雷華の象徴が咲き乱れる、その陣羽織を。]
超絶眠ィが仕方無い。もうひと踏ん張りするかね。
[大きく伸びをして、元の金属塊へと戻った戦鎚を手の中で弄ぶ。
振り返った視界に、ゆっくりとこちらへ降り立つ白蓮の花>>19。対するのは、あの氷華を破った蓮魔の従華、相手にとって不足は無し。]
まァ、そういう訳だ。
ひとつ宜しく。
[従華たる銀狼の力強い名乗りに>>24充てられたように獰猛な笑みを浮かべた。
尾が強く地面を打つ。手の中で脈打つように熱を放つ黒鉄の塊が、再び解き放たれた姿を見せつつあった。**]
― 回想 ―
[語られる主の話を静かに拝聴し、わずかながら、その一族について知ることになる。
稲妻纏う主の髪を眺め、ほんのわずか目を細め。]
ならば、私も貴方に連なる者の一員としていただいたのですね。
[つまり、この人が、己の“親父”となるわけなのだろう。
仲睦まじいと思っていた狼たちも、主の兄弟であるという。
種族の壁すら容易く乗り越えたこの在り様は、男にとっては新鮮であり、そしておそらく、好ましかった。
と、駆け寄ってきた狼の一頭に、鼻先を近づけられて、目を丸くする。]
え…あ、は…?
[言われるまま、半ば口をあけて硬直すれば、口元に感じる濡れた熱。
場合によっては恐怖の一つも感じる状況なのだろうと思いながらも、そんな気は全く起きないのだから、これは不思議なことである。
しかしどう見ても、相手の獣からは好意のようなものしか感じられない。]
う、ぁ
[さらにもう一頭が加われば、あっさりと敷布の上へと転がされてしまい、間もなくふた塊の灰色に埋もれてしまった。]
ちょ…くすぐ…
[狼たちは、容赦なく洗礼を浴びせてくる。
ありがたいと思いつつも、さすがにこちらは人間である。
顔中べたべたにされるのには少々、閉口する。
伸ばした指の先で、もはやどちらかわからない狼の耳の下を軽く掻いてやる。]
わ、ちょ…
[そうこうするうち、のし、と胸の上に陣取られてしまい、無抵抗を決め込まざるを得なくなった。*]
ミズハシハルト、な。俺に勝てたら覚えてろう。
──いいぜ、威勢がいいのは嫌いじゃねえ。やれるモンなら、
[再び無骨な姿を取り戻した戦鎚を、紅い稲妻が舐める。バヂ、と一際大きな閃光が舞った。
その瞬間。]
我が鉄鎚、我が魂!ブチ抜いてみろやァア!!!
[猛り狂った獣の咆哮。
稲妻と浮遊する礫を巻き込んだ戦鎚。遠心力に乗せたそれが、男の手から放たれ聖蓮の射手に向かって飛来する!*]
雷華の族長 ガートルートは、聖蓮の花神 マレンマ を投票先に選びました。
雷華の族長 ガートルートは、聖蓮の射手 ノトカー を能力(襲う)の対象に選びました。
進むか。いいねェ。
[放たれた戦鎚と礫に怯まず、少年が踏み出したのは前への一歩。大地が砕ける轟音と共に緋色の獣は地を蹴った。
姿勢を低く戦鎚の軌道を追う。
立ち昇る土煙の中、直撃を免れたらしい少年が何かを構えるのが見えた。]
ッちィ、
[破裂音。
紅蓮を纏う銃弾が迫る。回避には遅い。
ならば首と肩を逸らす、最小限の動き。どうせ
左手一本くれてやらァ!
[着弾の瞬間、低い姿勢を更に前傾する。右手が地を掻くそれは、ナネッテの時にも見せた獣の疾走だ。]
……っぐ、ァ…!
[左肩と上腕が、目映い紅蓮に斫られた。緋い鱗と肉が弾け、内側から稲妻が漏れ出すように迸る。
だが、三本足の疾走は止まらない。速度を落とさず、土埃の中の少年を捉え──]
ゴガッッ!!!!
[体重に速度を乗せた突進。羚羊の角を打ち付ける頭突きが炸裂する。*]
[吹っ飛んだ少年の体が、それでもその姿勢のまま二撃目を放つ。>>*16
尾を地面に叩き付け衝突後の慣性を無理矢理殺すが、至近距離からの発砲を回避するには数瞬足りない。
不自然な姿勢から飛んだ灼熱の弾丸は狙いは定まっていないものの、右の脇腹の肉が服と一緒に弾け飛ぶ。
奇しくも傷は互いに同じ位置。
獣は三本足のまま体を捻り、追撃から己を庇うように太い尾を前面に翳して荒い息を吐いた。]
は…、っ、はァ、…
[地に落ちる紅い雫から雷花が芽吹く。
『来い』。小さく呼ばうと、地に突き刺さっていた戦鎚が浮き上がり、男の右手に収まった。
右手一本で戦鎚を構え、尾に体重を預けながらも二本足で立ち上がる。砕けた骨と僅かな筋繊維のみで繋がった左腕は、もう機能を失っていた。]
どうした小僧ォ!威勢が良いのは口だけかァ?
[叫んで、鎚頭を地面に叩き付ける。
砕けた石や礫が浮遊し、長柄はまた紅い稲妻を纏った。]
俺をブチ抜いてみせるんだろ、──構えろよ。続きをヤろうぜ?
[挑発するように尾を打ち鳴らす。
熱を帯びた戦鎚が徐々に礫を纏い変形し始めていた。*]
─ 回想 ─
『ならば、私も貴方に連なる者の一員としていただいたのですね。』
[静かに話を聞いていたルートヴィヒが言う。
ガートルートが口を開く前に、またシヴがピクリと頭を動かし、アイスブルーの瞳でこちらを見た。
あー、と笑み含む声で珍しく曖昧な返事。
興味を失ったように頭を伏せた狼を見て、男は少し眉を下げる。]
ルートの場合はちょっと特別。
雷華としての転身より従華としての性質が勝るからな、『今は』。
[ココが繋がってるから、父子というより、分身に近いんだ。
そうして指で叩いたのは、己の胸骨の上。
その奥にある臓器を指しているのは青年には伝わったろうか。
ルートヴィヒが狼達にのし掛かられたのは、そんな会話のすぐ後だったか。]
っははははは!
ホンッットに気に入られたなァ。
[顔中すっかり舐め回されべとべとにされ、眼鏡もズレたまま敷布の上にひっくり返りもはや無抵抗を貫いていた青年に男は笑い声をあげて労った。
膝立ちでにじり寄り上から覗き込むと、ひょいと眼鏡を外して清潔な布で顔を拭いてやる。
満足したらしい二匹のハイイロオオカミは、めいめい外や別の部屋に移っていった。]
…っく、ふふふ…
[未だ笑いの治まらないガートルートは、卓の上の陶器から三つ目の
ルートもたべるか?
[半身を起こしてやや憮然としている(気がする)青年に首を傾げて問うた。
しかし、それは問いの形をしてはいるものの返事を待つ気は無いらしく。
床に手をついてまるで先ほどの狼達のように青年の腹にのし掛かる。
下から覗き込んで鼻先を寄せて、彼の下唇をべろ、と舐めた。]
くち、あけて。
[反応が返るより先に唇の隙間から舌を捩込む。柔らかいあまいものを青年の口内に押し込んだ。
そのまま、溶かすみたいに舌先でその物体を追い掛ける。バターと砂糖のにおい。子供が好むような、甘さの。]
ルート、…………。
[小さく呼んだ名前は、互いの口の中のそれと同じ味がした。
狼達がしたのと同様に青年の腔内を繰り返し丁寧に舐め上げる。舌の奥、上顎、喉の方まで、漁るように何度も。
溶けかけだった
男はようやく身体を離して、ぼふ、と青年の腹の辺りに顔を埋める。
"獣が相手の口元や口内を舐めたがるのは、主や仲間に対する挨拶は勿論、親愛や好意を示すことが多い"。
先ほど自分でした説明を、こちらを向く青銀の瞳を見上げながら再度口にして。]
……まあ、俺のは、甘えてるだけだけどな。
[腰に腕を緩く回し、青年の腹に顔を埋めたままくつくつと笑って、言った。*]
― 回想 ―
[一族より強固な繋がりを示唆され、胸の内に広がる悦び。
顔に現れたソレは、主にはばれていただろうか。
しかしそれを確認するより先に、狼たちの洗礼を受ければ、どこか茫然としている。
覗きこまれた金色を見返すと、顔を清められた。]
ん…ッ
どうも…すみません…
[力なく返した礼は、しかし決して嫌そうなものではなく。
ただ人の身をもつ男には、いささか強烈だったというのは見て分かったかもしれない。]
[半身を起して、少し頭を振り、しかしまだどこか悄然としていると、菓子を勧められた。
しかし、いただきます、と返事をするより先に、近づく顔。
…この体勢は、身動きができない。]
っは…あ…?
[大きな獣のような人だとは思っていた。
だが、“人”である。
少なくとも、姿かたちは。
突然の事に硬直している間に、口の隙間から押し込まれたのは…]
ん、は、ぁ…ッ!
[幼い頃から戦いに明け暮れ、まともな口づけ一つ経験のない朴念仁である。
そんな男にこの挨拶は、些か強烈に過ぎた。
獣の舌とは異なる、もっと明確な。
ぞくり、と背筋を駆け抜けた物の正体を知らぬまま、気づけば解放された口元から零れる呼吸音が、ぜぇはぁと煩い。]
は…は…
[腹に埋まった主が、説明のように口にした言葉には、ただただ頷いて。
その意味を考えるのは、また後の話である*]
若ェうちは生き急いどけよ、カンオケまではあっという間だぜェ?
[薄紫の蓮の花弁に抱かれ地面への激突を免れた少年が、叫び返すのを笑って見遣る。
どこからかリィン、と細い鈴のような音が響いた気がした。
飛び道具での攻撃を止め、次に少年の手に現れたのは水の刃。>>*28
片腕のみで機動には劣るとはいえ、戦鎚を持つこちらの間合いに飛び込んで来るのは、策が有るのか、向こう見ずなのか。]
十分過ぎるほど生き急いでるか。
付き合ってやるよ、小僧。
[呆れたような物言いに、けれど語調は楽しげで。
振り下ろされる、得物を持つ右手を狙った一刃。男は、地に鎚頭を降ろすとそれを軸にくるりと半回転して、半分以上肉も骨も削げた
スパン。
残った骨肉を断つ感触は、水刃を握るその手に届いたか。
小気味いい音で男の左腕が飛ぶ。
ついで、回転の勢いで太い尾を使い少年の足元を足止め程度に払った。
放物線を描いて落ちる左腕を、つま先で蹴り上げ口でキャッチする。]
ありがとな、
[切れた腕の纏う軍服の端を咥えたまま、にやりと笑い戦鎚を横に薙いだ。狙うはその胴。*]
/*
しまった
90度回転→左腕飛ぶ→90度回転→尾で足払い→90度回転→つま先で腕を蹴ってキャッチ→90度回転で元に戻って戦鎚で横薙ぎ
半回転+半回転てちゃんと書けばよかったーギャー
お前が斬ったんだろ、ピィピィ喚くなよ。
[横薙ぎの戦鎚が少年の胴を浚った瞬間、そのままま斜め上に振り上げる。
宙高く吹っ飛んだ姿を視界に収めつつ、長柄を手放すと咥えた腕を右手へ。
視線を廻らせ、水に飲まれまいと雷狼を駆使する青年>>*30と、自ら攻撃に踏み出す花神>>*32視認。
護符が効いているのなら手出しは無用と判断し、それから遠い場所から此方を観戦する旧友>>+60に向かって、右手に携えた『それ』を文字通りぶん投げた。]
蒼月!悪ィ、持ってて!!!
[花に
[宙空で回転しながら落下する少年が、視界の端で身じろいだ。>>*37
乾いた破裂音と共に上空から降り注ぐ弾丸。短い舌打ちひとつして、身を低くし尾で頭部を庇う。弾道を読むには角度が悪過ぎる。
一発、二発。足元の地面が弾け飛んだ。
三発。左腿を掠める衝撃。四発。赤灼の髪が弾け焼き切れる。五発。
カァン!と高い反響音。右の角の付け根付近に着弾した弾が、緋色の獣の皮膚を剥ぎ取った。がっ、と短い呻きを漏らし手のひらで右目の上を覆う。修復が間に合わない。否、もとよりその能力は、今の男にはほんの僅かしか残されていない。]
あと何発残ってンだろうなァ、しゃらくせぇ…!
[先の争いにより入った罅まで広がって、右目周辺から角まで緋い鱗と毛を纏う
構う様子もなく少年が着地する辺りに向かって、戦鎚を握り距離を詰めた。*]
いいねいいね、そういう分かり易いの、嫌いじゃねえよ
[落下してくる少年の頭上に巨大な水刃が形を成す。
デカいの。重いの。強いの。
構築イメージのシンプルさに喉奥低く笑って、右腕に力を込める。
浮いた礫と石片がガチャガチャと悲鳴を上げ、戦鎚の形を変えていく。]
真っ向勝負と行こうぜ、小僧!
[ぎちり牙を剥いた獣の手に、握られたのは遥か上空から迫る巨大な水刃と同じ形を成した戦鎚。]
ッるぁぁああアアァァア!!!!!
[咆哮と共に、二つの刃が激突した。*]
[貫かれ割れた水刃はそれでも圧倒的な質量で降り注ぐ。
尾で打ち払おうにも量が多い。しかし刃を放った腕を下ろさず、意識は上空に未だ在る戦鎚へ。
崩れながらも鋭さの残る水に身を切り裂かれながらも、片腕を掲げたままの男は凄絶な笑みを浮かべていた。]
彼奴が俺を王にすると云った。
ならば俺は彼奴の望む者で在ろう。
[衝撃に耐え兼ね砕けた地面から上がった礫が少年を打つ。その礫すら戦鎚の剥がれた装甲に加わり、一本の柱じみた槍の形を形成してゆく。紅い稲妻が、唸りを上げて舞い躍った。
パキン。右手の皮膚が剥がれ落ちる。残った腕も、脚も、抉れた脇腹からも、雷と赤い雫が漏れ出して。
形を、己を、保てなくなる前に。]
これで終いにしようや…
穿て!我が魂の槍《
[怒号と共に、水の大剣と鉄の槍がぶつかり合い────。**]
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