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コンラート、次で行動に移ります。
イェンスの方を仕留めましょう、彼の方がより慎重で、その分面倒ですから。
[そうして、赤に突如響くのは攻撃の指示である。
セルウィンのみならともかく、コンラートの事まではやはり誤魔化しきれそうにはない]
なぜ、そんな事を問うのですか?
貴方達は彼について、何をご存じなのでしょうか。
[声音が半音下がり、張り付けた笑みには氷のような冷たい影。
ざり、と石畳を踏んで彼らの方へと一歩踏み寄った]
もし、知ってはいけない事をご存じなのなら。
――申し訳ないですが、ここでご退場いただきましょう。
[ヴァイオリンを構え、弓を振り上げる。
それは魔法を発動させるための前準備。
――即ち、明確な攻撃の意思*]
えぇ、そうです。
彼とは古馴染みですし、こちら側の方が私の性に合いますから。
操り人形の
[イェンスの問い>>134に頷いて、ヴァイオリンの弓を振り下ろした。
高く伸びやかな音が広がって、水が甲冑姿の騎士を形作る。
けれど、その瞬間にシェイが動いた>>131
傍らのイェンスの腰を抱いて、勢いよく駆け出してゆく>>132]
……ッ、しまった!
[魔法による加速は、後を追うには敏捷すぎる。
否、そもそも魔法を発動させてしまった以上、セルウィンが彼らを追う事は叶わない]
[数秒後、彼らの姿が完全に見えなくなってから、獲物不在を示すように水の人形がパシャンと崩れ落ちた]
……逃がしましたね。
功を焦りすぎました、とんだ失態を演じたものです。
[ため息交じりに呟いて、セルウィンはヴァイオリンを下ろす。
ちらりと横目で見やれば、コンラートは安堵したような息を吐いていた>>135]
コンラート、安心するべき場面ではないですよ。
[思わず咎めるように言って、コンラートへと鋭い視線を送る]
これは後が厄介そうです。
事態が拗れる前に、なるべく多くの見習い魔女を脱落させてしまった方が良い。
[おそらく、彼らはセルウィンを人狼だと誤解した事だろう。
ならば、こちらが攻撃される前に、こちらから攻撃を仕掛けていくしかない。
そろそろ口先で騙せそうな相手も減ってきた事を思うと、気が滅入って仕方ない]
なんにせよ、いつまでもここに居るのは不都合が多そうです。
場所を移しましょう。
――貴方はどうしますか?
[共に来るか、それとも別行動をするか。
一緒に行動した方がセルウィンとしては安心だが、彼がどう考えるかはわからない。
念のためにと問いかけて、墓地の方へと視線を移した*]
感謝なんて不要です。
私は、私の利益の為に動いているのですからね。
[嬉しそうな様子のコンラートを見遣り、返すのはわざとらしく突き放すような言葉。
自分で自分を愚かと思うけれど、彼に情が移るのは避けられそうにもない。
――自分自身の目的を思えば、そんな感情、切り捨てるべきだというのに]
……なんです?
[自己嫌悪で少し気落ちしていると、耳を打つのはいつもの嘘混じりの言葉。
唐突すぎる質問に、思わず目を瞬かせた]
……どちらが好きかと言うことなら、私は白銀の方が。
[桃色は女性的すぎますよね、という率直な意見である。
訝しむよう、コンラートを見つめる]
感謝なんていいです、と言っているのに。
全く、貴方ときたら……。
[呆れたように返しながら、ふと違和感を感じたのは彼の笑みにだ。
何故だろう、その笑みが日ごろの彼のそれと、僅かに重ならない気がする。
――いや、それは今に始まった事だったろうか]
コンラート、貴方は
[問い詰めようと口を開いた刹那、伸びてきた手がセルウィンのジェムへと重なる。
正確には、彼の手にした白銀のジェムが]
[その途端に流れ込んでくるのは、強大な魔力の奔流]
……っ、コンラート!?
[半ば魔力に酔ったような状況で、上擦った声で彼の名を呼んだ。
枯渇していた分の魔力が補われ、疲労感も払拭されている。
何をしたのか、と言う問いは、続く“蛇”の答えに現れた]
『魔女のじぇむじゃな』
[単刀直入な一言。
それに目を瞠り、コンラートを凝視する]
なぜ、自分で使わないのですか。
貴方ときたら本当に……!
[本調子ではないくせに、と責めるような口調になったのは、それだけ彼を心配していたからだ。
人狼である彼には生き延びて貰わなければ困るのに、とどこか言い訳めいて考えながら、コンラートを睨みつけた]
私を庇おうとしたり、私に魔女のジェムを使ったり。
私は――、私には、そんな必要はないと言うのに。
[それでも、彼の好意を思えば、言葉は自然と尻すぼみに縮まる。
額に手をあて、ゆるく首を振った]
……ですが、有難う御座います。
[これで、セルウィンは新たな魔法を得られる。
見習い魔女を倒す手段が増え、試験を合格できる可能性がより高まる。
有難い気持ちは本物だ。
――けれど、胸に湧くのは彼を裏切っているような、鈍く重たい罪悪感。
それを誤魔化すよう、コンラートから顔を背けた。
墓地の方へと歩き出す*]
――西通り――
[墓地に足を運ぼうと思ったのは、そこが母の眠る地である故か、それとも直観か。
近場まで足を運んだ所で、気付いたのは戦闘音である]
……ディアボロスと戦闘でもしているのでしょうか。
[カスパルが積極的に見習い魔女を襲う姿が想像できず、真っ先に想像したのはそんな無難な展開だ。
だが、様子を窺おうと遠目に墓地を眺めて、その予想はある意味覆された]
――カスパル。
[袂を分かったばかりの彼が、ディアボロスと戦闘している>>119
近くに居るのはシグルドと、アヴェとの戦闘時にジェムを分けてくれた少女か]
[こちらはこちらで面倒だ、とセルウィンは思わず頭を抱える。
先手を打って見習い魔女を早めに始末しようと思ったのに、その側にカスパルがいるとは。
ため息混じりに恨めしくカスパルを見遣って、それからいいえ、と目を細めた。
彼の側に居るのは、少し前に行動を共にしたシグルドだ。
カスパルが別離した食堂での一件以降、互いに顔を合わせてはいない。
もしかしたら、彼ならばセルウィンが誘い出せば、墓場を出てきてくれるかもしれない]
[足音を潜め、墓地の方へと近寄った。
乱戦中の彼らを尻目に、木陰に身を潜め、ヴァイオリンを構える。
奏でる旋律は、魔力を帯びたそれではない。
夜霧 静寂がかつて、来島 ショウへと聞かせた事があるヴァイオリンの練習曲。
数小節だけ曲を弾いてから、木陰から飛び出し走り出した。
ちらり、とシグルドへ視線を投げて、付いてくるようにと視線を送る。
彼はセルウィンに気付くか、それとも――*]
駆け出しヴァイオリニスト セルウィンは、図書館司書 シグルド を投票先に選びました。
/*
恐ろしい事に、自分がシグルドさんに投票することをうっかり忘れそうになっていた罠。
でも、これで取りあえず第一ミッションクリア!
後は、頑張ってシグルドを襲撃します。
セルウィン頑張る!!
/*
シェイさんお気になさらずー!
でも私、シェイさんが村建てさんに見えて仕方ないので、あんまり「こうこうこういう事情なので気になさらないで大丈夫ですよ」って細かく説明しなくても大丈夫かなぁ、と言う気がいたします。
違ったら申し訳ない……ッ。
/*
>シグルドさんメモ
勇者ーーーーーーー!!(ぶわっ!)
すみません、有難う御座います、本当に有難う御座います……!
過去縁故の無茶ぶりといい、シグルドさんには足を向けて寝られない……ッ。
――公園――
[踵を返したセルウィンが向かったのは、少し先にある公園だ。
そちらには人影もなく、ディアボロスの気配もしない。
彼と話をするには、おそらく最適な場所だろう。
中央までたどり着いた所で、足を止めて振り返った。
後を追ってきたシグルドを、真っ直ぐに見つめる]
こんな所にお呼びして申し訳ありませんでした。
シグルド、いえ、来島先輩。
[あえて名前を呼びなおしたのは、彼に自分の素性を示す意図。
少し強張った表情を伏すよう、束の間視線は足元へ落ちる]
……隠し立てしていてすみません。
なにせこの姿なものですから、自分が夜霧 静寂だと名乗るのが恥ずかしくて。
[続ける言葉は、真実の混じる嘘。
魔女としてのこの容姿を、セルウィンは確かに知人にあまり知られたくないとは思っている。
けれど、彼に素性を隠した理由は、それが全てではなかった]
ひとつだけ、聞かせて下さい。
貴方はこの試練に、何を望んで挑んだのですか?
[問いは、彼の前に姿を現した時と同じように唐突なもの。
底の読めない瞳で、彼を見つめて返答を待った*]
/*
コンラートさんが可愛くて生きるのがつらい……!
すみません、静寂の願いごとがろくでもなくてえぇぇぇぇ!
この赤窓悪役コンビは本当、とことん救いのない道に突き進んでいきますね……。
[誰かの希望を護りたい>>186
それは、実に彼らしく、高潔な願い事だ。
セルウィンには到底真似できない、優しさに満ち溢れた尊い祈り]
……そう、ですか。
[小さくそう呟いて、少しだけ目を伏せる。
彼と目を合わせる事を躊躇うように。
自分自身の抱く想いを恥じるように]
少しだけ、昔話をしましょう。
幼いころ私は、父の奏でるヴァイオリンの音色に魅了されました。
父のようになりたい、あんなふうにヴァイオリンを奏でられるようになりたいと、そう焦がれたのです。
[それは、かつて夜霧 静寂が彼に聞かせた話だ。
静寂にとって、あのヴァイオリンの音色を聴いた日から、父はいつでも憧れの存在だった。
昔はよく、「父のようになりたいんです」と村の住人に口にしたものだ。
頬を上気させ、子供らしく目を輝かせて。
今はもう、手に届かないほど遠い、夜空の星々を眺めるような思い出の数々]
父が最も好む曲は、ベートーベンのクロイツェルソナタでした。
ヴァイオリンソナタの最高傑作。
難易度の高さとその風格で知られた、素晴らしい曲です。
[その音色は深く重く、心に訴えかけて琴線を掻き乱す。
父の奏でるそれは、いつもひときわ激しく、聴くものの魂を絡め取るように朗々と響いていた。
物思いにふける気持ちを振り払うよう、左右に首を振る。
再びシグルドへ視線を合わせ、浮かべるのはどこか歪な、泣き笑いのような表情]
文豪トルストイは、この曲に触発されて同名の小説を書き上げました。
妻を友人のヴァイオリン弾きに寝取られた公爵が、妻を刺殺した事を告白する小説です。
[セルウィン自身は、その小説を読んでみたいと思ったことはない。
何故父がその曲を愛するのか、どんな気持ちでいるのか、理解したいと思わなかったからだ。
言葉を切り、続ける]
父は、おそらくその小説の主人公に共感したのでしょう。
同じように、友人に妻を寝取られた男として。
――私は、父の実子ではないのです。
[それを初めて知ったのは、一年前の事だ。
ヴァイオリニストとして道を踏み出したその頃に、父と言葉を交わす機会があった。
喜び、意気揚々と向かった静寂を待っていたのは、けれど受け入れがたい事実でしかなかった]
お前の存在は過ちだと、そう面と向かって宣告されました。
生まれた事自体が間違いだと。
[妻を寝取った男と、妻の間にできた子供。
血のつながらない、忌まわしい異端児。
父にとっての静寂は、ずっとそんな存在でしかなかった。
信じていた血の絆などは初めから存在しておらず、ただ幻を追いかけていただけ。
ずっとずっと、静寂は不毛な望みを抱き続けていたのだ。
愛されるはずがないのに、父にそれを求め続けていた]
だから、私が望むのは解放です。
[宣告するように声を響かせ、シグルドの方へと歩み寄る。
無防備に、けれど決然とした足取りで。
そうして、彼の真正面で足を止めると、背伸びしてその耳元に唇を寄せた。
――囁く]
私は、私の産まれなかった世界を望む。
[消えてしまいたいのだと、ただそれだけを]
――だから、来島先輩。
貴方はここで、脱落してください。
[至近距離で、ヴァイオリンの弓を持ち上げ、彼の首筋に宛がった。
無造作に、それを引く。
彼の経度脈を、切り裂こうとするように]
そん………な…………
どうして………
[消えたい、だなんて
まるでその名前の通りに、音もなく、消えるというのか
目を伏せ、絞り出すように呟く]
………僕は、君のヴァイオリンの音色、好きだったのに
あの時、僕の家の庭で、君のヴァイオリンと歌えて、楽しかったのに……
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