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[士気の問題を解決すれば、まずはヴェルザンディから譲り受けた弓隊に号令。]
弓隊!騎兵がこちらへ迫っている!急ぎ斉射の用意!
しっかりやれよ!お前たちが死したあと、お前たちの指揮官に、胸を張って報告できるようにな!
ゴブリンども!連中の足を止めろ!
柵などを運んできたものは、連中が到着するまでに建てられるだけ建てろ!壊されても構わん!
奴らが来次第、弓の心得があるものは射よ!無きものは石でも投げておけ!
[さて。
戦術的な簡易柵を持つ者も居たため、ゴブリンやコボルドの兵士達は大急ぎで柵の設置を始めた。今のところ逃げ出す様子はないが、騎兵が接近してくれば一目散に逃げてもおかしくはない。
迫り来る騎兵隊は千騎近くはあるように見えたが。しかしそこに魔術の匂いがすることにはクレステッドも気づいていた。目眩ましだろうとは思うが、しかし実数が解らない。
いずれにせよ単純な兵数では勝っているだろうが、相手が騎兵隊であることを考えれば、見た目通りの戦力を相手にすれば勝ち目は薄い。見た目通りならば、半数削ぎ落とせれば御の字。彼は既にこちらは撤退戦となることも覚悟していた]
[そして、残りの雑兵部隊、数千体を見やり。]
……あまり使いたくはなかったが………!!
クレステッドの名のもとに命ず
我が兵が恐れを抱くことを禁ずる
無心に進め!
[傍らに備えた鞄から黒い大理石を取り出し、粉々に粉砕しつつ。
魔術的な動きで杖を動かし、雑兵部隊に魔法をかけ。
掛けた後、船団の方向を杖で指す。
すると彼らは、まるで意思なき人形のように、船団へ向けて歩き出す。
彼らは船団を止めるか死ぬまでは、恐怖を感じない人形として進軍する。
こちらには戦略などないが、軍団の指揮を取れるものが一人しか居ないがゆえの苦肉の策。
一刻も早くエトヴァルトの到着を願うが……その時が来ないことを、彼はまだ知らない。
無論、エルフ達の進軍に気づける余裕は、現状ない*]
― おそらくは、別の時間軸、別の世界 ―
[ベネディクトが独りごちる姿>>31を間近で見ていた彼は……
話が終わったあと、こう問うたという]
……全く、お前は私か?
[こう問えば、十分だっただろう。
主君に掛ける思いと、自分への解釈が全く同じであることは。
少なくとも二人共、疑いを抱かなかっただろうに。]
全く。
……あまり私の仕事を奪ってくれるなよ。
[と言いつつその笑みには、全くそんなこと期待していないという色がありありと浮かんでいた。
そういう世界も、あったのかもしれない]
― 橋の南側平原 ―
[ゴブリン相手と言えど、数千と言う大軍に一度に魔法を掛けた身。
流石に、かなり大きな疲労を感じてしまう。
正直言って、暫く魔法を使うことは出来ないだろうし、剣技だけで戦うのも望み薄。
だからこそ、苦肉の策とは言え、船団を数で押す戦略が一定の戦果を上げている様子を見れば、軽く安堵もする。>>58
しかし、それ故だろうか。
騎馬隊対策には采配を振るうと決めていたにも関わらず、騎士に高らかに叫ばせる余裕>>59を与えてしまうなどとは。
攻撃魔法の一つも使えれば直ぐに薙ぎ払ったのだが、今はそういうわけにも行かない。]
……射殺せ!
[疲労を隠した冷徹な声で鋭く命じれば、叫んだ騎士に向けて毒矢が放たれる。腕力だけは人一倍のゴブリンやオークが投げた石も混じる。
いずれにせよ、一騎討ちに応じるだけの余裕は彼にはなかった。]
[戦況は現状だけを見れば、魔軍優勢と言えたかもしれない。
しかしそれは数の優位によるもの。純粋な損害の絶対数で言えば、魔軍の方が大きいだろう。それが分かるがゆえに。高笑いを上げながらの殲滅、蹂躙とはならないことに、不甲斐なさを感じていた。
そんな折。自身の送った伝令>>53と、カトワールの者達が自身の判断で送った伝令>>27が揃って到着する。
《クレステッド様!
緊急事態です!エトヴァルト様が行方不明!
転移術の痕跡と不審な人物の姿があったことより、敵軍に連れ去られた可能性があります!!》]
…………なっ………!
[あまりにも予想外のタイミングでの突然の報告に、さすがのクレステッドも言葉を飲み、狼狽えを隠せなかった。
しかし直ぐに冷静に、現状に立ち返り。]
伝令ご苦労!この戦が落ち着き次第、そちらは追って調べさせてもらう!
それと再度カトワールに伝令!
ウルフライダー隊、ボアチャリオット隊、全隊グランツェルツ橋の南へ全速力で向かえと伝えろ!
カトワールの防衛は最小限でよい!奪われることがあれば本隊到着後に奪い返す!
[そう鋭く指示を与え。今後の状況を想定する。
これは、まずい。
船攻めを命じた数千体の魔物に掛けた魔法は、その維持コストとして徐々に自分の体力を奪っていく。自分の意識が途切れれば、彼らは何の指揮もない烏合の衆と化す。
現状の見立てでは、勝率は7割程度しかない、というのがクレステッドの推測。しかもそれは、敵増援が無いという前提。
それでも彼はまだ撤退を決断しなかった。援軍は無いと踏んだのだ。騎兵隊の勢力の大きさに、橋北部に向かった兵の数。それらは、恐らく敵軍の全兵力であっただろうから。
――――彼らには既に援軍の用意があるということを、彼はまだ知らない。
丁度北では、主君が竜を落としていた>>3:226頃の出来事であった*]
[そう鋭く指示を与え。今後の状況を想定する。
これは、まずい。
船攻めを命じた数千体の魔物に掛けた魔法は、その維持コストとして徐々に自分の体力を奪っていく。自分の意識が途切れれば、彼らは何の指揮もない烏合の衆と化す。
現状の見立てでは、勝率は7割程度しかない、というのがクレステッドの推測。しかもそれは、敵増援が無いという前提。
それでも彼はまだ撤退を決断しなかった。援軍は無いと踏んだのだ。騎兵隊の勢力の大きさに、橋北部に向かった兵の数。それらは、恐らく敵軍の全兵力であっただろうから。
――――敵には既に援軍の用意があるということを、クレステッドはまだ知らない。
丁度北では、主君が竜を落としていた>>3:226頃の出来事であった*]
/* 独り言で懺悔しておこう
クレスとエディの死亡順序入れ替え提案ちょっと真剣に考えてました。
クレスの死に様は「この先は一兵たりとも通しはしない!(ドヤッ)」が最良だと思ってるんですが、それをするためのシーンとしては最高に近いんですよね、これ。
それを提案しなかったのは、カレルのメモです。「平行進行タスクを減らすべく」とあるので、確かに並行進行タスクをこれ以上増やしてしまうのは臨むところではないな、と。
というわけで現状通りの進行で。
ギィ…様……
承知、致し、まし…た…
被害…甚大……ですが…
必ずや、戻ります……!
[強い喜びを感じさせる主の声とは裏腹に、クレステッドの声は強い疲労を感じさせるものであった。
とは言え、「必ず戻る」という言葉自体には、絶対にそれを違えないという意思と確信を感じさせるものでもあった]
― 橋の南側平原 ―
……何が起きたっ!?
[敵の騎兵隊とは別の方向から降り注ぐ矢。>>69
その先に居るのは、堂々たる角を持つ大きな鹿に、エルフの者達と思しき弓兵。]
……忌々しい。大森林から湧き出てきたか!
[一瞬、目を閉じ……れば。丁度そこに、主からの念話。何かを得られたということはその声から感じ取れた。
そうならば、もはやこの戦域を維持する意味は無い。
直ぐに鋭く号令を放つ]
全隊へ、告ぐ!この戦域は、カトワールごと、破棄!
北方の本隊と合流し、ジルヴァーナまで、撤退!
一兵でも多く、生き残れ!
[さて。こうなってしまっては、橋は絶対に壊させるわけに行かない。
数千という兵数だが、全軍壊滅よりはマシであろうし、船団に被害を与えられるならば十分と、傀儡となった兵の魔法は全力で維持した。
そして主から預かった兵、ヴェルザンディより受け継いだ兵、カトワールから到着した兵全てに撤退指示を出し。橋の北方への移動を開始した]
― グランツェルツ橋 北部 ―
[グランツェルツ橋の南方から、全軍を持って撤退。
騎兵隊の追撃もあり多くの兵が失われたが、部隊の中央部分のクレステッドに攻撃が届くことはついぞ無く。
自身と、半数程度のゴブリンが渡りきった頃合いで、船上のゴブリン達の魔法維持を停止する。自身の身を優先するためである。
烏合の衆とはなるが、元々粗暴な亜人。逃げ出すようにはなるだろうが、数が数。厄介なことには代わりはないだろう。
敵軍の警戒の中、エルフや騎兵の追撃を逃れつつ彼もまた主を追って王城へ向かう。敵軍の警戒の強い東部平原を避け、西部の街道と草原を縫って駆ける。
主からの通達によれば、兵数がいくら削られても問題など無いが。
それでもなお、兵数を削りたくないという思い。その理由は2つ。
1つは、ただの心配性。何かのために兵を少しでも残しておきたいと思い。
もう1つは、主から預かり受けた兵を無駄に死なせたくはないという信念。
さておき。彼はグランツェルツ橋とジルヴァーナの中間地点までは、なんとか逃げおおせた。その配下の損害がどの程度かは、もはや考えたくも無いほどの規模であった]
[明るく返す王の声>>*3に軽く安堵もしつつも。
川を渡り、魔法を解いたためか。こちらの声は多少は余裕を取り戻していた]
……はっ。
……しかし、……申し訳ありません。私もまだ非情になり切れないようです。
ギィ様から借り受けた兵を無駄に死なせたくないという思いを捨て切れずにおります。
お叱りを受けるためにも、生き延びねば。
[と、僅かに冗談めいた、自嘲の色を僅かに帯びた口調で返せば。]
無論、ギィ様のため、戦のため、我が軍のため、死んでいった者達のため。
私の早期の到着、そして儀式の完成こそが至上任務であること、承知しております。
速やかに向かいます!王城でお待ちください!
[ここでこなさずして何が腹心かと、自らに言い聞かせつつ、そう返した]
/* うわっとまた勘違い(汗)
ギィ様まだ帰還してないのな……なんか既に帰還してると思ってたねんな……
ちょっとよく読もうな俺な!な!!
[主からの連絡>>*5があれば、なるほどと頷き。]
……はっ、ギィ様。
確かに追手の気配があります。そして追手を蹴散らす程度の兵力も、まだ。
[作戦の内容を聞けば]
ヴェルザンディから譲り受けた部隊に実に向いた任務。喜んでこなしてくれましょう。
ゴブリンの連中に敵の気を惹かせ、誘いだして討ち取る。程度ならば容易でしょう。
では、兵を一旦休ませ、急ぎ取りかかります。
吉報をお待ちください。
[自信に満ちた口調で主に返した]
―街道―
[そこは、街道のすぐ側に山陰のある場所。
街道とは言え、騎兵を走らせるには若干の曲道があり、全速力で走るには到底向かない。
魔王からの命を受け、クレステッドは山にダークエルフの射手隊を潜ませていた。
遠眼鏡を持った射手の一人が、敵隊の到着 >>149 を報告する。]
……よし、行け。
[橋での戦と同じ魔法>>55を十体ほどのゴブリンにかければ、物言わぬ傀儡となり。接近してきた騎兵を迎え撃つ形になる。]
……まだだ。連中が駒との戦端を開く頃を見計らって、射掛けよ。
[射手隊に鋭く命じる。さて、この作戦はどう転ぶだろうか]
騎兵隊?………ああ、あの者達。
それは頼もしい限り。
彼らの手まで借りれるならばまさに盤石。
狩人気分の追ってども、殲滅してくれましょう。
―街道―
[騎兵の先隊が到着>>159すれば、まずはゴブリン達が攻撃を開始……しなかった。
彼らは突然混乱と恐慌に陥り、奇声を上げながらあちらこちらへと逃走し始める。半狂乱になって騎兵に無謀な攻撃を仕掛ける者も居るだろう。
さて、ゴブリンに対して騎兵隊はどのような行動をするだろうか。
攻撃するにせよ、混乱するにせよ。
待っているのは、頭上からの射撃である。
さて、後方の部隊は射撃元が見えるだろうか。もしそちらを見ているならば、山間の木が動いたのが見えるだろう。
射撃をした者達がどこかに移動し、また隠れたという合図である。
元馬賊の者達は、まだ到着はしていない]
―街道―
[弓隊と共に山に潜んでいた彼の目からは、躊躇なく後退の指揮を取る指揮官の姿>>162がハッキリと見て取れた。
――この地形を見て即座の撤退を決断するか。
――それでも突っ込むようなら将にはなれんか。
声に出さずに心で呟き]
射手隊。連中に対して地の利がある以上は攻め手を緩めるな。オークの部隊も連中に石を投げつけろ。弾は多いほうが良い。
ここで全滅させるのが望ましい。
……ん、あれは。
[指示を出していると、遠方から異形の馬に乗った者共>>153が到着する。
魔王の代理人だと自分を称しておき。幽体の体を見れば彼らもそのことを信じたようで。]
お前たち、追撃戦は出来るか。
……いや。ただの確認だ。よし、ならば、私に続け!
[鋭く号令し、急ぎ行動を開始する。
騎兵達から見れば、ダークエルフの弓隊の放つ毒矢とオークの兵士が投げつける石礫が雨霰と降り注ぐ中、幽鬼の馬(>>1:74)に乗ったこの世ならざる者の後ろから、異形の馬――彼らいわく、騎士目亜――に乗った熟練の弓騎兵が追う形になる]
― 街道 ―
[敵騎兵の戦力は十分削ぎ落としたと判断したのか。
丁度弓兵の射程範囲から僅かに超えた部分で戦闘を継続していると、敵側も弓騎兵を持ちだした事に気づいたのか、ジリジリと下がりながらも真っ向勝負の構えとなる。]
……くっ、誘い出されたか!後退しつつ攻撃!
[若干速度は落ちるものの、そこは熟練の馬賊。指示にはしっかりと応えてくれはしたが……
流石に、その次の行動>>170は誰一人予測できていなかった。
突然のことに面食らい、何人かの騎士目亜隊が落馬する。命を落としたものも居るようだ。
――肝の座った隊長だ。
本当に、素直に、そう思った。
クレステッドは一瞬で思考を巡らせ、本隊へ合流を目指した者達を追撃しない事を選択した。
何故ならば、逃げた騎馬隊の数よりも、的確な指示を出す隊長ただ1人を脅威に感じたためである。]
応戦する!逃げるものは追うな!
各自武器を持ち替えよ!
[弓だけでなく接近戦も多少はこなせるこの元馬賊部隊。
持ち替えの間に突撃してきた騎兵や突如現れた弓騎兵の攻撃を受け陣形が若干崩れるも、数騎の犠牲で態勢を持ち直した。
乱戦の様相を呈してくる。弓隊の射程には戻っているものの、聡いダークエルフ隊は既に射撃を停止し、すきあらば注意外からの一撃必殺を狙っている。
聡いとは言えないオークの者達は、味方に当たるのも気にせず石を投げ続けていた。敵味方問わず一定の損害を与えている。]
そしてクレステッド。
杖を真一文字に構え、端から端まで手でなぞれば。
そこに黒光りする鉄製の剣が姿を現す。その剣は黒い瘴気を纏っている。何らかの魔法がかかっていることは明らかだった。
剣を構え、敵隊長の元へ駆け、斬撃を仕掛けようとしつつ、彼に向けて叫ぶ。]
中々の手練のようだが!わが主のため、ここで仕留めさせてもらう!
我が名はクレステッド・エヴァネス!
この名を覚えて死んでゆけ!!
[鎧の継ぎ目をめがけ、的確な斬撃を放った*]
― 街道 ―
[混成軍とはいえ、数で押している魔軍。
そろそろ敵方にも疲労が見えてきた頃合いだろうか。]
レト……レト・ヴィオレンツァ!その名、覚えておく!
真の王に付いていればよかったものを!
[的確に鎧の継ぎ目を狙った斬撃だったが、それは見事に受け流される。
指揮能力だけでなく、剣技にも長けるのか、と評する。
馬を横に飛ばし、その剣を避けようとするが……
不自然にその動きは止まる。
クレステッドの顔には、何かを思い出した時のような軽い驚きの表情が浮かんでいる。
レトの放ったサーベルは、クレステッドの身体をすり抜ける。レトはその事実をいかなる表情で受け止めるだろうか]
……しまった、忘れていた。
[クレステッドは彼の兵を手で制しつつ、号令をかける。]
弓隊、投石隊!一旦攻撃停止!!
[弓隊や投石隊には一旦困惑の表情が浮かぶも、素直に従って攻撃を停止する。
この間、敵方はどのように動いているだろうか。騎兵隊には号令を掛けていないため、近接戦闘は続いているのかもしれない。
さて。
クレステッドは不敵に笑み、半ば独り言のようにレトに告げる]
……いやあ、忘れていた。
私は既に死した身なのでな、そんなものでは傷は付けられん。
……だがレトよ。貴様に敬意を表し、これを送ろう。
[彼は魔術の印を幾つか結び、レトの持っている剣に向けて手を伸ばす。
伸ばした手からは青白い光が伸び、レトが避けないのならば、その剣を光が包む。
それがかなったならば、]
……フフ。
それに、幽体を攻撃できる魔法を掛けてやった。
……それを振るうには多少体力が要るが、まあこちらも魔法を使っている。おあいこだ。
その剣ならば、幽鬼たる私にも攻撃が出来ようさ。
……さあ、どこからでも来るが良い。それでもなお届かぬことを自覚して死ぬためにな!
[クレステッド本人も言うように、レトの剣は一時的に、使い手の精神と肉体を僅かに蝕む魔剣と化している。
しかし、もしクレステッドにその攻撃を命中させられるならば、確かな手応えを得ることが出来るだろう。
この叫びを合図と受け取ったのか。
弓隊や投石隊も攻撃を再開する。クレステッドは彼の攻撃が来ることを待っている。]
― 街道 ―
[さて。
やりとりを終えれば、戦闘が再開される。
騎兵対騎兵の戦い。一騎一騎の実力は互角か、ややレトの率いる部隊に分があったかもしれない。
だが兵数の差と、高所を取っているという優位。それに、隠密行動に長けたダークエルフ隊の的確なサポートで、一騎、また一騎とレトの部隊を落としていく。
一方クレステッド。
敵の得物が魔剣となったためか。クレステッドもレトの攻撃>>218を警戒しないわけには行かない。
レトの剣が重さに任せて振るわれる直前。
身体の、筋肉の動きから剣の軌道を予測して、すでに身体は回避行動に入っていた。
見てから回避出来るほど甘い斬撃であるわけがないという確信からだが……事実、その予測は正しかった。
事前に動かしていた身体の胸元を剣が掠める。]
――ッ!いい剣撃!だが!!
[こちらも剣を両手で構え。
レトの首めがけ、まっすぐに
[首筋に直撃させて一撃で仕留めるつもりだったのだが。
急所を避ける>>235事で致命傷を避けたか。]
……あれを避けきるか!やるな、レト!
[こういった一騎討ちは本当に久しぶりだ。
幽鬼の身であっても、「血が滾る」というような感覚を思い出す。
なおこの剣には掛けられた傷つけた場所の付近を壊死させる、呪いに魔力がかかっているが、まだ発動はしない。ただし、斬られた場所の傷が不吉に疼くかもしれない。
レトは方針を変え、何度も斬りつけてくる。
首筋狙いの一撃を弾くも]
……!!
[その次の袈裟懸け>>238は反応が間に合わなかった。
剣撃はクレステッド左腕を捉えた。
切断までは行かないものの、レトの腕には十分な手応えが残る。
黒い瘴気が噴出し、クレステッドの表情が苦悶に歪む]
……!!見事!だが!!
[剣撃のあとの無防備な腹めがけ。拳、と言うより掌による攻撃をかけようとする。
魔法による攻撃を狙っているのかもしれない*]
― 街道 ―
[その拳が腹に届くか届かないかの時>>251。クレステッドは手を開き、その手を腹に当てつつ、呪文を唱える。]
植え付けられし呪い達よ
我が声に応えて刺となれ!
[唱え終えれば、最初にレトの肩に付けられた傷から。
長剣で深く刺されたかのような鋭い痛みが走り、おびただしい量の血が吹き出る。
並の人間なら気を失うであろう。
対するこちらも、詠唱時間を極限まで短くし、触媒も使わなかった魔法の代償として、相当な疲労を覚えては居るようだが。]
……悪いが……専門はこちらなのでな……!
[レトは気を失っただろうか。そうでなくても、まっとうに戦闘を続行することは相当困難なはずで。
幽鬼の馬をレトの馬に突進させ、レトの落馬を狙う。それが叶ったならば、レトを組み伏せることになるだろう。
一方、手勢同士の戦いも殆ど決していた。
レトに従って突進した軍勢はほぼ壊滅。とはいえ、数百人規模の伏兵部隊も半分以上壊滅していた。*]
― 街道 ―
[レトの両手にて振り下ろされた剣>>260は避けようと思えば避けられたが、あえて籠手の金属部分で受けた。
これほどの兵が最期に繰り出した一撃を、避けるのは勿体無い、と思ったためだ。その思いは伝わることなどあるまいが。
さて、組み伏せたレトに、彼に対する評価を告げる。
淡々と、しかし本心を。]
……レト。貴様と戦えたこと、感謝する。
……まったく、敵ながら優秀な将だ。
百も居ないはずの兵で、こちらは数百の損害を出されてしまった。
しかも大半は取り逃してしまったしな。
その上、一騎討ちで魔法まで使わされたのは本当に久しぶりだ……。
全く、よくやってくれたものだよ。
[レトに対して言う言葉には僅かな口惜しさも滲んでおり。
その言葉が心からの評価なのだということを表していた。]
……レト・ヴィオレンツァ。
お前、我が配下となる気はないか?
……ああ、いや、
お前ほどの将なら大歓迎だ。
[冗談でも言ったかのように笑って。それが現世でないことに、一抹の悲しみを感じながら。]
……考えておいてくれ。……さらばだ。
[最後にそう告げて。手にした剣をレトの心臓にまっすぐに突き刺した。
自らの手で彼に止めを刺すという行為は、彼なりの敬意の表明でもあった*]
/* どうも二人称が安定しないのですよね私にゃー。
敵相手は「貴様」、部下相手は「お前」で統一してたはずなんだけどにゃー。
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