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そん… な、
[人を見ることには卓越していた”父”が、永き時を幸せに生きるために与えたもの、
世界を満たしていたものが消える。
魂の天秤は釣り合いを失って一挙に傾いた。]
[慰めるかのように周囲に舞い降りる灰が、突如、黒い風に散らされた。]
… …、
[呆然とそれを見上げた意識に、不意に、破壊的な衝動が傾れ込んでくる。]
[摺り潰されるような痛み。
だが、奔流がそれさえも、塗りつぶして、ゆく。
魂の兄を失った余白は、裏返って、真空のごとく暗黒を吸い込んでゆく。]
──…っ !!
[絶望の力に蹂躙される。 命じる声なき声。
もはや、自分の意志とは異なる段階で、哀しみが暴走する。]
[
筋肉の束は一回りも太くなって、精悍な身体を包んでいた黒衣を押し破った。
薬物投与でもそこまではならないほどに隆起した肉体が足元から変色してゆく。
城を包んでいた茨がヴィンセントの中へと逆流したかのように、赤黒い蔓の紋様が経絡を這い上り、透き通るようだった肌を覆い尽くした。
生ける刺青たる茨は、葉を茂らせぬ代わりに、どす黒い瘴気を吐く。
体躯のみならず、四肢にも貌にも烙印は及び、その姿はもはや二足歩行する獣のようだった。]
[絶望に狂い、餓えに支配された灰色の双眸が炯々と光り、魔眼と化して
るぉ ううぅぅ…!
[死の魔獣は、失われた半身を求めつつ、破壊の衝動に駆立てられて、城内を彷徨いはじめた。**]
ユベール…
私は、 わたしが狂うのを止められなかった。
こんなことは── いけないとわかっているの に、
こんな姿で死んだら、 二度と 巡り会えない。
ユベール…。
新手の追悼。
絆がエゴ化して暴走、的な。
TRPG「ビースト・バインド」だと暴走中に死亡すると真の死になる。アブナイ!
わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき
[異形化した爪が、茨の消えた壁をガリリと掻く。]
おまへはじぶんにさだめられたみちを
[怒り、破壊の衝動と餓えが渦巻く黒い獣の牙から滴る瘴気は、散り咲く小さな花を焦がした。]
ひとりさびしく往かうとするか
[無声慟哭。]
― 廊下 ―
[黒い獣は探している。
灰と化した兄の魂を。
その途上に教会の使徒たちが立ち塞がる。
ソマリは先程よりもだいぶ負傷の度合いを増しているように見えた。
その傍らの
そして、聖女の姿は視界の中には見当たらない。]
― 廊下 ―
[黒い獣は探している。
灰と化した兄の魂を。
その途上に教会の使徒たちが立ち塞がる。
ソマリは先程よりもだいぶ負傷の度合いを増しているように見えた。
その傍らの
そして、聖女の姿は視界の中には見当たらない。]
[ソマリがなんらかの術を行使したのだろう、城を覆う灰が風に乗ってクレステッドの方へと動き出す。
同時に、魔獣も灰を巻き上げて疾駆していた。
丸太のような腕でクレステッドを殴り飛ばさんと突撃する。]
投下したらソマリの発言が見えたので削除してみたんだけど、削除すると白反転文字が見えてしまうのなw
白指定だから、削除発言の地の文字色と一緒になって、そこを削除して新発言をしたようにも見える罠。
愛している。
愛している…愛している
愛している…愛している…愛している
愛している…愛している…愛している…愛している
愛している…愛している…愛している…愛している…愛している
[機敏な動きで、うなりをあげる拳が躱された。
それが、クレステッドに与えられた風の加護とは、魔獣は知らないし、考慮もしない。
瘴気を纏わせた腕を再び振るう。]
[殴り掛かる腕に、クレステッドの刃が深く食い込む。
ギシリと筋肉の束がその動きを止める。
明らかにダメージは通っているが、それは大樹から葉を一枚、落とす程度にしかなっていない。
そして、魔獣はクレステッドの首を掴もうと、もう一方の腕を突き出した。]
[遠くから谺が返る。
揺れる漣に浮かぶのは、感情の萌しにも感じられた。
「愛」という言葉を告げたように、求める者の名を刻む。]
ずっと共に生きたかった── ユベール
[クレステッドの首を掴んだ指は万力のような圧をもって喉を締め上げる。
そのまま、クレステッドの身体を持ち上げて吊るそうとした。]
[握りつぶさんとした喉から雄叫びがあがる。
同時に右腕に食い込んでいた剣が聖なる力で肉を焼いた。
小さな、だが、針で刺されるような激烈な痛みに筋力が緩めば、剣は自由になって、高い位置から振り下ろされる。
その切っ先は、瘴気の襞を切り裂いて、魔獣の肩口を斜めに切り裂いた。
奇しくも、クレステッドの主人たるソマリが斬った位置と同じ。
苦悶に撃ち震えて、魔獣は左手で掴んでいたクレステッドを壁に向けて投げつけた。]
[「
狂気に引き寄せられていた意識に、アンカーが下ろされる。
「あとを、たのむ」と、ギィは言い残した。
応えねば、教えねばならぬと、心が動く。]
ああ、 ユベールこそは 愛
愛し、愛されることによって生き、 愛なくば、愛を生むために滅びるを怖れない。
愛して──愛されている。
”しらない”としても。
[傷を負ったものの、魔獣はクレステッドに休息を与えず、攻撃を続ける。
廊下に設置されていたソファを抱え上げて突撃したのだ。
素手攻撃をやめたのは、剣の力を警戒したゆえで、狙いは、その剣を使えなくすることだった。]
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