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前村長の妻 ディルドレは霊薬師の娘 エレオノーレに投票を委任しています。
前村長の妻 ディルドレ は、雑貨店店主 フランツ を占った。
― 地上階 ―
[毛布を体に巻き付け、震える。
薬は残り1個。ぎりぎりまで耐えようと思ったが、指先が真っ白くなってきた辺りであっさり諦めた]
ごほっごほっ
[紙コップの底に少しだけ残ったスープで、薬を飲む。
酷く苦かった]
嫌だいやだいやだ嫌だ。
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない。
[50年以上生きて居ても、死ぬのは怖かった。
こんな所で詰まらない死に方をするならば、今までの人生はなんだったのか。
あんなに美しさと健康に気を使ってきたのに……あんなに……]
投票を委任します。
前村長の妻 ディルドレは、霊薬師の娘 エレオノーレ に投票を委任しました。
[ベルガマスコに頭を撫でられると、少し安心した。
これが他の者だったら、セットした髪が乱れる!女の髪に触るなど常識知らずが!と激高していた所である]
……。
[少しうとうとしたようだ。
ぶるりと震えて目を覚ます。
空腹と寒さも惨めだったが、それよりも……]
うう……うっうっ……。
[ハンドバッグからシルクのハンカチを取り出して、目にあてる。
もう2日も同じ服を着たままだ。
1日3回は着替えなければ気が済まないディルドレが!
2日も!下着さえ変えて居ないなんて!!]
ううう……。
[惨めで恥ずかしくて悲しくて堪らなかった。
2日も下着を変えていないディルドレ!
これまでこんな辱めを受けた事は無かった。消えて仕舞いたいほど惨めだった]
[ヨロヨロと人の声のする方にやって来た。
少将と、他何人か居るようだ]
うう……。
まだ、まだ救助は来ないのかい?
何かで早まったりしないのかい?
ねえ、このままだとあたくし、死んでしまうよ。
うっうっ……。
生きて帰れるなら何でもあげるよぉ、
誰かあたくしを助けて、助けてよぉ。
[と泣き崩れた]
[一つの光景>>77が、吸いつくように目に入った]
……!
娘! そ、それをあたくしにお寄越し!
ねえ、お前、どうせお前なんか生きていたって、大して世の役に立たないだろう?!
あたくしは村長にも、皆にも必要とされてる!
あたくしの方が生き残るべきだろう?!
[手を伸ばし、よろよろと近づく]
[手を伸ばす……緑の方へ……。
しかし、薬は目前で仕舞われて]
おお、ベルツの。
お前の母親にはたくさん世話をしてやったのだよ。
娘のお前がその恩を仇で返したりはしないだろう?
ねえ、お前はあたくしに借りがあるのだよ。
[大丈夫だ。ベルガマスコが味方になってくれる……>>81]
[手に乗せられた緑の錠剤を、急いでぎゅっと握る。
これで助かる、助かる!!……少なくとも今日は……]
おお、おお、ベルツの娘。
恩に着てあげる。
お前の献身は、お前の母にもちゃんと伝えておくよ。
もしお前が死ぬようなことになってもさ。
[ギラギラする目で、誰にも奪われまいと、急いで壁際に寄った]
ふふふふ、良かった。やはりあたくしは生き残るべきなんだ。
皆はあたくしに生きて欲しいと思ってる……。
ふふふふ。ハハハハ。
[部屋の隅で一人、しゃがんでいる。
空腹はピークを達すると逆に穏やかになるのだと初めて知った]
あたくしは生きる、あたくしは生きる……。
[生き延びたらどうしようと考える。
まずは南のリゾート地へ引っ越そう。もうこんな雪ばかりの村は嫌だ。
その為には、離れを掘り起こさなければ。思いだすと不安になってきた。誰かに盗られてやしないだろうか。
ああ、そうそう、来週には新しいドレスが届くのだった。
引っ越すにしても、あれだけはちゃんと受け取っていかないと……]
[人が入れ替わり何事かを話している。
でも、きっと些細なことだ。
漏れ聞こえた声で、少将が明日助けが来ると云ってたではないか。
少将が離れる前に置いて行ってくれた、徴収したらしき食糧を齧る。
安物だろうに旨かった]
大丈夫、大丈夫だ……。
[手の中の薬を何度も確認する。
昨日のと違って緑色の薬。
良く効きそうな気がする。
安心し、少しだけ腹が満ちたら、不思議と優しい気持ちになってきた]
前村長の妻 ディルドレは、霊薬師の娘 エレオノーレ を能力(占う)の対象に選びました。
― 命名・霊安室 ―
[フランツが執事を片付けた筈の部屋は、真っ暗で。
一か所だけが、ぼんやりと明るい。
ランプの光]
……ねえ、お前、
今
なにをしたの?
[はっきりとは見えない。
見間違いかもしれない。
そうであってほしい]
[目の前に見える光景が、信じられない。信じたくない。
地味な子だと思っていた。
取り立てて特徴のない、何処にでもいる娘だと]
お、おこっ、お腹がすいてるの?
おやめよ。そん、そんな、そんなモノ。
[ガタガタガタと可笑しい程に膝が震え始めた。
すーっと指が冷たくなっていく。喉奥に酸っぱい物を感じた]
少将が、しょ、少将が携帯食を持ってい、いるよ。
お腹すいてるなら、そ、お、それをお食べ。
ね?
[ぶるぶる震える足で一歩、一歩と下がる。
ガツンと何かにぶつかってよろめいた]
[よろめいた隙に、娘が目の前に迫っていた]
何を言ってるか、わ、訳が分からないよ。
……おやめ!
あたくしに触るな!
[それ以上下がれなかった。後ろは壁だった。
延びて来る指に、いやいやと首を振りながら、ずるずると座りこむ]
お前は何なの?
何のつもりなの?
お、落ちつきなさい。自棄になるんじゃない。
もう明日、明日になれば助かるんだよ。
何を言ってるのか、全く分からないよ!!
[愛しい? 美味しい?
だが、「見てはいけないものを見た」というその意味は分かった]
おやめ……おやめ!
この、この、ひとごろしィィィ!!
[腰が抜けていた体を、生存欲が付き動かした。
枯れた腕が砕けんばかりの力で、娘を突き飛ばす。
そして、脱兎のごとく小部屋を逃げ出した]
誰か!!
誰か助けて!!
しょ、少将! 少将!
殺される!
殺されるゥゥー!!
[給仕室に飛び込もうとして、扉が開かずにぶつかった。
向こうが何かで塞がっている。
パニックになった頭では、階段を下りるとか、他の場所に行くという選択肢が思い浮かばずに、ただ一つ覚えの様に扉を叩いた]
助けて! 助けて!
助けてェェェ!!
― トイレ ―
[返事のない給仕室に見切りをつけて、トイレに逃げ込んだ。
ハアハア云う自分の息が酷く大きく感じる。
ぶるり、と体を震わせた]
うう……ううぅ……。
何でこんな事に、何で……。
[ポケットに大事に仕舞っておいた緑の薬を、ぶるぶる震える手で取り出した。
だが、飲みこもうとした所で、手が滑った]
アッ……!!
[つるりと指を擦りぬけて、薬は便器の中へ転がり込む]
ウア、アアアア、ああぁぁ!
何で、何で何で何で!!!
あたくしばっかり!
あたくしが何をしたって言うんだよぉぉぉあぁぁぁぉぉぉ!!!
うぁぁうううううああぁぁ!!
[髪を掻き毟り、喉を逸らして泣く。
そうこうする間に、指が冷たくなってくる。
吸う息の冷たさが胸を焼く]
えっえ、えぐっ、
うっ、うっ、うぐっ……。
[顔を逸らし、えづきながら便器に腕を突っ込んだ。
満足に水が流れないまま、避難所の人々の3日を受け入れて来た便器は、嫌な臭いがしていた。
探る指が、薬を弾く]
いや、いやぁぁ!
[最終的に便器を抱え込むようにして、やっと拾い上げる事が出来た]
[薬を掬いあげても、まだ終わっていなかった。
何度も口に運びかけ、嫌悪感で思わず便座の中に吐いた]
くそ、くそぉ……。
あたくしは生きる……生きるんだ……。
ウウウウ……。
[最後は目を閉じてやっと飲みこんだ。
すぐに体が温かくなってきた]
うう……これであたくしは助かる……。
こんなところを出たら……全員処罰してやる……。
村で生きられないようにしてやる……!
[しかし、一度温まった体は、何故かまたすぐに冷え始めた。
ぶるぶると体が震え、ガチガチと歯が鳴った]
なんだ……何かおかしい……。
誰か……誰か……!
[何度も失敗しながら、やっとトイレの鍵を開けて、外へ転がり出た。
しかし、転がって、もう起き上がる事が出来なかった]
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