情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
んーいや、上に立つやつって、結局生き汚さが必要だからさ。
お前さんみたいに。
[ 誰の事と、告げるつもりはなく、一般論だとでもいうように ]
けど、あーんまり情けない悲鳴ばっかあげてるのは、いただけねーかなあ?
[ 付け加えて、にやりと笑った ]
褒め言葉だぜー?
[ 心外そうに言う>>+86のには、そう嘯いて、キリッとした顔で宣言された本音に>>+87声をあげて笑った ]
正直だなあ、ほんと面白いよ、お前。
『キューィ』
[ ディークに同意するように鳴いたヤクモが、ふいに森の奥に頭を向ける。
同時、再び響き渡る、大気を震わす咆哮 ]
......どうやら、アレをどうにかしねえと、ゆっくり飯も食えそうにないな。
[ 抜き身のままだった刀を鞘に納め、クレステッドを振り返る ]
仕方ねえから、ちょっとヤクモと一緒にぶっ飛ばしに行って来る。
お前さんはどうする?
[ 付いて来るも、入り江に戻って無事を選ぶのも自由だと、そう尋ねた** ]
そうか。じゃあ、後ろに乗れ。
[ 怖いと言いながら、もっと怖そうな相手の元に共に行くというクレステッド>>+95に、笑みを見せて ]
遠距離武器の強みはそれだからな。威嚇は頼むぜ。
[ 攻撃の届かない場所から、という言葉には、それが当然と頷いた。威嚇に徹するなら、弾丸の種類はあまり関係ないだろうという判断もある ]
...と、その前に。
[ 得体の知れぬ敵にぶつかろうという話だ、黙って行くのはまずいだろうと、空間に声を投げる ]
ファサン殿!アイリ嬢!どちらか聞こえますか?!
[ 二人のどちらかから返答があったなら、森の奥に強い妖魔が居るらしいので叩いてくる、と告げる ]
ここに放り込まれたのが何かの意志のせいなら、敵対してくるものを倒せば脱出の糸口になるかもしれませんから。
[ 伝えた返事に島での異形との戦闘のことを聞かされたなら、眉を顰めた ]
ガートルード...うちの艦長代理、無理してませんでしたか?
[ 思わず尋ねたのは、最後に艦を離れた時、まだ彼女が完全には立ち直っていなかったように見えたからだろう>>2:253
彼女の気質を良く知るウルズやマリエッタが傍にいれば、フォローはしてくれるはず、とは思っていたが、豪快に振る舞っていながら、内面には幼い頃からの繊細さをそのまま隠し持っていると知れているガートルードに、常日頃思うところは、ディークにもやはりあるのだ ]
[ 返事はどうだったか、或いは彼等はガートルードの様子までは把握していなかったかもしれないが、聞いた内容はそのまま飲み込んで、個人的な想いはそこで終わりにする ]
カナン殿下や皆も無事ですか?え?
[ 獅子とゲルトの決闘の話も聞いたなら、溜め息を零して ]
話がつきそうならいいんですが......なるべく急いで戻れるように、こちらもなんとか頑張ってみます。
...
[ 会話を終えた後、手出しの出来ぬ状況に焦れるのは、どちらにいても同じだったかと、瞬時苛立ちを表情に滲ませた** ]
[ 相変わらず、ざっくりとしたアイリの説明>>*7には、彼女の期待通り、ゲルトがいくらかフォローを付け加えたか。カナンが負傷したと聞けば、眉を顰めたりもしたのだが。
いずれにしろ、やることはすでに決まっていたから、次の行動に躊躇いはなかった ]
それじゃ、しっかり掴まってろ!
[ 竜の背に乗ってはしゃいだ様子のクレステッドに>>+101、ディークが笑って声をかけると同時、光竜は力強く羽ばたいて、森の上空へと身を運んだ ]
[ 森の奥、咆哮の聞こえた場所を探して飛翔を続けると、何故か木々が立ち枯れているのが目につき始める。やがて、枯れた木々の中心に巨大な深紅の岩山のようなものが現れた ]
グオォォーーン!!
[ 突如として山が吠える…否、それは山ではなく、山のように巨大な牛に似た姿の魔獣。黒光りするねじれた角を頭の両側に持ち、その角の間に、ぎょろりと大きな一つ目が開く ]
[ 咆哮と共に、蹄が地面を踏みならせば、大地は揺れ、その四つ足から、ひとつずつ、闇色の小型の竜巻が巻き起こって、土や石くれを巻き上げながら、牛の周囲を護るようにぐるぐると回転する。
その闇の色は瘴気でも含んでいるのか、触れた木々や草を枯らし、結果、魔獣を中心として円形の荒れ野が広がることとなっていた ]
でかいなあ。
[ ヤクモの背の上で、巨大な牛を見下ろしながら、ディークは、ひゅーぅと、小さく口笛を鳴らす。どこか楽しげにさえ見える様子を、クレステッドはどう捉えたか ]
一度降りるぜ。
[ クレステッドを地に下ろすために、出来る限り、魔獣の死角になりそうな位置を探って、高度を下げる ]
無理する必要はねえからな。危なそうなら、すぐに逃げろ。
それとあの竜巻には気をつけろよ。
[ 身を隠せる幹か岩がある位置にクレステッドを降ろすと、そう告げて再び空へと舞い上がった ]
さて、行くぜ、ヤクモ!
『キューィ!』
[ 騎竜師の声に応え、光輝く竜は、高度を保ちながら、ぐんぐんと魔獣の居る荒れ野の中央に近付いていく ]
グオォォン!
[ 上空に現れた、二つ目の太陽の光に気付いた巨大牛が、苛立ったような咆哮と共に蹄を踏みならし、竜巻の一つが、渦巻きながら上空へと迫った ]
ブレス!
[ 闇を照らす太陽のように、強い光輝を伴った光のブレスが、闇色の竜巻に真正面からぶつかり、吹き散らす ]
うぷ...!
[ 散らされた瘴気の一部が風に混じって届き、ディークは片腕で口元を覆ってやり過ごす ]
ヤクモ...大丈夫かっ?!
[ 瘴気を吸い込みはしなかったかと、相棒に問いかけた瞬間、どくん、と、左腕が痛みに脈打った ]
く...瘴気の毒、か...時間かけられねえな。
『キュイィ』
大丈夫だ...とっとと決めるぜ。
[ ヤクモの声が心配そうに響くのを、軽く首筋を叩いて宥め、再び咆哮をあげる魔獣を睨み据える ]
[ クレステッドの打ち出した弾丸によって>>+117、牛の足元は瞬時にぬかるみに変わり、ずるりと蹄を滑らせたことで、魔獣は次の竜巻を産み出す事が出来なくなる ]
今だ、ヤクモッ!!
[ 叫んだディークの声に、ヤクモは真正面から魔獣に向かって滑空する。
巨大牛は、黒い角を振りかざし、迫る光竜を刺し貫かんとするが ]
『キューーーィィ!』
[ 一際高く鳴いた、陽竜の羽ばたきより、産み出されるのは、無数の光球。小さな太陽にも似たその光が、一斉に魔獣の一つ目に向かって飛び、その目を眩ませる。
辺りに広がる光は、一瞬クレステッドの目からも、全ての光景を輝きの内に隠しただろう ]
[ そして、その輝きが薄れた時 ]
グオォォォ!
[ 怒りの咆哮をあげる、魔獣の角を、がっちりとその爪で掴んだ光竜の背から、刀を抜き放ったディークが魔獣の頭めがけて飛び降りる ]
ウオォォーーッ!
[ 魔獣の咆哮にも劣らぬ気合いと共に、巨大牛の頭を蹴って宙に身を躍らせたディークの刃は、過たず、その一つ目を深々と貫いた ]
グアアァァァッ!!
[ 狙いの通り、それが弱点だったらしく、巨大牛は、飛び跳ねるようにして暴れながら、断末魔の咆哮をあげる ]
うあっ!
『キュィ!』
[ たまらず宙に投げ出されたディークの身体を、魔獣の角を離して飛んだヤクモが、先回りして受け止めた ]
[ 巨大牛は、暴れながらその場をぐるぐると、まるで竜巻の渦のように回転しながら駆け回り、やがては、本当に赤と黒の瘴気の渦となって、轟、と土を抉り、それを最後に霧散した ]
[ 後に残ったのは、ディークの刀にその中央を貫かれ、砕けて割れた巨大な精霊石の欠片 ]
は、あ...やったな...ヤクモ。
[ 魔獣の消滅を見届けると、ディークは受け止めてくれた陽竜をねぎらい、一度中央部へと降りて、刀を拾う ]
精霊石か...こいつが核だったとすると...ますます胡散臭えな。
[ 何かの手がかりになるかと、精霊石の欠片を一つ拾い上げ、刀を腰に戻すと、ディークは、そのまま歩いてクレステッドの元へと向かった ]
クレス!すげえタイミングの援護だったぜ。助かった。
[ 満面の笑みで感謝を伝える ]
[ そのすぐ脇に、ヤクモが舞い降りる ]
『キュゥ...』
[ 未だどこか案じるように鳴く陽竜の鬣をぽふと撫でたディークは、ふらりと、一度よろめいて ]
/*
表も結構佳境なのに、付き合わせてすまんかった。
ありがとう、おかげで楽しかったー!とここにも埋めておきますな>クレスのひと
あ、そうだったな。よし、早いとこ取りに行こう。
[ クレスの言葉>>+132に頷いて、ヤクモの背に乗る ]
『キュィ』
[ 二人を乗せて舞い上がったヤクモは、まだどこか不安そうに、ゆっくりと羽ばたいて二人を果物のあった場所まで運んだ ]
おー、食料は無事だったな、良かった。
[ 今度はヤクモが一緒なので、ついでにもう少し果物を増やし、まとめて運ぶことにする。
そうして、入り江の方に戻ったのはどれほど後か ]
さすがに、疲れたぜ、ちょっと休むな。
[ 食事代わりに数個の果実を食べた後、陽竜によりかかるようにしてディークは眠ってしまった。
魔獣の瘴気に当てられて、塞がっていない左腕の傷が見た目以上に痛んでいるのだとは、ヤクモだけが気付いていたが、その陽竜の気が、回復には最も適していることも本能で理解していたから『キュゥ』と鳴いただけで、羽根の内に護るように眠る騎竜師を囲い込んだ ]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新