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うおっと!
[ 空を駆ける妖魔に、刃は逸らされ、その皮膚を浅く切り裂くに留まる、返礼とばかりに、牙を剥き反転する姿に再び剣を構え直す ]
そう簡単にやられるかって!
[ 交差した双剣は、鳴蛇の牙を折り、そのままその身体を真っ二つに切り裂いた。消え果てる瞬間、妖魔の放った瘴気が身に降り掛かるも、避けることなく、更に次の敵を探して駆け出した ]
邪魔すんなっ!
[ 背後から、彼の首に巻き付こうとした妖魔を振り返りざまに斬り捨てて、そのまま淵へと近付こうとしたが、ふいに、その足が止まる ]
うぇ...なんかでかいの居る......かも。
[ 不用意に近付けば危険、そう本能が告げていた* ]
/*
ありゃ、珍しいことに。
蒼龍さんがもう一回振ってればトップだった気がするけどねえ...
あー、でも属性的には嵌ってんのか...さすがラ...
[ 小山を作り、土気を高めるマリエッタと、その力を受け取り金気を合わせて戦うクリフとバルタザール。土気からの影響を最小にとどめるために、敢えて距離を置いた彼の水気も、相応に力を増してはいるが、未だカサンドラの木気を補うには不十分か ]
水気が一番強いのは...あそこ、なんだよなあ。
[ 僅かに水湛えた淵に感じるのは蠢く巨大な陰気、無茶に関して釘刺された記憶も新しい故に、彼は足を止めたまま逡巡する ]
[ 双剣を一度背に納め、すう、と息を吸い込んで気を鎮める ]
蒼龍様、俺があの淵に届くまで...お願いします。
[ 鳴蛇に気付かれぬよう、気配を消して淵に近付き、そこに残る水気を使って火気を克する、そのために ]
[ 振り向けば、クリフとも視線が交わるか、彼が自分の意を汲んでくれている事は聞かずとも知れた ]
[ 恐らくは、バルタザールも金気をもっての援護を約してくれるだろう。
そして彼等を支えてくれているマリエッタへも一度視線を投げる ]
頼むぜ。
[ 笑み浮かべて、そう告げて、最後に苦戦を強いられているカサンドラへと視線を移した ]
おう、任せとけ。
[ しっかり決めろというマリエッタの声>>130は人より鋭い耳にはしっかり届いて、返す言葉に籠もる力は己を鼓舞するためでもある ]
ああ、解ってる。
[ カサンドラの気丈な言葉>>134には薄く笑みが浮かぶ。自らの命を惜しむ事は、そのまま他者の命を尊ぶこと、それを今は彼も知る ]
[ やがて蒼龍神の掌より美しい桃色の花弁が空を舞い、巨大な鳴蛇を幻惑の内に包み込む>>126
金気をもって周囲の力の均衡を計りつつ力を送ってくれようとするバルタザールに、言葉でも後押しされて>>142
彼は、鳴蛇の死角を選んで淵に向かって駆け出した ]
[ 近付く淵には濃い陰の気と、倒された小物達の瘴気が渦巻く、後に続くクリフには>>145「近付きすぎるな」と、そっと合図を送って、自らはその瘴気の中へと飛び込んでいく ]
…くぅ…!
[ 陰気によって凝縮した瘴気はさすがに強く、慣れているはずの身にも息苦しさを覚えるが、足を止める暇も隙もない。
幻惑は薄れ、花弁を喰らい始めた鳴蛇に蒼龍神が挑みかかる気配>>143は彼の背にも届く。
それに対する蒼龍神に鳴蛇の気が逸れ、上空で陰気を均す朱雀神の力が、僅かに瘴気を緩めたその刹那…背に納めた双剣を、再び抜き放った ]
『金結神流…聖水招来!』
[ 元より金気帯びる刃に、バルタザールとクリフの高めた金気を相乗させ、その気をもって淵に残る水気を召喚し、更に浄化の水気と成す ]
[ 大きく波うち、間欠泉の如くに水気噴き上げる淵の様相に、鳴蛇も気付いて、蒼龍神の前から身を翻そうとするが、それは容易に許されはしない ]
墜ちやがれっ!!
[ 涌き上がる清らな水は、そのまま渦を巻いて鳴蛇を襲い、四枚の翼を打った ]
[ 濡れた翼は浄化の力によって羽ばたきを止め、巨体はどう、と地上へ落ちる。
しかしなお、落ちた衝撃を、ものともせず、怒りにのたうちながら鳴蛇は地を這って、水気の主へと牙を剥いた ]
はっ!
[ この展開は予想済、むしろ望むところとばかりに、彼は双剣を目前で交差し、牙の一本をめがけて両腕を鋭く振り抜く ]
――…バキリ!
[ ただの剣では傷付けることも出来ぬだろう妖魔の牙は、高められた浄化の水気を纏った剣によって、折れ弾けた ]
[ 残る一本の牙が、剣を振り抜き防御を無くした神将の肩に食い込むが、それは浅く致命には程遠い ]
…んのおっ!痛えだろっ!
[ 痛みをまぎらすためにか、大声を張り上げ、彼は食い込んだ牙を素手で掴んで引き抜きざま、飛び下がって一度距離を取った ]
クリフ!合わせろ!
[ 片牙となった鳴蛇は、しゅうしゅうと瘴気を吐いてのたうつが、その動きは鈍く、目標定まらぬものでしかない ]
せえええいっ!!
[ 地を蹴って跳躍した神将が、頭上へと振りかざした双剣の輝きに、鳴蛇の頭が上がれば、その喉首は、後についたクリフや、離れて援護する者達の前にと曝される ]
[ 双剣が、鳴蛇の頭を貫くのと、他の者の攻撃が届くのはどちらが先か...いずれにせよ、力と気を合わせた一撃に、鳴蛇はその巨体の動きを止め、骸となって地に伏した* ]
/*
で、だ、このこの過去話をどこで落とすかなんですよ。
墓下でカメに語らすのが一番邪魔にならねーんだが、なんかひきょーな気もするんで、ここらで半分くらい落としておくべきか。
[ 妖魔の血を受けた一族…そう伝えられる者達の隠れ住む里に、彼は生まれた。
遠い祖先の一人が、妖魔の呪いを受けたのだとも、或いは魔の中に人との和を望む希有な存在があって、契りを結んだのだ、とも、伝わる伝承はすでに曖昧で、ただ一族の中に、時折異相を持ち、人ならぬ力を持つ子供が生まれることだけは、確かだった ]
[ 怒りに身を任せてはならぬ、憎しみに心奪われてはならぬ…そんな子の一人として生まれた彼は、幼き頃よりそう戒められて育った。
怒りや憎しみに我を失えば、妖魔に堕ちる、それ故心を強く持ち、己を律せよと ]
[ ...だが、全ての戒めも、そのための修養も、ある日無為に帰す ]
[ 里を妖魔の群れが襲い、父母や幼い弟妹が食い殺されたその時に… ]
ここもなんとかなったかな。
助かったぜ、クリフ!
[ 薄まる陰気を感じながら、視線を空から戻し、剣を納めて、傍に居る霊亀の次代へと、まずは礼を告げる。
遠く近く、援護を届けてくれた者達へも、同じように ]
ありがとうございます。
[ 蒼龍がまた彼と玄武神を引き比べた事は判らなかったから>>174ただ傷に悲鳴あげたを笑われたと思って大人しく治療を受けていたが、知ったなら、また盛大に、一緒にしないでくれと抗議した所だ ]
俺の水気がここで強かったのは偶然だよ。
でも、それも皆がいなけりゃ、鳴蛇の火気に克つことは出来なかった。
[ その間にも、クリフの言葉に返すのは謙遜ではなく彼にとっては自明の理>>172 ]
一人じゃ何も出来ない。そう知ることが強くなる一歩だ...て、うちの大将が言ってた。
[ 受け売りであることを隠しもしなかったが ]
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