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たとえねじ曲げられようと
私が──私が自ら望むものか
貴方を知り、応えたいと思ったのは
与えられる愛情を卑しく欲したのは
わたし
それに気付いたのも君が最初ではないよ、ディーク。
僕自身がそうと気付くより先に、何人もが指摘した。
僕はそうやって愛し児を縛ってきた。
君の、彼らの思いを利用したんだ。
彼らが、僕を厭って去っていくのも無理はない。
そうだね。
君が側にいてくれるなら、殺されてもいいよ。
[酷な事をしているのは分かっている。
けれど、彼の肉体と心を締め上げる手を緩める気などない。]
何処にも行かずに、僕の側に居てくれるなら。
ちがう
貴方が愛した者
[昔語りに聞いた、 人々の話>>343]
貴方を愛した者の思いを、なぜ そんな風に言うんだ
貴方の謌は あんなに優しいのに
貴方の子守歌が、俺を生かしたのに
ふふ、さあどうだろうね?
でも、僕が少しでもましなものになれているのなら、
それは僕を見捨てずにぬくもりを与えてくれた人たちのお陰だろうね。
[喉元に顔を寄せ、牙と舌先で器用に襟を止める釦を外していく。]
殺したいなら本気でおいでーー
でないと僕が君を食べてしまうよーー
…
[幾度となく覚えのある、釦の外されて襟元へ外気が入り込む感覚]
行かせて──お願い、愛してる
そばにいられなくても ずっと 愛している
それが貴方の望みでも
私が いやなんだ
守れない、自分の弱さが 憎い
[本気で、と促されても、抗う腕に篭る力は弱い。
首を振り、牙で宙を噛んだ]
行ってどうするの?
側にいたいと君は願っているのに?
[牙と唇と舌だけで衣服を脱がせ、また着せる技は、他人の所有物として生きていた間に習得し、洗練を極めている。
襟をくつろげて胸まで開き、鎖骨に舌を這わせやわやわと食む。]
君は何故僕を守れないと思う。
君が自分を信じられないのならそれでもいい、
でも、何故僕を信じないの?
君が僕を傷つけたくないと言ったから、
僕はそうさせない、と約束した。
僕は殺したって死なないし、
君に壊されたいって言った。
何故、信じられない。
何故、信じない。
[そこだけ、幼い子供じみて拗ねた口調になって、
ガリ、と鎖骨に牙を立てた。]
…っあ
[触れられた箇所に熱が灯り、頭痛が一瞬和らいだ]
は、ぅ
行って あいつを
殺す 今度こそ、軛を
あなたがっ
私の愛を 信じないから!
っふ、ァ
[鎖骨に走る熱に高い声が混じる]
あのときも 俺は死なないと言っ、
置いていかない って
もどってくる から
あいつを殺す――だったら。
僕も一緒に連れていって。
でないと、絶対離さない。
[血親の声に逆らい続ける苦痛も、
声に屈すれば彼が傷つくとも分かっていて、
なお強請る。
己が共にあれば、彼は必ず負けないと信じているから。]
――僕が一緒に居れば。
[それは賭けかも知れない。
けれども、]
君は、充分に勁い。
[不滅の血で育て、
死をも乗り越えた仔ならば。]
[何より、血も禄に摂取してない転化したての雛の身でありながら、二度も血親に逆らった資質を持っているならば。]
思い出して。
君は転化したてなのに血親のバランに逆らった。
普通、そんなことはなりたての血子には出来ない。
何十年、何百年かけてやっと血の束縛を振り切れるくらいだ。
確かに君は酷い目に遭わされたけれど、
逆に言えば、そうしなければ支配出来ないほど君は強い。
これが済んだら。
それでも 俺は貴方を欲するから
そうしたら、約束通り。
それでも 望むなら、貴方を壊すよ──
[操られてではなく自分の意思で、と]
[ディークの両目を覗き込み、確かに元に戻ったことを確かめて、ようやく手首の戒めを解く。
彼の腰の上に跨り、起き上がるのを待ち、]
側にいるよ。
君が勝つように。
[ふと笑みを零した。]
[両手で彼の頬を挟み、
額に祝福の口接けを]
君はもう、僕を守ってくれているよ。
[バランからも、己自身からも。*]
なっ……
[怒りで血が逆流しそうになった。
慌てて、ディークに悟られぬよう感情の激発を押し込めて、厳重に隔て抜く。]
(何故、このタイミングで、)
(いや、僕に何もさせないように、知らせずに通告を一番最後にして遅らせたな?! 何故だ!!)
[叫び返せど、一方的に相手は心を閉ざし、会話は打ち切られた。]
[自分に、自分だけに対するものならば、どのような仕打ちも甘受しようが。
事がディークに及んでは、そうも言ってはおれない。
すべてはこれが片付いてからだ、と腹腔を焼く焦燥を押しやり、隣を歩くディークの横顔をじっと見守る。
苦痛に耐えてバランの居所を察知しようと試みる彼の瞳は細まり、探査が困難であることを示していた。]
[だが、血子を呼び寄せようとしているバランが、わざわざ血子が行き先を見失うような誘導をかけるだろうか?
考え込んでいると、ふと腕を掴まれた。
ディークがこちらの瞳を覗きこんでいた。]
……ディーク?
誰かがバランに行き着けないようにしているんだよ。
[空を見上げ、夜の大気に混じるかすかな気配を感じとろうと思念を凝らす。
こんな芸当のできる者は、限られている。]
簡潔に尋ねるよ。
これをやったのは君かい?
[不躾な問い。
「これ」が何を指すとも言わぬまま。]
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