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星運のパン屋 オットー は、風花の青年 ヨアヒム と 樹海の少年 ペーター を愛の矢で結びつけた。
― 厨房―
[パン作りに熱中し過ぎたせいか、どれが薬入りのパンなのかわからなくなってしまった!]
どどどどうしよう?
調子に乗って他のパンまで作らなきゃよかったよ!!!
[指を咥えながら、あわわわわ。
顔にはマヤ、恐ろしい子っと言わんばかりに青線がびっしりです]
とりあえずだ。
このパンたちはみんなの食事に混ぜてしまおう。
その結果、神父様に食べてもらえばオッケーってことで。
[そういう問題じゃないけれど、半ば現実逃避した頭でそんなことを。
さささっと混ぜ込んだ手作りパンのせいで、先ほど挨拶?してくれたヨアヒム君にごめいわくをかけることになるとは今は思いもよらず]
これでよし!
[証拠隠滅を図れば、ふうっとやりとげた漢の顔で吐息を溢した]
[というのが、ついさっきの話。
88個のパンの行方がどうなったのかは、おいおい語るとして]
そう言えば、ここどこなんだろう?
僕の知ってる宿とは違うみたいなんだけど…。
[こてり、と。
首を傾げてお菓子の香りのする厨房を見回した]
星運のパン屋 オットーは、風花の青年 ヨアヒム を投票先に選びました。
[どこからともなく聞こえた女性の声に、びくっと体が跳ねる。
あの声は正しく幼い頃にいたずらをして叱られたレジーナの声だ!と直感]
じゃあやっぱりここって宿なのかな?
それにしては甘い匂いがするな。誰かケーキでも焼いたんだろうか?
[何となくそうつぶやいて、ウェハースでできた壁をぺたぺたとなでてみる]
[ぺろ…]
こ、これは…っ!?
ウエハース!?
[口の中に広がる甘い味に、驚き桃の木山椒の木。
爪を立てるとボロりと壁が崩れて、手のひらに残るウエハースのカケラをもそもそと口にする]
これってつまり犯し…もとい、お菓子の家ってこと!?
そ、そんなの…商売上がったりだ!!!
[そういう問題じゃないけれど、パン屋の倅といて叫ばずにいられなかった]
[かけられた声はとても聴き慣れたものだった。
優しい中に少しだけ悲しさの色が滲んだその声は、僕が憧れてやまない人のものだったから]
し、神父さま…っ!?
[思わず顔が赤くなるのが自分でもわかる。
ひゃあってまるで少女のように、両手で頬を包むと]
わ、わかりますっ!
僕、星運の村のオットーです!!
[そしてもう一人、僕らの村ではあまり見かけなかった村長さんの姿を認めて]
あ、はい。
よくわからないですけど、そうして見ます…。
[返す声はボソボソと。
まるで二日目の食パンのような硬さだった]
[僕(の作ったパン)が食べたいだなんて、神父さまったら一体何を言い出すんだろう!
ますます赤くなる頬を押さえたまま]
あ、はい…
神父様がそう仰るなら僕はいつでも……。
[構いません。
やっぱりボソボソと呟いた]
え、えろえろ!?
[頭の中がまっピンクなせいか、素で聞き間違えてしまう]
そ、そ、んな…僕は清く正しく慎ましくが信条ですからっ!!
[顔を真っ赤にして村長さんへ、そんなことはないんだと、両手をオーバーにふった]
耳は大丈夫です!
心は今は大丈夫じょないですけど!
[両手を振りながらわたわたとそんな返事を]
し、神父様……
[気遣う神父様の言葉が嬉しくて、涙が出そうになる。
だけどそれをぐっと堪えて、ふわりと柔らかく笑みを浮かべた]
[神父様の優しい気遣いに応えねばと、さっそくおいしいパン作りの作業へともどる。
こうなったら羊のメリーさんの薬になんて頼らずとも、美味しいパンで素敵なあの人のハートを鷲掴みだァ!!]
ま、待っていてくださいねッ。
すぐ美味しいパンを焼き上げてみせますから……っ!!
[腕まくりをすると気合を入れるようにぺちっと頬を叩いて。
またもパン作りに精を出すのだった**]
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