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[途端に、非難があっちこっちから飛んできたので、
ものすげえ面倒そうな顔をしている。
やりたいことだけやっていたい魔族だった。
バルタザールは代わりに説明してくれそうにないし、
エレオノーレは鳥姿で喋れるかわからないし、
イェンスはまだあっち側にいるフリをしているようなので、
チッと小さく舌打ちしてから、親指で地下を指差し。]
……この下に、この星に災いを齎した元凶が居る。
いわゆる、魔王と呼ばれる存在だ。
別の星で弱らされ、封じられているんだが、復活する為にこの星の生命を喰らいに来たのさ。要は、お前らはエサなんだよ。
俺らは、お前らがエサとして適しているかの調査やらエサ確保やらを任されて、魔王より先にこの星に下ろされた、……、
まあ、パシリだな。
[説明に飽きてきたので、一言で済ませた。]
ここまで懇切丁寧に説明してやったんだ、
後は察しろ。
[立ち上がり、背中を見せる。
質問は一切受け付けん、という態度であった。
石造りの門の前に立ち、何事かを唱えれば、
ガラガラと石は地に落ちて、入り口が開いた。
途端、迷宮の中に閉じ込められていた瘴気が、生き物のように吹き出した。小さな風の精霊をかき消してしまう勢いで、勇者たちに襲いかかる。魔族らを追うのを止めるかのように。
入り口の奥は闇に包まれており、先が見えない。
まるで巨大な生き物の口腔のように、ぽかりと開いている。]
……まぁ、ここまで苦労して来たのは知っているし?
「おもてなし」くらいはしてやるさ。
なあ?
[バルタザールと鳥に同意を求め。
そして最後に、ちらりと振り返って。
微かに笑って、魔族は迷宮の中へ**]
……ああ、そうだ。
俺の名前に様づけする時は、セルウィン様と呼べ。
エサの分際で、勝手に人の名前縮めてんじゃねーぞポンコツ。
[姿を消す前に、思い出したように振り返って
ヴェルナーに言い放ったのだった。**]
[人として生きていた時のセルウィンは、退屈だった。
全く楽しみがなかったわけではない。
けれど、何かが欠けているのを感じていて、
何をしていても満たされなくて、
大抵つまらなさそうな顔をして、退屈な日々を送っていた。]
[だが、今は。
残酷な本性と衝動を思い出した、今は。]
……俺は楽しいぞ、バルタザール。
これから起こる事を考えるだけでな。
[部下にして親友である藍骸星に話しかける魔の声は、
いっそ無邪気な程に愉しげに響いていた。]
/*
そして中身は申し訳ない気分なのに
セルウィンは拗ねるなコレ という
素直にごめんなさい言いなさいよ!!!
(反応に悩む)
……ああ、お前、か。
[人には聞こえぬ声を返す>>*2]
元の姿や名前など……些細だろう。
俺の今の姿とて、人間の体を奪ったにすぎないからな。
[手のひらを眺めてみる。
本来いたセルウィンという人間は、15年前に消えてしまった。ここに存在しているのは、人間だと信じて生きてきた魔。]
……好きに動けばいいさ。
やりたいようにやればいい。
[イェンスのごとく、仲間のふりをして背後から襲った方が効率が良いのだろうが、どうも隠し事は性にあわない。
つうか、多分ボロがでる。
適材適所というものがあるだろう、とイェンスの姿をした星に言うが。]
……なんてな?
ばらしたくなかったんなら悪かったな。
[しかし、すぐに元の調子に戻って笑う。
どこかまだ、冷えていたが。**]
― 地下4階 ―
[地下4階。自分のテリトリーへと、蒼の星は降りていく。
エレオノーレやバルタザールは途中で別れたか、共に来ていたか。
意外に高い天井と、硬い床。
壁の燭台に青い炎が灯されて、一帯を照らしだす。]
………………。
[ぐるりと辺りを見回した。
コツン、と床を踵で叩くと、地面から岩が生えてきた。
表面には薄くて透明な石版が嵌めこまれており、
やがて、迷宮の入口前を映し出す。
背もたれのついた椅子も出現させ、どかっと座った。
人間たちの動向を見物するつもりらしい。]
……しかし、埃っぽいな。
[透明板の、見えやすい角度調整をやりながら、
ぼそっと小さく呟いた。
15年誰も足を踏み入れなかったフロアは埃っぽい。
旅の途中や戦闘中はその程度気にしないが、
ごろごろ寝転んで見るのには適さない。
ついでに言うと、座っている椅子も硬い。
クッション買いに行くのも遠いしなー、
でも掃除めんどぅいなー、埃まみれになりながらの戦闘とかもどうなんだろなー、大事なセリフを言う時に埃で咽たら台無しだよなー、と魔族は一人、思うのである。]
ああ。
……ちょうど、見えた所だ。
[石版に映しだされた映像は。
フレデリカが、赤い赤い華を咲かせた瞬間だった。>89
裏切られた悲しみと、絶望と、恐怖が混ざった表情。
先のイェンスの説明通り、悪くない。]
…良い物をもらったぞ。
ただ、これからが大変そうだな。
一人殺す度に動きづらくなるだろうから、
正体感付かれないよう…頑張れ?
[迷宮深くから、笑い声をイェンスに届けて。**]
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