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[髪を引かれた痛みや驚きよりも
「嫌い」だと面と向かって告げられた驚きが勝る。
既視感。
先程のディークの叫びとレトの言葉は、同じ意味を持つのだ。
牙を持ち、肉を引き裂く爪を持つ。
以前とはもう違うのに、同じような抑制を続ける自分はとても、]
――滑稽だな。
そうだ、もう何に囚われる必要も、なかったのに。
[大きな水音が浴場へ拡がった。
立ち上がり、湯船から出ようとしたレトの自爆を眺める瞳に
彼の失態を哂う色は、一切なかった。
湯の温度を的確に感じられぬ男は立ち上がり、
彼の腰を抱えるよう腕を回す。
逃げられてしまわねばレトの身体ごと湯船から上がり
彼の身を、大理石の床へ転がす心算で]
そうだな、レト。
欲しいものは全て、撃ち落として良かったんだ。
手始めに、お前の血を貰う事にしよう。
[彼の身を床へ縫い止めようとする動きを見せるも、
薄く引き上げた口角の端で牙が歪んだ笑みを醸し出して]
/*
あ、「おじさん」に反応するの忘れた
ギィもいっこしか違わないから、ここはツッコんでおきたい()
カレルがなんか難しいな
村側は村側な気がするけどどうなんだろう。
というかやっぱりあれだな
PCはゆるゆる物語繋いで、PLが白ログ情報を頼りに
推理する村、でいい気がしてきた。
半ランダムよりこっちの方がPR村の面白さが出るかも。
[天高く、風の加護を受けて舞い飛ぶ鳥たち
それを狙う時と同じ、愉楽が今腕の中に在る。
怯える獲物を牙に掛ける――男の双眸は再び
褐色から紅茶色へと鮮やかさを増し。
大きく振りかぶったレトからの一撃を、頬で敢えて受け止める。
骨まで響く鈍い痛みを感じながら、頬を殴った腕を片手で掴み]
怖いか?
泣いてもいいんだぞ、さっきみたいに。
[掴んだ腕ごと、彼の身体へ馬乗りになろうと。
自重でその身を捕え、首筋――鎖骨の上辺りへ唇を寄せようと。
無防備な下肢が反撃されれば、逃げる猶予を与える破目になるかも知れず]
…ほう、強い子だ。
[引き裂いて流れる紅の香。
鉄錆にも似た生々しい香りが、男の本能を揺さぶり起こす。
牙を更に斜めに凪ぎ、白い肌へ深い傷を描き
其処から零れた甘露を舐め取った。]
泣かないのなら、私の下で…
痛みに喘いでいろ。
[首筋へ、深く噛み付いて今度は深く吸い付いた。
空き手でレトの脇腹を探り、腹の肉を鋭い爪で貫こうとするのは
獲物を逃がさぬ為だ。
致命的とまではいかぬけれど、先程リエヴルから得た血よりも
遙かに濃く、多い量の鮮血を嚥下して――
恍惚に濡れた眼差しでレトを見下ろし
吸え、とばかり、彼の唇へ二本の指を含ませようとしただろう**]
― 少し前・大浴場 ―
[拒絶の眼差しが酷く心地良かった。
これも吸血種としての変化なのか
元来の性質だったのかは解らない。
けれど、空気のような存在になるよりも
何の興味も持たれぬよりも格段に心地良い
レトの挑むような眼差しを、愉悦に光る双眸で受け止め。
与えた指から血を啜るかと思いきや
口淫でもされているような艶めいた舌腹の感触に
警戒も緩んでいたようだ。
手首――動脈に牙を立てられ鋭くも、甘美な痛みに
仄か背筋を震わせて。
抱き合い、絡まるように縺れ合い、首筋を唇でなぞられれば
此方もまた、伏目がちに脈動を探り――]
[首筋に立てられる牙。
じくじくとした痛みは快楽を生み出し
双眸は完全なる真紅へと変化を遂げた。
下腹部で息を潜めていたはずの欲塊も
痛みに歓喜するよう膨張し。
けれど、欲望のままに動くことも
レトを再度羽交い絞めようともしないのは
彼の挙動のひとつひとつに、興味を抱いたかもしれず。
床上へごろりと身を転がされながら、
己の首筋や胸元へぼたり、ぼたりと重く伝う血飛沫の軌道を追う。
生意気な小鬼のようにも見えるのに、
酷く美しく感じられたレトの身が
崩れ落ちれば、その身を強く、抱き締める
どこかもの哀しい笑気が、浴室へ響いた。]
――そうだ。
お前は望まなかったのか…?
[静寂を破る混沌を。
鳥籠の歪んだ持ち主の首をかき切れるかもしれぬ牙の存在を。
彼の腹部を傷つけ血塗れになった指先…
爪へ舌を這わせながら、天井の文様をじっと見つめた]
レト、……何故、泣いていた…?
[拒絶する勇気も、反撃する狡猾さも持っているのに。
"怖い""辛い"ではない涙の理由が浮かばずに、そう問うたけれど。
威勢の良いふりをしている相手がの気力が保てていたか。
返答を得ても得られなくとも、暫し互いの身を冷ましてから
肌を清め、脱衣所へ向かっただろう。
脳がやけに冴えてしまった所為か、熱を持ってしまった下肢も
その途中で常を取り戻し。
予め呼んでいたドールにレトの分の着替えも用意させ、
くたりとしていたかも知れぬ彼へ、衣服を着せる。
己も白ではなく、黒い軍服で身を包み
誰かが現れる前に大浴場を後にした*]
―大浴場→個室前廊下―
[浴場に残った夥しい血潮の芳香がかき消える頃、
男は緩慢に廊下を歩んでいた。
特に行く宛なく、殊更ゆっくりと歩んでいたのは]
――…行け。
[情報を把握する為に、主に個室中心を
イドに探索させていたからで。
先のリエヴルからの情報にある通り、
Es全員が吸血種へ変化した事は確認していた。
男が求めていたのは、それ以上の情報だった。
どの部屋もドールにより、血痕は綺麗に清掃されていただろう。
けれど、そこかしこで血の香が伝う]
[不法侵入にも同じだ。
年長者として当り前だがこれまで、
鍵が掛からないとはいえ同胞の部屋へ
勝手に侵入したり、イドで覗いたりなんて事は
したことは無かった。
呪術の研究に熱心な王子のこと、
どうせ今回の件だって、あの歪んだ王子の所為だと踏んではいたが。
その先、王子が何を企んでいるのかは
少しばかり興味を惹かれる部分でもあった。
さして面白い情報は得られない。
己の部屋で脱ぎ捨てた白絹が赤黒い絹に変化した
ガウンも、もう無かった。
けれど。
ピィ、とかギィ、とか忌まわしげな声でイドが反応を兆す。
その部屋の主は、カレルだ。
部屋の主は眠っていただろうか。]
[イドが何故それに気づいたのかは理解出来た。
香をつけぬ男の唯一の匂いが、仄かな硝煙の香なのだ。
身を清めれば落ちるけれど、狩りに出ればまた付着する香。
恐らくはそれに反応したのだろう、
イドはカレルのベッド下へ潜り込んだ。
包みか何かに覆われているか、或いは。
解らずも、イドの目を通して見えた銃把の刻印、
某社で直ぐに製造中止になった自動拳銃。
そもそも、王国の刻印入りの拳銃は、リボルバーしか存在しない。]
――…、……どこかで…、
[この銃を見た気がするし、自分のものだった気もする。
というか、こうして忘れている事柄が、他にもあったような気さえした。
思案する男の思考を余所に、カレルの部屋の男のイドは
クレステッドのイドとかち合うか。
先程と同じように、「ピィ」とか「ギィ」とか声を発し
男のイドはカレルの部屋を後にした。]
[個室に存在していた者も他に居たかもしれない。
白い毛玉のような男のイドは、気づかれ捕えられようとすれば
51kmくらいのスピードで逃げただろう。
脱兎の如く。耳は無いが。
ぐるりと巡回して最後の一室、カシムの部屋に辿り着く。
自分の手首に噛み付き、血を得ていた彼は
その後、どうしていただろう?
ベッドに転がりがたがたと震えていただろうか?
蹲って泣いていただろうか?
解らずも、その光景を見つめ思い出すのは
先程、美酒を馳走して貰った後輩の事。
己の上へ馬乗りになった妖艶なその姿は
一番最初、カシムと同じように涙し
殻に閉じ篭る子供のようだったのだ。]
――…啜りたかったな、アレを。
[ふと、思考が横道にそれて夢想する。
腹部から突き破り"それ"を引っ張り出してしまったら
流石に、殺してしまうかもしれない、そんな気がし。
口端から赤い舌を覗かせ舌舐め擦りをひとつ零して
再び思考は、カシムの部屋へ。
弱々しくも、部屋から出ようとしない後輩の血。
次はこれにしようと、まるで今夜のディナーを決めるかのように
ごく自然に、巡らせていた。]
[個室探索を終えたイドは城内をぐるりと巡る。
とりわけ面白かったのは厨房で繰り広げられていた会話か。
王子の陰謀説や城内はEsとドールのみ、行方不明のベリアンなど
確かに引っ掛りを覚える部分ばかりであったが]
同胞の血を啜らぬ為に、狩りに出る?
――何の為に、そんな無意味な行動を。
[今や、食事など摂る必要を感じぬほどに
吸血種の血の味に魅せられていた。
生命維持にも必要であり、極上の嗜好品、
それを自ら手に入れる事に、何の躊躇いも感じなかった。
自分が歪んでいることに、気づけていなかった。
イドはやがて、中庭を臨む廊下で、友の姿を見つけた]
――…、……。
[リエヴルが何を思案しているのかは解らずに、けれど
その横顔を、イドの目を通して見つめる。
ややあって、廊下を目指して歩み出す。
暫し後、リエヴルの耳に聞き慣れた足音が伝うか]
― 中庭近くの廊下 ―
/*
ああ…
返ロルもうしないって言ったのに
レトへ思い出しロルしちゃったね
なんというか、(ごろんごろん だったので。ええ。
ツンデレじゃなくてツンエロ?
みたいなのツボで… しかもレトだし。
あれこれまた最低男ルート辿って、る…?
舵が取れないんだよなー…
― 中庭近くの廊下 ―
[コツリ、靴音は車椅子の数歩手前で一度停滞し
やがて傍へと歩み出す]
リエヴル、……あの、生意気な後輩の様子はどうだった?
[黒い軍服に着替えた男は常より棘のある物言いで
友の隣へ片膝をつき、薄く微笑む。
自己も騒動の最中に居た為、イドを飛ばす事も出来ず
彼らが何を語ったのか、知らずにいた。]
[膝を折り、リエヴルを真っ直ぐ見据える。
何処か憂いを帯びて見える彼の表情に違和感を得たが
その唇から紡がれた言葉は想定外だったらしく
驚きに、双眸を瞠らせ凍り付いていただろう]
そ、うか…、いや、驚いた。
あいつに、そんな告白が出来る度胸があったとは。
それに、……お前が男に、そんな言葉を紡ぐとは意外だったよ。
[告げる言葉に感情が上手く重ならなかった。
今、リエヴルの事を、そしてディークの事を、
二人の事を考えることが出来ないほどに、動転していて、
口に出す事を禁忌としていた言を、咄嗟に発し]
……結婚経験があるしな、お前は。
――…察しろ。
詳しくは、聞いてはいない。
[悪趣味な王子のこと、男がリエヴルと同期と知るが故、
反応を窺うか、面白がってリエヴルへ詰め寄り
詳しく聞くことを望んだか。
けれどそれを耳にしても、彼に直接尋ねたことはなかった。
唇を噛む様子に微か眉根を寄せて]
――お前…、奴の気持ちを知っているんだろう?
何故、そんな事を。
[彼の考えていることが、わからない。
友は、なにを目論んでいる?
思案しても答えは出ずに、ただ静かに彼を、見据え]
軽蔑するどころか、…私には、お前がわからないよ。
[赤い瞳を、真っ直ぐに見つめ返す。
聞き慣れた友の声が、これまで押し留めていたのであろう
心情を紡いでゆく。
妻と引き離され、妻の死が彼の裡に昏い影を落としたのだろう。
それでも、以前の自分であれば彼の行動を
"仕方が無い"と、易々と受け入れてられていたかもしれない。
本能を戒める枷がまたひとつ、今 砕け落ちた]
――くだらない。
後を追って死ねたから本当に好きだ?
死ねないから好きじゃない?
――誰でもいいから、道連れが欲しかった?
[誰に対しても等しく優しい、面倒見のよい男だと思っていた。
誰よりも彼を理解し、理解されていると感じていた。
聖人君子のようだ、などとは思わなかったし
誰しもそうした暗い部分は持っているだろう、けれど――
『私はそれに満たされ、彼らはそれに癒される。』
その言葉が酷く、神経に障る。]
見返りの為の仮面だった、ということか。
――リエヴル、お前…、歪んでいるよ。
[彼のことをそんな風に、非難出来る自分ではないと
解っていたけれど。
本当の彼を受け入れ難いのは、そう――
自分もまた、リエヴルを"守る"ことで、優越を覚えていたのだ。
庇護する事で、庇護欲を満たしていたのだ。
その事実に、気づいてしまったからで]
それでも、皆はお前に手を差し伸べる。
それはお前が望む、望まぬに関わらず、だ。
[伸ばされた指先を、そっと掬い上げ、握ろうと]
[彼の真意を読み取れてはいかなった。
真意どころか、此処まで自分が見てきた
リエヴル・ウィンスレイという男の何処が本当の彼であったのか――
脳裏にいくつもの、共に過ごしてきた残像が走る]
[リエヴルの枷が自分だった事は知らず、
自身の生命を絶つことを彼が本当に実行していたら
王子の言う通り、己も後を追っただろう。
あの頃の自分は彼がいないこの城に、未練などなかった。
彼が自ら翼をもぎ取る以前から、己は彼に依存していたのだ。
嵐の夜が平穏な日常を連れ去り、血の雨に塗り替えた事で
小さな罅が、大きな歪となって男の心を抉る。]
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