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お前達、手を貸してくれ。
[そうして壊れた家屋から建材を拝借し、夜闇の中、部下と共に瓦礫を慎重に崩し始める。
探し人が生きていない可能性は考えないようにした。*]
[ふと、後ろから暖色の光が差した。]
……ありがとう。
[見ているだけではいられなかったらしく、
子供は建材を拾ってきて、付近を照らす灯りを作ったらしい。
教会で松明でも借りてくればよかったが、あの場で多くを望む事は出来なかった。
瓦礫を避けているものの、その先から助けを求めるような声はせず。
疲労と嫌な予感ばかりが積み重なっていく。]
……急ぐぞ。
[中空を飛ぶような灯など、人間の手ではなし得ない事。
吸血鬼の仕業ならば、このまま居続けるのは危険だ。
子供を教会か、何処か安全な場所に連れていかなければ。
──安全な場所など何処にある。
過った考えを切り離し、作業に戻った。
蝙蝠の羽搏く音がする。
近付く度に振り払いはしているものの、数は増えてきたように思う。
陽が落ちて空を覆う必要がなくなり、自由に飛び回るようになったのかもしれない。*]
/*
城からやって来るアレクシスさんからはまだ距離あるかなって事で、一つ。
城と教会の距離感って一般的にどれくらいなんだろう。
[蝙蝠の羽搏きは徐々に近づいて来る。
人出が足りない中での瓦礫の撤去作業は、まだ手前側を除けられたばかりといったところ。
自分の家に取りついている者達は、降りかかってきた災いに呆然としている者が多かった。
>>218そんな中、部下の一人が何かに気付き、家屋から離れていく。
その背中を追った先には無数の蝙蝠で出来た黒き竜巻。]
……レオン!
[剣を構え、人間ならざるものに対して警告の声を上げた部下が、
触腕に捕まれたように竜巻の中に吸い込まれ、消えるのを呆然と見ている事しか出来なかった。
──教会で聖女を救えなかった時のように。
持ち主を喪った剣がからん、と音を立てて地面に転がった。
そうして空に浮かぶ、紅色。
いつの間にかその数を増やしていた灯の正体を目の当たりにして、喉が引き攣れた音を立てる。]
[何者かの声が空から降ってくれば、残る部下一人と共に己の武器を手に取る。
部下には子供を庇わせて。
空高くあった蝙蝠の群れが滝のように降りてきて、人間の形を取っていく。
黒いそれはよく出来た彫像のようだったが、やがて処刑の場で見たひとりの吸血鬼になる。
>>219洗練された仕草で名乗るのに、周りにいた人間達は引き攣った叫び声を上げて身を縮めている。
心の底から分からないといった顔で向けられた問い掛けに浮かんだのは怒り。
それを飼い慣らそうと、ぎり、と奥歯を噛み締め、
そっと息を吐き出すと“絢爛公”と名乗った吸血鬼に真っ直ぐに視線を向けた。]
…子供の家族を探している。
お前の呼んだ客人とやらの所為で瓦礫の下に埋まってしまったのでな。
[隠す努力はしたものの、語気や瞳の色から、押し殺した怒りは悟られようか。*]
/*
フランツとライナーは以前に死んだうちのPCシリーズです。
レオンはNPCでした。
後死んでるのはフィオンかな?
一時的にならシメオンもですが。
\がんがんお世話になってるわけじゃないのに、RP村の死亡キャラで5人チーム作れてしまう/
あと一人はその時のフィーリングで決めます。
/*
もうちょっと処理能力が生きてたら2IDで吸血鬼もやってみたかったですね…。
バランス的に女子かな。
ミリアムさんが淑女なので、弾けた合法ロリとかで。
……吸血鬼にも、身分の別があるのだったか。
あれだけの力があれば、城一つ容易に落とせそうだ。
[>>257戦う者としての感想を零しつつ、仕える者、との訂正に生家を思い出す。
そこまで強い家ではなかったが、それでも仕える者はいたと記憶している。
もう六年程は帰っていなかったし、今後、帰る心算もなかったが。
瓦礫を一瞥した吸血鬼の言に薄花色を瞠る。]
……っ、…。
[分かるのか、と目は問うていただろう。
言わないで欲しかった、とも。
子供がそんな事はない、と叫ぶのを背中で聞いていた。
憐れんだ。羨んだ。
もしも青年が死んだとして、そのように哀しむような家族など居ない。
束の間、瞳の色は陰りを見せたが、子供の泣きじゃくる声に我に返る。]
/*
家族に恵まれない設定…。
せめてダンピールに生まれていたら、父親を探して殺すとかも出来るのだけど、それもない。
ニア、自分の父親が別の男だったら、はあるけど。
自分の中に「騎士」しかない男だなぁ。
休日とかでも黙々と鍛錬とかしてそう。
仕事引退したらやる事見つからなくて困るタイプ。
[>>279もしも己にあの力があったなら。
一人安らげる場所を作る為に使うだろう。
それが具体的にどのようなものかは知らないが。
貴族の子弟であっても、
まして疎んじられた身では尚の事、成人したとて家から与えられるものはない。
居心地の悪い家から出るのなら、騎士を目指すのが一番早かったのだ。
そうして選び取った今では唯一つの道。
けれど、これ程までの無力感を味わったのは初めてかもしれない。]
……それも、吸血鬼の力か。
[ならば、青年の命の光も見えているのだろうか。
さぞかし醜い色だろうと思う。
部下が宥めているのが聞こえるが、子供の泣き声は止まず。]
……やめ ろ。
[呻くように声を発したが、その声は弱々しいもの。
触れられる程近くにあれば、切っ先が細かに揺れている事が見て取れただろうか。
縛られたように彼の瞳から逸らす事が出来ない。
吸血鬼の揺らがぬ視線に対して、青年の瞳は陽炎のように揺らめいている。]
私を見るな…!
[よろめくように一歩下がれば、部下の、青年の名を呼ぶ声が聞こえた。]
だまれ。
零れ落ちさせない。
私は、騎士 なのだから。
[自分の唯一の役割で以て平常心を呼び込もうとするが、
声音は千々に乱れ、繋がりも怪しく、声を張りこそしないものの絶叫のようでもあった。]
/*
お前達の所為で…!(逆恨み)ってかかっていって、
やられるパターンかな。とか思ってます。
昔読んだ小説では、次男坊三男坊はあまり財産貰えないっていう風に書かれていたけどそれって英国ベースだったかな。
しかし、苗字はドイツ姓()**
[淑女に向けられた言葉の中。
聖女、注いだ。
といった言葉に肩を揺らす。
何かをされたらしいが、生きてはいるらしい。]
…っ…、待て…っ!
[その場を辞するような言葉に視線を戻したものの、姿を現した時のように吸血鬼の身体は解け、無数の蝙蝠の群れとなる。
制止の声は無意味に虚空に響くのみ。
暫し、夜闇を恨めし気に睨んでいたが]
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