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[ひいい。その笑顔がこわいです。>>70
バレてないよね?バレてないない。
きっと大丈夫。大丈夫。そういうことにしとこう。
なんて思いを込めて仲間と肘で小突き合い。
でもって、改めて伝えられた配属命令はさっき盗み聞きした通りで、聞き間違いじゃなかったと舞い上がる気分だった。]
は!はい!わかりました!
超速で準備して合流します!
[にたぁ、が、にまにま、くらいになったけれども]
へぅあ、あ、はい!
ど、努力します…!
[突っ込み入れられて顔を両手で挟んでムニムニ動かすけれど、にやけた顔はしばらく戻りそうにない。
オレ史上最高に難しい課題だ、これ…と戦慄していた。**]
[フェリクス隊長と別れた後、ダッシュで自分の隊に戻る。
出撃準備をしてたりしてなかったりする仲間を大急ぎで呼び集めた。
全部で15人。みんな同年代の連中だ。]
全員集合ー!
みんないるか?いいか、よく聞け。
この戦いで、オレたちはフェリクスサマの下に配属になった。
[発表すると、みんながわいわいと騒ぎ出す。
あの騎馬隊のすげえトコ?とか超エリートじゃんとか聞こえてきたけれど、あのぐうたらなおっさんのトコ?じゃあサボってもバレねーじゃん、なんて言った奴には鉄拳制裁をお見舞いした。]
ばかやろー!あの人はすごいんだぞ!
[あわや大乱闘なところを、周りの皆がまあまあと止める。
よくあることだ。]
ともかくっ!
一年間あのひとの下にいたオレが保証する。
ぐうたらとかごくつぶしとか嘘だから。
オレたちは余計な事考えずに、やることやればいいんだ。
以上!
[一喝でなんとなくまとまりがついたあと、拳を振り上げて振り回す。]
オレたちが取ってきた情報が欲しいって言われてるんだ。
とっとと合流するぞ!急げー!
[おう、と全員の声が揃って、すぐさま全員が移動の準備に取り掛かる。
といっても身軽なものだ。
たちまち16騎が野営地のなかを駆け抜けた。]
[フェリクスの隊に合流すると、待っていたのは「よく来たなぁ」とか「大きくなったなぁ」とか、なんかそんな感じのやつ。
頭を撫でられそうな勢いに、せいいっぱい姿勢を正して、きりっとした顔をしてみせた。]
ミヒャエル及び小隊一同、こちらに配属となりました!
よろしくお願いします!
[「よろしく」とかの合間に、父親に似てきたなぁなんて反応が聞こえたのは、嬉しいような嬉しくないような。
ともかく、そのまま情報交換に入った。]
[やがて出陣の時になれば、部下たちと共に整列して、フェリクスの言葉を聞く。>>101
淡々とした口調で、背筋が伸びるような言葉が語られた。]
…そうか。
あいつら、かわいそうなだけの連中じゃないのか。
[武器を持った農民というのは、無理矢理戦わされているか、仕方なく出てきているものだと思っていた。
だから戦場でオレたちと出くわしたら、すぐに逃げていくに違いないと、なんとなく考えていた。
侮るな、甘く見るなという言葉を胸に刻み込む。
続いた愚痴っぽい話には、そうだそうだーと何人からか声が上がっていた。]
[号令におーと応えて、動き出そうとしたところへ声が掛かった。>>104
慌てて手綱を引いて、ぴしと敬礼する。]
はいっ!なんでしょうか!
[そうして告げられた言葉に、一つ一つ頷いた。]
侮らず、限界を見極める…
わかりました。気を付けます。
[死んじまったらという声の温度に、すとんと緊張が抜けた。]
[直後。]
ち、血筋を残す、ですか!
どっ、努力します!!
[声の高さが跳ねあがって、顔に血が上る。
「たいちょー今イイ子いるんだよなー」だの「このあいだデートしたって聞いたスよー」なんて野次が飛んできて、ますます赤くなる。]
で、出ますっ!
[敬礼もそこそこに、馬を駆けさせる。
明るい笑いと馬蹄の音が後に続いた。**]
― 平原 ―
[行軍中はケラファス隊本隊からやや離れたところを進んでいた。
全体として一つの隊として機能していれば細かいことは言わないという隊の方針を理解していたから、本隊から着かず離れずの位置で自由に動き回る。
斥候として幾度か通った道だ。本隊よりも地理に詳しい自負もあった。
本隊より先行していれば、相手の奇襲は避けられたかもしれない
実際はその時、軽歩兵隊よりも後ろの位置にいた。
隠れやすい場所に伏兵が潜んでいないか確かめながらの進軍だったが、ある意味それが裏目に出た。]
[矢の雨の第一波は、少し離れた後方から目にした。
それがむしろ、被害を避けることとなったが、そうとばかりも言っていられない。
一気に加速して軽歩兵隊を追い抜き、そこにいるフェリクスを見つける。>>128]
自分たちが行ってきます!
[叫んで寄越してから、進路を大きく変える。
弓兵がいるあの丘は、北東側からなら馬でも楽に登れるはずだ。
崖や木陰を利用して矢を避けながら、弓兵の後ろを突くべく駆けていく。*]
[ある意味、弓兵が本隊に気を取られている隙に、という本隊を盾にした進軍だったが、おかげである程度距離を稼げた。
相手が気づいて声を上げる頃には、丘のふもとまで到達している。]
よーし。一気にいけぇ!
[雄叫びと共に駆け上がれば、上から石や矢や網が降ってきた。]
網ぃ!?
[「投網と槍は常套だろ?」「つっても馬に網絡んで動き辛ぇ!」と仲間たちは騒ぎながらも各々切り抜けて登っていく。
もともと隊列を組んでの突撃などはしない、個々人の戦闘力に任せた戦い方がメインだ。]
[駆け上がるのに手間取っている間に、相手は退却を始めていた。
怯えて逃げ出すとかいう感じじゃない。あらかじめ決まっていた動きに見える。]
くっそ、逃がすかー!
[ミヒャエルが槍を投げれば、隊の仲間もそれに続いた。
退却していく弓兵の背中に投げ槍が飛ぶが、どれほど功を奏しただろう。
即座に追いかけようと思ったが、フェリクスの言葉を思い出して踏みとどまる。
限界とは違うけれど、ラインを見極めるのは重要だ。
今は、弓兵を追い出して、本隊が攻撃を受けなくなればそれでいい。]
止まれ!
被害確認!
[仲間の様子を確認しながら、次はどこへ向かうかと戦場を見渡した。]
南は元首サマが叩くのか。じゃ、あっちは大丈夫かな。
マズいのは西の方から来てる奴らだよなあ。
あれ合流されるとヤバいよな。せめて遅らせらんねーかな。
よし。行ってみるか!
[方針決定すれば行動は早い。
丘を駆けおりて、まずは下がっていた他の軽騎兵と合流した。]
フェリクス隊長!
西から新手来ます!たぶん北の森からも!
あとこっちの本隊は南の敵を潰すつもりみたい!
[隊長の姿を見つけて報告し、ついでに周囲の兵に声を掛ける。]
敵の援軍の邪魔をして連携を崩してくるよ!
元気な奴1隊くらい、ちょっと手を貸して!
[比較的年嵩の小隊長が「やれやれ仕方ないな」とばかりにフェリクスに目礼してから追随してくれる。
総勢30騎程となって、戦場を駆けた。
南からの矢が本隊の方へ向いた隙に、戦場を南側から迂回して西へと駆ける。
やがて前方に盾を持った王国兵部隊が見えてくるだろう。*]
― 平原西側 ―
[「たいちょー!後ろから追ってくる!」
仲間の警告に振り返れば、敵の部隊の中から小部隊が分かれて、明らかにこちらに向かってくるのが見える。]
うえー。挟みうちとかされたらやだな。
でも向こう徒歩だしこっち馬だろ?
なんとかなる!
[力強くも根拠無しに宣言して、当初の目標へ向かう。
ちょっと引っ掻き回して帰るだけなら大丈夫、と思っていた。*]
/*
お。追い抜かれた?
あっちの盾小隊はベリアンが動かすものと思っていたけれどそういうものでもないのか。
んー。どうしようかな。
― 平原西側 ―
[いくらなんでも正面から特攻するのはまずい、のは分かっていたので、さらに南側に大きく逸れて回り込むルートを取った。
上手くいけば向こうの真後ろから仕掛けられる想定。
でもちょっとずれたから、だいたい真横くらい。
「たいちょー。むこう合流してる。」と仲間の指摘に目を凝らせば、むこうを出てきた時に追いかけてきた連中が、まさに合流しているところ>>244]
うわー。追いついてきたのかよまじか。
でも挟み撃ちされなかったからいいか。
[「よくないでしょ」「人数増えたよ」と騒がしい仲間の隣で、ついて来てくれた古株の隊長率いる面々は、若いなぁの顔をしている。]
いいから、仕掛けるよっ!
[号令すれば、応!との返事と共に、雰囲気が引き締まった。]
いっけぇ!!
[初手は、疾走する馬上からの投げ槍だ。
馬上で身体を安定させなきゃいけないこれがこの距離でできるのは、自分と、あと数人くらいしかいない。
一番目立つ奴を狙おうと決めていた。あの、後からきてなにか指示飛ばしてるヤツ。
飛ぶ槍のあとを追って走る。
距離が近づけばさらに何本かの投げ槍が飛んだ。]
一撃!離脱!
[号令で各人が槍を振るう。
一度ぶつかったら、そのまま足を止めずに西側へ駆け抜けるつもりだった。*]
― 平原西側 ―
[向こうの盾兵と軽歩兵の部隊に一撃を食らわせた後、一度西へ抜け、蛇がのたくるように反転して今度は相手の北側からの攻撃を試みる。>>262
何度もやればそりゃあ危ないことは知っているけれど、二・三回なら大丈夫だろう。
自分の役目は、できる限りこの部隊に纏わりついて進ませないことだ。
それにしても、あいつ良い動きしてたなぁと、内心で舌を巻いていた。
自慢じゃないが、投げ槍で仕留めそこなったことは数えるほどしかない。あれを躱した運動能力と反射神経は、ゼファーの男でもなかなかいるものじゃない。
あいつがもっかい来たら、まともにやり合うしかないかもな、という予感がした。]
よし、もう一度だ!
一撃!離脱!
[再び接近と攻撃を試みる。今度は投げ槍は無しだ。
ボールが弾むように、相手の北西から攻めて、北東に抜けるルートを目論んでいた。*]
/*
纏わりついて到着を遅らせる。
=ちょっかいをかけて、むこうのナカノヒトの手数を消費する。
(直接攻撃だ!)
― 平原西 ―
[二度目の攻撃は、軽歩兵の槍や剣に迎え撃たれた。
一度目で相手は既に慣れたのか、二度目の攻撃では傷を受けるものが続出する。
仲間の一人が馬の足を斬られて落馬するのを目にしたとき、思わず馬を反転させていた。]
来いっ!乗れっ!
[地面で呻く彼に振り下ろされる槍を払い、馬から飛び降りて彼を馬の背に押し上げる。
馬は彼を乗せたまま槍を躱し、他の仲間を追って駆けて行った。
これで大丈夫と安心したところで、はっと周囲を見る。]
― 平原西 ―
[一斉に向けられた武器の数に、ヤバいな、死んだ…と思ったが、それを止めるヤツがいた。さっき、投げ槍で仕留めそこなったヤツだ。
他の連中が指示に従ったから、アイツが隊長なのかと思う。
若いな。オレと同じくらいじゃね?
まさか一騎打ちか?と思ったが、違うらしい。]
ミヒャエルだ。
オマエは?
[観察してくる様子に、つい名乗りを上げていた。*]
― 平原西 ―
セルウィンか。
さっきのオマエ、すげぇいい動きだった。
[いいものはいい、と告げずにはいられない性格だった。攻撃ではなく槍を振り、名乗り合った相手をぴしりと指す。]
次はオレがオマエの首を取る。
だから、次会う時まで―――
「たいちょー!」「死ぬな馬鹿たいちょー!」
[言葉の途中で仲間が二騎駆け戻ってきて、ミヒャエルの手をそれぞれ引っ掴む。当然、二頭の間にぶら下げられながら、叫んだ。]
死ぬなよーーー!!!
[敵将に向かってそれはどうなのか、という言葉だったが、素直な本心なのだった。*]
― 平原西 ―
[相手の呟きが聞こえるほどいい耳だったら違ったのだろうが、清々しいような気分で他の仲間たちと合流した。>>307
散々怒られまくったけれど、それも生きているからこそだ。
ずいぶんと負傷者も増えて、このまま隊として動くのは難しい。]
一旦、本隊に合流するか。
[方針を決めれば、古株さんも賛同する。
「そろそろ隊長の我慢も限界だろうからな」という言葉の真意は、一年しかフェリクスの下にいなかった自分にはわからなかったけれど。]
よし。全力で下がるぞ!
[おお、と声が上がり、小隊は本隊戻るべく東へと駆けた。**]
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