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くくっ―――すげえ、嫌々って感じ。
これから数日の任務で、どれくらい「教官」呼びが定着するか、見ものだな。
[促しに応じてはくれたものの。
怒り雑じりの呼び方>>5を聞けば、思わず噴き出す。
感想を告げる声色に揶揄う時と同じ愉しげな色を滲ませながら、
薪代わりの木切れを数本、火に放り込んだ。]
…休んでいていいぞ。
別に任務だからとはいえ職権乱用する気はねェし、
今更襲ったりもしないから心配すんな。
[交代制の火の番は、先を務めることにする。
寝ておけという意図は伝わるか。]
オヤスミ。
[時折吹く風と木々の葉擦れの音。
小動物の移動音、火の粉爆ぜる音…それら以外が聞こえなくなると、自身の荷物から紙とペンを引っ張り出し簡単にメモを纏めておく。
帰還後に纏めなければならぬ報告書の材料。
出向中に仕上げてしまっても良いのだろうが、己は生憎、現場で書類のことを考えるのは苦手な性質だ。
必要事項だけ書き止めて、後は終わってからでよい。
―――数日間の任務。
問題を起こした己の相方役として
彼女を送り込むと決めた上官の意図は、掴めるようで掴めない。
わし、と後ろ髪を掻くと、丁度背の位置にある木の幹に身体を凭せかけた。**]
[上官だか悪戯者の仕業だか知らぬが、
紛れ込ませてくれた“備品”のおかげで昨夜は退屈もしなかった。
肝心の中身はといえば「まぁまぁ上出来」といったところ。
真剣に眺めるほど飢えてもいなければ純でもない。ついでに言えば本の趣味から垣間見える性癖も己の趣味とは違う。しかし、暇潰しの娯楽本としてはなかなかもってこいではあった。
帰還したら持ち主へとGJを送ろう。良い友達になれるかも知れない。]
[火の番を交代してから朝までの短い間は仮眠を取り、
起床から撤収、そして出立まではスムーズで問題もない。
コンパスと地図を頼りに歩き出せば、暫くの後に目的地の宿舎に到着する。]
― 野営地―→宿舎 ―
― 宿舎 ―
ホントだなー。もっと小型かと思ったが。
でも、思ったよりはしっかりとした厚みのある壁じゃね?
正直、隙間風に曝されるくらいを想像してたから、これは僥倖。
[案外大きい、と感想を漏らすベルティルデ>>70に同調するように頷いた。罰則にしちゃあ上出来だ、と付け加えた言葉は聞こえていなくていい。]
っても、流石に、バンガローは一人一つは用意できねェか。
人のモンに手を出す趣味は無い、とはいえ、
俺なんかと一緒にさせていいのかねぇ、上は……
[今更だが、と一人ごちて肩を竦めた。
彼女と良い仲であると風の噂に聞いている同僚は
今回の任務についても特段何も言ってはこなかったが。
信用されているのかいないのか、微妙な心持ちだ。]
ん?ああ。
次の課題は―――ええとな、
「ダッシュor奪取」って書かれて……つまり何だこりゃ?
[言葉遊びのようなミッション名に、片眉が上がる。
紙束を捲り詳細に目を通すと、得心行ったような表情。]
………ははん、要するに
訓練生と教官との追いかけっこみたいなもんだな。
「訓練生は24時間ずっと教官から逃げ切る」もしくは、
「24時間以内に教官が指定する品を奪い取る」だそうだ。
24時間って、やけに長ェような…
………まあ、このミッションは特に必須というわけでもないみたいだから、休息に充ててもいいと思うが。
やるか? で、やるんなら、どっちがいい?
[内装を見つつ、さすがに着替えるのは風呂場あたりにしようかなどとぼんやり考える。さすがに着替えを見せるサービスは行う予定はないし、向こうはともかくこっちは非常に恥ずかしい。]
(そもそもどうしてこうなったんだっけ…。)
[腐れ縁のようなこの関係。士官学校時代から始まったのはそうだが、何の切っ掛けがあってこうなったのか…と、オズワルドの返事を待つ間ソファー代わりにベッドに腰かけつつ考える。]
[同時期に入学してから数年間、やれ何かしらあると顔を合わせる事が多く、訓練で一緒する事も多く、学食で鉢合わせる事も多く…おかげで名前も顔はすぐに覚えた。
悪癖を知ったのはそのすぐ後だ。聞いた時の渋面は、後々ネタになる程酷い顔だったらしい。
友人がオズワルドに泣かされたのも知っている。抗議に行ったが周囲から話を聞く限りお互い様だったので逆に謝った事もある。流石に出合い頭にぐーは謝罪案件である。
ただこれ以後、オズワルドを紹介してくれという女友達へは慎重に対応するようになったのだが。]
[あんまりに慎重にしたため、一時期付き合っている噂も出た。全部に全力で否定しておいたので、噂の影は長引いたが、その最中オズワルドの方は相変わらずだったので自然に消えていった。]
(あーそうだ、私ばっかり否定して
何か馬鹿みたいだなーって思ったんだっけ…。)
[毛ほども感じてない様に見えたオズワルドに、何といえない感情を覚えたのはその時からだった。]
/*
遅ればせながらよろしくお願いしますというか何というか。
そういや独り言をまるきり使ってなかったなと思い立ったので使ってみるのだった。
何というか使う余裕がなかった。
今回異様に不規則でごめんな相方ぁぁあ!
― 宿舎 ―
[聞き咎められた『罰則』には、
顔の前で両掌をひらぁりさせて、なんでもないですよのジェスチャー。
バレるのも時間の問題と思えたが、一応話題は逸らしておく。]
要人がこんな島で訓練、なー…
有り得る話ではあるな、こんなモンが用意されてるなら。
さっきの森の雰囲気からして、他に俺らみたいな訓練生と教官みたいな立場の人間がいくらか送り込まれてはいるんだろうとは思うが――まだ会えてねェな。
[軽く耳を欹ててみるが、今のところ喧騒は聞こえなかった。
付近には居ないのか、それとも防音性に優れた壁に隔てられているがゆえか]
まぁな。旅行やキャンプならまだしも。
恐らく、一緒に過ごさせることも含めて訓練なんだろうし。
[天井と四方の壁を見回し、同意を示す。
一人で過ごすには少々広いバンガローは、防音のためか声が少々響いて届く]
こういう時、同性ペアじゃないと面倒だな
……って思ったろ。
[揶揄するように言うが、今回に限っては同感だ。
苦手な相手ではない。むしろそこそこ気は合う方だと思う。
付き合いが長いということは長いだけの理由がある。]
[鬼の形相でつかつかと近づいてきたベルティルデに
思い切りぐーぱんを貰ったのは何時の事だったか。
士官学校入学後、女子生徒の名と顔は早々に一致させたため、
彼女のことは恐らく彼女が己を認識するより早くに知っていたが。
よもや声をかけるより早く綺麗な右フックを食らう羽目になるとは、
あの時のインパクトたるや今でも思い出す度に変な笑いが出る。]
『あのなァ……なんか誤解があるようだが、俺は!
相手が居ない子限定、且つ、互いに本気にならないと合意の上でじゃねぇと火遊びの相手はしねえよ!!』
[堂々と最低なポリシーを大真面目に叫んだ若かりし時分。
彼女の友人であったらしい女との関係についてどうやら理解は貰えたらしいが、その言葉を聞いた直後の彼女の表情もある意味忘れがたく―――
ともあれ、そんなことがあったがゆえに、最も印象の強い女生徒の一人として心に刻まれたのであった。時には謝罪を逆手にちょくちょくちょっかいを掛けるようになって、それが腐れ縁の切欠。]
[何時だったか、長い学校生活の中でか、その後か。
何がどうしてそうなったのか、交際疑惑が自分とベルティルデとの間に出た時には、流石に目を丸くした。
否定の代わりに一時的に遊びの頻度を増やしたのも今となっては懐かしい。
己は特に困ることもないが、ベルティルデはさぞ困るだろうと、
そのまま放っておく……というわけにもいかなかったのだ。
己との噂など、ベルティルデの真面目で清廉なイメージに傷が付くばかりで、百害あって一利なしであろうから。将来の進路にすら影響が出るやもしれぬ、と。
無言の行動が功を奏して……ではなく、
ベルティルデには本来の相手がいる、という新たな噂の出現によって
やがてほとぼりも冷めたようで今に至るのだが―――
未だにあの時の件に関しては、暗黙の了解のように、彼女との間では触れず触れられずになっている。]
……ん?
[言いかけて途切れた言葉に、微かに首を傾ける。]
エーヴァルトといい仲だってずっと噂になってんぞ。
確か……もう3年くらい経つだろ、長いよな。
[なんでもない、と打ち切られ、隠したい話題だったかとも思うが
さらりと表面をなぞるように触れておくのは微妙な心持ちの表れ。
その前に己が一時でも噂に関わったがゆえか、多少気まずく、
話題は早急に当面の問題、課題をどうするかに移るのだが]
や、おい、ちょい待て待て。
夜からってお前、夜から24時間森で追いかけっこする気なか!?
やる気と気概は買うが、狼さんとランデブーする羽目になるぜ、絶対。
[夜からでもいいなどと言い出すとは思わずに
思わず声色には笑いが滲んだが、
実際にそんなことになれば笑い事では済まない。]
………まァ、今夜はゆっくりしとくか。
野営の後だし。
調査目的とはいえ、多少サボっても罰は当たらねえよ。
[予定変更を告げて、小さく笑った。*]
うっ…何でわかるのよ。
[図星を突かれると言葉を詰まらせながら、じとっと見上げる。
考えが読まれやすいのか思考が似ているのか、あるいはその両方か。付き合い長いから余計に悟られやすいのは理解しつつも、それがそんなに嫌いじゃないから少し困るのである。]
なんでってなぁ……
俺の知る限りでは、顔に出る方だし。
[この辺に、と、人差し指で自分の顔の周りに
ぐるりと円を書くように指し示してみて――]
お前の場合はこの辺にだな。
[窓に寄りかかっていた身体を少々ベッドに寄せ、
指をベルティルデの目元、頬の高骨の辺りに近づけた。
見れば分かる程度には浅からぬ付き合いだ。]
何で何でって、なぜなぜ坊やか。
[二度続いた問いに、そんな突っ込みを入れておいて。
意外な反応を得て、暫し沈黙が落ちた。]
や、俺はそう聞いたんだけど……?
それがあったから、過去の俺とお前との―――……
……あー、その、なんだ。
[多少気まずそうに後ろ髪を掻いて、窓の外に視線彷徨わせ]
妙なハナシも薄れて行ったんだと思ってたが?
…――その反応ってェことは、
もしかして、 …的外れ?
[声のトーンは割と真面目だ。
確認の意図もあるが、どう受け答えるべきかの逡巡も滲む。
やりにくい。己らしくない。]
だとしたら昔の俺は、
一寸勿体無いことしたかも、な?
[出来るかどうかは別として。
特に言及はせずに来たが、別に対象外ではなかったのだと、
暗に軽口に混ぜて、口端を上げた。]
勇ましいこって。
そんなに追いかけっこしたいなら、
帰ったら幾らでも付き合ってやるよ。
[勢い込んだ台詞の一方で「上官」の指示に従おうとするベルティルデをやはり楽しげに見やりつつ―――
彼女の持ち物の中から適当なものを借りて、或いは奪って
そんな形での鬼ごっこも愉しかったかもしれぬ、とは頭の片隅で。]
……
[適当な椅子を引き寄せて、脚組んで座った。
距離を保つべき相手との、適度な距離感は、
これまでの関わりの中で見極めたものだ。
……休息となると却って間が持たぬかもしれぬこと、計算外だった。*]
なぜなにで悪かったね。
大変勘違いですー。フリーだもん。
[微妙な内心を誤魔化すように、つっ込みに口を尖らせるように言う。オズワルドの区長が真面目なのが、何となく居心地悪さを覚えて。
軽口が聞こえると、きょとんとしたようにオズワルドの方を見て、瞬いて、その後くすりと噴き出すように。]
…やだなぁ。
そういう気の使い方しなくっていいよ。
[気まずいせいか、変な気を使われたようでと、苦笑じみた笑みで言った。]
痛ってェなーもう……
[思いきりひん曲げられた指を摩りつつ眉を潜めた。
苦笑を見れば暫く言葉を捜すように視線を上向けたが、
やがて椅子に深く腰掛け直して、脚を組んだ]
別に気は使っちゃいないが。
[ベルティルデが引け目を感じているなど思いもしないから、
椅子の後ろ足に重心をかけてぐらぐらと前後に揺れながら]
っても、ま、半分は冗談だな。
遊びで手を出せる女とは思ってない。
[ただしい意味で伝わらない可能性もあるが、
敢えて意味を明瞭にせず含みを持たせておく。
―――「遊びで手を出したい女じゃない」と
過去、例の噂が蔓延った時に、真偽を確かめに来た友人に告げたことがある。それもどのように受け取られたかは分からないが……
範疇外ではない、それは本心。
それなりに気の合う相手ではある、それも確かなこと。
だが、そもそも住む世界が違う相手であるような、そんな感覚は常に付き纏っていたから]
多分、どっちの為にもならんだろ。
[なぁ?と、肩を竦めた。
それにしても、やたらに軋む椅子だ。
自分が重すぎるのか、それとも古いものなのだろうか。
体重の掛け方を間違えてしまえば、折れそうで怖い。]
……。
………つーか、何でこんな話してるんだっけ? 俺の所為か。
……もう一度言うが、俺の所為なので、
んな畏まって座らなくてもいいから、
風呂とか身支度とか適当にドーゾ。
[空気を変えようと努めてはみるが、効果はあるやら。]
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