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[本当は。
彼の答えなど必要としていない。
その回答を得るべきは、ディーク本人からだけだと知っているからだ。
これは、だから、雛への寓意に過ぎない。
トールと自分に置き換えろと]
[見詰め返す雛の瞳は、例え話に何かを読み取ったようだった。
くくっと喉を鳴らし、目を細める。
雛からすればいいお節介だろうが、トールが好きで、彼に幸せになって欲しいのだから仕方がない。]
ふふ。そうだね。
今度ちゃんとディークに話すよ。
でも、理由なんてあまりないんだよ。
ただ彼が愛しく思えた、それだけなんだ。
[この話はそれでおしまい、とぬるくなったカップの茶を呷った。]
ふふふ。
ディークが君ほど知りたがりでないといいんだけど。
トールをどきまぎさせてあげるといい。
[共犯者めいた笑みで、ティーポットを取り上げ、もう一杯いかが?と勧めた。
その後は、一度席を立ち、]
今、君の主へ礼状を書くから少し待っていてくれるかな。
[先ほどディークに持たせる書状を書く時に取り寄せた羊皮紙に、羽根ペンでさらさらと数行の文章を書き付ける。
礼状の枠を離れた奔放な内容は、若い血族の不死の心臓さえ躍らせるかも知れないが、まあそれはそれとして。]
『トール様
素敵な菓子をいただき、ありがとうございます。
お礼に、ささやかながらご一席設けさせていただきたいと思いますので、ご都合の良い時間にお越しいただければ幸いです。
その折には、可愛い雛を是非ともご同伴いただきたく。
心よりお待ち申し上げております。
追伸
好意は言わなければ伝わらないよ。
さっさと「好きだ」と言ってしまいなさい。』
[雛が文面を見ないうちにさっさと封をしてしまい、雛に差し出す。]
本来なら素敵な菓子のお返しをしないといけないんだけど、残念ながら僕には何もないんだ。
だから、その代わりと言っては何だけれど、君たち二人をお招きしたいと思っている。
手紙にも書いたけど、君からも伝えてくれるかな。
[雛が手紙を受け取ろうと近寄れば、すっと身を寄せて]
[黒髪から仄見える形の良い耳朶に、囁きを吹き込む。]
君は、トールをどう思っているの?
好き?
―――――…な、ぁ、えっ!?
[吹き込まれた囁きの感触や、その言葉の意味。
両方で情けない、変な声を上げた。]
……好きか嫌いかで言うとすれば…その。
好き、です、が。
[我ながら卑怯な答え方だと思う。
しかし、この慌て振りからして二択の意味でなくとも
好意を寄せていることくらいは伝わるのだろう。]
[自分の囁きが雛にもたらした反応を確認し、頬を緩ませる。]
ふふふ。
君とトールは、ある意味似たもの同士だね。
結果を知るのを楽しみにしているよ。
[彼を戸口まで送り出すと、またね、と鷹揚に手を振った。]
[評議会の思惑などどうでもいいと思っているので、元よりコンラートに試験をするつもりなどはない。
形式上、雛――アレクシスを迎え入れたが、コンラートにとっては単に茶を飲んで身の上話をしただけのつもりである。
評議会から試験の結果を問われても、適当に合格で済ませる気満々だ。
……というような思惑は、あとで何かあった際にトールと雛に迷惑のかからぬよう己の胸に収めていた。]
[彼の姿が廊下の先に消えてから、ふと思い出した。]
……ああ。しまった。
[細い眉を顰めて、嘆息する。
彼にバランの話を聞いておくんだった、と後悔した。
バランが彼ら血子にどのような扱いをしていたのか、
評議会が動くまでに、あの城で何があったのか。
生まれて間もない仔を時間稼ぎの使い捨ての駒に置いて行くくらいだから、相当にろくでもない扱いだったのは明らかだが。
もしかしてディークがあんなふうに壊れてしまった理由を知っていないか、尋ねてみるればよかったと思った。
それとも、まだ1週間しか経っていないのに、心に傷を負ったであろう雛に、非道な血親について思い出せと言わなかったのは、正解だったかも知れないと思い直した。**]
[それから、白き蝶の君を抱き寄せて、
酷く疲れた声で囁く]
渇いた
…欲しい、コンラート すこしだけ いい?
― 自室 ―
[ディークの居場所が分からないのがもどかしい。
血子であれば、距離の制限など関係なく常に心の奥底で繋がっているのに、血の繋がらぬディークでは、それができない。
心が分からない。
だから、不安になる。
それでも通常であれば、長生者の鋭敏な感覚は、この城館程度の広さであれば、自身の気配を隠蔽する技巧のない幼童の所在を探り出すなど、造作もないことなのだが。
今のコンラートには、それができない。
いや、やろうと思えばできるのだが、そんな簡単な事柄でもやれば確実に餓えに近づく。
代用品の血酒をふんだんに摂取できるとは言え、出来るだけ消耗を避けねばならない事情がある。]
― 自室 ―
[そんな状態でも、近ければ、足音を察知するくらいは出来る。
逸る心を抑えて、長椅子から滑り降り、扉へと歩み寄った。
ディークが部屋に入ってきた時、その足取りから、姿を見る前にどんな状態か大体予想はしていた。
予想以上だった。
端然とした軍装が、草にまみれ、あちこち埃まみれ、何か分からない染みだらけになっていた。
顔にぬぐい取った血の痕を見て取った時は、息の詰まる思いだった。
だが。
その瞳を見たら。
目に宿る光を見たら。]
[もっとも、そんな矜持も抱き寄せられればすぐに崩れる。
思いが溢れて、偽物の呼吸しかしていない筈の胸が苦しくて、息が詰まりそうだ。
疲労の色濃い仔を抱き締め返し、幼い仕草で頷く。]
……いいよ
僕を全部あげる
[囁く声は低く擦れて]
ん…
コンラート
[頷く蝶を抱いたまま、縺れ込むように長椅子へ。
高級な椅子の脚が軋んで体が沈む]
だ、め …って言って
──練習、は
[この欲を制御することが出来るか、わからなかったけれど]
[狭い長椅子の上、脚を絡めるように密着して、
腰を深く引き寄せる。
ぬくもりを。
細い繊手を掴み、口元へ寄せる]
そばに、いられる?
[尋ねた言葉>>784に重ねて問い、
淡い花弁のように色付いた爪に口接けを落とした。
チラと舌先を伸ばし、爪と指の狭間へ這わせ、指先を食む。
そのまま関節までを口中に含むと細くしなやかな指へ、甘く牙を立てた]
……──、
[とろりと眼差しが潤む]
いい――練習なんて
[熱に浮かされた声、
もつれる細い指が襟を掴んで、汚れた男の上着を脱ぎ落とそうと胸を肩を滑る]
今日はしなくていい……
君が 自力で勝ち取った お祝い だもの
[絡めた足、下肢を深く深く捕られられた。
焦る手を取られ、濡れたものに包まれる、
食まれる、喰われてしまう。]
ぁ、 は ぁ……っ
[ぞくりと背筋に電流が走る。
穿たれた指先から吸い出されていく血、
吐息は濡れて熱く、
なよやかな肢体は、男の体の下で蕩けて]
[この子が答えを欲している……と、
震えを堪えて声を絞り出す、
自信と安心、それらを得て未来を描けるようになるのなら。]
ああ――きっと だいじょうぶ
[僅かな傷なのに、じんじんと熱い。]
[口腔に広がり溶ける赤い蜜。
血を啜り、傷を穿っては舐めて癒し、また牙を立てる。
戯れのようで狂おしい愛撫]
…っは、
[深く咥えた指に舌を絡めて吸いながら、組み伏した蝶を見下ろした。
鼓動を探すようにその胸元へ片手を這わす。
だいじょうぶ。そう聞くだけで表情が歪んだ。
愛しむ形に]
…… ふ、 ぅ
[胸を這う手に、甘い疼きを感じ、ひくりと身震いする。
偽りの鼓動刻む心臓が、先を欲して躍る。
熱に浮かされた瞳が、男の僅かな表情の変化を捉えれば、
欲しい、と声を出さずに強請る。]
したいと 思ってた
[唇はコンラートのそれへ重なる。
濡れた吐息を奪い、柔らかなそれを優しく貪って]
…
[苦しくなる前に一度顔を離し、瞬いた]
[どのような反応であれ。
胸へ当てた手は不器用に白い白いシャツを寛げる。
艶かしく濡れた細い指がそれよりも器用に汚れた上着を落とし、ボタンが外れていけば。
空気に晒されて冷えるのを惜しむように、素肌同士を触れ合わせた]
あのいぬも、きょうだいの養い親 してるのかな
…少しだけ思い出したんだ
俺の──
[聞いて欲しい、と呟いて
裏腹に再び口接けで塞ぐ。
唇のあわいを破って、あたたかい裡へ滑り込んだ]
[欲しいものは過たず与えられた]
ん 、
[男の弾力のある唇が己のそれを塞ぎ、やさしく息を盗んでゆく。
強欲な花は忘我のうちに色づいて開きながら、もっと甘い蜜が欲しくて、]
……… ぁふ
[ひとときでさえ離れてゆくをもどかしく、切なげに喘いだ]
― 自室 ―
ん……
[ディークの視線の先を追い、ぼんやりとテーブルの上の茶器を見遣る。]
試験は、してない
話 した だけ ……
[物憂く答え、潤んだ翠を男の上に戻した。]
[声が上擦るのは、愛しい男の手がたどたどしく素肌を暴いて晒していくから。
それと競うように、食まれた痕の残る指で、男の鍛えられた肩から汚れた上着を滑り落としていく。
互いを隔てるものがなくなって、体温の低い素肌の胸を触れ合わせれば、やっと、と歓喜の吐息が洩れる。
猫のごとく擦り寄って、ひたりと相手の身体の窪みに収まり重ねあう。]
思い出した …… なにを
[呟きを耳にし、仰のいた唇は、接吻で塞がれた。
唇のあわいから滑り込む、なめらかな彼の一部]
[舌を歯列へ這わせる。
奥から一つ一つの突起を辿って、牙を探り当てると擦り付けるように強く舌を押し当てた]
ッ
[ピリ、と痺れるような陶酔が走って指が震える。
流れるあかは自分には味気ないもの、
請うように柔らかな舌を絡めとり、そこへ血を擦り付けて、]
──ふ、
[引き寄せた舌へ深々と噛み付いた。
どく、と溢れ出す美酒]
ん はァ
[血と血を混ぜ合わせながらふかく、ふかく。
奪われ、奪い、互いを食い荒らす口吻に溺れた]
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