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11人目、議長の息女 アイリ が参加しました。
議長の息女 アイリは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
―少し前:自宅―
[はぁ、と盛大に溜息をついた。
先ほど父に告げられた言葉を思い返しては、何度も軽く頬をつねった。
夢ではない、現実なのだ――あのアーヴァインの見合い相手にされただなんて。]
お父様のばかばか!
どうして私なのよ、せめてもう少しマシな方を選んでくれてもいいじゃない……!
[はぁあ、とベッドに深く腰掛けて。
あの父は逆らえるほど気が強くない、優柔不断なくせして人には一倍優しい人間だ。
きっとアーヴァインを思って自分を選んだのだろうが、自分にだって好みというものがあるというのに。]
………お父様の、ばーか…。
[結局父のそういった部分が好きなのだから、文句も言えないわけで。
こうなればもうヤケだと目を閉じ寝転がって、その日を終えたのだった。]
[そうして迎えた現在、集会所。
心なしかむすっとした顔で、父に渡されたいつもよりも仕立てのいい服を着て受付を済ませた。]
…え、アンケート?
[そんなものがあると思っていなくて、思わず聞き返すと係員らしき人物は頷いただけ。
仕方なしにアンケート用紙を見つめ、やがてペンを手に取った。]
全く、面倒だわ……
[小声で聞こえないように呟くと、自己紹介なんて欄を見つけて面倒くささに何度目か分からない溜息をつく。
そして少し間をあけて、ペンを走らせた。]
■名前:アイリ・グローリア (19・女)
■職業:父の仕事の手伝いをしながら服飾関係の会社運営をしているわ。
□自己紹介:
父に言われて来たけれど、正直早く帰りたいわ。
礼儀として、よろしくお願いしますとだけ言っておくけれど。
[可愛げどころか愛想もなにもない文章。
それを書き終えると、破けでもして書き直させられては面倒だと丁寧に用紙を手渡した。
丸く綺麗な、女の子らしい字だ。
そしてそばにいた使用人にもう帰れと告げ、見向きもせずに中へ足を進めた。]
[広間では談笑が行われていて、不躾にならない程度に顔を確認していく。
男も女も見境なく集められたようだ。
同性愛はまだしも、重婚すら許可されているこの国では当たり前なのかもしれないが、そこまでして結婚したいのかと呆れてしまう。]
…こんにちは。
えぇ、不本意ながらね。貴方も参加者様?
[参加者には出来るだけ愛想を良くしなさいと、普段の自分を知っている父から口うるさく言われている。
そのためか、少し柔らかく微笑んで歩みを進めてきた男性>>108に応えた。]
私はアイリと申します、お名前を伺っても…?
[まさか彼が記憶喪失で偽名を使いここにいるなど想像するわけもなく、名前を尋ねた。]
[アーヴァイン、その単語を聞いて一瞬騙されたのか背筋がぞっとした。
顔にも出ていただろう。自分で顔が強張るのを感じたのだから。
違うことと、彼の名前を知り内心でほっと息を吐いた>>111。]
じゃあ、ウェルシュさんと呼ばせて頂くわね。
[一瞬とはいえ勘違いしてしまったのが恥ずかしくて、羞恥に顔をうっすらと染めた。
よくよく考えれば、ありえないとすぐさま分かるような内容だったのに。]
…私もそっちの方が良かったわ。
正直、今すぐにでも帰りたいもの……
[そういうと、少し羨みの混じった目でウェルシュを見つめた。
よろしくと挨拶されれば、同じように返して]
そうね、少し疲れたし……座らせて頂くわ。
[座るのを軽く勧められれば、お礼を言って座る。]
だって、例え灰になってもみじん切りにされても死なないなんて噂まであるのよ?
[ただでさえ生理的に無理なのに、そんな化け物のような噂を持つ男と結婚するかもしれない。
…もしそうなったら、舌を噛んで死のうと思えるくらいには嫌いだ。]
えぇ、お父様からの頼みなの。流石に断り切れなくて仕方なく、ね…。
[それに自分が断れても、幼馴染であるあの子に次の白羽の矢が立ちかねない。
まさかその幼馴染がここにいるなど露程知らず、そんなことを考えた。]
軽いものでお願いするわ、ありがとう。
[アルコールには弱いうえ、酔った自分を面白おかしく語られた覚えがある為か用意してくれるらしいウェルシュ>>113にそう頼む。]
ありがとう、お疲れ様。
[シュテルンを見て、仕事をこなす姿に微笑んでお礼を言う>>118。
彼女もまた候補者の一人だとは知らない。
アイスティーと少し盛られたフルーツはちょうど良い量だった。]
…そういえば、以前聞いたことがあるわ。
[前に茶会を開いたとき、情報収集が趣味の令嬢から聞いた話を思案顔のウェルシュに伝えておくことにした。
真偽の分からない話を軽々とする相手ではないし、本当のことだろうと思いながら。]
なんでも、恋人や伴侶がいればその相手には決して手を出さないとか。
[ただ、こうして候補として集められた人々ならばおそらくそういった存在はいないだろう。自分も同じだ。]
貴方に恋人がいるなら、今のうちに申告しておけば逃げられるかもしれないわよ?
[もしいるなら、その分自分に当たる確率も上がるのだがそれには気付かないようだ。]
[風来坊といったウェルシュ>>121に、そんな風には見えないと目をぱちぱち瞬かせた。
品の良さや気配り上手なところがあったから、てっきりどこかの子息かと思ったのだが―]
……褒めても何も出ないわ。
それに、恋愛にはあまり興味はないから。
[縁談こそあれど、自分の性格を知れば大抵の者は去っていく。
それを何と思ったことはないが、恋愛への興味を薄れさせる要素になるのは十分だった。]
ウェルシュさんこそ、優しそうだし気配りも出来るのだから問題なさそうに見えるけれど。
[思い出したのか苦笑を浮かべて、そういうとアイスティーを一口飲んだ。]
…そう、ありがとう。
[飄々とした笑みと、恥ずかしげもなく彼から発せられる言葉に若干照れたのかそっけなく返す。
自分が素っ気ないのはいつものことかもしれないが。]
入院生活って、何か大きな怪我か病を?
大丈夫なの?
[もしそうならこんなところにいていいのか。
心配そうにそう言った瞬間の、不詳という言葉の連なり>>123に目が大きく見開かれる。]
年齢、はまだしも……身分も経歴も?
[くすくす笑っているが、笑えるようなことではないだろうに。
訝しげな様子こそないものの、不思議そうな様子でウェルシュを見つめ返した。]
……そういえば、風来坊といってたわね…
[自分は家のおかげでこんな風に気楽でいるけれど、自嘲気味なウェルシュの笑みを見て眉尻を下げた。]
……え、じゃあウェルシュという名前は……偽名、なのかしら?
[ここまで不詳とは想像していなかったが、記憶喪失と言われれば納得はできる。嘘をつくなら、もっとマシな嘘をつけばいい。
調べられてしまえば終わりなのだから。]
…どう、……そうね…分からないわ。
人が結構集まるから、何かを思い出すきっかけとして与えられたのかもしれないし。
都合が良いというのも、理由はないというのもありうる話だわ。
[アイスティーを一口飲んで、ウェルシュの問いに真剣に考える。]
でも、ある意味酷い話よね。
記憶がない人を、こんな場所に放り込むなんて。
[疑うような様子一つ見せず、そう呟く。彼はどう思うのだろう。この状況や、自分について。
問いかけはせずとも、瞳がそう訴えている。]
[こういった場所でなくとも、知人の名前を混ぜて突っ込めるとは何だか凄い度胸だとおかしな感心をしてしまう。]
…結構よ、ウェルシュさんのままでいいわ。
名前変えたら怒るわよ。
[よほど嫌いなのか、若干不機嫌な声でそう言って。]
お褒めにあずかり光栄だわ、ミスター・ウェルシュ?
[先ほどの彼の自分への呼び方を同じように返し、くすっと笑う。
最悪を想定すれば、確かに今の状況はいいのかもしれないけれど。
何かを問いかける様な真面目な顔に、残り少なくなったアイスティーを机に置いた。]
幸せではなく、愉しいなのね。
[呟くようにそういうと、ふと>>128広間に入ってきた人影に気付く。
どこか見覚えのある顔だが、服装からして男性だろう。
気のせいかと思い直して、ウェルシュにやんわりと微笑みかけた。]
え、シルキー……?
[ウェルシュからぽつりと零された、聞き覚えのありすぎる名前>>133。
同じ名前の、見知らぬ他人……だろうか。
そう願いたいが、先ほどの見覚えのある感覚が蘇って来て、否定が出来ない。]
……当然、そうよね。
人間らしい部分があって安心したわ。
[記憶がないというのに、あんな風に飄々としていた彼の一面を見て何故か少し安堵する。
不躾かもしれないが、そう思ってしまったのは仕方ないだろう。
同じ立場でもない自分が、変に気遣っても逆効果だろうとあえて慰めの類の言葉はかけない。]
…まぁ、何かあれば私で良ければ相談に乗るわ。
最も、何の役にも立たないかもしれないけど。
[テーブルからこぼれそうな場所に置かれたグラスに、危ないと言おうとして。
先ほどのメイドの少女が下げようとしているのを見て口を閉じた。]
[かわいい子だと、>>135シュテルンを見て思う。
こういう風に素直な感情表現が出来る子は、きっとそれこそ人気が出るのだろう。]
……社会勉強…?
って、シルキーはどうしてここに……まさかシルキーもアーヴァインの見合い相手に…?
[確かシルキーの父は、彼女を随分と溺愛し学校にすら行かせず育てていたはずだ。
それがこんな急に、それもアーヴァインの見合いの為にぽんと外に放り出すなんて想像がつかない。
まさか、あのシルキーを嫌う継母の仕業だろうか。]
……相変わらず元気そうで何よりだわ、シルキー。
[最悪な場所での出会いだが、大事に見守ってきた幼馴染の姿を見られるのはやはり嬉しい。
後で家の者に調べさせよう――そう考えながら、ようやくシルキーに笑みを見せた。]
私が支えになるのなら、いくらでも。
[アイスティーを飲み干すと同時、ワゴンカートの方へ腰を浮かせたウェルシュを見送る。
知り合いかという問いには頷いて返した。]
……そうね、ウェルシュについても調べておきましょうか。
名前すら分からないから、何か得られるかは微妙なところだけど。
[聞こえないように呟いて、今後の予定を頭の中で組み立てる。
シルキーの家、記憶喪失者の調べとなれば時間は多少かかるだろう]
……目が覚めたら、…シルキー。
前も言った気がするけれど、もう少し危機感を持った方が良いと思うのよ。
[どうして疑わないどころかそれが社会勉強に繋がってしまうのだろうか。純真さもここまでくれば、罪のように感じてしまう。]
…シルキー、アーヴァインに会ったときはあまり笑顔を向けずに言葉を前向きにとらえちゃだめよ?
[あぁどうしよう、既に不安でパンクしそうだ。
どうかシルキーの純潔が守られますようにと祈り、そう忠告をする。]
…シルキー……あぁ、そうだったわ…貴方はそういう子だったわね…。
[もはや苦笑いすら引きつってしまう。
そういった善意を疑うことをしない純真さは美徳でもあるのだが、一度不安材料に身を変えてしまえばどんどんと大きくなってしまう。]
……そうね、是非そうして。
[頷いてあたかも理解したような振る舞いだが、此方としては安心どころかさらに不安が広がっていく。
溺愛しすぎも問題だ。
危ないと感じたら叫ぶように言おうとも思ったが、そもそも危機感のない彼女には無駄だと悟る。]
何かあればすぐに言うのよ?
[自分ならば彼女の家にすぐ連絡出来るし、その言葉は心の中だけにとどめた。]
[もう突っ込むのは無駄だと悟り、僅かながらに遠い目をした。
悪意がない彼女は裏表がなくて付き合いやすい分、常に自分が危機感を感じていなければならなかった。]
…えぇ、私もシルキーがいて心強いわ。
やっぱりこんな場所で、友人が一人もいないのは心細くて。
[けれど、彼女がいて安心したのもまた事実だ。
緊張や張りつめていた糸が解けていく感覚にふんわり微笑んで、シルキーにつられるように笑った。]
社会勉強、やり遂げられるといいわね。
[シルキーは楽しみにしているのだろう。
ならばそれを壊さないようにしながら守ればいいことだと思い直し、そう言った。
シルキー相手では、まるで過保護な母親のようになってしまうと内心で苦笑する。]
シルキーなら、きっとすぐ仲良くなれるわ。
[あくまでも笑みは崩さず、そう言いながら。
彼女はきっと、自分がその嫁に選ばれる可能性をあまり考えていないのだろう。]
(お供でも付けられたら、気も休まるんだけど)
[無理な話だろうと思い直して、楽しそうなシルキーを微笑ましげに見守った。]
[そのままいつまでもシルキーの近くにいるわけにはいかず、挨拶をして離れる。
あまり人のいない隅にまで来て、少し家に連絡を取った。]
お父様? ええ、少し調べてほしいことがあるの。
シルキーの家なのだけど……
[互いに父同士が仲がよく、そのおかげでシルキーの幼なじみという地位にいるのだ。
父ならば調べるのは容易いだろう。
─妨害にさえ合わなければ、だが]
後もう一つ……
[ウェルシュについても頼んでおき、通信を切る。
小さめに話していたつもりだが、聞こえてはいなかっただろうか。
少し不安におもいながら、なんてことないように振る舞いゆっくりと歩き出す。]
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