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10人目、前村長の妻 ディルドレ が参加しました。
前村長の妻 ディルドレは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
─ ディルドレのお屋敷 ─
[ディルドレの朝は、ハチミツを入れリンゴと旬の野菜を絞ったキャロットジュースで始まる。
温度は人肌よりやや熱い程度。それより熱すぎても冷た過ぎても駄目だ]
[しかし、今日のキャロットジュースの出来は最低だった。
粒が残って舌触りは悪いわ、リンゴの配分が適切でないわで、とても飲めた代物ではなかった]
グレートヒェン!
グレートヒェンを今すぐお呼び!
……遅い! あたくしが呼んだら3秒以内に来いと云ってるではないの!
一体このジュースはどういうことだね、お前はあたくしを殺す気なの!
[頭からジュースを滴らせながら、侍女は言い訳をした。
いわく、起きるのが早すぎるだの、ランプ油をケチッて居るから手元が見えないなどと]
お前は今日でクビだ!
もう来なくてよろしい!
[腹立たしいことはまだあった。
現村長が、今年の冬の備蓄を、ディルドレのアドバイスよりも増やそうとしてるそうだ。
奥さまコミュニケーションでそれを耳に挟み、ディルドレは憤慨しながら現村長の執務室に怒鳴りこんだ]
お前は村を滅ぼす気なのかい!
いいかい、避難所の備蓄なんてこれ以上必要ないんだよ!
冬も、行商人を呼べばいいだけじゃないか!
備蓄なんかを増やすくらいなら、服飾商をお呼び!
あたくしはもう1か月も同じ首飾りを付けて居るんだよ。あたくしがどれだけ恥ずかしい思いをしているのか、お前には分からないの!
[先に居て話をしていたらしき軍人が、困った顔をしながら、退出した。
当たり前だ。ディルドレの用事より大事な物なんてある訳ないもの]
[現村長は、前村長だったディルドレの亡夫の弟だ。
彼がディルドレに表向きは敬意を払いつつ、実は邪魔臭く思っている事など、ディルドレにはお見通しだ]
お前がお気楽な学生をやって居た頃から、あたくしは夫の補佐をしていたんだよ。
そのあたくしの言う事が間違ってるとでも云うの!
― 村内 ―
[最終的には、義理の弟はディルドレの意見を聞き入れ、備蓄を送る手筈は取消した。
しかし、服飾商は春になってからと言われてしまった。
むしろそっちの方が大事なくらいだと云うのに、全く、あの男は……]
[ロングスカートを摘み、すでに日は傾いているのに日傘を差しながら、ディルドレは鼻息も荒く自分の屋敷を目指す]
[奥様、と村人たちが挨拶をしてくるのには、お鼻息を抑えてお優雅なお足取りにお戻しあそばされて、尊大に顎で挨拶を返した]
[夫が亡くなり、村長の役職が義理の弟に移った後も、ディルドレは自分を「奥様」と呼ばせている。
もう何十年も「村長の奥様」であったのだ。
今更、ただの無名なディルドレになんて。哀れで無力な未亡人になんてなれるものか]
[びょう、と凍るような風が吹いて、スカートをばたばたさせる。
全くお優雅ではない罵倒を小さく口の中で呟き、ディルドレは毛皮のコートの襟元を掻き合わせた]
[今年は妙に寒い気がする。
義弟が村長になってから、何でもかんでも悪くなっている。
皆そう云っている。前の方が良かったと。
皆って誰だって?そんなのどうでもいいだろう]
[せめてあの義弟が、ベルガマスコ少将くらい気品があればいいのに。
この田舎の村に、少将程の方がいらしたのは奇跡と云ってもいい。
やはり中央の人は物腰が違う。人種すら違う気がする。
ディルドレの、田舎にしては素晴らしい屋敷やコレクションや服のセンスでさえ、あの方の目には泥臭く映るのではないかと思うと、気が気ではない]
― 村内 ―
[屋敷が見えて来たころ、ベルツの奥方に出会った]
御機嫌よう。
この間、貴女と話していたエステへ行って来たの。
なかなか良かったわ。あの店主……ええと、ヴェルザンディさんだったかしら。
まあまあの腕のようね。
私が去年、中央に行った時に入ったお店ほどではなかったけれど……。
[それで肌が綺麗だと思ったと云われて、ディルドレは機嫌を直す。
まだ話したりなかったが、ベルツの奥方は今日は早く帰らねばと云う。
旦那が帰って来るそうだ]
そう。
じゃあまた今度、お茶でもしながらお話しましょう。
[雪がチラ付き始めて居る。
ディルドレは少し急ぎ足で屋敷に戻った]
― ディルドレの屋敷 ―
[屋敷に戻れば、家の仕事を取り仕切る執事から気分の浮き立つ報告>>97があった]
少将から晩餐会のお誘いだって!
もちろん行くに決まっているだろう、断る訳がない。
[これが他の人間ならば、その当日にいきなり招待するなんて、あたくしを舐めてるのかい!と怒鳴りつける所だが]
お使いの兵士さんにはくれぐれも失礼のないように!
お土産を持たせて返しな。……そうだ、あれがいい。中央から取り寄せたワインがまだあったろう?
[見栄を張って、高価な物を持たせる。
現村長から頼まれて預かっている物だが、こういう事情なら納得してくれるだろう。いや、させる]
グレートヒェン!
あたくしのドレスを5セットほど持っておいで!
……なんだって? 居ない?
あの愚図は一体何処で油を売っているんだい?!
ええ? あたくしがクビにした? あんなもの、言葉の綾に決まってるじゃないか!
どこに真に受けるバカが居るんだね!
[仕方がないので、老執事に手伝わせてドレスを着こんだ。
やれ髪型が気に入らない、やれ靴が流行に沿ってないと擦った揉んだの後、なんとか完成する。
年甲斐もなく真っ赤なドレスに真っ赤な口紅。
髪は流行の形に結って、ブランド物のバッグ。
全部の指に指輪を嵌めて、ユキヒョウの柄のコートをまとう]
……しかし、随分吹雪いて来たね。
執事、車を回しな。あたくしのコートが濡れてしまう。
― ベルガマスコの屋敷 ―
[車から降りる前に、もう一度手鏡を覗き込む。
いつもより皺が目立たず、肌にも張りがあるように思える]
あの店、しばらく贔屓にしてやろうか。
[ヴェルザンディ>>117の様子を思い出すと、気分が良くなった。
執事の掲げ持つ傘に守られながら、屋敷の玄関まで来た]
お前は車でお待ち。
でも、そうだねえ。もし日付が変わってもあたくしが戻らなかったら、先に戻っていていいわ。
その時は明日の朝一番に迎えに来て頂戴。
[コートから雪を払ってから、呼び鈴を押した]
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