情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
10人目、御霊の声 シェイ が参加しました。
御霊の声 シェイは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
―天界の空―
いと高きところでは
神に 栄光があるように
ふぅわり、天界の宙空を舞う
その天使は人の子に似ながら 人ではあり得ない姿
腰から下をもたぬ代わり、優美なる四本の腕で祈りのかたちを組んで
薄く涙の張った瞳をひとつ 瞬いた
この天使は、神である御霊を宿らせる器だという
この天使の言葉は、御霊の声そのものだという
世のすべてのはじめに"言葉"があった
その"言葉"を身に宿すという
だが、生まれいでて以来
この喉を震わせて "言葉"が発されたことはついぞなかった
ただふぅわり、翅を揺らして
天界の空を漂う
蜉蝣に似た、透明な薄い翅がゆらり**
ひぃらり
清らかな命の泉を瞳に映す
背を反らせば見える天地が逆になって、翅を閉じる
水の中へ潜りゆくように
泉のほとりへ舞い降りた
まじわった視線
思念として送るのは、それでも言葉のかたちはとらない
淡く朧な映像となって届けるのは、
黒い翼を持つ熾天使の後ろ姿
そして問い掛けるような余韻
──あれは危険だと、この天使は言ったから
[明瞭に、意識の中に別の意識が流れ込む。
熾天使の、ゲルトの艶やかな漆黒の羽。]
あの方は、嘗て天使で在った者。
そして、地に堕ちたもの。
あの方自身が善良な心を取り戻しても、纏う気までは変えられない。
だから、君達のような繊細な存在が近づくと染められる可能性があり、危険なんだ。
不思議そうに瞬く
神の最初の七日間からずっと、この口は何の"言葉"も紡がない
ただ永い間を、意志を持たず無為に漂うことに費やして来た純粋な天使は
ふわと翅を揺らめかせた
白い気配、守りの力
ひらと舞った一枚の羽を指先に宿して、 笑みを零す
― 尖塔 ―
ひら
景色は巡る
天界を貫く尖塔は高く高く
神の御座にも通ずるだろうか
その中腹に翅を休めて、雲間から天界を覗き込む
ざわつく気配
何かが怯えている
欠けたところのない美しく造られた天の世界に、
染みのような負の感情
見下ろしていちど瞬けば、零れたトパーズの涙は風に吹かれてどこかへ落ちていく
ハレルヤ。
神は祈りをしりぞけず、
その慈悲を取り去ることはない
くるり 宙空に遊びながら
薄い輪郭に纏わりつく白い燐光を、何度も指で追いかけた
守りの力
恐らくは はじめて触れた、他の天使の力の行使
暖かい慈愛だ
眺めては不思議そうにそれへ触れ、触れれば翅を震わせて笑った
笑い声の代わりは、高音のハンドベルを奏でるようなさざめく音
ふ、と薄緑色の軌跡を残し、尖塔に沿って降下する
視線はまじわっただろうか
無垢に触れた思念は、言葉のかたちはとらない
淡く朧な映像となって届けるのは、広く美しい天の景観と
ざわつく気配のビジョン
惑い、畏れ、悩む心
怒りや蔑みを抱く心
御使い達と楽園の住民の間に、染みのように広がる負の感情
そして問うような余韻
──貴方は?
神の愛は無限
[ 微笑む薄水色の瞳が、声無き問いに答えを返す
神の愛に満たされた者であり、争いの場に落とされた吐息より生まれた者であるからこその ]
神の赦しも無限
罪人を罰するも、また愛によって
[ なにひとつ、疑わぬ無垢なるこえが ]
ひとつ ふたつ
頷くように翅は揺らめく
木漏れ日を掴もうとするようにそうっと、腕のうちの一本を差し伸ばして
その天使の若芽のような腕へ
指先同士を触れ合わせた
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新