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["姿を持たないソレ"は、宿り主であった肉体が死ぬと同時に、音を立てて青年の魂から剥離した。
"ソレ"は、魂というべきものを持っていないから。
魂の無い存在は肉体が無ければ消滅を待つのみであるから。
分たれた魂へ告げる言葉も"ソレ"は持っていない。
離れれば、ふぅわり。
幾らか、漂って、ぱちん。
――小さな音を立てて、……消えた。 ]
[ べり べり
べり
べり べり
…は塞げなくなった耳で、何かが裂け、破れ、引き剥がされる悍ましい音を聞いていた。
……或いは、魂が両断されるかのような痛みすら、…は感じていたのだった。
…から剥離した何かは、どろどろと濁る黒いものであったけれど、溶け消えるそれらを…は行かないでとばかりに掴んで――掴んで。それでも、消えて…しまった。
――…消えた、瞬間に。
強烈な虚脱感に襲われて、…は見えない身体を抱き締める。己を包む腕さえ――包む体さえ無いというのに。
――…。]
/*
地上の灰が謝り倒してばかりだったので、墓下では黙ろうと思う…。
汚れているので、後から読む方はフィルタをどうか…。
そういえば、RP村で初めての墓下だなあ。
過去2回はどちらとも最終日まで生きてたから。
―昔々のこと―
[青年がまだ少年であった頃のこと。
思い出せないほどに多くの日常の欠片の一つ。
『ヨアヒム、こっちだ』
自分の名を呼んで、手を伸ばす白皙の少年。
意志の強そうな瞳に、少年は何時も迷わずに手を伸ばすことができたのだったか。どうだったか。
遠い日の記憶。もうはっきりとは覚えちゃいないけれど。]
/*
あれだよ、何というか、
俺の書いたロールの表現をそのままロールに入れて返すのは恥ずかしいのでとてもやめて欲しい(真顔)
いや、ちょっと表現変えるとかさあ…あるじゃん…?
"君は、人間だ。"
[声は――聴き慣れた声だけは、聞こえていたけれど。
びゅうびゅうと唸り始めた冬将軍の白い吐息が意識を浚っていこうと透いた体へ吹き込んでくるのだった。
冷気に当てられて、青年は「目醒める。」]
――…いいや、
俺は…、――…僕は、……狼だ。
[低い呟きを漏らした青年は、重ねられた手>>+16からするりと己の手を抜くと、一転。ほんの少し、飛び上がり、宙へと浮かぶ。]
……解っているんだろう、ニコラス。
ゲルトや、シスターフリーデルを殺したのは――…、喰ったのは…僕だ。
僕が――爪で、牙で、肉を裂き、血を啜って…殺した。
[酷く冷めた口調で青年は告げた。]
/*
この村は確定ロール多すぎて僕は俺は。
ううん…ちょっと仕来りが違った…というか、この手のRP村は入ったことがなくてちょっと戸惑ってる。
[誰に告げられずとも、透けた身体の青年は頭の奥で悟る。
此処は、"完全な"自分の存在を知覚していないモノには存在できない場所なのだろうと。
つまり、"欠けてしまった"青年は、存在を許されず、また、許されるつもりも無いのだった。
実体を持たぬ身体は端々に黒い塵のようなものを纏わせ、時折不安定にゆらゆらと揺らめいていたか。
手の先から足の先まで見える場所はどこだってそうで、嗚呼、時を止めていられるのも僅かなのかと悟る。
――…だから。]
――…もういい。
[にぃ、と唇を吊り上げ、嘯く。]
"俺が生きていたなら次はエルナだったかも知れなかったんだぜ"
[言い捨てれば、くるりと背を向けた。
上を向くのは…少しだけ、頬の濡れるのを誤魔化すためであったけれど。
浮かび上がり、一度も振り返ることなくそのまま何処までも高く。
――少なくとも、幼馴染の目からは見えなく*なるように。*]
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