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任せろ、ネタは他にもある。
[ロー・シェンに答えれば、次の作戦を受けて緊張していた兵らの間で、ちょっとした笑いが伝播して、空気が和む。>>175
これでアイリへの目も優しくなって、少しは居心地良くなってくれるといい。
皇太子が相手では、アイリに下世話な誘いをかける者もいなくなるだろう。
それは良いことだ。
だって、怪我人を増やしたくないしね?
そんなとこまで策士であった。]
[軍が進発する前、ディークは演習場の一角にいた。]
自分はきっちり死ねたんだ?
[シメオンが死んだという辺りに立って囁く。]
この手で親分さんの仇をとってやれなくて悔しいぜ。
ロー・シェンの胸の傷だって、あんたの仕業だし。
あんた、人使いも死体使いも荒かったけど、支払いだけはホント良かったよ。
財宝に興味がないとか、欲に目の眩んだ人間を釣りやすいとかあるんだろうけど、
明日があるとは限らない、って心底、思ってたんだろうな。
[焦げた端切で作った黒いてるてる坊主──シメオンに似せたつもりだ──をポンと置く。]
明日も信じてないあんたには余計なことかもしれないけど、
来世では、もっといい関係であれたらと祈っておくよ。
じゃ、親分さんと酌み交わしたら、俺、出かけるから。
[あの混乱の中でも、後輩が確保しておいてくれたワインを掲げてみせる。
墓標もなき者たちへ捧げん。**]
[ユーリエについて話したい、と告げたロー・シェンのコエに対するヨセフの反応には、いつもの彼らしくない揺らぎが感じられた。
妻を弔ったばかり、という話は耳にしていたが、何か琴線に触れるものがあったか。
思索するほどの間もなく、ロー・シェンが持論を展開する。
被害者の親族である彼の話を、容疑者であるディークは黙って聞いていた。]
[ロー・シェンから犯人視されていないことはわかっていた。
だが、それが心証的なものに留まらず、ディークの性質を加味してのものと提示されれば、理解されているという喜びと感謝が、氷を割る水のように溢れる。
ロー・シェンはまさに、結果ではなく、”人”を見ていた。
そして、それを理として説明できる芯がある。
人を掌握する英雄とはかくあるものかと、目の当りにして改めて感銘を受けた。]
[「だとしたら、誰が」と呻くように口にしたヨセフの苦悩を思う。
犯人がモンテリーの関係者であれば、ディークを捕まえた時点で、自白がとれたと宣言して処刑してしまえば済むのだから、彼が真犯人を庇っているというのでもあるまい。
彼自身の正義感の強さと誠実さゆえに、現状に苛まれていそうだ。]
俺の無実を確信できるのは真犯人だけだ。
[ロー・シェンでさえ、「犯人ではない」と断言はしなかった。]
[ヨセフの口から、双子の名が出れば、彼らとの関わりを、ロー・シェンにも簡潔に話しておく。]
ん、 アイツらにも”コエ”が届くのか?
ならば、どこまで姫と一緒だったか聞くことが──
[言いかけたとき、別の大きな声が割り込む。>>*73]
アイリにも届くワケね。
[案外と手が早いな? ロー・シェン。なんて。*]
[任された任務にも手をつけておく。
まずは、ロー・シェンと相談だ。]
セミヨン川下流の岩山地帯を、鉄底族の自治区として提供する気はあるか。
サンソー村近辺の鉱山という手もあるが、あそこはすでに人がいるからな。
その点、アルテス西南の岩山は手つかずだ。
人間には堅過ぎて手が出せない岩盤でも、ドワーフの技術ならば掘削できるだろう。**
[ヨセフの静かな、だが真摯な声が割り込んでくる。>>*85
ユーリエと最後に別れた場面が蘇って、ディークの声も神妙になった。]
ああ、あのひとは、王都へ戻りたがっていた。
家族に最後の別れを告げるんだ、と。
[それを、阻止するなど。]
俺はもうレオヴィルに帰れる義理はないと考えていたし、姫も無理強いはしなかった。
その方が、自由でいられるなら、と言ってくれた。
[「でも、帰ってきたくなったら、過去にこだわらないで」──そんな言葉までくれた。]
だから、ロー・シェン。
あのひとの魂は王都に行っていると思う。
[そう続けたのは感傷だけれど、]
彼はアルテスを守り抜いて、あのひとの好きだった花でいっぱいにしてみせる。
──命をかけて惜しくない夢、だ。
[アルテス西南の皇太子領について打診すれば、ロー・シェンは惜しむことなく認可をくれた。>>256]
その決断力、頼もしいな。
おまえの名で誓約書を書いてほしい。
俺はそれを持って、鉄底族のところへ行ってくる。
最初に切るカードは、「決闘の申込み」だ。
これは実力主義の鉄底族が拒むことはないと思ってる。
だが、「こちらが勝ったら、味方についてもらいたい」という条件には、難色を示すだろう。
ドワーフの眷属は魔王の領地で奴隷階級だという話だ。女子供を人質をとられているようなものだからな。
その不安を取り除くために、この時点で避難場所──自治区の用意を示す必要がある。
ま、流れはそうなんだが、代表戦に勝たなければ、御破算だ。
おまえとアイリとで、しっかり頼むぞ。
[ついでとばかりに、ロー・シェンがローグのスカーフをヨセフに渡したのを思い出し、ひとつ助言を置いておく。>>174]
ロー・シェン、
予備があるならおまえもそれ、首に巻いとけ。
あと、可能なら兵たちにもだ。
毒吹き矢で攻撃してきた敵もいるって話を聞いてる。
布一枚でも、違うから。
[俺もつけとく、と首筋を撫でた。*]
[アイリを見つけて声をかける。]
アイリ、
鉄底族とのタッグマッチでは、ロー・シェンと息のあったところを見せてくれると期待してるぞ。
それに、おまえが副将を務めていること自体が、ロー・シェンの元では、かつて魔軍にいた者でも、栄誉ある役目を与えられて活躍できるのだという証になる。
おまえの戦場だ。存分に腕をふるえ。
ただ──、
おまえがこちらについたということも、魔軍に知れ渡るから、今後、賞金首として狙われる危険も高くなるだろう。
面倒をかける。
[魔軍の支配下で苦難にある者、すべての解放を、告げるロー・シェンを見つめる。>>267]
皆が笑って暮らせるように──だな。
ああ、微笑みを奪われている者たちを救おう。
[かくして、ロー・シェンの親書を携えたディークは、シラーへ向うヨセフや峡谷に陣を張るロー・シェンらと別れて、北へ向う。*]
― 北へ ―
[途中、まだ新しそうな泉を見つけた。
先日の大破壊で水脈が変わったものかもしれない。
いい機会だと沐浴することにした。]
うう、身が締まるぜ。
…にしても、ここまで地形が変わるってのは凄いな。
[破壊の光が抉った新たな谷を眺めて、感嘆する。]
そのうち、あの谷にも新しい名前がつけられるんだろうな。
創造主?のアイツの名前、訊いておけばよかったか。
対話できるくらいだ、名前もありそうなもんだと思うんだが。
それとも、ヒトガタと同じで、名前ないのか?
[魔王を倒すということは、あれとも決着をつけることだ。
そこまで考えて、パシャリと冷たい清水を顔にかけた。*]
[正式な使者であることを示す銀の枝は携えていたものの、フードを深くかぶって瘴気の雨をやりすごし、獲物目当ての魔軍の遊撃隊に見つからないよう、身を隠しながら移動した。
いくつか夜を越したが、狩り?をするヒトガタとは、幸い遭遇することがなかった。>>282
たとえ、いくらか延期されたに過ぎずとも。
そうして、魔軍の野営地で次の出撃に備える鉄底族へと接近し、「果たし状」を託されてきたと、族長への取り次ぎを頼む。]
[ロー・シェンには言ってこなかったが、交渉が成ったならば、自分は保証人として鉄底族の監視下に留まり、ロー・シェンが約定を違えたら殺されても文句はない、と提案するつもりだ。
鉄底族のような者たちには、言葉を重ねるよりも、体を張った実を見せる方が有効だと思っている。]
こういう時、事後承諾を要請できるコエは便利だよな。
[策士の笑み。]
[そのコエが、ヨセフの虚ろな呟きを伝えてくる。>>*90>>*96]
おい、 殿下の様子がおかしい。
どこにいる? シラーか?
/*
>>282
ヒトガタここにいるのかよwww
タッグマッチの間、敵陣で、のほほんとしようと思ってたのにw (←
俺は今、鉄… 森エルフの村を訪っているところだ、 届かない。
[素早く言い換えたのは、瞬間、網を仕掛けてみようかと気持ちが働いたためだ。>>*100
コエを傍受できる魔軍側の術者がいるのか否か。]
呼んでいる名からして、向っているのはそっちだ。
なんとか身柄を確保して、縛っとけ!
ともかく、普通じゃない。
― 鉄底族の宿営地 ―
[槌の音響く中へ通される。
現われた鉄底族の長・偉大なる鷲髭のゴルバは、背は低くとも存在感のある勇士だった。>>297]
貴殿の炉の炎の絶えざることを。
俺は、ディーク・オラクル。
人間の王の息子にして、軍の総指揮であるロー・シェン・アウルム・ド・レオヴィルの使者として参りました。
ロー・シェンは、鉄底族の堅牢な誇りと武勇の噂を聞き、自ら仕合いたいと望んでいます。
[それぞれ2名の代表を出しての形式であることを簡潔に説明した。]
[挑まれて拒む鉄底族ではない、という読みは正しく、ゴルバは鼻息も荒く受諾した。
ただし、ロー・シェンの方から出向いて来いと。]
委細承知。
[コエで確認するまでもなく、ディークは応えた。
峡谷にはいろいろトラップが準備されているが、ロー・シェンも果たし合いにそれを用いようとは思うまい。]
戦場は族長がお選びください。
族長のおられる場所まで、ロー・シェンと副将は艱難を突破して参りましょう。
ロー・シェンは、鉄底族の武と誇りをこのまま魔軍に汚させておくのは忍びない、
彼が勝った暁には、是非、味方になってもらいたい、と申しております。
[一族もろとも受け入れる準備がある、と宣誓書を示してみせた。]
負けるわけがないのであれば、これを受けても害はないはず。
ロー・シェンからの表敬をいれると思って、諾とお答えください。
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