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― サクソー川:橋の北側 ―
……ンな?!痛かったか?!
す、すまん。
[>>3:195 軽く小突いたつもりが、大袈裟に痛がるものだから。
マーティンは彼の傍で取り乱した。
それでも、意識は先程よりも明らかである様子を見て、再び安堵の息をついた。
>>3:196 視線を上げると、軽歩兵たちが南側へ渡ろうと奮戦している。然し、正規軍の勢いも衰えることなく。戦況は未だ拮抗のままであった。
地平線に太陽が隠れ始め、地上を橙色へと染めていく。]
――――……。 そうか…
[退陣の宣は、事実上の敗北にも近しい意味だった。
我々の想像以上に正規軍は強かったということだ。
このまま無暗に南側へ行ったとて、州都を落とすだけの兵力は遺されていないだろう。]
仕方ねェな。
一旦出直そうや。
相手さんが一枚上手だったという訳だ。
[>>3:195 キュベルドンの森まで撤退する旨には頷き。
取り急ぎ、近くに居る軽歩兵隊に号令を掛け、撤退の準備を整え始める。
南側まで進軍していた軽歩兵隊の一部は、進んだ分、戻るのが遅れた。
「ここまで進んだのに」という後悔のようなものも、足を遅めた。
逃げ遅れた者は、騎兵隊の剣の餌食となり、その命を散らす。]
――――死ぬよりはマシだ。
命あるうちは、何度でも挑戦しようや。
そうだろ?
[>>3:*19 もう一度と闘志を燃やす姿には、確りとそう答えて、]
[心の裡に響く声は沈んでいたけれども、唐突に盟主は弾かれるように目を見開いた。
>>3:232 絶叫し、立場を忘れ、何もかもかなぐり捨ててその翠の傍へ駆けていった。]
若?!
[あまりにも突然のことに対応が遅れた。
追いかけるのが困難なほど距離が開いたとき、漸くその姿を見とめる。]
ンな…… エディ!!
[傷付きながらも、決して敵将に挑むことを辞めない、果敢な命。
>>3:211 赤が己の服を濡らしても構わないと。
今まさにその命の火花を燃やし尽くそうと戦う、勇猛な炎。
マーティンもエドルファスとともに駆け出したかったけれども。
然し、今ここで自分も行ってしまえば、誰が軍を森へと帰還させるというのだ。
それでなくとも、突然の撤退に軍は混乱しかけているというのに。]
ぐ―――……ッ、
撤退だ!!!
殿を固めつつ、行けるものから森へと向かえ。
[そう指示をしながらも、マーティンの意識は後ろ髪を引かれるように。何度もエドルファスの方を振り向きながら。
>>3:296 幸いなことに、撤退していく自軍を正規軍は追いかけることはしなかった。武器の構えを解かないまでも、決して追う事はせずに、我等が軍を見守っている。
その先頭、銀灰の剣士に問われる。
―――胸が、鷲掴みされるが如く痛んだ。]
独立解放軍副将 マーティンは、独立解放軍副将 マーティン を投票先に選びました。
―キュベルドンの森―
[正規軍が後方から討ってくることが心配だったが、その不安は杞憂に終わる。南下することを断念した解放軍は、一旦キュベルドンの森まで撤退することとなった。
軍は全体的に2〜3割を損失する結果となる。]
ここに来るのも久しぶりだなァ……
[>>2 そんな風に努めて明るい声を出してみやるが、全体の空気は沈んでいる。然しそれでも、一先ず休息を取れるであろうことに、兵士は安堵の息を吐いた。
夕闇に沈むキュベルドンの森は黒く、”色んな意味で”何が出るか分からない。
マーティンは緊張した顔つきで森の小道を歩く。
梟だろうか、大きめの鳥が羽ばたき、木々が擦れる。]
若……
[ディーンは森に入っても、弟分の骸から離れることはなかった。
盟主のその表情は、やはり暗い。
何て声を掛けてやれば良いのかもわからず。
―――いや、今は何も声を掛けない方が寧ろ良いのかもしれない。
副将は、黙って盟主の後に寄り添った。]
[さて、暫く歩いていたところ。向こうから、馬の足音がする。
>>2 視線を上げると、向こうから明るい髪色の青年。
よく見慣れた、タンポポの色だ。]
カーク!
[マーティンの声は一際大きく、暗い森に響いた。
消沈したディーンの手前、自分はなかなか言い出すことが出来なかったが。
やはり戦場に置いてきたカークのことは不安だった。
絵具やテレピン油を寄越してきた以上、健在であることはなんとなくは信じていたが。
然し、そこから先の消息はなかなか知る事が出来なかったから。
―――それでも時折、兄将から囁かれる内容で、息子の様子を伺うことは何度かは出来たのだが。]
……くたばっていねぇか心配したぜ。
[ぶっきらぼうに言ってみやったが、それでも安堵の表情は隠す事はできない。
カークとディーンはそのままエディの事について話をし始めた。
何か、声を掛けてやることは出来たかもしれないけれども。
きっと、同じ年頃のである息子のほうが、悼みを分かち合えることが出来るかもしれないと思い。
マーティンは一足先に、盟主の傍を離れ、兵たちが休んでいる場所へと戻った。]
[森のなか、少し広い場所。
その中心に焚火を起こし、兵たちが束の間の休息を取っている。
傷付いた者は、シーツを敷き、そこで手当てを受けていた。
マーティンは面々に声を掛け、兵士達の様子を伺いに歩きまわっていた。
やがてそれも終えると、焚火の傍に腰を掛け、僅かな軽食をとる。]
おう、もう話は済んだか。
[>>116 息子に声を掛けられたのは、そんな時。
丸太の上に腰を掛けながら、片手を挙げて息子の呼びかけに応じる。]
ふん、まぁ、ちィと殴られただけだ。
気にすんじゃねぇや。
[相変わらずの調子の息子に、安心しながらも。
此方もいつもの調子を崩さずに、そう答える。]
ママが?
……お、怒っていなかったか?
[シンシアが来ていると聞けば、いくらか狼狽した。
可憐なタンポポは、今では旦那を尻に敷く鬼嫁なのだから。
息子と自分が、戦場に行ったきり連絡も寄越してこないとなると、どんな表情をするか想像するのが怖い。
―――後で、必ず謝りに行こう。]
はぁ?!
………よ、よせやい。
……恥ずかしい。
[突然の湯浴びの誘いに、何故か親父である自分が動揺してしまった。
一緒に風呂に入ったのなんて、10年振り位だろうか。
然し、普通はこういうのは親父である自分が誘って、息子が嫌がるものではないのだろうか。
ちょっと不思議で、くすぐったい気持ちを覚えるのも、また事実。
なんだかんだ言って、そそくさとクマは湯浴びの準備を整えるのであった。]
― 森の拠点:湯浴みタイム ―
あ、 いてっ
[>>196 湯を勢いよく掛けられれば、少しだけ顔を顰めた。
然し、それでも疲れはゆっくりと取れていく。
戦い、傷付いた身体に、暖かい湯水が浸透していくかのようだった。
傷に泥や砂が入らないよう、慎重に清めてくれる息子の優しさが、何よりもの特攻薬だ。]
がっはっは!
カークは、儂に似ずに男前になったもんだなぁ。
[親の手前味噌も当然あるかもしれないけれども。
息子は、自分に似ずに、なかなかに男前だと思う。
シンシアの血を強く引いたお陰であろう。]
……禿げるンじゃねぇぞ?
[そんな風にからかいながらも、]
おう、カークもよぉ頑張ったじゃねぇか。
―――――お疲れさん。
[目を閉じれば、森でコグマが自分の後ろを付いていたあの頃を思い出す。**]
― 翌日・キュベルドンの森/解放軍拠点 ―
[息子との語らいを終え、暫しの休息をとる。
そして短い夜はあっと云う間に過ぎ去り、翌朝を迎える。
盟主の語る作戦に、マーティンは表情を引き締めた。
>>147 橋に敵を引き付け、その橋を落とすというもの。
シンプルではあるが、難しい作戦のように思えた。
何せ相手は正規軍だ、我々の小細工如きで通用するのだろうか。]
がっはっは、責任重大だなぁ!
――――あい、分かった。承る。
[然しそんな表情はおくびにも出さず、自信満々といった顔つきで頷いた。
>>187 隣に立つ兄将もまた真剣な顔つきをしていた。
そこは自分よりも歴戦を重ねてきた猛者ゆえだろうか、内心に抱えるものは深いように思えた。]
久しぶりに、息子と共に行けるってぇのは、
――――……なんかワクワクするぜ。
[昔、マーティンがキュベルドンのクマだった頃。
よくカークを連れて森のなかを暴れていたものだ。
きっと森の民であるサシャも、その事実はよく知っていることだろう。
妻には「木を切ってくる」と嘘を吐いて出掛け、人々から金品を巻き上げていたあの頃が、ひどく懐かしい。
その二人が、こうして国のために重要な任を賜るというのだから。
―――自分は本当に、良い盟主に出会えたと思う。]
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