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!! ……あれは、
[>>2:430 視線を手前に戻す。
先程、自軍を横から攻め立てた騎馬兵隊だ。
その先頭に、恰幅の良さそうな将軍の姿が見える。
年齢は兄将ぐらいだろうか―――いや、もっと上か。]
背後から襲うたァ、狡い奴だなぁおい!
――――追い掛けるぞ!!
[そう叫び、軽歩兵隊を率いる足を速めるものの。
此方は馬を持たない身。到着は暫し遅れるだろう。
それでも、200余りの兵士が襲い掛かれば、向こうとてただは済まない。**]
―戦場:東側―
[>>22 追い掛ける旨の号令を発してから、暫し。
体力を削がないよう、然し決してスピードを緩めることなく軽歩兵隊は進軍を勧めた。]
出来る限り一塊になれ。
相手は騎馬隊だ。まともにぶつかれば勝てん。
[進軍の最中、そう言って広がりつつある軽歩兵隊を一束に纏めた。
上空から見れば、巨大な僅かに尖った楕円のような形をしているだろう。その先頭にマーティンは立って、進んでいた。]
[>>89 やがて、その特徴的な髭が目視できるほどまでには、距離が詰められる。]
アイツが、コリドラスって奴だっけか。
………若の口説きを振るたぁ、ふてぇ野郎だぜ。
[>>2:220 兄将の進言を受け、ディーンがコリドラスを勧誘したことは、心の裡の声で聴いていた。
その結果までは、マーティンの耳には入らなかったけれども。
今こうして、ディーンを討とうとしていることが、そのまま回答だろう。]
おるぁ、待てぇ!!!
儂が相手じゃ!
――――全員、はぐれるなよ。
前へ進め!!
[そう怒鳴り込んで、勇み足。]
………?!
[急に距離が詰められる。
てっきり、そのままディーンへと突き進むかと思ったのに。
急速に縮まる距離に、副将は急に警戒を持った。
然し、そこは単純な男だ。
歩みは止めることなく、そのまま詰められるだけ距離を詰めさせてもらう。]
……どうした。
――――……お前さんにも戦士の矜持があるってぇのかい。
[武器を構え、いつでも戦いに挑む恰好は崩さないまま。
そう大きくない声でも相手に届くほどの距離で。
感慨深げに呟いた。//]
―戦場:東側―
そうかい。
……口調の割にゃぁ、”参った”って感じはしねぇけどなぁ。
[>>106 飄々とした風体を崩す事なく、老いた智将は言葉を紡ぐ。
戦火の最中に居ても、そのペースを崩さないことは。
それだけ、戦争に慣れている証でもある。
今、この瞬間に弓で射られたようとしても。
この智将なら、きっと飄と躱してしまうのだろう。
体躯の差ではない、経験の差だ。
コリドラスから覚える、底しれなさに、マーティンは少しだけ汗をかいた。]
まぁ、お前さんにゃぁ、
さっき良いところで”横槍”喰らっちまったからなぁ。
多少、狡い事はするんじゃねぇかと焦ったのさ。
[そう言って先程の恨みをぶつけるがごとく、真っ直ぐ返答して。
緩く錘を突きだされようとも、全く動じることなく。言葉を続ける。]
……お前さんさァ、
ラモーラルが好きなんだろ?
だからこうして隠居生活してもなお、戦場に第一線に来やがる。
[目の前のこの男は、ラモーラルに忠誠を誓ったのだろうと。
近しい縁の、あの人が言うた。
その言葉を本人に返す。]
元々の主のもとへ返してやりてぇって思わねぇのかい?
[説得をするつもりはない。
ディーンの説得ですら折れなかった男だ。
自分如きでは屈さないのは、分かっている。
けれども、]
この地を、
この未来を、
お前さんは、どうしたいんだい?
老い先短ぇってのによぉ。
お前さんも、
……儂も、
――――馬鹿なもんだな。
[智将の、飄々としたその仮面の裏を。
知りたくなってしまった。//]
― サクソー川:橋の北 ―
[副将が、軽歩兵隊を半分に割いたのはつい先程のこと。
進軍を命じられた軽歩兵隊たちは、川の南側へ渡ろうと駆けていく。]
「盟主が進むべき道を!我等の手で!」
[>>118 勇猛と忠義がぶつかり合い、想いは火花となってはじけ飛ぶ。数こそは軽歩兵隊が上であったけれども、経験の差がそこには明白にある。
勢いばかりでは埋められない溝が生まれ、その隙を確実に狙われる。
ゆっくりと、しかし確実に軽歩兵隊は削られていった。]
[また武器の類も、独立解放軍は、正規軍には劣る。
弓矢の類を周囲から受け、まともに防御する事が出来ない。
それに気を取られていると、正面から正規軍にやられてしまう。]
「怯むな!」
[然し、やられてばかりではいない。
何度も傷つきながらも、兵士たちは戦場で学ぶ。
三歩下がっては二歩進みといった具合で、じっくりと軍勢は南側へと進んでいった。*]
あゝ、
―――……その表情が見たかったんだ。
[>>132智将の仮面が落ちる音を聞いて。
副将はふと、赤き記憶を思い出す。*]
― 王の起った日 ―
[>>2:*33 短い宣を聞いたとき、マーティンは弾かれたように目を見開いた。
目の前に広がるのは赤き炎
落城するそれから逃げ帰る、小さな少年は
暁の光を浴びて――――
王と為る。
手を伸ばされ、絆を受けたときから。
マーティンはこの時を待っていた気がする。]
[>>*4 盟主の傍らに膝をつく音を聞いた。
兄将の真っ直ぐな宣が木霊する。]
………ッへ、
なんかこういうのは恥ずかしいなぁ。
[続いて膝を付こうとして、若干照れ臭くなって。鼻を掻いた。
少し決まりがつかなくなって、]
あー……
[赤き中空を眺めて。一呼吸。]
儂ァさ、
若のような王の血筋も。
兄者のように、
先代から王に仕えている身でもない。
ンだからさ、
―――――ちぃと、二人が羨ましいこともあったんだぜ?
[宣の代わりに。先に紡ぐはそんな本音。]
でもさ、
ただ悪党やってたぁ、儂がさ、
――――……若と兄者のお陰で、こうして変われたし。
共に未来を築くことが出来るってのは、
……儂ァ、すげぇ幸せもんだよ。
マーティン・グリズリー
――――……この魂、燃え尽きるまで御身に仕える!
[号とともに、遅ればせながら膝をつき。真っ直ぐ前を見た。
その瞳には、眩いばかりの暁を見据え。輝いていた。*]
―戦場:東側―
[落ちた仮面の裏には、後悔の念とそれ以上の憤怒を覚えた。
その老いた顔付きとは打って変わって、眩いばかりの熱気を覚える。
怒気に気圧され、下級兵士は、僅かに後退した。]
がっはっは!
儂も馬鹿だからのぉ!
詳しい歴史や因果なんてェのは、すまんが分からん!
[>>132 自分達の力不足のために産んだ歴史を、払拭せんとする智将。
マーティンには詳しい事情は察することしか出来ないが、その皺はただ老いで刻まれただけではないのだろう。
先程までは「たぬきおやじ」と思っていたけれども。
今は真っ直ぐに、相手を敬うような視線を投げかけ。武器を再度構え、]
でもなぁ……
お前さんも、目の前を見て分からんか?
[そう言って指を差すは、>>122>>136 剣を交わし合う二人の将。ディーンとクレステッドは互いを認め合いながらも、決して剣を緩めることなく。
命の――――本音のやり取りをしている。]
ラモーラルの未来ってぇのはさ、
お前さんが思ってるほど暗いものでもねぇんじゃねぇかな?
儂だって、
全てぶつけたあとに、
こいつらに、
―――――未来を託してやりてぇじゃんか。
[そう言って、コリドラスに見せた笑みは。
至極穏やかなものだっただろうか。]
若ぁ!!
川の向こうへ、
州都へ、
―――――……渡るぞ!
[そう言って、コリドラスの向こう。
一騎打ちを仕掛ける盟主に呼びかけ、駆け寄ろうとする。
一騎打ちを邪魔するのは心が引けるが。
然し、命を奪われてはたまらない。
たった一人の、かけがえのない御人なのだから。*]
独立解放軍副将 マーティンは、平原の民 エディ を投票先に選びました。
― サクソー川:橋の北 ―
[>>141 勇気を振り絞って槍を突き上げ、馬に乗る兵の喉を貫いた。
その時、小さな歓声が生まれるけれども。
直後、悲鳴に塗り潰される。
窮地に陥ってもなお闘志を燃やし続ける騎兵に、上から剣を振り下ろされたのだ。]
「ダンクラード様の為に!道を明け渡すのだ!
州都に! ――――自由の旗を立てよ!」
[ダンクラード・ハーゲン・ディ=カルスト・ヴァン・ラモーラルの名が戦場に響く。
互いに仕えるべき盟主の名を叫び、剣と盾が入り混じる。
正規軍に切り裂かれてサクソー川へと落ちた兵士が居た。
解放軍に打ち破られてマーチェス平原へと傷付いた身を投げ出す兵士が居た。
安寧を望む緑と、解放を謳う赤が――――ぶつかり合う。]
[推し進んだ分だけ、確実に引き戻そうとする力が働く。
ここはぜってーー 通さねえ ッス よ!!!
>>2:331 そんな風に叫ぶは、若き兵士の魂。*]
―戦場:東側―
がっはっは!
コリドラスのおっさん!
お前さん、案外気が合うじゃねぇか!
[おっさんにおっさんと呼ばれても、困るだろうか。]
そうさなぁ、
儂らを踏み越えて先ィ進んで貰わんと、
儂ァ、死んでも死に切れやしねぇよ。
[>>157 仮面が剥がれたのはただ一瞬のこと。
視線を再度向ければ、そこにあるのはいつもの飄々とした風体。
特徴的な髭が、そよ風に棚引いているように見える。]
[隠居のなか、ぬくぬくと余生を過ごすことだって可能だった筈なのに。それを赦さなかったのは、智将のなかに滾る血ゆえだろうか。]
そうかい!
――――……んじゃ儂もそうさせて貰うぜ!
[そう言って。クマは駆けだし―――
>>163 視界が虚ろになっている盟主の傍に駆け寄った。]
若ァ、
若ぁ……
しっかりしてくれ!
儂が、分かるか!?
[盟主のこんな姿を見るのは初めてだったかもしれない。
クマは、その巨躯に似合わぬ涙を目に浮かべながら。
潤んだ声で呼びかけた。//]
……ったくよぉ、無茶しやがって。
あゝ、だから無理はしなくてええ。
[命に別状がないことを知れば、副将は安堵の吐息を吐いた。
>>185 なんとか頭を振るい、ようよう意識を保とうとする盟主には、支えるように腕を差し出す。]
な、泣いてなんかいねぇよ。
[そう言って、軽く小突き。
マーティンは盟主を庇うようにして、敵陣へと向き直り。]
どうする?
川、渡れそうか?
……もしキツイなら、一旦戻るのも手だが。
[背中越しに盟主に尋ねた。
どのような返事であっても、マーティンは盟主に従う心算。**]
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