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[蓮魔が期待せぬ>>*0よう、無論返る言葉は無かった。
戦いの最中、強く問わなかったのであれば尚の事。]
『紺野』
[響く柔らかな声>>*3は、氷割れ温き湖面が顔出した上にも漣を立てるよう静かに蓮鈴の音と共に響き渡る。
蓮魔の袖から飛び出した薄紫の蓮は、紅い光を裡に秘め、飛来する。
柊の護花が構えた槍斧は、蓮を貫きその先の花を散らさんとしたが――
其れは終ぞ叶わなかった。]
[一輪の蓮花により、陽光に氷が融けるよう、冬から春へと刻移るよう、凍りついた鈍色の槍斧は融けて消えゆく。
氷は融け、命育む水に。
嚥下と共に、裡より鼓動を停め心も凍り付かせた、隷属の呪篭められた“氷の結晶”が>>1:215、背より翅の様な氷の結晶達を生えさせたとも言えたか。]
[胸の柊の花の徴>>1:222こそ消えないものの、胸に到達した薄紫の蓮花は、紅い光を胸から全身へと広げさせる。
紅い光は熱く、熱く、この上なく熱いものだが、焦がすものでは無い。
灼熱でありながら、陽光>>1:212。
微睡む夏の花の柔らかき熱さ。
そして、少年の「願い」を伴うもの。]
――ッ
[熱さに耐えかねた様に、四肢のうち三肢を失った護花は途中で失速し、失墜した。
其れを受け止めるは、先程まで拘束を行おうとしていた蓮の茎や花か、最初から蓮魔が腕を差し出したか。
どちらにせよ、最終的に気を失い、胸の上に薄紫の蓮を乗せた護花を、蓮魔は両腕に抱き、余裕ある勝者の笑み>>7を浮かべたのだった。*]
…、ぅ、ン……。
[欠けた三肢が、柊の氷華の手>>+11によって傷を癒される。
意識は揺蕩いの侭に、欠損が埋められたという感覚の様なものが伝わった。]
ここ、は……
[白蓮の上、長衣を掛けられ>>+14頃に、漸く薄っすらと目蓋を開く。
辺りの声は先程から聞こえてはいたけれども、意味がはっきりと伝わりきりはしておらず。
辺りの喧騒に幾度か瞬き、焦点が像を結んだ先には…、]
ッ、
[鈍い痛みの様なものが胸に走る。
ズキリとしたものではなく、鈍い痛み。
ぼやけ痺れる様な其れは、呑まされた氷の結晶の余波か否か。
背中に生えていた氷の結晶は、その殆どが融けていたろうか。]
何…、ハルト君も、そんなこと……
[まだ何処か、状況を掴めていない様子で呟く。
片手で胸を抑え、半身を起こそうとすれば外套がズレ。
胸元は、やや大胆に開いている状況だったりした。*]
あ…、
あな、た…、この…ッ、
[ハルトと視線がばっちり合ってしまったが、その彷徨っていた視線の先が次に氷華を捉えれば、意識が次第にはっきりしてきたのか、何か言いかけて]
[ハルトの上着>>55が降って来た。]
[咄嗟に受け止め、きょとん、と、ぼんやりの中間の表情をしていたが、意味する所に気付けば、す、と該当箇所を隠す。]
……、良いよ、
[恥ずかしさと怒気の孕む複雑な声を出した。*]
……分かる、けど。
[ちらっと、片目でハルト>>56を見た後]
まだ少し、意識がはっきりとしない
かな。
・・・・・
ノトカー君
[ほんのささやかな意地悪を言葉にして。
戦っていた記憶まで無いという事は無いけれども、記憶の混乱が収まるまではもう少しだけ時間が掛かりそうだった。*]
その……、
自分で戦っていた実感は無いけど
そこの冬の神様に変なものを呑まされて、戦うことになったのは覚えてる。
[暫し躊躇った後、リリは話し始めた。]
……
変な話だけど、戦いに駆り出された事は怒って無いの。
自分がした事だなんて言う実感は無いけど、私があんな動きが出来て、神様と戦い合えるほどの力を持って……ファンタジーの世界のお話みたいな経験だったからかもしれないけれど。
(でも、それとこれとは別。)
[唇に曲げた指を当てる。]
……嫌です。
[一言一言区切るように、氷華>>+29にはっきりと。]
ハルト君は、まだ戦いがある筈です。
貴方は負けたんだから、貴方のコートを使って何かおかしいですか。
[ズレた外套を遠慮無く羽織った。
尤もそれは、怒りに任せたものだろう。]
私も思わなかった。
……久しぶりだったね。
[ハルト>>57>>58に微かに笑んで。]
ハルト君が、ふらふらとご飯に誘われて何処かに行っちゃった後、寒い思いと痛い思いはしたかな
[絶対零度の眼差しで、横目半目で力を与えた冬神を見る。
凍柊の領域での凍死寸前体験、柊型の氷による激痛体験など。]
身体と心を戦いに相応しく変えるんだって、
口移しで……変なものは呑まされるし。
[リリの躰から、凍気が揺らめいているのは気のせいではないだろう。]
本っ当に、腹立つどころじゃないけど。
それくらいだよ。
ハルト君の方は無事だった?
[ハルトの蓮の上着を返しながら、気遣わせないように微笑んだ。*]
…………、はぁ。
[自分が思う分では、小さく、呆れた溜息をつく。]
(この神様、何だか子供っぽい。
言いたい事があるなら、はっきり言えば良いのに。)
半分に切り裂いて返しましょうか?
[半分にすれば、確かにリリの身を覆い、かつ氷華の右肩の弾痕を覆う事も出来る(バッドな)アイディアだったか。*]
[仮に氷華から>>+40頷かれても、じゃあ切り裂きましょうかと言う程、リリも鬼では無かった。]
…………。
では遠慮無く。
[内心で、そこまで悪意溢れている神では無いと位置づける。蓮魔との会話を聞いていれば、それは尚の事理解る。]
なら、知る努力もしなきゃ。
間違っているかも、正しいかも、
自分以外を知ることから始まるでしょうに。
貴方が間違っているかどうかなんてのも。
[対話を耳にしながら、そう小さいながらも口にした言葉は、何処まで氷華に届いたろう。**]
/*
現時点でのリリ視点では、冬からすれば、冬は別に「間違い」では無いんじゃないの?という話。
他の生命にとってはアレだけど。
あとやっぱり、自分の良きものは探したり、殆ど死に絶えさせる以外の道を探して欲しいなって思ってそうかな。
だって貴方、生きているものの事をあまり知らないように思えたから。
[其れは元が精霊の身>>1:28>>1:125だったが故か。]
だから、そう思っただけ。
[リリ>>+44は氷華に、ほんのりと微笑する。]
名前は紺野莉麗です。
[蓮神>>65の名前は正確には聞いていないけれども。
『紺野』と呼ばれれば名前を返した。]
ありがとうございます。
[手渡しされたのは蜜飴。
それを嬉しそうにころりと転がして]
神様からの贈り物ですね。
[にっこりと、氷華へ向ける表情とは真逆の笑顔を向け]
ところでこれ、他の神様にも効きますか?
[蓮魔への問いかけ。
朧げだが癒やしの効果があったように見えていた。
蓮魔からの答えはどうだったろう。
どちらにせよ、リリは、効かないなら半分に割り、効くならば丸ごと、蜜飴を氷華へと差し出した。]
はい。
これも、“外”を知る一つですよ。
[氷華に近づくと、その手を手でとり蜜飴を渡した。*]
最初から褒美なんて期待してません。
[氷華>>+53へ、にべもなく。
寒さに痛みと与えられた身、更には氷華のこの態度だ、褒美などという期待はする気もない…]
手足は、貴方が治してくれたのでしょう?
それに、
[と、指差し触れようとした先は、氷華が先に厭わしげに見ていた>>+34右肩。]
そのまま放置しておくのも何ですから。
だから、さっさと食べて下さいね。
[…ただそれは、氷華が内心はどうあれ自分の外套をリリに掛けた様な、慮るものだったか。]
って。
効果は……無いみたいですけど。
[蓮魔の答え>>71を聞き付け加えるように。]
異文化のコミュニケーションですよ。
[蜜飴をふたつに割った片方を氷華の掌で握るように手を動かし。片方をぱくりと口に含んでみた。*]
[蜜飴は、凍った体温の身では直ぐに融ける事は無かった。
きっと常温ならばすっと溶けて消えてしまう程のものだったに違いない。
氷華が文句を言いつつも食べる様子を、何処かしてやったり、を含ませつつの微笑を浮かべ。]
これはね、“美味しい”って言うんですよ。
[「とっても甘いですね。」と、黙りこんだ氷華>>+58の代わりに、蓮魔へとリリは感想を伝えた。*]
それに“甘い”。
覚えて下さいね。
[含める様に告げる。
氷華>>+60が言葉にするのを求めている訳ではないので、伝わればそれで良いとばかりに。]
……、氷華様。
[と呼ぶのは、完全に心の縛りが溶けていないのか否かは不明だが。]
雪って綺麗ですよね。
人の暖かさを知れます。
全てを凍え付かせることは、私は人間だから駄目だって思いますけど、冬自体は悪いものじゃないって思いますよ。
どんな季節でも、
ずっと同じ季節だったら、私は飽きちゃう。
空から舞う氷の
冬に咲く柊の花も、
私は好きですよ。
[出来るかは分からないけれども、氷の六花。
否、氷の
もし巧く造れても造れずとも、それは氷華の目には留まったろうか。**]
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