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……でも、それは違う、って。
オレ個人は、思ってる。
古き在り方は大切だけど、でも、変わらないままじゃいられない。
……新しい流れがなきゃ、風も、水も、澱むから。
[だから、と。
ここで一度、言葉を切って]
変わる事はできると思うし、変えていきたいと思う。
だから……あなたの言葉、聞きたかった。
新しい風を呼び込んで、その向きを決めるために。
[告げるのは、改めて固めた自分の意志]
新しい風が、どこに沿って、どこに向かうかは、わからないけれど。
……今、いただいた言葉は、必ず糧にします。
[仮に、外との関わりを取り戻す道を選んだとして。
今のこの状況で、どの勢力に沿う事になるかはわからない]
お話しくださって、えと、ありがとうございました。
[表情和らげ、出来る限り丁寧な礼をする。
肩の小猿も、習うようにぴょこりと頭を下げた。*]
/*
うん、予想以上にいいものもらえた。
何気に、遭遇一番難しいだろうなー、と思ってただけに、ちょっと嬉しいw
そして30分前だがどーする、ほんとに!
山岳の民 ヴェルザンディは、上級将校 サシャ を投票先に選びました。
― 会見 ―
[新しき民。
そんな風に言われるなんて思っていなかったから、きょとん、と瞬いたのは刹那]
……形を変えながら、同じを保つ。
[変える事、変わる事。
それを重視していた自分には、それは思いも寄らぬ言葉だった。
だからそれも確り、内へと刻み込み]
[従わぬ意志を示してもそれを否定する事なく、尊重すると、新しい風を、と告げる巫女姫。
揺らがぬ芯がある、と。
改めてそう、感じた]
……はい。
風は、風の赴くままに。
[行く末を楽しみにする、という巫女姫にそう返し。
非礼をわびるように、もう一度礼をしてからその場を辞した。*]
― 会見の後 ―
……ふみゃあああああああ。
[会見の場を辞し、クロードについておばちゃんたちの所に戻った途端、妙な声が出た。
ついでに、力が抜けた]
あー、うん、へーき、へーき。
ちょっといろいろ、はってたのが、きれただけだから……。
[大丈夫かと問うてくるおばちゃんたちにこう返す。
甘いものやお茶をもらって、帰りの号令が出る頃にはどうにか立ち直っていた、のだが]
……あれ?
[無事に迎えと合流しての帰路。
先を行く二人の様子がなんだかおかしい気がして]
……なんか、あったの?
[こちらを振り返ったガートルート>>111に近づいて、小声で問いを投げかける。
知らされたのは、学館で教えを受けたひとの死。
思わぬ報せに、え、と小さな声が上がった]
……なん、でっ……。
[口を突いたのは、掠れた呟き。
白の小猿を腕に抱え込み、ぎゅう、と抱きしめる事で溢れだしそうになる諸々を飲み込んで]
……教会に、いるんだ。
あとで、あいに、いく、ね。
[小さくそう呟いた後、また、距離を取る。
抱え込まれた小猿がきぃ、と短く鳴いた。*]
― シュビト ―
……ん?
どしたの、プルウィア。
[街に戻って間もなく、小猿が空を見上げて短く鳴いた。
視線を辿れば、何かを探すように旋回する翼が見える]
あれは……。
[連絡用にと飛ばされる翼を見紛う事はない。
だから、迷わず合図の指笛を鳴らした]
山で、何かあったの?
[降りてきた翼に託された文を外しつつ、問いかける。
猛禽はこてりと首を傾いでこちらを見るばかり。
さもあれ、見て見ない事には、と開いた文に綴られるのは、山岳の近況]
……ぅ。
なんか、まずい方に進んでるかも。
[動き始めた情勢。
麓まで降りるようになった若者たちが伝えるそれが、一族の危機感を高めているのだ、という報せ]
一度、戻らないと、かな。
伝えなきゃいけない事もあるし。
[でも、その前にやる事があるから、と。
足を向けたのは、教会の方]
― シュビト・教会 ―
[訪れた教会は、嘆きの声は減っていたけれど。
やはり、重苦しい空気があるのは否めない。
それに飲まれて叫びそうになるけれど、唇をきつく噛んで押さえつける]
…………。
[亡骸の傍ら膝を突き、取るのは風の民の独自の祈りの態。
白の小猿は肩から降りて、ちょこな、とその隣に座り込んだ]
……もっと、いろいろ。
教えてほしかったんだけど、な。
[ぽつり、と零れるのは小さな呟き。
特異な出自を持つ自分を、他の生徒と分け隔てる事無く扱ってくれた。
そんな些細な事でも、降りてきたばかりの頃は嬉しくて。
結果、学館に来て、最初に懐いたのはマーティンだった]
それに……ちゃんと、名乗りたかった、し。
[真名を告げるのは、相手への最大限の敬意。
いつか、ここを離れる時に、それまでの感謝と共に、と。
そんな風に思ってもいて、だけど、それは叶わなかった]
[ゆるりと視線を巡らせる。
非常勤講師だったシロウとは、自身が弓を得手としている事もあって接する機会は余りなかった、けれど]
……一度くらいは、って。
思ってたんですよー……。
[ぽそ、と小さく呟いて、息を吐き、それから]
Sky altus ventus revolvuntur .
Ipse transfigere urbis rati , benedictionem .
[ごくごく小さな声で唱えるのは、祈りの言葉。
古き民が、戦士を送るために唱えるそれを歌うように、そっと紡いで]
…………。
[祈りの姿勢を解いた後、掻っ攫うようにして白の小猿を抱き締めた。
そうして、泣き出しそうになるのを抑え込む。
この場にはまだ人がいる。
人がいる場所で泣くわけにはいかない。
──泣き声で男子を装うのは、難しいを通り越して多分、無理な事だから。*]
[教会で祈り捧げた後、今度こそ、出立の準備を整えた。
元から余り多くない荷物を背に、真白の小猿を肩に乗せ。
腕に抱えているのは、水やりを頼まれた、揺れる薄紅の姫貝細工]
あー、いたいた。
おばちゃーん、ちょっといいー?
[その姿で探すのは馴染みのおばちゃんたち]
うん、色々考えたんだけど、一度山に戻って、色々決めてこようかな、って。
だから、その間これ、預かってくれるかな。
水遣り頼まれてたんだけど、歩き回る事になりそうだから、難しいんだ。
[だからお願い、と。
にっこり笑顔で差し出して]
……え?
あ、うん。
だいじょうぶ、だよ。
預かりもの、人に預けて帰ってこない、なんて事はないから、大丈夫。
[向けられる、案ずる言葉に返すのは笑みと]
それより……これから、色々と大変だろうから。
おばちゃんたちも、気を付けて、ね?
[生まれた地を離れていても、寂しさを感じる事無く過ごさせてくれたひとたちを案ずる想いの言の葉]
……さて、と。
[挨拶済ませ、街を出る。
伝令の翼は、『一度そっちに戻るから、今は大人しくしてて』と記した文を託して先んじさせた]
間に合わせなきゃ。
……このまま、動き出した時間に飲み込まれるのも、置き去りにされるのもダメ。
一族の未来、ちゃんと、捕まえるためにも。
[そんな決意を込めた呟きの後、山へと向けて馬を走らせる。
以前交わした約、それへと繋がる動きの事は未だ知る事はなく。*]
― 山岳地帯 ―
[慌ただしさを増し、各所で衝突も始まる中を単身抜けていくのはかなり厳しい道中と言えたが。
それでも、出くわした相手が学館での知り合い、というケースも多々あり、どうにか山へと帰り着く事ができた]
……そういや、あっち、どうなってんだろ。
[奥地へと踏み込む前、視線を向けたのはスルジエのある方。
シュビトで出会った白金の貴人とのやり取りが過る。
一から十まで、全て信用しているとは言えないが。
何かしら、動きが出てくる、というのは何となく感じていた]
とにかく、その前にこっちまとめないと……。
[そんな決意を固めつつ、山を登る。
途中、伝令の翼が目に留まると、近くにいるであろう鳥使いを呼ぶべく合図を鳴らして帰還を知らせた。*]
― ウェントゥスの里 ―
[久しぶりに戻った里は、酷く慌ただしい空気の只中にあった。
シュビトでの出来事、南島に広がり始めた戦いの兆し。
それらへの不安や翳りが色濃く出ている様子に、眉を寄せた]
……とにかく、みんな、集めて。
それから、話する。
[いつになく、真摯な様子で父にこう訴えた後、里の中央に住人を集めて]
みんなも、風が慌ただしいのは感じてると思うけど。
……今、里の外には物凄く大きな流れが生まれようとしてる。
千年の在り方、それを変えるかも知れない、大きな流れ。
それは、『外の世界の他人事』じゃなくて。
オレたち、古き民にもこれからの在り方を問うものって、言っていいと思う。
[告げた言葉に変えるのは、不安を帯びたざわめき。
それを一度、制して]
このまま、ここに閉じこもっていても、何も変わらない、変えられない。
今のまま、領域を侵され続けてたら、それこそ行き場もなくなっちゃう。
[それは、街の連中が悪いんだ、と。
我らを貶めるスルジエの連中を叩き出せば済む事、と。
そんな過激な声も上がり始める、が]
その、スルジエの事だけれど。
……もしかしたら、脅威じゃなくなるかもしれない。
今の段階じゃまだ、はっきりとした事は言えないけれど。
そこを変えたい、って意思を持ってる人がいて、何かしら、動いてるのは間違いないんだ。
[仔細は省いて、そこまで説明した後。
は、と一つ、息を吐いた]
里の外の人たちには、自分たちのためだけに、恵みを奪おうとする連中もいる、けれど。
オレたちをごく普通に受け入れてくれる人たちも、ちゃんといる。
そういう人たちがいたから、オレは、この二年、生きてこれた。
[思い返すのは、シュビトの、そして学館の人たち]
オレたちの事を異民族扱いする連中も確かにいる。
でも、そんな連中ばっかりじゃないし。
そんな連中の筆頭だと思ってた巫女姫も、そうじゃなかった。
[『巫女姫』という言葉に、ざわめきが大きくなる。
傍らで話を聞いていた父が、険しい視線を向けつつ、何故わかる、と問うてきた]
……会えたんだ。
それで、少しだけだけど、話す事もできた。
[最初にそう返し、それから、そこに至った経緯を説明して]
物凄く、綺麗な空気を持ってるひとだったよ。
古い言い伝えにあるような、冷たいひとじゃない。
ちゃんとした心を、意思を、持ってるひとだった。
[会見でのやり取りを思い出しつつ、告げて。
反応を伺うように、集まった里の者を見回した。*]
― ウェントゥスの里 ―
[自分が伝えた言葉が、里の者にちゃんと行き渡り、染み透るまで少し、待つ。
言葉を届けるのは、時間をかけるのも大事な事、と。
一族の皆に想いが届かない、とふてる自分に教えてくれたのは、誰だったか。
やや間を置いて、里の者から問いが来る。
外からの脅威がなくなるのであれば、また、元のように暮らせばいいのではないか、と]
……だから、それじゃダメなんだって。
行く先はまだわかんないけど、里の外は変わり始めてる。
その流れに取り残されたら、風を澱ませて消えるだけになっちゃうかもしれない。
だから……さ。
外に、出よう。
新たな風を呼び込んで、澱みを浚うために。
今だからできる事を、出来る所から、やっていこうよ。
大体、さ。
今、できてる大きな流れの発端の一つに関わっちゃってるんだよ、オレたち。
それ、考えれば、オレらだけ止まってる、なんて、やっぱりダメじゃない?
[お前が厄介者を拾ってきただけだろう、という突っ込みも飛ぶが。
それで引くような気質ではないのは、周知の事]
それだけじゃない……止まる事を是としたら、風は、本質を見失う。
千年前、ここに籠もった時から。
オレたちは、在るべき姿を……風の風たる由縁、失ってるようなもの。
それをもう一度、取り戻すためにも。
今、生まれている新しい流れに飛び込もう。
新しい風に、変わるために。
それから……。
[言いつつ、視線が移ろうのは、北の空]
その風を、北の森へ。
更にその先まで、届けよう……!
[それは、かつて住まう地を別った古の同胞と。
再び、手を携えよう、という強い意思の表れ。
それに対した住人たちが示したのは、戸惑い。
けれど、外に触れる機会を得ていた若者たちからは、少しずつ同意の声が上がり始める]
[変われる、進める。
少しずつ大きくなる同意の声に、そんな予感を感じつつ、肩に乗せた真白の小猿をそ、と撫でる。
長く留まっていた古き風は、新しい流れを内に入れ。
変化という方向に、その向きを変えようとしていた]
(これで、先に進めるなら。
後は……)
[動き出した風の沿う先を定めなければならない。
とはいえ、自身の向かいたい先は、ある程度は定まっていた]
(新しいものを、知らないものを。
一つでも多く見て、一つでも多く、知りたい)
[様々、思う所はある。
けれど、風を突き動かすのはいつだって、知らぬもの、新しきものへの好奇心]
(……そのためには……)
[行く先を楽しみにする、と。
そう言ってくれたひととは、道違える事になるのだろう。
それに言葉にできない何かを感じつつも。
今は、求める流れに向けて吹き抜けるのみ。**]
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