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―夜明け前・回想―
[ほかほかと温まった身体そのままに
小屋へ戻った褐色は、共に戻ったリヒャルトの表情に
既視感を覚えた>>0
ああ、ファミルのように飛び込みたいのかな……
うずうずと輝く瞳に感情を悟るも
眠りについているものもいるであろう今、
先程のようにダイヴする訳にもいかず。
嫌がることなく腕の中に納まってくれるリヒャルトを、
茹であがったばかりの温かなうさぎの身体をそっと抱き締める。
レトが、オオカミさんならば。
ほらあなに隔離することで、ウサギに戻ることが出来るのだろう。
今はそれを信じ、縋るほかなかった。
そうすれば再びレトにも逢えるだろうし、
ローゼンハイムにも、シェイにも逢えるはずだ――
そう考えながら、深い微睡の波へ呑まれていった]
―早朝―
[途中、食事を済ませたリヒャルトの代わりに
枕を抱いて眠っていたくらいに深い眠りに落ちていた褐色は
陽光が差し込む頃、不吉な鳴き声を耳にして目覚める。
また、カラスが来ているのか――
ぼんやりとした思考を引き摺りながら身を起こし
目元を擦りつつ、まだ眠っているだろうリヒャルトの額へ
抱き枕の礼とばかり、軽いくちづけを落とした]
[朝食時、まだ眠るリヒャルトに「ご飯だよ」と声を掛けた。
夜行性な彼は起きれただろうか?
起きたなら、皆と共に食事を摂っただろう。
昨日、問いを誤魔化された事>>15を知らぬ褐色は
今朝もまた、妙な眼差しを受け取ったとしても
その理由に気づけぬだろう。
そんなに変な眼の色だろうかと、困惑ばかりが増えていく。
野菜スティックを齧りながら周囲を見渡す。
昨日のあの様子から、ゲルトはファミルの傍で眠っているのだろうと
思い込んでいた。
だから… カラスがレトがオオカミではなかったことや
オオカミがゲルトを連れ去ったのだと耳にして、
我が耳を疑った]
[ゲルトは、ファミルと眠っているはずだ――
昨日、最後に目にした光景を思い出し、寝室へと走る。
そこにゲルトの姿はなく、
ただ、涙を流すファミルの姿だけが双眸に焼きついた。
「まねっこ」に関しては、深く追求してはならないと感じた為
声を掛けることはなく、ただ…そっと涙を拭おうとしただろう。
彼らはとても仲が良かったように感じていたし
少なくとも、ファミルが嘘をいっているようには見えなかった]
―昼→夕方―
[小屋の中は閑散としていた。
だから、外の空気を吸って思考をまとめよう、そう思った。
外はこんなにも春の光に満ちているのに
森ごと、不穏な空気に支配されているようで――
いっそ、小屋に残っているものだけで
どこか遠くへ逃げてしまえばどうだろう。
そうすれば、これ以上連れ去られたり
連れ去られぬ為に隔離したりしなくて済む。
否、それでは連れ去られた面々を見捨てる事になる。
連れ去られたのかもしれないシェイも、
自ら志願しほらあなへ行ってくれたレトも]
――逃げた、ところで…、
[そう、逃げたところで残りの面々の中に
本当にオオカミさんがいるとするのなら、無意味なのだ。
どうする事が最良なのか――
考えながら歩んでいると、笛の音に鼓膜を擽られた。
導かれるように沢へと近づき、奏者の背に気づく。
カスパルの少し後ろを陣取って、
川のせせらぎと笛の音のセッションへと耳を澄ませた。
仄かな哀愁さえ感じる繊細な笛の音色。
曲が途切れた後、ずっと考えていたひとつの疑問を
カスパルへと投げ掛けた]
レト、…どうしてオオカミさんじゃない、って言えた?
[全く疑っていない、といえば嘘になるけれど。
疑惑未満の、純粋な疑問だった。
何を持って信用すればいいのか、疑うべきなのか。
カスパルは何を持って昨夜、それを判断したのか。
実際、彼の言った事は真実だったのだ、
そこに、何かヒントがあるのではと考えてのことで]
[驚きと、痛みと。
次第に全身へ巡るであろう、深い快楽と睡眠の波。
そこから来る恐怖と、未知への好奇。
ゲルトが発した甘い吐息を、褐色のオオカミは知っていた。
ずっと昔の、遠い記憶。
『かじって』 『もっと、食べて』
『深く』 『より深く』]
[褐色のうさぎは、激しくかぶりを振る]
やめ……、やめて、
やめて、
░▓▒!!
[悲鳴は生温かな洞穴の、ずっと奥まで残響を、残した**]
―夕刻→夜―
[沢から戻ると、洗濯物を取り込むルートの姿が目につき
一緒にたくさんの衣類を取り込み、下手ながら畳んでいった。
日向の香りのする洗濯物、干すのは大変だっただろうと思案しつつ。
だから、夕食は率先して手伝った。
…とは言っても、簡単な盛り付けや皿運びがメインだったけれど。
強い哀しみと、先の見えぬ不安と、
眼に見えぬ牙への恐怖はあれど、不思議と腹は減る]
皆、ちゃんと食べている…、かな…
[シェイやローゼン、ゲルト、レト。
――死んだ、などと考えたくは、なかった。
ファミルが言っていた言葉を思い出す。
『また、会えるはずだから』
その言葉に対し、「そうだよ」とは言えず、
「そうだと思う」と、曖昧に濁してしまったけれど。
生きる事を止めてしまわぬ限り、また会える――
ぱくり、*クイニーアマン*に齧り付いた]
誰、オオカミさんとかわからないけれど――
[夕食に集まった面々、ひとりひとりの眼を見て
ひとつだけ、思いついた事を口にしてみる]
閉じ込める名前、言わない方がいい…、んじゃないか。
オオカミさんが連れ去るうさぎと、閉じ込めるうさぎ同じになれば、
……食べられなくて、済むかも。
[実際、やってみない事には解らないけれど。
烏は、一番多くココロに刻まれたものを隔離するという>>2:#1
ならば、誰に票を投じるのかを明言しない事で
オオカミの行動を、妨げることができるのではないかと考えて。]
情報、の、交換…は、した方がいい、思う。
[誰から何を聞いた、こう考えている、など。
共有する事で、内側を守る事になるのではと。
浅墓な思いつきだったけれど、それぞれの表情を眺め、反応を窺う**]
[彼方の記憶に押し潰されそうになったのは
褐色のうさぎか、褐色のオオカミか。
解らずも、誰かの気配を傍近く感じれば
苦渋の表情はすう、と冷静さを取り戻し]
やあ、ゲルト。
君の耳は舌ざわりが良くて旨かったよ。
もうすぐ君にも、この味の良さが解るようになる。
[このほらあなが、うさぎ達でいっぱいになれば。
疎まれ排除されるべき存在でしかない自分にも
仲間が、できるのだ。
ゲルトの背後に小さなうさぎの姿を見つけ、
固く瞼を閉ざした]
それまでの間、このほらあなで
のんびりと待っていてくれればいい。
逃げようなどと、考えない事だ。
[褐色のオオカミは渇いた笑い声と共にそう告げ
ほらあなを出て行った*]
―回想・朝食時―
[また、ルートと目が合った。
瞳の色のこと、まだ何か気になるのかと
問いかけようとした矢先、思いがけぬ方向からの質が飛ぶ]
――…、?
リルと。寝た、けど。
[元々床に布団を敷き詰めたのは
皆で寝転がって眠れば、誰かが誰かを連れ去ろうとしても
助けられるかもしれないから、そんな思いもあったのだけれど。
皆、それぞれ考えもあり、床を一緒にしない事を選ぶ場合もある。
故に、どういう意図でルートがそれを聞いたのかを
正しく理解出来ずに…「ああ、」と、脳は異なる結論を導き出した]
ルート、…一緒に、眠る?
[温もりが欲しかったのだろうと、勘違いしたようだ*]
[知恵を絞るのはあまり得意ではない。
故にこの場合、どう動けば最良なのか、自信はなかった。
ルート、タクマ、マレンマはそれぞれの思いを胸に概ね同意してくれ、
ファミルは、非賛同のようだった。
どんな策を考えたところで、自分以外の誰かの名を
心に刻まねばならぬ現状は変わらない。
手札を隠して狼を罠にかけるか、
フル・オープンで真っ向勝負するかの差だ。
萎縮した様子で撤回するファミルへ、首を振る]
色々な意見があって、いい。
俺も、自分の意見が正しいのか、解らないから。
[だから、反対意見を述べてくれる事は重要なのだと。
仲の良かったゲルトを失ったファミルだからこそ、
贔屓目に、うさぎに見えてしまっている感は否めなかった。]
[タクマからの話題提供>>59にふと、日中の出来事へ思い馳せる。
カスパルと、そんな話をしたからだ>>63
『何か思い当たる事はありませんか?』そう聞かれ
考えたのは―――
ゲルトのうさぎらしさが邪魔だったか、傍に置いておきたかったか。
ゲルトは明るく元気で、周囲を照らす光のようだったから、
その光がいずれ、邪魔になると思ったか…
粗方出尽くした考え方で、タクマの意見>>66と
然程、代わり映えはしなかったけれど]
ゲルトが、おねぼうオオカミに見えた、とか。
[どういった面で判断するのかは解らないが、
齧られると狼になるというウサギ…、
それだと思われたのでは、との可能性も浮かんだ]
――マレンマ?
[席を立ったマレンマの言葉の意味が解らずに
空の皿を手に、褐色も立ち上がる]
どういう、意味?
[好んで人目を避けるように暮らす
マレンマらしい言葉ではあったけれど
『きっといつか一人になる』
それはとても、哀しいことだ。
何故今、そんな事を口にするのかと、眉尻を落とす]
流民 ロー・シェンは、よふかし リヒャルト を能力(襲う)の対象に選びました。
[マレンマの中の葛藤を汲み取れる程
褐色は、聡いうさぎではなかった。
ローゼンのように近代的な生活をするうさぎも居るのに
好んで洞穴に住むマレンマは、他のうさぎが苦手なのだろう、
勝手にそう思い込んでいたから
彼が、互いに疑い合わねばならない現状が辛いことには
薄ら、気づいていたけれど。
別れに対しての辛さから――
初めから孤独を選んでいたとまでは、気づけずに居て]
[文句も言わず、抵抗もせず。
膝を抱えて丸くなるマレンマに、そっと毛布をかけた。
『どこにいようと
誰といようと
……きっと、いつか一人になるんだよ』
それは未来を示唆する言葉なのか、
マレンマの希望だったのか、或いは畏怖だったのか。
わからない。
わからないけれど、今ここに在る温もりが
何を求めているのか…酷く、不安だった]
[だから、その背を胸元へと引き寄せて
背後から、きつく抱き締める。
鼻先へうなじで触れ、彼の温もりを、香りを
焼き付けるように確かめながら、瞼を*閉ざす*]
流民 ロー・シェンは、洞穴暮らしの マレンマ を投票先に選びました。
[おそらくは何故「自分が襲われたのか」であろうけれど
ゲルトの小さな呟きを聞く権利は、自分には無かったと
褐色のオオカミは渇いた笑いをひとつ零し
闇の中で瞼を閉ざした。
誰かと床を共にしているはずの自分が
何故、うさぎ達を襲えるのか
自分にさえ、その理由は解らぬまま。
今夜は、ルートヴィヒの作ったホワイトシチューとブレッド。
洞穴へ差し入れたのは果たして何時の事だろう*]
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