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……、はっ……げほっ
[手が緩んだ隙を逃さず、ヴェルナーの腕から逃れた。げほげほと咳き込み、口端を伝う涎を拭い、睨みつける]
……ちぇ、上手く潜り込んだと思ったのになァ。
ねえ、タチアナ?
あの時、何の疑問も持たずに僕に庇われていたけれど、うまく化けていたと思わない?
……ほんと、君って単純。
この体の『記憶』にあるとおりだ。
尤も、本物の方は、そうやって真っ直ぐ自分の意思をぶつけられる君の姿を、羨ましくも好ましく思っていたようだけどね。
そう。そこの人形使いの君とか。
言葉に出すのは下手だけど、気持ちはとても素直で、なんだか放っておけないんだってさ。
あと――そうそう。
自分にはそう言う人はいないから、勇者サマたちが気持ちをぶつけ合うのを微笑ましく思っていたし、それに、
エレオノーレを思いやる姿がとても羨ましかった、
……ってさ。『にいさん』?
[イェンスの、兄や仲間に対する隠してきた感情を、ひとつひとつ抉り、晒していく]
兄さんがこんな体になったのは、自分を養うために無理をし続けたせいだって、ずっと負い目に感じていたんだぜェ。
あっは、健気だねェ。
その程度の言葉も口にしなかったなんてさ。
いつか元に戻るって信じて、そして戻ったら
昔みたいに、よくやった、って
アタマ撫でてもらいたかったんだ、って……さ。
自分には、ゲオルグやドロシーのように戦う力もないし、出来る事といったら斥候くらいだからって。
勇んでひとり乗り込んで、その結果が
このザマ。
[くっくくく、笑い声が抑えきれない。
くだらない人間の感情は、本当におかしくて。
――反吐が出る]
[もし去り際に、誰かが『本物のイェンスはどうした』と聞いたなら、白虚星は顔を邪悪に歪め、こう答えるだろう]
ああ、僕が食べた。
やせっぽちで小さくて、体は食べ応えは無かったけれど
……そうだね。
兄さんに助けを求めながら食われていく絶望に満ちた顔は、たまらなく美味しかったよ。
もしかしたら、指の一本くらいは残っているかもね。
[と。
そう答えながらぺろりと唇を舐める舌の色は、妙に赤くみえた**]
[油断した。
こんな失態を晒した自分を、あのお方は決して許しはしないだろう]
申し訳ございません、セルウィン様。
[許しを乞う事はしない。それが無駄であることくらい、察している。
自分に残されている道は、ただひとつ。
【この機械人形の活動を完全に停止させ、他の者たちの歩みも止めること】
自分の力量がわからぬほど、馬鹿ではない。
しかし、無謀とわかっていても、やるしかないのだ]
[倒せなくとも、せめて魔王様やあの方々の糧になればと、勇者一行の心を抉ったものの、餌としてどれほどのものか。
……ぎり。
悔しさを滲ませ、奥歯を噛んだ**]
やめろ……
僕はそんな事思ってない
あ?
黙ってろゴミムシ。
なあ、本当にあいつら仲間なのか?
おまえみたいな小僧にこんなに気を使わせて平気なツラして。
……そこだけは同情してやるよ。
―少し前―
へぇ。
そんな言葉を聞くなんて、意外。
[自分が偽である事を知り、動揺する『仲間』に向ける言葉は淡々としていた]
コイツの事、仲間だと思っていたみたいに聞こえるけど。
……ねえ。
あんたたちさあ、ほんとにコイツの仲間なの?
だって、誰一人として気づかなかったじゃない。入れ替わっている事にも、腹の中で抱えてる事にもさあ。
はっ、不憫だねぇ。
人間なんて、ゴミクズみたいなものだけど、流石に同情する。
[ああ、いい事を思いついた。
そんな事を言いたげに、顔つきが変わる]
これは、参ったね。
[は、と半ば呆れたように笑う。
機械の体に毒は効かない。花も咲かせられない。
肉弾戦に向いていないこの体では、白兵戦も出来ない。
『弟』の顔がちらついても、動揺ひとつ見せやしない]
…………。
[す、と目を細め、考える。
機動力と破壊力。その両方を兼ね備えた機械人形の動きは厄介だ。
しゅるしゅると、蔦を伸ばしていく。
それは、牽制のように見えたかもしれない。
所々に咲く小花が、牙を剥き、ヴェルナーに襲いかかる機会を伺う]
[なるべく派手に。
目立つように。
気を引くように。
わざと、延ばした蔦を動かしながら――
ヴェルナーの死角に、軟体の魔物を向かわせる]
――――!!!
[ヴェルナーの砲口に張り付いた魔物が溶けていく。
限界点を超えていることは、イェンスの記憶からも明らかで]
馬鹿な……
[イェンスの記憶によれば、あのまま撃って暴発するか、暴発を避ける為に静止するはずだった。
なのに]
……な、
く、……っ!!!
この、死に損ないが――…
[言葉は最後まで紡がれることはなく、他者の姿を写し取り、心の隙間に入り込む魔族は
白い光にのみこまれた]
[白虚星を吹き飛ばし、片腕になったヴェルナーがその亡骸に歩み寄る。
周囲に漂う、弟の思念。
彼に、その姿が見えることはないだろう。
だけど――]
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バトルログ書くのにいっぱいいっぱいでメモ見てなかったという。
ドロシーごめん、ほんとごめん。
(バトルログ苦手な陣営CO)
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