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わた、わたくし、アイリちゃんにネコさんの耳なんてつけようとしたからっ、バチが当たったんですわ。
ふぇぇ……。
[混乱のあまり、反省点がズレている。えぐえぐと泣きながら、アイリに名前を尋ねられたなら、ふぇりくすさま、と泣き声と混ざってろれつの回っていない声で名前を教えた]
[ノックの音がした。
フェリクスかと思ったが、扉を開けたのは、フェリクスではなかった]
え? お部屋の変更、ですの?
[赤く腫らした目のまま聞き返す。別の部屋が用意されたという話とともに、手渡されたのは数着のワンピース。
着替えの問題はこれで解決したが、なんだかまともな服を着ろと怒られたような気がして、眉をしょんぼりと下げた]
アイリちゃん、なんだか巻き込んでしまって、ごめんなさい。
わたくし、着替えて、新しいお部屋に行きますわね。
[しょんぼりと肩を落としたまま、アイリにそう謝った]
[怒られた。
とりあえずあれだ、怒られた]
な、泣いてなんて……ぐずっ、おりませんの!
[泣くなと怒られたので、べそべそと泣きながら泣いていないと主張してみたが、どう見ても泣いているのはばればれだった]
ふぇっ、あ、ありがとう、ございます……ひっく。
[部屋と服を用意してくれると言うのに礼を言うけれど、扉の向こうのフェリクスは、どう見ても怒っている。そして、苛々している]
あ、アイリちゃん……。
[扉の向こうの気配が遠ざかっていくのを確認すると、すがるような目でアイリを見た]
ど、どうしましょう。
き、きら、嫌われちゃいましたわ。
お、怒ってらっしゃいましたの。
苛々されてましたの。
[頭を撫でてもらいながらアイリに訴える。訴えるまでもなく、一緒にいたのだからそんなことアイリはよく知っているだろうが]
ほ、本当に?
大丈夫、かしら。
[そんな話をしていると、ノックの音と扉に何かかけられるような音。
そっと扉を開けて、服が届けられたのだと確認すると、アイリに向き直った]
アイリちゃん、わたくし、着替えますわね。
[もうこんな格好、一刻も早くなんとかしたい]
巻き込んでしまって、ごめんなさい。
[申し訳なさそうに眉を下げて、アイリに謝った]
そんなことありませんのよ。
[役に立てなくてというアイリに首を振って。
けれどアイリは、部屋を出て行ってしまった]
わたくし、本当にダメですわね。
[しょんぼり肩を落として着替えをする。
ちょうど着替え終わったタイミングで、部屋の変更を告げる知らせが届くか]
[シルキーの荷物は、しろうさぎと、ここへ来た時に来ていた夜着だけ。
その二つと、先程届けられた複数着の着替えを抱えて部屋を移動する]
ありがとうございました。
[案内してくれた人間に礼を言って、扉を閉めた。
案内されたのはシンプルな落ち着く部屋だったけれど、シルキーはどこか落ち着かない様子でベッドに座る]
[手の中にあるのは、スイッチの切られた通信機。
服と部屋のお礼を言わなければ、と思うのに、嫌われた、と思うとスイッチを押すのをためらわれる。
ちゃんと説明しなければ、とも思うのに、逃げ出してしまいたいような気持ちにもなって]
……いえ、礼儀を欠くようなことは、してはいけませんわ。
それこそ、軽蔑されるような人間のすることですもの。
[そう自分に言い聞かせて、シルキーは意を決して通信機のスイッチを押した。
けれど、なかなか声をかけることができない]
………………………………あ、の。
[しばらくして、ありったけの勇気をかき集めて出したのは、蚊の鳴くような声だった]
/*
服の相談をしつつアイリちゃんとコイバナできないかなーというくらいのプランでしたのに、なんだかとってもぶっ飛んだ展開になりましたわw
アイリちゃんを泣かせてしまって申し訳ありませんのよ。
というか、アイリちゃんの恋路を邪魔してる予感しかしないorz
[フェリクスから、応答はあったかなかったか。シルキーの頭はぐるぐる回る。
伝えなければならないことは、たくさんあった。
服と部屋を用意してもらったことへのお礼。
あんな格好をしていたことについての説明。
けれど、口をついて出てきたのはそのどちらでもなくて]
お、お嫌いに、ならないで……!
[多分それが、一番訴えたかったことだった**]
[なにぶんお嬢はテンパっていたので、フェリクスの話をあまりちゃんと聞いていなかった。
いっぱいいっぱいになりながら、伝えなければならないと思ったことを言い募る]
わたくし、も、もっと、ちゃんといたしますの。
ちゃんと……あ、お部屋とお洋服、ありがとうございましたの。
ああでも、あの時着ていたのは決してわたくしの趣味というわけではありませんでしたのよ。
……あっ、でも、アイリちゃんのせいでもございませんし!
だからと言って、アーヴァイン様に悪気があったわけでも……。
[テンパっている上に、お嬢のフォローは全方位に向かうので、余計にわけがわからない]
ええと、ですから、その……。
[許容量オーバーになって、お嬢がオーバーヒートしそうになった、その時、ようやくフェリクスの声はお嬢の脳に到達した]
…………え?
[思わぬ言葉にぽかんとする]
どうしてフェリクス様が謝られるんですの?
[懸命に堪えていた涙が、思わず引っ込んでしまった]
フェリクス様はお部屋やお洋服を用意してくださって、ご親切にしてくださっただけですわ?
謝られることなんて、なにもございませんのよ。
[まさかフェリクスが父心を理解しつつあるだなんて知る由もなく、あくまでも人のいいお嬢は問題の全責任がアーヴァインのせいにされることに良心の呵責を感じていた]
えっと、その。
わたくしが、自分に合わない服を無理して着たのがいけなかったんですわ。
[ちなみにコスプレ衣装は、マニアが見たら泣いて喜ぶ程度には似合っていたが、この際そのことはどうでもよかった]
[泣かせた、と理由を説明されると、わたわたと慌てて]
そんな、
その、びっくりして、思わず涙が少し出てしまっただけですの。
あんなの、泣いたうちに入りませんわ。
[フェリクスに非はないと主張する。
話は不毛な平行線になるかと思われたが、フェリクスの提案に状況は一変した]
えっ。
今からですの!?
その、わたくしは別に、構いませんけれど。
[むしろ嬉しいけれど、ちょっと心の準備が。
なんてことは言えず、しろうさぎを抱えて慌てて立ち上がった]
―自室―
[ガタン、と音を立てて立ち上がり、部屋の中を見回し、それから自分の格好を見下ろした。
部屋は綺麗に整っている。■skyblue色の品の良いワンピースも、特に目立ったしわがついてしまったりはしていないようだ。
それでもどこか不安げに部屋をうろうろすると、姿見の前ではっと立ち止まる]
顔を洗って、お化粧を直しませんと。
[さっき泣いてしまったあとが、まだ残ってしまってはいないかと、慎重に姿見で顔をチェックしてから、洗顔をすることにした]
[ちょうどお化粧を直し終わった時、ノックの音が響く。>>111
思わず小さく飛び上がった]
はっ、はい! 今開けますわ!
[別に鍵はかけていなかったけれど、慌てて扉に駆け寄って。
色々な感情がないまぜになって、どんな顔をしたらいいのかわからない。
緊張してどきどきするのを抑えるように、真顔を取り繕って、扉を開いた。しろうさぎはもちろん腕の中]
[思えば、昨日は男装、今日はセーラー服と魔女っ子だった。
この集会場へ来てから、フェリクスにまともな格好を披露したのは初めてだったかもしれない。
ちょっと固まったように見えたフェリクスに、どこかおかしかったかと少し不安になったところで、差し出された花束に目を瞠った]
まあ。
そんな、お詫びなんて。
フェリクス様が謝られることなんて何もないって申しましたのに。
でも、ありがとうございます。
花瓶、ありましたかしら。
[謝罪なんていらなかったけれど、贈り物は嬉しい。
嬉しげな笑みを浮かべ、大切そうに花束を受け取って、そしてフェリクスを廊下に立たせっぱなしにしていることに気がついた]
まあ、失礼いたしましたわ。
どうぞお入りになってくださいな。
[扉を大きく開いて、フェリクスを招き入れた]
まあ、そんなことはございませんのよ。
でも、お花で部屋が明るくなったような感じがしますわね。
[どこか物足りなそうな様子のフェリクスに、そんなことを言いながら、一旦テーブルに花束としろうさぎを置いて、にっこり笑った]
わたくし、探してみますわね。
ですから、そこに掛けてお待ちになって。
[ソファをフェリクスに勧めて、サイドボードを探してみる。
フェリクスの優秀な部下が手配した部屋だ、花瓶やワイングラスなんかも入用になるのは想定内だったんじゃないだろうか]
/*
アイリちゃんが可愛い!(ガタッ
誰ともフラグが立ちそうになかったら、アイリちゃんとの友情エンドに持ち込もうかと思った時期が、わたくしにもありましたのよ…(迷惑です
[ごそごそと探し物をしながら、お嬢は楽しげにくすくす笑う]
でも、意外ですわ。
フェリクス様も、そんなうっかりをなさることがあるなんて。
[基本的にいつもうっかりしているお嬢は、少し探し物の手を止めて、フェリクスに顔を向けてまた笑った]
少し、安心しましたのよ。
[少し恥ずかしそうに、そんな呟きを落とす。
それから10(10x1)分後、無事目当ての品は見つかって、ありましたわ、と声を上げようとした時、その話>>142ははじまった]
………………。
[黙ってそうっとグラスを二つ並べて。花束は花瓶へ。
しろうさぎを抱えると、向かいに座ろうか、隣りに座ろうか、少し悩んで]
……お隣り、よろしいですかしら?
[穏やかに問いかけた]
[赤い顔で反論する様子も、いつもより幼く見える。
内心、少し可愛いなんて思ったけれど、口に出すのはやめておいた。
もう言いませんわ、なんて言ってくすくす笑って]
大丈夫ですから、座ってらして。ここはわたくしのお部屋ですもの。
[その代わり、手伝いは断って、一人で見つけ出してみせた。
フェリクスのミスをフォローできたような、そんな小さな満足感。
座っていいかとの問いかけに、フェリクスが頷いたのを確認すると、そっと隣りに腰掛ける。
なんでもない風を装って。だけど本当は、とても心臓が落ち着かなかった]
[思い出話を語るフェリクスに、掛ける言葉は見つからない。お嬢は、何の苦労もなく育ってきたから。
掛ける言葉は見つからないけれど、聞いていると伝えるように、小さく頷きながら耳を傾ける。
妹の話をする時のフェリクスは、少しだけ表情が和らいだように見えた。
伸ばされた手。それを避けることはしなかったけれど、ちくりと痛む胸]
……わたくしは。
[その言葉の続きは、言葉にならない]
(わたくしは、妹さんの代わり?)
(それでもいい)(それでは嫌)
(わたくしは、フェリクス様の妹さんじゃありませんの)
(代わりでもいい)(代わりは、嫌)
[声にならない呟きは、泡のように弾けて消える。
こんな時に自分のことを考えている自分に、こっそり落ち込んだ]
[こっそり落ち込んでいたつもりだったのに、フェリクスにはお見通しだったらしい。
声にならずに弾けて消えるだけだったしゃぼん玉は、「ばーか」という言葉と一緒に舞い上がって飛んでいく。
フェリクスは、眉間に皺を寄せて、怖い顔をしているのに、なぜだかちっとも怖いとは思えなくて。
呆然とフェリクスを見つめて、語られる言葉を聞いていることしかできなかったのだけれど]
きゃ、
[強引に腕を引かれ、なすすべもなくそのままフェリクスの胸に埋められた。
抱きしめられていることに気づいた途端、かあっと顔が熱くなる]
[心臓がバクバクうるさくて、フェリクスの声が聞こえなくなるんじゃないかと思う。
一言も聞き漏らさないように、まくし立てられる言葉に耳を澄ませて。
シルキー、と名前を呼ばれると、心が震えた]
だっ、て、わたくし、ずっと……きっと、お兄様みたいな気持ちで、わたくしのこと、気にかけてくださってるんじゃって、思ってたんですもの……。
妹さんのお話を伺って、ああやっぱりそうですのね、って……。
[強められる腕の力は、少し痛いくらいだけれど、これがフェリクスの想いの強さだと思うと、嬉しくもあって。
そうっとフェリクスの背中に腕を回して、小さな声で囁いた]
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