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王国軍軍団長 ナイジェルは、元農家の王様 メレディス を投票先に選びました。
― 野営地/軍議の席 ―
[ 王都アマンダへの手出しは、両軍にとって、ある意味禁じ手だ。そこを敢えて陽動に利用するという微妙な駆け引きを必要とする案を、タイガはあっさりと了承した。>>1
そこに乗せられた全幅の信頼を、ナイジェルは背筋を伸ばし、拳を胸に当てて受け止める。 ]
はっ!ナイジェル・ソン・ベルク、ブリュノー王都アマンダの守護の任、確かに承ります。
[ その言葉は、そのままナイジェルが執ろうとする作戦行動そのものを示している。と、その場に在った者たちは理解しただろう。
王都を攻略すると見せかけて、敵軍の引き寄せを図り、しかし実際には、王都の前に守護の陣を置く事を目標とする。
結果的に、ティルカン連邦軍に陽動を見抜かれたとしても、うまくすれば『マルール王国軍が王都アマンダの守護についた』という事実が残る。 ]
[ 更に軍議を進めた結果、ナイジェルの率いるのは、投石器を扱う工作一隊に弓騎兵500騎兵500から成る騎兵部隊、合わせて1500ばかりとなった。 ]
騎兵500のみでも、陽動には十分と思いますが。
[ 敵陣撹乱に必要な弓騎兵を囮に割くのはいかがなものか、と、当初は固辞しようとしたのだが ]
『ティルカン連邦のドゥーハン国にはな、妖怪並にしぶとい婆が居る』
[ どうやら若き頃、その妖怪もどきな女騎士に煮え湯を飲まされたらしいマーティン軍団長が、いかつい顔を更に凄ませてナイジェルの言葉を遮った。 ]
『......今も養子などを引き連れて、ますます意気軒昂、と、伝え聞きましたな。おそらく、今度の戦にも駆けつけているでしょう。』
[ 無口で知れたチャールズ軍団長も、重々しく頷いて同調を見せるに至り、ナイジェルも口を閉ざす。 ]
『アレの突撃は、弓騎兵の援護もなく防げるもんじゃないからな。命大事と思うなら念のため連れて行け。』
『たまには、老兵の忠言にも耳を貸すのが兵を預かるものの務めですぞ』
御二方に、それほどまでに強者と認められる御仁、とあれば、むしろお手合わせ願いたい欲に駆られますが...解りました、それでは、弓騎兵も入れてお預かりします。
[ 結局、彼らの忠告に従って、編成は確定したのだった。* ]
― 軍議の後 ―
これは、リンザール卿。
いえ、各領から駆けつけて頂いた兵への目配りも仕事のうちで......と、これは?
[ 軽い調子でかけられた声に>>15変わらないな、と、内心で思いつつも、折り目正しく応答、を試みたのだが。 ]
ああ、蜂蜜飴ですか、懐かしいですね。
[ 投げ渡された皮袋の中身を目にすると>>16飴玉と同じ色の瞳が、柔らかく和んだ ]
ふふ、馬が跳ねたのに驚いて、喉に飴玉を詰まらせかけるなんて経験は、あの時だけですよ。
本当に死ぬかと思いましたから、あの後はちゃんと気をつけています。
[ 武芸全般にいまひとつ苦手意識のあった少年は、馬にも少々舐められていて、甘い飴に苦い思い出が付属する羽目になったのだが、それすら今となっては、やはり懐かしさが勝る。 ]
有り難く頂戴します。
[ 受け取った皮袋を大事に仕舞い込む間に、吐息と共に零された言葉を聞く>>17 ]
そう、ですね。普通の兄弟喧嘩が出来るほど、第二王子が育っていれば或いは、他の道もあったのかもしれませんが......問題は王妃殿下が、所詮はブリュノー出身ではない、と軽んじられたところにある、と、私は見ています。
[ 王妃の事を口にする時、ナイジェルの表情には、どこか苦さを噛みしめるような色が浮かぶ ]
第二王子は自らの意思を示せる程成長しておらず、その後見たる王妃は余所者扱い...まともな喧嘩が出来るわけもない。
だからこそ、私は...いえマルール王国は王妃と幼い王子の復権を後押ししようとしているのです。
[ それが国としては建前であることは、互いに承知の上の話。
けれど、余所事の兄弟喧嘩に口を挟むだけの戦でもないのだ、と、苦い表情を浮かべた相手に、改めて告げてから、ふわりと笑う。 ]
ですが、貴方は、やはり貴方の信じるままに、駆けて下さい。
領主になられたと聞いて、自由な翼を畳まざるをえなくなったのだろうかと、案じていましたが、杞憂だったと、お会いして判りました。
貴方と同じ戦場を駆ける事の出来る騎士となれた事を誇りに思います。
次は私が、蜂蜜酒を奢りますよ、ノーラ。
[ 最後には少年の頃と同じように名を呼んで、ナイジェルは、括った髪を揺らし、軽やかに身を翻した、その背を見送った。>>18** ]
/*
戦場も結構進んでいてあわあわわ。
ナネッテ嫂さん、わざわざ捏造に付き合ってくださってありがとおおお><
[ 橋を渡り、中継地となる砦までを本隊と共に進むと、ナイジェル率いる一軍は、一旦そこで足を止める。>>26
今度の作戦では、囮が本体よりも先行して突出したのではリンザール騎兵の奇襲効果が薄れる。 ]
御武運を!
[ ランスを天に向け、大街道を直進するタイガ率いる本体を見送る。
軍団長たるナイジェルは、磨き抜かれた白銀のプレートメイルで全身を覆い、栗毛の愛馬にまたがっていた。
兜には白い羽飾り、これは軍団長の印となっていて、馬装にも、同じ羽飾りが揺れている。 ]
前進!
[ やがて、本体に遅れること数刻、街道を外れ、平原を斜めに横切る形で、進軍を開始する。
中央に投石器三台を運ぶ工作隊、その両脇にバリスタ二台が張り付き、前後を騎兵が守りながら進む。本隊と大きく違うのは、弓騎兵が最後尾を一団となって進んでいることだ。
工作隊を守る騎兵よりも軽装備の弓騎兵は、その俊足を生かし、敵兵の姿が見えれば即座に遊撃に移ることになっている。
王都アマンドの城門前、投石器の射程からぎりぎり外れる位置まで到達すれば、縦列で進んでいた軍はそのまま横列に広がり、王都に背を向ける形で陣を張る予定だ。** ]
― 中央平原 ―
[ 工作隊《将棋》の前後を守る騎馬隊《七月》は、騎馬八隊の中で一番年若い隊長に率いられている。
縦列の先頭を進む、その血気盛んな隊長には、冷静沈着で知られるナイジェルの副官が駒を並べ、別れた後ろの騎馬隊をナイジェルが直接指揮している。
弓騎兵《八月》の隊長は、壮年の状況判断に優れる手練れだった。 ]
進軍速度、上げよ!
[ やがて、ぶつかり合ったマルール軍、ティルカン軍の鬨の声が届く場所まで進むと、ナイジェルの号令に従い短く三度角笛が吹き鳴らされ、1500の軍勢は、速度を上げながら、主戦場の脇を掠めるようにして、王都アマンドへと迫らんとする。
それはまるで、羽を広げた蝶の陰から、蜜蜂の群れが、蜜を求めて放たれたかのようにも見えたか。
蜜蜂を追う者があれば、360度を狙える射台から放たれるバリスタと、弓騎兵の斉射という針の洗礼が待っている** ]
― 王都アマンド付近 ―
[ ナイジェルが固く閉ざされた王都の城門を視界に捉えた頃、先頭を往く騎馬隊から角笛の音が長く二度響く。
後続に対して、敵影発見とその方角を教える合図だ。 ]
《八月》前へ!
[ ナイジェルの命が角笛によって弓騎兵に伝わった時には、既にそれを予測していた騎兵達は速度を上げていて、見る間に中央の工兵隊を守る位置に駆け上がっていく。 ]
真正面からやりあおうというわけですか、なかなか剛毅な。
[ やがて相対したリンデマンス軍の陣容は、騎兵の突撃を待ち受ける布陣。
ナイジェルは、堂々と前に進み出て、大義を宣したメレディスの姿に>>116その印象を強くした。 ]
ならば、こちらも相応にお相手するのが礼儀ですね。
[ 工作隊の両端に置かれたバリスタが、歩兵の構える大盾を貫かんと狙いを定めるが、それに待てと、片手をあげて、ナイジェルもまた、声を張る。
メレディスのように前に出ることはないが、白い羽飾りは彼らの目にも止まるだろう。 ]
我がマルール王国は、簒奪者に非ず。
王妃殿下と幼き王子を守る騎士であり、お二人の帰るべき王都を守護する任を託されている。
投石器は王城を守るための手段。騎士の誇りにかけ、決して罪なき民に、我が軍の剣は向けられぬ。
[ 声は朗々と響くが、その中に激情の色は無い。 ]
我ら、騎士の誇りを、貴殿らの言う大義によって散らせると思うなら、試してみられるがいい。
[ ナイジェルの言葉が終わるやいなや、さっと振り下ろされた腕の合図で、バリスタの矢が放たれる。
同時に、短弓を手にした弓騎兵が、左右に散開しながら、矢の雨を降らす。
しかし騎兵と投石器は未だ動かず、ただ王都への道を塞ぐ、もうひとつの壁となるかのように、沈黙を守る。// ]
/*
よく考えなくても時間がない!
一騎打ちとかやっとられんぞこれ。
なお、現在「ほんとだったら捕虜にしたい」と、ナイジェルが騒いでいて困ってます。
死亡希望ですか?メレディスさん。
― 王都アマンド付近 ―
王都に弓引く者をはねのけよ!!
[ 前進を始めたリンデマンス軍に>>162ナイジェルが放ったのは、投石器の洗礼。狙うは盾兵の後ろに隠れた長槍兵と弓兵だ。無論、一気に殲滅出来るほどの威力は望めないが、少しでも、その足並みを乱すことが出来れば十分だ。 ]
二列散開!突撃!
[ 続いてランスを構えた騎兵の前方二列が左右に別れて駆け出し、飛来する矢の間隙を縫って、突撃を敢行する。
先行した弓騎兵は散発的に矢を放ちながら、リンデマンス軍の背後へと回ろうとしていた。 ]
そう簡単にはいかせてくれないかもしれませんが...
[ 騎兵と弓騎兵による挟み撃ち。それがうまくいけば一気に決着をつけることができる。* ]
リンデマンス王?!
[ 突撃する騎兵の指揮に専念していたナイジェルは、突然近づいて来た男の名乗りに、一瞬息を呑んだ。>>182
名の有る騎士か、或いは領主かと思っていたが、まさか王だとは、という驚きは、メレディスの鎖鎌が馬の前肢を狙って投げつけられる隙を作る。 ]
くっ!
[ 主を落とすまいと地を踏みしめた愛馬の脚がぼきりと音を立てたのが聞こえ、唇を噛む。
足を折った戦馬が生き延びることは難しい、落馬した騎兵の運命もまた然り。
選べる手段は限られていた。 ]
はあっ!!
[ 馬が足を折り、地に伏す一瞬の間に、手にしたランスを、鎖を引くメレディスに向けて投げつける。
狙いも何もあったものではないが、相当の重量を持つランスだ、当たれば無傷では済まない筈だ。 ]*
『団長!お怪我は?!』
大事ない。
[ ランスを手放した後、落馬したものの、なんとか受け身を取るには成功して、ナイジェル自身はほぼ無傷だ。
駆け寄って来た騎兵を制して、剣を抜き、倒れたメレディスに歩み寄る。 ]
私は、ナイジェル・ソン・ベルク。軍団長を務めています。
[ 王が倒れたことによって、周囲では次々と敵兵が降伏の意を示している。最早、援軍が着いたとしても戦闘の帰趨は覆るまい。
そんな中、願いを口にするメレディスに、苦笑を浮かべながら、ナイジェルは名乗りをあげ ]
出来れば、もう少し早く、降伏していただければ助かりました。
我らにリンデマンスを滅ぼす気はありませんから。
しかし失礼ながら、この戦闘を長引かせぬためには、貴方を捕縛させていただくのがやはり早道です。
[ この王が捕虜となったと知れば、おそらく追撃は成されない。 ]
我が軍の後陣にて、手当を受けていただきます。
司令官との会談については、戦時ですし、私の一存では決しかねますが...しばらくは、風呂にでも浸かって休息してください。**
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