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― 校舎・中庭 ―
[所謂、土壇場の根性とか生き意地の張り方はそれなりに強い、が。
精神的にまだまだ脆い所を抱えた少年への"目"の浸蝕は深い。
時折、それを越える事も叶いはするが、そう容易くは抜け出せぬのが現状で]
そんな事も、て。
そんなん、言われても……。
[考えれば考えるほど、頭が重くなる。
それを振り払うように、ふる、と首を振った所に聞こえた声はちょっとばかし琴線に触れた]
……いーかげん、むかつく。
[偉そうな物言いに、口をついたのは、こんな言葉]
そんな物言いの親切、ぶっちゃけいらんわっ!
[苛立ち込めて吐き捨てた後、太刀を構える。
こいつは殴る、殴らんと気が済まん。
そんな思いは"目"の浸蝕を深めるという厄介な方向に向かったりするが、当人にその自覚はない]
[正眼からの踏み込みは、真っ向勝負を思わせるもの。
上方向からの突き下ろしは、鈨を狙う、と見せかけて下へと抜けた]
……んなっ!?
[思わぬフェイントに、対処が遅れる。
突きを払おうとした動きから、斬り上げの一撃を往なす動きに繋げるのは難度が高い。
斬り上げの閃が身を掠め、態勢が崩れる。
何とか倒れるのは踏みとどまるものの、辛うじて片手で支える太刀は完全に浮いていた。*]
― 校舎・中庭 ―
嫌がらせ、て……!
[なんよそれ、と突っ込み入れる余裕は、あらゆる意味でなかった。
見ているだけでざわつく紫紺の柄糸の太刀が手放される。>>204
一体何を、と思った直後に踏み込みから距離を詰められた]
…………っ!?
[ぶつけられた名前に、息が詰まる。
刹那、動きが完全に止まった]
……ダーフィト……シュトゥルムヴィント……。
[小さく繰り返す。
意識を過るのは、とおい記憶]
『お前……生きたい、か?』
[唐突な問いと共に向けられたはしばみ色]
『どんな道を辿る事になっても、それでも。
生き延びて、先に進みたい、か?』
[向けられた色は鋭くて厳しくて、物凄くこわかった。
でも、それは、自分の望みだったから、頷いて。
……頷いて、それから……]
ぼく……は……。
[ずきり、頭が痛む。
それに急かされるように太刀を握り直そうとするより先、衝撃が身体に伝わって。
視界が、ひっくり返った]
……っ!
[何が起きたかの理解は、すぐには追いつかなかった。
ただ、右腕が抑えられそうになっているのがわかったから、引き倒された姿勢のまま何とか太刀を振るおうとする。
とはいえ、それは鈨に宿る"目"が強引になしているもの。
少年の意思の介在しない動きは、正確な狙いをつけられるならば捉えるのは容易いはず。*]
[刃が肉を食む感触が伝わる。>>212
何気にまだまだ慣れていない感触に、びく、と身体が震えたのは隠しようもなく伝わっただろう。
その後に響いた声>>213が、誰を呼んだものなのかはわからない。
直後、伝わった衝撃が何を意味するのかもすぐには理解に落ちなかった]
[撃ちだされた銃弾は、違わず鈨の上の"目"へと届く。
魔力帯びた一撃を受けた"目"は、大きく揺らめいた後、漆黒の瘴気を噴き上げた。
それはしばしその場に揺蕩った後、風に流されるように散って行く。
再度の憑依を試みなかったのは、それが通じぬと知れていたからか、他に理由があるからか。
ともあれ、"目"はどろりと溶け落ちて。
鈨の上に浮かぶのは、本来そこにあるもの──月と風の流れを表す紋の透かし彫り。*]
[頭の中がガンガンする。
なんというか、ぐらぐら、ぐるぐるする。
あー、これ、
どこか惚けた思考は短いもの]
………………。
[呼びかける声>>230に、閉じていた目を薄らと開いた。
目に入るのは、赤いいろ。
それにちょっとだけ怯んで、でも。
それをなしたのが何か、は記憶にあるから、視線を逸らす事はせず]
たぶん、目ぇは覚めた……けど。
[ぽそ、と零れた声は、小さなもの]
……てぇ、ゆーか。
にーさん。
…………誰?
[こてん、と首を傾げて投げかけたのは、一番の疑問]
なして、
[ついでに、もう一つの疑問も零れて落ちた。*]
……
[返された名乗り>>243の一部を繰り返す。
告げられた名前にも、きっちり覚えはあった、が]
えーっと……。
ねこのひと?
[だいぶ残念な覚え方だった]
……てつだう。
[どこからともなく道具を出して始まる治療。
それを見て、とっさに口にしたのはそんな一言]
てか、手伝わせて。
……ぼくが、やらかしたのは、わかっとるから。
[自分が何をやっていたのか、の記憶はあるから。
小声でそんな申し出をしていた。**]
― 校舎・中庭 ―
うん。
……凄く面白くてでも手がかかって。
心配なとこも多いんだけど、一番先が楽しみなヤツなんやー、て。
[確かそうだったよな、と思い返しながら、ひとつ、頷く。>>258
頼まれた腕の手当てをしている間に語られる言葉>>259を聞いて]
……まあ、ふつーに思わんよね。
ぼくも今、すげーびっくりしとるもの。
[突然知らない場所に呼び出された、と思ったら知り合いがいた、とか。
しかも間接的な知り合いだとか、どんな確率なんだよ、と思いつつ]
まあ、
[いや待て、ちょっと待て、と。
茶化すような言葉>>259がちょっと引っかかったのは、師父の副官の教育の影響だろう、多分]
上に立つモンが苦労被るのは当たり前ー、て、
それ、絶対、後で誰かに怒られるヤツじゃないん……?
[実際、殿務めて無茶して戻って来た師父は、副官に怒られまくっているから、思考はごく自然にそちらへと向く。
それがこわいという思考>>260には、さっぱり気づいていないけれど。*]
― 校舎・中庭 ―
[照れたような仕種の所以には気づく事無く]
……へ?
[伝えられた話>>303に目を瞠る]
偶然ってゆーても、なんてか、ややこしい偶然やなぁ……。
[落とすのはそんな呑気な感想。
実際に出くわしたらどうなるかはまあ、未だピンときてはいないけれど]
[留守番してろと軽く言い置かれ、中々帰ってこない、と思ったらぼろぼろになって戻ってきた。
そんな事を何度もやられていれば、嫌でも思う所は増えるというもので]
……や、宿命はなんか違う気がする。
てか、わかってるならやるなし。
[だから、そこには真顔で突っ込んで。
怒られる内が華、と笑う様子にそそれでいいのか、と思うものの。
笑い方が師父に似てる気がしたから、それ以上は言えなかった]
へ?
あー……うん、大丈夫やけど。
[何となく毒気を抜かれたような気分になっていた所に向けられた問い。>>305
素直に頷いた後、伝えられた情報……よりもその後の言葉に少年の意識は向けられる]
そーやね。
こんな好き勝手されて、落とし前もつけんでいるとか。
それこそ、
いくよ、にーさん。
やられたら、倍以上にして返してやるのが礼儀、ってぇ言われとるしな。
[何やら物騒な事を言いつつ、手放したままだった太刀を拾い上げる様子は。
どこか、暴風のそれと似通う気配をまとうもの。*]
そ、そうなん?
わかった、覚悟しとく。
[驚くかも、と言われて>>313、うわこれよっぽど? とか思いながら頷いた。
突っ込みに返された言葉>>314には、むぅ、と小さく唸る]
いやいやいや、それ、なんか違う気もするんやけど……。
[それをいい教師と言っていいのか、ほんとにいいのか。
なんて過ったあれこれは、続いた話に途切れた。
言われている事の意味はいまいちわからない、上手く掴めない。
ただ、大事な事な気がしたから、心の奥に止めておいて]
目玉に取り込まれてる……って。
[ふと過ったのは、意識でやり取りしていた相手の事]
えー、もしかしてあのなんか物騒なにーさん……?
[物凄く素で怖い事言っていたよなあ、なんて振り返っていたら、どこか挑発的な言葉>>315が飛んできて]
……りょーかい。
んでも、それで止まるつもりはないかんな!
[右腕分くらいで留まっていられない。
そんな意思をはきと返して。
直後に言われた、不吉な予測>>316にはえ? と瞬くものの、問い返す間もなく移動して]
― 黄砂の村 ―
…………わぁ。
[ゲルトに連れられるように移動した先で目に入った光景は、確かに飛んでもなかった。
それに、ぽかん。としたのは僅かな刹那。
ゲルトが魔物と向き合った直後、こちらも近づく何かの気配を感じて。
とっさ、太刀を構えて横一閃に振るっていた。5(6x1)]
[斬り払ったのは、黒い人のような形の影。
それは瘴気のようなものを散らして消えて行く]
あれ……また、でた。
[後に残ったのは、先にも見つけた紫色の結晶。
なんだこれ、と思いながら、取りあえず拾い上げてポケットに落としてから、改めて辺りを見回して]
…………うわー。
やっぱ、あの物騒なにーさんっぽいなぁ……。
[視界に入った要塞に、零れたのはこんな一言]
魂喰うとか、冗談じゃないっぽいと思ってたけど……マジなんね……。
[呟きながら同時。
やっぱあれに踏み潰されるとかやだなあ、とか。
真剣に思ったのは、余談。*]
うん、物騒……っていうか。
こー、物の見え方というか、視点というかが、根っこからぼくらと違うと言うか……。
こー、自分の道、まっしぐらって感じとゆーか。
[言ってて自分でもちょっと混乱してきた。
ただ、意識で交わした短いやり取りから、色んな意味で突き抜けている、というのは感じていたからそれをそのまま口にして]
そだねぇ……生きてるモンの魂、あの城に食わせるとかゆーてたから。
一人でどーにか、とかいろんな意味で無茶だと思うわ。ぼくも。
[こくこく、と頷きながら同意しつつ。
鮮やかな槍捌き>>332には、わあ、と素直に感嘆の声を上げていた]
……ってー。
いくらなんでも、斬れんモンくらいは、ぼくかてわかってるんだけどー。
[問われた事にはちょっとむっとして返す。
一体、ぼくをなんだと思ってんだ、というのは飲み込んどいた]
ん、わかった。
ぼくはそーゆーの苦手だから、考えるのはにーさんに任せる。
[その代わり、と言いながら、身を翻す。
後ろからしゅるりと迫っていた触手のようなものを斬り払った後、構えを直して背後に立つ熊っぽい何かに突きを入れた。3(6x1)]
間ぁ埋めるのは、任されるから。
……右腕分以上に、動いてみせるさぁ。
[熊っぽい何かが解けるように消えて行くのを確かめた後。
改めてゲルトほ振り返って、笑って見せた。*]
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