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[刺され、裂かれた傷から流れるのは半透明の液体だけ。
敏感な場所を荒らす痛烈な刺激に、微細だった震えと声はより鋭い反応を返し始める。
同じ痛覚を受けても異なる認知をする矛盾は、同一化していた人形とツィーアの情動に徐々に濃淡をつけ、分離させていった。
人形が傷だらけになるにつれて肌の上にあった紋様がうすれ、弱まり。
それにつれて逃れようともがく抵抗も強くなっていく]
『好い
きちんと感じられる。愉しい、な』
[痛みに顔を顰め、悲鳴をあげ、腕の中で暴れる。
人形は苦痛に膿んだ瞳を見開いて魔を睨み、噛みつこうとさえした]
く、誰だ…
貴様、 俺は
[素体の記憶が濃くなって、誰、と呟く声の奥
もっと感じたい。貪欲な声とともに核が鳴った**]
[傷つけ苛むうちに、人形の抵抗が激しいものになってきた。
とはいえ、それも容易に押さえこめる程度のもの。
与えた刺痛に人形が悲鳴を上げれば、ツィーアの声が弾む。]
我に手向かうか?
可愛いやつ。
[噛みつこうとした顔を掴み、力を加える。
強度は人間のそれと同じ出会ったから、手の中で骨が軋んだ。]
我を見忘れたか?
おまえの魂深くに我は刻み込まれただろう?
[背を押さえる指が肉の間にずぶりと食い込む。
ツィーアの声に応えて、もっと、と。]
わが愛しい人形よ。
おまえは我のもの。
我はおまえの王であり創造主であり支配者だ。
カナン・ディ=ラーグの名、
おまえの記憶に幾度でも焼き付けてやろう。
[宣言と共に、背にもう片方の指も突き入れ、割り裂くように左右へ開く。
向こうが見えるほどに開かれた胸の中に、美しく光纏う核が見えた。]
─── ん?
これは、死んだか?
[一拍置いてから、やり過ぎたか?の顔で人形を覗きこんだ。]
ひ、いぅ
[頭蓋が歪むほどの加圧に鼻の奥がツンとする。
柔らかく敏感な場所ばかり貫く針は絶え間なく疼く責苦となっていた。
胸肌に刻まれた傷を塞ぎ癒すよりも早く、新たに食い込む指が新たな激痛をもたらして人形はガクガクと痙攣する]
ぁ、っぁあ
[ザザ、ザと頭の中で何かが拍動する音。
支配者の声が痛みそのものとなって流れていた。
伸ばした手指が魔の頬へ触れ、爪たてようと微かに曲がる]
がぁ、ぁ、
ぁぅ …
、
[上体を割り開かれた人形から、抗う意志と全ての力とが抜け落ちていく。
裂かれた胸の肉を盛り上げようとした自己修復が鈍り、止まり。
覗き込む魔の顔を映したまま
薄蒼は半透明へと還元して
やがてもろく輪郭崩し
機能停止たる死、
溶け始める
──…
**
[崩れ、溶け、消えていく人形。
頬に触れた指もまた、形を失くして流れていく。
ふむ。と、思案する顔をした後、手を前へ伸ばした。]
ツィーア。もう一度できるか?
我の前に、其の形蘇らせよ。
[言葉は力。魔力そのもの。
流れた力に、魔導鉱石が地底の緋色に瞬いた。]
『致そう。先ほどより同調は下がっているが、どうかな
また接着がほどけたら困るが…
そうしたらまたお前が結うてくれるか?』
[引き裂かれ壊される五感は鮮烈で心地よいものだった。ツィーアと同じく、響き合う我が王もそれを楽しんだと感じる。
壊れても幾度でも元通りにできるならば、これほど愉しい戯れを気に入らぬわけはない。
瞬き光る核の周り、溶け流れた魔導鉱石が緋色に赫いた]
……、ぁああああああああああ!
[再び形を蘇らせた人形は、意識を生じると同時に絶叫した。
参照された死者の記憶と、魂に刷り込まれた王の声、そして責め苛まれて墜ちる絶命の体験と。
全身を跳ねさせ、四肢を闇雲に動かし、悲鳴を迸らせ。
起動時の最初の恐慌を押さえ込まれればやがてその反応も弱り、震えながら王の胸へ額を押し付けた]
いやだ…
無論だ。
またほどけたら、我が手を入れるとも。
おまえのことだ。心配はしていないがな。
[ツィーアは仄かな懸念を示していたが、見事に人形は形を取り戻した。
苦痛の記憶と余韻に惑乱し、暴走する人形を両腕で抱きしめて押さえこむ。大人しくなれば少し力を緩めて覗きこんだ。
顔は、胸の上に伏せられていたけれど。]
なにが嫌なのだ。
[大人しくなるなり口にした拒絶を拾って、顔を上げさせる。]
おまえは、我が傑作たる人形で、我らの玩具だ。
おまえの抵抗と嘆きと痛みは、我らを喜ばせる。
おまえは我らの寵を受ける器になったのだぞ?
[おまえにとっても喜ばしいことだろう。
そういうニュアンスで告げて、顎を掴む指に僅かな力を加える。]
いずれにしても、
おまえは我らに逆らえるようにはできていない。
[獲物をいたぶる猫科の猛獣の笑みが浮かんだ。]
寵…
[魔物が慰みに弄ぶための、奴隷ですらない文字通りの玩具か。
胸の痛みの中で、決して逆らえない運命を思い知る]
悪趣味、だ
早く──飽きて棄てるが、いい
[上げさせられた顎の先、嗜虐の笑み浮かべる魔の顔を見るまいと瞼をきつく瞑った。
抵抗も嘆きも痛みすら戯れの種だというのなら、せめて遊びがいのない玩具になろうと心に定め。
罵りの言葉を呑み奥歯を噛んで体を強張らせて、抗わず従わず、何をされようとも、と]
[愚かしくも愛らしい泡沫の決意など、打ち崩す過程を楽しむ程度。
我らはより強い反応を引き出す痛苦を探り出し、啼き声のバリエーションを収集し。
流動鉱石の受肉が壊れて絶命すれば、再生の力を流して新たに其の形蘇らせる。
素体の記憶が衰弱しきって感覚が遠くなってしまえば、また王によって魔力が注がれるよう強請った。注がれる灼熱もまた喜ばしいもの]
『傑作だな、本当に
私はお前と一つになれ、また新しき遊びを得たのだ
長き退屈な時において、お前に見出された以上に嬉しいことはない』
[陰惨な寵愛が人形に注がれる、
それはとりも直さず私が我が王に寵愛され、私が我が王を愛でるということだった]
[ツィーアと共に、人形の身体を幾度も探索した。
反応を見せないのはいつだって最初だけ。
どこを突けば身を捩るか、どこを貫けば声を上げて身体を震わせるか。すべてを知り尽くしたと思っても、まだ先がある。奥が深い。]
おまえと共に楽しむのは我の歓びだ、ツィーア。
おまえと共に世界を探求するのはなお良い。
我らは出会うべくして出会ったのだな。
退屈であった時など忘れ去るほど長き時を、
我と共に歩めばよい。
[その傍らには、人形もまた常にいるだろう。
あれ程に愛しく素晴らしい玩具を、飽きて捨てるなど*ありえない*]
/*
比翼の友いいね…!がんばれ!
俺はカレーを作っている最中なのに炊き上がったご飯がおいしそうすぎていますぐ卵かけご飯にしたい誘惑と戦っている。勝ち目あやうい
─ 天の宮へ ─
[始まりにして唯一なるものは白銀の兵を次々と疾雷にて魔なる大地へと叩き落としながら、天を目指した]
死にたい者は前へ出るが良い!
糧となりて天を喰らい尽くす火種となろうぞ
[天界人の矢などで、黒銀の翼を焼くことはできない。
aを止められるものは天にも地にもただ一柱のみ。
右手を掲げる。
その指の先に浮く武器は舟ほどの大きさもある大剣。握りもせずに自在に操られる剣は宙を舞い、百の軍勢を一振りに薙ぎはらった]
/*
そうか1000年後の世界もあるか
じゃあまおーが乗ってるツィーアの他に実はどこかに超巨大テンちゃんもいる?
細かいことは …いあ、
俺がヨセフを殺したかどうかは細かくないんだぜ!
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