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[会議室の会話を聞きながら、「留められるのは困る」と呟く隊長を横目に見る。]
そう、ですね……
[出会った頃は見上げるだけだった身長も今は追い越してさえいるが、彼の柔和ながら精悍な顔立ちの印象は変わらない。]
貴方が困るなら、私も困ります。
[独り言のように呟くと、会議室の話し合いを聞くともなしに聞きながら。
思考は、クレメンスと初めて出会った時のことを思い出していた──]
──回想・約15年前──
[都から遠く離れた辺境の村。
いつもはのどかな空気のこの村も、数年ぶりの王直々の視察とあって賑々しく浮足立っている。
物心ついてからは初めてのその行事を待ちわびていた、少年ヴェルナーとて例外ではなく]
っし、終わったー!
[行列を見に行くなら宿題を終わらせてから……という両親の言いつけを律儀に果たし終えると、大急ぎで階下へ向かい]
終わったよ! 行ってきます!!
[取るものもとりあえず、目的地へ駆け出す。]
[近所の友人たちと落ち合って村の大通りへ急げば、たくさんの護衛をつけた王の行列がちょうど向かってくるところだった。]
うっわぁ……!
[片田舎の村から一歩も出たことのない貧しい少年には想像もつかなかった規模に、目を丸くして言葉を失う。
かっちりとした制服を着こみ規律正しく行軍する隊列も、きらびやかな装具をまとった綺麗な馬も、すべてが初めて目にするもので]
すっごいなぁ……
[うっとりと眺めていて、我を忘れていたのだと思う。]
「ヴェルナー!」
[友人の切迫した声が背中に届いた時には、もっとよく見ようとつい乗り出した身体が大通りへ──王の隊列の側へ、身体ひとつ分ほどはみ出してしまっていた。]
……っ!
[すぐに一歩退けば、恐らくどうということはなかったのだろう。けれど、非日常の空気に怖気ついた身体は思うように動かなくて。]
「お前、何をしている!」
[数秒後、隊列が止められ剣先を向けられるまで、突っ立ったままでいてしまった]
ご、ごめんなさ……
[とんでもないことをしてしまった、とは理解した。
けれど、相手の威圧的な態度にますます身体は強張るばかりで。
どうしてよいかわからず、思わずぎゅっと目を閉じうつむいた時。]
──?
[大きな手が優しく身体に触れるのを感じる。
温かいてのひらが、ゆっくりと撫でるように、己の身体全体を確かめた後。]
「隊長殿。この少年は武器を所持しておりません。
故意ではなく、事故でありましょう」
[穏やかな声が、己と剣先との間に立ちふさがる。
おそるおそる顔を上げれば、柔和ながら精悍な顔立ちの壮年の武官が、威圧的な声の人物に向かい合っているのが見えた。]
「何かございましたら、私が責任を負います。見逃してやってはいただけませんか」
[頼もしい背中を見上げながら、思わす涙がこぼれそうになる。
隊列が再び動き出したのを確認すると、壮年の武官は己の手を引いて沿道へと連れ戻し、微笑んで片膝をつき視線を合わせた。]
「もう大丈夫だ。……気をつけるんだよ」
[ぽんぽんと頭を撫でられ、何度も礼を述べながら必死で頷く。
隊列に戻ってゆく彼の背中を、少年ヴェルナーはいつまでも見つめていた。]
/*
マリエッタすてらさん、先生ゆかっちかなー
なお、どやがおですてらさんの位置を間違うまでがお約束のもよう
/*
シメオンとローレルは喋るたんびに白くておなかいっぱいなので、最終日が来たら考えたい_(:3」∠)_
なもんで、どっちか粧さんかな。
[遠巻きにこちらを見ていた職員たちに話しかけてみれば、フィオンの指示を受けて一緒に部屋を整えていたという若い男性が案内を申し出てくれた。
ありがたく厚意に甘え、道案内を頼む。]
あれは、何のためにあるものですか?
[ダーフィトが言っていたように職員と交流を深めておくのもいいだろうと、あたりさわりのなさそうなことから尋ねていく。
カスパル、と名乗った彼は人懐っこい笑顔であれこれと答えてくれた。]
[かの異邦人は、穏やかで仕事熱心な人物だったという。
カスパルが"ラボ"から出てきた時には既に老年にさしかかっていたらしく、親しくしていた期間は長くはなかったようだが、この人懐っこい笑顔に向かってはかの老人も色々と話しやすかったのかもしれない。]
その……、モーリッツさんは、どうやってこういった部屋に出入りしていたんです?
鍵だとか、そういったものはないようですけれど。
[ひとりの職員として認められていた様子を聞く限り、まさかずっと誰かに付き添われていたわけでもあるまい。
そう思って尋ねれば、彼はあっさりと教えてくれた。
──永住を決めた異邦人には、"ラボ"で職員たちに埋め込まれるものと似たような装置が与えられるのだと。]
永住……。
[元の世界との永遠の別れと引き換えに、此処での自由を手に入れる。
それを、かの異邦人もどこかのタイミングで選んだということか。
……その心の痛みを思い、分かちあうように思わず目を閉じる。]
[瞼の裏に浮かぶのは、あの方の笑顔。
いつも、困らせて、悲しませてばかりだったのに。
思い出すときには必ず笑ってくれているのは、きっと己の願望なのだろう]
……様、
[心の中ですら、小さな小さな声で呼ぶ。]
これで本当に、さようなら、です……。
[数瞬の後、ゆっくりとカスパルに向き直り]
それは、今決めてしまっても良いものですか?
[唐突な申し出に、彼は面食らったようだった。
此処に迷い込んでせいぜい数日でこんなことを言い出すのは、物分りが良すぎる、ということだろう。
さすがに訝しげな表情で「本当に良いのですか」と問う彼に]
えぇ。
──異邦人に触れたことのある貴方だから、信じて言うのですけれど、
[廊下に人の気配がないことを確かめた後、声を潜めて囁く。
……気心知れた同僚たちにも、敬愛する隊長にすら語ったことのない秘密を。]
忘れたいひとが、いるのです。
いえ──その方に、私のことを忘れてほしい、というほうが正しい……。
[ことさら痛ましげなふりをするつもりはなかったのだけれど、その声は、己のものとは思えないほど苦しげだった。]
[心のうちを聞いてしまった責任感からか、カスパルは上司に掛け合うと約束してくれた。
制御装置は豆粒以下の小さなものらしく、単体で持ち歩くのは紛失の危険があるということで、職員たちには強制的に埋め込まれているのだそうだ。
異邦人に与えられる装置も生体に埋め込むことはできるが、ほとんどが"肌身離さず身につけるもの"に装着することを選ぶという。
どうしますか、と聞かれてしばし考え]
では、これに。
[制服のネクタイを緩めてシャツのボタンを外し、首にかけていた金属製のペンダントを取り出す。
よく観察すれば、繊細な装飾の施されたトップは螺子式になっていて、小さいが何かを入れておけるようになっているとわかっただろう。]
[扉を閉めると、先程まで切ってあった無線のスイッチを入れる。
──シロウの作り声に笑い出してしまいそうで、案内される道中でいったん切っておいたのだ。
何やら騒がしい声が聞こえた後、だんだんと静かになっていったかと思えば。
いつもの声で、「任務完了」と聞こえた。(>>+85)]
どうやって完了したかは、聞かないことにしましょうか……。
[武力行使よりひどいとはどういうことか。
目的を達成したのだから構わないだろうと自分に言い聞かせ、シロウからの送信が切れるのを待って]
こちらヴェルナー。与えられた部屋にいます。
制御装置についての情報を入手、私の分の装置は近々手に入りそうです。
どこまで移動可能になるかは未知ですが、動きやすくはなろうかと。
あとすみませんが、暫く仮眠をとらせていただきます。
……どうぞ。
[送信を切り、アタッチメントを外すと、先ほど外したペンダントを持ち上げてじっと見つめた**]
忘れたいなんて、大嘘だな。
[苦笑して呟き、そっと装飾をなぞる。
それに制御装置をつけるということは、絶対に忘れない、と言っているに等しい。]
……毒でも入っていれば救われるんだが。
[などと嘯きつつ、ペンダントトップを耳元で振る。
液体が入っているらしい音がすることは、何度か確かめてあった。]
[「あの方」本人から直接渡されたわけではない。
元はといえば、己が関われるはずもないひとだった。
たとえ近くにいても、あの方にとっては空気と同じ。
……そうであったはずなのに。]
あの日のことは、「正しい歴史」なんですかね……?
[さすがに、そんなことまではあの本にも書かれていなかった。
けれど、己の運命が変わったのはまちがいなく、あの日だ。]
[しばらく愛おしげに表面を撫でた後、意を決したようにゆっくりと螺子をまわす。]
─────っ!
[ふわりと、甘い香りが漂った]
[香りは鮮やかに記憶を呼び戻す。]
……貴女というひとは……
[胸いっぱいに流れ込んだのは、沈丁花の薫香。
花の名前など知らぬ己が、唯一覚えた花の香り]
─────忘れないでいてください、と。
言っても、いいですか……?
[ひとりになれる場所があって本当に良かった、と思う。
胸の痛みに泣いたのなんて15年ぶりくらいで、どうしていいか、まったくわからないから**]
/*
一撃
アリーセ村視点、明日の吊りほぼ自分で1ミスな上に、村から白を固められつつある中に狼いることになるんですよね。
そのへんの危機感とか、自分吊れちゃった後の想定とか出してくれると村拾えるかなぁ…?
拾いつつ吊らざるを得ないくらい視線集まっちゃってますが。
と思ってたら来ましたね。正座待機**
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