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劇団員 ジル は、研究所員 アイリ と 専門学校生 メレディス を愛の矢で結びつけた。
[アヴェからのメモには拙いローマ字が並べられている]
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jiru
no
koto ha kirai zyanaiyo
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[そうだ仕事をしないとワインをテーブルに置き、二人のことを強く念じた。
誰にも聞こえないように小声で]
どうかどうか、幸せになりますように。
[上手くいったそう思った時にぐらりと体が揺れる衝撃を感じた気がした。
実際はそんなことはなくて、体はきちんと立っていた。
瞬きを何度かすると現実に戻ったように渡されたメモを見やる]
[他の人が置いたメモも似たようなことが書いてある。
個人に当てたかのようなメモだった。
そこの横に自分のメモも置く。
jiru
no
koto ha kirai zyanaiyo]
僕のこと、嫌いじゃないか。
[胸がチクリと痛む。
「嫌いじゃないの反対は?」
唐突に思い出される言葉に罪悪感が溢れ出す。
胸をしめてるふわふわと幸せな衝動がそれをすぐに打ち消した]
ー応接間ー
[視線が外せない一人の女性へと足を向ける。
こんな気持ちは初めて、緊張から自分の足ではないみたいだった]
えっと、湯浅さんですよね?
[恋の矢の衝動というのはこんなにも強いものかと自分の欲望を抑えるのにぎゅっと服を掴んだ。
目の前の可憐な小柄の女性をお互いのことなんて、紙切れ一枚しか知らないのに独占したいと強く思ってしまっていた]
━応接間━
[皆が談笑するなか、ひとり口数の少ない彼がいるのは知っていた。職業柄、教室の隅にいる生徒のことも見落とさない。まだ話してはいないが、ペラペラとプロフィール用紙をめくればその人だと分かる。]
じげん…るい?
[聞こえないくらいの小さな声で口には出してみたが名前の読み方も自信がない。
しかし声にしてみたその時。
自分の胸に電気のような衝撃が走る。
これが……恋矢の感触なのだろうか。
先ほど口にした名前。その人をもう一度見る。
『湯浅さんですよね?』
あぁ、こんな声をしていたのか。プロフィール表で職業は知っていた。役者らしく耳心地の良い、恋に落ちてしまう声……………。
目を見ればその瞳に吸い込まれるように引き込まれた。]
はい…………。ゆりえと、読んでください。
あなたは…次元類さん。
ふふ、なんだかおかしい。
[口元を押さえ、クスクスと笑う]
これが矢の効果。
そうだと分かっていても、惹かれ合うものなんですね。
ちょっとだけ、恥ずかしいです。
[照れた顔を隠すように俯いた]
あっ、はい。
ゆりえさん。
僕は……るいって呼んでくれたら嬉しいです。
[小柄に幼さを感じていたがプロフィールを見るに年上で固い職業。
なんだか追いつこうと背筋が伸びる]
恥ずかしい……、確かに恥ずかしいですね。
みんな、恋したらこんな気持ちになってたのかな。
すごい不思議です。
[自然にユーリエの髪に手が伸びる]
[ごく自然に伸びてきた彼の手。
ストレートな髪にさらりと流れていく。
少しだけビクッと驚いたのち、されるがままにゆだねた。]
それじゃあ…………るいくん。
…でもいいかな?
[目を見れば自然と彼を見上げる形になる。
…あ。この高さ…………。
カーディガンを羽織っているとはいえ、デコルテの見えるワンピースを着てきてしまった。こんなにも至近距離で上からみられると、服の中まで見えてしまうんじゃないかと心配になる。
恥ずかしそうに胸元を押さえ、ほんのり紅くなった顔で再び彼を見上げた。
熱を帯びた声でもう一度…。]
…るいくん………。
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