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[ 刃から飛び散った紅が、少女の白い足に散る。小さな紅い花びらのようにも見えるそれは、清い水を毒により侵す ]
痛いか?翡水。
[ 笑み佩いたままの唇が、愉しげに問いかけ ]
綺麗な水ばかりが川を流れると思うな。
[ 続く言葉の意は冷たく、だが声音は優しげにさえ響く。
そうして、涙に滲む少女の右肩を狙い、男は毒に濡れた右手のシャムシールではなく、左の鉤爪を斜めに切り裂く動きで揮う。
少女がその痛みに耐えかねて、弓を取り落とせば、即座に奪いとるつもりだ* ]
[ 少女の右肩に鋭い爪が届こうとした、その時、力込めて横凪ぎに揮われた弓が、男の脇腹...丁度、先の対峙で少女の弓が引き裂いた傷の上を打ち据えた ]
ガ...アッ!!
[ 思わぬ形の反撃に、男は苦悶の声を上げて、身を捩る。
鉤爪が既に少女の肩に届いていたならば、 痛みのために強く掴んだ力が少女の柔肌に、鋭い爪を食い込ませることになったろう** ]
/*
容赦なくやっちゃってますが(多分ローレルの人は確実に喰らうだろうとも思ってるw)
まああれだ、ワールドはぶっちゃけ万能だと思ってるんで、いざとなったらそれで回復しちゃってね、とか思ってる。
[ 引き続き負ける気満々 ]
[ 至近から放たれる矢を完全に避ける術は無い。
男は身を躱す代わりに、先に受けていた矢を左腕から引き抜きながら、少女へ向かって真っすぐに滑空する ]
ぐおおっ!
[ そして翡翠の光が右肩を貫くと同時に、咆哮の如き叫びと共に、血塗れた同じ矢を、彼女の弓引く腕を狙って投げつける。
当たるかどうかは意識の外。運良く掠りでもすれば毒の痛みはただ皮膚につくより大きいだろうが、それは運任せ、相手の体勢さえ崩れればそれで良かった* ]
/*
いやまあ、とりあえず死亡禁止村だし、あんまりやられすぎると、ローレルのテンションが逆に落ちそうだしね。
カード使うかも悩んだんだが、やっぱ夜に使いたいしな、うん。
[ 毒矢となった翡翠の矢が少女の腕を掠め、その動きを止める。
翼までも止めて墜ちていかないのは、その気力がまだ尽きていないことの証拠だろう ]
痛いか?翡水。
[ 少女の目前まで迫った男は、先と同じように問いかける。
血に濡れた鉤爪が、少女の持つ弓を掴んで奪おうとするように引いた。
少女が抗えば、二人の間は距離を失い、互いの息がかかるほどに近くなる ]
[ 男は今は嗤ってはいない。痛みに耐える琥珀の瞳は、少女の心を覗き込むように真っすぐに見つめて ]
「外」には、これ以上の痛みが待っている...としても、お前は、諦めないのか?
[ 腕に込めた力は抜かない。
少女がどう答えようとも、戦い続ける事に代わりはないが、それでも、問いを投げたのは、今男が、己を守るための狂気を捨てかけているからかもしれなかった* ]
[ 投げた問いに、諦めない、と、翡翠の少女は繰り返す。
その言葉に縋り、その言葉を杖に、前に進もうと足掻くように ]
そうか。なら、最後まで、足掻いてみせろ!
[ 諦めろ、と、言い続けていた男が、そう言い放ったのと同時、少女の足が蹴りを繰り出す。狙い定まらぬそれは、男が咄嗟に脇腹の傷を庇って身を引いたために、僅かに腹を掠めただけで空を切る。
しかし、男も弓を奪い取ることは出来ず]
バサリ...!
[ 次の矢を少女が番える前に、と、男は羽ばたきながら空中で素早く後転する。
そのまま滑空する勢いで少女の足元を抜け、背後へと回ろうとする意図は彼女にも見えただろうか* ]
[ けれど男の感情とは別な部分が、それが己を空から墜とす力だと認識し、その認識に従って『塔』のカードが男の手...鉤爪の中に握られた ]
Break!
[ 崩壊と悲劇を意味する『塔』のカード。その力は、破壊そのもの ]
[ 鉤爪に握り込まれたカードは、破壊の意志を空に放つ。
けれど、少女の真っすぐな願いのままに降り注ぐ翡翠の流星雨は、それより早く男の黒い羽根を貫いていた ]
が...ああっ!
[ 蝙蝠の羽根に、幾つもの穴を穿ちながら、翡翠の矢は地上へ届く前に崩れ去り、翡翠色の光の粉となって風に舞い散っていく ]
バサ...
[ それでも身を空に支えようと、羽ばたけど、地に降る光の粉を追うように、その身は高度を保てず下降していく。
まるで、枯ちた葉が地に落ちるがごとく、ゆっくりと* ]
/*
おや、ゾフィヤが落ちたか。
偶然にしては出来過ぎというべきかね。
まあ、ラのやることだからな(悟りを開けそうになっている)
狂刃 ギィは、封責 ゾフィヤ を投票先に選びました。
/*
念のためゾフィヤ投票に変更、と。
ロヴィンの票がどうなってるか不明なとこがちょっと不安要素なんだよね。まあ他皆居るし、今日は大丈夫だと思うんだが。
[ どういう仕組みか魔法を操らぬ男にはさっぱり不明だったが、水球は、人の身体を支えるだけの反発力を持っているようで、墜ちた身体はその上で軽く跳ねただけで受け止められる ]
は...
[ 男の手からシャムシールは消えて、力を失った『塔』のカードが、ひらりと鉤爪から離れて水球の表面に落ちた ]
[ ゆるりと身を起こした時には、水球は形を崩していたろうか? ]
.........
[ 後を追ってくる少女の姿を見上げると、男は黙って胸ポケットから、もう一枚のカードを取り出した* ]
[ 確かめるような問いに、男は目を細め、左の鉤爪を目の前に翳してみせる ]
武器はなくとも、私はまだ戦える。この爪と、我が身に流れる毒の血があれば。
[ そう言いながらも、動きはしない。腕と脇腹から流れ続ける血が、すでに動けぬほどの痛みを男に与えている事は、少女に知る由もないだろうが* ]
持っていけ...
[ ひらりと、二枚目のカードが地面に落ちたカードに重ねて落とされる ]
...最初のカードはともかく、そのカードは私よりお前に相応しいだろう。
[ 『破壊』と『悲劇』を顕すカードと、『永遠』と『成就』を顕すカード。真逆ともいえるその二枚のうち、男が選んだのは前者 ]
[ 男は全てを壊す事を願った。そのための力と自由とを ]
[ この少女が、夢を叶えたとしたら、その後は何を望むのか ]
最後まで足掻けよ。
[ 告げる声は静かに響いた* ]
[ 男の知る外の世界は、ただ闇の色に染まっている。
けれど恐らく、それが全てではない事もどこかで知っていた ]
...お前の矢の輝きは...星のように美しかったな。
[ 亡くした記憶のその向こうを思い出させた光。
それを瞼に刻むように、目を閉じる。
痛みに耐え続けた意識が、霞み始めていた** ]
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