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― 月の舞台 ―
[ 召喚者が、瞳瞬く間に>>0:80、竜はばさりと一度翼を広げ、くわあ、と欠伸を漏らしながら、両腕を広げて伸びをした。 ]
そうか、お前が呼んだのか、メルヒオル。
俺は、あー...
[ どこをどうつついても初対面の相手の名を、まるで旧知のように呼び、己の名を名乗ろうとする素振りを見せて、一度眉を潜める。 ]
確か...ツィ...チェ...いや、ツェーザルかな?そんな名だ。まあ別の名をつけても構わんが。
[ 声音の軽さは相変わらず、そんな適当な台詞を吐いてから立ち上がり、くるりと辺りを見渡した。
視線の合った相手には竜であろうと召喚者であろうと、漏れなくニィと笑みを見せ、相手の反応次第では軽く手なども振ったりする。 ]
なるほど、ここは舞台か、道理で目が覚めるわけだ。
[ 竜は深く息を吸い、鱗に覆われた腕で、寝乱れた碧色の髪を搔き上げる。 ]
お前、見た目よりもだいぶ若そうだな?
[ 願いを口にしたメルヒオル>>0:81に再度向けた視線は、侮るではなく、どこか面白そうな色を浮かべていた。 ]
一緒に戦うのはかまわねーけど、ちゃんと戦えるかは見せてもらうぜ。
確か.........そういう次第になってたろ?
[ 遠い記憶を辿るように、軽く首を傾げた竜の言葉を補うかのごとく、天からの声が始まりを告げた>>4 ]*
― 月の舞台 ―
若いってのは、生まれてからの時間が短いってことだよ。
とはいえ、竜と比べりゃ大概の奴が「若い」から、な。
[ 気にすることじゃないな。と、竜は笑って、それ以上を問うことはしなかった。 ]
ああ、せいぜい気張って証明してくれ。その方が、俺も楽だ。
[ どこか幼さのようなものを感じさせる言動とは裏腹、戦いに関しては、まぎれもない自信を見せる>>21メルヒオルの様子に、竜は目を細める。 ]
ああ、飾りで翼生やすほど酔狂でもねえし、もちろん飛べるぞ。
[ 空でも陸でも、と、言葉を続けたメルヒオルに相変わらずの調子で応じながら、竜は、最初に戦うことになった幻燈師と海蛇竜の方へとちらりと視線を投げた。
あの竜は飛びはしないだろう。けれど、幻燈師の真珠色の翼の方はやはり飾りではないはずだ。 ]
そうだな、折角だから空でやるか?
俺も飛ぶのは久々だからさ。**
― 月の舞台 ―
[ 竜が若さについての問答を終わらせたのは、自分の年齢についても実はよく覚えていないからだった。生まれたばかりではないのは確かだったが。 ]
へーえ、強そうだな。
[ 戦場を空と定め、黒緑の翼と、巨大なランスを顕現させたメルヒオルの姿に>>37竜は楽しげにそう呟き、自らの翼をばさりと羽ばたかせた。 ]
手加減、て、なに?
[ 手加減無用の宣を受ければ、以前のメルヒオルの口調を真似るように言葉を返す。
......実は、本当に、意味を知らないのかもしれなかった* ]
[ 広げた翼は、月の無い空にも煌めくように紅と碧の光を弾く。 ]
いくぜっ!
[ 一息のうちに、高く昇り詰めた竜は、鱗に覆われた両腕を一瞬胸の前で交差して、素早く腕を開くようにして振り抜いた。
二彩に揺れる鱗に宿る魔力そのものが、数十の光の礫のような魔弾となって、正面からメルヒオルを襲う* ]
本当の全力出せるかは、相手次第じゃなかったっけかな?
[ 僅かに苛立ちの色を見せる変幻騎士に>>45返す言葉は、やはり軽く、そして曖昧なもの。
それは相手の気を逆なでするかのようにも見えるが、ふい、と一瞬、遠くを探すように紅の瞳が彷徨ったのは、天色の瞳に映ったか* ]
どーした?ぼんやりしてる......と、おおっ!?
[ 魔光弾を受けたメルヒオルの動きは、僅かに反応が遅れて見えた。>>*18
すかさず畳み掛けようと、もう一度腕を交差した竜は、回避を捨てて、真っ直ぐに飛翔せんとする騎士の姿に目を見張る。 ]
うおっっとおおっ!!
[ 追撃のために前のめりになっていた身には、巨大なランスの間合いから逃れるための後退はきつい。
故に、選べたのは、攻撃のために交差した腕を防御の構えと変えながら、精一杯身を引いて直撃を免れようとする動き ]
い...っ!
[ しかし、気合を込めて揮われたランスを、避けきることは叶わず、胴を庇う腕を鋭い切っ先が掠めて、煌めく鱗を散らし、その下の皮膚をも切り裂いて、朱の雫を空に撒いた。 ]
は...やるじゃねえかっ!
[ 痛みが無いはずはなかったが、竜は、それに怯みはしなかった。
メルヒオルが魔弾に怯まず反撃を見せた、まさにその「相手次第」の反応で、血濡れた腕を前に突き出すと、再び魔光を迸らせる。
しかし、今度のそれは、相手に物理的な攻撃を仕掛けるのではなく、光そのもので目を眩ませるためのもの。
質量を伴わない代わりに、強く激しい紅と碧の渦巻く光の奔流が、小柄な竜の体を覆い隠す勢いで輝いた。* ]
ぼくに出せる全力くらいあるんだろ。
それを出せって言ってるんだよ!
[本当の全力は竜同士でなければいけないことくらい分かっている。
曖昧に返された言葉>>46、彷徨う紅の瞳。
相手次第、と言う言葉を、侮られていると取ったわけではない。
上手く言葉に出来なくて発されなかった言葉は、別の形で相手へと向けられた*]
[ 自らの放った光の渦の中心で、竜は紅の瞳を見開いて、上を、月無き天を見上げた。 ]
はは、ほんと、強いな。
[ 力も気も強い、そして驚くほどに真っ直ぐな......天の色。
迸る光にも負けぬ声が降る。>>*38 ]
いいぜ、ぶち抜いてみろよ。
[ ばさり、光纏う翼が空を切る。或いはその羽音はメルヒオルの元に届いたか。 ]
[ 己が位置を知らせる羽音と共に、急降下する騎士の元へ、光の渦から一条の光が伸びる。それは、螺旋を描く紅と碧。
有りえぬ速度で旋回しながら、飛翔する光の塊から、煌めく碧の爪を持つ竜の腕が伸びる。 ]
力、くらべって奴だっ!!
[ 伸ばした腕がランスの切っ先を掴むが叶えば、螺旋を描く動きのままに、メルヒオルの身を振り回し、空に投げ出さんとする......叶わねば、竜の身を鋭い切っ先が貫くは、承知の上だ。6(20x1)** ]
ぼくは……ぼくが産まれた意味をしらない。
生きる意味をしらない。
だから、ぼくは それをしりたい。
この舞闘会で、ぼくが生きる意味を見つけたい!
[叫ぶような声は、どこか涙ぐむ音が混じる。
伝えた答えはどこか漠然としたものだったことだろう。
だがその中には、自分なりに考えての理由が確かにあった]
[ 竜は天に向け手を伸ばす。
硬く強い碧の爪は、流星のごとく降り来たるランスの鋭い切っ先に確かに触れた。
が...... ]
ぬ、おおっ!
[ 掴み取ろうとした流星は動きを止めず、硬い爪がランスの表面と擦れて甲高い音をたてる。
掌まで覆う鱗は摩擦によって砕け、粒子となって二彩の光輝に溶けた。 ]
は、ははっ...!貫く、か...!
[ 二彩の光を貫き、竜の身を貫かんとする力と、意志を貫く天の色 ]
そうか...それが、お前の力か、メルヒオル!!
[ 竜は翼を大きく広げ、両腕でランスを掴むと、身を捻りながら、押し返すではなく、自らの方へと引き寄せる。]
おおおっ!!
[ 咆哮の如き声と共に、光の渦が輝きを増して、竜神と召喚者の姿を共に包み込む。
そうして、その光の中、二彩の竜はランスの切っ先に穿たれながら、自らを貫いた意志を引き寄せんと、血濡れた腕を、変幻の騎士の肩に伸ばした。* ]
己の生の意味。
求める意志の強さ、確かに受け取った。
[ 光の渦の中、青年の背後に紅と碧...二頭の竜の幻影が浮かんだのは、メルヒオルの目にだけ映ったはずだ。* ]
[互いに手が届く程の距離。
眩い光の渦の中で、ツェーザルの背後に二頭の竜を見る。
彼が持つ色彩をそれぞれ持った竜達。
その光景にメルヒオルは目を丸くした]
[ 炸裂する光の暴力が収まったその後に、騎士の肩を抱くようにして靠れる竜の姿が現れる。 ]
本当に、強いな。
[ 血濡れた手で、メルヒオルの肩を掴み、耳元に唇を寄せて、竜は囁く。 ]
ちゃんと全力、出し切ったぞ?
[ そうして、ランスを抜いたメルヒオルの言葉を聞けば>>*75小さく笑った。 ]
いいぜ。
[ 相変わらずの軽い口調で ]
だからさー、とりあえず、お前の
そうすりゃ、傷も治るからな。
[ 痛えんだよこれ、と、ランスの穿った傷を押さえて、竜は顔をしかめて見せる。
無事に魔力を補給できれば、その傷跡に一箇所だけ、天の色の鱗が顕れたのが目に出来る筈だ* ]
/*
鱗の色変わりしたとこが逆鱗だよね、これ。
ちなみに、メルヒオルが魔力を渡してくれれば、魔弾は針から剣にパワーアップします。
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