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― 何処かの森の中 ―
……?
[ふと、歩みが止まる。
風などほとんど吹かないような森の中、なのに、嫌な風が吹いたような気がした]
なん、今の……。
[何だか、嫌な予感がして、肩越し振り返る。
目に入るのは、黒と濃藍で彩られた太刀の柄。
それにちょっとだけ安心して。
気を取り直して次の一歩を踏み出した直後に──風が、吹き抜けて。 ──7(10x1)]
[唐突な暗転。
無意識、誰かを呼びそうになって、あ、それダメだ、と思い直して。
それからほとんど間を置かずに、誰を呼ぼうとしたのか、が記憶から飛んだ]
…………ぼく、は…………。
[何してたんだっけ、どこへ行こうとしてたんだっけ。
空っぽになった思考に、するりと何かが滑り込んで]
……あー……そっか、そうだ。
[『片付け』しなきゃ。
そこに思い至った時、届いたのは水の流れる音と、知らない風の感触だった。*]
― →草原の川に掛かる橋 ―
― 草原の川に掛かる橋 ―
[ぐるりと見回す。
ひとがいる。>>24
あれはなんだ、と考える。
違和感が強い。
つまりは]
……『片付け』なきゃなんない相手?
[こてり、と傾ぐ首。
手が自然に、物凄く自然に、背負った太刀に伸びる。
僅かに浮いた太刀の鈨に浮かぶのは、そこにあるべき透かし彫りの紋様──ではなく。
あからさまに不自然な目がひとつ。*]
[ぐるぐるぐるぐる、頭の中で声が回る。
「たたかえ」と繰り返されるそれは、なんというか]
……うざいっつーの。
言われなくたって、やったるわ。
[だって、それが一番速いから。
……なにがどう、どういう意味で速いのかは、上手く言えないけれど]
― 草原の川に掛かる橋 ―
[ふる、と首を振る。
頭の中がぐるぐるして落ち着かない。
落ち着かない意識を、呼びかけてくる声>>34に向ける事で、強引に現実に向けた]
ぼく?
ぼくは、シュテルン・シュトゥルムヴィント。
[端的に名を告げて、構えをとる。
両手で柄を保持しながらの下段の構え。
立ち居振る舞いに向こうが見覚えあるかも──なんて事は、うかばない]
だって、『片付け』せんとならんし。
そのためには、やらにゃならんでしょー?
[何言ってんの、と言わんばかりに返す様子は、ためらいなどは全くないもの。*]
/*
鈨だと抜いてない時わかりにくくね? と思ったんだけど、柄だとシェットさんと被るんや……!
てわけで、わりとすぐ抜刀するor抜き身で駆け回るすたいるになりそだわー、これは。
― 草原の川に掛かる橋 ―
……何なんよ。
[自分の名乗りとか諸々が相手に思わせるものなんてわからない。
まして相手が、今は記憶からころっと抜け落ちた師父が、次の目標クリアしたら会いに行かせようとか思ってた当人だなんてそれこそ知る術もないわけで]
やる気ないならないでもいーんだけど。
……ぼくのやる事に変わりはないし。
[無防備にも見える様子>>41に、は、と一つ息を吐いた。
ゆら、と、下を向いていた切っ先が揺らぐ]
ぼくは、『片付け』せんとあかんのだから。
……やる気ないなら、大人しゅう片づけられてな!
[一方的な宣言と共に、走り出す。
踏み込みからの横薙ぎ一閃。
風断つ速度は未だ及ばないけれど。
太刀筋は師父から素直に継いだもの。**]
― 草原の川に掛かる橋の上 ―
[あれやこれやと巡らせられる思考は知る由ない。
いや、聞いた所で今の少年の意識には届かない。
それは浸蝕の影響もあるが何より。
太刀振るう際にはただ、それのみに意識向けるが故の事]
……っ!
[流れるような動きからの、切り下ろしの一撃。>>44
それが鈨の目を狙っている、と気づいた瞬間、僅かに太刀を引いていた。
それによって勢いはより削がれ、刃は容易く弾かれる]
……んなろっ!
[返し刃が走る。>>45
こちらは弾かれた太刀を引き戻しきれていない。
とっさ、選んだのは後ろへ大きく飛び退く事。
紙一重、切っ先が目の前を通り過ぎる]
……ち……ふつーに攻めても、とれそうにないか。
[飛び退いた先で片膝を突き、太刀を右横に流すように構えて呼吸を整える。
どう攻めればいいか、どう動けばいいか。
そこを瞬時に導き出すには、まだまだいろいろ足りてない。*]
― 草原の川に掛かる橋の上 ―
……るっさい!
あんたにゃそんなん、関係ないだろ!
[修行中。大当たりである。故に、ついつい大声が出た。
基礎は叩き込まれているし、同世代の中では技量的にも体力的にも秀でている、と言える方だ。
何せ、鍛えられ方がおかしい。
けれど、実践となるとまだまだ不足していて、それが色々と引っかかっている……というのはちょっと余談としておいて]
[どう動くか、思案する間に相手は動く。
左側に回り込む動きに対しようとするが、遅い]
やばっ……!
[言ってる間に斬り上げられる一撃。
とっさに身体の向きを変えた所に刃が走り、脇をわき腹から胸の辺りを引き裂いた]
ん、のっ……。
[斬られる感覚にはまだ慣れていない。
けれど、それで怯む事はできない、と。
今は奥に奥に押し込められた何かが暴れる]
ただで、やられるかぁ!
[叫びざま、横に流していた太刀を強引に振り上げる。
狙いもまともにつけられていない、けれど勢いだけはある下方からの切り上げが大気を裂いた。*]
― 草原の川に掛かる橋の上 ―
んにゃろっ……!
[揶揄するように笑われて>>77、またひとつ、苛立ちが積み上がった。
気にいらねぇ、こいつ気にいらねぇ。
そんな意識に捕らわれた少年の耳に、"似てる"という言葉は届かずに。
それでも、焦燥感を帯びた方は捉えたから、これならいける、と太刀をそのまま振り切る。
それが誘いであると気づくには、色々が足りてない、から]
……うぇっ!?
[振り切った刃は、ただ空を斬る。
え、あれ、なんで、と思う間に、刃の先に刃が当たった。
衝撃が伝わり、太刀が流れる──それが手から離れそうになると、慌てて掴み直してそのまま転がった]
……ってぇ……。
[ごろごろ転がり、距離を開ける。
無理に転がったせいで、なんかあちこち打ち付けたような気がしなくもないけれど、そこは気にしている余裕もなく。
回転の終点で跳ね上がり、息を切らしながら睨むような視線を相手に向けた。*]
― 草原の川に掛かる橋の上 ―
[太刀離さなかったのは、叩き込まれた師父の教え故の本能に依る所が多分大きい。
勿論、それ以外の干渉もあるだろうけれど]
………………。
[一歩ずつ近づきながら告げられる言葉。>>95
ぎ、と唇を噛んだ]
[声がする、声が響く。
迷う心を煽るように、「たたかえ」と声が響く]
……ったぁ、もう!
だから、うざいっつの……!
[言われなくたって戦ってるし、戦うつもりだった。
ただ、そのための色々が、今は──足りない。
足りないのがわかって、それがより一層、イライラを高める悪循環]
……どいつもこいつも、るせぇし、うざいっつってんに……!
[諸々で高まる苛立ちが、現実の声に零れた。
このままやり合っても勝てない。
勝てなかったら、『片づけ』られない。
それはダメだ、と思ったら、身体がとっさに動いていた。
後ろに向けて、もう一度大きく飛びずさり]
……どっちも。
どっちも選ばん、っつーたら、どーするんよ?
[投げ返すのは、こんな問いかけ。*]
[何やら声が返ってきた。
あれ、なんだこれ、と思ったのは束の間]
……前だけ?
そんなん、言われんでもわかってる……!
[とっさ、そんな言葉を返していたのは、条件反射]
― 草原の川に掛かる橋の上 ―
[ふる、と頭を振る。
なんか予想外に聞こえてきた声に、ちょっとだけ思考がブレたが、何とか目の前に集中して]
…………。
[問いに返された言葉に、またひとつ、いらいらを募らせる。
けれど、このままやり合っても勝てないのは身に染みているから]
……そーかよ。
でもな、あんたに褒められても嬉しゅうないからな!
[苛立ちを隠すことなく言い放ち、再び後ろへと跳ぶ。
ここから離れないと、という意識は、異なる場所へと少年を運ぶ、ものの。
最後に投げつけられた一撃>>102は、きっちり足を掠めて紅を散らしていた。**]
[嬉しくない、と言った所に重ねられた言葉>>109は、追い打ちのように突き刺さる。
跳んで逃げた後に落ちた言葉>>111は聞こえなくてよかった、多分。
ともあれ、少年は闇雲に、何も考えずに跳んで、その場から離脱して──9(10x1)]
― 校舎 ―
……ここ、どこなん……。
[跳んだ先は、これまた見覚えのない場所。
人の気配はなく、それがある意味救いだった]
……って……。
[誰もいない、と察すると、急に受けた傷が痛みだした。
へたり、と座り込んで大きく息を吐いて]
……いてぇ、けど。
へこたれてられん。
……『片付け』せんとならんし、そのためには……。
[それを為せるだけの力を出さなきゃいけない。
そのためには、泣き言なんて言ってられない]
このくらい、できんかったら。
いつまでたっても……。
[呟く声は、その先をどうしても言葉にできずに途切れてしまう。
不自然な空白が生じて、それが息苦しくて。
少年はふる、と首を振った後]
……みず、さがそ。
[まずは傷の手当てを、と。
そんな事を考えながら、歩き出した。*]
― 校舎 ―
[水を探してぽてぽてと、歩いた先に辿りついたのは食堂らしき場所だった。
は、と一つ息を吐き、水を使って傷を洗い、持っていた薬草で手当てする]
……なん、とか。
動かせるかな。
[今できる最低限の手当てを終えて、は、と息を吐く。
それから、改めて自分が今いる場所を見回して]
……なして、こんな立派な窯あるし。
[ふと、目に入ったのは厨房に据えられた焼き窯。
今まで歩いてきた中で目に入った設備から、何かの学校らしい、というのは察しがついた。
そこの設備というには、随分と本格的じゃないのか、なんて。
ふと考えたら、何かが浮かびあがってきたような気がした]
『……前にオレが務めてたとこにはなー……』
[てきぱきと何か作りながら、誰かが言ってたような]
『ほら、……………とか、…………とか』
『そそ、あいつらも一緒にいてなー』
[浮いて、沈んで。
けれどそれらは形を結ぶ前に、押し流されて消える]
…………。
[落ちた視線は、抜身のままの太刀へ。
ああ、手入れしないと、と、ぼんやり思う]
……ちゃんとしとかんと。
『片付け』できんしなぁ……。
[小さく呟き、緩慢な動きで始めるのは、太刀の手入れ。
鈨の上の"目"が何やら忙しなく動いているが、そっちに意識は向いていなかった。*]
[協力要請は鈨の"目"にも届いていたが。
完敗状態に凹んでいた上にダメージを受けていた少年の意識は、そちらには向かず。
速いとこ活性化させねば、などと思いつつ、手入れされる刃と柄の間できょときょと落ち着かなく動くのみだったとか。*]
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