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オクタヴィアス・ノイアー……
そりゃあまた大物が掛かったなぁ、兄者。
[>>*26 その名前はマーティンでも当然知っている。
他ならぬ、先日打ち取ったアルブレヒト・ノイアーの一人息子だ。
大将自らが赴くとは、向こうもまた、我等が盟主と気質はそう変わらないのかもしれない。]
気ィ付けろよ。
[弟分に言われずとも、聡明なチャールズなら充分に解っているだろうけれども。そう声を掛けずにはいられなかった。]
クレステッド、な、
[心の裡の声が、口にそのまま零れた。
>>437 橋の北側、その入り口を塞がんとばかりに立ちはだかる一群。
その先頭に立つは、あの銀灰の剣士。]
そいつァ、
クレステッド・フォラータって奴かい?
[続く声は、心の裡には乗せずに紡がれた。
視界の先、まだ距離はあるものの、彼の姿がはっきりと見とめられる。
向こうからも、2メートルもある自分の巨躯は、確認することが出来ただろう。
視線が重ねれば、好敵手を見つけた歓びに、目を輝かせる。]
――――また、逢ったな。
今度は、お前さんが壁になるってか。
[>>0:55 あの時、クレステッド・フォラータの前に立ちはだかった。
今度はそのお返しと言わんばかりに、あの男が、自分の前に立ちはだかる。]
若、
[本隊に合流しようとするディーンに、声を掛ける。]
儂が先に、切り込んで行っていいか?
――――儂が、若の道を作ろう。
[殿は、兄将が護っているのだ。
ならば自分が出来ることは、先に立ち、盟主の通るべき道を拓くことだ。]
……どっちにしろ。
あんな、中途半端なままじゃあ、収まらねぇよ。
[呟かれた声は奇しくも、好敵手と同じ言葉だった。*]
―サクソー川:橋の北側に向けて―
[全幅の信頼を寄せられた声が、心の裡に響く。
その信頼に応えるべく、力強く頷き。短い返事を送る。]
――――……
[>>455 やがて銀灰の剣士の、細かい表情まで認識できる程に、軍は詰められる。
交錯する視線、互いの陣に緊張感が走る。
一陣の突風が、両軍の間を駆けていく。]
儂こそが、
独立解放軍副将、マーティン・グリズリー。
州都にこの旗を立て、自由を取り戻すべく参った。
クレステッド・フォラータ殿、
我が盟主、ダンクラード・ハーゲン・ディ=カルスト・ヴァン・ラモーラルに代わって貴殿に告げる。
[背中に担いだ斧を前に携えた。
然し、未だにそれを構えることはせず、静かに告げる。
その表情は、普段の豪放磊落なクマではなく、副将のそれであっただろう。]
このまま貴殿が投降し、大人しくそこを通してくれるというならば。
我が軍は、決して貴殿たちを傷つけないことを約束しよう。
[静かな視線を、銀灰の剣士へと送る。]
[さて、返事はどうであったか。
返事が来たとして、いや来なくとも、この副将はふっと自嘲的に笑っただろう。 照れ臭そうに、そして楽しそうな表情を浮かべると、]
がっはっは!
………いやァ、こんなの柄じゃねぇ。
止めだ!やめやめ!
[頭を掻き、今度は豪快に笑った。]
面倒臭ェ口上は互いに無しにしようや。
………お互い、譲れねぇもんがあるんだ。
そこを、
―――――……退きやがれ!!!
[
それを皮切りに、軽歩兵隊が正規軍へと駆けていく。
>>462 本隊が交戦に入る前に、自分たちが先遣兵となり、本隊の足掛かりとなる手筈だ。
巨躯が真っ直ぐに、敵陣へと突っ込んでいく姿は。
まるで、樋熊が襲いかかっているようにも映っただろうか。**]
お前ら!
全速前進ッ、とにかく前へ進めぇぇぇッ!
[マーティンが部下に下す指示は至極シンプルなものだった。
猪のように愚直に突進していく様は、単純だが、強い。
もし相手が計略をつかって貶めたとしても、そこから先はディーンやエドルファスが何とかしてくれる。
そんな信頼も、マーティンにはあった。]
どるぅあああああああ!!!
[だからこそ、樋熊は真っ直ぐに敵将へと突進していった。
>>506 視界の先、長槍の切っ先が視界に入る。
突き出されるようにして立ち塞がる槍の塊は、まるで剣山のようだ。]
小賢しいッ、
――――……盾ェ持ってる奴は防げっ!
無ぇ奴は、俺の後ろに続けッ!
[しかし猛った樋熊が怯むことはない。
マーティンは盾は持ち合わせていない。
然し、その大斧がそのまま巨大な盾の代わりをしてくれる。
長い槍を携えた一陣に、その巨躯を突っ込ませた。]
おらァ、退けッ!!
[斧を下から上へと振り上げ、槍を弾き飛ばさんとする。
弾かれた兵の隙を逃す事なく、そのまま斧を横薙ぎに振り翳す。]
文句ある奴ァ、儂が相手じゃ!
[>>484 視界の端、若い戦士を見かけた。
戦槌を構え、真っ直ぐ此方を睨みつけている。
――――良い目だ。
然し、我等が狼の道を塞ぐものは、容赦はしない。]
[>>521 年若い戦士は瞳に英気を宿した儘、此方へと突っかかってきた。
――――ガァ、…ン!
鉄と鉄がぶつかり合う、烈しい音がした。
怒号が響き、平原は熱気で噎せ返る。
>>514 視界の端、敵陣の騎馬隊が駆けて行くのが見える。
その動きは、乱れることなく正確だ。
誰か、優秀な将でも居るのだろうか。]
若、気を付けろ。
なんか小賢しそうなのが居るな。
――――いざとなったら、エディに言え。
アイツなら何とかしてくれるだろ。
[先頭の合間、盟主のことを気に掛けながらも。
馬には馬だ。
騎馬隊など、後方の心配はエドルファスに任せることにする。
それよりも――― ほら、もう迫ってきた。]
…… ぐッ、
[>>522 戦槌の一撃は、想像以上に重かった。
斧を横にし、盾代わりとして防いだが、なかなかに重い。
まともに身体に受けていたら、骨が粉々に砕かれていたかもしれない。
しかし、此方もただ、受け入れるばかりではない。]
ぬんッ!!!
[斧を握る掌に力を籠め、戦槌を弾き返そうとする。
もし上手く弾き返すことができたならば、そのまま斧を縦へと振り下ろそうと、]
せい、 ……やァ!
[巨大な刃の弧が、緑髪の戦士へと襲いかかる。//]
― 7年前・回想 ―
兄者は子供欲しくねぇのかい?
[ある夜の日のことである。
いつものようにチャールズと共に、酒を飲み交わしていたときだ。
確か、小熊―――カークの話をしていた時である。
「カークはお前に似ずに、頭がいいな」とか。
「カークはお前と違って、気が利くな」とか。
そんな風に、チャールズがからかっていたときであったか。
自分の話ばかりでは居心地が悪いと、此方が彼に聞き返したのである。
>>*42 チャールズは暖炉に燃え盛る炎を眺めながら、どこか遠くを見つめていた。
炎の煌めきの向こう、彼は何を見つめていたか。
視線を追うと、暖炉の傍には、眠りこけているディーンの姿がある。]
がっはっは、違いねぇ。
[>>*43「充分な息子を得ている」との言葉には、深く頷いた。
目を細めて酒を煽るチャールズの言葉は、穏やかなものであった。
ディーンは自分にとっても息子のようなものであった。
血を分けた実の息子、カークと分け隔てなく愛情を注いでいる。
実際、年も近いことだし、自分からしたら可愛い息子が二人居るようなものだ。
命を捧げるべき盟主であり、護るべき息子のような存在なのだ。
その想いは、自分もチャールズも、変わる事はないだろう。]
おう、子供はさっさとベッドに行きな。
……儂も眠いし、そろそろ寝るとするかぁ。
[>>*44 寝床へと促す兄将の様子を見ながら、欠伸を噛み殺した。大きく伸びをし、クマも寝床へと戻ることにする。
傍ら、二人の様子を見やれば、
――――それはまるで、本物の親子のように思えた。]
がっはっは!
兄者なら本気で置いていきかねんからな!
若、寝坊すんじゃねぇぞ!
[───七年前の、優しい記憶。*]
―――……ッ、っへ、
なかなかすばしっこいなァ!
[>>546 大斧の強烈な一撃は、戦士の前髪を数本切り落とすだけに留まった。
腕力が敵わないと悟った戦士の、素早い判断に依るものだった。
その咄嗟の判断は、先の戦いでクレステッドが見せたものと似ている。(>>12)
やはり優秀な将のもとには、優秀な部下が集うということだろうか。]
あいつに似て良い判断だ。
[>>182 クレステッドに掛けた称賛の言葉を、同じように目の前の戦士に贈る。
―――楽しい。
血が湧き上がり、目を煌々とさせていた。そのとき、]
…… 、 ッ!!
横だッ―――… !!
[警告は遅れた]
ぬ、 うぉッ、
[>>523 先程、視界に入ってきた敵陣の騎馬隊が、文字通り横槍を入れてきた。
愚直に前へ前へと進んでいた自陣は、側面からの攻撃に咄嗟に対応することが出来なかった。
湧き上がる悲鳴は、自分の陣の、それ。]
盾を持っている奴ァ、直ぐ構えろッ。
追い掛けんでええ。
――――エディ……!
[馬の足に、人間が敵う筈もない。
そう判断したマーティンは、大声で叫んだ。
後方に構えていた、エドルファスに応援を頼んだ。
>>554 奇しくも、ディーンもまた同じような指示をエドルファスに送っていただろう。]
[マーティンは単騎だけなら、どの兵にも勝るとも劣らない猛者だ。
―――然し、咄嗟の判断には鈍かった。
>>547 ”横槍”に気を取られていたせいで、目の前に迫る鉄槌から気を逸らしてしまった。]
――――――……、ッぐ!!!
[豪快に横薙ぎした戦槌は、マーティンの右横腹を狙ってきた。
咄嗟に庇うため、マーティンは右腕を盾のようにして突き出した。]
ッ、この、 ……やろう!
[丸太のような腕とはいえど、まともに鉄槌を喰らえばただでは済まない。嫌な音が腕に響いたが、気のせいだと信じたい。…そんな筈はないだろうが。
しかし、自分の身を削ったおかげで、相手に隙が生まれる。]
ハッ、
………儂に一人で立ち向かうなんざ、
その勇気、褒めてやるよ。
[向こうも大物を使う分、隙は大きい。
振り下ろした斧を地面から引き抜く。
その勢いのまま、戦士を再び狙う。
しかし今度は直接相手の身体を狙うのではなく、戦槌を弾くように手元を狙って。//]
―サクソー川:橋の北側―
畜生……、
[>>571 遊撃のような突撃を数回。
馬を持たない我が陣は、対抗する術もなくまともに喰らった。
50〜100名の兵が命を失ったか、或いは戦闘不能に陥った。
>>568 エドルファスに呼びかけたが、その後どうなったか。
足の遅い軽歩兵軍では、追い掛けることは敵わない。]
なんなんだアイツは!
[後退する騎馬兵隊の敵将を、マーティンは睨みつけた。
名前は知らないが特徴的な嗤い方が、なんとなく食えない親父、という印象を抱いた。
―――兄将から先程聞いた囁きに依ると、彼が鍵と為り得るとか、なんとか。
彼がかの名将、ウォーレン・コリドラスだと気が付けば。
送るべき視線は、また別種のものになっていたかもしれない。]
[そして災難は続く。
>>575 自陣の空いた穴に、敵将が飛び込んできた。
忘れもしない、―――先の戦いで逃した銀灰の剣士だ。]
ふんッ、何人来ようが儂の相手ではないわ!
[それは気丈にしか過ぎなかった。
一介の兵ならば、何人束になってこようが、あしらえる自信がマーティンにはあった。
然し、この剣士の強さを―――既に知っている。けれども、]
今からでも大人しく橋を通してくれりゃぁ、ええんだけどなァ。
[>>503 そんな風に一瞬だけ表情を緩めたのは。
先程の口上のやり取りに感じた、どこか自分と近しいものを覚えたゆえか。*]
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