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[シロウは応じてくれただろうか。
いずれにせよ、顔に血がついたままでは他の搭乗員の精神衛生面でも芳しくはない。
手にしていたガーゼを彼の患部に当てて圧迫止血を行う。
時折血が止まったか確認しながら、簡易キットから別の水気を含んだタオルを取り出すと顔に媚びりついた血を拭っていく。
患者の容態や傷口の状態からそれほど重度のものではないと判断。
とはいえ、負傷時の状況が状況であるため、念のため検査を受けたほうがよいと進言する。
シロウが文句を言いつつ応じてくれるようであれば、彼を伴ってM区画へ。
途中、XB-109と接触することがあれば、M区画に人間用の携帯食を持ってきてくれるよう依頼する]
―M区画―
[M区画にある一室で、あらためて治療と詳しい検査を行う。
空腹を訴えている様子から、あまり待たせてしまうわけにはいかない。
時間にして8(20x1)分ほどで検査を終わらせる]
検査結果を見るに脳にも異常は見られません。
これから24時間の入浴を避けていただく以外は当研究所内で
他の搭乗員の皆さんと同じように
ご自由に過ごしていただいて大丈夫です。
[カルテを確認しつつ、シロウに告げる]
食堂はL区画にあります。
天然食品の種類は少ないですが、フリージングされた食品でしたら
各種揃っております。
他の方たちもおそらくそちらに集まるようになるかと。
[それから、シロウとは少し話をしただろうか?
彼が食堂や他の区画に向かおうとするならば、彼を見送る]
もし身体に変調をきたすようなことが会った際は
私たちジークムントにお知らせください。
[念のため、他のジークムントにもシロウの様子がおかしいときに連絡を入れてくれるよう送信しておく**]
[あれから、シロウとは少し話をしただろうか。
もし道を聞かれるようなことがあれば]
少し、お時間をいただけますか?
[そう言っていったん別室へと移動した後、
担架に搭載されているものと同型のAIを搭載した
マウス型のロボットを持ち出してくる]
此方のAIには当研究所内の地図と施設の設備について
記憶させてあります。
よろしければ、ご活用ください。
その他、何かございましたら近くのジークムントに
お申し付けください。
[表情に乏しい顔のまま、そう告げる。
みようによっては、無愛想ともとれるだろうか。
XB-109のようなXシリーズとは対照的に、
HK型は特に『安定性』を重視して作られている。
以前、メンテナンスを受けた際「お前は無駄口を叩かないな」と
博士より評価を頂いたことを記憶している。
その評価についての判断は容易ではないが、
メンテナンス終了後、プログラムに特に訂正が加えられなかったことから
少なくとも博士にとっては問題ないと判断されたのだろうと推測。
結果的に「他のジークムントよりも表情と口数に乏しい」という特徴を有することになった]
[シロウと別れたあと、簡易キットを持ってM区画を出る。
先程の医療用ではなく、機械整備用のものだ。
向かったのは、博士の部屋]
[手慣れた動作で博士の部屋のナンバーを押しロックを解除。
数年前、まだアデルがこの研究所にいた頃>>0:188とナンバーは変わっていない。
入力したナンバーに対する認証音と扉が開錠された音が響く。
中に入るとひんやりとした空気を、人工皮膚に植えられたセンサーが感知。
五年前に博士が『眠り』について以来、
この部屋の気温は外部よりやや低い状態を維持している]
[そのまま、部屋の奥へと歩を進める。
その動作に合わせるように背後で扉が閉まる音を感知]
……。
[シェルターごしに、ベッドで『眠る』博士の状態を確認する。
五年前、眠りに着く前の博士に『起こすな』という命令を受けたこと、そして、それ以外の博士に対する治療および外部への連絡を拒否されたことが記憶領域からリピートされる]
[博士が眠りについてからというもの、
HK-099はこうして定期的に博士の部屋を訪れ、
生命維持装置の整備を行なっている。
生体が永遠に生きることが不可能であるのと同じように、
機械もまた、整備と修理なくして恒久的な活動を続けることは不可能。
そしてそれは、博士の生命活動を維持している機械もまた同様。
『人間の生命を守らなければならない』
『(上記に反しない限り)人間の命令に従わなければならない』
博士の下した命令は、特に医療に携わるよう設定された
HK-099にとっては非常に遂行の難しいものであった。
命令に従えば、博士が回復する見込みは殆どなかったのだから。
そして今も、博士の“容態”はあのときと変わらないままだ。
現在、博士の身体は機械によって心肺活動が維持されている。
逆に言えば装置の存在なしには博士の生存は不可能。
そして、心肺以外に人体の生命活動に必要な部位については――]
……。
[この五年間、ずっと判断を保留し続けてきた事柄がある。
推論の段階で言えば、既に答えは出ているといって過言ではない。
『断定を避けている』というのがより正確なところだろうか。
――機械である
そして、できることを可能な限り行なっていくより他はない。
核心の部分に触れないまま、出した五年前当時の答えがそれだった。
そして、その回答は今も変化はしていない。
――もし、博士と同じ『人間』が、
この状況と向き合うことがあったのなら。
そのとき、彼らはこの問題にどのような答えを出すのだろうか*]
[全館放送を確認>>51したのは
丁度博士の生命維持装置の点検が終わった頃]
……。
[ミリアム・ミリアム・タラがジークムントを呼び出していると判断。
手早く工具類をしまい、装置が各自稼働状態であることを確認したあと部屋を出る]
[部屋を出たあと、回線を開き再度状況を確認。
どうやら、HK-099以外のジークムントの一体がすでにミリアム・ミリアム・タラと接触しているようだ]
[少し思考を巡らせることコンマ数秒。
シロウが無事に食事をとれたのかも気になるところであるため、
一度L区画へ様子を確認に行くことにする*]
[L区画に移動中、会話する音声を聴覚センサーにて感知>>107>>109>>122>>123
音声を分析したところ、会話の内容に不可思議な点が見つかり
カシャ、と小さく視覚センサーの覆いを瞬かせる。
どうやら会話をしている片方のうち一人は、対応しているモノを
ジークムントの一体と認識しているようだが、稼働中のジークムントの現在地とそれは明らかに一致していない。
さらにいうならば、ジークムント機と形態のよく似たその存在からは生体反応が見られる。
状況を言語化すると
『ジークムント機とよく似た形状を持つ、かつテウティドドリルス号の搭乗員データにも登録されていない人物』ということになる。
その条件に該当するのは、現時点では先程見かけた五人目の人物だけであると判断]
[二人に音声にて接触を図るべきか考えていたが、
その前に片方――仮に『五人目』と命名――に該当する人物が移動を開始した>>124
先程の会話を分析するに、どうやら飲み物を依頼されてL区画の食堂に移動したものと判断。
HK-099も食堂に向かう途中であるため、一度『五人目』と接触を試みることにする。**]
―食堂―
[食堂へと移動すると、嗅覚センサーに感じるものがあった>>131
今までにこのような“匂い”を感知したことはない。
思考を巡らせるが、現在、食堂から人間の声や動く物音と言ったものは感知できていない。
少なくとも、人間が何かしらのトラブルに巻き込まれている可能性は少ないと推測。
いずれにせよ、確認のために食堂へと歩を進める。
食堂内に入ると内部の様子を確認。
どうやら、先程の『五人目』はどうやらまだ到着していないらしい。
道に迷ったのだろうか?と推測。
いずれにせよ、人間を発見できなかったことから、突発的に発生したトラブルに彼らが巻き込まれたということはない様子]
[嗅覚と視覚、二つのセンサーに反応があったので其方へ顔を向けるとテーブルに何かがのっているのを確認した>>131]
……。
[近づいて様子を伺う。
どうやら“匂い”はこのテーブルの上に乗せられた物体から
発生している様子。
皿にのせられていることから、人間の料理である可能性が高い]
[メインコンピュータに接続後、それに類した情報を検索。
その結果、それぞれ
『オックステール(牛の尾)のスープ』
『温野菜に甘辛いピーナッツ・ソースをかけたもの』
『鶏肉に香辛料で下味をつけ遠火焼きにしたもの』
であることが判明した。
どうやらインドネシアという、ガイアの一地方の郷土料理のようだ。
おそらく、搭乗者のなかの誰かが作成したものと推測]
……。
[料理を前にして、少し首をかしげるような動作。
そのまま、何か思案するようにしばらくそのままの体勢をとっていたが、ふと踵を返すと、そのまま食堂の奥のほうへと向かった]
[CC-011より通信>>145
回線を開く]
『此方HK-099
HK-099よりCC-011へ、了解』
[短く返答を返すと、アデルの現在地点を確認する]
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